JP3505053B2 - 薄肉広幅鋳片連続鋳造用浸漬ノズル - Google Patents
薄肉広幅鋳片連続鋳造用浸漬ノズルInfo
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は連続鋳造によって厚
み100mm以下、幅1000mm以上程度の薄肉広幅のス
ラブ鋳片を鋳造するための浸漬ノズルに関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】近年、生産性の向上を指向した連続鋳造
の高速化が進められているが、それに伴って浸漬ノズル
(以下、ノズルと略称する)を通過する単位時間当たり
の溶湯量を増加させる必要が生じている。また、後工程
の省力化を目指してスラブ鋳片(以下、鋳片と略称す
る)を薄肉化する傾向があるが、それに伴ってノズル形
状を偏平にする必要が生じている。 【0003】ノズル内部を通過する溶湯量の増加によっ
てノズルからの溶湯吐出流(以下吐出流と略称する)の
速度が増大するが、それによって溶湯表面の波立ちや、
溶湯プール深部への吐出流の浸透深さの増大が発生す
る。それらは以下に述べる問題の原因となる。すなわ
ち、吐出流速の増大によって凝固シェルが再溶解してブ
レークアウトが発生する場合がある。また、溶湯表面の
波立ちによってパウダーや気泡の巻込みが発生したり、
凝固シェル厚みが不均一になって鋳片の表面に割れや凹
みが発生する場合がある。さらに、溶湯プール深部への
吐出流の浸透深さが増大すると、非金属介在物が湯面に
浮上分離し難くなって鋳片内部に捕捉されて鋳片の清浄
度が悪化する場合がある。 【0004】一方、ノズル形状の偏平化によって以下に
述べる2つの問題が生じる。ひとつはノズルと鋳型内壁
との隙間が減少して溶湯の流動が遅滞し、隙間に生成し
た地金が鋳片に巻き込まれて欠陥となることであり、も
うひとつは狭幅のノズル内部や吐出孔に非金属介在物が
堆積してノズル詰まりが発生することである。 【0005】このような問題は、狭い鋳型に多量の溶湯
を供給しようとすることに端を発しており、その解決の
ためにノズル本体や吐出孔の形状に工夫を凝らした種々
形状のノズルが提案されている。たとえば特開昭60−
130456号公報にはノズル横断面が偏平でかつ短片
側に下向きの吐出孔を有し、かつノズル内部の溶湯流路
に円柱形の流動抵抗部を設けたノズルが開示されてい
る。また、特開昭62−197252号公報には前記流
動抵抗部を溶湯の流れ方向に直交する堰に置き換えた例
が開示されている。 【0006】これらのノズルによると、流動抵抗部の作
用によって下向きの吐出流は整流化され偏流が解消され
るが、吐出孔が下向き方向のみであるために、ノズル内
部を通過する溶湯量が増加すると吐出流の浸透深さが増
大して鋳片の清浄度が悪化する場合がある。また、ノズ
ル周辺の溶湯表面の流動が遅滞して、ノズル周辺に地金
張りが発生する場合がある。 【0007】従って、前記の鋳片清浄度の悪化ならびに
地金張りを防止するためには、横向きの吐出孔を設けて
短辺側に溶湯を供給する必要がある。その一例として、
特開平08−39208号公報には短辺側の側壁に横向
き吐出孔と底壁に下向き吐出孔を設けたノズルが開示さ
れている。 【0008】しかし、単純に横向きと下向きに吐出孔を
設けた場合、吐出溶湯の殆どが下向き吐出孔から吐出
し、横向き吐出孔からは殆ど吐出しない。従って鋳型短
辺側への流動が極めて弱いものとなり、鋳型短辺側への
熱供給が不十分となる。また、下向き吐出流によってノ
ズル内部が負圧になることにより、横向き吐出孔からパ
ウダー等が吸引されるという問題が生じる場合がある。
さらに、このような問題の解決策として、横向き吐出流
を強くするために下向き吐出孔の孔径を小さくすると、
ノズル内や下向き吐出孔に非金属介在物が堆積してノズ
ル詰まりが発生する場合がある。 【0009】以上の結果を鑑みると、鋳型内溶湯プール
における溶湯の流動速度は、溶湯表面ではパウダーなど
の巻込みが起きない範囲で十分に速くし、一方溶湯プー
ル内では凝固シェルの再溶解が発生せず、かつ非金属介
在物の浮上時間が確保できる範囲で十分に減速すること
が肝要である。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、薄肉広幅の
鋳片を高速で連続鋳造する場合において、溶湯表面の波
立ちを防止しつつ地金張りを防止し、かつ凝固シェルの
再溶解を防止しつつ非金属介在物の浮上分離を促進させ
ることによって、品質良好な鋳片を安定して製造するこ
とを課題とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】前述のように、溶湯吐出
流の理想的な流動パターンは、溶湯表面で適当な流動速
度が確保され、かつ溶湯プール内部では十分減速されて
いる状態である。そのためには、吐出流を出来る限り分
散させ等方的に吐出させることが要求される。 【0012】本発明者らは従来のノズルに検討を加えた
結果、ノズル短辺側の側壁と底壁に対をなす吐出孔を設
け、さらに底壁の吐出孔同士の間に適切な形状の突起部
を設けたことによって、各吐出孔における溶湯吐出流速
のバランスをとり、上述の理想的な流動パターンを得る
ことを可能にした。 【0013】本発明の要旨は、偏平な浸漬ノズルの軸芯
線に対して対称となるように、該浸漬ノズルの短辺側の
側壁に対をなす横向き吐出孔と、該浸漬ノズルの短辺側
の底壁に対をなす下向き吐出孔とが設けられており、前
記下向き吐出孔同士の間には上方に突出した錐状の突起
部が設けられており、該突起部の頂角が40度以上15
0度以下であり、前記横向き吐出孔の開口面積と前記下
向き吐出孔の開口面積との比率が0.5以上2.0以下
であることを特徴とする。 【0014】 【発明の実施の形態】図1は本発明によるノズルの一例
の斜視図(一部破壊図)を示す。図1においてノズル1
は横断面が偏平であり、ノズルの短辺側の側壁2,2に
は横向き吐出孔3,3が設けてあり、底壁4の短辺側に
は下向き吐出孔5,5が設けてある。横向き吐出孔3,
3および下向き吐出孔5,5の形状や寸法はノズルの軸
芯線Y−Yに対して対称となっている。各吐出孔の形状
や寸法が非対称的であると、左右吐出孔からの吐出流量
が不均一となり溶湯プール内で偏流が発生するため、品
質良好な鋳片が得られない。 【0015】下向き吐出孔5と5の間には上方に突出し
た錘状の突起部6が設けてあり、ノズル内部の溶湯流は
突起部6の斜面に衝突して左右に分けられる。突起部6
のA−A方向の断面形状は三角形状の他に斜面がなだら
かなカーブを描くような山型でもよいが、図1に示すよ
うに短辺側の側壁2に沿う方向の稜線を持った山型形状
が望ましい。 【0016】薄肉広幅の鋳片を高速で連続鋳造する場合
に、溶湯表面の波立ちを防止しつつ地金張りを防止し、
かつ凝固シェルの再溶解を防止しつつ非金属介在物の浮
上分離を促進させるためには、図1に例示するノズルに
おいて、横向き吐出流と下向き吐出流の吐出流速のバラ
ンスを調整することが必要である。そのためには、突起
部6の頂角θを適宜調整してノズル内部の溶湯流動を横
向き吐出孔3,3と下向き吐出孔5,5の各々にバラン
スよく振り分けることと、その上で、横向き吐出孔と下
向き吐出孔の開口面積比を適宜調整して各吐出孔の流動
抵抗を均等化し、等方的な吐出流とすることが肝要であ
る。以下に、突起部6の寸法、および横向き吐出孔3,
3と下向き吐出孔5,5の開口面積比の適正範囲につい
て説明する。 【0017】まず、突起部6の頂角θの適正範囲を図
2、図3、図4および図5に基づいて説明する。図2は
図1に示す形状のノズルの突起部6の頂角θと鋳片品質
との関係を説明する図であり、図3、図4および図5は
図1のA−A断面を示し、突起部6の頂角θを変化させ
た場合のノズル内部の溶湯流動状況を示す図である。 【0018】図3に示すように突起部6の頂角θが小さ
く、突起部6の斜面が急峻な場合は、ノズル内部の溶湯
流は突起部6の斜面に沿った下向きの溶湯流れとなり横
向き吐出流が減衰する。このように下向き吐出流が過大
になると、溶湯プール深部への吐出流の浸透深さが増大
して鋳片の清浄度が悪化する。 【0019】一方、図4に示すように突起部6の頂角θ
が過大で突起部6が平坦に近い場合には、ノズル内部の
下向き溶湯流は突起部6に衝突して横向きの流れにな
り、下向きの流れに対する抵抗となって下向きの流れの
進路を妨害する。このため、横向きの流れが主体となっ
て下向きの溶湯流れが減衰する。このように横向き吐出
流が主体となると、溶湯表面の波立ちが大きくって鋳片
表面にパウダーあるいは気泡の巻込み欠陥や表面割れが
発生する。 【0020】以上より、品質良好な鋳片を得るために
は、ノズル内部における下向きおよび横向きの溶湯流動
を、図5に示すようなバランスのとれた状態に保つ必要
がある。本発明者は水モデル実験によってノズル内部の
溶湯流動状態をモニターし、さらに鋳造実験によって突
起部6の各種頂角θと鋳片品質の関係を調査することに
よって、横向き吐出孔3,3と下向き吐出孔5,5への
溶湯流動のバランスをとるための突起部6の頂角θの適
正範囲を図2に示すように求めた。 【0021】図2において頂角θが下限値40度を下回
り突起部6が急峻になると、図3に示すようにノズル内
の溶湯流動が下向き主流となって下向き吐出流が過大と
なるため、溶湯プール深部への吐出流の浸透深さが増大
し鋳片の清浄度が悪化する。一方、頂角θが上限値15
0度を上回り突起部6が平坦に近くなると、図4に示す
ようにノズル内の溶湯流動が横向き主体となって横向き
吐出流が過大となるため、溶湯表面の波立ちが大きくな
り鋳片にパウダー巻込み欠陥や割れが発生する。従っ
て、吐出流のバランスを得るためには頂角θを40度以
上150度以下の範囲で設定することが必要である。 【0022】なお、図1において、突起部6の底面の幅
Wの寸法は、ノズル1自体を構成する材料の強度によっ
て自ずと適正な範囲が定まる。即ち、突起部6自体には
ノズル内の溶湯圧力に耐え得る強度を持たせる必要があ
るため、突起部底面の幅Wを十分大きくする必要があ
る。しかしノズルの外形は可能な限りコンパクトにする
ほうが経済上またハンドリング上有利である。これらの
兼ね合いによって突起部6の底面の幅Wを決めることが
できる。通常は突起部6の底面の幅Wを30〜50mm程
度とするのが望ましい。また、突起部6の高さHの寸法
については、突起部6のA−A断面形状と頂角θと底面
の幅Wが定まると、突起部の高さHを幾何学的に定める
ことができる。 【0023】次に、横向き吐出孔3,3および下向き吐
出孔5,5の開口面積比の適正範囲を図6、図7、図8
および図9に基づいて説明する。図6は図1に示す形状
のノズルの横向き吐出孔3,3の開口面積S1と下向き
吐出孔5,5の開口面積S2の比率(以下、開口面積比
と略称する)S1/S2と鋳片品質との関係を説明する
図であり、図7、図8および図9は開口面積比S1/S
2を変化させた場合の鋳型内溶湯プール表面の流動状況
を示す図である。 【0024】図7に示すように横向き吐出孔3,3の開
口面積が過大すなわち開口面積比S1/S2が過大な場
合には、下向きの吐出流は下向き吐出孔5,5において
大きな流動抵抗を受けるので、横向き吐出孔3,3から
の吐出流速が主体となり、溶湯湯面の波立ちが激しくな
ってパウダー巻込みや割れが発生する。 【0025】一方、図8に示すように横向き吐出孔3,
3の開口面積が過小すなわち開口面積比S1/S2が過
小の場合には、横向きの吐出流は横向き吐出孔3,3に
おいて大きな流動抵抗を受けるので、横向き吐出孔3,
3からの吐出流速が過小となり、溶湯表面の流動が遅滞
して地金張りが発生する恐れがある。あるいはまた、下
向き吐出孔5,5からの吐出流速が過大となって、溶湯
プール深部への吐出流の浸透深さが増大して鋳片の清浄
度が悪化する。 【0026】以上より、品質良好な鋳片を得るために
は、開口面積比S1/S2を適切に調整して各吐出孔の
流動抵抗を均等化し、吐出流を図9に示すような等方的
な吐出流とすることが肝要である。本発明者は水モデル
実験によって鋳型内溶湯プールでのノズル吐出流の溶湯
流動状態をモニターし、さらに鋳造実験によって突起部
6の開口面積比S1/S2と鋳片品質の関係を調査する
ことによって、横向き吐出孔3,3と下向き吐出孔5,
5からの吐出流のバランスをとるための開口面積比S1
/S2の適正範囲を図6に示すように求めた。 【0027】図6において開口面積比S1/S2が上限
値2.0を上回り、横向き吐出孔3,3の開口面積が過
大になると、図7に示すように下向きの吐出流は下向き
吐出孔5,5において大きな流動抵抗を受けるため、横
向き吐出孔3,3からの吐出流速が主体となって溶湯湯
面の波立ちが激しくなりパウダー巻込みや割れが発生す
る。一方、開口面積比S1/S2が下限値0.5を下回
り、横向き吐出孔3,3の開口面積が過小になると、図
8に示すように横向きの吐出流は横向き吐出孔3,3に
おいて大きな流動抵抗を受けるので、横向き吐出孔3,
3からの吐出流速が過小となり、溶湯表面の流動が遅滞
して地金張りが発生する。また、下向き吐出孔5,5か
らの吐出流速が過大となって、溶湯プール深部への吐出
流の浸透深さが増大して鋳片の清浄度が悪化する。従っ
て、鋳型内溶湯プールの溶湯流動を適正にして品質良好
な鋳片を得るためには、開口面積比S1/S2を0.5
以上2.0以下の範囲に設定することが必要である。 【0028】以上述べたように本発明のノズルによる
と、突起部6の頂角θや幅Wや高さHならびに開口面積
比S1/S2を適切に調整することにより、横向き吐出
流と下向き吐出流の吐出流速のバランスを調整すること
ができるので、品質良好な鋳片を安定して得ることがで
きる。 【0029】 【実施例】以下に本発明の効果を表1および表2に記載
の実施例に基づいて説明する。鋳型断面形状は100mm
厚×1000mm幅の薄肉形状とし、SUS304鋼を
2.2m/分の速度で鋳造した。用いたノズルは図1に
示す形状のものであり、ノズル本体の横断面外寸法は短
辺が60mmで長辺が175mmである。耐火物肉厚は15
mmであるので、ノズル本体内溶湯流路の寸法は短辺側が
30mmで長辺側が145mmである。突起部6の寸法は表
1に記載の各値に調整した。また、側壁の横向き吐出孔
ならびに底壁の下向き吐出孔は長方形形状とし、ノズル
軸芯線を境にして左右対称となるように一対設けた。各
吐出孔の開口寸法は表1に記載のように各実験のノズル
の総開口面積(S1+S2)を各々同じくするように調
整した。なお、何れもノズル浸漬深さを135mmで鋳造
した。 【0030】 【表1】 【0031】 【表2】【0032】次に得られた結果について表2を基に説明
する。実験番号2,3,4,5,8,9は本発明ノズル
の例であるが、溶湯量60ton×5連続の計300t
onを全量安定して完鋳できた。得られた鋳片は割れや
凹みが見られず、表面品質は良好であった。また鋳片の
非金属介在物を調べたところ、直径50μm以上の介在
物は鋼100g当たり12〜20ヶであり特に問題なか
った。また実験後にノズルを解体して詰まり状況を調査
したが、詰まりの痕跡は認められなかった。 【0033】一方、実験番号1,6,7,10,11,
12は本発明ノズルの全ての具備条件が逸脱しているも
のであり、何れも品質良好な鋳片を安定して鋳造するこ
とが不可であった。実験番号1は突起部6の頂角θが過
小であった例であり、直径50μm以上の非金属介在物
が鋼100g当たり最大55ヶであり不良であった。実
験番号7は開口面積比S1/S2が過小であった例であ
り、横向き吐出流が遅滞して地金張りが発生し鋳造が困
難となった。また、直径50μm以上の非金属介在物が
鋼100g当たり最大55ヶであり不良であった。実験
番号6は突起部6の頂角θが過大であった例であり、ま
た実験番号10は開口面積比S1/S2が過大であった
例であり、何れも溶湯プールの波立ちが過大なため得ら
れた鋳片にはパウダーの巻込み欠陥や割れなどが発生し
ており、鋳片品質は不良であった。実験番号11は突起
部6の頂角θが過小でありかつ開口面積比S1/S2が
過小であった例であり、溶湯表面の地金が発達してノズ
ルと鋳型に架橋して鋳造が停止した。実験番号12は突
起部6の頂角θが過大でありかつ開口面積比S1/S2
が過大であった例であり、鋳片表面に著しい割れが発生
した。またパウダー巻込み起因の非金属介在物が多発し
て鋳片清浄度は不良であった。 【0034】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、連
続鋳造、特に薄肉広幅鋳片の高速連続鋳造において、溶
湯表面の波立ちを防止しつつ地金張りを防止し、かつ非
金属介在物の浮上分離を容易にすることで、品質良好な
鋳片を安定して得ることが可能になる。
み100mm以下、幅1000mm以上程度の薄肉広幅のス
ラブ鋳片を鋳造するための浸漬ノズルに関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】近年、生産性の向上を指向した連続鋳造
の高速化が進められているが、それに伴って浸漬ノズル
(以下、ノズルと略称する)を通過する単位時間当たり
の溶湯量を増加させる必要が生じている。また、後工程
の省力化を目指してスラブ鋳片(以下、鋳片と略称す
る)を薄肉化する傾向があるが、それに伴ってノズル形
状を偏平にする必要が生じている。 【0003】ノズル内部を通過する溶湯量の増加によっ
てノズルからの溶湯吐出流(以下吐出流と略称する)の
速度が増大するが、それによって溶湯表面の波立ちや、
溶湯プール深部への吐出流の浸透深さの増大が発生す
る。それらは以下に述べる問題の原因となる。すなわ
ち、吐出流速の増大によって凝固シェルが再溶解してブ
レークアウトが発生する場合がある。また、溶湯表面の
波立ちによってパウダーや気泡の巻込みが発生したり、
凝固シェル厚みが不均一になって鋳片の表面に割れや凹
みが発生する場合がある。さらに、溶湯プール深部への
吐出流の浸透深さが増大すると、非金属介在物が湯面に
浮上分離し難くなって鋳片内部に捕捉されて鋳片の清浄
度が悪化する場合がある。 【0004】一方、ノズル形状の偏平化によって以下に
述べる2つの問題が生じる。ひとつはノズルと鋳型内壁
との隙間が減少して溶湯の流動が遅滞し、隙間に生成し
た地金が鋳片に巻き込まれて欠陥となることであり、も
うひとつは狭幅のノズル内部や吐出孔に非金属介在物が
堆積してノズル詰まりが発生することである。 【0005】このような問題は、狭い鋳型に多量の溶湯
を供給しようとすることに端を発しており、その解決の
ためにノズル本体や吐出孔の形状に工夫を凝らした種々
形状のノズルが提案されている。たとえば特開昭60−
130456号公報にはノズル横断面が偏平でかつ短片
側に下向きの吐出孔を有し、かつノズル内部の溶湯流路
に円柱形の流動抵抗部を設けたノズルが開示されてい
る。また、特開昭62−197252号公報には前記流
動抵抗部を溶湯の流れ方向に直交する堰に置き換えた例
が開示されている。 【0006】これらのノズルによると、流動抵抗部の作
用によって下向きの吐出流は整流化され偏流が解消され
るが、吐出孔が下向き方向のみであるために、ノズル内
部を通過する溶湯量が増加すると吐出流の浸透深さが増
大して鋳片の清浄度が悪化する場合がある。また、ノズ
ル周辺の溶湯表面の流動が遅滞して、ノズル周辺に地金
張りが発生する場合がある。 【0007】従って、前記の鋳片清浄度の悪化ならびに
地金張りを防止するためには、横向きの吐出孔を設けて
短辺側に溶湯を供給する必要がある。その一例として、
特開平08−39208号公報には短辺側の側壁に横向
き吐出孔と底壁に下向き吐出孔を設けたノズルが開示さ
れている。 【0008】しかし、単純に横向きと下向きに吐出孔を
設けた場合、吐出溶湯の殆どが下向き吐出孔から吐出
し、横向き吐出孔からは殆ど吐出しない。従って鋳型短
辺側への流動が極めて弱いものとなり、鋳型短辺側への
熱供給が不十分となる。また、下向き吐出流によってノ
ズル内部が負圧になることにより、横向き吐出孔からパ
ウダー等が吸引されるという問題が生じる場合がある。
さらに、このような問題の解決策として、横向き吐出流
を強くするために下向き吐出孔の孔径を小さくすると、
ノズル内や下向き吐出孔に非金属介在物が堆積してノズ
ル詰まりが発生する場合がある。 【0009】以上の結果を鑑みると、鋳型内溶湯プール
における溶湯の流動速度は、溶湯表面ではパウダーなど
の巻込みが起きない範囲で十分に速くし、一方溶湯プー
ル内では凝固シェルの再溶解が発生せず、かつ非金属介
在物の浮上時間が確保できる範囲で十分に減速すること
が肝要である。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、薄肉広幅の
鋳片を高速で連続鋳造する場合において、溶湯表面の波
立ちを防止しつつ地金張りを防止し、かつ凝固シェルの
再溶解を防止しつつ非金属介在物の浮上分離を促進させ
ることによって、品質良好な鋳片を安定して製造するこ
とを課題とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】前述のように、溶湯吐出
流の理想的な流動パターンは、溶湯表面で適当な流動速
度が確保され、かつ溶湯プール内部では十分減速されて
いる状態である。そのためには、吐出流を出来る限り分
散させ等方的に吐出させることが要求される。 【0012】本発明者らは従来のノズルに検討を加えた
結果、ノズル短辺側の側壁と底壁に対をなす吐出孔を設
け、さらに底壁の吐出孔同士の間に適切な形状の突起部
を設けたことによって、各吐出孔における溶湯吐出流速
のバランスをとり、上述の理想的な流動パターンを得る
ことを可能にした。 【0013】本発明の要旨は、偏平な浸漬ノズルの軸芯
線に対して対称となるように、該浸漬ノズルの短辺側の
側壁に対をなす横向き吐出孔と、該浸漬ノズルの短辺側
の底壁に対をなす下向き吐出孔とが設けられており、前
記下向き吐出孔同士の間には上方に突出した錐状の突起
部が設けられており、該突起部の頂角が40度以上15
0度以下であり、前記横向き吐出孔の開口面積と前記下
向き吐出孔の開口面積との比率が0.5以上2.0以下
であることを特徴とする。 【0014】 【発明の実施の形態】図1は本発明によるノズルの一例
の斜視図(一部破壊図)を示す。図1においてノズル1
は横断面が偏平であり、ノズルの短辺側の側壁2,2に
は横向き吐出孔3,3が設けてあり、底壁4の短辺側に
は下向き吐出孔5,5が設けてある。横向き吐出孔3,
3および下向き吐出孔5,5の形状や寸法はノズルの軸
芯線Y−Yに対して対称となっている。各吐出孔の形状
や寸法が非対称的であると、左右吐出孔からの吐出流量
が不均一となり溶湯プール内で偏流が発生するため、品
質良好な鋳片が得られない。 【0015】下向き吐出孔5と5の間には上方に突出し
た錘状の突起部6が設けてあり、ノズル内部の溶湯流は
突起部6の斜面に衝突して左右に分けられる。突起部6
のA−A方向の断面形状は三角形状の他に斜面がなだら
かなカーブを描くような山型でもよいが、図1に示すよ
うに短辺側の側壁2に沿う方向の稜線を持った山型形状
が望ましい。 【0016】薄肉広幅の鋳片を高速で連続鋳造する場合
に、溶湯表面の波立ちを防止しつつ地金張りを防止し、
かつ凝固シェルの再溶解を防止しつつ非金属介在物の浮
上分離を促進させるためには、図1に例示するノズルに
おいて、横向き吐出流と下向き吐出流の吐出流速のバラ
ンスを調整することが必要である。そのためには、突起
部6の頂角θを適宜調整してノズル内部の溶湯流動を横
向き吐出孔3,3と下向き吐出孔5,5の各々にバラン
スよく振り分けることと、その上で、横向き吐出孔と下
向き吐出孔の開口面積比を適宜調整して各吐出孔の流動
抵抗を均等化し、等方的な吐出流とすることが肝要であ
る。以下に、突起部6の寸法、および横向き吐出孔3,
3と下向き吐出孔5,5の開口面積比の適正範囲につい
て説明する。 【0017】まず、突起部6の頂角θの適正範囲を図
2、図3、図4および図5に基づいて説明する。図2は
図1に示す形状のノズルの突起部6の頂角θと鋳片品質
との関係を説明する図であり、図3、図4および図5は
図1のA−A断面を示し、突起部6の頂角θを変化させ
た場合のノズル内部の溶湯流動状況を示す図である。 【0018】図3に示すように突起部6の頂角θが小さ
く、突起部6の斜面が急峻な場合は、ノズル内部の溶湯
流は突起部6の斜面に沿った下向きの溶湯流れとなり横
向き吐出流が減衰する。このように下向き吐出流が過大
になると、溶湯プール深部への吐出流の浸透深さが増大
して鋳片の清浄度が悪化する。 【0019】一方、図4に示すように突起部6の頂角θ
が過大で突起部6が平坦に近い場合には、ノズル内部の
下向き溶湯流は突起部6に衝突して横向きの流れにな
り、下向きの流れに対する抵抗となって下向きの流れの
進路を妨害する。このため、横向きの流れが主体となっ
て下向きの溶湯流れが減衰する。このように横向き吐出
流が主体となると、溶湯表面の波立ちが大きくって鋳片
表面にパウダーあるいは気泡の巻込み欠陥や表面割れが
発生する。 【0020】以上より、品質良好な鋳片を得るために
は、ノズル内部における下向きおよび横向きの溶湯流動
を、図5に示すようなバランスのとれた状態に保つ必要
がある。本発明者は水モデル実験によってノズル内部の
溶湯流動状態をモニターし、さらに鋳造実験によって突
起部6の各種頂角θと鋳片品質の関係を調査することに
よって、横向き吐出孔3,3と下向き吐出孔5,5への
溶湯流動のバランスをとるための突起部6の頂角θの適
正範囲を図2に示すように求めた。 【0021】図2において頂角θが下限値40度を下回
り突起部6が急峻になると、図3に示すようにノズル内
の溶湯流動が下向き主流となって下向き吐出流が過大と
なるため、溶湯プール深部への吐出流の浸透深さが増大
し鋳片の清浄度が悪化する。一方、頂角θが上限値15
0度を上回り突起部6が平坦に近くなると、図4に示す
ようにノズル内の溶湯流動が横向き主体となって横向き
吐出流が過大となるため、溶湯表面の波立ちが大きくな
り鋳片にパウダー巻込み欠陥や割れが発生する。従っ
て、吐出流のバランスを得るためには頂角θを40度以
上150度以下の範囲で設定することが必要である。 【0022】なお、図1において、突起部6の底面の幅
Wの寸法は、ノズル1自体を構成する材料の強度によっ
て自ずと適正な範囲が定まる。即ち、突起部6自体には
ノズル内の溶湯圧力に耐え得る強度を持たせる必要があ
るため、突起部底面の幅Wを十分大きくする必要があ
る。しかしノズルの外形は可能な限りコンパクトにする
ほうが経済上またハンドリング上有利である。これらの
兼ね合いによって突起部6の底面の幅Wを決めることが
できる。通常は突起部6の底面の幅Wを30〜50mm程
度とするのが望ましい。また、突起部6の高さHの寸法
については、突起部6のA−A断面形状と頂角θと底面
の幅Wが定まると、突起部の高さHを幾何学的に定める
ことができる。 【0023】次に、横向き吐出孔3,3および下向き吐
出孔5,5の開口面積比の適正範囲を図6、図7、図8
および図9に基づいて説明する。図6は図1に示す形状
のノズルの横向き吐出孔3,3の開口面積S1と下向き
吐出孔5,5の開口面積S2の比率(以下、開口面積比
と略称する)S1/S2と鋳片品質との関係を説明する
図であり、図7、図8および図9は開口面積比S1/S
2を変化させた場合の鋳型内溶湯プール表面の流動状況
を示す図である。 【0024】図7に示すように横向き吐出孔3,3の開
口面積が過大すなわち開口面積比S1/S2が過大な場
合には、下向きの吐出流は下向き吐出孔5,5において
大きな流動抵抗を受けるので、横向き吐出孔3,3から
の吐出流速が主体となり、溶湯湯面の波立ちが激しくな
ってパウダー巻込みや割れが発生する。 【0025】一方、図8に示すように横向き吐出孔3,
3の開口面積が過小すなわち開口面積比S1/S2が過
小の場合には、横向きの吐出流は横向き吐出孔3,3に
おいて大きな流動抵抗を受けるので、横向き吐出孔3,
3からの吐出流速が過小となり、溶湯表面の流動が遅滞
して地金張りが発生する恐れがある。あるいはまた、下
向き吐出孔5,5からの吐出流速が過大となって、溶湯
プール深部への吐出流の浸透深さが増大して鋳片の清浄
度が悪化する。 【0026】以上より、品質良好な鋳片を得るために
は、開口面積比S1/S2を適切に調整して各吐出孔の
流動抵抗を均等化し、吐出流を図9に示すような等方的
な吐出流とすることが肝要である。本発明者は水モデル
実験によって鋳型内溶湯プールでのノズル吐出流の溶湯
流動状態をモニターし、さらに鋳造実験によって突起部
6の開口面積比S1/S2と鋳片品質の関係を調査する
ことによって、横向き吐出孔3,3と下向き吐出孔5,
5からの吐出流のバランスをとるための開口面積比S1
/S2の適正範囲を図6に示すように求めた。 【0027】図6において開口面積比S1/S2が上限
値2.0を上回り、横向き吐出孔3,3の開口面積が過
大になると、図7に示すように下向きの吐出流は下向き
吐出孔5,5において大きな流動抵抗を受けるため、横
向き吐出孔3,3からの吐出流速が主体となって溶湯湯
面の波立ちが激しくなりパウダー巻込みや割れが発生す
る。一方、開口面積比S1/S2が下限値0.5を下回
り、横向き吐出孔3,3の開口面積が過小になると、図
8に示すように横向きの吐出流は横向き吐出孔3,3に
おいて大きな流動抵抗を受けるので、横向き吐出孔3,
3からの吐出流速が過小となり、溶湯表面の流動が遅滞
して地金張りが発生する。また、下向き吐出孔5,5か
らの吐出流速が過大となって、溶湯プール深部への吐出
流の浸透深さが増大して鋳片の清浄度が悪化する。従っ
て、鋳型内溶湯プールの溶湯流動を適正にして品質良好
な鋳片を得るためには、開口面積比S1/S2を0.5
以上2.0以下の範囲に設定することが必要である。 【0028】以上述べたように本発明のノズルによる
と、突起部6の頂角θや幅Wや高さHならびに開口面積
比S1/S2を適切に調整することにより、横向き吐出
流と下向き吐出流の吐出流速のバランスを調整すること
ができるので、品質良好な鋳片を安定して得ることがで
きる。 【0029】 【実施例】以下に本発明の効果を表1および表2に記載
の実施例に基づいて説明する。鋳型断面形状は100mm
厚×1000mm幅の薄肉形状とし、SUS304鋼を
2.2m/分の速度で鋳造した。用いたノズルは図1に
示す形状のものであり、ノズル本体の横断面外寸法は短
辺が60mmで長辺が175mmである。耐火物肉厚は15
mmであるので、ノズル本体内溶湯流路の寸法は短辺側が
30mmで長辺側が145mmである。突起部6の寸法は表
1に記載の各値に調整した。また、側壁の横向き吐出孔
ならびに底壁の下向き吐出孔は長方形形状とし、ノズル
軸芯線を境にして左右対称となるように一対設けた。各
吐出孔の開口寸法は表1に記載のように各実験のノズル
の総開口面積(S1+S2)を各々同じくするように調
整した。なお、何れもノズル浸漬深さを135mmで鋳造
した。 【0030】 【表1】 【0031】 【表2】【0032】次に得られた結果について表2を基に説明
する。実験番号2,3,4,5,8,9は本発明ノズル
の例であるが、溶湯量60ton×5連続の計300t
onを全量安定して完鋳できた。得られた鋳片は割れや
凹みが見られず、表面品質は良好であった。また鋳片の
非金属介在物を調べたところ、直径50μm以上の介在
物は鋼100g当たり12〜20ヶであり特に問題なか
った。また実験後にノズルを解体して詰まり状況を調査
したが、詰まりの痕跡は認められなかった。 【0033】一方、実験番号1,6,7,10,11,
12は本発明ノズルの全ての具備条件が逸脱しているも
のであり、何れも品質良好な鋳片を安定して鋳造するこ
とが不可であった。実験番号1は突起部6の頂角θが過
小であった例であり、直径50μm以上の非金属介在物
が鋼100g当たり最大55ヶであり不良であった。実
験番号7は開口面積比S1/S2が過小であった例であ
り、横向き吐出流が遅滞して地金張りが発生し鋳造が困
難となった。また、直径50μm以上の非金属介在物が
鋼100g当たり最大55ヶであり不良であった。実験
番号6は突起部6の頂角θが過大であった例であり、ま
た実験番号10は開口面積比S1/S2が過大であった
例であり、何れも溶湯プールの波立ちが過大なため得ら
れた鋳片にはパウダーの巻込み欠陥や割れなどが発生し
ており、鋳片品質は不良であった。実験番号11は突起
部6の頂角θが過小でありかつ開口面積比S1/S2が
過小であった例であり、溶湯表面の地金が発達してノズ
ルと鋳型に架橋して鋳造が停止した。実験番号12は突
起部6の頂角θが過大でありかつ開口面積比S1/S2
が過大であった例であり、鋳片表面に著しい割れが発生
した。またパウダー巻込み起因の非金属介在物が多発し
て鋳片清浄度は不良であった。 【0034】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、連
続鋳造、特に薄肉広幅鋳片の高速連続鋳造において、溶
湯表面の波立ちを防止しつつ地金張りを防止し、かつ非
金属介在物の浮上分離を容易にすることで、品質良好な
鋳片を安定して得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用する浸漬ノズルの斜視図
(一部破壊図)。 【図2】突起部の頂角と鋳片品質の関係を示す図。 【図3】突起部の頂角が適正範囲を下回る場合の浸漬ノ
ズル内の溶湯流動の状態を示す図。 【図4】突起部の頂角が適正範囲を上回る場合の浸漬ノ
ズル内の溶湯流動の状態を示す図。 【図5】突起部の頂角が適正範囲内にある場合の浸漬ノ
ズル内の溶湯流動の状態を示す図。 【図6】横向き吐出孔と下向き吐出孔の開口面積比と鋳
片品質の関係を示す図。 【図7】横向き吐出孔開口面積が過大の場合の鋳型内溶
湯プールの溶湯流動状況を示す図。 【図8】横向き吐出孔開口面積が過小の場合の鋳型内溶
湯プールの溶湯流動状況を示す図。 【図9】横向き吐出孔開口面積が適正な場合の鋳型内溶
湯プールの溶湯流動状況を示す図。 【符号の説明】 1.浸漬ノズル 2.浸漬ノズルの短辺側の側壁 3.側壁の横向き吐出孔 4.浸漬ノズルの底壁 5.底壁の下向き吐出孔 6.突起部 7.鋳型内溶湯プールの表面 8.鋳型短辺 9.地金 θ.突起部の頂角 W.突起部の幅 H.突起部の高さ M.溶湯流動を示す線 Y−Y.ノズル軸芯線 A−A.ノズルの断面を示す線
(一部破壊図)。 【図2】突起部の頂角と鋳片品質の関係を示す図。 【図3】突起部の頂角が適正範囲を下回る場合の浸漬ノ
ズル内の溶湯流動の状態を示す図。 【図4】突起部の頂角が適正範囲を上回る場合の浸漬ノ
ズル内の溶湯流動の状態を示す図。 【図5】突起部の頂角が適正範囲内にある場合の浸漬ノ
ズル内の溶湯流動の状態を示す図。 【図6】横向き吐出孔と下向き吐出孔の開口面積比と鋳
片品質の関係を示す図。 【図7】横向き吐出孔開口面積が過大の場合の鋳型内溶
湯プールの溶湯流動状況を示す図。 【図8】横向き吐出孔開口面積が過小の場合の鋳型内溶
湯プールの溶湯流動状況を示す図。 【図9】横向き吐出孔開口面積が適正な場合の鋳型内溶
湯プールの溶湯流動状況を示す図。 【符号の説明】 1.浸漬ノズル 2.浸漬ノズルの短辺側の側壁 3.側壁の横向き吐出孔 4.浸漬ノズルの底壁 5.底壁の下向き吐出孔 6.突起部 7.鋳型内溶湯プールの表面 8.鋳型短辺 9.地金 θ.突起部の頂角 W.突起部の幅 H.突起部の高さ M.溶湯流動を示す線 Y−Y.ノズル軸芯線 A−A.ノズルの断面を示す線
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 中野 健
山口県光市大字島田3434番地 新日本製
鐵株式会社 光製鐵所内
(72)発明者 吉村 裕二
山口県光市大字島田3434番地 新日本製
鐵株式会社 光製鐵所内
(56)参考文献 特開 平8−52547(JP,A)
特開 平8−168856(JP,A)
特開 平8−39208(JP,A)
特開 平10−128506(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B22D 11/10 330
B22D 41/50 520
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 偏平な浸漬ノズルの軸芯線に対して対称
となるように、該浸漬ノズルの短辺側の側壁に対をなす
横向き吐出孔と、該浸漬ノズルの短辺側の底壁に対をな
す下向き吐出孔とが設けられており、前記下向き吐出孔
同士の間には上方に突出した錐状の突起部が設けられて
おり、該突起部の頂角が40度以上150度以下であ
り、前記横向き吐出孔の開口面積と前記下向き吐出孔の
開口面積との比率が0.5以上2.0以下であることを
特徴とする薄肉広幅鋳片連続鋳造用浸漬ノズル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35663796A JP3505053B2 (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | 薄肉広幅鋳片連続鋳造用浸漬ノズル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35663796A JP3505053B2 (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | 薄肉広幅鋳片連続鋳造用浸漬ノズル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10193052A JPH10193052A (ja) | 1998-07-28 |
JP3505053B2 true JP3505053B2 (ja) | 2004-03-08 |
Family
ID=18450027
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35663796A Expired - Fee Related JP3505053B2 (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | 薄肉広幅鋳片連続鋳造用浸漬ノズル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3505053B2 (ja) |
-
1996
- 1996-12-27 JP JP35663796A patent/JP3505053B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10193052A (ja) | 1998-07-28 |
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