JP2005125583A - 平版印刷版材料及び印刷方法 - Google Patents

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哲哉 谷口
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Abstract

【課題】 撓みや折り曲げ難さによる版材の取り付け易さの問題がなく、印刷中に混入した異物による欠陥汚れが生じにくく、さらにはDI版材として用いた場合でも欠陥のない画像露光が安定して行うことが可能なプラスチック支持体を用いた平版印刷版材料および印刷方法の提供。
【解決手段】 プラスチック支持体上に親水性層を有する平版印刷版材料において、該プラスチック支持体が微細な気泡を含有する層を有する支持体であることを特徴とする平版印刷版材料および印刷方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は平版印刷版材料に関し、特にコンピューター・トゥー・プレート(CTP)方式により画像形成が可能な平版印刷版材料及び印刷方法に関し、更に詳しくは、赤外線レーザー露光により画像形成可能な平版印刷版材料及び印刷方法に関する。
印刷データのデジタル化に伴い安価で取り扱いが容易でPS版と同等の印刷適性を有したCTPが求められている。特に近年、特別な薬剤による現像処理が不要であって、ダイレクトイメージング(DI)機能を備えた印刷機にも適用可能な、いわゆるプロセスレスプレートへの期待が高まっている。
プロセスレスプレートの構成としては、PS版と同じアルミ砂目を用いる場合も考えられるが、層構成の自由度やコストダウンの観点から、塗布形成された親水性層を用いた種々の方式のプロセスレスプレートが提案されている。
このようなプロセスレスとしては、現状では実施的にDI印刷機用途で提供されているのみで、汎用印刷版材料として十分な性能を有したプロセスレスプレートは提供されていない。
プロセスレスプレートは赤外線レーザー露光により画像形成を行う、いわゆるサーマルタイプが主流となっているが、サーマルタイプも大きく二つに分けることができる。サーマルタイプ印刷版材料のひとつのタイプとして挙げられるものは、アブレーションタイプであり、例えば基材上に印刷に使用される湿し水またはインクに対して親和性の異なる二つの層を積層し、その表面側の層をレーザー露光によってアブレーションさせて、完全に除去する(例えば、特許文献1〜5参照。)というものである。しかし、このようなタイプの印刷版材料はアブレーションした表面側の層の飛散物を完全に吸引除去する機構を露光装置に取付ける必要があり、装置コストが大幅に増加するといった問題がある。また、露光時に必要とするエネルギーが比較的高いため、露光時のビーム線速度を低下させる(例えば露光ドラムの回転数を低下させる)必要が生じ、画像形成の生産性が低下する場合もある。
サーマルタイプの印刷版材料のもうひとつのタイプ(例えば、特許文献6、7参照。)は、機上現像タイプである。このタイプは、例えば基材上に印刷に使用される湿し水またはインクに対して親和性の異なる二つの層を積層し、レーザー露光によって表面側の層とその下の層との接着力を変化させ、接着力の弱い部分を印刷機上で除去するものである。接着力の弱い部分の除去には湿し水供給ローラーとの接触、湿し水の付与による溶解や膨潤、インクローラーとの接触、インクのタックによる剥離、ブランケット胴との接触等の種々の方法を用いることができる。
近年、印刷業界における省人化システムの要求は以前にも増して高まっており、CTPシステムにおいても安価で出力装置を連続自動運転すること可能なシステムが求められている。プラスチック支持体を使用した平版印刷版材料(例えば、特許文献8、9参照。)は、従来のアルミ支持体に比べて材料コスト的に有利であるばかりでなく、アルミ支持体では難しかった、「ロール形態で供給された版材を出力装置内で所定サイズに自動断裁して連続自動運転する」というシステム構築が容易であるという利点がある。
しかし、プラスチック支持体はその特性上、1)支持体にアルミ程のコシが無く撓むため版サイズが大きくなると扱いにくい、2)印刷機に版材を固定するために必要な“くわえ尻”や“くわえ”の折り曲げをつけにくい、3)アルミ支持体そのものを粗面化して得られた砂目とは異なり、支持体と親水性層が完全に一体化していないため、印刷中にインクや湿し水に混入あるいはブランケットに付着した硬質の異物により、親水性層が脱落してスポット状の印刷汚れを生じることがある、等の問題があった。更に印刷機上で画像露光を行うDI印刷用途においては、4)一般的なフィルム支持体の可視光線〜赤外線の透過率は高いため、インク等の光線吸収材料が露光ドラムでもある版胴に付着すると活性光線の反射率が変化し、実質的に画像形成層に照射される光線量が適性範囲からずれて画質を損なうことがある、5)支持体と版胴(=露光ドラム)の間に微小な異物が挟まると、支持体が版胴より浮き上がり露光時の焦点距離が変化して画質を損なったり画像欠陥を生じることがある、等の問題が残されていた。
特開平6−186750号公報 (特許請求の範囲) 特開平6−199064号公報 (第5頁、段落0163) 特開平7−314934号公報 (特許請求の範囲) 特開平10−58636号公報 (実施例1〜2) 特開平10−244773号公報 (実施例1〜7) 特開平9−123387号公報 (特許請求の範囲) 特開平9−123388号公報 (特許請求の範囲) 特開2002−79772号公報 (特許請求の範囲) 特開2002−79773号公報 (特許請求の範囲)
本発明の目的は、撓みや折り曲げ難さによる版材の取り付け易さの問題がなく、印刷中に混入した異物による欠陥汚れが生じにくく、さらにはDI版材として用いた場合でも欠陥のない画像露光が安定して行うことが可能なプラスチック支持体を用いた平版印刷版材料および印刷方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
(請求項1)
プラスチック支持体上に親水性層を有する平版印刷版材料において、該プラスチック支持体が微細な気泡を含有する層を有する支持体であることを特徴とする平版印刷版材料。
(請求項2)
親水性層上に画像形成層を有することを特徴とする請求項1記載の平版印刷版材料。
(請求項3)
プラスチック支持体が着色剤を含有する層を有することを特徴とする請求項1または2記載の平版印刷版材料。
(請求項4)
プラスチック支持体上に設けられた構成層のうち、少なくとも一つの層に近赤外線を熱に変換する光熱変換剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の平版印刷版材料。
(請求項5)
プラスチック支持体が微細な気泡を含有するポリエステル層の少なくとも片面に、無機粒子を含有するポリエステル層を設けてなる比重0.7〜1.2の積層ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の平版印刷版材料。
(請求項6)
プラスチック支持体上に少なくとも画像形成層を有し、活性光線の照射により画像形成可能な平版印刷版材料を印刷機に取り付けた後、プラスチック支持体の光線透過率が30%以下である波長の活性光線を照射して画像露光を行い、現像を行わずに印刷することを特徴とする印刷方法。
(請求項7)
プラスチック支持体の光線反射率が50%以上である波長の活性光線を照射して画像露光を行うことを特徴とする請求項6記載の印刷方法。
本発明により、ロール形態での版材供給および装置内での自動断裁が容易で連続自動運転可能なシステムを構築するのに有利なプラスチック支持体を用いながら、従来のプラスチック支持体の問題点であった版材の取り扱いのしにくさ、異物混入時の印刷汚れ、DI用途における画像露光安定性の問題を解決することが可能となった。
本発明を更に詳しく説明する。本発明で用いるられる微細な気泡を含有する層を有するプラスチック支持体について説明する。
本発明に係るプラスチック支持体の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、セルロースエステル類等を挙げることができる。
本発明に係る支持体は、本発明の平版印刷版材料にハンドリング適性を付与する観点から、120℃での弾性率(E120)が1000〜6000N/mm2であることが好ましく、より好ましくは1200〜5000N/mm2である。具体的にはポリエチレンナフタレート(E120=4100N/mm2)、ポリエチレンテレフタレート(E120=1500N/mm2)、ポリブチレンナフタレート(E120=1600N/mm2)、ポリカーボネート(E120=1700N/mm2)、シンジオタクチックポリスチレン(E120=2200N/mm2)、ポリエーテルイミド(E120=1900N/mm2)、ポリアリレート(E120=1700N/mm2)、ポリスルホン(E120=1800N/mm2)、ポリエーテルスルホン(E120=1700N/mm2)等が挙げられる。ここで、弾性率とは、引張試験機を用い、JIS C2318に準拠したサンプルの標線が示すひずみと、それに対応する応力が直線的な関係を示す領域において、ひずみ量に対する応力の傾きを求めたものである。これがヤング率と呼ばれる値であり、本発明では、前記ヤング率を弾性率と定義する。
これらの構成材料は単独で用いても良く積層あるいは混合して用いても良いが、本発明のプラスチック支持体はポリエステルを主体として構成されていることが好ましい。
本発明におけるポリエステルとはエステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であるが、耐熱性、製膜性等の点からエチレンテレフタレート及び/またはエチレンナフタレート単位を主構成成分とするものが好ましく、ポリエステルの融点としては210℃〜280℃であることが好ましく、更に好ましくは220〜270℃である。これらの中でもポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートが、強度、耐熱性、耐水性および耐薬品性等に優れているため、特に好ましく用いられる。
また、本発明では、フィルムの比重が0.7〜1.2であることが好ましく、より好ましくは0.9〜1.1である。比重が0.7より小さい場合、加工性の低下、フィルム強度の低下、製膜性の悪化を引き起こすことがある。また、比重が1.2を越える場合、微細な気泡を含有する層による本発明の効果が得られにくく好ましくない。
プラスチック支持体の構成材料としてポリエステルを用いる場合には特性を損ねない範囲で他の共重合成分を含有しても良く、ジカルボン酸成分としては、例えば、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、エイコ酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキシンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多官能酸等を挙げることができる。一方、グリコール成分としては、例えば、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール等が挙げられる。さらに、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルを共重合しても良い。特にグリコール成分としてジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールを共重合したポリエステルを適量含有することにより、ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂を含有せしめる際に微分散化効果を発現し、さらに、帯電防止性と画像耐久性を付与するために塗布層を設ける際にその効果を向上させ、加工適性を向上させる点等から好ましく使用される。
なお、これらのジカルボン酸成分、グリコール成分は2種以上を併用してもよく、2種以上のポリエステルをブレンドして使用しても良い。さらに2層以上に共押出し積層フィルムとして使用しても良い。さらに、このポリエステルの中には、必要に応じて、本発明の効果が損なわれない範囲で適宜な添加剤、例えば、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、有機の易滑剤、有機系微粒子、充填剤、核剤、染料、分散剤、カップリング剤等が配合されていてもよい。
本発明のプラスチック支持体には微細な気泡を含有する層を有することが必要である。プラスチック支持体は微細な気泡を含有する層単独のみからなる構成でも、積層等により2層以上の層からなり、このうちの1層以上に微細な気泡を含有する構成でも良く、前述のような構成材料を用いることが出来るが、1層の単膜フィルムにより、本発明の効果を得ようとする場合、フィルム破れが発生し易く、製膜が不安定なため、結果的にコストが高くなる上、引っぱり強度が不足しやすい。また、1層の単膜フィルムに、微細な気泡を含有せしめるため非相溶樹脂を添加した場合、その種類によっては分散している粒子状の非相溶樹脂が脱落し、長時間製膜している間に製膜装置と接触する部分(ドラム、ロール、コーターなど)を汚染することがある。この汚染がフィルム特性に好ましくない影響を与えたり、対策として定期的に洗浄を行なうことで生産性の低下やコスト上昇を招くことになる等の問題が発生しやすい。
よって、本発明においては、微細な気泡を含有するポリエステル層(B)の少なくとも片面に無機粒子を含有するポリエステル層(A)を有する2層以上の積層構成とすることが好ましく、製膜性や引っ張り強度の点でより有利なポリエステル層(B)の両面に無機粒子を含有するポリエステル層(A)を有する3層構成とすることが更に好ましい。ポリエステル層(B)中に形成された微細な気泡により、クッション性が発現して印刷中に混入した異物に対する耐性が得られるとともにDI用途で用いた際、版胴と版材との間に入り込んだ異物による版胴からの浮き上がりを抑制して均一に露光することが可能となる。また、積層されたポリエステル層(A)との合板効果による剛性向上により、支持体フィルムの腰を損なうことなく低比重化することが可能となるため、支持体の自重による撓みが減少する。さらに、微細な気泡を含有するポリエステル層(B)の気泡による光拡散、ポリエステル層(A)に含有される無機粒子による活性光線隠蔽効果により、版胴の活性光線反射率状態の影響を受けずに安定した状態で画像露光を行うことが可能となる。
ポリエステルフィルム中に微細な気泡を含有せしめる方法としては、
(1)ポリエステルに発泡剤を含有せしめ、押出や製膜時の加熱により発泡、あるいは化学的分解により発泡させて気泡を形成する方法、
(2)ポリエステルの押出時にガスまたは気化可能物質を添加する方法、
(3)ポリエステルに該ポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂(非相溶樹脂)を添加し、それを一軸または二軸延伸することにより微細な気泡を発生させる方法、
(4)前記の非相溶樹脂の代わりに気泡形成性の無機系微粒子を多量添加する方法等が一般に用いられる。
本発明の目的の範囲内であれば、いずれの方法を用いてもよいが、製膜性、内部に含有せしめる気泡の量の調整し易さ、より微細で均一な大きさの気泡の形成し易さ、さらに軽量性などの総合的な点から、上記(3)の非相溶樹脂の使用が特に好ましい。
本発明における微細な気泡はポリエステル中に含有させた該非相溶樹脂を核として生成されたものであることが好ましい。さらに、ポリエステル層(B)の断面(厚み方向)を走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)などによって観察したとき、気泡部分の断面積(ただし、気泡生成の核となる非相溶樹脂部分は除く)の平均値が1〜25μm2であるものが好ましく、より好ましくは1.5〜20μm2、さらに2〜15μm2であることが好ましい。
本発明でいう非相溶樹脂とは、ポリエステル以外の熱可塑性樹脂であって、かつ該ポリエステルに対して非相溶性を示す熱可塑性樹脂であり、ポリエステル中では粒子状に分散し、延伸によりフィルム中に気泡を形成せしめる効果が大きい樹脂が好ましい。より具体的に述べれば、非相溶樹脂とは、ポリエステルと上記非相溶樹脂とを溶融した系を、公知の方法、好ましくは、示差走査熱量計(DSC)、動的粘弾性測定等で測定した場合に、ポリエステルに相当するガラス転移温度(以降、Tgと省略する)以外に該非相溶樹脂に相当するTgが観察される樹脂である。
このような非相溶樹脂の融点は、ポリエステルの融点よりも低温であって、かつ製膜時にフィルムを熱固定して配向させる際の温度(熱処理温度)よりも高温であることが好ましい。かかる点から該非相溶樹脂の中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテンのようなポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素系樹脂などが好ましく用いられる。これらの非相溶樹脂は単独重合体であっても共重合体であってもよく、さらには2種以上の非相溶樹脂を併用してもよい。これらの中でも、臨界表面張力の小さなポリプロピレン、ポリメチルペンテンのようなポリオレフィン樹脂が好ましく、さらにはポリメチルペンテンが最も好ましい。該ポリメチルペンテンは相対的にポリエステルとの表面張力差が大きく、かつ融点が高いため、添加量当たりの気泡形成の効果が大きいという特徴があり、非相溶樹脂として特に好ましいものである。
ポリエステル層(B)中の非相溶樹脂の含有量は、1〜35質量%が好ましく、より好ましくは2〜30質量%、さらには3〜25質量%の範囲内であることが最も好ましい。添加量が上記範囲より少ない場合にはフィルムの活性光線隠蔽性などを向上させることが難しく、逆に添加量が上記範囲より多い場合には、延伸時にフィルム破れ等が生じやすくなって、生産性が低下する場合がある。
また、ポリエステル層(B)において、非相溶樹脂の分散径が小さくなることで延伸により発生する気泡をより微細化でき、結果的にフィルムの活性光線隠蔽性や製膜性を向上させることができるので、前述したポリエステルと非相溶樹脂の他に、さらに分散剤を添加することが、より好ましい。上記の効果を示す分散剤としては、カルボキシル基やエポキシ基等の極性基やポリエステルと反応性のある官能基をもったオレフィン系の重合体または共重合体、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、界面活性剤、熱接着性樹脂等を用いることができる。もちろん、これらは単独でも2種以上を併用してもよい。分散剤を添加する方法としては、ポリエステルとの混合であるブレンド体や、ランダム共重合、ブロック共重合などの共重合化が採用できる。また両者の中間状態である部分共重合化であってもよい。
本発明のプラスチック支持体における分散剤の添加量は、0.05〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜7質量%、さらにより好ましくは0.2〜5質量%である。添加量が0.05質量%より少ない場合、気泡を微細化する効果が小さくなることがある。また、添加量が10質量%より多い場合には、逆に、非相溶樹脂を添加する効果が小さくなり、活性光線隠蔽性の低下やコスト上昇などの問題が発生しやすい。
また、本発明のプラスチック支持体においてはポリエステル層(B)に酸化防止剤を、好ましくは0.05〜1.0質量%、より好ましくは0.1〜0.5質量%含有せしめることにより一層安定したポリマー押出、製膜を行うことが可能となる。酸化防止剤としては特にヒンダードフェノール系の酸化防止剤が分散性の点から好ましい。
本発明のプラスチック支持体において、無機粒子を含有するポリエステル層(A)に使用する無機粒子は、気泡形成性を有していても、有していなくてもよく、例えば湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、珪酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化ランタン、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛(鉛白)、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、硫化亜鉛、マイカ、雲母チタン、タルク、クレー、カオリン、フッ化リチウム、フッ化カルシウムおよびカーボンブラック等を用いることができる。
また、本発明のプラスチック支持体における無機系微粒子は、ポリエステル中での平均粒子径が0.05〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。無機系微粒子の平均粒子径が上記範囲外である場合、凝集などによる無機系微粒子の均一分散性不良、あるいは粒子自身によってフィルム表面の光沢または平滑性が低下する場合があるので好ましくない。
またポリエステル層(A)中における無機系微粒子の添加量は、1〜35質量%が好ましく、より好ましくは2〜30質量%、さらには3〜25質量%の範囲にあることが最も好ましい。添加量が上記範囲より少ない場合には、ハンドリング性、加工性、フィルムの隠蔽性(光学濃度)などの特性を向上させることが難しく、逆に、添加量が上記範囲より多い場合にはフィルム表面の光沢または平滑性が低下しやすくなるなるだけでなく、延伸時にフィルム破れや後加工の際に粉発生等の不都合を生じる場合がある。これらの点から使用する無機粒子としては酸化チタン、湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、珪酸アルミが特に好適であるが、中でも酸化チタンが活性光線隠蔽性の点で好ましい。
さらに本発明のプラスチック支持体においてはポリエステル層(A)に含まれる無機粒子が酸化チタンであり、さらにポリエステル層(B)中にも酸化チタンが含有され、下式満足することが活性光線隠蔽性の向上、フィルム自身の剛性向上、加工性の向上の点から好ましい。
5≦Ta/Tb≦90
ここでTaはポリエステル層(A)における酸化チタン濃度(質量%)を、Tbはポリエステル層(B)における酸化チタン濃度(質量%)を示す。
また、本発明においては、ポリエステル層(A)とポリエステル層(B)の各層に用いられるポリエステルの種類は、同一であっても、異なっていてもよい。特に異なったポリエステルの組合せ、例えば、ポリエステル層(A)に用いられるポリエステルがポリエチレンナフタレートで、ポリエステル層(B)に用いられるポリエステルがポリエチレンテレフタレートである場合、剛性などの向上効果が得られるのでより好ましい。
なお本発明においては、ポリエステル層(A)とポリエステル層(B)を積層する方法としては、溶融製膜中の共押出により複合化する方法、あるいはそれぞれ別々に製膜した後、ラミネートする方法のいずれでもよいが、コストなどの点で前者の方法がより好ましい。
本発明をDI用平版印刷版材料に適用する場合には、プラスチック支持体の画像形成に用いられる活性光線波長における光線透過率が30%以下であることが好ましく、活性光線波長における光線反射率が50%以上であることが更に好ましい。光線透過率を30%以下にすることにより版胴の活性光線反射状態変化の影響を実質的に受けることなく安定かつ均一な画像露光が可能となる。更に光線反射率を50%以上とすることにより、より少ない活性光線照射光量で画像形成することが出来、画像記録に要する時間を短縮することが可能となる。
さらに本発明に係る支持体は、本発明の平版印刷版材料が本発明に記載の効果を奏するためには、前記平版印刷版材料を印刷機へ設置する際のハンドリング適性向上の観点から、平均膜厚が50〜500μmの範囲であり、且つ、厚み分布が10%以下であることが好ましい。
支持体の平均膜厚は、上記のように50〜500μmの範囲が好ましいが、さらに好ましくは、80〜350μmの範囲であり、特に好ましくは、100〜300μmの範囲である。
本発明に係る支持体の厚み分布(厚みの最大値と最小値の差を平均厚みで割り百分率で表した値)は、上記のように10%以下であることが好ましいが、さらに好ましくは8%以下であり、特に好ましくは6%以下である。
ここで、支持体の厚み分布の測定方法は、一辺が60cmの正方形に切り出した支持体を縦、横10cm間隔で碁盤目状に線を引き、この36点の厚みを測定し平均値と最大値、最小値を求める。
また、支持体の全厚みに対する微細な気泡を有する層の厚みの比率(微細な気泡を有する層/支持体全厚み)は支持体強度と本発明の効果が両立する0.55〜0.95の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.60〜0.90、更に好ましくは0.65〜0.85である。
本発明に係る支持体は、塗布層との接着性を向上させるために、塗布面に易接着処理や下引き層塗布を行うことが好ましい。易接着処理としては、コロナ放電処理や火炎処理、プラズマ処理、紫外線照射処理等が挙げられる。
下引き層としては、ゼラチンやラテックスを含む層等を支持体上に設けること等が好ましい。また特開平7−20596号公報段落番号0031〜0073に記載の導電性ポリマー含有層や特開平7−20596号公報段落番号0074〜0081に記載の金属酸化物含有層のような導電性層や帯電防止層を設けることが好ましい。
帯電防止剤としては、例えば、イオン性高分子化合物、界面活性剤、導電性無機微粒子、無機電解質および有機錯塩などを好ましく使用することができる。これらのうち、塗布性、バインダー樹脂や他の組成物との混和性などの点でイオン性高分子化合物が好ましく用いられる。ここでイオン性高分子化合物とは、主鎖、側鎖もしくは主鎖のペンダントとしてイオン性基を有する高分子化合物の総称である。
イオン性基としては、スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩などのアニオン性基、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルピロリジウム塩などの第4級アンモニウム塩を主成分とする化合物であるカチオン性基、ポリエーテル類、多価アルコール類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどを主成分とする化合物である非イオン性基、長鎖脂肪族基、第4級アンモニウム型の窒素とカルボキシル基またはスルホン基を持つ化合物などの両性イオン基などを用いることができる。
その具体例としては、主鎖にイオン性基を有する高分子化合物として、例えば、ピロリジウム環、ピペリジニウム環などを主鎖に有する高分子化合物、又はこれらのものに不飽和結合を有する化合物を共重合成分として含む高分子化合物を用いることができる。
また、側鎖にイオン性基を有する高分子化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンなどからなる単独重合体および/または他の成分としてポリエチレン、ポリプロピレンなどの飽和炭化水素、ポリアセチレンなどの不飽和炭化水素、アルキレンオキシドなどの共重合体を主鎖とし、リン酸塩、スルホン酸塩、ビニルスルホン酸塩、カルボン酸塩、4級アンモニウム塩などのイオン性基を側鎖に有する高分子化合物を用いることができる。
本発明においては、イオン性高分子化合物の中でも、混和性や塗布性の点から、イオン性基がアニオン性基である高分子化合物が特に好ましい。また上記のイオン性高分子化合物は単独で用いても、あるいは2種以上を組合せて用いてもよい。本発明においては、スルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体が、例えば、リサイクル時の耐熱性に優れるため、好ましく用いることができ、中でもスチレンスルホン酸金属塩が好適に使用され、スチレンスルホン酸金属塩の含有量は10〜40質量%であることが好ましい。
本発明において用いることのできるスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体としては、ポリビニルスルホン酸および/またはその塩、ポリスチレンスルホン酸および/またはその塩などである。該共重合体には、他の共重合成分が、その特性を悪化させない程度に共重合されていてもよい。他の共重合成分としては、例えば、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基など)などを用いることができる。更に、該共重合体に架橋性官能基を付与する目的で、以下のモノマーを共重合してもよい。架橋性官能基としては、カルボキシル基、水酸基、メチロール基、スルホン酸基、アミド基またはメチロール化されたアミド基、アミノ基(置換アミノ基を含む)、あるいはアルキロール化されたアミノ基、水酸基、エポキシ基、酸無水物などを例示することができる。架橋性官能基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート、および上記アミノ基をメチロール化したもの、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどを用いることができるが、これに限定されるものではない。更に、本発明においては、帯電防止性と表面pHの両立という点で、スルホン酸リチウム塩を有する共重合体が好適である。
また、バインダー樹脂としては、帯電防止剤との混和性、塗布性、さらには受容層との密着性を付与するため、例えばポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびポリビニルブチラール樹脂などの樹脂が好ましい。これらの樹脂の中でも、特にポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂がより好ましく用いられる。もちろん、これらの樹脂は単独で用いても、2種以上を混合あるいは共重合体として組合せて用いてもよい。特に本発明においては、耐ブロッキング性、接着性、帯電防止剤との相溶性の点から、ガラス転移温度が10〜80℃のアクリル樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
本発明において、バインダー樹脂の併用形態としては、帯電防止剤と共重合したものとしても、あるいは両者を混合して用いてもよいが、後者の方が受容層との密着性あるいは選択範囲や応用範囲の広さから、より好ましいものである。また、帯電防止剤とバインダー樹脂との割合(質量比)は、本発明の範囲内であれば特に限定されないが、例えば、5/95〜95/5が好ましく、より好ましくは10/90〜90/10である。また特にイオン性高分子化合物をバインダー樹脂と混合して使用する場合については、勿論任意の比率で混合して用いることができるが、本発明の効果をより顕著に発現させるために、固形分質量比で、イオン性高分子化合物/バインダー樹脂が40/60〜10/90が好ましく、より好ましくは35/65〜15/85である。用いられるイオン性高分子化合物によって該混合比は変更されるが、上記範囲より多すぎると接着性が低下したり、また、少なすぎると帯電防止性が得られにくくなる。
また、本発明に係る積層膜においては、イオン性高分子化合物とバインダー樹脂に、架橋剤が添加されてもよく、任意の比率で混合して用いることができるが、本発明の効果をより顕著に発現させるには、以下の比率で混合するとよい。
メラミン系架橋剤は、樹脂に対し0.2〜20質量部添加が接着性向上の点で好ましく、より好ましくは0.5〜15質量部添加、最も好ましくは1〜10質量部添加である。メラミン系架橋剤の添加量が、20質量部添加を超える場合は、接着性や帯電防止性が低下する傾向がある。
オキサゾリン系架橋剤は、樹脂に対し0.2〜20質量部添加が接着性向上の点で好ましく、より好ましくは0.5〜15質量部添加、最も好ましくは1〜10質量部添加である。オキサゾリン系架橋剤の添加量が、20質量部添加を超える場合は、接着性や帯電防止性が低下する傾向がある。
上記帯電防止層には、本発明の目的を阻害しない範囲内であれば、他の添加剤、例えば架橋剤、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、有機の易滑剤、有機系もしくは無機系の微粒子、充填剤、核剤、染料、分散剤等を含有させてもよい。
本発明における、帯電防止層の形成方法は、帯電防止層形成塗液を積層ポリエステルフィルムのポリエステル層(A)側に塗布、乾燥して設ける方法が好ましい。帯電防止層形成塗液の塗布方法としては、例えば、リバース(ロール)コート、グラビアコート、ナイフコート、エアーナイフコート、ロールコート、ブレードコート、ビードコート、回転スクリーンコート、スロットオリフィスコート、ロッドコート、バーコート、ダイコート、スプレーコート、カーテンコート、ダイスロットコート、チャンプレックスコート、ブラシコート、ツーコート、メータリングブレード式のサイズプレスコート、ビルブレードコート、ショートドウェルコート、ゲートロールコート、グラビアリバースコート、エクストルージョンコート、押出コートなどの方法を用いることができる。
また、帯電防止層形成塗液の塗布工程としては、積層ポリエステルフィルムの製膜工程内で塗布する方法(インラインコート)、製膜後のフィルム上に塗布、乾燥する方法(オフラインコート)のいずれの方法であってもよいが、インラインコートは、均一塗布、薄膜塗布および経済性などの点でより優れた方法である。また、コート前のフィルムには塗布性改良を目的として、予めその表面にコロナ放電処理、プラズマ処理などの前処理を施しておくことも可能である。
また、該帯電防止層形成塗液の液媒体は、水系、溶剤系あるいは両者混合系のいずれの液媒体でもよいが、インラインコート法により帯電防止層を設ける場合には、取扱性や防爆などの安全性の点で水系または水を主体とした両者混合系の液媒体が好ましく用いられる。
帯電防止層の厚みは、0.01〜10μmが好ましく、より好ましくは0.02〜5μmである。帯電防止層の厚みが0.01μmより薄い場合、帯電防止性が不十分となり易い。一方、帯電防止層の厚みが10μmより厚い場合には、コート時に帯電防止層形成塗液の塗布性が低下したり、高コストとなって経済性が低下することがあるため好ましくない導電性層や帯電防止層はプラスチック支持体上であればいずれの側に塗設されてもよいが、好ましくは支持体に対し親水性層の反対側に塗設するのが好ましい。この導電性層や帯電防止層を設けると帯電性が改良されて浮遊ゴミなどの付着が減少し、印刷時の白抜け故障などが大幅に減少する。
本発明の微細な気泡を有するプラスチック支持体は、例えば次の一例に示したような方法により製造される。しかしながら、本発明はかかる例のみに限定されるものではない。
まず、押出機(A)と押出機(B)を有する複合製膜装置において、ポリエステル層(B)を形成するため、真空乾燥したポリエステルのチップ、必要に応じて真空乾燥した非相溶樹脂のチップとを、非相溶樹脂が1〜35質量%となるように混合し、これを260〜300℃に加熱された押出機(B)に供給し、溶融してTダイ複合口金内に導入する。この原料には、必要に応じて分散剤を0.05〜10質量%添加してもよい。また、非相溶樹脂の添加は、予めマスターチップとしたものを真空乾燥して使用してもよい。一方、ポリエステル層(A)を積層するため、ポリエステルのチップおよび無機系微粒子のマスターチップを、無機系微粒子が1〜35質量%となるよう混合し、充分に真空乾燥する。この原料には、必要に応じて蛍光増白剤を0.01〜1.5質量%添加せしめてもよい。次に、この乾燥原料を、260〜300℃に加熱された押出機(A)に供給し、同様に溶融してTダイ複合口金内に導入し、押出機(A)のポリマーが押出機(B)のポリマーの表層(片面)あるいは両表層(両面)にくるように積層してシート状に共押出成形し、溶融積層シートを得る。
この溶融積層シートを、表面温度10〜60℃に冷却されたドラム上で静電気により密着冷却固化し、未延伸積層フィルムを作製する。該未延伸積層フィルムを70〜120℃に加熱したロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に2〜5倍延伸し、20〜30℃のロール群で冷却する。
続いて、長手方向に延伸したフィルムのポリエステル層(A)側にコロナ放電処理を施した後、該処理面に帯電防止層形成塗液を塗布する。この帯電防止層形成塗液を塗布されたフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、90〜150℃に加熱した雰囲気中で長手方向に垂直な方向(横方向)に2〜5倍に延伸する。延伸倍率は、縦、横それぞれ2〜5倍とするが、その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は6〜20倍であることが好ましい。面積倍率が6倍未満であると得られるフィルムの活性光線隠蔽性やフィルム強度が不十分となり、逆に面積倍率が20倍を超えると延伸時に破れを生じ易くなる傾向がある。
このようにして得られた二軸延伸積層フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて150〜240℃で1〜30秒間の熱処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取ることにより、本発明の積層ポリエステルフィルムを得ることができる。なお、上記熱処理工程中では、必要に応じて横方向あるいは縦方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。また、二軸延伸は逐次延伸あるいは同時二軸延伸のいずれでもよく、また二軸延伸後に縦、横いずれかの方向に再延伸してもよい。
このようにして得られた微細な気泡を有するプラスチックフィルムを平版印刷版材料の支持体として用いることにより、本発明の目的が達成される。
本発明におけるプラスチック支持体の微細な気泡の有無、各層の厚み、比重、支持体の光線透過率、支持体の光線反射率は下記方法により判定・算出・測定を行った。
(微細な気泡の有無)
フィルムの断面を、走査型電子顕微鏡S−2100A形((株)日立製作所製)を用いて500〜5,000倍に拡大観察して撮影した断面写真より、微細な気泡の含有の有無を調べた。気泡含有の有無の判定は、断面写真の気泡部分の平均断面積を真円に換算したときの平均値として求めたとき1μm2以上ならば「気泡有り」、1μm2未満ならば「気泡無し」とした。ただし、2個以上の互いに隣接した気泡同士が連結している場合には、一つの気泡として計算した。
(各層の厚み)
断面写真より各ポリエステル層の厚み方向の長さを計測し、拡大倍率から逆算して各層の厚みを求めた。なお、気泡部分の断面積、各ポリエステル層の厚みを求めるに当たっては、互いに異なる測定視野から任意に選んだ計5箇所の断面写真を使用し、その平均値として算出した。
(比重)
プラスチック支持体を50mm×60mmの大きさにカットして得た試料サンプルを、高精度電子比重計SD−120L(ミラージュ貿易(株)製)を用い、JIS K−7112のA法(水中置換法)に準じて測定した。なお、測定は温度23℃、相対湿度65%の条件下にて行なった。
(支持体の光線透過率)
プラスチック支持体を分光光度計U2000型(日立製作所(株)製)を用い、ブランク(空気)の透過光線強度を100%としたときの相対光線強度を測定し、支持体の光線透過率とした。
(支持体の光線反射率)
プラスチック支持体に測定しようとする波長における反射率が5%以下のバッキングシートを支持体裏面に重ね、分光光度計U3210型(日立製作所(株)製)を用い酸化マグネシウム標準白板の反射光線強度を100%としたときの相対光線強度を測定し、支持体の光線反射率とした。
(自重撓み量)
プラスチック支持体をカール凹面を上にして水平面に静置した時に端部の浮き上がりが3mm以内である300mm×100mm大の試料サンプルを用い、このうち150mm×100mmが非接触の自由端部となるようにクランプを用いて均一かつ水平に把持した際、把持されていない自由端部と把持水平面との法線距離を自重撓み量(mm)とした。尚、端部の浮き上がりが3mm以上であった場合には常温にてデカール処理を行い、端部の浮き上がりが3mmとなった後に測定を行った。
次に本発明の平版印刷版材料の親水性層について説明する。親水性層に用いられる具体的な素材としては次のような物が挙げられる。親水性マトリックスを形成する素材としては金属酸化物が好ましく、更に好ましくは金属酸化物微粒子を含むことが好ましい。
例えばコロイダルシリカ、アルミナゾル、チタニアゾル、その他の金属酸化物のゾルが挙げられ、金属酸化物の形態としては、球状、羽毛状その他のいずれの形態でもよく、平均粒径としては3〜100nmであることがこのましく、平均粒径が異なる数種の金属酸化物微粒子を併用することもできる。また、粒子表面に表面処理がなされていてもよい。
上記金属酸化物粒子はその造膜性を利用して結合剤としての使用が可能である。有機の結合剤を用いるよりも親水性の低下が少なく、親水性層への使用に適している。
本発明には、上記の中でも特にコロイダルシリカが好ましく使用できる。コロイダルシリカは比較的低温の乾燥条件であっても造膜性が高いという利点が有り、良好な強度を得ることが出来る。
上記コロイダルシリカとしては、後述するネックレス状コロイダルシリカ、平均粒径20nm以下の微粒子コロイダルシリカを含む事が好ましく、さらに、コロイダルシリカはコロイド溶液としてアルカリ性を呈することが好ましい。
本発明に用いられるネックレス状コロイダルシリカとは1次粒子径がnmのオーダーである球形シリカの水分散径の総称である。
本発明に用いられるネックレス状コロイダルシリカとは1次粒子径が10〜50nmの球形コロイダルシリカが50〜400nmの長さに結合した「パールネックレス状」のコロイダルシリカを意味する。
パールネックレス状(すなわち真珠ネックレス状)とは、コロイダルシリカのシリカ粒子が連なって結合した状態のイメージが真珠ネックレスのような形状をしていることを意味する。
ネックレス状コロイダルシリカを構成するシリカ粒子同士の結合は、シリカ粒子表面に存在する−SiOH基が脱水結合した−Si−O−Si−と推定される。
ネックレス状のコロイダルシリカとしては具体的には日産化学工業(株)性の「スノーテックス−PS」シリーズなどが挙げられる。製品名としては「スノーテックス−PS−S(連結した状態の平均粒子径は110nm程度)」、「スノーテックス−PS−M(連結した状態の平均粒子系は120nm程度)」及び「スノーテックス−PS−L(連結した状態の平均粒子径は170nm程度)」があり、これらにそれぞれ対応する酸性の製品が「スノーテックス−PS−S−O」、「スノーテックス−PS−M−O」および「スノーテックス−PS−L−O」である。
ネックレス状コロイダルシリカを添加することにより、層の多孔性を確保しつつ、強度を維持することが可能となり、親水性層マトリックスの多孔質化材として好ましく使用できる。このなかでもアルカリ性である「スノーテックスPS−S」、「スノーテックス−PS−M」及び「スノーテックス−PS−L」を用いると、親水性層の強度が向上し、また印刷枚数が多い場合でも地汚れの発生が抑制され、特に好ましい。
また、コロイダルシリカは粒子系が小さいほど結合力が強くなることが知られており、本発明には平均粒径が20nm以下であるコロイダルシリカを用いることが好ましく3〜15nmであることが更に好ましい。又、前述のようにコロイダルシリカの中ではアルカリ性の物が地汚れ発生を抑制する効果が高いため、アルカリ性のコロイダルシリカを使用することが特に好ましい。
平均粒径がこの範囲にあるアルカリ性のコロイダルシリカ日産化学性の「スノーテックス20(粒子径10〜20nm)」、「スノーテックス−30(粒子系10〜20nm)」、「スノーテックス−40(粒子径10〜20nm)」、「スノーテックス−N(粒子径10〜20nm)」、「スノーテックス−S(粒子径8〜11nm)」、「スノーテックス−XS(粒子径4〜6nm)」が挙げられる。
平均粒径が20nm以下であるコロイダルシリカは前述のネックレス状コロイダルシリカと併用することで、層の多孔質性維持しながら、強度をさらに向上させることが可能となり、特に好ましい。
平均粒径が20nm以下であるコロイダルシリカ/ネックレス状コロイダルシリカの比率は95/5〜5/95が好ましく、70/30〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が更に好ましい。
本発明の親水性層マトリックスの多孔質化材として粒径が1μm未満の多孔質金属酸化物粒子を含有することが出来る。多孔質金属酸化物粒子としては、後述する多孔質シリカまたは多孔質アルミノシリケート粒子もしくはゼオライト粒子を好ましく用いることが出来る。
多孔質シリカ粒子は一般に湿式法または乾式法により製造される。湿式法ではケイ酸塩水溶液を中和して得られるゲルを乾燥、粉砕するか、中和して析出した沈降物を粉砕することで得ることが出来る。乾式法では四塩化ケイ素を水素と酸素とともに燃焼し、シリカを析出することで得られる。
これらの粒子は製造条件の調整により多孔性や粒径を制御することが可能である。多孔質シリカ粒子としては、湿式法のゲルから得られるものがとくに好ましい。
多孔質アルミノシリケート粒子は例えば特開平10−71764号に記載されている方法により製造される。即ちアルミニウムアルコキシドとケイ素アルコキシドを主成分として加水分解法により合成された非晶質な複合体粒子である。粒子中のアルミナとシリカの比率は1:4〜4:1の範囲で合成することが可能である。又、製造時にその他の金属アルコキシドを添加して3成分系以上の複合体粒子として製造したものも本発明に使用できる。これらの複合体粒子も製造条件の調整により多孔性や粒径を制御することが可能である。
粒子の多孔性としては細孔容積で0.5ml/g以上であることが好ましく、0.8ml/g以上であることがより好ましく、1.0〜2.5ml/g以下であることが更に好ましい。
細孔容積は塗膜の保水性と密接に関連しており、細孔容積が大きいほど保水性が良好となって印刷時に汚れにくく、水量ラチチュードも広くなるが、2.5ml/gよりも大きくなると粒子自体が非常に脆くなるため塗膜の耐久性が低下する。細孔容積が0.5ml/g未満の場合には、印刷性能がやや不十分となる場合がある。本発明の多孔質化材としては、ゼオライトも使用できる。
ゼオライトは結晶性のアルミノケイ酸塩であり、細孔径が0.3〜1nmの規則正しい三次元網目構造の空隙を有する多孔質体である。天然及び合成ゼオライトを合わせた一般式は、次のように表される。
(M1、(M20.5m(AlmSin2(m+n)・xH2
ここで、M1、M2は交換性のカチオンであって、M1はLi+、Na+、K+、Tl+、Me4+(TMA)、Et4+(TEA)、Pr4+(TPA)、C7152+、C816+等であり、M2はCa2+、Mg2+、Ba2+、Sr2+、C8182 2+等である。また、n≧mであり、m/nの値つまりはAl/Si比率は1以下となる。Al/Si比率が高いほど交換性カチオンの量が多く含まれるため極性が高く、従って親水性も高い。好ましいAl/Si比率は0.4〜1.0であり、更に好ましくは0.8〜1.0である。xは整数を表す。
本発明で使用するゼオライト粒子としては、Al/Si比率が安定しており、又粒径分布も比較的シャープである合成ゼオライトが好ましく、例えばゼオライトA:Na12(Al12Si1248)・27H2O;Al/Si比率1.0、ゼオライトX:Na86(Al86Si106384)・264H2O;Al/Si比率0.811、ゼオライトY:Na56(Al56Si136384)・250H2O;Al/Si比率0.412等が挙げられる。
Al/Si比率が0.4〜1.0である親水性の高い多孔質粒子を含有することで、親水性層自体の親水性も大きく向上し、印刷時に汚れにくく、水量ラチチュードも広くなる。また、指紋跡の汚れも大きく改善される。Al/Si比率が0.4未満では親水性が不充分であり、上記性能の改善効果が小さくなる。
また、本発明の平版印刷版材料の親水性層マトリクスは層状粘土鉱物粒子を含有することができる。該層状鉱物粒子としては、カオリナイト、ハロイサイト、タルク、スメクタイト(モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サボナイト等)、バーミキュライト、マイカ(雲母)、クロライトといった粘土鉱物及び、ハイドロタルサイト、層状ポリケイ酸塩(カネマイト、マカタイト、アイアライト、マガディアイト、ケニヤアイト等)等が挙げられる。中でも、単位層(ユニットレイヤー)の電荷密度が高いほど極性が高く、親水性も高いと考えられる。好ましい電荷密度としては0.25以上、更に好ましくは0.6以上である。このような電荷密度を有する層状鉱物としては、スメクタイト(電荷密度0.25〜0.6;陰電荷)、バーミキュライト(電荷密度0.6〜0.9;陰電荷)等が挙げられる。特に、合成フッ素雲母は粒径等安定した品質のものを入手することができ好ましい。又、合成フッ素雲母の中でも、膨潤性であるものが好ましく、自由膨潤であるものが更に好ましい。
又、上記の層状鉱物のインターカレーション化合物(ピラードクリスタル等)や、イオン交換処理を施したもの、表面処理(シランカップリング処理、有機バインダとの複合化処理等)を施したものも使用することができる。
平板状層状鉱物粒子のサイズとしては、層中に含有されている状態で(膨潤工程、分散剥離工程を経た場合も含めて)、平均粒径(粒子の最大長)が1μm未満であり、平均アスペクト比が50以上であることが好ましい。粒子サイズが上記範囲にある場合、薄層状粒子の特徴である平面方向の連続性及び柔軟性が塗膜に付与され、クラックが入りにくく乾燥状態で強靭な塗膜とすることができる。また、粒子物を多く含有する塗布液においては、層状粘土鉱物の増粘効果によって、粒子物の沈降を抑制することができる。粒子径が上記範囲より大きくなると、塗膜に不均一性が生じて、局所的に強度が弱くなる場合がある。又、アスペクト比が上記範囲以下である場合、添加量に対する平板状の粒子数が少なくなり,増粘性が不充分となり、粒子物の沈降を抑制する効果が低減する。
層状鉱物粒子の含有量としては、層全体の0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。特に膨潤性合成フッ素雲母やスメクタイトは少量の添加でも効果が見られるため好ましい。層状鉱物粒子は、塗布液に粉体で添加してもよいが、簡便な調液方法(メディア分散等の分散工程を必要としない)でも良好な分散度を得るために、層状鉱物粒子を単独で水に膨潤させたゲルを作製した後、塗布液に添加することが好ましい。
本発明の親水性層マトリクスにはその他の添加素材として、ケイ酸塩水溶液も使用することができる。ケイ酸Na、ケイ酸K、ケイ酸Liといったアルカリ金属ケイ酸塩が好ましく、そのSiO2/M2O比率はケイ酸塩を添加した際の塗布液全体のpHが13を超えない範囲となるように選択することが無機粒子の溶解を防止する上で好ましい。
また、金属アルコキシドを用いた、いわゆるゾル−ゲル法による無機ポリマーもしくは有機−無機ハイブリッドポリマーも使用することができる。ゾル−ゲル法による無機ポリマーもしくは有機−無機ハイブリッドポリマーの形成については、例えば「ゾル−ゲル法の応用」(作花済夫著/アグネ承風社発行)に記載されているか、又は本書に引用されている文献に記載されている公知の方法を使用することができる。
また,水溶性樹脂を含有してもよい。水溶性樹脂としては、多糖類、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、ビニル系重合体ラテックス、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の樹脂が挙げられる。が、本発明に用いられる水溶性樹脂としては、多糖類を用いることが好ましい。
多糖類としては、デンプン類、セルロース類、ポリウロン酸、プルランなどが使用可能であるが、特にメチルセルロース塩、カルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシエチルセルロース塩等のセルロース誘導体が好ましく、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩やアンモニウム塩がより好ましい。
これは、親水性層に多糖類を含有させることにより、親水性層の表面形状を好ましい状態形成する効果が得られるためである。
親水性層の表面は、PS版のアルミ砂目のように0.1〜20μmピッチの凹凸構造を有することが好ましく、この凹凸により保水性や画像部の保持性が向上する。
このような凹凸構造は、親水性層マトリクスに適切な粒径のフィラーを適切な量含有させて形成することも可能であるが、親水性層の塗布液に前述のアルカリ性コロイダルシリカと前述の水溶性多糖類とを含有させ、親水性層を塗布、乾燥させる際に相分離を生じさせて形成することがより良好な印刷適性を有する構造を得ることができ、好ましい。
凹凸構造の形態(ピッチ及び表面粗さなど)はアルカリ性コロイダルシリカの種類及び添加量、水溶性多糖類の種類及び添加量、その他添加材の種類及び添加量、塗布液の固形分濃度、ウエット膜厚、乾燥条件等で適宜コントロールすることが可能である。
本発明で親水性マトリクスに添加される水溶性樹脂は、少なくともその一部が水溶性の状態のまま、水に溶出可能な状態で存在することが好ましい。水溶性の素材であっても、架橋剤等によって架橋し、水に不溶の状態になると、その親水性は低下して印刷適性を劣化させる懸念があるためである。
又、さらにカチオン性樹脂を含有しても良く、カチオン性樹脂としては、ポリエチレンアミン、ポリプロピレンポリアミン等のようなポリアルキレンポリアミン類又はその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等が挙げられる。カチオン性樹脂は微粒子状の形態で添加しても良い。これは、例えば特開平6−161101号に記載のカチオン性マイクロゲルが挙げられる。
また、本発明の親水性層の塗布液には、塗布性改善等の目的で水溶性の界面活性剤を含有させることができる。Si系、又はF系等の界面活性剤を使用することができるが、特にSi元素を含む界面活性剤を使用することが印刷汚れを生じる懸念がなく、好ましい。該界面活性剤の含有量は親水性層全体(塗布液としては固形分)の0.01〜3質量%が好ましく、0.03〜1質量%が更に好ましい。
また、本発明の親水性層はリン酸塩を含むことができる。本発明では親水性層の塗布液がアルカリ性であることが好ましいため、リン酸塩としてはリン酸三ナトリウムやリン酸水素二ナトリウムとして添加することが好ましい。リン酸塩を添加することで、印刷時の網の目開きを改善する効果が得られる。リン酸塩の添加量としては、水和物を除いた有効量として、0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜2質量%が更に好ましい。
また、後述する光熱変換素材を含有することもできる。光熱変換素材としては、粒子状素材の場合は粒径が1μm未満であることが好ましい。
本発明では粒径が1μm以上の無機粒子もしくは無機素材で被覆された粒子を含有することが好ましい。
多孔質、無孔質、有機樹脂粒子、無機微粒子を問わず用いても良く、無機フィラーとしてはシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、カーボンブラック、グラファイト、TiO2、BaSO4、ZnS、MgCO3、CaCO3、ZnO、CaO、WS2、MoS2、MgO、SnO2、Al23、α−Fe23、SiC、CeO2、BN、SiN、MoC、BC、WC、チタンカーバイド、コランダム、人造ダイアモンド、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、トリボリ、ケイソウ土、ドロマイト等の無機フィラーやポリエチレン樹脂粒子、フッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等の有機フィラーを挙げることができる。チタンカーバイド、コランダム、人造ダイアモンド、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、トリボリ、ケイソウ土、ドロマイト等、有機フィラーとしてはポリエチレン微粒子、フッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等を挙げることが出来る。また無機被服フィラーとしてはたとえばPMMAやポリスチレン、メラミンといった有機粒子の芯剤を芯剤粒子よりも中継の小さな無機粒子で被覆した粒子が挙げられる。無機粒子の粒径としては芯材粒子の1/10〜1/100程度であることが好ましい。また,無機粒子としては、同様にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなど公知の金属酸化物粒子を用いることができる。被覆方法としては、種々の公知の方法を用いることができるが、ハイブリダイザのような空気中で芯材粒子と被覆材粒子とを高速に衝突させて芯材粒子表面に被覆材粒子を食い込ませて固定、被覆する乾式の被覆方法を好ましく用いることができる。
また、有機粒子の芯材を金属メッキした粒子も用いることができる。このような粒子としては、例えば、樹脂粒子に金メッキを施した積水化学工業社製の「ミクロパールAU」等が挙げられる。
本発明においては、特に制限無く効果が発揮できるが、特に塗布液中での沈降を抑制するためには多孔質シリカ粒子、多孔質アルミノシリケート粒子等の多孔質無機フィラー、多孔質無機被服フィラーを用いるのがよい。
粒径は1〜12μmが好ましく、1.5〜8μmがより好ましく、2〜6μmがさらに好ましい。粒径が12μmを超えると、画像形成の解像度の低下や、ブランケット汚れの劣化が生じる懸念がある 粒径が1μm以上の粒子の添加量としては、親水性層全体の1〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。
親水性層全体としては、有機樹脂やカーボンブラック等の炭素を含有する素材の含有比率が低いことが親水性を向上させるために好ましく、これらの素材の合計が9質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましい。
本発明の形態として、下層を設けてもよい。下層を設ける場合には、下層に用いる素材としては、親水性層と同様の素材を用いることができる。ただし、下層は多孔質であることの利点が少なく、また、より無孔質である方が塗膜強度が向上するといった理由から、親水性マトリクスの多孔質化材の含有量は親水性層よりも少ないことが好ましく、含有しないことがより好ましい。粒径が1μm以上の粒子の添加量としては、下層全体の1〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。
下層全体としても親水性層と同様に、有機樹脂やカーボンブラック等の炭素を含有する素材の含有比率が低いことが親水性を向上させるために好ましく、これらの素材の合計が9質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましい。
本発明はプラスチック支持体上に親水性層を有する平版印刷版材料であれば、画像の記録方式に依らず適用することが可能であるが、画像形成機能層を有する平版印刷版材料、中でも熱溶融性または熱融着微粒子を含有する画像形成機能層を有する平版印刷版材料に好ましく用いられる。この際、画像形成機能層は親水性層を兼ねていても良い。
本発明の熱溶融性およびまたは熱融着性微粒子を含有する画像形成機能層には以下のような素材を含有させることができる。本発明に用いられる熱溶融性微粒子とは、熱可塑性素材の中でも特に溶融した際の粘度が低く、一般的にワックスとして分類される素材で形成された微粒子である。物性としては、軟化点40℃以上120℃以下、融点60℃以上150℃以下であることが好ましく、軟化点40℃以上100℃以下、融点60℃以上120℃以下であることが更に好ましい。融点が60℃未満では保存性が問題であり、融点が300℃よりも高い場合はインク着肉感度が低下する。
使用可能な素材としては、パラフィン、ポリオレフィン、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、脂肪酸系ワックス等が挙げられる。これらは分子量800から10000程度のものである。又、乳化しやすくするためにこれらのワックスを酸化し、水酸基、エステル基、カルボキシル基、アルデヒド基、ペルオキシド基などの極性基を導入することもできる。更には、軟化点を下げたり作業性を向上させるためにこれらのワックスにステアロアミド、リノレンアミド、ラウリルアミド、ミリステルアミド、硬化牛脂肪酸アミド、パルミトアミド、オレイン酸アミド、米糖脂肪酸アミド、ヤシ脂肪酸アミド又はこれらの脂肪酸アミドのメチロール化物、メチレンビスステラロアミド、エチレンビスステラロアミドなどを添加することも可能である。又、クマロン−インデン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、アクリル樹脂、アイオノマー、これらの樹脂の共重合体も使用することができる。
これらの中でもポリエチレン、マイクロクリスタリン、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸の何れかを含有することが好ましい。これらの素材は融点が比較的低く、溶融粘度も低いため、高感度の画像形成を行うことができる。又、これらの素材は潤滑性を有するため、平版印刷版材料の表面に剪断力が加えられた際のダメージが低減し、擦りキズ等による印刷汚れ耐性が向上する。
又、熱溶融性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。平均粒径が0.1μmよりも小さい場合、熱溶融性微粒子を含有する層の塗布液を後述する多孔質な親水性層上に塗布した際に、熱溶融性微粒子が親水性層の細孔中に入り込んだり、親水性層表面の微細な凹凸の隙間に入り込んだりしやすくなり、機上現像が不十分になって、地汚れの懸念が生じる。熱溶融性微粒子の平均粒径が10μmよりも大きい場合には、解像度が低下する。
又、熱溶融性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。層中の熱溶融性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がさらに好ましい。
本発明の熱融着性微粒子としては、熱可塑性疎水性高分子重合体微粒子が挙げられ、該熱可塑性疎水性高分子重合体粒子の軟化温度に特定の上限はないが、温度は高分子重合体微粒子の分解温度より低いことが好ましい。高分子重合体の質量平均分子量(Mw)は10、000〜1、000、000の範囲であることが好ましい。
高分子重合体微粒子を構成する高分子重合体の具体例としては、例えば、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−ブタジエン共重合体等のジエン(共)重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の合成ゴム類、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、メチルアクリレート−(N−メチロールアクリルアミド)共重合体、ポリアクリロニトリル等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体等のビニルエステル(共)重合体、酢酸ビニル−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン等及びそれらの共重合体が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ビニルエステル(共)重合体、ポリスチレン、合成ゴム類が好ましく用いられる。
高分子重合体微粒子は乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、気相重合法等、公知の何れの方法で重合された高分子重合体からなるものでもよい。溶液重合法又は気相重合法で重合された高分子重合体を微粒子化する方法としては、高分子重合体の有機溶媒に溶解液を不活性ガス中に噴霧、乾燥して微粒子化する方法、高分子重合体を水に非混和性の有機溶媒に溶解し、この溶液を水又は水性媒体に分散、有機溶媒を留去して微粒子化する方法等が挙げられる。又、何れの方法においても、必要に応じ重合あるいは微粒子化の際に分散剤、安定剤として、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等の界面活性剤やポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を用いてもよい。
又、熱可塑性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。平均粒径が0.01μmよりも小さい場合、熱溶融性微粒子を含有する層の塗布液を後述する多孔質な親水性層上に塗布した際に、熱溶融性微粒子が親水性層の細孔中に入り込んだり、親水性層表面の微細な凹凸の隙間に入り込んだりしやすくなり、機上現像が不十分になって、地汚れの懸念が生じる。熱溶融性微粒子の平均粒径が10μmよりも大きい場合には、解像度が低下する。
又、熱可塑性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。層中の熱可塑性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がさらに好ましい。
本発明の熱溶融性およびまたは熱融着性微粒子を含有する画像形成機能層にはさらに水溶性素材を含有することができる。水溶性素材を含有することにより、印刷機上で湿し水やインクを用いて未露光部の画像形成機能層を除去する際に、その除去性を向上させることができる。
水溶性素材としては、親水性層に含有可能な素材として挙げた水溶性樹脂を用いることもできるが、本発明の画像形成機能層としては、糖類を用いることが好ましく、特にオリゴ糖を用いることが好ましい。
オリゴ糖は水に速やかに溶解するため、印刷装置上での未露光部の画像形成機能層の除去も非常に速やかとなり、特別な除去操作を意識することなく、通常のPS版の刷出し操作と同様の操作で刷出すことで除去可能であり、刷出しの損紙が増加することもない。
また、オリゴ糖は親水性層の親水性を低下させる懸念もなく、親水性層の良好な印刷適性を維持することができる。
オリゴ糖は水に可溶の一般に甘みを有する結晶性物質で、数個の単糖がグリコシド結合によって脱水縮合したものである。オリゴ糖は糖をアグリコンとする一種のo−グリコシドであるから、酸で容易に加水分解されて単糖を生じ、生成する単糖の分子数によって二糖、三糖、四糖、五糖などに分類される。本発明におけるオリゴ糖とは、二糖〜十糖までのものをいう。
これらのオリゴ糖は還元基の有無によって、還元性オリゴ糖と非還元性オリゴ糖とに大別され、又単一の単糖から構成されているホモオリゴ糖と、2種類以上の単糖から構成されているヘテロオリゴ糖にも分類される。
オリゴ糖は遊離状又は配糖類として天然に存在し、又多糖の酸又は酵素による部分加水分解によっても得られる。この他酵素によるグリコシル転移によっても種々のオリゴ糖が生成する。オリゴ糖は通常雰囲気中では水和物として存在することが多い。又、水和物と無水物とでは融点が異なる。
本発明では糖類を含有する層を水溶液で塗布形成することが好ましいため、水溶液から形成された場合は、層中に存在するオリゴ糖が水和物を形成するオリゴ糖である場合は、その融点は水和物の融点であると考えられる。このように、比較的低融点を有しているため、熱溶融微粒子が溶融する温度範囲や熱融着微粒子が融着する温度範囲でオリゴ糖も溶融し、熱溶融微粒子の多孔質親水性層への溶融浸透や熱融着微粒子の融着といった画像形成を妨げることがない。
オリゴ糖の中でもトレハロースは、比較的純度の高い状態のものが工業的に安価に入手可能可能であり、水への溶解度が高いにもかかわらず、吸湿性は非常に低く、機上現像性及び保存性共に非常に良好である。
又、オリゴ糖水和物を熱溶融させて水和水を除去した後に凝固させると(凝固後短時間のうちは)無水物の結晶となるが、トレハロースは水和物よりも無水物の融点が100℃以上も高いことが特徴的である。これは赤外線露光で熱溶融し、再凝固した直後は露光済部は高融点で溶融しにくい状態となることを意味し、バンディング等の露光時の画像欠陥を起こしにくくする効果がある。
本発明の目的を達成するには、オリゴ糖の中でも特にトレハロースが好ましい。層中のオリゴ糖の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、10〜80質量%がさらに好ましい。
本発明のひとつの態様の平版印刷版材料の画像形成は熱により行うことができるが、特に赤外線レーザーによる露光によって画像形成を行うことが好ましい。
本発明に関する露光に関し、より具体的には、赤外および/または近赤外領域で発光する、すなわち700〜1500nmの波長範囲で発光するレーザーを使用した走査露光が好ましい。レーザーとしてはガスレーザーを用いてもよいが、近赤外領域で発光する半導体レーザーを使用することが特に好ましい。
本発明の走査露光に好適な装置としては、該半導体レーザーを用いてコンピュータからの画像信号に応じて平版印刷版材料表面に画像を形成可能な装置であればどのような方式の装置であってもよい。
一般的には、
(1)平板状保持機構に保持された平版印刷版材料に一本もしくは複数本のレーザービームを用いて2次元的な走査を行って平版印刷版材料全面を露光する方式、
(2)固定された円筒状の保持機構の内側に、円筒面に沿って保持された平版印刷版材料に、円筒内部から一本もしくは複数本のレーザービームを用いて円筒の周方向(主走査方向)に走査しつつ、周方向に直角な方向(副走査方向)に移動させて平版印刷版材料全面を露光する方式、
(3)回転体としての軸を中心に回転する円筒状ドラム表面に保持された平版印刷版材料に、円筒外部から一本もしくは複数本のレーザービームを用いてドラムの回転によって周方向(主走査方向)に走査しつつ、周方向に直角な方向(副走査方向)に移動させて平版印刷版材料全面を露光する方式があげられる。
本発明に関しては特に(3)の走査露光方式が好ましく、特に印刷装置上で露光を行う装置においては、(3)の露光方式が用いられる。また、本発明の平版印刷版材料においては、その親水性層表面に直接、親油性素材を画像様に付与することによっても画像形成が可能である。
親油性素材を画像様に付与する方法のひとつとして、公知の熱転写方式を用いる方法が挙げられる。具体的には熱転写方式のプリンタを用いて、サーマルヘッドにより熱溶融性インク層を有するインクリボンから熱溶融性インクを親水性層表面に画像様に転写させる方法が挙げられる。
また、赤外線レーザー熱溶融転写方式のデジタルプルーフ装置を用いて、露光ドラム上に平版印刷版材料を親水性層を外側にして巻付け、その上にさらに熱溶融性インク層を有したインクシートをインク面を親水性層に接して巻付け、画像様に赤外線レーザーで露光し、熱溶融性インクを親水性層表面に画像様に転写させる方法も挙げることができる。この場合、光熱変換素材は親水性層が含有していてもよいし、インクシート側がいずれかの層に含有していてもよいし、両者ともに含有していてもよい。
親水性層上に熱溶融性のインクで画像を形成した後に、平版印刷版材料を加熱して、親水性層と画像との接着をより強固なものとすることもできる。親水性層が光熱変換素材を含有している場合には、この加熱処理を赤外線レーザー照射や公知のキセノンランプ等によるフラッシュ露光を用いて行うこともできる。
もうひとつの方法としては、公知のインクジェット方式を用いる方法が挙げられる。用いるインクとしては、特許2995075号公報に開示されている油性インクや、特開平10−24550号公報に開示されているようなホットメルトインクや、特開平10−157053号公報に開示されているような常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子が分散された油性インク、あるいは常温で固体かつ疎水性の熱可塑性樹脂粒子が分散された水性インク等を用いることができるが、本発明の態様としては,放射線硬化性インクを好ましく用いることができる。
本発明において用いる放射線硬化性インクは少なくとも重合性化合物から構成される。また、可視画性を得る目的で色材を添加することもできる。色材としては、重合性化合物の主成分に溶解または分散できる色材、つまりは種々の染料、顔料が使用出来る。
顔料を添加する場合には、その分散性が着色度に大きな影響を与えるため、適宜分散を行う。顔料の分散には、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤は高分子分散剤を用いることが好ましい高分子分散剤としてはZeneca社のSolsperseシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は溶剤または重合性化合物で行うが、本発明に用いる照射線硬化型インクは、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
分散は、平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することが出来る。色材はインク全体の0.1質量%乃至10質量%の添加量が好ましい。
放射線重合性化合物は、ラジカル重合性化合物、例えば特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号等の各号公報に記載されている光重合性組成物を用いた光硬化型材料と、カチオン重合系の光硬化性樹脂が知られており、最近では可視光以上の長波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化性樹脂も例えば、特開平6−43633号、特開平8−324137号公報等に公開されている。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどの様なものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態をもつものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。また、単官能化合物よりも官能基を2つ以上持つ多官能化合物の方がより好ましい。更に好ましくは多官能化合物を2種以上併用して用いることが、反応性、物性などの性能を制御する上で好ましい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、さらに種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、さらに具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性ないし架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。上記ラジカル重合性化合物の添加量は好ましくは1〜97質量%であり、より好ましくは30〜95質量%である。
カチオン重合系光硬化樹脂としては、カチオン重合により高分子化の起こるタイプのモノマー(主にエポキシタイプ)、エポキシタイプの紫外線硬化性プレポリマー、1分子内にエポキシ基を2個以上含有するプレポリマー等を挙げることができる。このようなプレポリマーとしては、例えば、脂環式ポリエポキシド類、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ化合物類およびエポキシ化ポリブタジエン類等を挙げることができる。これらのプレポリマーは、その一種を単独で使用することもできるし、また、その二種以上を混合して使用することもできる。
本発明において重合性化合物は、(メタ)アクリル系モノマーあるいはプレポリマー、エポキシ系モノマーあるいはプレポリマー、ウレタン系モノマーあるいはプレポリマー等が好ましく用いられるが、更に好ましくは下記化合物である。
2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、ノニルフェノールEO付加物アクリレート、変性グリセリントリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、変性ビスフェノールAジアクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートトリレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ラクトン変性可トウ性アクリレート、ブトキシエチルアクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、2−ヒドロキシエチルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ステアリルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレートを挙げることが出来る。
これらのアクリレート化合物は、従来UV硬化型インクに用いられてきた重合性化合物より、皮膚刺激性や感作性(かぶれ)が小さく、比較的粘度を下げることが出来、安定したインク射出性が得られ、重合感度、記録媒体との密着性も良好である。上記化合物群を20〜95質量%、好ましくは50〜95質量%、更に好ましくは70〜95質量%用いる。
上述した重合性化合物に列挙しているモノマーは低分子量であっても、感作性が小さいものであり、なおかつ反応性が高く、粘度が低く、親水性層への浸透性,密着性に優れる。
更に感度、滲み、親水性層との密着性をより改善するためには、上述したモノアクリレートと、分子量400以上、好ましくは500以上の多官能アクリレートモノマー又は多官能アクリレートオリゴマーを併用することが感度、密着性向上の点で好ましい。安全性を維持しつつ、更に、感度、滲み、記録媒体との密着性をより改善することが出来る。オリゴマーとしてはエポキシアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマーが特に好ましい。
上記化合物群の中から選ばれるモノアクリレートと、多官能アクリレートモノマー又は多官能アクリレートオリゴマーとを併用すると,膜に可とう性を持たせられ、密着性を高めつつ膜強度を高められるため好ましい。モノアクリレートとしてはステアリルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソミスチルアクリレート、イソステアリルアクリレートが感度も高く、低収縮性で画像部の内部応力による強度低下を抑制でき、さらに,滲み防止、印刷物の臭気、照射装置のコストダウンの点で好ましい。
なお、メタクリレートは皮膚刺激性がアクリレートより良好であるが、感作性は概してアクリレートと差が無く、アクリレートに比べて感度が下がるので適さないが、反応性が高く、感作性の良好なものであれば、好適に使用することが出来る。なお、上記化合物の中でもアルコキシアクリレートは、感度が低く、滲み、臭気、照射光源の問題が生じるため、その量を70質量部未満に留め、その他のアクリレートを併用することが好ましい。本発明に用いるインクには、必要に応じて、その他の成分を添加することが出来る。
照射光として電子線、X線等を用いる場合、開始剤は不要であるが、線源としてUV光、可視光、赤外光を用いる場合は、それぞれの波長に応じたラジカル重合開始剤、開始助剤、増感色素を添加する。これらの量はインク全体の1〜10質量部が必要となる。開始剤は公知の様々な化合物を使用することが出来るが、上記重合性化合物に溶解するものから選択する。具体的な開始剤としては、キサントンまたはチオオキサントン系、ベンゾフェノン系、キノン系、フォスフィンオキシド系が挙げられる。
また、保存性を高めるために、重合禁止剤を200〜20000ppm添加することが出来る。本発明のインクは40〜80℃の範囲で加熱、低粘度化して射出することが好ましいので、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも重合禁止剤を入れることが好ましい。
この他に、必要に応じて界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することが出来る。オレフィンやPET等の記録媒体への密着性を改善するためには、重合を阻害しないタッキファイヤーを含有させることが好ましい。具体的には、特開2001−49200号5〜6pに記載されている、高分子量の粘着性ポリマー((メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環族アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香族アルコールとのエステル、からなる共重合物)や、重合性不飽和結合を持つ低分子量粘着付与性樹脂などである。
親水性層との密着性を改善するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量は0.1〜5%、好ましくは0.1〜3%である。
また、インク色材による遮光効果による感度低下を防ぐ手段として、開始剤寿命の長いカチオン重合性モノマーと開始剤を組み合わせ、ラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも可能である。
インクは、射出性を考慮し射出時の温度で、好ましくは7〜30mPa・s、更に好ましくは7〜20mPa・sとなるよう、組成比を決める。なお、25℃でのインク粘度は、35〜500mPa・s、更に、35〜200mPa・sとすることが好ましい。室温での粘度を上げることにより、多孔質な記録媒体にもインクの浸透を防ぎ、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となるし、着弾時のドット滲みを抑えることが出来、画質が改善される。35mPa・s未満では、滲み防止効果が小さい。500mPa・sより大きいと、インク液のデリバリーに問題が生じる。
表面張力は好ましくは200〜300μN/cm、更に好ましくは230〜280μN/cmである。200μN/cm未満では滲み、浸透の点で懸念があり、また、300μN/cmを超えた場合には濡れ性の点で懸念がある。
本発明の好ましい態様として用いられる親水性層、下層、および画像形成層は下記の光熱変換素材を含有することで高感度を実現している。本発明においては親水性層には下記金属酸化物を光熱変換素材として添加することができる。可視光域で黒色を呈している素材、または素材自体が導電性を有するか、半導体であるような素材を使用することができる。前者としては、黒色酸化鉄黒色酸化鉄(Fe34)や、黒色複合金属酸化物が挙げられる。後者としては、例えば、SbをドープしたSnO2(ATO)、Snを添加したIn23(ITO)、TiO2、TiO2を還元したTiO(酸化窒化チタン、一般的にはチタンブラック)などが挙げられる。又、これらの金属酸化物で芯材(BaSO4、TiO2、9Al23・2B2O、K2O・nTiO2等)を被覆したものも使用することができる。これらの粒径は、0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下である。
これらの光熱変換素材のうち、二種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物がより好ましい素材として挙げられる。具体的には、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sb、Ba、から選ばれる二種以上の金属からなる複合金属酸化物である。これらは、特開平8−27393号公報、特開平9−25126号公報、特開平9−237570号公報、特開平9−241529号公報、特開平10−231441号公報等に開示されている方法により製造することができる。
本発明に用いる複合金属酸化物としては、特にCu−Cr−Mn系またはCu−Fe−Mn系の複合金属酸化物であることが好ましい。Cu−Cr−Mn系の場合には、6価クロムの溶出を低減させるために、特開平8−273393号公報に開示されている処理を施すことが好ましい。これらの複合金属酸化物は添加量に対する着色、つまり、光熱変換効率が良好である。
これらの複合金属酸化物は平均1次粒子径が1μm以下であることが好ましく、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲にあることがより好ましい。平均1次粒子径が1μm以下とすることで、添加量に対する光熱変換能がより良好となり、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲とすることで添加量に対する光熱変換能がより良好となる。ただし、添加量に対する光熱変換能は、粒子の分散度にも大きく影響を受け、分散が良好であるほど良好となる。したがって、これらの複合金属酸化物粒子は、層の塗布液に添加する前に、別途公知の方法により分散して、分散液(ペースト)としておくことが好ましい。平均1次粒子径が0.01未満となると分散が困難となるため好ましくない。分散には適宜分散剤を使用することができる。分散剤の添加量は複合金属酸化物粒子に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
これらの複合金属酸化物の添加量としては、親水性層全固形分に対して20%以上、40%未満であり25%以上、39%未満がより好ましく、さらに好ましくは25%以上30%未満の範囲である。添加量が20%未満であると、十分な感度がでず、また40%以上であると、アブレートによるアブレーションカスが発生する。
また本発明においては親水性層、画像形成層には下記赤外吸収染料を光熱変換素材として添加することができる。一般的な赤外吸収色素であるシアニン系色素、クロコニウム系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スクワリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素などの有機化合物、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系、ジチオール系、インドアニリン系の有機金属錯体などが挙げられる。具体的には、特開昭63−139191号、特開昭64−33547号、特開平1−160683号、特開平1−280750号、特開平1−293342号、特開平2−2074号、特開平3−26593号、特開平3−30991号、特開平3−34891号、特開平3−36093号、特開平3−36094号、特開平3−36095号、特開平3−42281号、特開平3−97589号、特開平3−103476号等に記載の化合物が挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの赤外吸収染料の添加量としては、画像形成層全固形分に対して0.1%以上10%未満であり0.3%以上7%未満がより好ましく、さらに好ましくは0.5%以上6%未満の範囲である。添加量がこれを逸脱すると、上記同様に添加量が0.1%未満であると、十分な感度がでず、また10%以上であると、アブレートによるアブレーションカスが発生する。
本発明においては、取り扱い性及び保管時の物性変化防止のために、支持体の画像形成機能層の反対側に必要に応じ構成層を有していても良い。
本発明のプラスチック支持体上に塗設される平版印刷版材料の各構成層は公知の塗布方法を用い、逐次塗布乾燥することにより作製される。利用可能な塗布方法としては押し出しコーター、カーテンコーター、ワイヤーバー塗布、グラビア塗布、スライドコーター塗布等を適用することが出来る。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されない。
実施例1
《プラスチック支持体−aの作製》
押出機(A)と押出機(B)を有する複合製膜装置において、ポリエステル層(A)を形成するため、ポリエチレンテレフタレート(融点256℃:以降PETと省略する)チップに平均粒子径0.2μmのアナターゼ型酸化チタン微粒子を7質量%、蛍光増白剤“OB−1”(イーストマン社製)を0.15質量%添加した添加した原料を180℃で3時間真空乾燥した後、押出機(A)側に供給し、常法により280℃で溶融してTダイ複合口金に導入した。
一方、ポリエステル層(B)を形成するため、上記PETチップにポリメチルペンテン(融点235℃:以降PMPと省略する)を5質量%、さらに分散剤として分子量4,000のポリエチレングリコール(以降、PEGと省略する)を6質量%含有する共重合PETをPEGがポリエステル(B)層を構成する樹脂全体に対し1質量%となるように添加し、更に平均粒子径0.2μmのアナターゼ型酸化チタン微粒子を0.7質量%、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を0.2質量%添加したものを180℃で3時間真空乾燥した後に、押出機(B)側に供給し、常法により280℃で溶融して同様にTダイ複合口金に導入した。次いで、該口金内でポリエステル層(A)がポリエステル層(B)の両表層に積層されるよう合流せしめた後、シート状に共押出して溶融積層シートとした。そして、該溶融積層シートを、表面温度25℃に保たれた冷却ドラム上に静電荷法で密着冷却固化させて未延伸積層フィルムを得た。続いて、該未延伸積層フィルムを常法に従い85℃に加熱したロール群で予熱した後、90℃の加熱ロールを用いて長手方向(縦方向)に1.05倍微延伸した後、3.1倍本延伸を行い、25℃のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。さらに続いて該一軸延伸フィルムの片面に空気中でコロナ放電処理を施し、その処理面に下記の帯電防止層形成塗液をメタリングバーを用いたバーコート方式にて塗布した。この帯電防止層形成塗液を塗布された一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の予熱ゾーンに導き120℃で予熱・乾燥後、引き続き連続的に120℃の加熱ゾーンで長手方向に垂直な方向(横方向)に3.7倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで220℃の熱処理を施し、さらに該温度で2%横方向に弛緩処理を行った後、更に100℃で1%微延伸処理を行い、次いで均一に徐冷後に巻き取って、ポリエステル層(A)が片側17.5μm、ポリエステル層(B)が140μmの構成とした厚み175μmのポリエステルフィルム上の片面に、厚み0.1μmの帯電防止層が設けられた製膜幅2.5mの白色積層ポリエステルフィルムからなるプラスチック支持体−aを得た。また該白色積層ポリエステルフィルムの断面をSEMにて拡大観察することにより、ポリエステル層(B)の内部に微細な気泡を含有していることを確認した。この微細な気泡は、粒子状に分散せしめられたPMPを核として、その周囲に形成されており、長径が延伸方向、短径がフィルム厚み方向の楕円形であって、断面積の平均値は5.1μm2であった。
(帯電防止層形成塗布液);
(A)帯電防止剤:ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩水分散体(分子量=約2万)
(B)バインダー樹脂:アクリルエマルジョン(アクリル成分:メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸/N−メチロールアクリルアミド=60/38/1/1(質量%)の共重合体、ガラス転移温度40℃)
上記(A)/(B)を固形分質量比で10/90に混合し、更にフッ素系界面活性剤を0.01%添加し、水で希釈して固形分濃度を6質量%とした。
《下引き済み支持体の作製》
上記で得られた支持体のフィルムの未処理両面に、8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、次いで、一方の面に下記下引き塗布液aを乾燥膜厚0.8μmになるように塗設後にコロナ放電処理(8W/m2・分)を行いながら下引き塗布液bを乾燥膜厚0.1μmになるように塗布し、各々180℃、4分間乾燥させた(下引き面)。ついで、下引き層表面に下記プラズマ処理条件でプラズマ処理を施した。
(下引き塗布液a);
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=60/39/1の3元系共重合ラテックス(Tg=75℃) 6.3%(固形分基準)
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=20/40/40の3元系共重合ラテックス 1.6%
アニオン系界面活性剤S−1 0.1%
水 92.0%
(下引き塗布液b);
ゼラチン 1%
アニオン系界面活性剤S−1 0.05%
硬膜剤H−1 0.02%
マット剤(シリカ,平均粒径3.5μm) 0.02%
防黴剤F−1 0.01%
水 98.9%
Figure 2005125583
《プラズマ処理条件》
バッチ式の大気圧プラズマ処理装置(イーシー化学(株)製、AP−I−H−340)を用いて、高周波出力が4.5kW、周波数が5kHz、処理時間が5秒及びガス条件としてアルゴン、窒素及び水素の体積比をそれぞれ90%及び5%で、プラズマ処理を行った。
《熱処理条件》
25m幅にスリットした後の支持体に対し、張力2hPaで180℃、1分間の低張力熱処理を実施した。
《親水性層の調製および塗設》
(親水性層塗布液a);
表1の組成をホモジナイザを用いて十分に攪拌混合した後、濾過して親水性層塗布液aを調製した。
Figure 2005125583
(親水性層塗布液b);
表2の組成をホモジナイザを用いて十分に攪拌混合した後、濾過して親水性層塗布液bを調製した。
Figure 2005125583
(親水性層の塗設);
親水性層塗布液aを前記下引き面上にワイヤーバーを用いて塗布し、15mの長さの100℃に設定押された乾燥ゾーンを搬送スピード15m/分の速度で通過させた。引き続き親水層塗布液bを同様にワイヤーバーを用いて塗布し、30mの長さの100℃に設定された乾燥ゾーンを搬送スピード15m/分の速度で通過させた。親水性層a、親水性層bそれぞれの付量は3.0g/m2、0.55g/m2であった。塗布後の試料は60℃で1日間のエージングを行なった。
《画像形成層塗布液の調製および塗設》
下記表3の組成の画像形成層塗布液を上記で作製した親水性層まで塗布済みの試料上にワイヤーバーを用いて塗布し、30mの長さの70℃に設定された乾燥ゾーンを搬送スピード15m/分の速度で通過させ、画像形成層を形成した。画像形成層の付量は0.5g/m2であった。
Figure 2005125583
塗布後の試料に50℃で2日間のエージングを行なって平版印刷版材料−1を得た。
実施例2
プラスチック支持体作製においてポリメチルペンテンの添加量を3.5質量%とし、PEGを6質量%含有する共重合PETの添加量をポリエステル(B)層を構成する樹脂全体に対し0.8質量%となる量に変更した以外は実施例1と同様にプラスチック支持体を作製してプラスチック支持体−bを得、実施例1と同様にして平版印刷版材料−2を得た。
実施例3
プラスチック支持体作製においてポリメチルペンテンの添加量を9質量%とし、PEGを6質量%含有する共重合PETの添加量をポリエステル(B)層を構成する樹脂全体に対し1.7質量%となる量に変更した以外は実施例1と同様にプラスチック支持体を作製してプラスチック支持体−cを得、実施例1と同様にして平版印刷版材料−3を得た。
実施例4
ポリエステル層(A)が片側25μm、ポリエステル層(B)が125μmの構成となる厚み175μmの白色積層ポリエステルフィルムとなるように押出機(A)、押出機(B)それぞれの樹脂吐出量を変化させた以外は実施例3と同様にプラスチック支持体を作製してプラスチック支持体−dを得、実施例1と同様にして平版印刷版材料−4を得た。
実施例5
プラスチック支持体作製においてポリメチルペンテンの添加量を0質量%とし、PEGを6質量%含有する共重合PETの添加量0質量%に変更した以外は実施例1と同様にプラスチック支持体を作製してプラスチック支持体−eを得、実施例1と同様にして平版印刷版材料−5を得た。
実施例6
プラスチック支持体作製においてポリエステル層(A)のアナターゼ型酸化チタン微粒子7質量%を平均粒径20nmのカーボンブラック微粒子4質量%に変更し、ポリエステル層(B)のアナターゼ型酸化チタン微粒子0.7質量%を平均粒径20nmのカーボンブラック微粒子0.6質量%に変更した以外は実施例1と同様にプラスチック支持体を作製してプラスチック支持体−fを得、実施例1と同様にして平版印刷版材料−6を得た。
実施例7
プラスチック支持体を下記作製方法により得られたプラスチック支持体−gに変更した以外は実施例1と同様にして平版印刷版材料−7を得た。
《プラスチック支持体−gの作製》
テレフタル酸とエチレングリコールを用い、常法に従いIV(固有粘度)=0.66dl/g(フェノール/テトラクロルエタン=6/4(質量比)中25℃で測定)のポリエチレンテレフタレートを得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥し、300℃で溶融後T型ダイから押し出し、50℃の冷却ドラム上で急冷し熱固定後の平均膜厚が175μmになるような厚みの未延伸フィルムを作製した。これを、延伸温度は前段延伸が102℃で1.3倍に、後段延伸は110℃で2.6倍に縦延伸した。次いで、テンターで120℃で4.5倍に横延伸した。この後、240℃で20秒間熱固定後これと同じ温度で横方向に4%緩和した。この後、テンターのチャック部をスリットした後、両端にナーリング加工を行い、40℃に冷却後47.1N/mで巻き取った。このようにして厚さ190μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。この二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度(Tg)は79℃であった。得られたポリエチレンテレフタレートフィルムの幅(製膜幅)は2.5mであった。
実施例8
プラスチック支持体をプラスチック支持体−h(ポニフェニレンサルファイドフィルム;トレリナ#5000、175μm、東レ(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして平版印刷版材料−8を得た。
実施例1〜7で得られたプラスチック支持体−a〜gおよびhと、平版印刷版材料−1〜8について下記測定および評価を行った。結果を表4に示す。
(微細な気泡の有無)
支持体の断面を、走査型電子顕微鏡S−2100A形((株)日立製作所製)を用いて500〜5,000倍に拡大観察して撮影した断面写真より、微細な気泡の含有の有無を調べた。気泡含有の有無の判定は、断面写真の気泡部分の平均断面積を真円に換算したときの平均値として求めたとき1μm2以上ならば「気泡有り」、1μm2未満ならば「気泡無し」とした。ただし、2個以上の互いに隣接した気泡同士が連結している場合には、一つの気泡として計算した。
(支持体各層の厚み)
断面写真より各ポリエステル層の厚み方向の長さを計測し、拡大倍率から逆算して各層の厚みを求めた。なお、気泡部分の断面積、各ポリエステル層の厚みを求めるに当たっては、互いに異なる測定視野から任意に選んだ計5箇所の断面写真を使用し、その平均値として算出した。
(支持体比重)
プラスチック支持体を50mm×60mmの大きさにカットして得た試料サンプルを、高精度電子比重計SD−120L(ミラージュ貿易(株)製)を用い、JIS K−7112のA法(水中置換法)に準じて測定した。なお、測定は温度23℃、相対湿度65%の条件下にて行なった。
(支持体の光線透過率)
プラスチック支持体を分光光度計U2000型(日立製作所(株)製)を用い、ブランク(空気)の透過光線強度を100%としたときの相対光線強度を測定し、支持体の光線透過率とした。
(支持体の光線反射率)
プラスチック支持体に測定しようとする波長における反射率が5%以下のバッキングシートを支持体裏面に重ね、分光光度計U3210型(日立製作所(株)製)を用い酸化マグネシウム標準白板の反射光線強度を100%としたときの相対光線強度を測定し、支持体の光線反射率とした。
(支持体自重撓み量)
プラスチック支持体をカール凹面を上にして水平面に静置した時に端部の浮き上がりが3mm以内である300mm×100mm大の試料サンプルを用い、このうち150mm×100mmが非接触の自由端部となるようにクランプを用いて均一かつ水平に把持した際、把持されていない自由端部と把持水平面との法線距離を自重撓み量(mm)とした。尚、端部の浮き上がりが3mm以上であった場合には常温にてデカール処理を行い、端部の浮き上がりが3mmとなった後に測定を行った。
(支持体折り曲げ適性)
プラスチック支持体の端部より30mmの部分に端辺と平行となるように直径5mmのステンレス棒を置き、ステンレス棒部分が折り曲げ支点となるようステンレス棒を巻き込んで180°折り曲げを5秒間行った後に端部を解放し、3分経過した後の残留折り曲げ角度を測定した。残留折り曲げ角度が大きい程折り曲げ適性に優れ、くわえ尻を印刷機に取り付けやすい。
(最低露光エネルギー量)
粗面化されたステンレス製版胴表面を有し、波長830nm、スポット径約18μmのレーザービームを具備した印刷機の版胴に平版印刷版材料を取り付け、150mJ/cm2より400mJ/cm2まで10mJずつ露光エネルギーを増加させて画像露光を行い、2400dpi(dpiとは、1インチ当たりのドット数を表す。)、175線/インチのスクリーン線数で3%〜97%の網点が再現される印刷が可能となる最も少ない露光量を最低露光エネルギー量とした。
(版胴汚れ耐性試験)
版胴面にトーヨーキングハイエコーK墨(東洋インキ社製)を0.5ml滴下した後、これをふき取らずに平版印刷版材料を取り付け、印刷機上で版胴を回転させながら波長830nm、スポット径約18μmのレーザービームを用い、前述の方法で求めた各版材の最低露光エネルギー量で、2400dpi、175線/インチのスクリーン線数で全面50%平網の画像露光を行い、現像処理を行わずにコート紙に印刷行った。この際の網点品質均一性を下記基準により評価した。
○:インキ滴下部を含め画像露光部全面にわたり50%平網の網点品質は均一で目視でムラが認められない
×:インキ滴下部の50%平網濃度が他の部分と異なり、目視でムラが認められる。
(版胴異物耐性)
一辺が5mmの正三角形にカットした厚さ38μmの粘着テープを5カ所に版胴に貼り付けた後、平版印刷版材料を取り付け、印刷機上で版胴を回転させながら波長830nm、スポット径約18μmのレーザービームを用い、前述の方法で求めた各版材の最低露光エネルギー量で、2400dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表す)、175線/インチのスクリーン線数で全面50%平網の画像露光を行い、現像処理を行わずにコート紙に印刷行った。この際の網点品質均一性を下記基準により評価した。
○:粘着テープ貼付部もしくはその周辺を含めて50%平網の網点品質は均一で目視でムラが認められない
×:粘着テープ貼付部もしくはその周辺の50%平網濃度が他の部分と異なり、目視でムラが認められる。
(印刷時硬質異物耐性)
劣化加速試験とするため、湿し水アストロマーク3(日研化学研究所社製)2質量%液1Lに対して疑似硬質異物として0.2gの溶融シリカFS−891(電気化学工業(株)製、粒径(d50)=18μm)を添加した湿し水を、添加物が沈降しないように攪拌しながらトーヨーキングハイエコーM紅(東洋インキ社製)、コート紙とともに用いて印刷を行い、10,000枚刷了後の非画像部スポット状印刷汚れの1m2あたり個数を計数した。
Figure 2005125583
表4に示したとおり、平版印刷版材料−7、8に対して平版印刷版材料−1〜6ではDI用の印刷版用途に用いた場合に版胴の活性光線反射率状態の影響を受けずに安定した画像形成および印刷が可能となり、平版印刷版材料−1〜4及び6においては、更にフィルムの撓みが少なく、くわえ等の折り曲げ適性に優れ取り扱いやすいばかりでなく、印刷中の硬質異物混入によるスポット状汚れが発生しにくく、なおかつ版胴への異物の影響を受けずに安定した露光が可能となっていることがわかる。

Claims (7)

  1. プラスチック支持体上に親水性層を有する平版印刷版材料において、該プラスチック支持体が微細な気泡を含有する層を有する支持体であることを特徴とする平版印刷版材料。
  2. 親水性層上に画像形成層を有することを特徴とする請求項1記載の平版印刷版材料。
  3. プラスチック支持体が着色剤を含有する層を有することを特徴とする請求項1または2記載の平版印刷版材料。
  4. プラスチック支持体上に設けられた構成層のうち、少なくとも一つの層に近赤外線を熱に変換する光熱変換剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の平版印刷版材料。
  5. プラスチック支持体が微細な気泡を含有するポリエステル層の少なくとも片面に、無機粒子を含有するポリエステル層を設けてなる比重0.7〜1.2の積層ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の平版印刷版材料。
  6. プラスチック支持体上に少なくとも画像形成層を有し、活性光線の照射により画像形成可能な平版印刷版材料を印刷機に取り付けた後、プラスチック支持体の光線透過率が30%以下である波長の活性光線を照射して画像露光を行い、現像を行わずに印刷することを特徴とする印刷方法。
  7. プラスチック支持体の光線反射率が50%以上である波長の活性光線を照射して画像露光を行うことを特徴とする請求項6記載の印刷方法。
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