JP2005127870A - 超音波の送受信アレーセンサ及び超音波探傷装置並びにその超音波探傷方法 - Google Patents

超音波の送受信アレーセンサ及び超音波探傷装置並びにその超音波探傷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
走行体に装着された超音波アレーセンサで検査対象の探傷を実施する超音波検査装置に関して、極力小型且つ高感度の超音波検査装置を提供する。
【解決手段】
超音波を送信する複数の送信用振動素子を配列した送信振動子列15、及び超音波を受信する複数の受信用振動素子を配列した受信振動子列19の双方を有する送受信アレーセンサ14を、溶接線沿いに自走する自走手段に走査手段を介して装着し、前記自走手段を前記溶接線沿いに走行と停止を繰り返し行わせて、前記自走装置の停止時に、前記送受信アレーセンサ14を溶接線上を通過してその溶接線に直交する方向に機械的に走査させ、前記送受信アレーセンサ14の超音波送信角と超音波受信角との和の半分が30度以内となる集束位置に各々の振動素子から発信された各超音波16を集束させて前記受信用振動素子が受信した超音波に基づいて探傷情報を生成して表示装置6に探傷情報を可視化した。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波検査装置に関し、特に自走する移動体に装着された超音波の送受信アレーセンサで検査対象材料の探傷を超音波を用いて実施する超音波検査装置とその検査方法に係る。
超音波の送信用探触子と受信用探触子の2個の探触子を一定間隔で固定配置し、TOFD
(Time of F1ight. Diffraction、飛行時間回折法)法を用いて被検査体内の欠陥を超音波探傷する装置が存在し、またそのTOFD法の規定がイギリスの規格BS7706(1993)に規定されていること、並びにTOFD法では送信用探触子から出射した超音波を被検査体に入射する入射角は45度〜55度、その超音波に基づく被検査体内の欠陥先端からの回折波を受信用探触子で受信する受信角も45度〜55度に設定されている、ということが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
その一方、送信した超音波の広がりで回折波の強度が低下して欠陥検出性の低下が懸念されることから、その懸念を払拭する方法として、送信用探触子から出射される超音波を集束させて欠陥先端に照射し、さらに受信用探触子の回折波検出領域も集束をさせて、回折波を効率良く検出することが公知である(例えば、特許文献1,特許文献2参照)。
回折波を効率良く検出する場合、超音波の入射角は45度が効率上好ましいと、いう点が公知である(例えば特許文献2の第4頁−第5頁,図2参照。)。
さらには、同一のケーシング内に装備される送信振動子列と受信振動子列として複数の振動素子を集合させた振動子群を使用するとともに、その振動子群のそれぞれその振動素子に遅延回路を接続し、遅延回路による各振動素子の励起のタイミングを徐々にずらしていくことにより、超音波の進行方向を制御しつつ行う電子的走査により超音波の屈折角を微調整して欠陥深さ測定を行うことが公知である(例えば、特許文献3の第3頁−第6頁,図1−図12参照。)。
原子炉の炉内構造物であるシュラウドの検査装置について説明する。原子炉の定期検査においては、検査範囲や検査方法はJEAC4205、超音波検査についてはJEAG
4207という規格で規定されている。シュラウド等の炉内構造物は現在規格が作成されているところであり、このため当面炉内構造物の超音波検査を行う場合は、定期検査の規格であるJEAG4207に準拠して行われている。JEAG4207では探傷方法として垂直法と斜角法をそれぞれ行うこと、斜角法では45度及び60度の二角度、または二つの角度差が少なくとも10度以上であることと規定されている。図2に示すように探触子31の走査も超音波16が溶接線32に対して直交方向及び平行方向に伝播するように行うこと、溶接線32に対して直交方向に探触子31を走査する場合は溶接線32の両側から、溶接線32に対して平行方向に探触子31を走査する場合は両方向から対向するように行うこと、つまり溶接線32に対して四方向に超音波16を伝播させることが規定されている。
炉内構造物の超音波検査を行う自走式超音波検査装置として、次のようなものが発明されている。この自走式超音波検査装置は腹側の開口部に壁面に接するシールスカートを備え、装置本体の背側に設けたスラストファンにより装置内部の水を吐出し、装置本体内部を負圧に保ち壁面に吸着して、吸着状態で装置本体を壁面に沿って移動させる移動機構を備えている。更に装置本体の外側の探触子スキャナに超音波探傷ユニツトを取付けて超音波検査を行う(例えば、特許文献4参照。)。
特開2001−228128号公報(第2−4頁,図1−図8) 特開2001−228126号公報(第4頁−第5頁,図1−図4) 特開2002―62281号公報(第3−6図,図1−図12) 特開平9−95925号公報(第2−9頁,図1−図10)
超音波送信探触子と受信探触子の2個の探触子を一定間隔で固定したTOFD(Time
of Flight Diffraction、飛行時間回折法)法で超音波探傷を行う場合には、超音波の入射角は45度〜55度、受信角も45度〜55度で設定されていた。この角度を45度〜
55度と規定する理由は、従来は、欠陥先端に超音波を照射して得られる回折波は45度〜55度方向が強いと考えられて一般的に用いられてきたからだ。
しかし、超音波の入射角を約45度〜55度、受信用も約45度〜55度で設定した
TOFD法では、超音波送信探触子と受信探触子を約45度〜55度の送受信角度を保つためにそれに応じた広い一定間隔で超音波送信探触子と受信探触子の間隔を固定して配置し、超音波送信探触子と受信探触子を合せた外寸が大きくなることから各送受探触子の接触する面積が小さい検査箇所や狭隘部の超音波探傷検査には適用ができないとともに超音波の送信から受信までの超音波の経路長さが長くなって超音波受信強度が弱くなる課題があった。
自走式検査装置に関しては、JEAG4207に準拠した方法によりシュラウドを検査する場合、溶接線に対して四方向に超音波を伝播させるように超音波検査装置を走行する必要がある。図3に示すように超音波探傷ユニット26の斜角用の探触子31が一組であり、超音波探傷ユニット26にモータで駆動する可動部が無い場合、溶接線32に対して超音波16を伝播させる四方向にそれぞれ自走式超音波検査装置25の姿勢を変更して検査する。自走式超音波検査装置25を壁面に吸着した状態で旋回して姿勢を変更することは可能であるが、位置決めが困難なため目的の姿勢に自走式超音波検査装置25を変更するには時間がかかる。そのため自走式超音波検査装置25の姿勢を変更せずに溶接線32を検査するためには、図4に示すように超音波探傷ユニット26に回転軸30を設けて超音波16が溶接線32に伝播する方向を変更する方法や超音波探傷ユニット26に斜角用の探触子31を四組設けて、溶接線32に対して同時に四方向に超音波16を伝播させる方法が考えられる(図示せず)。回転軸30を設ける場合、装置本体の駆動軸が一軸増えて探触子スキャナ27が大型になる、自走式超音波検査装置25を同じ溶接線32に対して4回走行させるため検査時間が長くなる等の課題がある。
また、超音波探傷ユニット26に斜角用の探触子31を四組設ける場合、溶接線32に対する自走式超音波検査装置25の走行は一回で済むが、探触子スキャナ27が大型化して自走式超音波検査装置25が重くなり、壁面に吸着するために必要なモータの出力が大きくなり自走式超音波検査装置25も大きくなってしまうという課題がある。
従って、本発明の目的は、極力小型且つ高感度で迅速な超音波検査装置とその方法を提供することである。
既述の課題を解決するための超音波検査装置は、超音波を送信する複数の送信用振動素子を配列した送信振動子列、及び超音波を受信する複数の受信用振動素子を配列した受信振動子列の双方を有する送受信アレーセンサと、超音波送信角と超音波受信角との和の半分が0度から90度以内となる集束位置に各々の前記送信用の振動素子から発信された各超音波を集束させる制御装置と、前記受信用振動素子が受信した超音波に基づいて探傷情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された探傷情報を表示する表示手段と、前記送受信アレーセンサを機械的に走査する走査手段と、前記走査手段を支持して検査対象材料の面を自走する自走手段とを有する超音波検査装置である。
同じく超音波検査方法は、超音波を送信する複数の送信用振動素子を配列した送信振動子列、及び超音波を受信する複数の受信用振動素子を配列した受信振動子列の双方を有する送受信アレーセンサを、溶接線沿いに自走する自走手段に走査手段を介して装着し、前記自走手段を前記溶接線沿いに走行と停止を繰り返し、前記自走装置の停止時に、前記送受信アレーセンサを溶接線上を通過してその溶接線に直交する方向に機械的に走査させ、前記送受信アレーセンサの超音波送信角と超音波受信角との和の半分が0度から90度以内となる集束位置に各々の前記送信用の振動素子から発信された各超音波を集束させて前記受信用振動素子が受信した超音波に基づいて探傷情報を生成するようにした超音波検査方法である。
また、表面欠陥をサイジングする場合においては、表面欠陥のき裂の長さ方向に対して垂直に前記送受信アレーセンサを設置するため、前記送信振動子列と前記受信振動子列の接合面の線上に備えた渦電流探傷用センサで、き裂の位置を検出し、前記送信振動子列と前記受信振動子列の接合面の真下に表面欠陥のき裂が来るように制御して、超音波探傷するようにした超音波検査方法である。
本発明によれば、探触子の個数及び探触子スキャナの駆動軸を最小限にして超音波検査装置の走行移動本体を小型化し、且つ超音波検査の期間短縮を可能にすることができる。
本発明の実施例においては、自走する走行体に装着された超音波の送受信アレーセンサで検査対象材料の探傷を超音波を用いて実施する超音波検査装置に関して、極力小型且つ高感度の超音波検査装置を提供するために、超音波を送信する複数の送信用振動素子を配列した送信振動子列15、及び超音波を受信する複数の受信用振動素子を配列した受信振動子列19の双方を有する送受信アレーセンサ14を、溶接線沿いに自走する自走手段に走査手段を介して装着し、前記自走手段を前記溶接線沿いに走行と停止を繰り返し行わせて、前記自走装置の停止時に、前記送受信アレーセンサ14を溶接線上を通過してその溶接線に直交する方向に機械的に走査させ、超音波の送信/受信角をそれぞれ0度〜90度に設定、より好ましくは前記送受信アレーセンサ14の超音波送信角と超音波受信角との和の半分が好ましくは30度以内となるように設定して、その設定範囲内の超音波の集束位置に各々の前記送信用の振動素子から発信された各超音波16を集束させて前記受信用振動素子が受信した超音波に基づいて探傷情報を生成して表示装置6に探傷情報を可視化するようにした。
発明者等は複数の超音波の振動素子を配列した送信振動子列を備えているアレー型送信超音波振動子(送信用アレーセンサともいう。)と複数の超音波の振動素子を配列した受信振動子列を備えているアレー型送信受信超音波振動子(受信用アレーセンサともいう。)を1つのケーシング内に納めて一体成型した送受信一体型小型アレーセンサ(以下、単に送受信アレーセンサ又はセンサと略称する。)を製作した。発明者等は、このセンサを用いて超音波の送信および受信の両者に集束をかけて、尚且つ、従来では回折波の検出が困難と考えられていた超音波の送信/受信角をそれぞれ0度〜90度に設定して検査対象物内の欠陥に超音波を照射し、欠陥探傷および欠陥サイジング試験を実施した。
その結果、欠陥探傷および欠陥サイジングが良好に実施可能であることを、はじめて発明者等が明らかにした。即ち、超音波の送信/受信角が45度から55度である従来TOFD法とは異なる新しい超音波探傷方法を確立することができた。この新しい超音波探傷方法は、送信および受信の集束点の交差領域を広くすることが可能であり、送信超音波の集束点と受信超音波の集束点の僅かな位置ずれによる欠陥検出感度の変動を大幅に低減することができ、欠陥検出および欠陥サイジングが安定に実施可能である特徴を持つという、いわゆる欠陥検出感度のロバスト性を実現できるに至った。
この新しい超音波探傷方法を用いることで、従来法である端部エコー法やTOFD法では欠陥検出および欠陥サイジングが不可能であった、(1)欠陥幅が狭く、超音波回折強度が微弱な欠陥、(2)超音波の減衰が大きい材料や超音波が屈曲する異方性材料中の欠陥、(3)探触子の接触可能面積が小さい検査箇所や狭隘部の欠陥、(4)溶接金属中の欠陥の欠陥検出および欠陥サイジングが実現できた。
また、後述するが、この新しい超音波探傷方法は、センサ14の真下に存在する欠陥を探傷できるため、図2を用いて前に説明したように4方向からの超音波測定が不要であるという探傷方法であることから、探傷すべき箇所の真上を一度走査すれば済むため、測定時間を約4分の1にできるので迅速な欠陥サイジングが実現できる。
この新しい超音波探傷方法を実現する具体的な実施例を以下に説明する。図1は本発明の超音波探傷装置の全体を表すものである。本発明の実施例による超音波探傷装置は大きく分けて、超音波探傷装置本体122と、その超音波探傷装置本体122と各信号線で電気的に接続された送受信アレーセンサ14(以下、単にセンサ14という。)から構成される。その各信号線は一束にされて信号ケーブル123とされる。
センサ14は、送信用アレーセンサを構成する送信振動子列15の各振動素子A,B,C,Dから検査対象物である検査対象材料21内に超音波16を送信し、その超音波16に基づいて検査対象材料21内で超音波16が欠陥22の下端で回折して発生した回折波を受信用アレーセンサを構成する受信振動子列19の各振動素子O,P,Q,Rで受信し、受信振動子列19の各振動素子から回折波を受信したことによって各振動素子に発生した電気的信号を超音波探傷装置本体122へ出力するものである。この送信振動子列15の各振動素子A,B,C,Dは送信用に用いられるので送信用振動素子であり、受信振動子列19の各振動素子O,P,Q,Rは受信用に用いられるので受信用振動素子と定義できる。
この送信振動子列15と受信振動子列19を一体にして備えたセンサ14は、検査対象材料21の表面に、欠陥22の真上にセンサ14の中央部が位置するようにして置かれる。
超音波探傷装置本体122は、その受信振動子列19の各振動素子から電気的信号を受けて超音波探傷結果として検査結果を創出するものである。超音波探傷装置本体122としては、入力装置1とメモリ2と超音波制御装置3と情報処理装置4とI/O5と表示装置6と送信側アンプ制御装置9と受信側アンプ制御装置10と送信超音波振動子制御装置7と受信信号処理装置8と送信側アンプ11と受信側アンプ12とを有する。
以下でこれら各装置の詳細な説明およびその装置の役割を記載する。図1は本発明の実施例による超音波探傷装置の全体図を表すものである。図5は本発明の実施例における動作ステップのフローを記載したものである。
先ず、入力装置1を用いて、超音波の送受信パタンを決定するための入力条件を入力する(ステップa)。入力条件とは、欠陥を高感度に検出する為の、超音波送受信パタンを決定する為の条件であり、(1)送信振動子列とする振動素子A,B,C,D、(2)受信振動子列の振動素子O,P,Q,R、(3)送信超音波集束点の位置(F11,F12,…,Fmn,m=1〜i,n=1〜j)、(4)受信側集束点の位置(F11,F12,…,Fmn,m=1〜i,n=1〜j)、(5)送信側アンプ11の増幅度を表すゲイン、(6)受信側アンプ12の増幅度を表すゲイン等から構成される。この入力条件は入力装置1からメモリ2および超音波制御装置3へ転送される(ステップb)。
超音波制御装置3では、入力条件より各超音波集束点に超音波が集束されるような各超音波振動子の超音波送信タイミングTtimnおよび受信タイミングTrimnを計算する(ステップc)。ここでTt:送信超音波遅延時間,Tr:受信遅延時間,i:振動素子の番号(A,B,C,………),mn:2次元座標である。
送信振動子列の各振動素子A,B,C,Dおよび受信振動子列の振動素子O,P,Q,Rを動作させるために必要な超音波制御信号を送信超音波振動子制御装置7および受信信号処理装置8へ超音波制御装置3からI/O5を介して送信する(ステップd)。送信超音波振動子制御信号(集束点Fmn,初期値F11)は送信側アンプ11を用いて増幅され、送信振動子列15の各振動素子A,B,C,Dへ供給される(ステップe)。
送信振動子列15の各振動素子A,B,C,Dから放出されたそれぞれの超音波16
(球面波)は時間差があるため、検査対象材料21内部の集束点17(Fmn)の位置で各超音波16は集束される(ステップf)。図1においては集束点17(Fmn)に超音波16を集束させるため、集束点17(Fmn)に最も遠いセンサ14の最外部付近に存在する振動素子Aへの送信信号が最も早く入力され、最も早く超音波が振動素子Aから放出される。また、集束点17(Fmn)に最も近いセンサ14の中心付近に存在する振動素子Dへの送信信号が最も遅く入力され、最も遅く超音波16が振動素子Dから放出される。
図6に各振動素子への送信超音波振動子制御信号のタイミングチャートを示す。また、図7に図6によって発生する超音波16の発生タイミングチャートを示す。上でも述べたように、検査対象材料21内部の集束点17(Fmn)の位置で超音波を集束させるための各振動素子A,B,C,Dへの遅延時間TtAmn,TtBAmn,TtCmn,…は超音波制御装置3で計算される。従って、超音波16(球面波)は時間差があるため、検査対象材料21内部の集束点17(Fmn)の位置で超音波は集束させることが可能となる。
集束点17(Fmn)の位置に欠陥端部がある場合、超音波が欠陥端部で回折して回折波18が生じ、回折波18は受信振動子列19の各振動素子O,P,Q,Rに時間差を持ちながら入射する(ステップg)。
図1では集束点17(Fmn)に最も近いセンサ14の中央付近に存在する受信側の振動素子Oに入射する回折波18が時間的に最も早く、また、集束点17(Fmn)に最も遠いセンサ14の最外部付近に存在する受信側の振動素子Rに入射する回折波18が時間的に最も遅い。受信振動子列19の各振動素子O,P,Q,Rに回折波18が入射すると、受信振動子列19の各振動素子O,P,Q,Rには回折波18の強度および時間に対応した超音波受信信号(電気信号)が誘起され、この超音波受信信号(電気信号)は受信側アンプ12で増幅されて、受信信号処理装置8へ入力される(ステップh)(ここで、受信側アンプ12と受信信号処理装置8を入れ替えて、受信信号処理装置8で信号を加算して1つの信号に合成した後に、受信側アンプ12の1個で増幅しても良い)。
受信信号処理装置8では、受信振動子列19の各振動素子O,P,Q,Rの受信の集束点17(Fmn)と受信振動子列19の各振動素子O,P,Q,Rの位置関係(距離関係)より各超音波受信信号(電気信号)を合成する受信タイミングTrimnを制御した後、各超音波受信信号(電気信号)を加算して1つの超音波受信信号を作成する(ステップi)。受信タイミングTrimnは入力条件より決定された受信の集束点(集束点17(Fmn)と同じ)に受信振動子列19の各振動素子O,P,Q,Rの受信の集束点が集束されるような値を超音波制御装置3で計算されたものである。
超音波受信信号はI/O5を介して情報処理装置4とメモリ2へ転送される(ステップj)。ここで得られる超音波受信信号を情報処理装置4で表示形態に応じて処理して表示装置6で探傷情報として表示させたときの代表例を図8に示す。この信号表示はAスコープと呼ばれており、探傷情報として横軸が超音波受信信号(電気信号)の時間、縦軸には超音波受信信号強度が表示される。図8のように探傷情報として欠陥回折波信号が表示されることにより、その欠陥回折波信号の存在を欠陥の存在根拠として認識して欠陥の検出が可能となる。また、超音波の送信した時間と回折波の検出時間(超音波の伝播時間)より、欠陥の深さを測定(欠陥サイジング)することができる。
従来の超音波探傷方法による回折波18は微弱であるため、本実施例では上記のように、欠陥端部に送信超音波を集束させ、受信側も集束させることにより回折波検出感度を大幅に向上させることが可能となる。しかも、超音波の送信角や回折波の受信角を0度から90度と可変とすることで、送信および受信の集束点の交差領域を広くすることが可能であり、欠陥検出および欠陥サイジングをロバストにすることが可能となった。このように、本発明の実施例では、超音波の送受信角が0度から90度と可変として、超音波の集束点を少なくとも一点設定してあり、全点をそのように設定しても良い。
このようにして、超音波16の集束点と受信の集束点が同じ場所になるように超音波制御装置3で超音波送信タイミングと受信タイミングを計算し、その制御信号を送信超音波振動子制御装置7と受信信号処理装置8に与えて処理する。
以上のステップeからステップjの動作は、2次元座標で定義される集束点(F11,F12,…,Fmn,m=1〜i,n=1〜j)が複数存在する場合には、ステップj以降のステップk,l,m,n,oを実行することによって、複数の各集束点に対して行われる。そして、最終的には、ステップPで回折波を受信して得られた受信信号を所望する表示形態に合うように情報処理装置4で処理し、その情報処理装置を用いて受信信号を所望の表示形態の探傷情報として表示装置6で画像表示するとともに、受信信号の情報(受信データ)を処理,解析する。
このように、本発明の実施例では、小型で高感度,高分解能および欠陥検出がロバストな探傷方法を実現する為、(1)超音波探傷装置において、送信用アレーセンサと受信用アレーセンサのそれぞれの集束音場の交点(集束点17)が存在し、そのなす超音波の送信角と受信角の角度の和の1/2を0度から90度で集束音場の交点を移動させること、(2)集束音場の交点が送信用アレーセンサと受信用アレーセンサの中心であること、
(3)超音波の送信角θtと受信角θrの値を従来では回折波の検出が困難と考えられていた30度以下の領域も用いて(送信角θtと受信角θrをそれぞれ30度以下の領域も含むように設定)、欠陥に超音波を送信/受信し、超音波の伝播時間より欠陥探傷および欠陥サイジング試験を実施すること、(4)小型,高感度,高分解能な送受信一体型小型アレーセンサに適した小型で緻密化したアレーセンサ(素子幅:1.0mm 以下,絶縁材幅:0.2mm 以下)にしてあることなどが提案できる。
図9にセンサ14から検査対象材料21への超音波16の送信角θtと超音波である回折波18のセンサ14への受信角θrの定義を示す。超音波送信角θtは送信振動子列
15の中央と集束点17を結んだ線(図中の実線)とセンサ14の中心線(図中の破線)とのなす角と定義する。受信角θrは受信振動子列19の中央と集束点17を結んだ線
(図中の実線)とセンサ14の中心線(図中の破線)とのなす角と定義する。
本発明の実施例では、超音波探傷装置で送信した超音波と回折波として受信した超音波のそれぞれの集束音場の交点(集束点17)が存在し、その集束音場の交点に対する超音波送信角θtと受信角θrとの和の1/2を0度から90度で集束音場の交点を移動させている。この動作を実行するには、送信角θtと受信角θrの値がそれぞれ0度から90度の範囲で集束音場の交点の位置を変位させるように、入力条件として送信超音波集束点(F11,F12,…,Fmn,m=1〜i,n=1〜j)と受信側集束点(F11,
F12,…,Fmn,m=1〜i,n=1〜j)を入力し、図1の装置を用いて図5の動作のフローを実行して実現できる。
図10には、センサ14の幅/奥行き/高さ、電気的信号を超音波に変換する振動素子、即ち送信振動子列15と受信振動子列19を構成する振動素子の素子幅/素子長さおよび絶縁材幅の定義を図示してある。
本発明の実施例では、送信用アレーセンサと受信用アレーセンサを小型に一体化したセンサ14を用いること、そのセンサ14の大きさが検査対象部位あるいは検査対象部位である溶接金属部の幅より小さい、または同等であること、センサ14に装備された送信振動子列15と受信振動子列19を構成する振動素子の幅が素子と素子との間隔の2倍以上、40倍以下であること、特に、原子炉炉内で用いる超音波探傷装置において、検査対象面である溶接金属部や母材に直接接触させる送受信一体型小型アレーセンサの接触面積
(フットプリント)をセンサ14の幅方向30mm×センサ14の奥行き方向30mm以下の小型として、溶接金属部の欠陥の真上からセンサ14を直接接触させることにより欠陥の検出またはサイジングを行えるようにしたことが特徴である。センサ14の振動素子に関しては、素子幅が2.0mm を超えると真下方向の超音波が真下に強くなって横方向のそれが弱くなるので、結果として超音波の集束制御が行いにくくなること、及び素子幅が0.1
mm未満である場合には、発信できる超音波のエネルギーが弱くなって深い位置に超音波が伝わりにくくなることを考慮して、振動集束素子幅は0.1mm〜2.0mmとし、振動素子間の絶縁材幅は0.05mm〜0.2mmとした。このようにして、小型で振動素子が緻密化されたセンサ14を構成する。
前述の説明では、「検査対象面である溶接金属部や母材に直接接触させる送受信一体型小型アレーセンサの接触面積を30mm×30mm以下の小型とし」、という表現を用いているが、この表現は、検査対象材料の表面にセンサ14を直接密着させる方法は当然の事ながら、検査対象材料の表面との摩擦を避ける為に用いられる部分水浸法(水距離10mm以下)を実施することも意味として含む。
図11にセンサ14の構造の一例を示す。送信振動子列15と受信振動子列19の各振動素子は超音波の出入りする入出射面であるエポキシ樹脂板101の上に設置され、樹脂102で位置が固定されている。ケーシング100と樹脂102の間には超音波を吸収する遮音材103が充填されている。図12にセンサ14の別の構造例では、送信振動子列15と受信振動子列19の各振動素子はエポキシ樹脂板101の上に設置され、その間には吸音材104(コルク材等)が設置され、これにより、送信振動子列15と受信振動子列19間の音のクロストークは大幅に低減可能であり、ノイズの低減とさらなる検出感度の向上が実現できる。
後に記載した実施例で詳細には説明するが、本装置構成を用いれば、集束点17をセンサ14の中心真下方向に電子的に走査すること、即ち集束点17の位置を移動させることが可能となる。ここで得られる探傷情報として欠陥の信号を表示装置6で表示させたときの代表例を図13に示す。この信号表示は欠陥深さを表示したものであり、横軸が送受信一体型小型アレーセンサ14の送信振動子列15と受信振動子列19が並んでいる方向の距離、縦軸はセンサ14の底面方向の距離である。図13中の原点が受信アレープローブの中心であり、原点を中心に超音波の受信角θrの時の信号強度(Aスコープの信号強度を色濃淡画像で表示)を表示したものである。即ち、この2次元座標上の濃淡分布は超音波受信信号(電気信号)強度を表したものである。超音波受信信号(電気信号)の強度か高い部分には超音波の発生源(反射源)である欠陥の先端があると評価できるため、欠陥のサイジングが可能となる。図13から分かるとおり、欠陥の先端を視覚的に認識することが可能であり、欠陥検出および欠陥サイジングの客観性が向上できる。
図14に本発明の実施例における超音波探傷装置の別の表示例を示す。図14は欠陥先端が2箇所ある場合の例を示した。焦点深さF11(θr=θ1),F12(θr=θ2),F13(θr=θ3),F14(θr=θ4)…に対して、θr毎にAスコープを表示させたものであるが、このときのF11(θr=θ1),F12(θr=θ2),F13(θr=θ3),F14(θr=θ4)のAスコープの模式波形を図14に示した。F11(θr=θ1)に着目すると、超音波集束点領域に存在する超音波信号が欠陥指示信号と考えられ、同様にF12(θr=θ2),F13(θr=θ3),F14(θr=θ4)の超音波集束点領域に着目し、この超音波集束点領域にゲートをかけて全て加算すると最下部のAスコープ波形(ACスコープ)が得られる。このACスコープの超音波信号が存在するところに欠陥先端があると認識できることから、欠陥検出および欠陥サイジングが可能となる。
集束点17をセンサ14の中心真下方向に電子的に走査する探傷条件で、そのセンサ
14を機械的に走査(センサ14の送信振動子列15と受信振動子列19の各振動素子が並んでいる方向に対して直交する水平方向に走査)した場合の、欠陥の信号を含む探傷情報を表示装置6で表示させたときの代表例を図15に示す。横軸が超音波受信信号(電気信号)の時間、縦軸はセンサ14の走査方向の距離であり、この2次元座標上の濃淡分布は超音波受信信号(電気信号)強度を表したものである。即ち、超音波受信信号(電気信号)の局所的に強度が高い部分には回折波である超音波の発生源(反射源)である欠陥の先端があると評価でき、また、その他の定常的に強度が高い部分は底面エコーと判断できるため、欠陥の検出およびサイジングが可能となる。
超音波の送受信で得られた受信信号の情報は図13,図14,図15のいずれかの表示による探傷情報として表示装置6で可視化されるのであるが、それらの探傷情報は受信信号処理装置8からメモリ2に送られて蓄積された受信信号や情報処理装置4に送られてきた受信信号に基づいて情報処理装置4で表示形態にあった探傷情報に処理されて表示装置6に表示される。
図1では欠陥22の下側の先端の位置が概ね判明している場合で、超音波16の集束点17をその先端の位置に合せて一箇所にする入力条件とする。検査対象材料21の表面に開口している欠陥22の先端(各図中の欠陥22の下端)に超音波16の集束点17を定め、その集束点17に超音波16を集束させるように送信振動子列15の各振動素子A,B,C,Dから超音波16を発信して欠陥22の先端である集束点17に向かって超音波16を集束させる。集束された超音波16は欠陥22の先端で回折して回折波18が生じる。この回折波18は受信振動子列19の各振動素子O,P,Q,Rに入射して受信される。各振動素子O,P,Q,Rが回折波を受信することによって各振動素子O,P,Q,Rから超音波受信信号(電気信号)が出力されて送受信信号遅延制御装置7へ伝送され、増幅および遅延処理が実行された後、超音波波形である図8の波形が表示装置6に表示される。その表示内容は図13,図14または図15等で有っても良い。これにより、欠陥検出および欠陥サイジングが可能となる。図1では、何らかの別の手法により欠陥22の先端がある程度分かっているときの手法について述べた。この場合には、集束点17は一箇所であるから、集束点17を複数設定して集束点を移動させる必要が無い。しかし、実際の欠陥は先端位置が不明な場合がほとんどであり、その場合の超音波探傷方法を以下に説明する。
図16は、本発明の実施例による超音波探傷装置を欠陥検出および欠陥サイジングに適用した別の例を示すものである。実際の検査ではカメラ等を用いた目視検査にて検査対象材料21の表面に欠陥22の開口があるという初期情報しかない場合が多い。即ち、欠陥22の深さ、即ち、欠陥22の下端の位置は分からない状態で、超音波探傷試験を実施することが多い。図16ではこのような、欠陥22の深さは分からない状態で、超音波探傷試験を実施する例について記載したものであり、以下で詳細に説明する。
図16を用いて欠陥探傷およびサイジングの手順を以下に記載する。検査対象材料21の中に発生した欠陥22の真上、即ち、検査対象材料21の表面に現れた欠陥22の開口にセンサ14を、センサ14の中央部が対面するように押し当てる。
欠陥22とセンサ14の位置合わせは、目視あるいはカメラと照明を用いた遠隔目視にて実施し、センサ14の中心と欠陥22の開口とを位置合わせする。即ち、欠陥22の真上にセンサ14の位置合わせをして欠陥検出および欠陥サイジングを実施する。
検査対象材料の表面に存在する欠陥22の開口側からの目視では欠陥22の深さは分からないため、本実施例では送信超音波16の集束点17(=超音波の集束受信点)を欠陥の奥行き(深さ)方向であるセンサ14の真下方向に連続的にあるいは離散的に走査させる。この送信超音波16の集束点17(=超音波の集束受信点)のセンサ14真下方向の走査は超音波制御装置3を用いて送信超音波振動子制御装置7および受信信号処理装置8を制御して可能であり、超音波集束幅は数ミリ程度の有限の大きさを持つ事から、欠陥
22の端部と集束した送信超音波16との相互作用で回折波18が生じる。この回折波
18は受信振動子列19に入射し、超音波受信信号(電気信号)は受信側アンプ12で増幅されて、受信信号処理装置8へ伝送/信号合成されメモリ2に記憶または情報処理装置4で信号処理される。ここで得られる超音波波形は図8が得られ、欠陥検出および欠陥サイジングの出力は図13,図15が得られる。これにより、欠陥22の深さは分からない状態でも欠陥検出および欠陥サイジングが可能となる。
図16と表1を用いて集束点17の位置(深さ)により送信アンプのゲインを変化させる一例を説明する。図16では集束点17をF11→F12→F13→F14へと走査させている。このため、図16の例では、送受信の集束点17の位置として4箇所の位置が超音波の送受信パタンを決定するための入力条件として設定される。
検査対象材料21の集束点17の内表層付近(F11)では深い点(F14)に比べて超音波の伝播距離が短く、検査対象材料21中の超音波の減衰が少ないため、表層付近
(F11)では超音波の強度が高い。これに対し、集束点の深い点(F14)では超音波の伝播距離が長く、検査対象材料21中の超音波の減衰が大きく、表層付近(F11)に比べ超音波の強度が低くなる。集束点の深い点(F14)に合わせて送信側アンプ11のゲインを設定してしまうと、表層付近(F11)ではゲインが高すぎて、超音波の不感帯が大きくなる為、検査対象材料21の表層付近(F11)の欠陥を検出することができない。
このため、検査対象材料21の表層付近(F11)では集束点の深い点(F14)に比べ送信側アンプ11のゲインを低く設定する。即ち、本実施例では集束点深さに最適な超音波強度を与える為、超音波制御装置3で集束点深さに最適な超音波強度を計算および設定し、I/O5を通して送信側アンプ制御装置9を制御し、送信側アンプ11のゲインを集束点深さに応じて変化させる。したがって、超音波制御装置3と送信側アンプ制御装置9が第1増幅度制御装置としても機能する。これにより、検査対象材料21内の集束点
17の内表層付近(F11)から集束点の深い点(F14)までの広範囲における欠陥検出および欠陥サイジングが可能となる。
Figure 2005127870
表1に代表的な送信側アンプ11のゲイン設定を示す。AT1〜AT4は送信側アンプ11の各アンプ名称であり、一振動素子に一アンプが接続されているものである。F11〜F14は送受信の集束点17を示し、集束点17の浅い方から順にF11〜F14である。各アンプAT1〜AT4のある集束点(F11〜F14)におけるゲインはGである。例えば、アンプAT1の集束点F11のゲインはGA1、集束点F14のゲインはGD1である。表1に示すとおり、各アンプのゲインは集束点深さに応じてゲインを最適化し、集束点深さが深くになるに従いゲインを大きく設定する(GA<GB<GC<GD)ことを特徴とする。
上記では集束点17の深さにより送信アンプのゲインを変化させる実施例の一例を示したが、この効果は、集束点17の深さにより受信側アンプ12のゲインを変化させることでも実現可能であり、その一例を以下に説明する。検査対象材料21の表層付近(F11)では深い点(F14)に比べて超音波の伝播距離が短く、検査対象材料21中の超音波の減衰が少ないため、表層付近(F11)では超音波の強度が高い。これに対し、集束点の深い点(F14)では超音波の伝播距離が長く、検査対象材料21中の超音波の減衰が大きく、表層付近(F11)に比べ超音波の強度が低くなる。集束点の深い点(F14)に合わせて受信側アンプ12のゲインを設定してしまうと、表層付近(F11)ではゲインが高すぎて、検査対象材料21の表層付近(F11)の欠陥を正確に検出することができない。
このため、受信側アンプ12のゲインを検査対象材料21の表層付近(F11)では集束点の深い点(F14)に比べ低く設定する。即ち、本発明の特徴は集束点深さに最適な超音波検出感度を与える為、超音波制御装置3で集束点深さに最適な超音波検出感度を計算および受信側アンプ12のゲインを設定し、I/O5を通して受信側アンプ制御装置
10を制御し、受信側アンプ12のゲインを集束点深さに応じて変化させるところにある。したがって、超音波制御装置3と受信側アンプ制御装置10が第2増幅度制御装置としても機能する。
これにより、検査対象材料21の表層付近(F11)から集束点の深い点(F14)までの欠陥検出が可能となる。表2に代表的な受信側アンプ12のゲイン設定を示す。AR1〜AR4は受信振動子列の各振動素子一個につき一台の受信側アンプ12を接続した、その受信アンプ12の各アンプ名称であり、F11〜F14は集束点17を示し、集束点17の浅い方から順にF11〜F14である。各アンプ(AR1〜AR4)のある集束点
(F11〜F14)におけるゲインはGである。例えば、アンプAR1の集束点F11のゲインはGO1、集束点F14のゲインはGR1である。表2に示すとおり、各アンプのゲインは集束点深さに応じてゲインを最適化し、集束点深さが深くになるに従いゲインを大きく設定する(GO<GP<GQ<GR)。
Figure 2005127870
上記では集束点の深さにより送信側アンプまたは受信側アンプのゲインを変化させる一例を示したが、この効果は、集束点(深さ)により送信側アンプと受信側アンプの両者のゲインを変化させることでも実現可能である。即ち、送信側アンプと受信側アンプの両者の各アンプのゲインは集束点17の深さに応じてゲインを最適化し、集束点17の深さが深くになるに従いゲインを大きく設定することを特徴とする。
図17は、本発明の実施例による超音波探傷装置を欠陥検出および欠陥サイジングに適用した別の例を示すものである。上で述べたように図17の例ではセンサ14の真下方向に欠陥22が進展している場合の欠陥検出および欠陥サイジング方法について記載した。
図16のように欠陥22は真下方向に進展しているケースが多いと考えられるが、稀なケースとしては欠陥が真下方向ではなく、斜め方向に進展している欠陥や欠陥先端が枝分かれしているケースなども考える必要がある。図17は欠陥の進展形状が分からない状態で、超音波探傷試験を実施する例について記載したものであり、以下で詳細に説明する。欠陥探傷およびサイジングの手順を以下に記載する。検査対象材料21の中に発生した斜め方向に進展している欠陥や欠陥先端が枝分かれしている欠陥24の表面開口部の真上にセンサ14を押し当てる。
表面開口側からの目視では欠陥の進展方向や欠陥形状は分からないため、先ず送信超音波16の集束点(=超音波の集束受信点)をセンサ14の真下方向に連続的にあるいは離散的に走査させ超音波データを収録した後、次に、集束点(=超音波の集束受信点)をセンサ14の送信振動子列15の振動素子配列方向(図17中のX方向)に超音波集束幅
(数ミリ程度)の1/2または1/4程度の距離を移動させた後に真下方向(図17中のY方向)に連続的にあるいは離散的に走査させ超音波データを収録する。
この後、更に集束点(=超音波の集束受信点)をセンサ14の送信振動子列15の振動素子配列方向(図17中のX方向)に超音波集束幅(数ミリ程度)の1/2または1/4程度の距離を移動させた後に真下方向(図17中のY方向)に連続的にあるいは離散的に走査させ超音波データを収録する手順を繰り返すことで、センサ14の下部の2次元的な走査が実現できる。本実施例の走査方法および欠陥検出により検査対象材料21の中に発生した斜め方向に進展している欠陥や欠陥先端が枝分かれしている欠陥24をも欠陥検出および欠陥サイジングが可能となる。
今までは表面開口側から欠陥を検出及びサイジングする方法について説明したが、図
16,図17に示した欠陥を裏面側から同様の方法により探傷した場合も欠陥先端からの回折波を受信可能であり、欠陥の検出及びサイジングが可能であることはいうまでもない。実際に欠陥を裏面側から探傷した時に探傷情報として欠陥の先端からの回折波の信号を表示装置6で表示した例を図18,図19に示す。図18はセンサ14の送受信超音波振動子群と欠陥が直交している場合、図19は送受信超音波振動子群と欠陥が平行な場合の探傷例である。このようにセンサ14により欠陥を探傷する場合においては、センサ14の送受信超音波振動子群と欠陥の位置関係が平行な場合及び直交している場合も、欠陥先端の回折波を受信することが可能であることが分かる。つまり、センサ14と欠陥の位置に関係無く、センサ14の集束点が欠陥の先端をとらえることができれば、欠陥の検出および欠陥サイジングが可能となるのである。
既述の実施例による送受信アレーセンサ14を原子炉圧力容器内の水中に設置されたシュラウド31の溶接線33近傍の超音波検査に用いる場合には、図20のように自走式超音波検査装置25を利用する。自走式超音波検査装置25は、自走手段として採用した走行車両40を有する。
走行車両40は、シュラウド側に開放された面を備えた扁平ボックス形状の車体33に、車体33内側から水をシュラウド41と反対側の車体33外へ排出して車体33内の圧力を車体33外の圧力に比較して負圧に制御するスラスタ35′が装備され、更には、車体32の内側には、走行モータ34と、その走行モータ34によって回転駆動される車輪35とが装備されている。その車輪35はシュラウド41の面に接して車体33をシュラウド41の面から少し浮かすようにしてある。走行モータ34やスラスタ35′の駆動モータに要する電力や走行モータ34やスラスタ35′の制御信号はケーブルを通じて遠隔地点から走行モータ34やスラスタ35′へ供給及び制御指令を伝えることができる。
車体33の検査位置側に面する端部には、図20のように、走査手段として走査自由度が一軸方向に限定された探触子スキャナ27が固定されている。この探触子スキャナ27の駆動軸36と案内軸(図20では駆動軸と案内軸とが重なって、駆動軸のみが図示されている。)とは並行に備わり、その駆動軸36にはネジが加工され案内軸は外面が滑らかに加工されている。その駆動軸36と案内軸とは超音波探傷ユニット26が装着される移動フレーム37に通されている。駆動軸36とその移動フレーム37とはネジで螺合し、案内軸とその移動フレーム37とは滑走自在に組み合わされている。その駆動軸36には、その駆動軸36を回転駆動する走査用モータ38が接続され、その走査用モータ38の駆動に要する電力や走査用モータ38への制御信号はケーブルを通じて遠隔地点から走査用モータ38へ供給及び制御指令を伝えることができる。
その移動フレーム37に装着された超音波探傷ユニット26は、既述の実施例による送受信アレーセンサ14と、その送受信アレーセンサ14を支持する探触子ホルダ39とから構成され、その探触子ホルダ39がその移動フレーム37に固定されている。その送受信アレーセンサ14と探触子ホルダ39との間、又は探触子ホルダ39と移動フレーム
37との間にシュラウド31の面に送受信アレーセンサ14が追従しやすいようにサスペンションを装備するようにしても良い。その送受信アレーセンサ14は遠隔地点に置いた超音波探傷装置本体122と信号ケーブル123内の各信号線で接続されている。信号ケーブル123内には各モータやスラスタ35′への給電ケーブルや制御信号を伝えるケーブルが含まれていても良い。
このように構成された自走式超音波検査装置25は、水中でシュラウド41の中間胴のH4溶接線32を覆うように置かれ、スラスタ35′を回転駆動して車体33内側の水を排出して車体33のシュラウド寄り側の圧力を周囲の圧力よりも負圧に維持する。このように負圧に維持された状態では、走行車両40の車体33はシュラウド41の面に吸着してずり落ちるようなことは無い。この状態で走行モータ34で車輪35を回転駆動すると、回転する車輪35とシュラウド41の面との摩擦によって走行車両40が溶接線32と平行に走行移動する。
走行車両40が検査位置に到達した時点で、走行モータ34による車輪の駆動を止めて静止させる。その後に、走査用モータ38で駆動軸36を回転駆動すると、移動フレーム37が駆動軸36のネジでネジ送りされて案内軸に沿って溶接線32と直交する方向に送受信アレーセンサ14を支持した探触子ホルダ39が走査範囲28を走査される。その走査と同時に既述の実施例の通り、送受信アレーセンサ14から超音波送信角と超音波受信角との和の半分が30度以内となるシュラウド41中の集束位置に対して超音波を送受信する。この際には、同時に、図16や図17に見られるように超音波の送受信の集束位置を電子的にシュラウドの厚みの深さ方向へ走査する。
送受信アレーセンサ14による超音波の受信結果は、既述の実施のとおり、表示装置6に表示される。送受信アレーセンサ14による超音波の受信結果のなかに欠陥の情報が含まれている場合には、表示形態の一例が図8,図13,図15のようになる。
検査位置一箇所での走査範囲28で送受信アレーセンサ14による超音波の受信結果が得られた後には、送受信アレーセンサ14による超音波の送受信を止めた上で、走行車両40が図20の送りピッチ29の一ピッチ分だけ走行させて、再度停止するように走行車両40を制御する。
その後に、再度走査範囲28に渡って溶接線32と直交する方向に送受信アレーセンサ14を走査し、同時に一ピッチ前と同様に、送受信アレーセンサ14から超音波送信角と超音波受信角との和の半分が30度以内となるシュラウド中の集束位置に対して超音波を送受信し、その際に、同時に、図16や図17に見られるように超音波の送受信の集束位置を電子的にシュラウドの厚みの深さ方向へも走査する。この場合も、送受信アレーセンサ14による超音波の受信結果は、既述の実施のとおり、表示装置6に表示される。送受信アレーセンサ14による超音波の受信結果のなかに欠陥の情報が含まれている場合には、表示形態の一例が図8,図13,図15のようになる。
このようなことを、一送りピッチ29ごとに繰り返して検査範囲を超音波検査する。このように、図20に既述の実施例による送受信アレーセンサ14を備えた自走式検査装置25をシュラウド中間胴のH4溶接線32の超音波探傷作業に適用した例を示した。この例では、探触子スキャナ27の走査範囲28と自走式検査装置25の送りピッチ29を指定して矩形走査を一回行うことにより、探傷範囲内の表面開口側及び裏面側の欠陥をセンサ14と欠陥の位置に関係無く、検出およびサイジングが可能となる。既述の実施例1でも同様に送受信アレーセンサ14から超音波送信角と超音波受信角との和の半分が30度以内となる集束位置に対して超音波を送受信して従来例では実施しがたい角度範囲の検査を実施しても良い。
図18や図19に見られるように、欠陥22と送受信アレーセンサ14との相対的向きが直交する関係であっても平行する関係であっても、欠陥22が明確に検出されて表示できるので、送受信アレーセンサ14を回転軸で支持して、或いは自走車両33の向きを変えて、欠陥22と送受信アレーセンサ14との相対的向きを調整する必要が無く、自走車両33は溶接線32に沿って移動すればよい。そのため、迅速に超音波検査が可能となる。
また更に、図21に示すように送受信アレーセンサ14の送信振動子列15と受信振動子列19の接合面の線上に図示していない渦電流探傷装置の渦電流探傷用センサ43を設置する。送信振動子列15と受信振動子列19の接合面の線上とは、図21のように、送信振動子列15と受信振動子列19との列の間の中間を通る素子の長さ方向への線の延長線上を意味している。この場合、渦電流探傷用センサ42は複数個設置しても良い。渦電流探傷用センサ42では、表面欠陥のき裂22を通過する際に渦電流探傷用センサ42による検出信号が大きく変化するため、その信号の変化をとらえてこの渦電流探傷用センサ42により表面欠陥のき裂22の位置を検出することができる。したがって、この渦電流探傷用センサ42を渦電流探傷装置のモニタ或いは自走式超音波探傷装置の制御手段等にフィードバックすることにより表面欠陥のき裂22の真上に送受信アレーセンサ14が来るように走行車両33および探触子スキャナ27を制御し、遠隔制御で走行車両33および探触子スキャナ27を移動させる場合にも、より確実にき裂22をサイジングすることが可能になる。
更に図22に示すように渦電流探傷用センサ42を送受信アレーセンサ14の送信振動子列15と受信振動子列19の間に設置するようにすれば、表面欠陥のき裂22の長さ方向に対する送受信アレーセンサ14の角度が直行していなくとも、送受信アレーセンサ
14を表面欠陥のき裂22の真上に移動することができるので、より正確に欠陥をサイジングすることが可能となる。
このように自走式超音波検査装置によれば、欠陥端部での超音波回折強度が微弱となるような条件下でも確実に超音波探傷できるようになり、一回の矩形走査により探傷範囲内の表面開口側及び裏面側の欠陥を検出およびサイジングが可能となり、シュラウド41の超音波検査期間を大幅に短縮できる。
自走式超音波検査装置25は、送受信アレーセンサ14が一個で、探触子スキャナ27の駆動軸も一軸であって、送受信アレーセンサ14を回転させる回転軸や複数の送受信アレーセンサ14を装備する必要性が無い。そのため、送受信アレーセンサ14や探触子スキャナ27を支持して走行する自走車両40も小型化でき、超音波検査装置の走行移動本体である自走式超音波検査装置25の小型化が達成できる。
自走式超音波検査装置25の小型化が達成されることによって、従来よりも狭隘な場所での超音波検査が可能となる。
本発明は製品の非破壊検査に用いられる超音波探傷装置に適用される。
本発明の実施例による超音波探傷装置の全体図。 JEAG4207で規定されている斜角用の探触子による溶接線の探傷方法を示す図。 斜角用の探触子を搭載した検査装置による溶接線の探傷方法を示す図。 超音波探傷ユニットに回転軸を備えた斜角用の探触子を搭載した検査装置による溶接線の探傷方法を示す図。 本発明の実施例による超音波探傷装置の動作フローチャート図。 各振動素子への送信超音波振動子制御信号のタイミングチャート図。 送信超音波の発生タイミングチャート図。 本発明の実施例における欠陥信号の出力表示例1(Aスキャン信号)の例示図。 超音波送信角θtと受信角θrの定義の解説図。 送受信一体型小型アレーセンサの幅/奥行き/高さ,超音波振動子の素子幅/素子長さおよび絶縁材幅の定義の解説図。 送受信一体型小型アレーセンサの構造図。 送受信一体型小型アレーセンサの別の構造図。 本発明の欠陥信号の出力表示例2であり、超音波探傷装置の表示装置に表された画像をプリンターで紙にプリントした図。 本発明の欠陥信号の出力表示例3の例示図。 本発明の欠陥信号の出力表示例5であり、超音波探傷装置の表示装置に表された画像をプリンターで紙にプリントした図。 本発明の超音波探傷装置を欠陥検出および欠陥サイジングに適用した一例を示す図。 本発明の超音波探傷装置を欠陥検出および欠陥サイジングに適用した別の例を示す図。 本発明の超音波探傷装置を欠陥検出および欠陥サイジングに適用した別の例を示す図。 本発明の超音波探傷装置を欠陥検出および欠陥サイジングに適用した別の例を示す図。 本発明の送受信一体型小型アレーセンサを備えた自走式検査装置をシュラウド中間胴のH4溶接線の超音波探傷に適用した場合の図。 送受信一体型小型アレーセンサに渦電流探傷用センサを備えたセンサとその際の表面欠陥との位置合せの図。 送受信一体型小型アレーセンサに渦電流探傷用センサを備えたセンサの別の例とその際の表面欠陥との位置合せの図。
符号の説明
1…入力装置、2…メモリ、3…超音波制御装置、4…情報処理装置、5…I/O、6…表示装置、7…送信超音波振動子制御装置、8…受信信号処理装置、9…送信側アンプ制御装置、10…受信側アンプ制御装置、11…送信側アンプ、12…受信側アンプ、
14…送受信一体型小型アレーセンサ、15…送信振動子列、16…超音波、17…集束点、18…回折波、19…受信振動子列、20…超音波受信信号(電気信号)、21…検査対象材料、22…欠陥、25…自走式超音波検査装置、26…超音波探傷ユニット、
27…探触子スキャナ、28…走査範囲、29…送りピッチ、30…回転軸、31…探触子、32…溶接線、33…車体、34…走行モータ、35…車輪、35′…スラスタ、
36…駆動軸、37…移動フレーム、38…走査用モータ、39…探触子ホルダ、40…走行車両、41…シュラウド、42…渦電流探傷用センサ、100…ケーシング、101…エポキシ樹脂板、102…樹脂、103…遮音材、104…吸音材、122…超音波探傷装置本体、123…信号ケーブル。

Claims (15)

  1. 超音波を送信する複数の送信用振動素子を配列した送信振動子列、及び超音波を受信する複数の受信用振動素子を配列した受信振動子列の双方を複数素子の配列方向に直列に結合した送受信アレーセンサと、
    超音波送信角と超音波受信角との和の半分が0度から90度以内となる集束位置に各々の前記送信用の振動素子から発信された各超音波を集束させ、かつ、走査する制御装置と、
    前記受信用振動素子が受信した超音波を前記送信超音波の集束位置に基づいて探傷情報を合成する合成手段と、
    前記生成手段によって生成された探傷情報を表示する表示手段とを有する超音波検査装置。
  2. 請求項1において、前記送信用の振動素子から発信された各超音波の集束位置を、前記送信振動子列と前記受信振動子列の中心より垂直下方方向に集束させ、かつ、走査する制御装置を有することを特徴とする超音波検査装置。
  3. 請求項1において、前記送信用の振動素子から発信された各超音波の集束位置を、前記送信振動子列と前記受信振動子列の中心より一定の距離に集束させ、かつ、その角度を円弧方向に走査する制御装置を有することを特徴とする超音波検査装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項において、前記各々の振動子列の前記振動素子は、幅が0.1mm〜2.0mmであり、各々の振動子列内で隣り合う前記振動素子は相互に0.05mm〜0.20mmの隔たりをもって配置されている超音波検査装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項において、前記各超音波を集束させる制御装置は、前記各超音波を集束させる集束位置を電子的に変更する手段を備えている超音波検査装置。
  6. 請求項5において、前記送信用振動素子に与える信号の増幅度を、前記集束位置に応じて変化させる第1増幅度制御手段を備えた超音波検査装置。
  7. 請求項6において、前記受信用振動素子から出力される信号の増幅度を、前記集束位置に応じて変化させる第2増幅度制御手段を備えた超音波検査装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項において、前記送信振動子列と前記受信振動子列の間、又は前記送信振動子列と前記受信振動子列を攻勢する各振動素子の素子長さ方向であって前記間の延長方向の位置に、渦電流探傷用センサを備えたことを特徴とする超音波検査装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項において、前記送受信アレーセンサを機械的に走査する走査手段と、
    前記走査手段を支持して検査対象材料の面を自走する自走手段とを有する超音波検査装置。
  10. 請求項9において、前記走査手段は、前記送受信アレーセンサを検査対象材料の面に沿って一方向に往復走査可能な機構を備え、前記一方向が前記自走装置の走行方向に直交する方向となるように前記自走装置に装着されている超音波検査装置。
  11. 請求項10において、前記送受信アレーセンサを前記往復走査可能な機構により溶接線上を通過させ、その溶接線に直交する方向に機械的に走査させて、前記受信用振動素子が受信した超音波を前記送信超音波の集束位置に基づいて合成した探傷情報より溶接境界の情報を取得し、前記自走手段の溶接線からの位置を検出する装置を有することを特徴とした超音波検査装置。
  12. 請求項10において、前記送受信アレーセンサを前記往復走査可能な機構により予め存在が確認されている表面欠陥の上を通過させ、その表面欠陥に直交する方向に機械的に走査させて、前記渦電流探傷用センサが受信した信号より表面欠陥の位置の情報を取得する位置検出装置を有し、取得した位置情報から前記送受信アレーセンサを表面欠陥の直上に設置する装置を有することを特徴とした超音波検査装置。
  13. 超音波を送信する複数の送信用振動素子を配列した送信振動子列、及び超音波を受信する複数の受信用振動素子を配列した受信振動子列の双方を複数素子の配列方向に直列に結合した送受信アレーセンサを、溶接線沿いに自走する自走手段に走査手段を介して装着し、
    前記自走手段を前記溶接線沿いに走行と停止を繰り返し、前記自走装置の停止時に、前記送受信アレーセンサを溶接線上を通過させて、その溶接線に直交する方向に機械的に走査させ、
    前記送受信アレーセンサの超音波送信角と超音波受信角との和の半分が0度から90度以内となる集束位置に各々の前記送信用の振動素子から発信された各超音波を集束させて前記受信用振動素子が受信した超音波を前記送信超音波の集束位置に基づいて探傷情報を合成するようにした超音波検査方法。
  14. 請求項13において、前記送受信アレーセンサを溶接線上を通過させて、その溶接線に直交する方向に機械的に走査させ、前記受信用振動素子が受信した超音波を前記送信超音波の集束位置に基づいて合成した探傷情報より溶接境界の情報を取得し、前記自走手段の溶接線からの位置を検出するようにした超音波検査方法。
  15. 請求項13において、前記送受信アレーセンサを前記往復走査可能な機構により予め存在が確認されている表面欠陥の上を通過させ、その表面欠陥に直交する方向に機械的に走査させて、前記渦電流探傷用センサが受信した信号より表面欠陥の位置の情報を取得し、取得した位置情報から前記自走手段により前記送受信アレーセンサを表面欠陥の直上に設置し超音波探傷することを特徴とした超音波検査方法。

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