JP2005123308A - 基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ウェハ処理枚数にかかわらず、ウェハ間の熱履歴を一定に保つようにする。
【解決手段】 基板処理装置は、ヒータ207により温度制御される雰囲気下でウェハ200を処理する反応室204と、この反応室に隣接して設けられ反応室204にウェハ200を搬送する移載機112を設けた搬送室103と、反応室204及び搬送室103の内部温度をそれぞれ測定する炉内温度センサ211及び搬送室内温度センサ213とを備える。コントローラ220は、移載機112によるウェハ200の搬送時の一時点での、差温度演算部222により求めた反応室204と搬送室103の温度差(差温度)と、補正温度演算部223により求めたウェハ処理枚数に対する反応室温度センサ211の測定値(以下、補正温度という)とを監視する。そして、反応室204の制御温度演算部221による温度制御時に、加算器225、226により差温度に補正温度を加えた温度を加算するよう修正制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は基板処理装置に係り、特に搬送室と隣接した反応室を温度制御するための装置に関する。
基板処理装置、例えば枚葉式半導体製造装置においては、ウェハの成膜処理を行うにあたり、温度制御によって反応室を処理温度まで加熱した後に、反応室にウェハを搬入して成膜処理をしている。
従来、この成膜処理は、反応室を処理温度まで加熱して反応室が設定温度に達した後、ただちに行われるのではなく、しばらく放置してから行っている。しばらく放置してから行っているのは次の理由による。反応室が物理的に搬送室と接しているため、加熱機能のない搬送室へ加熱機能のある反応室からの熱の移動が起こり、反応室の温度が不安定になる。反応室の温度が安定しないままにウェハを成膜処理すると、その反応室温度の不安定さが膜質に影響する。これを回避するためである。特に、基板処理装置の立上げ時には、反応室の温度がとても不安定になるため、設定温度に達してからの準備時間を長くとっている。
また、ウェハ搬送時には反応室と搬送室間のゲートバルブを開放するために、反応室から高温の雰囲気が搬送室へ流れることにより熱の移動が起き、反応室の温度が低下する。この熱の移動対策において、従来は反応室内の温度を、一時的かつ意図的に上げて温度補正などしている。
しかしながら、上述した従来の熱移動対策にはつぎのような問題があった。
(1)反応室が設定温度に達した後、反応室の温度が安定するまで、準備時間を設けているが、その準備時間は作業者の経験に基づく勘で設定されている。したがって、必要以上の時間が設定されるケースもあり、必要以上の時間が設定されれば、スループットの低下を招くことになる。
(2)基板搬出時に、反応室から搬送室への熱の移動が起こり、反応室温度が低下するが、この温度低下を防ぐために、反応室内の温度を、一時的、意図的に上げて温度補正などしている。しかし、この温度補正は、処理枚数に関係なく、全ての基板に画一的に行われているため、基板処理枚数毎に変化する反応室温度環境に適切に対応していない。すなわち、反応室の内部汚染の増加により反応室の温度制御が悪くなるため、基板の熱履歴が一定でなくなる。
本発明の課題は、上述した従来技術の間題点を解消して、スループットを向上し、基板の熱履歴を一定にすることが可能な基板処理装置を提供することにある。
第1の発明は、温度制御される雰囲気下で基板を処理する反応室と、この反応室に隣接して設けられ、前記反応室に前記基板を搬送する移載機を設けた搬送室と、前記反応室及び前記搬送室の温度をそれぞれ測定する反応室温度センサ及び搬送室温度センサとを備えて、前記反応室温度センサ及び搬送室温度センサ値を前記反応室の温度制御に反映させるようにしたことを特徴とする基板処理装置である。
反応室温度センサ及び搬送室温度センサによって反応室温度及び搬送室温度を監視できるので、反応室と搬送室間の温度差、反応室から搬送室への熱移行を明らかにすることができる。また、温度差、熱移行を反応室の温度制御に反映させることにより、スループットを向上し、基板間の熱履歴を一定にすることができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記反応室が温度制御により所定温度に設定された後、前記反応室温度センサ及び搬送室温度センサでそれぞれ測定した反応室温度及び搬送室温度から前記反応室と前記搬送室との温度差(以下、差温度ともいう)を求め、この差温度がある一定温度(以下、熱移動収束温度ともいう)に収束してから、前記基板を搬送室から反応室に搬送するよう前記移載機を制御する装置制御部を有することを特徴とする基板処理装置である。
差温度が熱移動収束温度に収束してから基板を反応室内に搬送するよう移載機を装置制御部により制御するので、反応室から搬送室への熱の移動により、反応室の温度が安定しないままに基板を処理することを回避できる。
なお、反応室と搬送室との差温度に代えて、搬送室温度のみから熱移動収束温度を検出するようにしてもよいが、差温度から熱移動収束温度を検出するようにした方が、装置温度全体の影響を受けないので、反応室の温度をより安定化できる。
第3の発明は、第2の発明において、前記一定温度は任意に変更可能であることを特徴とする基板処理装置である。収束する一定温度が、基板処理枚数に応じて異なることから、一定温度が任意に変更可能であると、基板処理枚数に応じて変化する反応室温度環境に、反応室の温度制御を適切に対応させることができる。
第4の発明は、第2の発明において、前記一定温度に収束した時間を基準とし、この基準時間から前記基板が前記反応室内に前記移載機で搬送されて処理可能な状態とするまでにかかる時間(放置時間)は任意に変更可能であることを特徴とする基板処理装置である。
一定温度に収束した時間を基準とし、この基準時間から基板を処理可能な状態とするまでにかかる時間を任意に変更可能とすると、プロセス温度や、基板処理枚数に応じて反応室からの熱移動が異なることから、反応室の温度制御を基板毎に適切に行うことができる。
第5の発明は、第1又は第2の発明において、前記移載機による前記基板の搬送時の一時点での前記差温度と、基板処理枚数に対する前記反応室の温度センサの測定値(以下、補正温度という)とを管理し、前記反応室の温度制御時に、前記差温度に前記補正温度を加えた温度(以下、加算温度という)を加算するよう制御するコントローラを有することを特徴とする基板処理装置である。
反応室の温度制御時に、コントローラで加算温度を加算するよう制御するので、基板処理前に反応室から搬送室への熱の移動が起きても、基板処理枚数に対する反応室の温度制御を基板毎に適切に行うことができる。
第6の発明は、第5の発明において、更に、前記反応室と前記搬送室とを連接するゲートバルブを有し、前記一時点とは、基板処理前であって、前記基板が前記反応室に搬送されるために前記ゲートバルブが開放される直前又は/及び前記基板が前記反応室に搬送された後に前記ゲートバルブが遮断される直後であることを特徴とする基板処理装置である。
一時点が、ゲートバルブが開放される直前であると、ゲートバルブを介して物理的に連接されている搬送室に反応室からの熱の移動が収束し、反応室の温度が安定しているときの差温度を得ることができるので、反応室を正確に温度制御できる。
また、一時点が、ゲートバルブが遮断される直後であると、搬送室より高温である反応室から搬送室への熱の移動が収束し、反応室の温度が安定しているときの差温度を得ることができるので、反応室を正確に温度制御できる。
さらに、一時点が、ゲートバルブが開放される直前、及びゲートバルブが遮断される直後であると、ゲートバルブの開放前後の反応室の温度が安定しているときの両方の差温度を得ることができるので、この差温度を利用すれば、反応室をより適切に温度制御できる。
第7の発明は、第1ないし第6の発明において、少なくとも前記温度センサの測定値、前記差温度、前記補正温度を可視化する出力装置を有することを特徴とした基板処理装置である。
少なくとも温度センサの測定値、差温度、補正温度を可視化する出力装置を有すると、反応室と搬送室間の温度差、熱移行を視覚的に把握することができるので、これらの温度データを反応室の温度制御に有効に反映することができる。
本発明によれば、反応室温度センサ及び搬送室温度センサ値を反応室の温度制御に反映させるようにしたので、スループットが向上し、ウェハ間の熱履歴を一定に保つことができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
図8及び図9において、本発明が適用される基板処理装置の概要を説明する。なお、本発明が適用される基板処理装置においてはウェハなどの基板を搬送するキャリヤとしては、FOUP(front opening unified pod.以下、ポッドという。)が使用されている。また、以下の説明において、前後左右は図8を基準とする。すなわち、図8が示されている紙面に対して、前は紙面の下、後ろは紙面の上、左右は紙面の左右とする。
図8及び図9に示されているように、基板処理装置は真空状態などの大気圧未満の圧力(負圧)に耐えるロードロックチャンバ構造に構成された第一の搬送室103を備えており、第一の搬送室103の筐体101は平面視が六角形で上下両端が閉塞した箱形状に形成されている。第一の搬送室103には負圧下で二枚のウェハ200を同時に移載する第一の移載機112が設置されている。前記第一の移載機112は、エレベータ115によって、第一の搬送室103の気密性を維持しつつ昇降できるように構成されている。
筐体101の六枚の側壁のうち前側に位置する二枚の側壁には、搬入用の予備室122と搬出用の予備室123とがそれぞれゲートバルブ244,127を介して連結されており、それぞれ負圧に耐え得るロードロックチャンバ構造に構成されている。さらに、予備室122には搬入室用の基板置き台140が設置され、予備室123には搬出室用の基板置き台141が設置されている。
予備室122および予備室123の前側には、略大気圧下で用いられる第二の搬送室121がゲートバルブ128,129を介して連結されている。第二の搬送室121には二枚のウェハ200を同時に移載する第二の移載機124が設置されている。第二の移載機124は第二の搬送室121に設置されたエレベータ126によって昇降されるように構成されているとともに、リニアアクチュエータ132によって左右方向に往復移動されるように構成されている。
図8に示されているように、第二の搬送室121の左側にはオリフラ合わせ装置106が設置されている。また、図9に示されているように、第二の搬送室121の上部にはクリーンエアを供給するクリーンユニット118が設置されている。
図8及び図9に示されているように、第二の搬送室121の筐体125には、ウェハ200を第二の搬送室121に対して搬入搬出するためのウェハ搬入搬出口134と、前記ウェハ搬入搬出口を閉塞する蓋142と、ポッドオープナ108がそれぞれ設置されている。ポッドオープナ108は、IOステージ105に載置されたポッド100のキャップ及びウェハ搬入搬出口134を閉塞する蓋142を開閉するキャップ開閉機構136とを備えており、IOステージ105に載置されたポッド100のキャップ及びウェハ搬入搬出口134を閉塞する蓋142をキャップ開閉機構136によって開閉することにより、ポッド100のウェハ出し入れを可能にする。また、ポッド100は図示しない工程内搬送装置(RGV)によって、前記IOステージ105に、供給および排出されるようになっている。
図8に示されているように、筐体101の六枚の側壁のうち背面側に位置する二枚の側壁には、ウェハに所望の処理を行う第一の処理炉202と、第二の処理炉137とがそれぞれ隣接して連結されている。第一の処理炉202および第二の処理炉137はいずれもホットウォール式の処理炉によってそれぞれ構成されている。また、筐体101における六枚の側壁のうちの残りの互いに対向する二枚の側壁には、第三の処理炉としての第一のクーリングユニット138と、第四の処理炉としての第二のクーリングユニット139とがそれぞれ連結されており、第一のクーリングユニット138および第二のクーリングユニット139はいずれも処理済みのウェハ200を冷却するように構成されている。
以下、前記構成をもつ基板処理装置を使用した処理工程を説明する。
未処理のウェハ200は25枚がポッド100に収納された状態で、処理工程を実施する基板処理装置へ工程内搬送装置によって搬送されて来る。図8及び図9に示されているように、搬送されて来たポッド100はIOステージ105の上に工程内搬送装置から受け渡されて載置される。ポッド100のキャップ及びウェハ搬入搬出口134を開閉する蓋142がキャップ開閉機構136によって取り外され、ポッド100のウェハ出し入れ口が開放される。
ポッド100がポッドオープナ108により開放されると、第二の搬送室121に設置された第二の移載機124はポッド100からウェハ200を二枚ずつピックアップし、予備室122に搬入し、二枚のウェハ200を基板置き台140に移載する。この移載作業中には、第一の搬送室103例のゲートバルブ244は閉じられており、第一の搬送室103の負圧は維持されている。ウェハ200の基板置き台140への移載が完了すると、ゲートバルブ128が閉じられ、予備室122が排気装置(図示せず)によって負圧に排気される。
予備室122が予め設定された圧力値に減圧されると、ゲートバルブ244,130が開かれ、予備室122、第一の搬送室103、第一の処理炉202が連通される。続いて、第一の搬送室103の第一の移載機112は基板置き台140からウェハ200を二枚ずつピックアップして第一の処理炉202の反応室204に搬入する。そして、第一の処理炉202内に処理ガスが供給され、所望の処理がウェハ200に行われる。
第一の処理炉202で前記処理が完了すると、処理済みの二枚のウェハ200は第一の搬送室103の第一の移載機112によって第一の搬送室103に搬出される。
そして、第一の移載機112は第一の処理炉202から搬出したウェハ200を第一のクーリングユニット138へ搬入し、処理済みのウェハを冷却する。
第一のクーリングユニット138に二枚のウェハ200を移載すると、第一の移載機112は予備室122の基板置き台140に予め準備された二枚のウェハ200を第一の処理炉202に前述した作動によって移載し、第一の処理炉202内に処理ガスが供給され、所望の処理がウェハ200に行われる。
第一のクーリングユニット138において予め設定された冷却時間が経過すると、冷却済みのウェハ200は第一の移載機112によって第一のクーリングユニット138から第一の搬送室103に搬出される。
冷却済みの二枚のウェハ200が第一のクーリングユニット138から第一の搬送室103に搬出されたのち、ゲートバルブ127が開かれる。そして、第一の移載機112は第一のクーリングユニット138から搬出した二枚のウェハ200を予備室123へ搬送し、基板置き台141に移載した後、予備室123はゲートバルブ127によって閉じられる。
予備室123がゲートバルブ127によって閉じられると、前記排出用予備室123内が不活性ガスにより略大気圧に戻される。前記予備室123内が略大気圧に戻されると、ゲートバルブ129が開かれ、第二の搬送室121の予備室123に対応したウェハ搬入搬出口134を閉塞する蓋142と、IOステージ105に載置された空のポッド100のキャップがポッドオープナ108によって開かれる。続いて、第二の搬送室121の第二の移載機124は基板置き台141から二枚のウェハ200をピックアップして第二の搬送室121に搬出し、第二の搬送室121のウェハ搬入搬出口134を通してポッド100に収納して行く。処理済みの25枚のウェハ200のポッド100への収納が完了すると、ポッド100のキャップとウェハ搬入搬出口134を閉塞する蓋142がポッドオープナ108によって閉じられる。閉じられたポッド100はIOステージ105の上から次の工程へ工程内搬送装置によって搬送されて行く。
以上の動作が繰り返されることにより、ウェハが、二枚ずつ順次、処理されて行く。以上の動作は第一の処理炉202および第一のクーリングユニット138が使用される場合を例にして説明したが、第二の処理炉137および第二のクーリングユニット139が使用される場合についても同様の作動が実施される。
なお、上述の基板処理装置では、予備室122を搬入用、予備室123を搬出用としたが、予備室123を搬入用、予備室122を搬出用としてもよい。また、第一の処理炉202と第二の処理炉137は、それぞれ同じ処理を行ってもよいし、別の処理を行ってもよい。第一の処理炉202と第二の処理炉137で別の処理を行う場合、例えば第一の処理炉202でウェハ200にある処理を行った後、続けて第二の処理炉137で別の処理を行わせてもよい。また、第一の処理炉202でウェハ200にある処理を行った後、第二の処理炉137で別の処理を行わせる場合、第一のクーリングユニット138(又は第二のクーリングユニット139)を経由するようにしてもよい。
図7は、上述したウェハ200に所望の処理を行う第一の処理炉202の概略縦断面図である。
石英製の反応容器としての反応管203は水平方向に扁平な空間を有しており、内部に基板としてのウェハ(図示せず)を収容する。なお、反応容器は炭化珪素製、又はアルミナ製でもよい。反応室204を形成する反応管203内部にはウェハを支持する支持具としてのウェハ支持板217が設けられ、反応管203の両端にはマニホールドとしてのガス導入フランジ209a、ガス導入フランジ209bが気密に設けられ、一方のガス導入フランジ209aには更に仕切弁としてのゲートバルブ130を介して搬送室(図示せず(図8の搬送室103参照))が連接されている。ガス導入フランジ209a、ガス導入フランジ209bにはそれぞれ供給管としてのガス導入ライン232a,232b、排気管としての排気ライン231a、231bが連通される。ガス導入ライン232a、232bには、反応管203内に導入するガスの流量を制御する流量制御手段241a,241bがそれぞれ設けられている。また、排気ライン231a、231bには、反応管203内の圧力を制御する圧力制御手段248a,248bがそれぞれ設けられている。
反応管203の上下にはそれぞれ加熱手段としての上ヒータ207a、下ヒータ207bが設けられ、反応管203内部(反応室204内部)を均一にもしくは所定の温度勾配を生じさせて加熱するようになっている。また、上ヒータ207a、下ヒータ207bには、それぞれのヒータ温度を制御する温度制御手段247が接続されている。また上ヒータ207a、下ヒータ207bおよび反応管203を覆うように断熱部材としての断熱材208が設けられている。反応管203内の温度(炉内温度ともいう)、反応管203内の圧力(炉内圧力ともいう)、反応管203内に供給するガスの流量は、それぞれ温度制御手段247、圧力制御手段248a、248b、流量制御手段241a、241bにより、所定の炉内温度、炉内圧力、ガス流量となるよう制御される。また、温度制御手段247、圧力制御手段248a、248b、流量制御手段241a,241bは、主制御部249により制御される。
上述した反応管203、ヒータ207a,207b、ガス導入ライン232a,232b、ガス導入フランジ209a、209b、排気ライン231a、231b等のうち、少なくとも反応管203、ヒータ207a、207bを含むものから、ウェハを処理する処理炉202が構成される。
次に、半導体デバイスの製造工程の一工程として、上述した基板処理装置の処理炉を用いてウェハを処理する方法について説明する。
反応管203内部の温度がヒータ207a,207bにより処理温度に維持された状態で、ゲートバルブ130が開かれ、移載機112によリ図中左方より反応管203内にウェハが搬入され、ウェハ支持板217に載置される。本例ではウェハ支持板217には2枚のウェハ(図示せず)が載置され、2枚のウェハが同時に処理される。なお、同時に処理する2枚のウェハ間の熱履歴を等しくするためにウェハは2枚同時に反応管203内に搬送される。ウェハが反応管203内に搬入されると同時にウェハの処理温度までの昇温が開始される。
移載機112が後退してゲートバルブ130が閉じられた後、反応管203内の圧力は処理圧力となるよう圧力制御手段248a,248bにより制御され(圧力安定化)、反応管203内の温度はウェハ温度が処理温度となるよう温度制御手段247により制御される(温度安定化)。この反応管203内の圧力安定化、ウェハの温度安定化の際、反応管203内にはガス導入ライン232a,232bより不活性ガスが導入されつつ排気ライン231a,231bより排気され、反応管203内は、不活性ガス雰囲気とされる。
反応管203内の圧力が処理圧力に安定化し、ウェハの温度が処理温度に安定化した後、反応管203内にガス導入ライン232a,232bより処理ガスが導入され、排気ライン231a,231bより排気されることにより、ウェハが処理される。この際、処理の均一性を確保するため、処理ガスは対角に向かって交互に流すのが好ましい。すなわち、例えば、まず処理ガスをガス導入ライン232aから排気ライン231bに向かってウェハの表面に対して略水平な方向に流し、その後、それとは反対向きに、すなわちガス導入ライン232bから排気ライン231aに向かってウェハの表面に対して略水平な方向に流し、所要時間毎に流れの向きを変更するのが好ましい。なお、処理の均一性が処理ガスの流れの向きに依存しないような場合は、処理ガスは一方向に向かって流れるようにしてもよい。すなわち、例えばガス導入ライン232aから排気ライン231bに向かってウェハの表面に対して略水平な方向に、或はガス導入ライン232bから排気ライン231aに向かってウェハの表面に対して略水平な方向に流れるようにしてもよい。
ウェハの処理が完了すると、反応管203内の残留ガスを除去するために、反応管203内には、ガス導入ライン232a、232bより不活性ガスが導入されつつ、排気ライン231a,231bより排気され、反応管内がパージされる。なお、ウェハ処理時の処理ガスの供給流量、ウェハ処理前または後の不活性ガスの供給流量は流量制御手段241a、241bにより制御される。
反応管203内のパージ後、反応管203内の圧力を圧力制御手段248a、248bにより、ウェハ搬送圧力となるよう調整する。反応管203内の圧力が搬送圧力となった後、ゲートバルブ130が開かれ、ウェハは、移載機112により反応管203より搬送室へ搬出される。
なお、上述の圧力制御手段248a、248bによる反応管203内の圧力制御、温度制御手段247による反応管203内の温度制御、流量制御手段241a,241bによる反応管203内へのガス流量制御は、主制御部249が各制御手段を制御することにより行われる。
ところで、上述した構成においては、特に、装置立上げ時に、反応室204から搬送室103への大きな熱移動があるため、ウェハ処理の準備時間の最適化をはかる必要がある。また、ウェハ処理枚数に応じて反応室温度環境が変るため、ウェハ毎に反応室の温度制御の最適化をはかる必要がある。
そこで、実施の形態では、装置運用のある時点において、反応室204と搬送室103の温度を定期的に監視し、反応室204と搬送室103間の熱の移動を把握することによって、ウェハ処理の立上げ準備時間、及びウェハ毎の反応室の温度制御の最適化をはかっている。
図1は、反応室204と第一の搬送室103とを例にとって説明した制御系のブロック構成図を示す。制御系は、反応室、搬送室(以下、単にモジュールともいう)間の熱の移動を把握して、その把握結果を、移載機112をはじめとした装置の機構制御、及び反応室204の温度制御に反映する。
制御対象となる枚葉式半導体製造装置は、ウェハ200を処理する反応室204と、反応室204内のウェハ200を加熱するヒータ207と、反応室204に隣接して設けられた搬送室103と、搬送室103に設けられ反応室204と搬送室103との間でウェハ200を搬送する移載機112とを備える。反応室204と搬送室103とはゲートバルブ130を介して物理的に連接されている。
反応室204に、反応室204内の温度を測定する反応室温度センサとしての炉内温度センサ211を取り付ける。また、搬送室103に、搬送室103内の温度を測定する搬送室温度センサとしての搬送室内温度センサ213を取り付ける。さらにヒータ207にヒータ207の温度を検出するヒータ温度センサ212を取り付ける。
炉内温度センサ211は、反応室204内の適宜の場所に取り付けられる。搬送室内温度センサ213は、図9に示すように、搬送室103内の反応室204に対面した箇所、例えば反応室204を開閉するゲートバルブ130の直下に取り付けられる。なお、搬送室内温度センサ213は、反応室が複数備えられているときは、各反応室に対面した箇所に取り付けられる。また、図7に示すように、ヒータ温度センサ212は、各ヒータ207a、207b内に取り付けられる。
機構制御及び温度制御を行う制御系は、温度制御手段247と主制御部249と出力装置230とを備える。このうち、温度制御手段247と主制御部249とから装置制御部が構成される。
前記温度制御手段247は、さらにコントローラ220と電力制御部240とから構成される。なお、コントローラ220は主制御部249に組み込まれるべきものであるが、ここでは説明の便宜上、主制御部249とは別に設けてある。
電力制御部240は、炉内温度センサ211とヒータ温度センサ212との測定温度に基づいて炉内温度が処理温度になるように、ヒータ207に通電する電力を制御する。通常、電力の制御は、サイリスタによる位相制御によって行う。
主制御部249は、電力制御部240、処理炉202、ゲートバルブ130、搬送室103、移載機112などを制御する。ここで、処理炉202の制御としては、反応室204内の圧力や、反応室204内に供給するガスの流量等の制御がある。また、主制御部249は、処理炉内で成膜処理されるウェハ枚数をカウントする処理枚数信号を出力する。
コントローラ220は、電力制御部240に、ヒータ207に所定の電力を与えるための温度制御信号を与える一方、枚葉式半導体製造装置の立上げ時に、主制御部249にウェハ処理開始指令を与えるように構成される。
コントローラ220は、具体的には、4つの演算部221〜224を備えている。
制御温度演算部221は、反応室の温度を処理温度に制御する既存の温度制御機能を有し、ヒータ温度、炉内温度、搬送室内温度に基づいて、炉内を所定の処理温度にするための制御温度信号を出力するようになっている。
差温度演算部222、補正温度演算部223及び加算器225,226は、既存の制御温度に加算温度を加えて修正する加算温度機能を有する。ここで加算温度を加えて修正するのは次の理由による。炉内温度センサ211には、ウェハ処理枚数にしたがって内部汚染物が付着する。内部汚染物の付着により実際より低い温度が炉内温度として測定される。このため温度制御には、温度低下分を打ち消す分の温度を加算して、その加算された設定値を温度制御の設定値とすることが必要となるからである。
差温度演算部222は、炉内温度、搬送室内温度及び処理枚数とに基づいて、炉内温度と搬送室温度との差である差温度を出力するようになっている。補正温度演算部223は、処理枚数に応じて、後述する補正温度を出力するようになっている。
準備時間演算部224は、装置立上げの準備時間を最適化する立上げ制御機能を有し、搬送室内温度センサ213単独の測定温度に基づいて、反応室204から搬送室103への熱移動が収束したと判断される搬送室内温度が、ある一定の温度(熱移動収束温度)を検出した時点で、ディレイ回路227を介して放置時間を経過させて、ウェハ200の処理が可能な状態とするウェハ処理開始指令を主制御部249に出力する。
コントローラ220は、差温度演算部222からの差温度に、補正温度演算部223からの補正温度を加算器226で加えて加算温度を求め、この加算温度に加算器225で制御温度演算部221からの制御温度を加えたものを温度制御信号として電力制御部240に出力する。
出力装置230は、炉内温度、差温度、補正温度、またこれら以外に、ヒータ温度、搬送室内温度、またはウェハ処理枚数などが入力されることによって、これらのデータを、時間またはウェハ処理枚数を変数として可視化する。出力装置230としては、ディスプレイ、プリンタなどがあげられる。
次に、上述した制御系を用いて、反応室204と搬送室103間の熱の移動を把握して、得られたデータを運用制御にフィードバックする方法を説明する。ここで運用制御には、反応室204の温度を制御する温度制御と、枚葉式半導体製造装置を操作する機構制御とがある。
先ず、枚葉式半導体製造装置で行っている反応室の処理温度を制御する既存温度制御系の動作について述べ、次に装置立上げの準備時間を適正化する立上げ制御系、及び反応室の処理温度を適正化する加算温度制御系の動作について述べる。
A.既存温度制御系の動作は次の通りである。
反応室204でウェハ処理を行うに先立って、まず炉内温度センサ211を用いて、反応室204の内部温度すなわち炉内温度がウェハ処理温度となるよう、温度制御手段247によってヒータ207の出力を制御する。ヒータ加熱によって炉内温度が安定した後、その時のヒータ温度センサ212で測定したヒータ温度を制御温度演算部221に記録する。すなわち、炉内温度とヒータ温度との相関を求めて、炉内温度を処理温度とするためには、ヒータ温度を何度に設定すればよいかを求めることができる温度プロファイルを取得する。以後、ウェハ処理を行う場合は、取得した温度プロファイルを用いて各ヒータ207に設けたヒータ温度センサ212にもとづいて炉内の温度制御を行う。すなわち、ヒータ温度センサ212、制御温度演算部221、電力制御部240、ヒータ207によるフィードバック制御を行う。
B.装置立上げの準備時間を適正化する立上制御系の動作は次の通りである。
図2は、反応室内でのウェハ処理を可能な状態とするまでにかかる放置時間の開始を、搬送室内温度で判断する例であり、出力装置230の画面に表示出力されたグラフである。装置の立上げ時、反応室204は温度制御手段247の温度制御により所定温度に設定されて、昇温を始める。このときの炉内温度センサ211によって測定される反応室204(以下、PMともいう)の炉内温度T(PM)と、搬送室内温度センサ213によって測定される搬送室103(以下、TMともいう)の搬送室内温度T(TM)とを、出力装置230に入力して画面に表示出力するとともに、準備時間演算部224によって監視する。
PMからTMへの熱移動が収束したと判断されるTMの搬送室内温度T(TM)が、ある一定の温度(熱移動収束温度TC)に達した後、ディレイ回路227を介して放置時間tnを経過させ、ウェハ200の処理が可能な状態と判断して、主制御部249にウェハ処理開始指令を出力する。ウェハ処理開始指令を受けた主制御部249は、移載機112を制御してウェハ200を搬送室103から反応室204へ搬送し、温度制御を継続しつつ、圧力制御、流量制御などの一連の制御を行ってウェハ200を処理する。
ここで、PMからTMへの熱移動が収束したと判断されるTMの搬送室内温度T(TM)が、熱移動収束温度TCに達したか否かの判断は、炉内温度測定値と予め設定した熱移動収束温度とをコントローラ220で比較して行う。
反応室204から搬送室103に移動して熱移動が収束したと判断される熱移動収束温度TCは、指定温度幅のことであり、経験値から判断して設定する。最適な熱移動収束温度は、反応室204でのウェハ処理枚数にしたがって変るので、可変とする。また、指定温度幅はプロセスにより異なるため、この点からも熱移動収束温度は可変とする。また、装置に反応室が複数存在するときは、複数の反応室のそれぞれの状態を考慮して反応室毎に熱移動収束温度を判断する。
また、熱移動収束温度TCに達してから、成膜処理をただちに行わず、しばらく放置させる放置時間tnは、成膜処理に影響がでない最短時間を、取得した温度データに基づく経験値から設定する。
装置立上げ時は、PMからTMへの熱移動が急激に起こっており、ある程度(放置時間)、PMとTMとの間で熱の均衡が実現しないと、ロット処理が開始できない。熱の均衡がはかられないうちは、ロット処理を行うと、ロットの最初のウェハと最後のウェハの膜質(特に膜厚と膜強度)が異なってしまうことになる。したがって、放置時間tnは、成膜処理に影響がでない最短時間が経験値から設定される。
最適な放置時間tnは、熱移動収束温度と同様に、反応室204でのウェハ処理枚数にしたがって変るので、可変とする。また、装置に反応室が複数存在するときは、複数の反応室のそれぞれの状態を考慮して、最適な放置時間tnを反応室毎に判断して設定する。
上述した熱移動収束温度TC及び放置時間tnは、作業者の経験に基づく勘で設定されるものではない。装置立上げ時における反応室204や搬送室103の内部温度を温度センサ211、213により監視し、これを出力装置230で可視化する。反応室204と搬送室103との温度を比較し、反応室204と搬送室103間の熱の移動を明らかにするとともに、データとして把握する。把握したデータの管理のもとに、熱移動収束温度TC及び放置時間tnは、最適な値として客観的に設定されるものである。
このように実施の形態の立上制御系によれば、装置立上げ時に搬送室内の温度を監視することにより、搬送室内温度が熱移動収束温度に達した後、最適な放置時間をおいてから、主制御部249によりウェハ200を搬送室103から反応室204に搬送するよう移載機112を制御するので、ウェハ処理前の熱移動による準備時間の最適化をはかることができる。したがって、反応室から搬送室へ熱の移動が起きても、準備時間中に反応室の温度を安定させることができるので、反応室204の温度が安定しないままにウェハを処理することを回避できる。
また、熱移動収束温度及び放置時間は、データ管理に基づいて客観的に設定されているので、必要以上の時間が設定されることもなく、スループットの低下を招くこともない。
上述した説明では、熱移動の収束温度判定には、搬送室内温度のみで単独判断するようにしたが、これに限定されない。例えば、反応室204と搬送室103との差温度で判断するようにしてもよい。
図1において、準備時間演算部224へは、搬送室温度の他に、一点鎖線で示すように炉内温度も加えるようにする。準備時間演算部224は、搬送室温度及び炉内温度の両方の温度に基づいて、反応室204から搬送室103への熱移動が収束したと判断される搬送室内温度と炉内温度との差温度が、ある一定の温度(熱移動収束温度)を検出した時点で、ディレイ回路227を介して放置時間を経過させて、ウェハ200の処理が可能な状態とするウェハ処理開始指令を主制御部249に出力する。
図3は、そのような熱移動の収束温度判定を、搬送室内温度に代えて差温度で行うようにした場合の例であり、出力装置230の画面に表示出力されたグラフである。準備時間演算部224に入力された炉内温度センサ211の炉内温度と、搬送室内温度センサ213の搬送室内温度とから、準備時間演算部224で両者の温度差を求めて、出力装置230に入力して画面表示出力するとともに、この温度差を準備時間演算部224によって監視する。そして、差温度が熱移動収束温度差(差温度)T(TM-PM)に達した後、ディレイ回路227を介して放置時間tnを経過させ、ウェハ200の処理が可能な状態と判断して、主制御部249にウェハ処理開始指令を出力する。
これによれば、モジュール間の熱移動収束温度を絶対値ではなく相対値で判断しているので、装置温度の変動を除くことができ、ウェハ処理前の熱移動による準備時間の最適化をより有効にはかることができる。
実施の形態によれば、上述した図2又は図3に示す2つのいずれかの判別手法を使って、最適な熱移動収束温度及び放置時間を導き出し、ウェハ処理開始可能条件の一つとして主制御部249にウェハ処理開始指令として入力することにより、準備時間を作業者の経験に頼る必要がなくなるので、スループットが向上する。
C.加算温度制御系の動作は次の通りである。
図4及び図5は、出力装置230によって画面に表示出力されたウェハ処理枚数に応じた差温度及び補正温度の変化を示すグラフである。
図4に示すように、PMからのウェハ搬出時、ゲートバルブ130の開閉によるPMからTMへの熱移動が起きてPMの温度低下が生じる。PMからTMへの熱移動におけるPMの温度低下について、装置運用における一時点において、差温度演算部222で求めたPMとTMの差温度T(PM-TM)を、主制御部249で把握した処理枚数で管理し、出力装置230に入力して可視化する。可視化したデータから分るように、枚葉式半導体製造装置においては、搬送枚数が少ないうちは、PMからTMへの熱の移動は急峻であるが、搬送枚数が増加するにつれ、熱の均衡が図られるためPMからTMへの熱の移動、すなわち差温度は緩やかになる。従って、ウェハ処理枚数毎に変化するこのような炉内温度環境に、反応室の温度制御を適切に対応させるために、制御温度演算部221による制御温度を上記差温度で補正してやる必要がある。この補正に当たって、上記一時点が重要な要素となる。
ここで、一時点とはPMとTMの雰囲気が遮断され、かつPMにおいてプロセス処理が行われていないゲートバルブ130の開直前、もしくはゲートバルブ130の閉直後とする。ここでゲートバルブの開直前とするか、閉直後とするかは、温度補正してからウェハ200をPMに入れるか、ウェハ200を入れてからPMの温度補正を行うかということと同義である。温度補正のタイミングで補正温度幅が異なり、補正温度幅が大きいと補正完了までに時間を費やすことになるから、成膜プロセスに応じて、いずれかを選択できるようにする。また、次のウェハのためにウェハ搬出直後のゲートバルブ開閉時に補正することもあるからである。
一時点が、ゲートバルブが開放される直前であると、物理的に接しているTMにPMからの熱の移動が収束し、PMの温度が安定しているときの差温度を得ることができるので、PMを正確に温度制御できる。また、一時点が、ゲートバルブ130が遮断される直後であると、TMより高温であるPMからTMへの熱の移動が収束し、PMの温度が安定しているときの差温度を得ることができるので、PMを正確に温度制御できる。さらに、一時点が、ゲートバルブ130が開放される直前、及びゲートバルブ130が遮断される直後であると、ゲートバルブ130の開放前後のPMの温度が安定しているときの差温度を得ることができるので、PMをより正確に温度制御できる。
一方、PMの炉内温度の測定値はプロセス処理による内部汚染により、加熱効率が落ち、予め取得した温度プロファイルを用いてヒータ207に設けたヒータ加熱によって加熱されるべき炉内温度が、設定したウェハ処理温度より低くなる。この傾向は処理枚数が増加するにつれ顕著になる。よって、図5に示すように、それを補正する加算温度は加速的に上がる傾向にある。このグラフは経験値より予め設定しておく。従って、ウェハ処理枚数毎に変化するこのような炉内温度環境に、反応室の温度制御を適切に対応させるために、制御温度を上記補正温度からも補正してやる必要がある。
よって、差温度が、経験から得られた補正許容範囲内にある場合において、主制御部249からの処理枚数に応じて、可視化した図4の表示画面から、差温度演算部222で差温度を演算し、可視化した図5の表示画面から補正温度演算部223で補正温度を演算して、それぞれを取り出し、加算器226を使って式(1)に示す加算演算を行う。
差温度+補正温度=加算温度 (1)
この制御温度演算部221から出力されるPMの制御温度に式(1)の加算温度を加算器225で加えて、これを電力制御部240への補正された温度制御信号とする。
上述した加算温度制御系の実施の形態によれば、反応室からの基板搬出時に、反応室と搬送室間に設けたゲートバルブの開放により、反応室から搬送室への熱の移動が起きても、これらの熱移動をカバーするため、反応室内の制御温度を、ウェハ処理枚数を考慮にいれた適正な温度補正をしている。したがって、全てのウェハに個別的、具体的に反応室内の温度制御補正が行われるため、ウェハ処理枚数毎に変化する反応室温度環境に、反応室の温度制御を適切に対応させることができ、ウェハ間の熱履歴を一定にできる。
上述した実施の形態の既存温度制御系、立上制御系及び加算温度制御系により制御された運用状況の概略をグラフ化すれば、図6に示す通りになる。すなわち、装置立上げ時後の最初ウェハの処理前には最適な準備時間を確保して、反応室から搬送室への物理的熱移動や、ゲートバルブの開閉の影響を最小にして、反応室温度を速やかにウェハの処理温度にもっていくことができる。また2枚目以降においても、熱の移動を考慮した適正な補正を行うことによって、処理枚数で変化する炉内モニタ温度にもかかわらず、実炉内温度をウェハの処理温度に保持することができる。これにより最終目的であるウェハ間の熱履歴を一定化に保つことができる。
なお、図6には示していないが、従来の制御温度演算部221のみによる温度制御では、ウェハ処理枚数の増加にともなって実炉内温度が徐々に低下していったり、あるいは、ウェハ処理枚数を考慮しないで、一時的かつ意図的に上げて温度補正などしている場合では、不適正な温度補正により、実炉内温度がウェハ処理温度から外れていた。
以上述べたように、本実施の形態によれば、熱の移動について、装置運用時に各モジュールの温度を継続的に監視し、データ管理している。そして、温度監視データを管理し、可視化することにより、モジュール間の温度差、熱移行を明らかにし、装置制御に反映するようにしている。その結果、ウェハ処理前の熱移動による準備時間の最適化を計るようにしたので、スループットを向上でき、また、ウェハ処理枚数に応じて反応室内の温度制御の適正化を計るようにしたので、ウェハ間の熱履歴を一定に保ってウェハを処理することができる。
なお、上述した実施の形態において、差温度演算部222、補正温度演算部223、及び準備時間演算部22において、演算により差温度、補正温度、及び熱移動収束温度を演算により求めてもよいが、予め用意したルックアップテーブルを用いて求めるようにしてもよい。
また、冷たい被処理基板を移載機で反応室に搬入したときに起きる反応室の温度低下や、加熱された処理済み基板を反応室から移載機で搬出したときに起きる反応室の温度上昇などの一時的な現象も、熱移動として反応室と移載機間で発生していると考えられる。上述した実施の形態では、このような一時的現象は温度制御の補正対象としていない。これらの一時的現象は、プロセス処理における内部汚染による加熱効率の低下と比べてはるかに小さいからである。しかし、必要に応じてこれらの一時的現象を補正対象とすることも可能である。
実施の形態による枚葉式半導体製造装置の制御に反映する制御系のブロック構成図である。 実施の形態による枚葉式半導体製造装置の立上げ時の熱移動収束温及び放置時間を、搬送室温度をもとに最適化する説明図である。 実施の形態による基板処理装置の立上げ時の熱移動収束温及び放置時間を、反応室と搬送室との温度差をもとに最適化する説明図である。 実施の形態によるウェハ処理枚数に応じた反応室と搬送室との温度差を可視化した特性図である。 実施の形態によるウェハ処理枚数に応じたヒータ補正温度を可視化した特性図である。 実施の形態による炉内温度の運用状況を示す温度グラフ図である。 実施の形態による処理炉の概略を示す略断面図である。 実施の形態による基板処理装置の概要を示す平面図である。 実施の形態による基板処理装置の概要を示す略断面図である。
符号の説明
112 移載機
103 搬送室
130 ゲートバルブ
200 ウェハ(基板)
204 反応室
207 ヒータ(加熱手段)
211 炉内温度センサ(反応室温度センサ)
212 ヒータ温度センサ
213 搬送室内温度センサ(搬送室温度センサ)
220 コントローラ
230 出力装置
240 電力制御部
247 温度制御手段
249 主制御部

Claims (1)

  1. 温度制御される雰囲気下で基板を処理する反応室と、
    この反応室に隣接して設けられ、前記反応室に前記基板を搬送する移載機を設けた搬送室と、
    前記反応室及び前記搬送室の温度をそれぞれ測定する反応室温度センサ及び搬送室温度センサと
    を備えて、前記反応室温度センサ及び搬送室温度センサ値を前記反応室の温度制御に反映させるようにしたことを特徴とする基板処理装置。

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