JP2005130795A - ポリヌクレオチドの分析用部材、および検体中の特定塩基配列を有するポリヌクレオチドの存在の有無を判定する方法 - Google Patents

ポリヌクレオチドの分析用部材、および検体中の特定塩基配列を有するポリヌクレオチドの存在の有無を判定する方法 Download PDF

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由子 井戸
Tsutomu Mochida
勉 餅田
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Abstract

【課題】 煩雑な操作を必要とせず、検体中に特定塩基配列有するポリヌクレオチドが存在するか否かを迅速、かつ正確に判定することが可能な分析用部材、および該分析用部材を用いた、検体中の特定塩基配列を有するポリヌクレオチドの存在の有無を判定する方法を提供することにある。
【解決手段】 増幅を行う部分(A)と、検出用オリゴヌクレオチドが固定されている多孔質層を有するハイブリダイゼーション部分(B)とが、流路によって連結されているポリヌクレオチドの分析用部材の提供、及びこれを用いて、検体、プライマー及びDNAポリメラーゼを含む溶液を、部分(A)から部分(B)の順に流し、部分(A)におけるポリヌクレオチド増幅の有無を、部分(B)におけるハイブリダイゼーションで検出することにより、検体中の特定塩基配列を有するポリヌクレオチドの存在の有無を判定する方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリヌクレオチドの増幅を行う部分と、検出用オリゴヌクレオチドが固定されている多孔質層部分とが流路によって連結されているポリヌクレオチド分析用部材、および、検体中の特定塩基配列を有するポリヌクレオチドの存在の有無を判定する方法に関する。
PCR(polymerase chain reaction)法は、検体中のポリヌクレオチドが微量である場合でも、指数的増幅により検出することができる方法として、感染性疾患および病理学的染色体異常、並びにポリヌクレオチド多型現象の検知または診断を含む数多くの臨床的適用、及び生物学的研究において有用であることが知られている。PCR法は、アニーリング、伸長、変性の一連の工程を20〜40回繰り返し、温度上昇、下降に伴う時間的ロスを生じるために、30〜120分の時間を要する。より迅速にPCR増幅する方法として、例えば、PCR増幅を微細な流路中で行うことが報告されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、PCR増幅後、電気泳動装置へ移すという煩雑で間違いの起こしやすい操作を必要とし、増幅物の検出に時間を要する。
PCRと検出を同一アレイ上で行う方法も報告されている(例えば、特許文献2参照)が、ハイブリダイゼーション部に固定されるDNAプローブ量が少ないことから、高感度の分析装置を必要としたり、正確な判定を行うことが困難であった。
特開平6−30776号公報 特開2002−300877号公報
本発明が解決しようとする課題は、煩雑な操作を必要とせず、検体中に特定塩基配列有するポリヌクレオチドが存在するか否かを迅速、かつ正確に判定することが可能な分析用部材、および該分析用部材を用いた、検体中の特定塩基配列を有するポリヌクレオチドの存在の有無を判定する方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ポリヌクレオチドの分析用部材であって、増幅を行う部分(A)と、検出用オリゴヌクレオチドを固定してハイブリダイゼーションを行なう部分に多孔質層を使用することにより、検体中の特定塩基配列を有するポリヌクレオチドの存在の有無が迅速にかつ正確に行なえる分析部材となり、該分析部材を使用することにより、正確かつ迅速な検体中の特定塩基配列を有するポリヌクレオチドの存在の有無を判定を行なえることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、ポリヌクレオチドの分析用部材であって、増幅を行う部分(A)と、検出用オリゴヌクレオチドが固定されている多孔質層を有するハイブリダイゼーション部分(B)とが、流路によって連結されていることを特徴とするポリヌクレオチドの分析用部材を提供する。
また、検体中の特定塩基配列を有するポリヌクレオチドの存在の有無を判定する方法であって、請求項1または2に記載のポリヌクレオチドの分析用部材に、検体、プライマー及びDNAポリメラーゼを含む溶液を、部分(A)から部分(B)の順に流し、部分(A)におけるポリヌクレオチド増幅の有無を、部分(B)におけるハイブリダイゼーションで検出することを特徴とする、検体中の特定塩基配列を有するポリヌクレオチドの存在の有無を判定する方法を提供する。
本発明のポリヌクレオチドの分析用部材は、ポリヌクレオチドの増幅を行う部分と、ポリヌクレオチドの増幅の有無を検出するために設ける検出用オリゴヌクレオチド部分とが流路によって連結されているため、煩雑な操作を必要とせずに、迅速に特定塩基配列を有するポリヌクレオチドの存在の有無を判定することができ、さらに、検出用オリゴヌクレオチドが、表面積の大きい多孔質層上に固定されていることによって、検体中に特定塩基配列を有するポリヌクレオチドが存在するか否かを正確に判定することができる。
また、本発明による検体中の特定塩基配列を有するポリヌクレオチドの存在の有無を判定する方法では、微量ポリオリゴヌクレオチドの増幅と検出を連続して行うことができるから、夾雑物の混入が少なく、正確、かつ、迅速に判定できる。また、ハイブリダイゼーションの有無による検出であることから、誤った増幅があった場合でも、正確な判定ができ、表面積の大きい多孔質層にプローブが固定することから、低感度の検出装置でも正確に判定できる。
本発明においては、オリゴヌクレオチドとは複数のヌクレオチドが重合したものでありその数は特に限定されないが、好ましくは2〜100個、より好ましくは2〜60個のヌクレオチドが重合したものとする。また、ポリヌクレオチドとは複数のヌクレオチドが重合したものでありその数は特に限定されないが、好ましくは20個以上、より好ましくは30個以上、更に好ましくは50個以上のヌクレオチドが重合したものとする。
[部材]
本発明におけるポリヌクレオチド分析用部材の外形は任意であって、増幅を行う部分(A)と、検出用オリゴヌクレオチドが固定されている部分(B)とが流路によって連結されていればよい。部分(A)並びに部分(B)の形状は任意であって、チューブ状、ウエル状または流路状であってよく、部分(A)と部分(B)の形状の組み合わせは任意である。例えば、部分(A)と部分(B)とが流路状である場合、流路を塊状や板状の成形物の内部に形成してもよく、いわゆるマイクロ流体デバイス内に形成された毛細管状の流路を用いると、微量の検体中の特定塩基配列を有するポリヌクレオチドが存在するか否かを正確に判定することができることから、好ましい。
ここで、マイクロ流体デバイスとは、マイクロ・フルイディック・デバイス、マイクロ・ファブリケイテッド・デバイス、ラボ・オン・チップ、又はマイクロ・トータル・アナリティカル・システム(μ−TAS)とも呼ばれるものを指し、流路内で、流体が温度変化をうける機構、濃度調整される機構、化学反応をうける機構、流動の流速、流動の分岐、混合若しくは分離などの制御をうける機構、又は電気的、光学的な測定をうける機構等を設けた毛細管状の流路を有するデバイスである。
部分(A)と部分(B)の数の比率は任意であり、例えば部分(A)に対して部分(B)が複数個連結されて良い。この場合、部分(A)にすべての部分(B)が直接連結されていても良いし、部分(A)にいくつかの部分(B)が直接連結され、残りの部分(B)は部分(A)に直接連結している部分(B)に連結していても良い。
[連結流路]
部分(A)並びに部分(B)とは、流路によって連結されていればよく、該流路は一本または複数であって構わない。また、流路の断面形状も任意であり、円形状、方形形状等であって構わない。流路径、流路幅は、任意であるが、概ね50nm〜1mmであることが好ましい。流路径、流路幅が50nm未満では、流路の形成そのものが困難となり、後述する流路内に多孔質層を形成することも困難となり、1mmを越えると、多量の検体を必要としたり、あるいは、多量に増幅することが必要となる。
[部分A]
本発明のポリヌクレオチド分析用部材中の部分(A)では、ポリヌクレオチドが増幅されれば良く、その増幅方法は任意であり、例えばPCR法を用いることが出来る。部分(A)にてPCR法を行う方法は任意であり、例えば、PCR法のアニーリング・伸長・変性に対応した温度領域を部分(A)に持つ態様が挙げられる。より具体的には、部分(A)全体の温度を、PCRに必要とされるアニーリング・伸長・変性温度にコントロールすることを繰り返す方法や、部分(A)にアニーリング・伸長・変性温度の3つの温度帯を設け、その温度帯に溶液を通過させる方法が挙げられる。前者の場合、目的の温度に到達するために一定の時間が必要であり、さらに、一定の温度に安定化させるためにも時間が必要であるのに対して、後者の場合、予め温度を設定するために、昇温、降温に要する時間が不要であり、PCRに要する時間が大きく短縮されることから、より好ましい形態である。
部分(A)を加熱する方法として、部分(A)に1つ以上のヒーターを組み込んで、部分(A)の温度を制御しても、また、部分(A)に1つ以上の外部ヒーターを接触させて部分(A)の温度を制御しても、あるいは、ヒーター以外の方法、例えば、部分(A)に放射線等を放射して加熱して温度を制御しても良い。
部分(A)を外部ヒーターで加熱する場合、部分(A)が外部ヒーター面に対して水平な面を多く持つと、ヒーターからの熱が効率よく部分(A)に伝わるため、好ましい。さらに、検体、プライマー及びDNAポリメラーゼを含む溶液を部分(A)に導入した際に、該溶液の上面と部分(A)の外部ヒーター面に対して水平な面との距離が小さくなるほうが、さらに効率よくヒーターの熱を該溶液に伝えることが可能となり、好ましい。このような部分(A)としては、例えば上面と底面の大きさが側面に対して非常に大きい面積を持つ空間や、一本の毛細管状の流路を同一平面上で複数回折り曲げたデザインとすればよい。後者の場合、大きな外部ヒーターを用意することが可能であれば、複数回折り曲げなくともよいが、同一平面内で複数回折り曲げるデザインの方が省スペースの観点から好ましい。
また、部分(A)にアニーリング・伸長・変性温度の3つの温度帯を設ける方法として、例えば3つの空間を二つの流路によって連結したものを部分(A)とし中心に位置する空間をアニーリング温度帯として用いるか、3つの異なる温度を持つ3つの外部ヒーターを平行に置き、該外部ヒーターによって構成される平面と平行となるような同一平面上に、一本の毛細管状の流路が該ヒーター上を往復するように複数回折り曲げたものを部分(A)とする方法などが挙げられる。
[部分B]
本発明のポリヌクレオチド分析用部材中の部分(B)には、部分(B)の内壁面の少なくとも一部に、多孔質層が形成され、多孔質層上に検出用オリゴヌクレオチドが固定されていればよい。
本発明の多孔質層とは、層内に、表面まで連絡し、表面に開口している多数の細孔、即ち、連通細孔を有するものをいう。細孔の形状は任意であり、例えば三次元網目状(スポンジ状)、凝集粒子状、井戸状、不織布や編織布の繊維間状等であり得る。多孔質層は、流路断面全面に形成されていても、また、一部に形成されていてもよく、特に、流路断面が方形である場合、一面のみに多孔質層を有する構造は作製が容易であるため、一面のみの多孔質層で充分な量の検出用オリゴヌクレオチドが固定できる場合には、一面のみに多孔質層を有する流路が好ましい。
多孔質層の厚みは、0.5μm〜30μmが好ましく、1μm〜20μmがさらに好ましく、2μm〜10μmが最も好ましい。この下限以上とすることで、充分な量の検出用オリゴヌクレオチドを流路内面に固定可能であり、この上限以下とすることで、分離や分析の時間短縮が計れる。
上記多孔質層の細孔の孔径も任意であるが、0.05μm〜3μmが好ましく、0.1μm〜1μmがさらに好ましい。この下限以上とすることで、充分な量の検出用オリゴヌクレオチドが固定可能となる。なお、前記細孔径は、多量に存在する細孔の孔径であり、必ずしも平均径とは限らない。
部分(B)において、該検出用オリゴヌクレオチドと対向する内壁までの平均距離が1〜100μmの範囲にあることにより、部分(B)を移動するポリヌクレオチドと検出用オリゴヌクレオチドとの間に有効にアフィニティーが生じるため、正確なハイブリダイゼーションが可能となる。
[部材の製造]
次に、本発明のポリヌクレオチド分析用部材の作製方法について説明する。本発明のポリヌクレオチド分析用部材の素材は任意であり、例えば、ガラス、水晶等の結晶、シリコンなどの半導体、セラミック、炭素、有機重合体(ポリジメチルシロキサンのように、無機元素を含有するものであってもよい。以下単に「重合体」と称する。)、又はこれらの発泡体などであることが好ましい。特に、重合体は、安価で大量に製造できるため、検体毎に該部材を使用でき、他検体等からのコンタミネーションが少なくなること、また、重合体は、焼却処理することが容易であるために、使用済み部材を焼却することによって、検体由来の汚染を防止できることなどことから、ポリヌクレオチド分析用部材、特に臨床検査やBSE検査等の多量の検体を扱うポリヌクレオチド分析用部材として好ましい。
重合体としては、ポリヌクレオチドの増幅やハイブリダイズ時の加温に耐える樹脂の使用が好ましく、例えば、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン等の樹脂を用いることができる。また、活性エネルギー線を照射することによって重合体となる、いわゆるフォトリソグラフィー材料も本発明の重合体として好適に用いることができる。
ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン等の樹脂を用いて本発明の分析用部材を製造するには、例えば、前記重合体を射出成型して、部分(A)と、部分(B)とが凹部で連結されている部材を得る。次に、部分的に多孔質層が形成された別の部材を用意し、多孔質層上に検出用オリゴヌクレオチドを固定後、凹部が形成された前記部材と前記凹部が空洞状の流路となるように、かつ、検出用オリゴヌクレオチドが固定された箇所が部分(B)となるように固着すればよい。
あるいは、板状の前記重合体を前述のデザインのように公知の方法で切削することによって、部分(A)と部分(B)とが凹部で連結されている部材を得る。次いで、部分的に多孔質層が形成された別の部材を用意し、多孔質層上に検出用オリゴヌクレオチドを固定後、凹部が形成された前記部材と前記凹部が空洞状の流路となるように、かつ、検出用オリゴヌクレオチドが固定された箇所が部分(B)となるように固着すればよい。
前述の別の部材としては、凹部が流路となるように蓋ができ、形成された流路に流す液体に侵されないシート、板状等の任意のものを使用できる。また、該部材上に、公知の方法で多孔質層を形成すればよい。多孔質層の細孔表面に検出用オリゴヌクレオチドを固定する方法は公知慣用の方法を使用することが可能である。予め多孔質層の細孔表面に反応性を有する官能基(例えばカルボキシ基、エポキシ基、アルデヒド基等)を導入し、次いで、直接または他の官能基を介して、該検出用オリゴヌクレオチド中のアミノ基や水酸基、リン酸基、カルボキシ基を反応させることにより、共有結合で多孔質層の細孔表面に固定することができる。
支持体上に多孔質層を形成する方法としては、多孔質層が形成できれば任意であり、公知の方法を使用すればよい。
多孔質層を形成する第一の方法として、支持体上に活性エネルギー線重合性化合物と、該重合性化合物とは相溶するが、該重合性化合物の重合物とは相溶しない貧溶剤とを含有する活性エネルギー線硬化性の製膜液を塗布した後、活性エネルギー線を照射し、該重合性化合物を重合させると共に相分離を生じさせることにより、多孔質層を形成する方法(以下、該方法を反応誘発型相分離法と称する。)が挙げられる。
第2の方法としては、支持体と、該支持体を溶解あるいは膨潤できる溶剤とを接触させた後、該支持体を溶解あるいは膨潤させないが溶剤とは相溶する別の溶剤を用いて溶解あるいは膨潤できる溶剤を洗浄除去し、多孔質層を形成する方法(以下、該方法を「表面膨潤法」と称する。)が挙げられる。
更に、鎖状重合体を溶剤に溶解してなる製膜溶液を支持体に塗布し、該支持体と、該鎖状重合体を溶解または膨潤させず、かつ溶剤とは相溶する別の溶剤とを接触させることにより、鎖状重合体を多孔質層上に凝集させ、支持体表面に多孔質層を形成する方法(以下、該方法を湿式法と称する。)などが挙げられる。
反応誘発型層分離法は、多孔質層表面に、オリゴヌクレオチドを固定できる官能基の導入が容易であることから、最も好ましく用いられる。
多孔質層を支持体に形成するためには、前記成膜液を支持体に必要な部分塗工すればよく、この方法として、任意の塗工方法を用いることができ、例えば、スピンコート法、ローラーコート法、流延法、ディッピング法、スプレー法、バーコーター法、X−Yアプリケータ法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、グラビア印刷法、ノズルからの押し出しや注型などの方法が挙げられる。また、前記成膜液が高粘度である場合や特に薄く塗工する場合には、前記成膜液に溶剤を含有させて塗工した後、溶剤を揮発させる方法により塗工することもできる。
蓋部材と凹部を有する部材を貼り合わせる際は、必要に応じて接着剤を用いることもでき、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、スチレンブタジエン樹脂系接着剤、(メタ)アクリル系接着剤などが使用できる。
また、フォトリソグラフィー材料を用いて本発明の分析用部材を製造するには、例えば、支持体の表面に多孔質層を形成し、該多孔質層の上に活性エネルギー線硬化性の組成物を塗工して該組成物の未硬化塗膜を形成、流路と成すべき部分以外の箇所に活性エネルギー線を照射して前記組成物の硬化又は半硬化塗膜を形成し、非照射部分の未硬化の前記組成物を除去して、部分(A)と多孔質層が底面に露出した凹部部分(B)とが凹部で連結されている部材を得る。次に、多孔質層の表面に検出用オリゴヌクレオチドを固定後、他の部材を固着して前記凹部を空洞状の流路と成すことによって、目的とする部分(A)と、部分(B)とが流路で連結されている分析用部材が得られる。
支持体の形状は特に限定されず、使用目的に応じて任意の形状のものを使用できる。例えば、シート状(フィルム状、リボン状、ベルト状を含む)、板状、ロール状、球状などの形状が挙げられるが、塗工し易く、また、活性エネルギー線を照射し易いという観点から、塗工面が平面状または2次曲面状の形状であることが好ましい。また、支持体は、その表面に形成された流路(マイクロ流体デバイス)と一体化されたものであっても良いし、必要に応じて、流路形成後、支持体を取り除く一時的なものであっても良い。
活性エネルギー線硬化性の組成物は、重合開始剤の存在下、あるいは非存在下で活性エネルギー線により重合し得る組成物であり、付加重合性の化合物や、活性エネルギー線重合性官能基として重合性の炭素−炭素二重結合を有する重合性化合物を含む組成物が好ましく用いられる。重合性化合物は、反応性の高い(メタ)アクリル系化合物やビニルエーテル類や、光重合開始剤の不存在下でも硬化するマレイミド系化合物などが好ましい。また、重合性化合物が多官能の化合物であると、重合して架橋構造となるため、硬化後の強度も高くなる。重合性化合物は単独で、あるいは二種以上を混合して使用することができる。
活性エネルギー線硬化性の組成物には、光重合開始剤、重合遅延剤、重合禁止剤などを添加してもよい。該組成物の粘度は、多孔質層の孔径に応じて変わりうるものであるが、多孔質層の上に塗工した際に、該組成物が速く多孔質層内へ浸透すること、および活性エネルギー線照射後に、後述する非照射部分の未硬化の該組成物を除去する際に、該組成物が完全に多孔質層から除去される観点から、該組成物の粘度が25℃において30〜3000mPa・sの範囲であることが好ましく、100〜1000mPa・sの範囲であることが更に好ましい。粘度が30mPa・s未満であると、凹部の深さ制御が困難になり、一方、粘度が3000mPa・sより大きいと、該組成物の多孔質層内部への浸透が困難になり、また、非照射部分の未硬化の組成物の除去も困難になる。
多孔質層の上に活性エネルギー線硬化性の組成物を塗工する方法としては任意の塗工方法を用いることができ、例えば、スピンコート法、ローラーコート法、流延法、ディッピング法、スプレー法、バーコーター法、X−Yアプリケータ法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、グラビア印刷法、ノズルからの押し出しや注型などの方法が挙げられる。また、活性エネルギー線硬化性の組成物が高粘度である場合や特に薄く塗工する場合には、活性エネルギー線硬化性の組成物に溶剤を含有させて塗工した後、溶剤を揮発させる方法により塗工することもできる。
照射する活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、赤外線、レーザー光線、放射光などの光線;エックス線、ガンマ線、放射光などの電離放射線;電子線、イオンビーム、ベータ線、重粒子線などの粒子線が挙げられる。これらの中でも、取り扱い性や硬化速度の面から紫外線及び可視光が好ましく、紫外線が特に好ましい。硬化速度を速め、硬化を完全に行う目的で、活性エネルギー線の照射を低酸素濃度雰囲気で行うことが好ましい。低酸素濃度雰囲気としては、窒素気流中、二酸化炭素気流中、アルゴン気流中、真空又は減圧雰囲気中が好ましい。
多孔質層を底面全体または底面の一部に形成された凹部を形成するために、上記活性エネルギー線を照射する際に、活性エネルギー線をパターニング照射する。パターニング照射の方法は任意であり、例えば、活性エネルギー線を照射しない部分をマスキングして照射する、あるいはレーザーなどの活性エネルギー線のビームを走査するなどのフォトリソグラフィーの手法が利用できる。
活性エネルギー線硬化性の組成物を半硬化させて未硬化塗膜とすることによって、接着剤を使用することなく蓋となる他の部材と固着することが可能であり、また、接着剤を使用する場合にも接着強度が向上する。活性エネルギー線硬化性の組成物の硬化状態を半硬化とした場合には、最終的なマイクロ流体デバイスと成す前のいずれかの工程において後硬化を行い、完全に硬化させることが好ましいが、本発明のマイクロ流体デバイスの機能に差し障りがなければ必ずしも完全に硬化させる必要はない。後硬化は、活性エネルギー線による硬化の場合には、半硬化させるのに使用した活性エネルギー線と同じものであっても異なるものであっても良い。後硬化はまた、活性エネルギー線による硬化の他に、熱硬化により硬化してもよい。
本発明の検出用オリゴヌクレオチドは、本発明のマイクロ流体デバイスの増幅部において行われた伸長反応により増幅されうるポリヌクレオチドに対して実質的に相補的な塩基配列を有していれば良い。また、該検出用オリゴヌクレオチドは、一本鎖であっても、二本鎖であってもよい。本発明の検出用オリゴヌクレオチドは、多孔質層に物理的、あるいは化学的に固定して用いられる。固定には、公知慣用の任意の方法が使用できるが、例えば、一本鎖検出用オリゴヌクレオチドの末端をアミノ基等で修飾し、多孔質層に設けたアルデヒド基等の官能基と公知の方法で化学的に結合させると、一本鎖検出用オリゴヌクレオチドが多孔質層とより強固に結合し、多孔質層から脱離し難くなることから、より好ましい。
蓋部材と凹部を有する部材を貼り合わせる際の接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、スチレンブタジエン樹脂系接着剤、(メタ)アクリル系接着剤などが使用できる。
[検体中の特定塩基配列を有するポリヌクレオチドの存在の有無を判定する方法]
次に、本発明の検体中の特定塩基配列を有するポリヌクレオチドの存在有無を判定する方法について説明する。
まず、部分(B)に、PCR反応によって増幅され得る特定塩基配列を含むポリヌクレオチドに対してハイブリダイズ可能な検出用オリゴヌクレオチドが固定された分析用部材を用意する。分析用部材の部分(B)に固定された検出用オリゴヌクレオチドが一本鎖のオリゴヌクレオチドの場合は、そのまま使用することができる。また、二本鎖オリゴヌクレオチドの場合は、そのまま使用することもできるが、部分(A)で増幅されたポリヌクレオチドがハイブリダイズする前に解離させて、一本鎖オリゴヌクレオチドとすることによって、増幅されたポリヌクレオチドが効果的にハイブリダイズされることから好ましい。
次に、検体、プライマー及びDNAポリメラーゼを含む溶液を、部分(A)から部分(B)の順に流す。検体中に特定塩基配列を有する場合、部分(A)でポリヌクレオチドがPCR反応によって増幅され、部分(B)でハイブリダイズしたポリヌクレオチドを検出する。一方、検体中に特定塩基配列を有するポリヌクレオチドが存在しない場合、部分(A)ではポリヌクレオチドが増幅されず、部分(B)でハイブリダイズしたポリヌクレオチドは検出されない。したがって、部分(B)でハイブリダイズするポリヌクレオチドの有無を測定することによって、検体中に特定塩基配列を有するポリヌクレオチドが存在するか否かを判断することができる。
本発明の検体とは、ポリヌクレオチド、およびポリヌクレオチドを含有する試料を指し、全血、血清、糞便由来物、尿等の生体由来物、または、動物、植物、ウイルス由来の細胞組織、細胞培養物、さらには、飲料物、缶詰等の加工食品を含む食品一般等が挙げられる。
DNAポリメラーゼは、ポリヌクレオチド増幅能をもつ酵素であれば任意に用いられ、熱安定性のポリメラーゼであることが好ましい。
本発明で用いられるプライマーは、特定塩基配列を有するポリヌクレオチドを増幅可能な組み合わせであれば、任意であり、約10から40塩基からなるオリゴヌクレオチドであることが好ましい。また、3’末端のミスマッチは、アニーリングに大きく影響するが、5’末端のミスマッチは影響が少ないので、5’末端に複数の非相補的塩基配列を有していてもかまわない。また、通常のPCRに用いられる二つのプライマーは等量であるが、そのうちの片方の割合を上げる、いわゆる非対称PCRを行うことで、標識された一本鎖DNAが得られ、後に述べる検出の際、ハイブリダイゼーションが効率的に行われることから好ましい。プライマーは必要に応じて、標識物質で修飾されたものを用いることができる。この場合、標識されたプライマーは、標識されたプライマーが検出用オリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることによるノイズを防ぐために、検出用オリゴヌクレオチドに対して実質的に相補的な配列を含まない方が好ましい。また、PCR増幅反応で増幅される一対のポリヌクレオチドのうち、検出用オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする側のポリヌクレオチド鎖の基点となるプライマーを標識する方が、標識物質を有効に利用できることから好ましい。
本発明で使用可能な標識としては、蛍光物質、放射性同位体、ビオチン、酵素、発光団、抗原および抗体などが挙げられる。より具体的には、蛍光物質として、FITC、Cye−3、Cye5、TET,テキサスレッド等が、放射性同位体としては、32P、35S,14C等が、また、酵素としては、アルカリフォスファターゼ、ペルオキシダーゼ、発光団としては、ルテニウムが挙げられる。標識部位は、5’末端が好ましいが、ハイブリダイゼーションに影響が無ければ特には制限されない。
検体、プライマー及びDNAポリメラーゼを含む溶液には、検体、該オリゴヌクレオチドにアニーリング可能なプライマー及びDNAポリメラーゼを必須とし、必要に応じて、ポリメラーゼ反応の基質となる4種類のデオキシヌクレオシド三リン酸、塩化マグネシウムや塩化カリウムに代表される塩類、トリス(Tris)等の緩衝剤を含む溶液とともに前記部材の流路に導入する。
検体、プライマー及びDNAポリメラーゼを含む溶液の送液は、送液可能な方法であれば任意であり、例えば、インジェクターを備えたマイクロポンプ、シリンジポンプ等が使用できる。送液速度は、PCR増幅、ハイブリダイゼーションに適した送液速度であれば任意であるが、例えば、検体を含む溶液の導入から検出までの一連の操作を、概ね15〜60分で完結させるような速度が好ましい。
部分(A)におけるポリヌクレオチドの増幅は、任意の方法が使用でき、例えば、PCRによって増幅する場合、プライマーの種類、例えばプライマーの長さやGC含量などによって変動しうるが、通常、90〜95℃で二本鎖鋳型ポリヌクレオチドを変性し、40〜60℃でプライマーと鋳型ポリヌクレオチドのアニーリングを行い、続いて70〜75℃でポリヌクレオチドの伸長反応を行うというサイクルを20〜50回程度繰り返すと有効である。
部分(B)では、増幅されたポリヌクレオチドが熱により変性し、一本鎖のポリヌクレオチドとなり、多孔質層上のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされる。また、プライマーや副産物等がハイブリダイズされないことが望ましい。このような条件として、例えば、オリゴヌクレオチドの長さやGC含量などによって変動しうるが、30〜60℃の範囲で最適な温度に設定するのが好ましい。
[検出]
ハイブリダイズの有無を検出する方法として、標識されたプライマーを用いた場合は、部分(B)を直接測定し、ハイブリダイゼーション部分に存在する標識物質を検出する方法を挙げることができる。標識に応じて、例えば、蛍光物質で修飾されたプライマーを用いた場合は、部分(B)の蛍光強度を測定することによって、また、放射性同位体で修飾されたプライマーを用いた場合は、部分(B)の放射線量を測定することによって、検出することができる。この場合、標識されたプライマー自身が蛍光、放射線等を有することから、検体、プライマー及びDNAポリメラーゼを含む溶液を部材に必要量流した後、緩衝液等の標識物質を含まない溶液を流し、ハイブリダイズしない標識されたプライマーによるシグナルを拾わないような工程を経ることが好ましい。
また、標識されないプライマーを用いる場合は、例えば、部材に導入する溶液中に、サイバーグリーンなどのインターカレーター能力をもつ蛍光物質を予め加えておき、増幅したポリヌクレオチドと、流路内に固定したオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションによる二本鎖ヌクレオチドにインターカレートさせ、部分(B)の蛍光強度を測定することによってハイブリダイズの有無、翻って、検体中の特定塩基配列を有するポリヌクレオチドの存在の有無を判定できる。
ハイブリダイズの有無を、部分(B)を直接測定することによっても、また、ハイブリダイズしたポリヌクレオチドを加熱して解離させ、解離する標識物質を検出して解離したポリヌクレオチドを測定することによっても、ハイブリダイズの有無、翻って、検体中の特定塩基配列を有するポリヌクレオチドの存在の有無を判定できる。
標識された蛍光物質、及び、発光団、インターカレート剤などの蛍光物質、抗原抗体反応を利用した検出に用いられる発光基質を検出する場合は、蛍光顕微鏡、マイクロプレートリーダーなどが挙げられるが、蛍光物質を励起させ、蛍光強度を測定できるものであれば特には限定されない。放射線の検出する場合は、電離箱、GM計数管に代表される電離作用を利用したもの、シンチレーション検出器の様な励起作用を利用するものなどが挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例の範囲に限定されるものではない。本実施例における紫外線照射、および蛍光特性測定は、以下の方法にて行った。
(紫外線ランプ1による照射)
3000Wメタルハライドランプを光源とするアイグラフィックス株式会社製のUE031−353CHC型UV照射装置を用い、365nmにおける紫外線強度が40mW/cmの紫外線を特に指定が無い限り室温、窒素雰囲気中で照射した。
(紫外線ランプ2による照射)
250W高圧水銀ランプを光源とするウシオ電機株式会社製のマルチライト250Wシリーズ露光装置用光源ユニットを用い、365nmにおける紫外線強度が50mW/cmの紫外線を、特に指定が無い限り室温、窒素雰囲気中で照射した。
(蛍光強度測定方法)
ライカ株式会社製の共焦点レーザー顕微鏡TCS−NTを用いて測定した。測定条件はPMT感度520V、ピンホール1.00である。
(実施例1)
[エネルギー線硬化性組成物(i)の調製]
平均分子量2000の3官能ウレタンアクリレートオリゴマー(大日本インキ化学工業株式会社製の「ユニディックV−4263」)72質量部、ジシクロペンタニルジアクリレート(日本化薬株式会社製の「R−684」)18質量部、メタクリル酸グリシジル(和光純薬工業株式会社製)10質量部、デカン酸メチル(和光純薬工業株式会社製)を150質量部、揮発性の良溶剤としてアセトンを10質量部、紫外線重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社製の「イルガキュア184」)3質量部を均一に混合して組成物(i)を調製した。
[エネルギー線硬化性組成物(ii)の調製]
活性エネルギー線架橋重合性化合物として、「ユニディックV−4263」を80質量部、及び1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(第一工業製薬株式会社製の「ニューフロンティアHDDA」)を20質量部、光重合開始剤として「イルガキュア184」5質量部を均一に混合して組成物(ii)を調製した。
[エネルギー線硬化性組成物(iii)の調製]
活性エネルギー線架橋重合性化合物として、「ユニディックV−4263」を60質量部、「ニューフロンティアHDDA」40質量部、光重合開始剤として「イルガキュア184」5質量部、及び重合遅延剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(関東化学株式会社製)0.5質量部を均一に混合して組成物(iii)を調製した。
[塗膜層(2)の形成]
下基材(1)としてポリアクリレート(三菱レイヨン社製の「アクリライトL 000番」)製の板を用い、これに2000rpm、50秒間条件のスピンコーターを用いて組成物(ii)を塗布し、紫外線ランプ1により紫外線を3秒照射して、塗膜(2)を半硬化させた。
[多孔質塗膜(3)の形成]
この半硬化状態の塗膜(2)の上に、500rpm、30秒間条件のスピンコーターを用いて組成物(i)を塗布し、該組成物(i)に紫外線ランプ1により紫外線を40秒間照射して組成物(i)を硬化させ、n−ヘキサンでデカン酸メチルを洗浄除去して多孔質塗膜(3)を形成した。
[検出用オリゴヌクレオチド固定用部分多孔質塗膜の形成]
上記多孔質塗膜(3)に、2000rpm、30秒間条件のスピンコーターを用いて組成物(iii)を染みこませ、該組成物(iii)の未硬化塗膜を形成し、フォトマスク(A)を通して紫外線ランプ2による紫外線照射を120秒間行って前記組成物(iii)の半硬化塗膜を形成し、非照射部分の未硬化の前記組成物(iii)をエタノールで除去して、多孔質塗膜(3)が一部分に存在する塗膜(4)を支持体上に形成した。
[多孔質層を底面に持つ凹部(流路)の形成]
該塗膜(4)の上に、500rpm、30秒間条件のスピンコーターを用いて組成物(iii)を塗工し、該組成物(iii)の未硬化塗膜を形成し、フォトマスク(B)を通して紫外線ランプ2による紫外線照射を120秒間行い前記組成物(iii)の半硬化塗膜(5)を形成し、非照射部分の未硬化の前記組成物(iii)をエタノールで除去して、該塗膜(4)が底面に露出した凹部状の塗膜(5)を支持体上に形成した。
[検出用オリゴヌクレオチド固定用部分多孔質塗膜前処理1]
上記工程で作製した凹部を有する支持体を、10%ポリアリルアミン溶液(日東紡製のPAA−10C)を純水にて希釈し得られる5質量%ポリアリルアミン水溶液と接触させ、50℃にて2時間反応させた(ポリアリルアミン中の一部のアミノ基を、上記塗膜(4)中の該多孔質塗膜(3)中のエポキシ基と反応させた)後、流水で30分間洗浄することによって、該検出用オリゴヌクレオチド固定用部分多孔質塗膜(3)へのアミノ基の導入を行った。
[検出用オリゴヌクレオチド固定用部分多孔質塗膜前処理2]
上記工程にてアミノ基を導入した凹部を有する支持体を、25質量%グルタルアルデヒド溶液(和光純薬工業製の25%グルタルアルデヒド溶液)をリン酸緩衝液(和光純薬工業製の「りん酸緩衝剤粉末」を1リットルの滅菌水に溶解したもの)にて5倍希釈して作製した5質量%グルタルアルデヒド水溶液中に入れ、50℃、2時間反応させた(上記処理にて該多孔質塗膜(3)中に導入されたほぼ全てのアミノ基を、該グルタルアルデヒド中の片方のアルデヒド基と反応させた)後、流水で5分洗浄して、該検出用オリゴヌクレオチド固定用部分多孔質塗膜(3)へのアルデヒド基の導入を行った。
[検出用オリゴヌクレオチド固定用試薬の調製]
5’末端にアミノ基を修飾した500μMのポリヌクレオチドA(5’−TAgTTggAgCTggTggCgTAggCAA−3’)を1μL、該ポリヌクレオチドAの遺伝子配列に相補的な500μMのポリヌクレオチドB(5’−TTgCCATCgCCACCAgCTCCAACTA−3’)を1μL、PCR用10X緩衝液(宝酒造株式会社製の10X Ex Taq Buffer)を1μL、滅菌水を7μL加えたPCR用反応チューブを、PCR反応用サーマルサイクラーを用いて95℃2分、80℃2分、70℃2分、60℃2分、50℃2分、40℃2分、30℃2分、4℃2分の温度変化を与えることにより、検出用ポリヌクレオチドAとBをハイブリダイゼーションさせて二本鎖ポリヌクレオチドCを形成し、該ポリヌクレオチドCを50μM含むポリヌクレオチド溶液(C)を10μL調製した。
[検出用オリゴヌクレオチドの固定1]
前記工程にてアルデヒド基を導入した凹部を有する支持体の底面にある検出用オリゴヌクレオチド固定用部分多孔質塗膜(3)に、上記方法にて調製したポリヌクレオチド溶液(C)を5μL滴下して、湿度100%、50℃にて15時間反応(ポリヌクレオチドの末端アミノ基を多孔質層のアルデヒド基と反応)させた後、0.2質量%のテトラヒドロ硼酸ナトリウム水溶液中に入れ、5分間還元反応させ、次いで、0.2×SSC/0.1%SDS溶液でリンスし、次に、0.2×SSCでリンスし、該検出用オリゴヌクレオチド固定用部分多孔質塗膜(3)への前記二本鎖ポリヌクレオチドCの導入を行った。
[検出用オリゴヌクレオチドの固定2]
上記工程にてポリヌクレオチド溶液(C)を導入した凹部を有する支持体を、10×TBE緩衝液(和光純薬工業製の「10XTBE粉末」を1リットルの滅菌水に溶かしたもの)を滅菌水にて100倍し作製した0.1XTBE緩衝液中に入れ、95℃にて5分間煮沸し検出用オリゴヌクレオチド固定用部分多孔質塗膜(3)に導入されたポリヌクレオチドCから前記ポリヌクレオチドBを変性させ、前記ポリヌクレオチドAのみが検出用オリゴヌクレオチド固定用部分多孔質塗膜(3)上に固定された凹部を有する支持体を得た。
[蓋の固着]
組成物(ii)を、一時的な支持体である12cm×5cm×30μmのポリプロピレンフィルム(二村化学工業社製の「二軸延伸ポリプロピレンフィルム「太閤」FOR 30番」)のコロナ放電処理された面上に、127μmのバーコーターを用いて塗工した。該組成物(ii)の未硬化塗膜に、紫外線ランプ1により紫外線を3秒照射し、前記組成物の半硬化塗膜(6)を形成し、上記工程で作製した凹部に張り合わせ、紫外線ランプ1により、紫外線を40秒間照射して完全に硬化させた後、該一時的な支持体であるポリプロピレンフィルムを剥離し、多孔質層が底面に露出した流路(10)を形成した。
[開口部の形成]
この後、前記工程において凹部上に張り合わせ完全に硬化した塗膜(6)上に組成物(i)を塗布して塗膜(7)を形成し、さらにその上に上基材(8)として、下基材(1)と同じポリアクリレート製(三菱レイヨン社製の「アクリライトL 000番」)の12cm×3cm×1mmの板を重ね合わせ、50mW/cm2の紫外線を窒素雰囲気中にて塗膜全面に40秒間照射し、塗膜(7)を硬化させた。これにより塗膜(6)上に塗膜(7)および上基板(8)が接着一体化された。
次いで、上基板(8)、塗膜(7)および塗膜(6)を通過し流路(10)に通じる直径1mmの孔を、ドリルを使用して流路の両末端に形成し、さらにこれら2つの孔にそれぞれ内径3mm、高さ5mmのポリ塩化ビニル管を接着して開口部(11)、(12)とし、ポリヌクレオチド分析用部材(20)を製造した。
[PCRサンプル用テンプレート調製]
PCR酵素は0.5μlの5ユニット/μlジーンタック(株式会社ニッポンジーン製)、鋳型ポリヌクレオチドとして1ngのras Mutant c−ki−ras codon12(タカラバイオ株式会社製)、プライマーに5μMの5μl ras Gene Primer Set c−ki−ras/12(Foward)と5μMの5μl ras Gene Primer Set c−ki−ras/12(Reverse)(タカラバイオ株式会社製)、5μlの10倍濃縮PCR増幅用緩衝液(前記PCR酵素に添付)、4μlの2.5mMdNTP混合液(dATP、dGTP、dCTP、dTTP)(前記PCR酵素に添付)を0.5mlチューブに加え、さらに滅菌水にて50μlとし、PCR反応用サーマルサイクラーを用いて94℃30秒、55℃30秒、72℃10秒のサイクルを30回行うことによって、PCR産物を得た。得られたPCR産物を滅菌水にて10万倍希釈しPCRサンプル用テンプレートを調製した。
[PCRサンプル調製]
PCR酵素としてはジーンタック(株式会社ニッポンジーン製)を使用し、緩衝液、基質溶液は該酵素に添付のものを使用した。10μlの10倍濃縮PCR増幅用緩衝液、8μlの2.5mMdNTP混合液(dATP、dGTP、dCTP、dTTP)、プライマー1として5'末端をFITCにて修飾した5μlの10μM ポリヌクレオチドD(5'−TCgTCCACAAAATgATTCTg−3')、プライマー2として5μlの10μM ポリヌクレオチドE(5'−TAAACTTgTggTAgTTggAgCTgg−3')、0.5μlの5ユニット/μlジーンタック、鋳型ポリヌクレオチドとして前記方法にて調整した25μlのPCRサンプル用テンプレートを加え、さらに滅菌水にて100μlとして、PCRサンプル溶液を調製した。
[PCR反応]
ポリヌクレオチド分析用部材(20)を4つの金属ブロックから成るヒーター上に固定した。金属ブロック(A)を90℃、金属ブロック(B)を72℃、金属ブロック(C)を55℃、金属ブロック(D)を50℃に設定した。該PCR用サンプル溶液をポリヌクレオチド分析用部材(20)の開口部(11)に注入し、さらに開口部(11)にマイクロシリンジポンプ(kdScientific社製 IC3200)を接続し、5μl/分にて該PCR用サンプル溶液の内20μlを、開口部(12)に向けて送液し、次いで、0.2×SSC(0.3 mol/l塩化ナトリウム, 0.03 mol/lクエン酸ナトリウム含有)溶液に切り替えて送液した。これにより、該PCR用サンプル溶液は該金属ブロック(A)、(B)、(C)、(B)、(A)、(B)、(C)という順序で該金属ブロック上を通過する。このブロック上を通過する過程において、該金属ブロック(C)から(B)、(A)へと移動する時の該金属ブロック(B)上に増幅可能なPCR用サンプル溶液が存在している際には、ポリヌクレオチドの伸長反応が行われる。
[ハイブリダイゼーション]
該PCR用サンプル溶液は該金属ブロック(A)、(B)、(C)上を繰り返して移動し、該金属ブロック(A)上を通った後、該金属ブロック(D)上を通過し開口部(12)から排出される。該金属ブロック(A)では、金属ブロック(A)、(B)、(C)上を通過することによって増幅された二本鎖ポリヌクレオチドを変性して一本鎖化し、引き続く該金属ブロック(D)上では、該一本鎖化されたポリヌクレオチドの内FITCが結合している一方の鎖を、多孔質塗膜(3)上に固定された前記ポリヌクレオチドAとハイブリダイズさせる。
[ポリヌクレオチドの検出]
多孔質塗膜(3)表面をライカ株式会社製の共焦点レーザー顕微鏡TCS−NTにて観察することによって、ハイブリダイズしたポリヌクレオチドの検出を行った。サンプル注入から約20分後に、該多孔質塗膜(3)表面の蛍光強度が大きく増加し、その際の蛍光強度は200であった。鋳型ポリヌクレオチドの有無による蛍光強度の差は大きく、検体中に鋳型ポリヌクレオチドを含有することを正確に判定できた。
(比較例)
[エネルギー線硬化性組成物(iv)の調製]
活性エネルギー線架橋重合性化合物として、「ユニディックV−4263」を60質量部、及び「ニューフロンティアHDDA」を30質量部、メタクリル酸グリシジル(和光純薬工業株式会社製)を10質量部、及び光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社製の「イルガキュア184」)5質量部を均一に混合して組成物(iv)を調製した。
[比較例用ポリヌクレオチド分析用部材の作製]
実施例用のポリヌクレオチド分析用部材を作製する工程[多孔質塗膜(3)の形成]において組成物(i)の代わりに組成物(iv)を使用すること、また該工程においてn−ヘキサンでデカン酸メチルを洗浄除去する作業を削除すること以外は実施例と同様の作製工程を行うことによって、多孔質塗膜(3)の代わりに塗膜(3’)が底面に露出した比較例用のポリヌクレオチド分析用部材(20’)を作製した。
実施例の方法で調整したPCRサンプル用液を用いて、実施例と同様に、PCR反応、ハイブリダイゼーション、ポリヌクレオチドの検出を行った。サンプル注入から約20分後に、塗膜(3’)表面の蛍光強度が僅かに増加した。その際の蛍光強度は10であった。鋳型ポリヌクレオチドの有無による蛍光強度の差は僅かであり、鋳型ポリヌクレオチドの有無を正確に判定することは困難であった。
実施例および比較例で使用した本発明のポリヌクレオチド分析用部材の模式図の平面図である。 実施例および比較例で使用した本発明のポリヌクレオチド分析用部材の模式図の側面図である。 図1中のI−I線に沿う実施例で使用したポリヌクレオチド分析用部材の断面図である。 図1中のI−I線に沿う比較例で使用したポリヌクレオチド分析用部材断面図である。 図1にポリヌクレオチド分析用部材を製造する際に用いるフォトマスク(A)を示した平面図である。 図1に示すポリヌクレオチド分析用部材を製造する際に用いるフォトマスク(B)を示した平面図である。 実施例および比較例で使用した本発明のポリヌクレオチド分析用部材を加熱するヒーターの模式図の平面図である。
符号の説明
1…下基材、2…塗膜、3多孔質塗膜、3’塗膜、4塗膜、
5…塗膜、6…半硬化塗膜、7…塗膜、8…上基材
10…流路(欠損部)、11…開口部、12…開口部
20…ポリヌクレオチド分析用部材、20’…比較例用ポリヌクレオチド分析用部材
31…金属ブロック(A)、32…金属ブロック(B)、33…金属ブロック(C)、
34…金属ブロック(D)。

Claims (6)

  1. ポリヌクレオチドの分析用部材であって、増幅を行う部分(A)と、検出用オリゴヌクレオチドが固定されている多孔質層を有するハイブリダイゼーション部分(B)とが、流路によって連結されていることを特徴とするポリヌクレオチドの分析用部材。
  2. 前記増幅を行う部分(A)が、PCR法のアニーリング・伸長・変性に対応した温度領域を持つ請求項1に記載のポリヌクレオチドの分析用部材。
  3. 検体中の特定塩基配列を有するポリヌクレオチドの存在の有無を判定する方法であって、請求項1または2に記載のポリヌクレオチドの分析用部材に、検体、プライマー及びDNAポリメラーゼを含む溶液を、部分(A)から部分(B)の順に流し、部分(A)におけるポリヌクレオチド増幅の有無を、部分(B)におけるハイブリダイゼーションで検出することを特徴とする、検体中の特定塩基配列を有するポリヌクレオチドの存在の有無を判定する方法。
  4. 前記、部分(B)におけるハイブリダイゼーションで検出する方法が、ハイブリダイゼーション部分に存在する標識物質を検出する方法である請求項3記載の、検体中の特定塩基配列を有するポリヌクレオチドの存在の有無を判定する方法。
  5. 前記、部分(B)におけるハイブリダイゼーションで検出する方法が、ハイブリダイゼーション部分(B)から解離する標識物質を検出する、請求項3記載の検体中の特定塩基配列を有するポリヌクレオチドの存在の有無を判定する方法。
  6. 前記プライマーの一部、もしくは、全部を蛍光ラベル化剤で修飾する請求項3記載の検体中の特定塩基配列を有するポリヌクレオチドの存在の有無を判定する方法。
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