JP2005126778A - 電着特性測定装置と電着特性評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 電着塗料を循環するための配管と、回転電極(a)を有する回転電極装置(A)と、該回転電極(a)に対する対極と、定電流電源装置(B)と、及び配管内の塗料析出物の平均粒径を測定できる粒径測定装置(C)とを具備する装置であって、一定の回転数で回転させた回転電極(a)と対極との間に一定電流を印加して回転電極(a)の表面に塗料を析出させ、回転電極(a)の回転によって回転電極(a)の表面から配管内に脱落した塗料析出物の平均粒径を粒径測定装置(C)によって測定することを特徴とする電着特性測定装置。
【選択図】 図1
Description
最近の傾向として、自動車ボディの混載化(車種の違う自動車ボディを連続的に塗装する)や、生産性の向上のためにコンベア速度を上げることがある。このようなことから電着塗料の特性は、従来にも増して経時で変化し易く、その変化に対する素早い対応が求められていた。
従来の発明に、試料水の配管中に検出器を取り付けてインライン形式で、回転電極式分析計を適用して残留塩素を測定する装置に関する考案がある[特許文献1]。この考案は、インラインに回転電極を組み込んであるが、樹脂や顔料を含有した塗料の測定には適さない。
1.電着塗料を循環するための配管と、回転電極(a)を有する回転電極装置(A)と、該回転電極(a)に対する対極と、定電流電源装置(B)と、及び配管内の塗料析出物の平均粒径を測定できる粒径測定装置(C)とを具備する装置であって、一定の回転数で回転させた回転電極(a)と対極との間に一定電流を印加して回転電極(a)の表面に塗料を析出させ、回転電極(a)の回転によって回転電極(a)の表面から配管内に脱落した塗料析出物の平均粒径を粒径測定装置(C)によって測定することを特徴とする電着特性測定装置、
2.1に記載の電着特性測定装置を用い、塗料析出物の平均粒径から、電着塗料に金属被塗物を浸漬して一定電圧を一定時間印加した場合の金属被塗物上に形成される乾燥膜厚(μm)を予測することを特徴とする電着特性評価方法、
3.1項に記載の電着特性測定装置を用い、回転電極装置(A)の回転電極(a)を100rpm〜3,000rpmで回転させて電着特性を測定する電着特性評価方法。
4.1項に記載の電着特性測定装置を用い、定電流電源装置(B)の電流密度を100μA/cm2〜10mA/cm2で印加させて電着特性を測定する電着特評価方法。
5.1項に記載の電着特性測定装置を用い、配管内の電着塗料の流速を0.01m/秒〜0.5m/秒で循環して電着特性を測定する電着特性評価方法、
6.2項〜5項に記載の電着特性評価方法を用いて、塗装ラインにおける電着塗料を管理する電着特性管理方法、
に関する。
本発明の電着特性測定装置を用いた評価方法によって、短時間で正確な「電圧〜膜厚」を求めることができ、例えば、塗装ラインに組み込むことによって、測定データをもとにライン対応(電圧の変更、有機溶剤の添加等)を迅速に行うことができる。このような評価方法を用いて電着塗料を監視することによって、塗装ラインの管理にかかる時間、手間、コストを大幅に削減できる。
さらには、この電着特性評価方法用いて塗装ラインを管理することができる。
回転電極装置(図1の1)は、回転電極(図1の2)を制御するモーターやプログラムなどが組み込まれており、回転電極を回転数が100rpm〜3,000rpm、好ましくは500rpm〜2,000rpm、さらに好ましくは1,000rpm〜2,000rpmで回転させることができる。
定電流電源装置(B)は、回転電極(a)と電極(対極)の間に定電流を発生させるるための装置で、一例として、株式会社 高砂製作所製等の電源装置を用いることができる。定電流電源装置(B)から発せられる電流値は、100μA/cm2〜10mA/cm2、好ましくは200μA/cm2〜1mA/cm2の範囲がよく、電着塗装によって電極に析出させるための測定時間としては、10秒間〜10分間、好ましくは1分間〜5分間が、回転電極(a)の表面に電着塗料が析出するのに適している。
粒径測定装置(C)は、電着塗料の配管中にセンサー(図1の6−1、図1の6−2)を入れ、定電流電源装置(B)を用いて電着塗装を行って回転電極に析出した塗料析出物が回転電極が回転することによって配管中に離脱する、その塗料析出物の粒径を計測するものである。
粒径変化の微妙な変化を捕らえるために、センサーを回転電極(a)の前後に設置することが好ましい。このことにより粒径の増加分を緻密に捕らえることから正確な「電圧〜膜厚」を得ることができる。このような粒径測定装置(C)の市販品としては、例えば、FPAR−1000(大塚電子株式会社製、商品名、濃厚系粒子アナライザ)等を挙げることができる。
本発明の電着特性測定装置は、配管内を一定の流速にて電着塗料を循環し、定電流密度で電着塗装を行うことによって、回転電極(a)に析出した塗料析出物の平均粒径を計測することによって、リアルタイムに「電圧〜膜厚」を求めることができる。
換算する近似式を作成する必要がある。
本発明に使用できる電着塗料は、カチオン電着塗料、アニオン電着塗料のいずれの場合においても測定することができ、カチオン電着塗料では回転電極(a)を陰極側に、アニオン電着塗料では陽極側となるように結線する。
カチオン電着塗料でもアニオン電着塗料のいずれでもかまわないが防錆性の面からカチオン電着塗料が主流となってきており、カチオン電着塗料について説明する。
カチオン電着塗料は、基体樹脂として、例えば、アミン付加型エポキシ樹脂やアミン付加型アクリル樹脂を用い、例えば、硬化剤としてのブロック化ポリイソシアネート、表面調整剤、触媒、界面活性剤、有機溶剤、中和剤を加えて水分散してなるエマルションと、着色顔料、体質顔料、触媒を分散樹脂とともに顔料分散してなる顔料ペーストを加え、脱イオン水で希釈して製造されたものを例示できる。
以下の(1)〜(3)を具備する図1のように結線した電着特性測定装置(I)を用意した。実施例に供した。
(1).回転電極装置RRDE−1日厚計測製(回転電極(a)を有する回転電極装置(A)に相当)
(2).定電流電源装置CCP500−005MR、高砂株式会社製、(定電流電源装置(B)に相当)
(3).FRAR−1000、大塚電子株式会社製、(粒径測定装置(C)に相当)。
自動車塗装ラインからサンプリングした電着塗料A 500cm3を電着槽(図1の10)に入れた。浴温度を28℃として、電着特性測定装置(I)を用いて定電流800μA/cm2を回路に与え、回転数1,000rpmの回転電極(図1の2)に電着塗料Aを析出させては、塗料析出物を離脱させた。この塗料析出物の平均粒径(注1)を0.25μmを得た。この平均粒径値と換算式から、「電圧〜膜厚」=「250V〜22μm」を得た。この値を算出するのに要した時間は、約5分間であった。
自動車塗装ラインからサンプリングした電着塗料Bを用いる以外は、実施例1と同様の操作にて、平均粒径を0.23μmを得た。この平均粒径値と換算式から、「電圧〜膜厚」=「250v〜20μm」を得た。この値を算出するのに要した時間は、約5分間であった。
自動車塗装ラインからサンプリングした電着塗料Cを用いる以外は実施例1と同様の操作にて、平均粒径を0.29μmを得た。この平均粒径値と換算式から、「電圧〜膜厚」=「250v〜25μm」を得た。この値を算出するのに要した時間は、約5分間であった。
実施例1と同様の電着塗料Aを用い、浴温度を28℃として、化成処理を施した冷延鋼板(7cm×10cm×15cm)に電着塗装を250Vにて3分間行った。そののち、水洗後、170℃で20分間の焼き付け乾燥を行って試験板を得た。その試験板から、膜厚22μmを求めた。 上記の特性を算出するのに要した時間は、約3時間であった。
実施例2と同様の電着塗料Bを用い、浴温度を28℃として、化成処理を施した冷延鋼板(7cm×10cm×15cm)に電着塗装を250Vにて3分間行った。そののち、水洗後、170℃で20分間の焼き付け乾燥を行って試験板を得た。その試験板から、膜厚19.5μmを求めた。上記の特性を算出するのに要した時間は、約3時間であった。
実施例3と同様の電着塗料Cを用い、浴温度を28℃として、化成処理を施した冷延鋼板(7cm×10cm×15cm)に電着塗装を250Vにて3分間行った。そののち、水洗後、170℃で20分間の焼き付け乾燥を行って試験板を得た。その試験板から、膜厚26μmを求めた。上記の特性を算出するのに要した時間は、約3時間であった。
(注2)電着特性:250V−3分間電着塗装を行った時の、被塗物上の乾燥膜厚(μm)を予測した。
2.回転電極
3.対極
4.塗料凝集物を示す
5.電着塗料の流れ
6−1.センサー1
6−2.センサー2
7.粒径測定装置
8.定電流電源
9.配管
10.電着槽
Claims (6)
- 電着塗料を循環するための配管と、回転電極(a)を有する回転電極装置(A)と、該回転電極(a)に対する対極と、定電流電源装置(B)と、及び配管内の塗料析出物の平均粒径を測定できる粒径測定装置(C)とを具備する装置であって、一定の回転数で回転させた回転電極(a)と対極との間に一定電流を印加して回転電極(a)の表面に塗料を析出させ、回転電極(a)の回転によって回転電極(a)の表面から配管内に脱落した塗料析出物の平均粒径を粒径測定装置(C)によって測定することを特徴とする電着特性測定装置。
- 請求項1に記載の電着特性測定装置を用い、塗料析出物の平均粒径から、電着塗料に金属被塗物を浸漬して一定電圧を一定時間印加した場合の金属被塗物上に形成される乾燥膜厚(μm)を予測することを特徴とする電着特性評価方法。
- 請求項1に記載の電着特性測定装置を用い、回転電極装置(A)の回転電極(a)を100rpm〜3,000rpmで回転させて電着特性を測定する電着特性評価方法。
- 請求項1に記載の電着特性測定装置を用い、定電流電源装置(B)の電流密度を100μA/cm2〜10mA/cm2で印加させて電着特性を測定する電着特評価方法。
- 請求項1に記載の電着特性測定装置を用い、配管内の電着塗料の流速を0.01m/秒〜0.5m/秒で循環して電着特性を測定する電着特性評価方法。
- 請求項2〜5に記載の電着特性評価方法を用いて、塗装ラインにおける電着塗料を管理する電着特性管理方法。
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