JP2005131660A - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋼の連続鋳造において、浸漬ノズル内部における負圧の発生やアルミナ等の付着を効果的に防止することにより、連続鋳造操業を安定化させると共に、高品質の鋳片を得ることができる鋼の連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】スラブ鋳片の厚さ:150 mm以上、250 mm以下、鋳造速度:2m/分以上の条件下で行う鋼の連続鋳造において、
連続鋳造鋳型内に溶鋼を供給するための浸漬ノズルの直胴部の内断面積A(m2)に対する溶鋼供給量Q(m3/s)の比Q/A(m/s)を、2.2 以上、3.8 以下の範囲に制御する。
【選択図】なし

Description

本発明は、鋼の連続鋳造方法に関し、特に連続鋳造操業の安定化と鋳片品質の向上を図ろうとするものである。
鋼の連続鋳造においては、タンディッシュからモールドへ溶鋼を供給する浸漬ノズルの形状が、鋳造の安定性や製造される鋳片の品質に大きな影響を与えるため、種々の観点・目的から技術開発がなされてきた。
例えば、特許文献1では、モールド内の溶鋼偏流を防止するために、ノズルの外径とモールド内部厚さの関係を規定し、モールド壁とノズルとの間隔を適切に調整するようにしている。
特許文献2では、ノズルの吐出孔総断面積とノズル内部流路断面積の比を 0.8から 1.2の範囲とすることにより、吐出孔上部領域での溶鋼逆流の発生を抑えて、ノズルの閉塞を防止している。
特許文献3では、厚さ:50mm程度の薄スラブ連続鋳造などで、鋳造速度と、モールド断面積とノズル吐出孔面積の比のいずれかを調整して、溶鋼吐出流速を制御し、吐出流による、モールド内に形成された凝固シェルの洗浄を抑制して、鋳片縦割れの発生を防止している。この発明によれば、縦割れの原因となる凝固シェルの不均一は、鋳造速度や溶鋼過熱度などの他、ノズル吐出孔面積に対するモールド断面積比Sと相関があるとして、Sを小さく、すなわちノズル吐出孔面積を大きくすることによって、上記不均一の解消を図っている。
また、特許文献4では、最終凝固部のクレータエンド形状を鋳片幅方向に均一化して、圧下による中心偏析防止を実現するため、浸漬ノズルの側面の他、底面にも吐出孔を設けて、その断面積比と溶鋼供給量との関係を規定している。
さらに、特許文献5では、内部に旋回羽根をそなえ、旋回流を形成する浸漬ノズルで、旋回流形成後のノズル下部の内径を絞ったノズルが提案されている。
特開平5−154625号公報 特開平5−318057号公報 特開平3−114638号公報 特開平8−243696号公報 特開2002−239690号公報
モールド内で発生する溶鋼偏流は、製造される鋳片の品質に影響を与えることが知られている。例えば、偏流によってモールド溶鋼湯面には縦渦が形成され易くなるが、この縦渦によって、モールドフラックスが溶鋼中に巻込まれ易くなる。また、偏流で溶鋼表面流速が増加すると、モールドフラックスが溶鋼表面流によって巻込まれる現象も発生し易くなる。このようにして巻込まれたモールドフラックスは、鋳型内の凝固シェルに取り込まれて製品欠陥につながり易い。また、モールド内の溶鋼に偏流が生じていると、介在物や気泡の侵入深さが増加し、凝固シェルに捕捉される頻度が高まる。
上述したような、鋳片品質に影響を与えるモールド内での溶鋼偏流は、いくつかの発生要因が考えられるが、浸漬ノズル内部から吐出孔にかけての溶鋼の挙動、すなわちノズル内部で発生した偏流がモールド内の偏流に影響を及ぼすとも考えられ、これを防止するには、ノズル内部における溶鋼の流動自体を制御する必要がある。
前記特許文献1で提案された、ノズルの外径とモールド内部厚さの関係を規定し、モールド壁とノズルとの間隔を適切に調整する方法は、鋳造操業の安定性確保という点では効果があるが、溶鋼偏流の発生を防止することは難しい。
また、浸漬ノズルは、通常、タンディッシュと一体では構成されてなく、タンディッシュの排出口に設けられたスライディングノズルなどの流量調整用装置を介して、接続されている。このような場合、その接続部位にはシール剤等を塗布した上で、十分な圧力を加えて、その接続面からの外気等の侵入を防止しているが、平滑面が得られにくい耐火物同士の接合であるため、多少の外気の侵入は避けられない。特に、浸漬ノズル内部が外気に比べて負圧になっている場合には、外気は侵入し易くなる。ノズル内部に外気が侵入すると、溶鋼の再酸化の原因となり、溶鋼中の介在物量が増加して製品欠陥に直結する。また、溶鋼中の介在物量が増えると、ノズル閉塞の原因ともなり、安定した鋳造操業を阻害することになる。このような問題は、鋳造量の多いアルミキルド鋼で特に顕著なため、連続鋳造においては外気の侵入を極力防止する必要がある。
また、ノズル直胴部の断面積が、必要な溶鋼供給量(スループット)に対して大きい場合、ノズル内部の溶鋼の充てん度は低下する。この場合、ノズル直胴部を落下する溶鋼の流速は、タンディッシュからの溶鋼ヘッドによって決まることになり、ノズル直胴部には負圧が発生する。また、ノズル内の溶鋼は自由落下するため、偏流が発生し易くなる。
これに対して、ノズル直胴部の断面積が、必要な溶鋼供給量に対して大きくない場合には、溶鋼がノズル内部に十分に充てんされるようになるので、負圧の発生は減少する。また、偏流の発生も起りにくい。
従って、ノズル直胴部断面積を小さくした方が、ノズル内部の負圧や偏流の発生を防止できるため、品質および操業の両面で有利である。
しかしながら、ノズル直胴部の断面積を小さくした場合、アルミナなどがノズル直胴部内壁に付着した場合には、鋳造速度に見合う必要量の溶鋼(スループット)を供給できなくなるなどの問題が発生する可能性がある。
従って、ノズル直胴部断面積は、鋳造条件とくに溶鋼供給量に対応して適切に設定することが重要であり、かくして品質・操業両面での最適化が可能となる。
また、ノズル形状は、アルミナ等による浸漬ノズルの閉塞を防止する観点からも種々の検討がなされている。アルミナ等が付着し易い部位は吐出孔の上部付近で、この上部付近は、前記特許文献2に示されるように、負圧の発生による溶鋼の逆流が発生し易く、これが付着の原因の一つと考えられる。かような現象は吐出孔が大きい場合に顕著である。
特許文献2のように、ノズル直胴部の断面積との比較でノズルの吐出孔を絞って、その部分での流速を確保するだけでは、ノズルの閉塞防止に十分とはいえず、溶鋼通過量(供給量)に対応して、最適なノズル吐出孔の面積を決めることが重要である。
なお、吐出孔を絞り過ぎると、吐出流速が増加し、短辺に衝突する溶鋼流速が上昇して、局所的な凝固遅れなどを引き起こす可能性がある。
また、特許文献5に記載されたノズルの場合、旋回羽根で2つの捩り流が形成されるため、この2つの捩り流を混ぜ合わせるために、ノズル下部を絞る必要があり、当該特許文献5に記載された内容は、あくまでもこのような特殊な形状・特性を有するノズルのみへの適用に限定されるものである。
さらに、このような旋回羽根をもつノズルは、旋回羽根が溶鋼流に対する障害となり、溶鋼の流れが円滑でなくなるため、その部分では淀みや負圧になる部分が発生し易い。そして、かような部分では、溶鋼中に含まれるアルミナ介在物等がノズル耐火物に付着し易くなる。これにより、例えば羽根の上方や、羽根の存在する領域から内径を急激に絞っている部分では、アルミナ付着によるノズル閉塞が発生し易く、長時間の使用には耐え難いため、実用に供するのは難しい。
本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、ノズル内部における負圧の発生やアルミナ等の付着を効果的に防止することにより、連続鋳造操業を安定化させると共に、高品質の鋳片を得ることができる鋼の連続鋳造方法を提案することを目的とする。
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、特にスラブ鋳片の厚さが 150mm以上、 250mm以下で、かつ鋳造速度が2m/分以上の条件下で行うスラブ連続鋳造において、溶鋼供給量に対して、浸漬ノズルの直胴部の面積および/または吐出孔面積を適正化することが、鋳造操業の安定化および鋳片品質の向上に有効であることを見出した。
すなわち、スラブ連続鋳造であっても、鋳片の厚さが 150mm未満の場合には、モールド内への溶鋼の供給に、通常のスラブ連続鋳造で使用するような円筒形のノズルを使用すると、浸漬ノズル外壁と長辺側凝固シェルの間隔が狭くなり過ぎ、この間での溶鋼流動が不均一になったり停滞し易くなり、縦割れ等のトラブルの原因になる。また、極端な場合には、凝固シェルがノズルに接触・固着し、ブレークアウト等の重大トラブルにつながる可能性もある。このため、鋳片の厚さが 150mm未満の場合には、通常のノズルをそのまま使用することは難しく、偏平形状のノズルなどを使用して操業が実施されている。
この点、スラブ厚が 150mm以上になると、通常の円筒形の形状をした浸漬ノズルを使用するため、操業上、ノズルの寸法の影響が大きい。すなわち、スラブ厚が 150mm以上、 250mm以下の範囲の場合には、ノズル吐出孔から出た溶鋼流が、長辺側の凝固シェル表面に一部接触しながら短辺方向に進み、凝固シェル界面での洗浄や介在物の捕捉現象に直接影響を与えるため、ノズル寸法に起因したノズル吐出流速等の制御が、操業上および鋳片品質上、重要となる。
一方、鋳片の厚さが 250mmを超えるようなスラブ連続鋳造の場合には、ノズルと鋳型壁もしくは溶鋼吐出流と凝固シェルとの間隔が離れているため、ノズル寸法等による操業上あるいは品質上の問題は少なくなると考えられる。また、鋳片厚が 250mmを超える鋳造においては、鋳片の形状効果に加えて、鋳造速度が2m/分以上になると浸漬ノズル吐出孔からの溶鋼吐出流の増加の影響も加わって、鋳型下端での短辺バルジングが顕著になり、ブレークアウト危険性が増大することから、ノズル形状・寸法の改善だけでは効果が少ない。
また、鋳造速度が2m/分未満では、鋳型内の溶鋼流速が全体的に遅くなり、部分的に停滞するような状況になり易い。この場合、凝固界面に接する溶鋼に十分な流速がないと、溶鋼中に含まれるアルミナなどの非金属介在物が凝固界面に容易に付着するため、鋳型内で凝固する鋳片表層部に、多量の有害な介在物が含まれることになる。
これに対して、鋳造速度が2m/分以上になると、鋳型内溶鋼流速が大きくなり、上記のような現象は起こりにくくなる。なお、この場合においても、偏流などによって、局所的な流動の停滞が起こると、その部分では凝固界面への介在物付着が起こり易くなるが、ノズル寸法を適正化することにより、そのような偏流等の発生を防止することが可能である。
そこで、発明者らは、スラブ厚が 150mm以上、 250mm以下で、かつ鋳造速度が2m/分以上の条件下で連続鋳造を行う場合に限定して、ノズル寸法の適正化について検討した結果、試行錯誤の末に、本発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.スラブ鋳片の厚さ:150 mm以上、250 mm以下、鋳造速度:2m/分以上の条件下で行う鋼の連続鋳造において、
連続鋳造鋳型内に溶鋼を供給するための浸漬ノズルの直胴部の内断面積A(m2)に対する溶鋼供給量Q(m3/s)の比Q/A(m/s)を、2.2 以上、3.8 以下とすることを特徴とする、鋼の連続鋳造方法。
2.スラブ鋳片の厚さ:150 mm以上、250 mm以下、鋳造速度:2m/分以上の条件下で行う鋼の連続鋳造において、
連続鋳造鋳型内に溶鋼を供給するための浸漬ノズルの吐出孔面積の総和B(m2)に対する溶鋼供給量Q(m3/s)の比Q/B(m/s)を、0.95以上、2.4 以下とすることを特徴とする、鋼の連続鋳造方法。
3.スラブ鋳片の厚さ:150 mm以上、250 mm以下、鋳造速度:2m/分以上の条件下で行う鋼の連続鋳造において、
連続鋳造鋳型内に溶鋼を供給するための浸漬ノズルの直胴部の内断面積A(m2)に対する溶鋼供給量Q(m3/s)の比Q/A(m/s)を、2.2 以上、3.8 以下とし、かつ該浸漬ノズルの吐出孔面積の総和B(m2)に対する溶鋼供給量Q(m3/s)の比Q/B(m/s)を、0.95以上、2.4 以下とすることを特徴とする、鋼の連続鋳造方法。
本発明によれば、スラブ鋳片の厚さ:150 mm以上、250 mm以下、鋳造速度:2m/分以上での連続鋳造において、鋳型内に溶鋼を供給するための浸漬ノズルの直胴部の内断面積Aおよび/または該浸漬ノズルの吐出孔面積の総和Bに対する溶鋼供給量Qの比、Q/Aおよび/またはQ/Bを、最適範囲に規定したので、溶鋼の偏流はもとより、ノズル接合部などでの外気吸引による溶鋼再酸化およびノズル吐出孔上部でのアルミナ付着によるノズル閉塞など、連続鋳造の操業・品質上問題となる現象の発生を効果的に防止することができ、その結果、安定して高速、高品質の連続鋳造が達成できる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明では、スラブ鋳片の厚さ:150 mm以上、250 mm以下、また鋳造速度:2m/分以上の条件下で行う鋼の連続鋳造を前提とするが、その理由は、前述したとおり、
(1) スラブ鋳片の厚さが 150mm以上、250 mm以下の場合に、ノズル寸法が鋳造操業の安定化と鋳片品質の向上に及ぼす影響が大きく、
(2) 鋳造速度が2m/分未満の場合には、鋳型内の溶鋼流速が小さく、溶鋼中の非金属介在物が凝固シェルに捕捉され易くなる結果、高品質の鋳片を得ることが難しくなるのに対し、鋳造速度が2m/分以上になると、鋳型内溶鋼流速が大きくなり、その洗浄効果によって、介在物の捕捉が防止できる
からである。
さて、本発明では、上記の条件下での鋼の連続鋳造において、連続鋳造鋳型内に溶鋼を供給するための浸漬ノズルの直胴部の内断面積A(m2)に対する溶鋼供給量Q(m3/s)の比Q/A(m/s)を、2.2 以上、3.8 以下の範囲に制御することが重要である。
というのは、Q/Aを 2.2(m/s)以上とすることによって、浸漬ノズル直胴部における溶鋼の充てん度が高くなり、負圧の発生を低減できるからである。その結果、溶鋼の再酸化が防止でき、鋳片品質の向上が図れる。また、ノズル内の溶鋼充てん度の上昇で、ノズル内部での偏流を低減でき、モールド内での偏流の発生に対しても抑制効果を発揮することができる。しかしながら、Q/Aが 3.8(m/s)を超えると、タンディッシュからノズルへの接続部での流量調整(通常はスライディングゲート、スライディングノズルと呼ばれる方式で実施される)をほとんど行わずに鋳造することになり、ノズル直胴部の充てん度は極限的に高まるものの、流量調整が難しくなり、モールドの湯面レベル調整の感度が鈍るため、好ましくない。
以上のことから、Q/Aを、2.2 (m/s)以上、 3.8(m/s)以下の範囲に制御することにより、操業の安定化および鋳片品質の向上が達成される。
また、浸潰ノズルの吐出孔面積の総和B(m2)に対する溶鋼供給量Q(m3/s)の比Q/B(m/s)を、0.95以上、2.4 以下の範囲に制御することも重要である。
ここに、Q/Bが0.95(m/s)より小さいと、吐出孔面積が溶鋼供給量(吐出量)に対して大き過ぎるため、吐出流は一般に吐出孔の下側に沿って流出し、吐出孔の上部は負圧気味になって、溶鋼の停滞や逆流が発生し易く、ノズル吐出孔上部付近へのアルミナ付着を誘発する等、品質・操業両面で問題が生じる。一方、Q/Bが 2.4(m/s)を超えると、吐出流が吐出孔で絞られる傾向になり、モールド内での吐出流速が大きくなって、メニスカス表面流速が増加し、湯面変動やパウダー巻込み等、品質への悪影響が増大する。
以上のことから、Q/Bを0.95(m/s)以上、 2.4(m/s)以下の範囲に制御することによっても、操業の安定化および鋳片品質の向上が達成される。
なお、本発明で使用する浸漬ノズルは、円筒形のノズルであって、その先端を閉止し、鋳型の両短辺方向に向けて吐出孔を設けた2孔ノズルとする。吐出孔の断面形状は、丸形、正方形、長方形(横長、縦長)等に限定されるものでなく、その総断面積Bが本発明の条件に合致していればよい。
また、鋳片幅(鋳型の長辺長さ)は、特に限定されることはないが、 900〜2200mm程度が好適である。さらに、浸潰ノズルの材質は、一般的に使用されているアルミナ−グラファイト質が好ましいが、これも特に限定されるものではない。
鋳片厚:220 mm、鋳片幅:1600mmの低炭アルミキルド鋼スラブを、連続鋳造により製造した。この時の鋳造速度は 2.0m/分とした。この場合、単位時間当たりの溶鋼供給量は0.704 m3/分である。また、この連続鋳造は、使用する浸漬ノズルの直胴部の内断面積および吐出孔寸法を種々に変化させて行った。なお、使用ノズルは、2孔ノズルで、吐出孔の形状が矩形のものを用いた。また、吐出孔の上下方向の寸法を吐出孔寸法1、横方向の寸法を吐出孔寸法2として表1に示す(以下、実施例2〜5においても同様である)。
上記の連続鋳造における、SN感度、モールド内における偏流発生の有無、モールド内における湯面変動状況、ノズル閉塞の有無および鋳片品質について調査し、総合評価を行った。
得られた結果を表1に示す。
SN感度とは、スライディングノズルの感度のことであり、スライディングノズル制御の感度が悪く、鋳造速度を例えば0.2 m/分程度、急に変更したようなケースで、湯面レベル制御などが安定せずにハンチング現象が発生する場合を×、感度が良好で鋳造速度の変更等にも的確に追随できる場合を○で表した。なお、前者は、スライディングノズルの開度が大きく、わずかなスライディング量で、開口面積が大きく変化してしまう場合に発生し易い。
モールド内における偏流発生の有無は、鋳型短辺の冷却水温度から推定し、左右の鋳型短辺での総括熱流束の差が基準値を超えることがある場合(例えば、冷却水の流量が左右で同一の場合、入側温度と出側温度の差が、左右の短辺で3℃以上異なることがある場合)を×、常に基準値の範囲内である場合を○で表した。
モールド内における湯面変動状況は、鋳型湯面直上に設置した湯面位置検出装置で測定した湯面位置の変動量が、常に基準値の範囲内(例えば±7mm以内)の場合を○、基準値を超える湯面変動が発生することがある場合を×で表した。
ノズル閉塞の有無は、鋳造後のノズルを回収して、ノズル内部のアルミナ付着量を調査し、基準値(例えば5mm)を超える付着個所がある場合を×、どの部位でも付着量が基準値以下の場合を○で表した。
鋳片品質は、該当する鋳片を圧延して製造した製品(冷延コイル)について、介在物(アルミナ性およびパウダー性)欠陥を検出する欠陥検出計で全面調査し、欠陥率が基準値を超えたコイルが10%を超えたものを×、基準値を超えるコイルが10%以下だったものを△、すベてのコイルが基準値以下だったものを○で表した。
総合評価は、上記の調査結果を総合して評価した結果で、○は操業・品質上、全く問題がないもの、△は操業・品質上、項目によっては多少問題があるものの、実用に供することは可能なもの、×は、操業上または品質上、重大な問題があり、適用すべきではないものを意味する。
Figure 2005131660
同表に示したとおり、直胴部内径が60mmのノズルを使用した場合には、溶鋼供給量を調整するスライディングノズルの開度が90%以上になり、湯面位置の変化に対して、流量調整が鈍感になり、湯面変動が大きくなるなどの問題が生じる場合があった。また、直胴部内径が85mmのノズルを使用した場合には、鋳型短辺の冷却水温度から推定した鋳型内溶鋼の偏流が生じる場合があり、圧延後の製品においても、偏流に起因すると思われる介在物や気泡性の欠陥が見出される場合があった。
この点、直胴部内径が70mmもしくは80mmのノズルを使用した場合には、上記のような問題は発生しなかった。しかしながら、ノズル側面に開けた吐出孔が、45mm×50mm(2孔なのでB面積は4500 mm2)のノズルを使用した場合には、鋳型湯面の溶鋼流速が速くなり、湯面変動が基準値を超える場合があった。また、圧延後の製品でも、パウダー巻込みと推定される表面欠陥が発生する場合があった。
また、80mm×85mm(B:13600mm2)および80mm×80mm(B:12800mm2) など、吐出孔を大きくしたノズルを使用した場合には、吐出孔上部を中心にアルミナが付着し、これによるノズル閉塞のため、長時間にわたって鋳造を続行することができない場合があった。
これに対し、直胴部の内断面積Aおよび吐出孔面積の総和Bが共に適切なノズルを使用した場合には、操業・品質とも全く問題のない鋳造を行うことができた。
鋳片厚:220 mm、鋳片幅:1300mmの低炭アルミキルド鋼スラブを、連続鋳造により製造した。この時の鋳造速度は 2.6m/分とした。この場合、単位時間当たりの溶鋼供給量は0.7436 m3/分である。また、この連続鋳造は、使用する浸漬ノズルの直胴部の内断面積および吐出孔寸法を種々に変化させて行った。
上記の連続鋳造における、SN感度、モールド内における偏流発生の有無、モールド内における湯面変動状況、ノズル閉塞の有無および鋳片品質について調査し、総合評価を行った。
得られた結果を表2に示す。
Figure 2005131660
同表に示したとおり、直胴部内径が60mmのノズルを使用した場合には、溶鋼供給量を調整するスライディングノズルの開度が90%以上になり、湯面位置の変化に対して、流量調整が鈍感になり、湯面変動が大きくなるなどの問題が発生する場合があった。また、直胴部内径が85mmもしくは90mmのノズルを使用した場合には、鋳型短辺の冷却水温度から推定した鋳型内溶鋼の偏流が生じる場合があり、圧延後の製品においても、偏流に起因すると思われる介在物や気泡性の欠陥が見出される場合があった。
この点、直胴部内径が65mmもしくは80mmのノズルを使用した場合には、上記のような問題は発生しなかった。しかしながら、ノズル側面に開けた吐出孔が、50mm×50mm(2孔なのでB面積は5000 mm2)のノズルを使用した場合には、鋳型湯面の溶鋼流速が速くなり、湯面変動が基準値を超える場合があった。また、圧延後の製品でも、パウダー巻込みと推定される表面欠陥が発生する場合があった。
また、80mm×85mm(B:13600mm2)など、吐出孔を大きくしたノズルを使用した場合には、吐出孔上部を中心に、アルミナの付着が発生し、これによるノズル閉塞のため、長時間にわたって鋳造を続行することができない場合があった。
これに対し、直胴部の内断面積Aおよび吐出孔面積の総和Bが共に適切なノズルを使用した場合には、操業・品質とも全く問題のない鋳造を行うことができた。
鋳片厚:220 mm、鋳片幅:1400mmの低炭アルミキルド鋼スラブを、連続鋳造により製造した。この時の鋳造速度は 2.1m/分とした。この場合、単位時間当たりの溶綱供給量は0.6468 m3/分である。また、この連続鋳造は、使用する浸漬ノズルの直胴部の内断面積および吐出孔寸法を種々に変化させて行った。
上記の連続鋳造における、SN感度、モールド内における偏流発生の有無、モールド内における湯面変動状況、ノズル閉塞の有無および鋳片品質について調査し、総合評価を行った。
得られた結果を表3に示す。
Figure 2005131660
同表に示したとおり、直胴部内径が58mmのノズルを使用した場合には、溶鋼供給量を調整するスライディングノズルの開度が90%以上になり、湯面位置の変化に対して、流量調整が鈍感になり、湯面変動が大きくなるなどの問題が生じる場合があった。また、直胴部内径が80mmのノズルを使用した場合には、鋳型短辺の冷却水温度から推定した鋳型内溶鋼の偏流が生じる場合があり、圧延後の製品においても、偏流に起因すると思われる介在物や気泡性の欠陥が見出される場合があった。
この点、直胴部内径が60mm、70mm、75mmのノズルを使用した場合には、上記のような問題は発生しなかった。
また、 105mm×55mm(B:11550mm2)、70mm×85mm(B:11900mm2)、75mm×80mm(B:12000mm2)など、吐出孔を大きくしたノズルを使用した場合には、吐出孔上部を中心に、アルミナの付着が発生し、これによるノズル開塞のため、長時間にわたって鋳造を続行することができない場合があった。
これに対し、直胴部の内断面積Aおよび吐出孔面積の総和Bが共に適切なノズルを使用した場合には、操業・品質とも全く問題のない鋳造を行うことができた。
鋳片厚:150 mm、鋳片幅:1200mmの低炭アルミキルド鋼スラブを、連続鋳造により製造した。この時の鋳造速度は 2.8m/分とした。この場合、単位時間当たりの溶鋼供給量は0.504 m3/分である。また、この連続鋳造は、使用する浸漬ノズルの直胴部の内断面積および吐出孔寸法を種々に変化させて行った。
上記の連続鋳造における、SN感度、モールド内における偏流発生の有無、モールド内における湯面変動状況、ノズル閉塞の有無および鋳片品質について調査し、総合評価を行った。
得られた結果を表4に示す。
Figure 2005131660
同表に示したとおり、直胴部内径が50mmのノズルを使用した場合には、溶鋼供給量を調整するスライディングノズルの開度が90%以上になり、湯面位置の変化に対して、流量調整が鈍感になり、湯面変動が大きくなるなどの問題が生じる場合があった。また、直胴部内径が80mmのノズルを使用した場合、鋳型短辺の冷却水温度から推定した鋳型内溶鋼の偏流が大きく、圧延後の製品においても、偏流に起因すると思われる、介在物や気泡性の欠陥が見出された。
この点、直胴部内径が60mm, 70mmのノズルを使用した場合には、上記のような問題は発生しなかった。しかしながら、ノズル側面に開けた吐出孔の大きさが70mm×70mm(B:9800mm2)のノズルを使用した場合には、吐出孔上部を中心にアルミナの付着が発生し、これによるノズル閉塞のため、長時間にわたって鋳造を続行することができない場合があった。
これに対し、直胴部の内断面積Aおよび吐出孔面積の総和Bが共に適切なノズルを使用した場合には、操業・品質とも全く問題のない鋳造を行うことができた。
鋳片厚:250 mm、鋳片幅:1200mmの低炭アルミキルド鋼スラブを、連続鋳造により製造した。この時の鋳造速度は2.55m/分とした。この場合、単位時間当たりの溶鋼供給量は0.765 m3/分である。また、この連続鋳造は、使用する浸漬ノズルの直胴部の内断面積および吐出孔寸法を種々に変化させて行った。
上記の連続鋳造における、SN感度、モールド内における偏流発生の有無、モールド内における湯面変動状況、ノズル閉塞の有無および鋳片品質について調査し、総合評価を行った。
得られた結果を表5に示す。
Figure 2005131660
同表に示したとおり、直胴部内径が60mmのノズルを使用した場合には、溶鋼供給量を調整するスライディングノズルの開度が90%以上になり、湯面位置の変化に付して、流量調整が鈍感になり、湯面変動が大きくなるなどの問題が生じる場合があった。また、直胴部内径が90mmのノズルを使用した場合には、鋳型短辺の冷却水温度から推定した鋳型内溶鋼の偏流が生じる場合があり、圧延後の製品においても、偏流に起因すると思われる介在物や気泡性の欠陥が見出される場合があった。
この点、直胴部内径が70mmもしくは85mmのノズルを使用した場合には、上記のような問題は発生しなかった。
また、ノズル側面に開けた吐出孔の大きさが、50mm×50mm(B:5000 mm2)のノズルを使用した場合には、鋳型湯面の溶鋼流速が速くなり、湯面変動が基準値を超える場合があった。また、圧延後の製品でも、パウダー巻込みと推定される表面欠陥が発生する場合があった。
さらに、吐出孔を85mm×85mm(B:14450mm2)と大きくしたノズルを使用した場合には、吐出孔上部を中心に、アルミナの付着が発生し、これによるノズル閉塞のため、長時間にわたって鋳造を続行することができない場合があった。
これに対し、直胴部の内断面積Aおよび吐出孔面積の総和Bが共に適切なノズルを使用した場合には、操業・品質とも全く問題のない鋳造を行うことができた。

Claims (3)

  1. スラブ鋳片の厚さ:150 mm以上、250 mm以下、鋳造速度:2m/分以上の条件下で行う鋼の連続鋳造において、
    連続鋳造鋳型内に溶鋼を供給するための浸漬ノズルの直胴部の内断面積A(m2)に対する溶鋼供給量Q(m3/s)の比Q/A(m/s)を、2.2 以上、3.8 以下とすることを特徴とする、鋼の連続鋳造方法。
  2. スラブ鋳片の厚さ:150 mm以上、250 mm以下、鋳造速度:2m/分以上の条件下で行う鋼の連続鋳造において、
    連続鋳造鋳型内に溶鋼を供給するための浸漬ノズルの吐出孔面積の総和B(m2)に対する溶鋼供給量Q(m3/s)の比Q/B(m/s)を、0.95以上、2.4 以下とすることを特徴とする、鋼の連続鋳造方法。
  3. スラブ鋳片の厚さ:150 mm以上、250 mm以下、鋳造速度:2m/分以上の条件下で行う鋼の連続鋳造において、
    連続鋳造鋳型内に溶鋼を供給するための浸漬ノズルの直胴部の内断面積A(m2)に対する溶鋼供給量Q(m3/s)の比Q/A(m/s)を、2.2 以上、3.8 以下とし、かつ該浸漬ノズルの吐出孔面積の総和B(m2)に対する溶鋼供給量Q(m3/s)の比Q/B(m/s)が、0.95以上、2.4 以下とすることを特徴とする、鋼の連続鋳造方法。
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