JP2005127412A - 耐火災性偏心バタフライ弁及びそれに用いるシートリング - Google Patents

耐火災性偏心バタフライ弁及びそれに用いるシートリング Download PDF

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Abstract

【課題】 高温高圧に耐え、充分な可撓性を持っていて弁の全閉時には弁体外周に密接でき、火災時のような高温に遭っても、流体の流れを充分に阻止できるような、偏心バタフライ弁用シートリングを提供しようとする。また、このシートリングを使用することによって、可燃性流体を高温高圧下にパイプ輸送することができる耐火災性の偏心バタフライ弁を提供しようとする。
【解決手段】 シートリングは、短い金属製円筒の内面に溝を掘って溝に従来からシートリングに用いられてきた積層材を固定し、円筒の内面に積層材を近接して積層材の反対側へ延びる金属製の可撓部を形成し、可撓部を薄肉にして可撓部の表面と積層材の内周面とを並べて弁座面とする。また、バタフライ弁は弁本体の流体通路の壁を切欠し、そこへ上記シートリングの円筒を嵌め込み、シートリングの円筒の側面からボルトをねじ込んでシートリングを弁本体に固定する。
【選択図】 図4

Description

この発明は、耐火災性偏心バタフライ弁及びそれに用いるシートリングに関するものである。さらに云えば、この発明は、可燃性流体の輸送用パイプに付設されるバタフライ弁であって、火災時の高温に遭遇したとき、流体の流れを止めることのできる耐火災性の偏心バタフライ弁と、それに用いられるシートリングに関するものである。
バタフライ弁は液化ガス等の可燃性流体を輸送するためのパイプに使用される。この場合、バタフライ弁は、火災時にこれが高温に曝されても可燃性流体の流動を止めることのできるものでなければならない。ところが、普通のバタフライ弁では全閉の役割を担うシートリングが、多くはゴム等の可燃性の弾性材料で作られているために、高温に曝されるとシートリングが溶融して変形し、極端な場合には焼失してしまう。するとバタフライ弁は、流体の流れを阻止する機能を失うことになる。その結果、可燃性流体がパイプ内を流れて、火災の危険を増大させることとなる。
特開昭58−102870号公報は、液化ガス等の可燃性流体を輸送するためのバタフライ弁において、火災時に流体の放出を防ぐことができる防火シールを提案している。この提案によれば、通常時にはゴム等によって作られた弾性パッキンがシールを行ない、火災時に弾性パッキンが滅失すると、その中に組み込まれた皿ばねが働いて金属製リテイナーを弾性パッキンの存在していた位置まで移動させ、こうしてリテイナーがシールを行うようにしている。
特開昭58−102870号公報
しかし、この提案は防火シールとして充分でない。なぜならば、火災時に弾性パッキンが滅失するとき、弾性パッキンは円周方向に常に均等に消失するとは限らないからである。すなわち、弾性パッキンが円周方向の一部だけを消失させると、弾性パッキンの残った部分が皿ばねの作動を妨げるので、可燃性流体はパッキンの消失部分を通って流れることになるからである。
一般に、液化天然ガス等の可燃性流体は、高い圧力の下にパイプ輸送されることが多い。可燃物を高圧の下で流すパイプには、偏心バタフライ弁が多く使用される。なぜならば、偏心バタフライ弁は僅かな力で弁の開閉を行うことができて、弁の操作が容易だからである。
偏心バタフライ弁は、バタフライ弁のうちでも特殊なものであるから、その構造を三重偏心バタフライ弁を例に採って説明すると、次のとおりである。図1は、公知の三重偏心バタフライ弁を弁軸に垂直に切断したときの断面を示している。図1に示したバタフライ弁では、弁の全閉時に弁体1の外周が弁本体3の内側に当接する弁座面8を基準にすると、弁軸2は弁座面8から距離Pだけ片寄っていて、いわゆる一次偏心をしている。また、弁軸2は、弁体1の中心軸9から距離Qだけ片寄っていて、いわゆる二次偏心している。
また、図1に示したバタフライ弁では、弁座面8は点12を頂点とし、点線10と11とで示された傾斜した円錐面上にあって、いわゆる三次偏心をしている。このように、一次から三次までの偏心を重ねたバタフライ弁が三重偏心バタフライ弁である。二重偏心バタフライ弁は、一次と二次の偏心をしているだけで、三次偏心をしていないものであって、弁座面が中心軸9上に頂点を持った正円錐面上に存在している。偏心バタフライ弁では、円錐の頂点が弁体に対して弁軸と反対がわに位置している。
なお、図1において4は流体通路を示し、5は弁体1を弁軸2に固定するためのピンを示し、7はシートリング6を弁本体3に固定するためのシート押さえである。
図1に示した三重偏心バタフライ弁では、弁座面8の気密を図るためにシートリング6が付設されている。シートリング6としては、高温高圧に耐えるために石綿又は膨張黒鉛を成形して薄板とし、この薄板を重ねて作られた積層材としたものが用いられる。この積層材は、流体が持つ程度の高温では変形することなく、或る程度の可撓性又は弾性を持っているので、通常の状態では高温高圧用のシートリングとして使用することができる。ところが、火災時に発生するような高温に遭遇すると、変形したり焼失したりしてシートリングの役目を果たさなくなる。
そこで、シートリングを金属製のものとすることが提案された。特開平4−248074号公報は、特殊な形状にした金属性のシートリングが使用された二重偏心バタフライ弁を提案している。そのシートリングは、リング状の固定部と、その内側に突出するシール縁部とを一体に金属で作ったものであって、シール縁部は半径方向にばね弾性をもって弁体に当接するようにされている。
しかし、このシートリングは、シール縁部が充分な可撓性を持つに至らず、従ってシール縁部を弁体に密接させたり、弁体から離したりすることが容易でない。このバタフライ弁は火災時に耐火性を発揮するが、常態において弁を開閉させることが容易でない、という問題がある。
特開平4−248074号公報
このように、従来のバタフライ弁では、常態において弁の開閉が容易であって、火災時に発生する高温に遭遇してもシール性を損わないという耐火災性を持ったものは提供されなかった。
この発明は、上述のような状況に鑑み、充分なシール性能と耐火災性能を持った偏心バタフライ弁を提供しようとするものである。そのために、この発明は、充分なシール性と耐火災性とを持った偏心バタフライ弁用のシートリングを提供しようとするものである。すなわち、高温高圧に耐え、充分な可撓性を持っていて弁の全閉時には弁体外周に密接でき、火災時のような高温に遭っても流体の流れを充分に阻止できるような、偏心バタフライ弁用のシートリングを提供しようとするものである。また、この発明は、このシートリングによって耐火災性を持った偏心バタフライ弁を提供しようとするものである。
この発明は、三重偏心バタフライ弁のシートリングとして特開平4−248074号公報が提案している金属製シートリングを改良し、シール縁部を撓み易くするとともに、固定部に積層材を付設して、可撓性のシール縁部と積層材とを並べてこれを弁座面にすることによって、上記課題を解決したものである。
すなわち、この発明は、特開平4−248074号公報が開示する金属製シートリングの固定部を長くし、シートリングの内面に付設されたシール縁部に近接して円周方向に延びる溝を掘り、溝内に石綿又は膨張黒鉛を主材とする積層材を嵌め込んで固定することによって、弁座面に金属製のシール縁部と非金属製のシール材とを並べて配置して、シール性と耐火災性とを併せ持たせたことを特色としている。
また、この発明は、金属製シール縁部の肉厚を薄くするとともに、金属製シール縁部をシートリングの中心軸方向に長く延ばして固定部との間に窪みを形成し、これによってシール縁部の可撓性を高め、シール縁部を弁体外周に比較的弱い圧力で圧接し易くしたことを特色としている。
こうして、この発明に係るシートリングは弁座面に積層材と金属製のシール縁部とを並べ、両者を弁体外周に当接させることとしている。そして、積層材と金属製シール縁部の両者を弁体に当接させることによって、両者それぞれの長所を発揮させることとしている。また、積層材と金属製シール縁部の何れか1つを、他のものよりも大きく内側へ突出させることにより、大きく突出したものをより強い圧接力で弁体に接触させることを可能にしている。こうして、例えば積層材をシール縁部よりも大きく突出させることにより、通常の状態では積層材が主として弁体に接触するようにして、弁の開閉を容易にし、火災に遭遇して積層材が焼失したとき、弁体に軽く当接している金属製シール縁部が働いて、流体の流れを制御するようにすることができる。
この発明は、短い金属製円筒の内面に円周方向に延びる円環状の溝を掘り、溝内に石綿又は膨張黒鉛を主材とした円環状の積層材を嵌め込んで固定し、金属製円筒の内面には上記積層材に近接して内側へ突出して円周方向に延びる円環状の金属製突出部を付設し、突出部の先端を円筒の中心軸方向に延ばして積層材と反対側へ延びる薄肉の金属製円環状可撓部を付設し、可撓部の表面を積層材の内周面と並べて弁座面としたことを特徴とする、耐火災性偏心バタフライ弁に用いるシートリングを提供するものである。
また、この発明は、バタフライ弁の弁本体における流体通路の端の内側寄り壁面を切欠し、切欠部内に上記シートリングの金属製円筒を嵌め込み、金属製円筒の内面を弁本体の流体通路の壁面と面一にして、金属製円筒の側面から金属製円筒を貫通して弁本体の流体通路の壁に達するボルトを付設してシートリングを弁本体に固定したことを特徴とする、耐火災性偏心バタフライ弁を提供するものである。
この発明に係るシートリングは、円筒と、積層材と、突出部と、可撓部とで作られているが、そのうち円筒と突出部と可撓部とは金属で作られているから、これを初めから一体に作ることができる。こうして作られたものの円筒の内面に溝を掘り、そこに積層材を嵌め込めば、シートリングとすることができるので、このシートリングは容易に製造できる。また、こうして作られたシートリングは、一体とされているから、取扱いが容易である。
また、この発明に係るシートリングは、突出部の先端を円筒の中心軸方向に延ばして、積層材と反対側へ延びる円環を可撓部としたから、可撓部は円筒内面との間に窪みを形成しており、しかも可撓部は薄肉にされているので、可撓部は可撓性に富み、弁体に軽く容易に密接できるものとなる。
さらに、この発明に係るシートリングでは、金属製の可撓部と、石綿又は膨張黒鉛を主材とする積層材とが並んで弁座面を形成しているから、可撓部と積層材との材質及び形状を変えることにより、弁座面の性能を必要に応じて容易に変えることができる。積層材は火災時に発生する高熱に遭遇すると変形又は焼失したりするが、金属製の可撓部はそのような高熱に耐えて残るので、このシートリングは火災に対して強いという特性を持っている。
この発明に係るシートリングは上述のような構造にされているから、バタフライ弁本体に容易に取り付けることができる。すなわち、まず弁本体の流体通路を構成している壁の内側部分の一部を一側から切欠し、シートリングの円筒を入れるだけの切欠部を作り、切欠部内にシートリングを入れて円筒内面を弁本体の流体通路の内面と面一に位置させる。次いで、円筒の側面から円筒を貫通して弁本体の流体通路の壁に達するボルトを挿入して、ボルトにより直接にシートリングを弁本体に固定することができる。この場合、ボルト以外にシート押さえなど必要とされないから、取付けは容易である。
その後は、従来と同様に弁軸と弁体とを付設することにより、容易にバタフライ弁とすることができる。こうして作られたバタフライ弁は偏心バタフライ弁とすることができるので、高温高圧下の流体を制御するに好都合なものとなる。また、このバタフライ弁では弁座面が可撓部と積層材とからなり、何れも流体の流れる方向に広がりを持って弁体に当接できる構造にされているから、流体を容易且つ確実に制御することができる。
また、このバタフライ弁は金属製可撓部と積層材とがシール材として働くので、通常の状態では全閉時に積層材が主としてシール材として働き、金属製可撓部は補助的なシール材として働くようにし、火災に遭遇して積層材がシール性を喪失したとき、金属製可撓部がシール性を保持していて、耐火災性を発現するようにすることができる。従って、この発明に係るバタフライ弁は、可燃性流体を輸送するパイプに使用して、耐火災性の偏心バタフライ弁として有用なものである。
この発明を実施の一例について図面に基づき説明すると、次のとおりである。図2は、この発明に係る三重偏心バタフライ弁用シートリングの断面図である。図3は、この発明で用いることのできる積層材の拡大断面図である。図4は、この発明に係る三重偏心バタフライ弁の全閉状態において、弁軸に垂直な平面で切断したときの断面図である。図5は、図4に示したバタフライ弁の一部の拡大断面図である。図6は、図5に示した部分の火災後の断面図である。図7は、この発明において用いることのできる弁体外周部の断面図である。
この発明に係る三重偏心バタフライ弁用シートリングは、図2のAで示したものである。図2において、シートリングAは、金属で作られた部分と積層材で作られた部分とで構成されている。金属で作られた部分は、短い円筒21と円筒21の内面から内側へ隆起する突出部22と可撓部221とであって、これらは一体に作ることができる。積層材で作られた部分は符号6で示された部分であって、円筒21の内面に掘られた溝内に嵌め込まれて、円筒21に固定されている。
図2に示すように、突出部22は積層材6に近接して設けられ、円周方向に延びて円環状を呈している。積層材6と反対側に位置する突出部22の側縁は、円筒21の中心軸9方向に延びて、延びた部分は薄肉とされて可撓部221を形成している。可撓部221は円筒21との間に窪み222を形成しているので、可撓部221の先端部はとりわけ撓み易くなっている。
図2において用いられている積層材は、図1において用いられている積層材と同じものであるから、同じ符号6で示している。積層材6は、図3に示したように、石綿又は膨張黒鉛にバインダーを加えて成形された板61の間に、ステンレス製の薄板62を介在させて一体とされた積層体で作られている。この積層体を円環状に切断し、切断面に積層体の側面60が露出するようにされたものが積層材6である。積層材6は図1に示したようにして、偏心バタフライ弁に使用されてきた。
図2に示したシートリングAは、金属製の可撓部221の表面と積層材6の内周面60が近接して並んでいる。この並んでいる2つの面が弁座面を形成している。図2に示したシートリングAは、三重偏心バタフライ弁に使用するものであるから、弁座面は中心軸9から一方がわへ片寄ったところに位置する点12を頂点とし、αを頂角とする傾斜した円錐面に沿って延びる環状の円錐台となっている。
図2に示したシートリングの断面では、上方に現れている可撓部221の表面と、積層材6の内周面60とが形成する弁座面は、中心軸9にほぼ平行に延びているが、下方に位置する可撓部221と積層材6とが形成する弁座面は中心軸9に対して傾斜している。この断面の中間に位置する弁座面は、徐々に傾斜の角度を変えて、滑らかな斜円錐台面となっている。なお、頂角αは25〜35度の角度範囲内にあることが好ましい。
図2に示したシートリングの弁座面は、上述のように傾斜した円錐面を形成しているから、弁座面は中心軸9の方向から見ると、真円ではなくて楕円形となっている。その楕円の長径は、図2に断面となって現れている半径Rである。楕円の短径は図2の紙面に垂直な方向に向いている。
図2に示したシートリングでは、弁軸は図1に示したように、楕円の短径方向、すなわち紙面に垂直な方向に延びるように付設しなければならない。従って、図2に示したシートリングは、これを弁本体に付設する際には、シートリングの特定部分が弁本体の特定部分に嵌まり込むようにしなければならない。すなわち、シートリングの内側面における楕円の長径が弁軸と垂直な方向に向くように、弁本体へ組み込まなければならない。そのためには、シートリングの楕円の長径又は短径方向に印を付けておいて、この印が弁本体の弁軸と垂直又は平行な位置に来るように付設することが好ましい。
この発明に係るシートリングを弁本体に組み込んで作られたこの発明に係る三重偏心バタフライ弁Bが、図4に示されている。図4に示されたシートリングAは、その長径Rが弁軸2に垂直に向くように弁本体3に組み込まれている。また、シートリングAは、円筒21が弁本体3の切欠部内に嵌め込まれ、円筒21の内面23が弁本体の流路壁面41と面一になるようにして弁本体3に固定される。固定には、側面に設けられたねじ孔から円筒21を貫通して弁本体3に至るねじTをねじ込むだけで固定可能とされている。
こうして弁本体が組み立てられ、これに弁体1と弁軸2とが付設されて、この発明に係る三重偏心バタフライ弁Bが組み立てられる。三重偏心バタフライ弁Bでは、シートリングAの可撓部221と積層材6とが並んでいて、可撓部221の表面と積層材6の内周面60とが協同して、弁座面を構成している。従って、弁体1の外周面は弁の全閉時にこの弁座面に当接することとなる。
可撓部221は薄肉とされ、しかも円筒21との間には窪み222が形成されているから、撓み易くなっており、従って弁体1が接触すると、弁体1の外周に容易に密接できる状態となっている。また、積層材6は金属よりは可撓性に富むものであるから、弁体1の外周に容易に密接する。従って通常の状態では、弁の全閉時に弁体1は図5に示したように可撓部221の表面と積層材6の内周面との両面に密接して、流体の漏洩を防いでいる。
三重偏心バタフライ弁Bは火災に遭遇すると、積層材6が変形し、極端な場合には焼失する。積層材6の一部が焼失した状態が図6に示されている。図6では、積層材6の先端部分が焼失して、積層材6は弁体1の外周面に接触しなくなっている。ところが、金属製の可撓部221は、焼失することなく、弁体1の外周面に当接している。このために、バタフライ弁Bは全閉状態を保って、流体を通過させないこととなる。こうして、このバタフライ弁は耐火災性を持ったものとなる。
この発明ではシートリングAを構成する金属としては色々な合金を使用することができる。そのうちで好ましいのはニッケル・クロム鋼又はステンレス鋼である。
また、この発明ではシートリングA中の金属製突出部22の材質及び形状、とりわけ可撓部221の材質と形状を変えることにより、弁体1への圧接力を変えることができる。また、積層材6においても、その材質と形状を変えることによって、弁体1への圧接力を変えることができる。こうして可撓部221と積層材6との圧接力を調整することにより、常態では主として積層材6によって全閉が保たれるようにし、火災に遭遇したとき可撓部221によって全閉が保たれるようにすることができる。これにより、弁体を回動させるためのトルクの軽減を図ることができる。
また、図4に示したこの発明に係るバタフライ弁は、矢印U方向に弁体1を回動させて弁を開くものである。この弁において矢印Sの方向から流体を流すと、弁の全閉時に流体が可撓部221と円筒の内面23との間に形成された窪み222内に進入し、流体が可撓部221を弁体1に押し付けるように圧力を加えるから、可撓部221は弁体1の外周に一層強く当接し、従って気密を保ち易くなる。
以上は、三重偏心バタフライ弁を例に採ってこの発明を説明したが、この発明に係るシートリングは二重偏心バタフライ弁にも使用することができる。二重偏心バタフライ弁の場合には、弁座面が中心軸9上に頂点を持った正円錐面上に存在する点が異なるだけである。
また、弁体1の外周面は、図7に示したように、耐食性、耐摩耗性に優れた合金で被覆1aしておくことが好ましい。被覆する合金はシートリングを構成する金属であってもよいが、シートリングを構成する金属よりも硬度の高いものを用いることが好ましい。
従来の三重偏心バタフライ弁の断面図である。 この発明に係るシートリングの断面図である。 この発明で用いることのできる積層材の拡大断面図である。 この発明に係る三重偏心バタフライ弁の全閉状態において、弁軸に垂直な平面で切断したときに断面図である。 図4に示したバタフライ弁の一部拡大断面図である。 火災に遭遇した後のバタフライ弁の図5の部分の断面図である。 この発明で用いることのできる弁体外周部の断面図である。
符号の説明
1 弁体
2 弁軸
3 弁本体
4 流体通路
5 ピン
6 積層材
7 シート押さえ
8 弁座面
9 中心軸
10、11 円錐面を示す点線
12 頂点
21 円筒
22 突出部
23 内面
41 流路壁面
60 積層材6の内周面
61 石綿又は膨張黒鉛製板
62 ステンレス製薄板
221 可撓部
222 窪み
A この発明に係るシートリング
B この発明に係るバタフライ弁
R 楕円の長径
T ねじ
α 頂角
1a 被覆部

Claims (6)

  1. 短い金属製円筒の内面に円周方向に延びる円環状の溝を掘り、溝内に石綿又は膨張黒鉛を主材とした円環状の積層材を嵌め込んで固定し、金属製円筒の内面には上記積層材に近接して内側へ突出して円周方向に延びる円環状の金属製突出部を付設し、突出部の先端を円筒の中心軸方向に延ばして積層材と反対側へ延びる薄肉の金属製円環状可撓部を付設し、可撓部の表面を積層材の内周面と並べて弁座面としたことを特徴とする、耐火災性偏心バタフライ弁用シートリング。
  2. 積層材が石綿又は膨張黒鉛製の板の間にステンレス製薄板を挟んで積層された物であって、積層材の側面を内側へ向けて嵌め込まれていることを特徴とする、請求項1に記載のシートリング。
  3. 金属製円筒と円環状突出部とが同じ耐熱性合金、とくにニッケル・クロム鋼又はステンレス鋼で一体に作られていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシートリング。
  4. 弁座面が可撓部の延びる先に頂点を持った正円錐台面、又は傾斜した円錐台面上にあることを特徴とする、請求項1−3の何れか1つの項に記載のシートリング。
  5. バタフライ弁の弁本体における流体通路の端の内側寄り壁を切欠し、切欠部内に請求項1−4の何れか1つの項に記載されたシートリングの金属製円筒を嵌め込み、金属製円筒の内面を弁本体の流体通路の壁面と面一にして、金属製円筒の側面から金属製円筒を貫通して弁本体の流体通路の壁に達するボルトを付設してシートリングを弁本体に固定したことを特徴とする、耐火災性偏心バタフライ弁。
  6. 積層材の内周面を金属製可撓部の表面よりも内側へ突出させ、通常の状態においては積層材の内周面を可撓部の表面よりも弁体に強く当接させることを特徴とする、請求項5に記載の耐火災性偏心バタフライ弁。
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