JP2005123144A - 放電ランプの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発光部の内壁面に発生した黒化部を除去または当該面での黒化部の発生を予防し、放電ランプの照度を向上させ、均一性の高い照度分布を得ることが可能な放電ランプの製造方法を提供する。
【解決手段】 発光部10の内壁面の管軸方向中央付近に発生した黒化部4に向けて、発光部10を回転させながら、発光部の外部からレーザ62を照射する。この際、レーザ62の照射領域は、一対の電極12a,12bの配設された方向に沿って移動させる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、放電ランプの製造方法に関する。
近年、液晶プロジェクタやDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)を用いたプロジェクタなど、大画面表示のプロジェクタが広く用いられている。このようなプロジェクタの光源として、電極間隔を1mm以下と短縮したショートアーク型の高圧水銀ランプ等の放電ランプが注目されている。放電ランプの電極間隔を短くすると、より点光源に近くなるため、凹面反射鏡と組み合わせたときの集光効率が上がり、スクリーンに投影された画面の高輝度化が図れるからである。
従来、発光部の両端に延設された側管部の一方から、電極、金属箔、外部リード線が順次接続された第1の電極組立体を挿入して、前記側管部を封止した後、他方の側管部から、すでに封止された電極組立体の電極に対して位置合わせを行いながら、第2の電極組立体を挿入した後、前記側管部を封止して、一対の電極を形成する放電ランプの製造方法(以下、「第1の製造方法」という。)が採られてきたが、1mm程度の電極間隔を高精度に形成することは困難であった。
そこで、例えば、特許文献1では、放電ランプの一対の電極となるべき電極構造部分を含む1本の電極組立体を、発光部の両端部に側管部が延設された発光管用ガラスバルブ内に挿通し、側管部を封止して、発光部内部に電極構造部分が位置する発光管を形成した後に、発光部の外部から電極構造部分にレーザを照射して溶断させることにより、発光管内に一対の電極を形成する放電ランプの製造方法(以下、「第2の製造方法」という。)が開示されている。現在のレーザ加工の精度は極めて高いので、この製造方法によれば、特別な技能がなくても精度良く微小な電極間隔を形成することができ、これにより極めて生産性を向上させることができる。
特許第3330592号公報
上記第2の製造方法は、精度良く電極間隔を形成できる点で優れているが、その反面、次のような問題が生じる。
即ち、電極構造部分は通常タングステンからなるので、これをレーザによって溶断させる際、当該タングステンが気化して飛散し、発光部の内壁面に付着して黒化が生じる場合がある。これにより、放電ランプの照度の低下及び照度分布のムラが惹起される。
とりわけ、黒化部が、前記発光部の内壁面の管軸方向中央部に生じると、照度が著しく低下してしまう。
なお、このような黒化部の発生は、上述の第1の製造方法の場合であっても、製品出荷前にランプ性能を安定させるために実行される所定時間の点灯(以下、「エージング」という。)の際にも生じることがある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、放電ランプの発光部の内壁面に発生した黒化部を除去し、または当該内壁面に黒化部が発生することを予防して、放電ランプの照度を向上させ、均一性の高い照度分布を得ることが可能な放電ランプの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る第1の放電ランプの製造方法は、発光部内部の放電空間に一対の電極を配設してなる放電ランプの製造方法であって、前記発光部の内壁面に発生した黒化部に、前記発光部の外部からレーザを照射するレーザ照射工程を含むことを特徴とする。
また、前記発光部に一対の電極となるべき一本の棒を含む電極組立体を挿通した後、前記発光管の外部からレーザを照射して前記電極組立体の一本の棒の一部を溶断することにより、所定間隔をおいて対向配置される一対の電極を形成する電極形成工程を含み、前記レーザ照射工程は前記電極形成工程より後に実行されることを特徴とする。
さらに、前記レーザ照射工程は、前記放電ランプを点灯させながら行うことを特徴とする。
さらに、また、前記発光部に所定のガスを封入後、所定時間点灯するエージング工程を含み、前記レーザ照射工程は、前記エージング工程より後に実行されることを特徴とする。
また、本発明に係る第2の放電ランプの製造方法は、発光部内部の放電空間に一対の電極を配設してなる放電ランプの製造方法であって、発光管内部に一対の電極を配設した後に、前記発光部の内壁面に付着した不純物に、発光部の外部からレーザを照射するレーザ照射工程を含むことを特徴とする。
また、前記レーザ照射工程は、レーザの照射領域を前記一対の電極の配設された方向に沿って移動させながら行うことを特徴とする。
また、前記レーザ照射工程は、前記一対の電極のうち、レーザの照射領域を移動させる方向側の電極の根元部分を冷却しながら実施されることを特徴とする。
本発明に係る放電ランプの製造方法によれば、発光部の内壁面に発生した黒化部にレーザの照射を行うので、当該内壁面での黒化部を照度にあまり影響のない箇所に移動することが可能となる。この結果、放電ランプの照度を向上させると共に、照度分布の均一化を図ることができる。
また、本発明に係る放電ランプの製造方法によれば、発光部の内壁面に付着した不純物にレーザの照射を行うので、当該内壁面での黒化部の発生を予防することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態に係る放電ランプの製造方法の一例として、高圧水銀ランプの製造方法について、図面を参照しながら説明する。
まず、図1に示すように、放電ランプ用のガラスバルブ(以下、単に「ガラスバルブ」という。)50に、放電ランプの一対の電極となるべき電極構造部分42を含む電極組立体40を、電極構造部分42の軸芯がガラスバルブ50の管軸とほぼ一致するようにして挿入し、ガラスバルブ50の発光部10の管軸方向中央部と電極構造部分42の中央部がほぼ一致した状態で、電極組立体40の位置を不図示の治具により固定する。
ガラスバルブ50は、放電空間を形成する略球形をした発光部10と、発光部10の両端から延出された側管部22a,22bを有してなる。
なお、ガラスバルブ50は、石英ガラスから構成されており、本実施の形態における発光部10の内径は6mm、ガラス厚は3mmであり、側管部22a,22bの内径は3.4mm、長手方向の長さは250mmである。
また、電極組立体40は、電極構造部分42を構成する一本のタングステン棒(以下、「W棒」という。)16の両端に金属箔24a,24bを接合し、各金属箔24a,24bの外側端部の外部リード線30a,30bをそれぞれ接合してなる。ここで、金属箔24a,24b、外部リード線30a,30bの素材は、共にモリブデンである。
W棒16は、放電ランプにおける一対の電極の電極軸となる部分である。W棒16の中央部分には、後に溶断されることとなる溶断部位18がある。W棒16のうち溶断部位18の両側に位置する箇所は電極先端となる部分であり、その部分にコイル14a,14bが取着されている。このコイル14a,14bは、放熱作用を有し、放電ランプの点灯時において、電極先端部の温度が必要以上に高くならないようにする。
電極組立体40をガラスバルブ50内に挿入した後、ガラスバルブ50の側管部22a,22bを加熱してそれぞれ金属箔24a,24bと密着封止させて封止部を形成する。この封止部の形成は公知の方法に従って行えばよく、例えば、ガラスバルブ50内を減圧した状態で、チャック52を用いてガラスバルブ50を回転させながら、ガラスバルブ50の側管部22aをバーナーで加熱し軟化させることにより、側管部22aと金属箔24aが密着して封止部を形成することができる(絞り封止方式)。両側管部は同じ構成をしているので、側管部22bと金属箔24bも同様に密着させて封止部を形成することができる。
なお、一方の封止部を形成した後、他方の封止部を形成する前において、ガラスバルブ50の発光部10の内部に放電ランプの発光物質11を導入する。本実施の形態では、発光部10の内部に、発光物質としての水銀、アルゴンなどの始動補助用希ガスの他に、臭素などのハロゲンを封入している。このハロゲンは、点灯時の高温により蒸発した電極材料であるタングステンを電極に戻すという、いわゆるハロゲンサイクル作用を行う役割を有している。
次に、発光部10内に位置する溶断部位18に集光させて、発光部10外部からレーザ(不図示)を照射する。これにより溶断部位18の温度が上昇し、図2に示すようにW棒16及が中央部で溶断され、一対の電極棒16a,16bとなる。この際、それぞれの電極棒16a、16bの先端部とコイル14a,14bの一部とが溶融一体化して、先端が半球状に加工された一対の電極12a,12bが形成される。
上述のような製造方法によれば、一対の電極となる電極構造部分42を一本のW棒16で構成して、これを封止部で固定した後にレーザで溶断しているので、一対の電極12a、12bの軸芯を合わせる手間が不要となる上、レーザ加工により微小な電極間隔を精度よく形成でき、生産効率が向上する。
ところが、レーザによって電極構造部分42を溶断する際、電極材料たるタングステンが気化して飛散し、発光部10の内壁面に付着して黒くなる部分が生じることがある。このような黒化部(図中では符号4で示す。)が生じると、放電ランプ100の照度が低下し、また、同時に照度分布にムラが起きることとなる。
そこで、本実施の形態では、上述のようにレーザで溶断部位18を溶断した後、その際に生じた黒化部4にレーザを照射して気化させ、その照射位置を移動することにより、黒化部4を照度に影響がない箇所に移動させるようにしている。
図3は、黒化部4にレーザを照射するときの様子を示す模式図である。
同図に示すように、まず、ガラスバルブ50の両端を公知の回転チャック装置51の把持部52で把持し、矢印方向に回転しながら、レーザ発振器60により発光部10の管軸方向中央に生じた黒化部4に向けてレーザ62を照射する。なお、同図では、レーザ発振器60およびレーザ62をやや簡略した形で表示している(以下も同じ)。
回転チャック装置52は、不図示の駆動手段により把持した放電ランプをその管軸19回りに所定の回転速度で回転するように構成されており、また、レーザ発振器60は、一定の速度で白抜きの矢印の方向に移動させるようになっている。このレーザ発振器60の移動方向は、一対の電極12a、12bの配設された方向と平行な方向であるが、上述のように電極12a、12bの軸は、管軸19とほぼ一致するように配されているので、以下では単に「管軸と平行な方向」という場合もある。
また、レーザ発振器60は、300W級のYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザであり、連続発振方式またはパルス発振方式で、レーザを射出する。ただし、黒化部を移動させるのに必要な設定が容易な連続発振方式を用いることが好ましい。
YAGレーザは石英ガラスに吸収されにくいレーザであるため、石英ガラスからなる発光管を融解させることなく、黒化部に選択的にレーザを照射することができる。なお、レーザ62は必ずしも黒化部4に厳密に焦点を合わせる必要はなく、その付近に焦点を合わせればよい。黒化部4を気化できるだけの温度が得られればよいからである。また、レーザ62は前記管軸19と直交するように照射する方が望ましいが、多少傾いても構わない。
そして、放電ランプ100を管軸周りに一定の方向に回転させながらレーザ発振器60を管軸に平行に移動させることにより、そのレーザ62を発光部10の全周を照射させつつ、その照射領域が電極12bの根元付近から電極12aの根元付近まで移動するようにする。
この際の放電ランプ100の回転速度およびレーザ発振器60の移動速度は、発光部10の内壁を万遍なく照射し、かつ、黒化部4のタングステンが気化する速度に設定される。
レーザ62の照射を受けて気化したタングステンは、当該レーザ62に追い立てられるように電極12aの根元方向に徐々に移動していく。
すなわち、レーザ62の照射を受けて気化したタングステンは、発光部10内を浮遊し、電極12a,12bに戻るものもあるが、その多くは、図3におけるレーザ照射位置より左方の、より温度の低い発光部10の内壁面で析出する。そして、レーザ62の照射領域が近付いてくるに連れて、再び気化して図3の左方向に移動して析出するが、また、レーザ62の照射を受けてさらに左方に移動する。これが繰り返されて、レーザ62が電極12aの根元付近に近付いたときには、黒化部4は、電極12aの根元付近の内壁に集中していることになる。
この際、あまりレーザ照射領域を電極12aの根元方向に近付けると、せっかく電極12aの根元付近に集中した黒化部のタングステンが気化して、発光部10の内壁面の管軸方向中央部(以下、単に「中央部」と呼称する。)に析出するおそれがあるので、適当な位置でレーザ照射は停止される。なお、その停止位置は、発光部10の形状や寸法等によって適宜決定される。
図4に示すように、電極12a,12bの根元付近2a、2bに黒化部が発生しても、電極12a、12b間のアーク放電により発生した光が発光管10外部に射出されるのをほとんど妨げないため、照度が低下せず、もちろん照度むらも生じない。
また、前記領域2a,2b付近における黒化部は、外部に目立ちにくいことから、放電ランプの商品価値への影響も少ない。
なお、このように黒化部を発光管中央部から電極の根元に移動させることを、以下本明細書において、便宜上「黒化部を除去する」ということにする。実際には黒化部は、その位置が移動しただけで完全に消滅したわけではないが、上述のように電極の根元はほとんど目立たない場所であり、かつ照度にも影響を与えないので、除去したのと同等であると考えることができるからである。
また、レーザ発振器60を移動させなくても、回転チャック装置51を反対方向に移動させてもよい。要するにレーザ発振器60の照射位置がガラスバルブ50に対して相対的に移動すればよい。このことは回転についても同じである。
以下、レーザ照射による黒化部の除去方法の変形例について説明する。
(変形例1)
上述のように電極の根元は温度が低いという理由でこの部分にタングステンが析出しやすいという原理からすれば、より効果的にレーザ62の照射領域を移動させる方向側の電極12aの根元付近に黒化部を集めるためには、当該電極の根元付近を冷却しながら、レーザの照射を行うことが望ましい。そこで、図5に示すように、レーザ62の照射領域を移動させる方向側の電極12aの根元を、冷却装置6から冷却媒体を吹き付けて冷却しながら、黒化部4にレーザ62を照射しても良い。冷却媒体として、例えば、冷却水でもよいが液体窒素などを使用すれば、さらに効果的である。なお、図5においては、図を簡易にするため回転チャック装置51の図示を省略している(以下、同じ。)。
(変形例2)
さらには、図6(a)(b)に示すように、電極12a、12bのほぼ中心を通り管軸に直交する軸17の位置から、照射領域を左方向に移動し(図6(a))、その後また軸17の位置から右方向に移動させる(図6(b))ようにしてもよい。
この際、不図示の駆動機構により、レーザ62の照射方向に応じて冷却装置6も照射領域の移動先の電極の根元付近を冷却するように移動させる。これにより、黒化部が、電極12a,12bの根元付近の発光部内壁面にほぼ等分に集中させることができる。
このようにするのは、発光部10の内壁面の黒化部は、放電ランプ点灯時に温度が上昇しやすいので、一方の電極の根元付近に集中させるよりは両方の電極の根元付近に分散させる方が、発光部の電極根元付近におけるクラック発生の防止につながると考えられるからである。
なお、黒化部の除去時間を短縮するために、2またはそれ以上の複数のレーザ発振器を用いて上記図6(a)(b)に示すレーザの照射動作をほぼ同時に行うようにしてもよい。この場合には、電極12a、12bの根元付近のそれぞれに1台ずつ冷却装置が配設される。
また、一のレーザ発振器だけの場合でも、ハーフミラーなどを利用したビームスプリッタにより1本のレーザを2本に分割し、それぞれのレーザを別のミラーを介して発光部の中央部に照射させ、各ミラーの角度を変化させて、一本のレーザを右方向に偏向させ、他方のレーザを左方向に偏向させるようにしてもよい。
(変形例3)
発光部の内壁面に生じた黒化部にレーザを照射すると、発光部内の温度が上昇して、ある程度はハロゲンサイクルが作用していると考えられるが、より効果的にハロゲンサイクルの作用を起こすために、放電ランプを点灯しながら黒化部にレーザを照射するようにしてもよい。
例えば、放電ランプ100にブレークダウン電圧を印加して絶縁破壊させた後、図7に示すように放電ランプ100を点灯させつつ、レーザ照射領域を上述のように移動させて黒化部を除去する。
放電ランプ100の点灯により発光部内の温度が上昇するためハロゲンサイクルが活発化し、レーザの照射を受けて気化した黒化部のタングステンがより多く電極に析出し、その分、電極の根元での析出が少なくなる。
レーザ照射時に発光部10内が、ハロゲンサイクルが作用しやすい温度状態であればよいので、放電ランプの点灯時間とレーザ照射時間が一致する必要はなく、例えば放電ランプの点灯を先行させて発光部内部の温度を十分上昇させた後にレーザ照射を実行するようにしてもよい。また、図8に示すように放電ランプ100を点灯させる代わりに、もしくは当該点灯に合わせてヒータコイル72などの加熱手段により発光部を外部から加熱するようにしてもよいであろう。
なお、本実施の形態1では、一本の電極構成部分を外部からレーザで溶断させる際、電極材料であるタングステンが気化して飛散し、発光部内壁面に付着することが黒化部発生の要因であるとして説明したが、製品出荷前の黒化部の発生はこのような場合に限られない。
即ち、他の一般の製造方法(例えば、既述の第1の製造方法)を用いて製造する場合においても、製品出荷前に性能を安定させるために実行される放電ランプのエージング(エージング工程)の際にも黒化部が生じる場合がある。
このエージング工程の際に発生した黒化部を除去するための上述のレーザ照射工程を実施してもよいのはいうまでもない。
(実施の形態2)
本実施の形態2は、実施の形態1のように既に発生した黒化部を除去するのではなく、第2の製造方法を除く他の製造方法を採用した場合に、エージング時に黒化部が発生しやすい条件を予め除去して、照度に影響する部分における黒化部の発生を予防するものである。
エージング時に黒化部が発光部内壁面のどの部分に発生しやすいかの判断は複雑であるが、少なくとも不純物が付着した壁面に発生しやすいことが経験的に知られている。
すなわち、エージング中に電極から蒸発したタングステンが発光部内壁面に付着した不純物と結合し、化合物を生成することにより当該箇所に黒化部が発生すると考えられる。この不純物としては、空気中の水蒸気や、金属箔24a,24bを細管部に挿入する際に、その内壁面に接触して生じたモリブデンの粉などが挙げられる。
したがって、エージング工程の前に、上記不純物を、照度に影響する発光部中央部の内壁から予め除去するようにしておけば、エージング時にタングステンが蒸気化したとしてもその部分に黒化部が発生しにくくなるため、改めて黒化部を除去する必要もなくなる。
そこで、本実施の形態に係る放電ランプの製造方法においては、第2の製造方法を除く方法によって放電ランプが形成された後、エージング工程に移る前に、図9に示すように発光部内壁面の中央部に付着している不純物5にレーザ62を照射して不純物を発光部内壁の中央部から除去するようにしている。
この照射方法は、図3の場合と同様、ガラスバルブ50をその管軸回りに回転させながら、YAGレーザの発振器60を矢印方向に移動させることによって実行される。
この場合にさらに上記実施の形態1における変形例1、2などの方法を採用しても構わない。
このように中央部の不純物をあらかじめ中央部から除去した放電ランプで、実際にエージングを行ったところ、当該箇所における黒化部の発生が抑制されることが確認された。
<変形例>
実施の形態に基づいて説明したが、本発明の内容が、上記の各実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば以下のような変形例を実施することができる。
(1)上記各実施の形態では、発光物質として封入された水銀の蒸気圧が20MPa程度の放電ランプ(いわゆる超高圧水銀ランプ)の製造に適用する場合について説明したが、水銀蒸気圧が1MPa程度の高圧水銀ランプや、水銀蒸気圧が1kPa程度の低圧水銀ランプについても適用できる。また、本発明は、水銀ランプ以外の放電ランプにも適用可能であり、例えば、金属ハロゲン化物を封入したメタルハライドランプなどに適用することも可能である。
(2)上記各実施の形態では、レーザ照射時に水平方向にガラスバルブを保持しているが、鉛直方向に保持してもよい。鉛直方向に保持することで、重力の作用により効果的に、鉛直方向に下側の電極の根元付近に、黒化部または不純物を析出させることができる。
(3)上記各実施の形態では、発光管の材料に石英ガラスを用いる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、透光性セラミック等の材料を用いてもよい。また、レーザとしては、YAGレーザ以外にHe−Neレーザ等を用いてもよく、発光管の材料に応じてレーザを適宜設定すればよい。
本発明にかかる放電ランプは、放電ランプの照度を向上させ、均一性の高い照度分布を得ることができるので、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等の用途に適用できる。
実施の形態1に係る放電ランプの製造方法を説明するための構成を示す図である。 実施の形態1に係り、一対の電極を形成した後の放電ランプの概略図である。 実施の形態1に係り、黒化部にレーザを照射する際の概略図である。 実施の形態1に係り、電極の根元付近に発生した黒化部が放電ランプの照度へ与える影響を説明するための図である。 実施の形態1に係り、黒化部にレーザを照射する際の概略図である。 実施の形態1に係り、黒化部にレーザを照射する際の概略図である。 実施の形態2に係り、放電ランプを点灯しながら黒化部にレーザを照射する際の模式図である。 実施の形態2に係り、放電ランプをヒータコイルで加熱しながら黒化部にレーザを照射する際の模式図である。 実施の形態3に係り、発光部の内壁面に付着した不純物にレーザを照射する際の概略図である。
符号の説明
4 黒化部
5 不純物
6 冷却装置
10 発光部
12a,12b 電極
19 電極軸
22a,22b 側管部
40 電極組立体
50 ガラスバルブ
60 レーザ発振器
62 レーザ
70 点灯回路
100 放電ランプ

Claims (7)

  1. 発光部内部の放電空間に一対の電極を配設してなる放電ランプの製造方法であって、
    前記発光部の内壁面に発生した黒化部に、前記発光部の外部からレーザを照射するレーザ照射工程を含むことを特徴とする放電ランプの製造方法。
  2. 前記発光部に一対の電極となるべき一本の棒を含む電極組立体を挿通した後、前記発光管の外部からレーザを照射して前記電極組立体の一本の棒の一部を溶断することにより、所定間隔をおいて対向配置される一対の電極を形成する電極形成工程を含み、
    前記レーザ照射工程は前記電極形成工程より後に実行されることを特徴とする請求項1記載の放電ランプの製造方法。
  3. 前記レーザ照射工程は、前記放電ランプを点灯させながら行うことを特徴とする請求項1または2記載の放電ランプの製造方法。
  4. 前記発光部に所定のガスを封入後、所定時間点灯するエージング工程を含み、
    前記レーザ照射工程は、前記エージング工程より後に実行されることを特徴とする請求項1記載の放電ランプの製造方法。
  5. 発光部内部の放電空間に一対の電極を配設してなる放電ランプの製造方法であって、
    発光管内部に一対の電極を配設した後に、前記発光部の内壁面に付着した不純物に、発光部の外部からレーザを照射するレーザ照射工程を含むことを特徴とする放電ランプの製造方法。
  6. 前記レーザ照射工程は、レーザの照射領域を前記一対の電極の配設された方向に沿って移動させながら行うことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の放電ランプの製造方法。
  7. 前記レーザ照射工程は、前記一対の電極のうち、レーザの照射領域を移動させる方向側の電極の根元部分を冷却しながら実施されることを特徴とする請求項6記載の放電ランプの製造方法。
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