JP2005127825A - 座標測定機の簡易精度評価プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 パーソナルコンピュータ等を用いてユーザ自身で座標測定機の精度評価を簡単に行うことのできる、座標測定機の精度評価プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】 マスタブロック2に設けられた12個のブッシュB1〜B12の端面C1位置での穴C2中心の座標(X、Y、Z)、及び、それぞれのブッシュ穴径寸法の測定を、基準位置と、マスタブロック2の垂直軸(Z軸)線回りに180度反転した反転位置で行い、測定データに基づいて、測定に用いた座標測定機2の幾何学精度(真直度上下・左右、直角度、指示誤差)を自動的に計算するプログラムあって、コンピュータに入力されたブッシュB1〜B12の位置データを解析してマスタブロック自体の精度誤差を補償する計算プロセスと、前記補償された位置データに基づいて、座標測定機の誤差評価を行う計算プロセスとをコンピュータに実行させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、マスタブロックの測定データに基づき、座標測定機の簡易的な精度評価をコンピュータを用いて行うためプログラムに関する。
従来、自動車用のエンジンや変速機のケース類のような機械部品類の各部寸法の測定には、測定テーブル(ベッド)上にセッティングした被測定物に対してプローブ(測定子)の先端を接触させて3次元方向の測定を行うことが可能な、座標測定機が広く用いられている。
この種の測定機は、測定精度を維持するために、高精度に仕上げられたマスタブロックを用いて、定期的に精度の検査や測定誤差の校正が行われている。
マスタブロックは、測定機のプローブが接触する複数の測定基準面を備えており、測定機による各測定基準面の実測データをマスタブロックの基準値と比較することにより、測定機のプローブが移動する各軸の方向の真直度、軸間の直角度、各軸方向の表示誤差等の評価が行われる。
本出願人も立方体状あるいは円筒状のブロック本体の上面と側面に、測定機のプローブ先端を接触させるブッシュ(基準部材)を備えた検査用マスタブロックを提案している。
特開平2001−311618
このようなマスタブロックを用いて、現状で行われている座標測定機の精度検査方法の一例を図1により説明する。同図に示すように、マスタブロック1は、座標測定機2の測定テーブル3に取り付けられた治具パレット4に固定されて用いられる。
座標測定機2は、測定テーブル3の両側に同図に示すX方向にスライド自在に支持された門型の可動フレーム5と、前記可動フレーム5にスライド自在に支持されて前記X方向と直角なY方向にスライド自在なヘッド部6と、前記ヘッド部6に対し、上下方向すなわち同図Z方向に上下動自在に支持された昇降軸7とを有し、昇降軸7の下端に固定されたプローブ8を3次元方向に移動位置決めできるようになっている。
前記プローブ8の先端部は、人造ルビーやセラミックス等の硬質で耐摩耗性のある素材で高精度の球状に形成されており、通常の測定作業においては、座標測定機2は測定テーブル3上に載せたエンジンブロック等のワークの仕上げ面にプローブ8の先端部を接触させて、前記プローブ8の基準位置からの変位を測定し、ワークが規定通りの寸法に仕上げられているかどうかの検査を行う。
一方、座標測定機2自体の精度検査を行う場合には、ワークの代わりにマスタブロック1に設けられたブッシュ(基準部材)の測定基準面に、プローブ8先端を接触させて、例えば、マスタブロック1に設けられた2つのブッシュの測定基準面間の距離を実測して基準値と比較し、実測値と基準値との誤差を調べ、また、前記実測誤差に基づいて座標測定機の校正を行う。
従来においては、座標測定機の精度検査における誤差評価の計算手順が煩雑であるため、座標測定機の定期的な精度検査は、一般的に、そのユーザが座標測定機のメーカー等の専門の業者に依頼して行っており、ユーザー自身では座標測定機の精度評価を簡単に行えない問題があった。
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題を解決し、パーソナルコンピュータ等を用いてユーザ自身で座標測定機の精度評価を簡単に行うことのできる、座標測定機の精度評価プログラムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、第1に、前後、左右、上下の互い直交する3つの機械軸方向に移動可能なプローブを備えた座標測定機における、各機械軸方向の真直度をマスタブロックの測定データから評価するための簡易精度評価プログラムである。
前記マスタブロックは、座標測定機に保持されるブロック本体と複数のブッシュによって構成され、これらのブッシュは、測定基準面である端面と、前記端面に垂直に開口され、内周面が測定基準面である横断面円形の穴を有し、それぞれ端面を外向きにしてブロック本体の上面と側面に固定され、ブロック本体上面のブッシュは、前記上面に近接した基準平面内に各端面が配置され、且つ、前記基準平面内で互いに直交するX軸とY軸上で、それぞれ、これらの軸が交差する原点に対して互いに反対側の対称な位置に2つずつ、合計4個配置され、ブロック本体側面のブッシュのうち4個は、X軸を含む垂直面内で、X軸下方に平行に離間した2つの直線上に穴の中心軸線が一致するように横向きに、且つ基準平面と原点で直交する垂直軸線に対して互いに反対側の側面の対称位置に、それぞれ上下2個ずつ配置され、残りの4個のブッシュは、Y軸を含む垂直面内で、Y軸下方に平行に離間した2つの直線上に穴の中心軸線が一致するように横向きに前記垂直軸線に対して互いに反対側の側面の対称位置に、それぞれ上下2個ずつ配置されたものである。
本発明の簡易精度評価プログラムにおいては、前記垂直軸線をZ軸とし、前記基準平面をZ=0の面としてマスタブロック上に設定した基準座標系(X、Y、Z)の各座標軸が、座標測定機の各機械軸と平行になる基準位置に、マスタブロックをセッティングして測定したi番目のブッシュにおける端面を含む平面内の穴中心位置の前記基準座標系に対する座標の実測値Xfi,Yfi,Zfiと、前記マスタブロックの基準位置でのi番目のブッシュの端面を含む平面内の穴中心位置の前記基準座標系における基準値Xsi,Ysi、Zsiと、前記基準位置からZ軸回りに180°反転した反転位置にマスタブロックをセッティングして測定したi番目のブッシュの端面を含む平面内の穴中心位置の前記基準座標系に対する座標の実測値Xri,Yri,Zriとを基礎入力データとして用いる。
このプログラムでは、X軸方向に並べて配列されたブロック本体の上面と前後の側面の合計4つのブッシュに対してそれぞれ、コンピュータに、
Eyfi=Yfi−Ysiと、
Eyri=Yri+Ysi、および、
これらの平均値Eymi=(Eyfi+Eyri)/2を計算させ、X軸方向に並んだ4つのブッシュの両端の2つの座標値Eymiを結ぶ直線に対して、内側の2つのブッシュのEymiの値の振れ幅を、前記両端のブッシュ間のプローブ移動距離に対する座標測定機のX方向機械軸の左右方向に対する真直度として出力装置に出力させる。
また、X軸方向に並べて配列されたブロック本体の上面と前後の側面の合計4つのブッシュに対してそれぞれ、前記コンピュータに、
Ezfi=Zfi−Zsiと、
Ezri=Zri−Zsi、および
これらの平均値Ezmi=(Ezfi+Ezri)/2を計算させ、X軸方向に並んだ4つのブッシュの両端の2つの座標値Ezmiを結ぶ直線に対して、内側の2つのブッシュのEzmiの値の振れ幅を、前記両端のブッシュ間のプローブ移動距離に対する座標測定機のX方向機械軸の上下方向に対する真直度として出力装置に出力させる。
また、Y軸方向に並べて配列されたブロック本体の上面と左右の側面の合計4つのブッシュに対してそれぞれ、前記コンピュータに、
Exfi=Xfi−Xsiと、
Exri=Xri+Xsi、および、
これらの平均値Exmi=(Exfi+Exri)/2を計算させ、Y軸方向に並んだ4つのブッシュの両端の2つの座標値Exmiを結ぶ直線に対して、内側の2つのブッシュのExmiの値の振れ幅を、前記両端のブッシュ間のプローブ移動距離に対する座標測定機のY方向機械軸の前後方向に対する真直度として出力装置に出力させる。
また、Y軸方向に並べて配列されたブロック本体の上面と左右の側面の合計4つのブッシュに対してそれぞれ、前記コンピュータに、
Ezfi= Zfi−Zsiと、
Ezri= Zri−Zsi、および
これらの平均値Ezmi=(Ezfi+Ezri)/2を計算させ、Y軸方向に並んだ4つのブッシュの両端の2つの座標値Ezmiを結ぶ直線に対して、内側の2つのブッシュのEzmiの値の振れ幅を、前記両端のブッシュ間のプローブ移動距離に対する座標測定機のY方向機械軸の上下方向に対する真直度として出力装置に出力させる。
また、ZX面内において、並べて配列され、Z軸に対してX方向に互いに対称的に配置されているi番目とj番目のブッシュの対に対して、前記コンピュータに、
YfiとYfjの平均値Eyfij=(Yfi+Yfj)/2を計算させるとともに、
YriとYrjの平均値Eyrij=(Yri+Yrj)/2を計算させ、
さらに、上記EyfjjとEyrijの平均値Eymij=(Eyfij+Eyrij)/2を計算させ、Z軸に対してX方向に互いに対称的に配置されている3対のブッシュの各対の中間点のうち、Z軸方向に並んだ中間点の両端の2つの座標値Eymijを結ぶ直線に対して、これらの間の中間点のEymijの値の振れ幅を、前記両端の中間点間のプローブ移動距離に対する座標測定機のZ方向機械軸の左右方向の真直度として出力装置に出力させる。
また、YZ面内において、並べて配列され、Z軸に対してY方向に互いに対称的に配置されているi番目とj番目のブッシュの対に対して、前記コンピュータに、
XfiとXfjの平均値Exfij=(Xfi+Xfj)/2を計算させるとともに、
XriとXrjの平均値Exrij=(Xfi+Xfj)/2を計算させ、
上記ExfijとExrijの平均値Exmij=(Eyfij+Eyrij)/2を計算させ、Z軸に対してY方向に互いに対称的に配置されている3対のブッシュの各対の中間点のうち、Z軸方向に並んだ中間点の両端の2つの座標値Exmijを結ぶ直線に対して、これらの間の中間点のExmijの値の振れ幅を、前記両端の中間点間のプローブ移動距離に対する座標測定機のZ方向機械軸の前後方向の真直度として出力装置に出力させる
また、本発明は、第2に、前後、左右、上下の互い直交する3つの機械軸方向に移動可能なプローブを備えた座標測定機における、各機械軸方向の直角度を前述したマスタブロックの測定データから評価するための簡易精度評価プログラムである。
このプログラムでは、基準位置におけるブロック本体上面のX軸上の正側と負側に並んだ2つのブッシュのX、Y座標の実測値をそれぞれ(Xf1,Yf1)、(Xf3,Yf3)、Y軸上の正側と負側に並んだ2つのブッシュのX、Y座標をそれぞれ(Xf2,Yf2)、(Xf4,Yf4)とするとき、コンピュータに、Rxyf=90°−arctan((Yf1−Yf3)/(Xf1−Xf3))−arctan((Xf2−Xf4)/(Yf2−Yf4))を計算させる。
また、反転位置におけるブロック本体上面のX軸上の正側と負側に並んだ2つのブッシュのX、Y座標の実測値をそれぞれ(Xr1,Yr1)、(Xr3,Yr3)、Y軸上の正側と負側に並んだ2つのブッシュのX、Y座標をそれぞれ(Xr2,Yr2)、(Xr4,Yr4)とするとき、前記コンピュータに、Rxyr=90°−arctan((Yr1−Yr3)/(Xr1−Xr3))−arctan((Xr2−Xr4)/(Yr2−Yr4))を計算させ、次いで、RxyfとRxyrの平均値Rxym=(Rxyf+Rxyr)/2を計算させる。
さらに、これらのブッシュに対応するX、Y座標の基準値をそれぞれ(Xs1,Ys1)、(Xs3,Ys3)、(Xs2,Ys2)、(Xs4,Ys4)とするとき、前記コンピュータに、Rxys=90°−arctan((Ys1−Ys3)/(Xs1−Xs3))−arctan((Xs2−Xs4)/(Ys2−Ys4))を計算させ、プローブ移動距離Lに対して、 機械軸Xと機械軸Y間の直角度δxyを、δxy=L(tan(Rxym−90°)−tan(Rxys−90°))として計算させてその結果を出力装置に出力させる。
また、基準位置におけるブロック本体上面のX軸上の正側と負側に並んだ2つのブッシュのX、Z座標の実測値をそれぞれ(Xf1,Zf1)、(Xf3,Zf3)、X軸正側に向いたブロック本体側面の上下に並んだ2つのブッシュのX、Z座標をそれぞれ、(Xf5,Zf5)、(Xf6,Zf6)、X軸負側に向いたブロック本体側面の上下に並んだ2つのブッシュのX、Z座標をそれぞれ、(Xf9,Zf9)、(Xf10,Zf10)とするとき、前記コンピュータに、Rxzf=90°−arctan((Zf1−Zf3)/(Xf1−Xf3))−arctan((Xf5−Xf6)/(Zf5−Zf6))を計算させる。
また、反転位置におけるブロック本体上面のX軸上の正側と負側に並んだ2つのブッシュのX、Z座標の実測値をそれぞれ(Xr1,Zr1)、(Xr3,Zr3)、X軸正側に向いたブロック本体側面の上下に並んだ2つのブッシュのX、Z座標をそれぞれ、(Xr5,Zr5)、(Xr6,Zr6)、X軸負側に向いたブロック本体側面の上下に並んだ2つのブッシュのX、Z座標をそれぞれ、(Xr9,Zr9)、(Xr10,Zr10)とするとき、前記コンピュータに、Rxzr=90°−arctan((Zr1−Zr3)/(Xr1−Xr3))−arctan((Xr5−Xr6)/(Zr5−Zr6))を計算させ、次いで、RxzfとRxzrの平均値Rxzm=(Rxzf+Rxzr)/2を計算させる。
また、前記コンピュータに、R’xzf=90°−arctan((Zf1−Zf3)/(Xf1−Xf3))−arctan((Xf9−Xf10)/(Zf9−Zf10))を計算させ、R’xzr=90°−arctan((Zr1−Zr3)/(Xr1−Xr3))−arctan((Xr9−Xr10)/(Zr9−Zr10))を計算させ、次いで、R’xzfとR’xzrの平均値R’xzm=(R’xzf+R’xzr)/2を計算させる。
さらに、RxzmとR’xzmとの平均値Rxz=(Rxzm+R’xzm)/2を計算させ、プローブ移動距離Lに対して、機械軸Xと機械軸Z間の直角度δxzをδxz=L(tan(Rxz−90°)として計算させてその結果を出力装置に出力させる。
また、基準位置におけるブロック本体上面のY軸上の正側と負側に並んだ2つのブッシュのY、Z座標の実測値をそれぞれ(Yf2,Zf2)、(Yf4,Zf4)、Y軸正側に向いたブロック本体側面の上下に並んだ2つのブッシュのY、Z座標をそれぞれ、(Yf7,Zf7)、(Yf8,Zf8)、Y軸負側に向いたブロック本体側面の上下に並んだ2つのブッシュのX、Z座標をそれぞれ、(Yf11,Zf11)、(Yf12,Zf12)とするとき、前記コンピュータに、Ryzf=90°−arctan((Zf2−Zf4)/(Yf2−Yf4))−arctan((Yf7−Yf8)/(Zf7−Zf8))を計算させる。
また、反転位置におけるブロック本体上面のY軸上の正側と負側に並んだ2つのブッシュのY、Z座標の実測値をそれぞれ(Yr2,Zr2)、(Yr4,Zr4)、Y軸正側に向いたブロック本体側面の上下に並んだ2つのブッシュのY、Z座標をそれぞれ、(Yr7,Zr7)、(Yr8,Zr8)、X軸負側に向いたブロック本体側面の上下に並んだ2つのブッシュのY、Z座標をそれぞれ、(Yr11,Zr11)、(Yr12,Zr12)とするとき、前記コンピュータに、Ryzr=90°−arctan((Zr2−Zr4)/(Yr2−Yr4))−arctan((Yr7−Yr8)/(Zr7−Zr8))を計算させ、次いで、RyzfとRyzrの平均値Ryzm=(Ryzf+Ryzr)/2を計算させる。
また、前記コンピュータに、R’yzf=90°−arctan((Zf2−Zf4)/(Yf2−Yf4))−arctan((Yf11−Yf12)/(Zf11−Zf12))を計算させ、R’yzr=90°−arctan((Zr2−Zr4)/(Yr2−Yr4))−arctan((Yr11−Yr12)/(Zr11−Zr12))を計算させ、次いで、R’yzfとR’yzrの平均値R’yzm=(R’yzf+R’yzr)/2を計算させる。
さらに、RyzmとR’yzmとの平均値Ryz=(Ryzm+R’yzm)/2を計算させ、プローブ移動距離Lに対して、機械軸Yと機械軸Z間の直角度δyzをδyz=L(tan(Ryz−90°)として計算させて、その結果を出力装置に出力させる。
また、本発明は、第3に、前後、左右、上下の互い直交する3つの機械軸方向に移動可能なプローブを備えた座標測定機における、各機械軸方向の指示誤差をマスタブロックの測定データから評価するための簡易精度評価プログラムである。
本発明の簡易精度評価プログラムにおいては、前述した実測値Xfi,Yfi,Zfi、Xri,Yri,Zri、及び、基準値Xsi,Ysi、Zsiの他に、マスタブロックの基準位置におけるi番目のブッシュの穴径の実測値Dfiと、マスタブロックの反転位置におけるi番目のブッシュの穴径の実測値Driと、i番目のブッシュの穴径の基準値Dsiとを基礎入力データとして用いる。
このプログラムでは、コンピュータに、各ブッシュの基準位置と反転位置における、各座標値の平均値Xi=(Xfi+Xri)/2、Yi=(Yfi+Yri)/2、Zi=(Zfi+Zri)/2、及び、穴径の平均値Di=(Dfi+Dri)/2を計算させる。
次いで、これらの座標値及び穴径の平均値と基準値との差、δXi=Xi−Xsi、δYi=Yi−Ysi、δZi=Zi−Zsi、δDi=Di−Dsiを計算させて、前記コンピュータに、δXiの絶対値の最大値とδDiの絶対値の最大値の何れか大きい方をX軸方向の最大指示誤差として出力装置に出力させる。
また、δYiの絶対値の最大値とδDiの絶対値の最大値の何れか大きい方をY軸方向の最大指示誤差として出力装置に出力させ、また、δZiの絶対値の最大値とδDiの絶対値の最大値の何れか大きい方をZ軸方向の最大指示誤差として出力装置に出力させる。
請求項1記載の座標測定機の精度評価プログラムによれば、特別な知識や技術を必要とすることなく、座標測定機の精度評価を行うための各機械軸の真直度をパソコン等のコンピュータにより容易に計算することができる。
また、請求項2記載の座標測定機の精度評価プログラムによれば、特別な知識や技術を必要とすることなく、座標測定機の精度評価を行うための各機械軸間の直角度をパソコン等のコンピュータにより容易に計算することができる。
さらに、請求項3記載の座標測定機の精度評価プログラムによれば、特別な知識や技術を必要とすることなく、座標測定機の精度評価を行うための各機械軸の最大指示誤差をパソコン等のコンピュータにより容易に計算することができる。
また、請求項1乃至3記載の座標測定機の精度評価プログラムにおいては、市販の表計算ソフトウェアが有しているマクロ機能を利用して容易に作成することが可能である。
図2は、本発明の精度評価プログラムをコンピュータに実行させるに際し、コンピュータに入力する実測データを得るために用いられるマスタブロックの斜視図である。同図に示すように、マスタブロック1は、平坦な上面S1を有し、また、上面S1と直角をなして平坦に仕上げられた4つの平坦な側面S2を有する円筒状のブロック本体1Aを備えており、このブロック本体1Aの上面S1の4カ所と、平坦な4つの側面S2のそれぞれ上下に2カ所ずつ、合計12個のブッシュB1〜B12が取り付けられている。
これらのブッシュB1〜B12は、平坦に仕上げられた端面C1と、この端面C1に対して垂直に形成された円形の穴C2を有しており、これらの端面C1と穴C2の内周面が、図1に示す座標測定機2のプローブ8先端が当接する測定基準面となっている。
ブロック本体1A上面S1に取り付けられている4つのブッシュB1〜B4は、それぞれの端面C1が、ブロック本体1A上面S1と平行な基準平面P内に位置し、それぞれの穴C2の中心が、図3に示すように、前記平面P内で互いに直交する2つの直線(X軸、Y軸)上で、且つ、これらの直線の交点Oから同一距離離れた位置にくるように配置されている。
また、ブロック本体1Aの側面S2の8つのブッシュB5〜B12は、それぞれの平坦な側面S2に上下に2つずつ、各端面C1がこれらの側面S2に平行に設けられ、且つ、各ブッシュB5〜B12の穴C2の中心軸線がそれぞれ、互いに直交し且つ平面Pとも直交する一対の垂直面V1またはV2内に位置するように配置されている。
本発明の座標測定機の精度評価プログラムは、図2及び図3に示す、12個のブッシュB1〜B12の端面C1上での穴C2の中心の座標(X、Y、Z)、及び、それぞれのブッシュ穴径寸法の測定を、マスタブロック1をその垂直軸(Z軸)線に対して0度位置と、180度反転させた位置で繰り返し行い、得られた測定データから測定に用いた座標測定機2の幾何学精度(真直度上下・左右、直角度、指示誤差)を自動的に計算する事を目的に作成されたプログラムであって、コンピュータに入力されたブッシュB1〜B12の座標データを解析してマスタブロック1自体の製作誤差を除去する計算プロセスと、前記誤差が補償された座標データに基づいて、座標測定機の誤差評価を行う計算プロセスからなる。
本発明の座標測定機の精度評価プログラムにおいては、コンピュータに入力された各ブッシュの座標データから、座標測定機2のプローブ8を3次元の各移動方向に沿って動かしたときの、所定長の移動距離当たりの、移動方向と直角方向のプローブ8の蛇行幅の最大値をそれぞれの機械軸(移動軸)の真直度としてコンピュータに計算させるようにしている。
また、本発明の座標測定機の精度評価プログラムにおいては、コンピュータに入力された各ブッシュの座標データから、座標測定機2のプローブ8が移動する各方向がなす角度の直角からのずれを直角度としてコンピュータに計算させるようにしている。
さらに、本発明の座標測定機の精度評価プログラムにおいては、コンピュータに入力された各ブッシュの座標データから、座標測定機2のプローブ8が移動する各方向に対して、座標測定機2の指示誤差を計算している。
以下、本発明の座標測定機の精度評価プログラムの具体的な実施例を説明する。
本発明のプログラムを用いて座標測定機2の精度評価を実施するための準備として、マスタブロック1の各ブッシュB1〜B12の端面上の穴中心の位置、及び、穴径の基準値の実測を行う。
実測を行う前に、マスタブロック1は十分温度慣らしが行われ、キズ・打痕・ゴミの付着等が無くきれいに清掃されていることを確認しておく。なお、測定に使用されるマスタブロック1は、各ブッシュB1〜B12の端面上の穴中心の位置、及び、穴径の基準値は、米国標準研究所(N.I.S.T)の基準に基づいて高精度に測定された値としてあらかじめ判っている。
マスタブロック1は、図2及び図3に示すように、ブッシュB5、B6が設けられている側面を座標測定機1の機械座標系におけるX軸の正方向に向け、図1に示すように座標測定機1の測定テーブル3上に治具パレット4を介して固定する。
次に、マスタブロック1を基準とした基準座標系(X,Y,Z)を設定する。そのために、まずマスタブロック1上面に取り付けられているブッシュB1〜B4の各端面C1を一点ずつ、合計4点にプローブ8を当てて位置を測定し、これらの4点で形成される平面Pを前記基準座標系のZ軸基準面(Z=0)とする。
次にブッシュB1〜B4の穴C2の内径測定を行って内周面各4点でそれぞれ穴中心を求め、ブッシュB1、B.3及びブッシュB2、B4の中心を結んでその交点を、原点(0,0,0)とする。以上の手順によって、基準座標系(X、Y、Z)が決定される。
なお、ここでは、図1における座標測定機2の3つの機械軸方向に設定されている機械座標系と、ここで求めた基準座標系とは、共に、X、Y、Zで表記しているが、これらは異なる座標系であり、以下では、基準座標系を用いて説明する。
前述した手順によって基準座標系(X,Y,Z)を決定したら、次に、座標測定機2により、基準座標系(X、Y、Z)におけるマスタブロック1の各ブッシュB1〜B12の端面上の穴中心の位置、及び、穴径の測定を、マスタブロック1の垂直軸回りの0°位置、すなわち、図1のように座標測定機2にマスタブロック1をセットした位置と、180度反転位置、すなわち座標測定機2にマスタブロック1を前後反対向きにセットした位置にて各々3回ずつ繰り返し実測して平均値を計算し、コンピュータに入力するための下記の基本データを収集する。
(マスタブロック1の0°位置)
ブッシュB1端面と、穴の中心軸との交点のX座標(平均値):Xf1 基準値:Xs1
ブッシュB1端面と、穴の中心軸との交点のY座標(平均値):Yf1 基準値:Ys1
ブッシュB1端面と、穴の中心軸との交点のZ座標(平均値):Zf1 基準値:Zs1
ブッシュB1の穴径(平均値) :Df1 基準値:Ds1
なお、基準値は、マスタブロック1の基準座標系(X,Y,Z)に対する数値である。
ブッシュB2端面と、穴の中心軸との交点のX座標(平均値):Xf2 基準値:Xs2
ブッシュB2端面と、穴の中心軸との交点のY座標(平均値):Yf2 基準値:Ys2
ブッシュB2端面と、穴の中心軸との交点のZ座標(平均値):Zf2 基準値:Zs2
ブッシュB2の穴径(平均値) :Df2 基準値:Ds2
・ ・
・ ・
・ ・
ブッシュB12端面と、穴の中心軸との交点のX座標(平均値):Xf12 基準値:Xs12
ブッシュB12端面と、穴の中心軸との交点のY座標(平均値):Yf12 基準値:Ys12
ブッシュB12端面と、穴の中心軸との交点のZ座標(平均値):Zf12 基準値:Zs12
ブッシュB12の穴径(平均値) :Df12 基準値:Ds12
(マスタブロック1の180°反転位置)
ブッシュB1端面と、穴の中心軸との交点のX座標(平均値):Xr1
ブッシュB1端面と、穴の中心軸との交点のY座標(平均値):Yr1
ブッシュB1端面と、穴の中心軸との交点のZ座標(平均値):Zr1
ブッシュB1の穴径(平均値) :Dr1
ブッシュB2端面と、穴の中心軸との交点のX座標(平均値):Xr2
ブッシュB2端面と、穴の中心軸との交点のY座標(平均値):Yr2
ブッシュB2端面と、穴の中心軸との交点のZ座標(平均値):Zr2
ブッシュB2の穴径(平均値) :Dr2



ブッシュB12端面と、穴の中心軸との交点のX座標(平均値):Xr12
ブッシュB12端面と、穴の中心軸との交点のY座標(平均値):Yr12
ブッシュB12端面と、穴の中心軸との交点のZ座標(平均値):Zr12
ブッシュB12の穴径(平均値) :Dr12
真直度計算手順(X軸のY方向真直度Δxy)
ここでは、プローブ8がX軸方向に移動して測定する際のY軸方向への振れ量を計算するため、前述したブッシュB1、B3、B5、B9のY座標実測データYf1、Yf3、Yf5、Yf9、Yr1、Yr3、Yr5、Yr9、及び、Y座標基準値、Ys1、Ys3、Ys5、Ys9を選定する。
(ステップ1)
マスタブロック1の0°位置で求めた、これらのブッシュB1、B3、B5、B9の実測データについて、コンピュータ上で下記の値を算出する。
ブッシュB1の実測値と基準値の差:Eyf1=Yf1−Ys1
ブッシュB3の実測値と基準値の差:Eyf3=Yf3−Ys3
ブッシュB5の実測値と基準値の差:Eyf5=Yf5−Ys5
ブッシュB9の実測値と基準値の差:Eyf9=Yf9−Ys9
(ステップ2)
次に、マスタブロック1の180°位置で求めた、これらのブッシュB1、B3、B5、B9の実測データについて、コンピュータ上で下記の値を算出する。
ブッシュB1の実測値と基準値の差:Eyr1=Yr1+Ys1
ブッシュB3の実測値と基準値の差:Eyr3=Yr3+Ys3
ブッシュB5の実測値と基準値の差:Eyr5=Yr5+Ys5
ブッシュB9の実測値と基準値の差:Eyr9=Yr9+Ys9
(ステップ3)
次に、コンピュータ上で、前記ステップ1とステップ2で求めた値の平均値をそれぞれのブッシュB1、B3、B5、B9について計算する。
すなわち、
ブッシュB1の前記差の平均値:Eym1=(Eyf1+Eyr1)/2
ブッシュB3の前記差の平均値:Eym3=(Eyf3+Eyr3)/2
ブッシュB5の前記差の平均値:Eym5=(Eyf5+Eyr5)/2
ブッシュB9の前記差の平均値:Eym9=(Eyf9+Eyr9)/2
前記ステップ3の演算により、マスタブロック1自体の有している誤差は排除され、Exym1、Exym3、Exym5、Exym9は、X軸の左右方向真直度計算の基準データとなる。
(ステップ4)
ここでは、基準座標系のX軸方向に沿って、ブッシュB5、ブッシュB1、ブッシュB3、ブッシュB9の順に並んでいるので、ブッシュB5のEym5を基準(=0)として、プローブ8がブッシュB9まで移動する間のY軸方向の振れを求め、振れ幅の最大値Δyを真直度とする。
すなわち、
ブッシュB5におけるY軸方向の振れ:δY5=Eym5−Eym5=0
ブッシュB1におけるY軸方向の振れ:δY1=Eym1−Eym5
ブッシュB3におけるY軸方向の振れ:δY3=Eym3−Eym5
ブッシュB9のおけるY軸方向の振れ:δY9=Eym9−Eym5
図4〜図6は、前述した手順で計算された各ブッシュ位置におけるプローブ8の振れをプロットして図示したものであって、図4は、プローブ8のX軸方向の移動につれて、S字状にうねる場合を示している。また、図5と図6は、それぞれ片側に弓形にうねる場合を示している。
ここで、X軸のY方向真直度Δxyは、ブッシュB5とブッシュB9を結んだ直線L方向へプローブが移動する際に、その移動距離(本実施例においては250mm)に対する最大振れ幅として求められる。ここで、δY9の値は、ブッシュB5とブッシュB9間のX軸方向距離(それぞれの端面と穴中心軸線との交点間距離)250mmに対してほとんど無視できる量であるので、真直度ΔxyはX軸方向の250mmの変位に対するものとして差し支えない。
なお、図4のように直線Lの両側に振れる場合には、真直度Δxy=H1+H3となる。また、図5、図6のように直線Lに対して片側に振れる場合には、ΔxyはH1とH3のうちの何れか大きい方となる。
H1とH3は、図7を参照して以下のように厳密に計算することができる。ここでは、ブッシュB5とブッシュB3間のX軸方向距離が200mm、ブッシュB5とブッシュB1間のX軸方向距離が50mmとする。
同図において、θは、ブッシュB5のずれ分δY5=0として、ブッシュB9のずれ分δY9がX軸方向250mmのストロークで作る角度で、
θ=arctan(δY9/250mm)
αは、ブッシュB5のずれ分δY5=0として、ブッシュB3のずれ分δY3がX軸方向200mmのストロークで作る角度で、
α=arctan(δY3/200mm)
βは、ブッシュB5のずれ分δY5=0として、ブッシュB1のずれ分δY1がX軸方向50mmのストロークで作る角度で、
β=arctan(δY1/50mm)
ここで、α、βは非常に小さい角度であるので、H1,H3は次のようになる。
H1(mm)=50mm×sin(θ−β)
H3(mm)=200mm×sin(θ−α)
上記の計算式により、図4〜図6の各ケースについて、真直度Δxyは、H1、H3、δY5(=0)、δY3のそれぞれの絶対値どうしを比較して、その最小値と最大値の和によって求められる。
(X軸のZ方向真直度:Δxz)
ここでは、プローブ8がX軸方向に移動して測定する際のZ軸方向への振れ量を計算するため、前述したブッシュB1、B3、B5、B9のZ座標実測データZf1、Zf3、Zf5、Zf9、Zr1、Zr3、Zr5、Zr9、及び、Z座標基準値、Zs1、Zs3、Zs5、Zs9を選定する。
(ステップ1)
マスタブロック1の0°位置で求めた、これらのブッシュB1、B3、B5、B9の実測データについて、下記の演算を行う。
ブッシュB1の実測値と基準値の差:Ezf1=Zf1−Zs1
ブッシュB3の実測値と基準値の差:Ezf3=Zf3−Zs3
ブッシュB5の実測値と基準値の差:Ezf5=Zf5−Zs5
ブッシュB9の実測値と基準値の差:Ezf9=Zf9−Zs9
(ステップ2)
次に、マスタブロック1の180°位置で求めた、これらのブッシュB1、B3、B5、B9の実測データについて、下記の演算を行う。
ブッシュB1の実測値と基準値の差:Ezr1=Zr1−Zs1
ブッシュB3の実測値と基準値の差:Ezr3=Zr3−Zs3
ブッシュB5の実測値と基準値の差:Ezr5=Zr5−Zs5
ブッシュB9の実測値と基準値の差:Ezr9=Zr9−Zs9
(ステップ3)
次に、前記ステップ1とステップ2で求めた値の平均値をそれぞれのブッシュB1、B2、B3、B4について計算する。
すなわち、
ブッシュB1の前記差の平均値:Ezm1=(Ezf1+Ezr1)/2
ブッシュB3の前記差の平均値:Ezm3=(Ezf3+Ezr3)/2
ブッシュB5の前記差の平均値:Ezm5=(Ezf5+Ezr5)/2
ブッシュB9の前記差の平均値:Ezm9=(Ezf9+Ezr9)/2
(ステップ4)
ここでは、基準座標系のX軸方向に沿って、ブッシュB5、ブッシュB1、ブッシュB3、ブッシュB9の順に並んでいるので、ブッシュB5のEzm5を基準(=0)として、プローブ8がブッシュB9まで移動する間のZ軸方向の振れを求め、振れ幅の最大値Δxzを真直度とする。
すなわち、
ブッシュB5におけるZ軸方向の振れ:δZ5=Ezm5−Ezm5=0
ブッシュB1におけるZ軸方向の振れ:δZ1=Ezm1−Ezm5
ブッシュB3におけるZ軸方向の振れ:δZ3=Ezm3−Ezm5
ブッシュB9のおけるZ軸方向の振れ:δZ9=Ezm9−Ezm5
真直度Δxzは、前述したX軸のY方向真直度を計算した場合と同様に、ブッシュB5とブッシュB9を結んだ直線長に対しての最大振れ幅として求められる。ここで、δZ9の値は、ブッシュB5とブッシュB9間のX軸方向距離(それぞれの端面が含まれる平面と穴中心軸線との交点間の距離)250mmに対してほとんど無視できる量であるので、真直度ΔxzはX軸方向の250mmの移動量に対するものとして差し支えない。
(Y軸のX方向真直度:Δyx)
ここでは、プローブ8がY軸方向に移動して測定する際のX軸方向への振れ量を計算するため、前述したブッシュB2、B4、B7、B11のX座標実測データXf2、Xf4、Xf7、Xf11、Xr2、Yr4、Yr7、Yr11、及び、X座標基準値、Xs2、Xs4、Xs7、Xs11を選定する。
(ステップ1)
マスタブロック1の0°位置で求めた、これらのブッシュB2、B4、B7、B11の実測データについて、下記の演算を行う。
ブッシュB2の実測値と基準値の差:Exf2=Xf2−Xs2
ブッシュB4の実測値と基準値の差:Exf4=Xf4−Xs4
ブッシュB7の実測値と基準値の差:Exf7=Xf7−Xs7
ブッシュB11の実測値と基準値の差:Exf11=Xf11−Xs11
(ステップ2)
次に、マスタブロック1の180°位置で求めた、これらのブッシュB2、B4、B7、B11の実測データについて、下記の演算を行う。
ブッシュB2の実測値と基準値の差:Exr2=Xr2+Xs2
ブッシュB4の実測値と基準値の差:Exr4=Xr4+Xs4
ブッシュB7の実測値と基準値の差:Exr7=Xr7+Xs7
ブッシュB11の実測値と基準値の差:Exr11=Xr11+Xs11
(ステップ3)
次に、前記ステップ1とステップ2で求めた値の平均値をそれぞれのブッシュB2、B4、B7、B11について計算する。
すなわち、
ブッシュB2の前記差の平均値:Exm2=(Exf2+Exr2)/2
ブッシュB4の前記差の平均値:Exm4=(Exf4+Exr4)/2
ブッシュB7の前記差の平均値:Exm7=(Exf7+Exr7)/2
ブッシュB11の前記差の平均値:Exm11=(Exf11+Exr11)/2
(ステップ4)
ここでは、基準座標系のY軸方向に沿って、ブッシュB7、ブッシュB2、ブッシュB4、ブッシュB11の順に並んでいるので、ブッシュB7のExm7を基準(=0)として、プローブ8がブッシュB11まで移動する間のX軸方向の振れを求め、振れ幅の最大値Δyxを真直度とする。
すなわち、
ブッシュB7におけるX軸方向の振れ:δX7=Exm7−Exm7=0
ブッシュB2におけるX軸方向の振れ:δX2=Exm2−Exm7
ブッシュB4におけるX軸方向の振れ:δX4=Exm4−Exm7
ブッシュB11のおける軸X方向の振れ:δX11=Exm11−Exm7
真直度Δyxは、前述したX軸のY方向真直度を計算した場合と同様に、ブッシュB7とブッシュB11を結んだ直線長に対しての最大振れ幅として求められる。ここで、δX11の値は、ブッシュB7とブッシュB11間のY軸方向距離250mmに対してほとんど無視できる量であるので、真直度ΔyxはY軸方向の250mmの変位に対するものとして差し支えない。
(Y軸のZ方向真直度:Δyz)
ここでは、プローブ8がY軸方向に移動して測定する際のZ軸方向への振れ量を計算するため、前述したブッシュB2、B4、B7、B11のZ座標実測データZf2、Zf4、Zf7、Zf11、Zr2、Zr4、Zr7、Zr11、及び、Z座標基準値、Zs2、Zs4、Zs7、Zs11を選定する。
(ステップ1)
マスタブロック1の0°位置で求めた、これらのブッシュB2、B4、B7、B11の実測データについて、下記の演算を行う。
ブッシュB2の実測値と基準値の差:Ezf2=Zf2−Zs2
ブッシュB4の実測値と基準値の差:Ezf4=Zf4−Zs4
ブッシュB7の実測値と基準値の差:Ezf7=Zf7−Zs7
ブッシュB11の実測値と基準値の差:Ezf11=Zf11−Zs11
(ステップ2)
次に、マスタブロック1の180°位置で求めた、これらのブッシュB2、B4、B7、B11の実測データについて、下記の演算を行う。
ブッシュB2の実測値と基準値の差:Ezr2=Zr2−Zs2
ブッシュB4の実測値と基準値の差:Ezr4=Zr4−Zs4
ブッシュB7の実測値と基準値の差:Ezr7=Zr7−Zs7
ブッシュB11の実測値と基準値の差:Ezr11=Zr11−Zs11
(ステップ3)
次に、前記ステップ1とステップ2で求めた値の平均値をそれぞれのブッシュB2、B4、B7、B11について計算する。
すなわち、
ブッシュB2の前記差の平均値:Ezm2=(Ezf2+Ezr2)/2
ブッシュB4の前記差の平均値:Ezm4=(Ezf4+Ezr4)/2
ブッシュB7の前記差の平均値:Ezm7=(Ezf7+Ezr7)/2
ブッシュB11の前記差の平均値:Ezm11=(Ezf11+Ezr11)/2
(ステップ4)
ここでは、基準座標系のY軸方向に沿って、ブッシュB7、ブッシュB2、ブッシュB4、ブッシュB11の順に並んでいるので、ブッシュB7のEzm7を基準(=0)として、プローブ8がブッシュB11まで移動する間のZ軸方向の振れを求め、振れ幅の最大値Δyzを真直度とする。
すなわち、
ブッシュB7におけるZ軸方向の振れ:δZ7=Ezm7−Ezm7=0
ブッシュB2におけるZ軸方向の振れ:δZ2=Ezm2−Ezm7
ブッシュB4におけるZ軸方向の振れ:δZ4=Ezm4−Ezm7
ブッシュB11のおけるZ軸方向の振れ:δZ11=Ezm11−Ezm7
真直度Δyzは、ブッシュB7とブッシュB11を結んだ直線長に対しての最大振れ幅として求められる。ここで、δZ11の値は、ブッシュB7とブッシュB11間のY軸方向距離250mmに対してほとんど無視できる量であるので、真直度ΔyzはY軸方向の250mmの変位に対するものとして差し支えない。
(Z軸のY方向真直度Δzy)
ここでは、プローブ8がZ軸方向に移動して測定する際のY軸方向への振れ量を計算するため、前述したブッシュB2とブッシュB4、ブッシュB7とブッシュB11、ブッシュB8とブッシュ12のY座標実測データYf2、Yf4、Yf7、Yf11、Yf8、Yf12、Yr2、Yr4、Yr7、Yr11、Yr8、Yr12を選定する。
(ステップ1)
マスタブロック1の垂直中心軸線に対して互いに対称的に配置されているブッシュB2とブッシュB4、ブッシュB7とブッシュB11、ブッシュB8とブッシュ12の、マスタブロック1の0°位置(基準位置)で求めた実測データについて、下記の演算を行なって、中点Y座標値を計算する。
ブッシュB2とブッシュB4の中点Y座標値:Eyf24=(Yf2+Yf4)/2
ブッシュB7とブッシュB11の中点Y座標値:Eyf711=(Yf7+Yf11)/2
ブッシュB8とブッシュB12の中点Y座標値:Eyf812=(Yf8+Yf12)/2
(ステップ2)
マスタブロック1の垂直中心軸線に対して互いに対称的に配置されているブッシュB2とブッシュB4、ブッシュB7とブッシュB11、ブッシュB8とブッシュ12の、マスタブロック1の180°位置(反転位置)で求めた実測データについて、下記の演算を行なって、中点Y座標値を計算する。
ブッシュB2とブッシュB4の中点Y座標値:Eyr24=(Yr2+Yr4)/2
ブッシュB7とブッシュB11の中点Y座標値:Eyr711=(Yr7+Yr11)/2
ブッシュB8とブッシュB12の中点Y座標値:Eyr812=(Yr8+Yr12)/2
(ステップ3)
次に、前記ステップ1とステップ2で求めた値の平均値を下記のようにそれぞれの計算する。
ブッシュB2とブッシュB4の中点Y座標値の平均値:Eym24=(Eyf24+Eyr24)/2
ブッシュB7とブッシュB11の中点Y座標値の平均値:Eym711=(Eyf711+Eyr711)/2
ブッシュB8とブッシュB12の中点Y座標値の平均値:Eym812=(Eyf812+Eyr812)/2
(ステップ4)
ここでは、基準座標系のZ軸方向に沿って、ブッシュB2及びブッシュB4の中点、ブッシュB7とブッシュB11の中点、ブッシュB8とブッシュB12の中点の順に並んでいるので、ブッシュB2とブッシュB4の中点Y座標値の平均値Eym24を基準(=0)としたときに、これらの各中点における振れを下記のように計算する。
δY24=Eym24−Eym24=0
δY711=Eym711−Eym24
δY812=Eym812−Eym24
ここで、真直度Δzyは、中点Ey24とEy812を結んだ直線長(この実施例においては、150mm)に対しての最大振れ幅として求められる。
(Z軸のX方向真直度Δzx)
ここでは、プローブ8がZ軸方向に移動して測定する際のX軸方向への振れ量を計算するため、前述したブッシュB1とブッシュB3、ブッシュB5とブッシュB9、ブッシュB6とブッシュ10の
X座標実測データXf1、Xf3、Xf5、Xf9、Xf6、Xf10、Xr1、Xr3、Xr5、Xr9、Xr6、Xr10を選定する。
(ステップ1)
マスタブロック1の垂直中心軸線に対して互いに対称的に配置されているブッシュB1とブッシュB3、ブッシュB5とブッシュB9、ブッシュB6とブッシュ10の、マスタブロック1の0°位置で求めた実測データについて、下記の演算を行なって、中点X座標値を計算する。
ブッシュB1とブッシュB3の中点X座標値:Exf13=(Xf1+Xf3)/2
ブッシュB5とブッシュB9の中点X座標値:Exf59=(Xf5+Xf9)/2
ブッシュB6とブッシュB10の中点X座標値:Exf610=(Xf6+Xf10)/2
(ステップ2)
マスタブロック1の垂直中心軸線に対して互いに対称的に配置されているブッシュB1とブッシュB3、ブッシュB5とブッシュB9、ブッシュB6とブッシュ10の、マスタブロック1の180°位置で求めた実測データについて、下記の演算を行なって、中点X座標値を計算する。
ブッシュB1とブッシュB3の中点X座標値:Exr13=(Xr1+Xr3)/2
ブッシュB5とブッシュB9の中点X座標値:Exr59=(Xr5+Xr9)/2
ブッシュB6とブッシュB10の中点X座標値:Exr610=(Xr6+Xr10)/2
(ステップ3)
次に、前記ステップ1とステップ2で求めた値の平均値を下記のようにそれぞれの計算する。
ブッシュB1とブッシュB3の中点X座標値の平均値:Exm13=(Exf13+Exr13)/2
ブッシュB5とブッシュB9の中点X座標値の平均値:Exm59=(Exf59+Exr59)/2
ブッシュB6とブッシュB10の中点X座標値の平均値:Exm610=(Exf610+Exr610)/2
(ステップ4)
ここでは、基準座標系のZ軸方向に沿って、ブッシュB1及びブッシュB3の中点、ブッシュB5とブッシュB9の中点、ブッシュB6とブッシュB10の中点の順に並んでいるので、ブッシュB1とブッシュB3の中点X座標値の平均値Exm13を基準(=0)としたときに、これらの各中点における振れはそれぞれ、
δX13=Exm13−Exm13=0
δX59=Exm59−Exm13
δX610=Exm610−Exm13
となる。
ここで、真直度Δzxは、中点Exm13とExm610を結んだ直線長(この実施例においては、150mm)に対しての最大振れ幅として求められる。
X−Y軸実測値による機械の直角度の計算手順(X軸とY軸間の直角度)
座標測定機の機械軸における、X軸とY軸間の直角度は、図8に示すように、基準座標系のXY平面内において、ブッシュB1の中心とブッシュB3の中心を結ぶ直線と、ブッシュB2の中心とブッシュB4の中心を結ぶ直線がなす角度の直角からのずれの度合いを示すものである。
(ステップ1)
ブッシュB1、ブッシュB2、ブッシュB3、ブッシュB4の中心の0°側(基準位置側)で求めた各座標値(Xf1、Yf1)、(Xf2、Yf2)、(Xf3、Yf3)、(Xf4、Yf4)のデータから、下記の値を算出する。
ブッシュB1の中心とブッシュB3の中心を結ぶ直線と、ブッシュB2の中心とブッシュB4の中心を結ぶ直線どうしがなす角度:Rxyf=90°−arctan((Yf1−Yf3)/(Xf1−Xf3))−arctan((Xf2−Xf4)/(Yf2−Yf4))
(ステップ2)
ブッシュB1、ブッシュB2、ブッシュB3、ブッシュB4の中心の180°側(反転位置側)で求めた各座標値(Xr1、Yr1)、(Xr2、Yr2)、(Xr3、Yr3)、(Xr4、Yr4)のデータから、下記の値を算出する。
ブッシュB1の中心とブッシュB3の中心を結ぶ直線と、ブッシュB2の中心とブッシュB4の中心を結ぶ直線どうしがなす角度:Rxyr=90°−arctan((Yr1−Yr3)/(Xr1−Xr3))−arctan((Xr2−Xr4)/(Yfr−Yr4))
(ステップ3)
次に、0°側(基準位置側)で算出した角度Rxyfと180°側(反転位置側)で算出した角度Rxyrの平均値:Rxym=(Rxyf+Rxyr)/2を算出する。
(ステップ4)
Rxymに基づく見かけ上の直角度δxyaを下記の式で算出する。
δxya=L1×tan(Rxym−90°)
ここで、L1は、ブッシュB1、ブッシュB3間、及び、ブッシュB2、ブッシュB4間の中心間距離であり、本実施例においては、これらの距離は150mmとしている。
(ステップ5)
マスタブロック自体の基準値によるブッシュB1の中心とブッシュB3の中心を結ぶ直線と、ブッシュB2の中心とブッシュB4の中心を結ぶ直線がなす角度:Rxys=90°−arctan((Ys1−Ys3)/(Xs1−Xs3))−arctan((Xs2−Xs4)/(Ys2−Ys4))を算出する。
(ステップ6)
Rxysに基づくマスタブロックのブッシュB1の中心とブッシュB3の中心を結ぶ直線と、ブッシュB2の中心とブッシュB4の中心を結ぶ直線との間の直角度δxysを下記の式で算出する。
δxys=L1×tan(Rxys−90°)
(ステップ7)
これから、マスタブロック自体の角度誤差を排除した真のX軸とY軸間の直角度δxyを下記の式で算出する。
δxy=δxya−δxys=L1×(tan(Rxym−90°)−tan(Rxys−90°))
X−Z軸実測値による機械の直角度の計算手順(X軸とZ軸間の直角度)
座標測定機の機械軸における、X軸とZ軸間の直角度は、基準座標系のXZ平面内において、ブッシュB1とブッシュB3の中心を結ぶ直線と、ブッシュB5、ブッシュB6の中心を結ぶ直線または、ブッシュB9、ブッシュB10の中心を結ぶ直線がなす角度の直角からのずれの度合いを示すものであって、以下のステップ1〜ステップ8の手順にしたがって算出することができる。
(ステップ1)
ブッシュB1、ブッシュB3とブッシュB5、ブッシュB6の中心の0°側(基準位置側)で求めた各座標値(Xf1、Zf1)、(Xf3、Zf3)、(Xf5、Zf5)、(Xf6、Zf6)のデータから、下記の値を算出する。
ブッシュB1の中心とブッシュB3の中心を結ぶ直線と、ブッシュB5、ブッシュB6の中心を結ぶ直線どうしがなす角度:Rxzf=90°−arctan((Zf1−Zf3)/(Xf1−Xf3))−arctan((Xf5−Xf6)/(Zf5−Zf6))
(ステップ2)
ブッシュB1、ブッシュB3とブッシュB5、ブッシュB6の中心の180°側(反転位置側)で求めた各座標値(Xr1、Zr1)、(Xr3、Zr3)、(Xr5、Zr5)、(Xr6、Zr6)のデータから、下記の値を算出する。
ブッシュB1の中心とブッシュB3の中心を結ぶ直線と、ブッシュB5、ブッシュB6の中心を結ぶ直線どうしがなす角度:Rxzr=90°−arctan((Zr1−Zr3)/(Xr1−Xr3))−arctan((Xr5−Xr6)/(Zr5−Zr6))
(ステップ3)
次に、0°側(基準位置側)で算出した角度Rxzfと180°側(反転位置側)で算出した角度Rxzrの平均値:Rxzm=(Rxzf+Rxzr)/2を算出する。
(ステップ4)
次に、ブッシュB1、ブッシュB3、ブッシュB9、ブッシュB10の中心の0°側(基準位置側)で求めた各座標値(Xf1、Zf1)、(Xf3、Zf3)、(Xf9、Zf9)、(Xf10、Zf10)のデータから、下記の値を算出する。
ブッシュB1の中心とブッシュB3の中心を結ぶ直線と、ブッシュB9の中心とブッシュB10の中心を結ぶ直線どうしがなす角度:R’xzf=90°−arctan((Zf1−Zf3)/(Xf1−Xf3))−arctan((Xf9−Xf10)/(Zf9−Zf10))
(ステップ5)
次に、ブッシュB1、ブッシュB3、ブッシュB9、ブッシュB10の中心の180°側(反転位置側)で求めた各座標値(Xf1、Zf1)、(Xf3、Zf3)、(Xf9、Zf9)、(Xf10、Zf10)のデータから、下記の値を算出する。
ブッシュB1の中心とブッシュB3の中心を結ぶ直線と、ブッシュB9の中心とブッシュB10の中心を結ぶ直線どうしがなす角度:
R’xzr=90°−arctan(Zr1−Zr3)/(Xr1−Xr3))−arctan((Xr9−Xr10)/(Zr9−Zr10))
(ステップ6)
次に、0°側(基準位置側)で算出した角度R’xzfと180°側(反転位置側)で算出した角度R’xzrの平均値:R’xzm=(R’xzf+R’xzr)/2を算出する。
(ステップ7)
次に、先に算出したRxzmとR’xzmとの平均値Rxz=(Rxzm+R’xzm)/2を算出する。
この演算により、マスタブロック自体の誤差は排除される。
(ステップ8)
以上の結果に基づいて、X軸とZ軸間の直角度δxzを下記の式に基づいて算出する。
δxz=L1tan(Rxz−90°)
ここで、L1は、ブッシュB1、ブッシュB3間、ブッシュB5、ブッシュB6間、ブッシュB9、ブッシュB10間のそれぞれの距離であって、本実施例においては、L1=150mmである。
Y−Z軸実測値による機械の直角度の計算手順(Y軸とZ軸間の直角度)
座標測定機の機械軸における、Y軸とZ軸間の直角度は、基準座標系のYZ平面において、ブッシュB2とブッシュB4の中心を結ぶ直線と、ブッシュB7、ブッシュB8の中心を結ぶ直線または、
ブッシュB11、ブッシュB12の中心を結ぶ直線がなす角度の直角からのずれの度合いを示すものであって、以下のステップ1〜ステップ8の手順に従って算出することができる。
(ステップ1)
ブッシュB2、ブッシュB4とブッシュB7、ブッシュB8の中心の0°側(基準位置側)で求めた各座標値(Yf2、Zf2)、(Yf4、Zf4)、(Yf7、Zf7)、(Yf8、Zf8)のデータから、下記の値を算出する。
ブッシュB2の中心とブッシュB4の中心を結ぶ直線と、ブッシュB7、ブッシュB8の中心を結ぶ直線どうしがなす角度:Ryzf=90°−arctan((Zf2−Zf4)/(Yf2−Yf4))−arctan((Yf7−Yf8)/(Zf7−Zf8))
(ステップ2)
ブッシュB2、ブッシュB4とブッシュB7、ブッシュB8の中心の180°側(反転位置側)で求めた各座標値(Yr2、Zr2)、(Yr4、Zr4)、(Yr7、Zr7)、(Yr8、Zr8)のデータから、下記の値を算出する。
ブッシュB2の中心とブッシュB4の中心を結ぶ直線と、ブッシュB7、ブッシュB8の中心を結ぶ直線どうしがなす角度:Ryzr=90°−arctan((Zr2−Zr4)/(Yr2−Yr4))−arctan((Yr7−Yr8)/(Zr7−Zr8))
(ステップ3)
次に、0°側(基準位置側)で算出した角度Ryzfと180°側(反転位置側)で算出した角度Ryzrの平均値:Ryzm=(Ryzf+Ryzr)/2を算出する。
(ステップ4)
次に、ブッシュB2、ブッシュB4、ブッシュB11、ブッシュB12の中心の0°側(基準位置側)で求めた各座標値(Yf2、Zf2)、(Yf4、Zf4)、(Yf11、Zf11)、(Yf12、Zf12)のデータから、下記の値を算出する。
ブッシュB2の中心とブッシュB4の中心を結ぶ直線と、ブッシュB11、ブッシュB12の中心を結ぶ直線どうしがなす角度:R’yzf=90°−arctan((Zf2−Zf4)/(Yf2−Yf4))−arctan((Yf11−Yf12)/(Zf11−Zf12))
(ステップ5)
ブッシュB2、ブッシュB4とブッシュB11、ブッシュB12の中心の180°側(反転位置側)で求めた各座標値(Yr2、Zr2)、(Yr4、Zr4)、(Yr11、Zr11)、(Yr12、Zr12)のデータから、下記の値を算出する。
ブッシュB2の中心とブッシュB4の中心を結ぶ直線と、ブッシュB11、ブッシュB12の中心を結ぶ直線どうしがなす角度:R’yzr=90°−arctan((Zr2−Zr4)/(Yr2−Yr4))−arctan((Yr11−Yr12)/(Zr11−Zr12))
(ステップ6)
次に、0°側(基準位置側)で算出した角度R’yzfと180°側(反転位置側)で算出した角度R’yzrの平均値:R’yzm=(R’yzf+R’yzr)/2を算出する。
(ステップ7)
次に、先に算出したRyzmとR’yzmとの平均値Ryz=(Ryzm+R’yzm)/2を算出する。
この演算により、マスタブロック自体の誤差は排除される。
(ステップ8)
以上の結果に基づいて、Y軸とZ軸間の直角度δyzを下記の式に基づいて算出する。
δyz=L1tan(Ryz−90°)
ここで、L1は、ブッシュB2、ブッシュB4間、ブッシュB7、ブッシュB8間、ブッシュB11、ブッシュB12間のそれぞれの距離であって、本実施例においては、L1=150mmである。
X・Y・Z軸最大指示誤差の計算・表示手順
(ステップ1)
ブッシュB1〜B12の0°位置と180°反転位置において測定した座標値の平均値X1・・X12,Y1・・Y12,Z1・・Z12と、それぞれの穴径D1・・D12をそれぞれ計算する。
X1=(Xf1+Xr1)/2, Y1=(Yf1+Yr1)/2, Z1=(Zf1+Zr1)
X2=(Xf2+Xr2)/2, Y2=(Yf2+Yr2)/2, Z2=(Zf2+Zr2)


X12=(Xf12+Xr12)/2,Y12=(Yf12+Yr12)/2,Z12=(Zf12+Zr12)/2
D1=(Df1+Dr2)/2
D2=(Df2+Dr2)/2


D12=(Df12+Dr12)/2
(ステップ2)
Xmi=Xi−Xsi,Ymi=Yi−Ysi,Zmi=Zi−Zsi,Dmi=Di−Dsi(ただし、i=1,2,・・12)をそれぞれ計算し、
Xmi、Dmiの絶対値の中で最大のものを選択し、これをX軸最大指示誤差とする。
Ymi、Dmiの絶対値の中で最大のものを選択し、これをY軸最大指示誤差とする。
Zmi、Dmiの絶対値の中で最大のものを選択し、これをZ軸最大指示誤差とする。
本発明の精度評価プログラムは、はじめから専用のプログラムとして製作することもできるが、パソコン用に市販されている既存の表計算ソフトウェア上でマクロプログラムとして作成し、実行させることも可能である。
マスタブロックを装着した状態を示す、座標測定機の斜視図である。 本発明の座標測定機の精度評価プログラムで入力データの作成のために用いられるマスタブロックの斜視図である。 マスタブロックに設けられている12個のブッシュの配置状態を示す図である。 座標測定機のX方向機械軸のY方向の振れパターンの一例を示す図である。 座標測定機のX方向機械軸のY方向の振れパターンの一例を示す図である。 座標測定機のX方向機械軸のY方向の振れパターンの一例を示す図である。 真直度の計算方法を説明する図である。 直角度の計算方法を説明する図である。
符号の説明
1 検査用マスタ
1A ブロック本体
2 座標測定機
3 測定テーブル
4 治具パレット
5 可動フレーム、
6 ヘッド部
7 昇降軸
8 プローブ
B1〜B12 ブッシュ

Claims (3)

  1. 前後、左右、上下の互い直交する3つの機械軸方向に移動可能なプローブを備えた座標測定機における、各機械軸方向の真直度をマスタブロックの測定データから評価するための簡易精度評価プログラムであって、
    前記マスタブロックは、座標測定機に保持されるブロック本体と複数のブッシュによって構成され、
    これらのブッシュは、測定基準面である端面と、前記端面に垂直に開口され、内周面が測定基準面である横断面円形の穴を有し、それぞれ端面を外向きにしてブロック本体の上面と側面に固定され、
    ブロック本体上面のブッシュは、前記上面に近接した基準平面内に各端面が配置され、且つ、前記基準平面内で互いに直交するX軸とY軸上で、それぞれ、これらの軸が交差する原点に対して互いに反対側の対称な位置に2つずつ、合計4個配置され、
    ブロック本体側面のブッシュのうち4個は、X軸を含む垂直面内で、X軸下方に平行に離間した2つの直線上に穴の中心軸線が一致するように横向きに、且つ基準平面と原点で直交する垂直軸線に対して互いに反対側の側面の対称位置に、それぞれ上下2個ずつ配置され、
    残りの4個のブッシュは、Y軸を含む垂直面内で、Y軸下方に平行に離間した2つの直線上に穴の中心軸線が一致するように横向きに前記垂直軸線に対して互いに反対側の側面の対称位置に、それぞれ上下2個ずつ配置されたものであり、
    前記垂直軸線をZ軸とし、前記基準平面をZ=0の面としてマスタブロック上に設定した基準座標系(X、Y、Z)の各座標軸が、座標測定機の各機械軸と平行になる基準位置に、マスタブロックをセッティングして測定したi番目のブッシュにおける端面を含む平面内の穴中心位置の前記基準座標系に対する座標の実測値Xfi,Yfi,Zfiと、
    前記マスタブロックの基準位置でのi番目のブッシュの端面を含む平面内の穴中心位置の前記基準座標系における基準値Xsi,Ysi、Zsiと、
    前記基準位置からZ軸回りに180°反転した反転位置にマスタブロックをセッティングして測定したi番目のブッシュの端面を含む平面内の穴中心位置の前記基準座標系に対する座標の実測値Xri,Yri,Zriとを基礎入力データとし、
    X軸方向に並べて配列されたブロック本体の上面と前後の側面の合計4つのブッシュに対してそれぞれ、コンピュータに、
    Eyfi=Yfi−Ysiと、
    Eyri=Yri+Ysi、および、
    これらの平均値Eymi=(Eyfi+Eyri)/2を計算させ、
    X軸方向に並んだ4つのブッシュの両端の2つの座標値Eymiを結ぶ直線に対して、内側の2つのブッシュのEymiの値の振れ幅を、前記両端のブッシュ間のプローブ移動距離に対する座標測定機のX方向機械軸の左右方向に対する真直度として出力装置に出力させ、
    X軸方向に並べて配列されたブロック本体の上面と前後の側面の合計4つのブッシュに対してそれぞれ、前記コンピュータに、
    Ezfi=Zfi−Zsiと、
    Ezri=Zri−Zsi、および
    これらの平均値Ezmi=(Ezfi+Ezri)/2を計算させ、
    X軸方向に並んだ4つのブッシュの両端の2つの座標値Ezmiを結ぶ直線に対して、内側の2つのブッシュのEzmiの値の振れ幅を、前記両端のブッシュ間のプローブ移動距離に対する座標測定機のX方向機械軸の上下方向に対する真直度として出力装置に出力させ、
    また、Y軸方向に並べて配列されたブロック本体の上面と左右の側面の合計4つのブッシュに対してそれぞれ、前記コンピュータに、
    Exfi=Xfi−Xsiと、
    Exri=Xri+Xsi、および、
    これらの平均値Exmi=(Exfi+Exri)/2を計算させ、
    Y軸方向に並んだ4つのブッシュの両端の2つの座標値Exmiを結ぶ直線に対して、内側の2つのブッシュのExmiの値の振れ幅を、前記両端のブッシュ間のプローブ移動距離に対する座標測定機のY方向機械軸の前後方向に対する真直度として出力装置に出力させ、
    また、Y軸方向に並べて配列されたブロック本体の上面と左右の側面の合計4つのブッシュに対してそれぞれ、前記コンピュータに、
    Ezfi= Zfi−Zsiと、
    Ezri= Zri−Zsi、および
    これらの平均値Ezmi=(Ezfi+Ezri)/2を計算させ、
    Y軸方向に並んだ4つのブッシュの両端の2つの座標値Ezmiを結ぶ直線に対して、内側の2つのブッシュのEzmiの値の振れ幅を、前記両端のブッシュ間のプローブ移動距離に対する座標測定機のY方向機械軸の上下方向に対する真直度として出力装置に出力させ、
    また、ZX面内において、並べて配列され、Z軸に対してX方向に互いに対称的に配置されているi番目とj番目のブッシュの対に対して、前記コンピュータに、
    YfiとYfjの平均値Eyfij=(Yfi+Yfj)/2を計算させるとともに、
    YriとYrjの平均値Eyrij=(Yri+Yrj)/2を計算させ、
    さらに、上記EyfjjとEyrijの平均値Eymij=(Eyfij+Eyrij)/2を計算させ、
    Z軸に対してX方向に互いに対称的に配置されている3対のブッシュの各対の中間点のうち、Z軸方向に並んだ中間点の両端の2つの座標値Eymijを結ぶ直線に対して、これらの間の中間点のEymijの値の振れ幅を、前記両端の中間点間のプローブ移動距離に対する座標測定機のZ方向機械軸の左右方向の真直度として出力装置に出力させ、
    また、YZ面内において、並べて配列され、Z軸に対してY方向に互いに対称的に配置されているi番目とj番目のブッシュの対に対して、前記コンピュータに、
    XfiとXfjの平均値Exfij=(Xfi+Xfj)/2を計算させるとともに、
    XriとXrjの平均値Exrij=(Xfi+Xfj)/2を計算させ、
    上記ExfijとExrijの平均値Exmij=(Eyfij+Eyrij)/2を計算させ、
    Z軸に対してY方向に互いに対称的に配置されている3対のブッシュの各対の中間点のうち、Z軸方向に並んだ中間点の両端の2つの座標値Exmijを結ぶ直線に対して、これらの間の中間点のExmijの値の振れ幅を、前記両端の中間点間のプローブ移動距離に対する座標測定機のZ方向機械軸の前後方向の真直度として出力装置に出力させることを特徴とする座標測定機の簡易精度評価プログラム。
  2. 前後、左右、上下の互い直交する3つの機械軸方向に移動可能なプローブを備えた座標測定機における、各機械軸間の直角度をマスタブロックの測定データから評価するための簡易精度評価プログラムであって、
    前記マスタブロックは、座標測定機に保持されるブロック本体と複数のブッシュによって構成され、
    これらのブッシュは、測定基準面である端面と、前記端面に垂直に開口され、内周面が測定基準面である横断面円形の穴を有し、それぞれ端面を外向きにしてブロック本体の上面と側面に固定され、
    ブロック本体上面のブッシュは、前記上面に近接した基準平面内に各端面が配置され、且つ、前記基準平面内で互いに直交するX軸とY軸上で、それぞれ、これらの軸が交差する原点に対して互いに反対側の対称な位置に2つずつ、合計4個配置され、
    ブロック本体側面のブッシュのうち4個は、X軸を含む垂直面内で、X軸下方に平行に離間した2つの直線上に穴の中心軸線が一致するように横向きに、且つ基準平面と原点で直交する垂直軸線に対して互いに反対側の側面の対称位置に、それぞれ上下2個ずつ配置され、
    残りの4個のブッシュは、Y軸を含む垂直面内で、Y軸下方に平行に離間した2つの直線上に穴の中心軸線が一致するように横向きに前記垂直軸線に対して互いに反対側の側面の対称位置に、それぞれ上下2個ずつ配置されたものであり、
    前記垂直軸線をZ軸とし、前記基準平面をZ=0の面としてマスタブロック上に設定した基準座標系(X、Y、Z)の各座標軸が、座標測定機の各機械軸と平行になる基準位置に、マスタブロックをセッティングして測定したi番目のブッシュにおける端面を含む平面内の穴中心位置の前記基準座標系に対する座標の実測値Xfi,Yfi,Zfiと、
    前記マスタブロックの基準位置でのi番目のブッシュの端面を含む平面内の穴中心位置の前記基準座標系における基準値Xsi,Ysi、Zsiと、
    前記基準位置からZ軸回りに180°反転した反転位置にマスタブロックをセッティングして測定したi番目のブッシュの端面を含む平面内の穴中心位置の前記基準座標系に対する座標の実測値Xri,Yri,Zriとを基礎入力データとし、
    基準位置におけるブロック本体上面のX軸上の正側と負側に並んだ2つのブッシュのX、Y座標の実測値をそれぞれ(Xf1,Yf1)、(Xf3,Yf3)、Y軸上の正側と負側に並んだ2つのブッシュのX、Y座標をそれぞれ(Xf2,Yf2)、(Xf4,Yf4)とするとき、コンピュータに、
    Rxyf=90°−arctan((Yf1−Yf3)/(Xf1−Xf3))−arctan((Xf2−Xf4)/(Yf2−Yf4))を計算させ、
    反転位置におけるブロック本体上面のX軸上の正側と負側に並んだ2つのブッシュのX、Y座標の実測値をそれぞれ(Xr1,Yr1)、(Xr3,Yr3)、Y軸上の正側と負側に並んだ2つのブッシュのX、Y座標をそれぞれ(Xr2,Yr2)、(Xr4,Yr4)とするとき、前記コンピュータに、
    Rxyr=90°−arctan((Yr1−Yr3)/(Xr1−Xr3))−arctan((Xr2−Xr4)/(Yr2−Yr4))を計算させ、
    次いで、RxyfとRxyrの平均値Rxym=(Rxyf+Rxyr)/2を計算させ、
    さらに、これらのブッシュに対応するX、Y座標の基準値をそれぞれ(Xs1,Ys1)、(Xs3,Ys3)、(Xs2,Ys2)、(Xs4,Ys4)とするとき、前記コンピュータに、
    Rxys=90°−arctan((Ys1−Ys3)/(Xs1−Xs3))−arctan((Xs2−Xs4)/(Ys2−Ys4))を計算させ、プローブ移動距離Lに対して、 機械軸Xと機械軸Y間の直角度δxyを、
    δxy=L(tan(Rxym−90°)−tan(Rxys−90°))として計算させてその結果を出力装置に出力させ、
    また、基準位置におけるブロック本体上面のX軸上の正側と負側に並んだ2つのブッシュのX、Z座標の実測値をそれぞれ(Xf1,Zf1)、(Xf3,Zf3)、X軸正側に向いたブロック本体側面の上下に並んだ2つのブッシュのX、Z座標をそれぞれ、(Xf5,Zf5)、(Xf6,Zf6)、X軸負側に向いたブロック本体側面の上下に並んだ2つのブッシュのX、Z座標をそれぞれ、(Xf9,Zf9)、(Xf10,Zf10)とするとき、前記コンピュータに、
    Rxzf=90°−arctan((Zf1−Zf3)/(Xf1−Xf3))−arctan((Xf5−Xf6)/(Zf5−Zf6))を計算させ、
    反転位置におけるブロック本体上面のX軸上の正側と負側に並んだ2つのブッシュのX、Z座標の実測値をそれぞれ(Xr1,Zr1)、(Xr3,Zr3)、X軸正側に向いたブロック本体側面の上下に並んだ2つのブッシュのX、Z座標をそれぞれ、(Xr5,Zr5)、(Xr6,Zr6)、X軸負側に向いたブロック本体側面の上下に並んだ2つのブッシュのX、Z座標をそれぞれ、(Xr9,Zr9)、(Xr10,Zr10)とするとき、前記コンピュータに、
    Rxzr=90°−arctan((Zr1−Zr3)/(Xr1−Xr3))−arctan((Xr5−Xr6)/(Zr5−Zr6))を計算させ、
    次いで、RxzfとRxzrの平均値Rxzm=(Rxzf+Rxzr)/2を計算させ、
    また、前記コンピュータに、
    R’xzf=90°−arctan((Zf1−Zf3)/(Xf1−Xf3))−arctan((Xf9−Xf10)/(Zf9−Zf10))を計算させ、
    R’xzr=90°−arctan((Zr1−Zr3)/(Xr1−Xr3))−arctan((Xr9−Xr10)/(Zr9−Zr10))を計算させ、
    次いで、R’xzfとR’xzrの平均値R’xzm=(R’xzf+R’xzr)/2を計算させ、さらに、Rxzm
    とR’xzmとの平均値Rxz=(Rxzm+R’xzm)/2を計算させ、プローブ移動距離Lに対して、機械軸Xと機械軸Z間の直角度δxzを
    δxz=L(tan(Rxz−90°)として計算させてその結果を出力装置に出力させ、
    また、基準位置におけるブロック本体上面のY軸上の正側と負側に並んだ2つのブッシュのY、Z座標の実測値をそれぞれ(Yf2,Zf2)、(Yf4,Zf4)、Y軸正側に向いたブロック本体側面の上下に並んだ2つのブッシュのY、Z座標をそれぞれ、(Yf7,Zf7)、(Yf8,Zf8)、Y軸負側に向いたブロック本体側面の上下に並んだ2つのブッシュのX、Z座標をそれぞれ、(Yf11,Zf11)、(Yf12,Zf12)とするとき、前記コンピュータに、
    Ryzf=90°−arctan((Zf2−Zf4)/(Yf2−Yf4))−arctan((Yf7−Yf8)/(Zf7−Zf8))を計算させ、
    反転位置におけるブロック本体上面のY軸上の正側と負側に並んだ2つのブッシュのY、Z座標の実測値をそれぞれ(Yr2,Zr2)、(Yr4,Zr4)、Y軸正側に向いたブロック本体側面の上下に並んだ2つのブッシュのY、Z座標をそれぞれ、(Yr7,Zr7)、(Yr8,Zr8)、X軸負側に向いたブロック本体側面の上下に並んだ2つのブッシュのY、Z座標をそれぞれ、(Yr11,Zr11)、(Yr12,Zr12)とするとき、前記コンピュータに、
    Ryzr=90°−arctan((Zr2−Zr4)/(Yr2−Yr4))−arctan((Yr7−Yr8)/(Zr7−Zr8))を計算させ、
    次いで、RyzfとRyzrの平均値Ryzm=(Ryzf+Ryzr)/2を計算させ、
    また、前記コンピュータに、
    R’yzf=90°−arctan((Zf2−Zf4)/(Yf2−Yf4))−arctan((Yf11−Yf12)/(Zf11−Zf12))を計算させ、
    R’yzr=90°−arctan((Zr2−Zr4)/(Yr2−Yr4))−arctan((Yr11−Yr12)/(Zr11−Zr12))を計算させ、
    次いで、R’yzfとR’yzrの平均値R’yzm=(R’yzf+R’yzr)/2を計算させ、さらに、RyzmとR’yzmとの平均値Ryz=(Ryzm+R’yzm)/2を計算させ、プローブ移動距離Lに対して、機械軸Yと機械軸Z間の直角度δyzを
    δyz=L(tan(Ryz−90°)として計算させて、その結果を出力装置に出力させることを特徴とする座標測定機の簡易精度評価プログラム。
  3. 前後、左右、上下の互い直交する3つの機械軸方向に移動可能なプローブを備えた座標測定機における、各機械軸方向の指示誤差をマスタブロックの測定データから評価するための簡易精度評価プログラムであって、
    前記マスタブロックは、座標測定機に保持されるブロック本体と複数のブッシュによって構成され、
    これらのブッシュは、測定基準面である端面と、前記端面に垂直に開口され、内周面が測定基準面である横断面円形の穴を有し、それぞれ端面を外向きにしてブロック本体の上面と側面に固定され、
    ブロック本体上面のブッシュは、前記上面に近接した基準平面内に各端面が配置され、且つ、前記基準平面内で互いに直交するX軸とY軸上で、それぞれ、これらの軸が交差する原点に対して互いに反対側の対称な位置に2つずつ、合計4個配置され、
    ブロック本体側面のブッシュのうち4個は、X軸を含む垂直面内で、X軸下方に平行に離間した2つの直線上に穴の中心軸線が一致するように横向きに、且つ基準平面と原点で直交する垂直軸線に対して互いに反対側の側面の対称位置に、それぞれ上下2個ずつ配置され、
    残りの4個のブッシュは、Y軸を含む垂直面内で、Y軸下方に平行に離間した2つの直線上に穴の中心軸線が一致するように横向きに前記垂直軸線に対して互いに反対側の側面の対称位置に、それぞれ上下2個ずつ配置されたものであり、
    前記垂直軸線をZ軸とし、前記基準平面をZ=0の面としてマスタブロック上に設定した基準座標系(X、Y、Z)の各座標軸が、座標測定機の各機械軸と平行になる基準位置に、マスタブロックをセッティングして測定したi番目のブッシュにおける端面を含む平面内の穴中心位置の前記基準座標系に対する座標の実測値Xfi,Yfi,Zfiと、
    前記マスタブロックの基準位置でのi番目のブッシュの端面を含む平面内の穴中心位置の前記基準座標系における基準値Xsi,Ysi、Zsiと、
    前記基準位置からZ軸回りに180°反転した反転位置にマスタブロックをセッティングして測定したi番目のブッシュの端面を含む平面内の穴中心位置の前記基準座標系に対する座標の実測値Xri,Yri,Zriと、
    マスタブロックの基準位置におけるi番目のブッシュの穴径の実測値Dfiと、
    マスタブロックの反転位置におけるi番目のブッシュの穴径の実測値Driと、
    i番目のブッシュの穴径の基準値Dsiとを基礎入力データとし、
    コンピュータに、各ブッシュの基準位置と反転位置における、各座標値の平均値Xi=(Xfi+Xri)/2、Yi=(Yfi+Yri)/2、Zi=(Zfi+Zri)/2、及び、穴径の平均値Di=(Dfi+Dri)/2
    を計算させ、
    次いで、これらの座標値及び穴径の平均値と基準値との差、δXi=Xi−Xsi、δYi=Yi−Ysi、δZi=Zi−Zsi、δDi=Di−Dsiを計算させて、前記コンピュータに、
    δXiの絶対値の最大値とδDiの絶対値の最大値の何れか大きい方をX軸方向の最大指示誤差として出力装置に出力させ、
    δYiの絶対値の最大値とδDiの絶対値の最大値の何れか大きい方をY軸方向の最大指示誤差として出力装置に出力させ、
    δZiの絶対値の最大値とδDiの絶対値の最大値の何れか大きい方をZ軸方向の最大指示誤差として出力装置に出力させることを特徴とする座標測定機の簡易精度評価プログラム。
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