JP2005123133A - ゲート電極構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子通過孔の側面が平坦なゲート電極構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】ガラス基板121上に電界制御電極122、ゲート電極123および絶縁層124を形成した後に、電子通過孔125を形成する。このため、従来のように電子通過孔125の側面にダレやにじみ等が発生せず、電子通過孔125の側面が平坦に形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電界放出型の電子放出を制御する平面ディスプレイの製造方法に関し、特に平面ディスプレイのゲート電極構造体の製造方法に関するものである。
近年、FED(Field Emission Display:FED)や平型蛍光表示管のような、陰極となる電子放出源から放出された電子を対向電極に形成された蛍光体からなる発光部に衝突させて発光させるフラットパネルディスプレイ(Flat Panel Display)において、電子放出源にカーボンナノチューブやカーボンナノファイバーなどのナノチューブ状繊維を用いたものが各種提案されている。このようなナノチューブ繊維を電子放出源とする平面ディスプレイの1つとして、ナノチューブ状繊維が形成された陰極上に電子通過孔を有する絶縁基板を配置し、この陰極の電子放出を制御するゲート電極を絶縁基板上に配置したものが提案されている。
図3は、この種の平面ディスプレイの一例を示す部分分解図である。この平面ディスプレイは、ガラス等からなる基板101と、少なくとも一部が透過性を有するフロントガラス103とを有し、その基板101とフロントガラス103は、枠状のスペーサガラス(図示せず)を介して対向配置され、低融点のフリットガラスでそれぞれスペーサガラスに接着されて外囲器を構成しており、外囲器内は10-5Pa台の真空度に保持されている。この外囲器内部には、基板101およびフロントガラス103それぞれ対して所定間隔離間して略平行に配設されたゲート電極構造体120を備える。
基板101の一方の面には、複数の基板リブ102が互いに平行に所定間隔で垂設されており、その基板101上の基板リブ102に挟まれた領域には、表面に電子放出源としてナノチューブ状繊維が固着した陰極110が基板リブ102と同じ高さで帯状に配置されている。
フロントガラス103には、基板101に対向する側の面に、基板リブ102および陰極110と直交する方向に所定間隔で複数の前面リブ104が垂設されている。フロントガラス103前面のリブ104に挟まれた領域には蛍光体膜105B、105G、105Rが帯状に配置されており、これらの蛍光体膜の基板101に対向する面には陽極となるメタルバック膜106が形成されている。
ゲート電極構造体120は、基板101上の基板リブ102とフロントガラス103の前面リブ104とに挟まれた状態で、外囲器内部に配設される。このようなゲート電極構造体120は、ガラス層121と、ガラス層121のフロントガラス103側の面に配設された電界制御電極122と、ガラス層121の基板101側の面に蛍光体膜105B、105G、105Rと1対1に対応して形成された帯状のゲート電極123と、このゲート電極123を覆うようにガラス層121の基板101側の面に形成された絶縁層124とから構成される。ゲート電極構造体120のゲート電極123と陰極110とが交差する領域には、電界制御電極122、ガラス層121、ゲート電極123および絶縁層124を連通する電子通過孔125が形成されている。
この平面ディスプレイは、ゲート電極構造体120と陰極110との間にゲート電極構造体120側が正の電位となるように所定の電位差を設けることにより、陰極110のゲート電極123と交差した領域から引き出された電子が、電子通過孔125から放出される。このため、メタルバック膜106に正電位(加速電圧)が印加されていると、電子通過孔125から放出された電子がメタルバック膜106に向かって加速され、さらにメタルバック膜106を貫通して蛍光体膜105B、105G、105Rに衝突して発光させる。
このような平面ディスプレイにおいて、従来のゲート電極構造体は、次のように製造されている。例えば、剥離層が印刷されたガラス基板を作業台とし、この上に絶縁層124’、ゲート電極123’、ガラス層121’および電界制御電極122’を、電子通過孔125’に対応する部分にその電子通過孔125’の形状のパターンが形成されたスクリーンを用いて重ねて印刷し、焼成する。すると、図4に示すような断面構造を有するゲート電極構造体120’が製造される。図4は、従来のゲート電極構造体の断面図である。
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
特願2001−146050
しかしながら、上述したような従来の電極構造体120’の製造方法では、各層を印刷する際に、電子通過孔125’を構成する開口部も同時に形成されるようにしていたので、図4に示すように、電子通過孔125’の周面、すなわち電子通過孔125’を構成する電極構造体120’の各層の表面に印刷ぺーストのダレやにじみ等が発生していた。このダレやにじみは、電子通過孔125’の周面に凹凸を形成するため、陰極110とゲート電極構造体120’との間の電界強度に影響を及ぼす。特に、ゲート電極123’の開口部は、ダレやにじみにより隣接するガラス層121’および絶縁層124’の開口部よりも内径が小さくなると、陰極110との距離が遠くなるため陰極110近傍の電界強度を高くすることができず、陰極110から電子を効果的に引き出すことができなくなり、結果として平面ディスプレイの輝度の均一性が低下し、相当の輝度を得るために駆動電圧を大きくしなければならなくなってしまう。
そこで、本願発明は上述したような課題を解決するためになされたものであり、電子通過孔の側面が平坦で、かつゲート電極構造体のどこでも均一に加工できるゲート電極構造体の製造方法を提供するものである。
上述したような課題を解決するために本発明のゲート電極構造体の製造方法は、電界放出型電子源が形成された陰極の上に配置され陰極の電子放出を制御するゲート電極構造体の製造方法であって、絶縁基板の一面に電界制御電極を形成するステップと、絶縁基板の他面にゲート電極を形成するステップと、ゲート電極を含む絶縁基板の他面上に絶縁層を形成するステップと、陰極直上の領域に、電界制御基板、絶縁基板、ゲート電極および絶縁層を貫通する電子通過孔を形成するステップとを有することを特徴とするゲート電極構造体の製造方法。
上記ゲート電極構造体の製造方法において、電子通過孔は、サンドブラスト法、エッチング法またはレーザ照射法の何れかの方法により形成されるようにしてもよい。
また、上記ゲート電極構造体の製造方法において、電子通過孔は、電界制御電極側から絶縁層側にかけて内径が徐々に拡がった略円錐台形状を有するようにしてもよい。このとき、電子通過孔の側面は、平坦に形成されるようにしてもよい。
また、上記ゲート電極構造体の製造方法において、絶縁層は、二次電子放出比の低い物質を混入したガラスセラミクス質材料から構成されるようにしてもよい。
本発明によれば、ガラス基板上に電界制御電極、ゲート電極および絶縁層を形成した後に、電子通過孔を形成するため、従来のように電子通過孔の側面にダレやにじみ等が発生せず、電子通過孔の側面が平坦に形成される。これにより、陰極とゲート電極との距離を従来より均一にかつ、近くすることができるので、陰極に付着したカーボンナノチューブ等の電子放出源に効果的に電界を印加することができ、陰極から電子を効果的に引き出すことが可能となるため、結果として平面ディスプレイの輝度の均一性が向上し、かつ、駆動電圧を低下を実現することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は、背景技術の欄で図3を参照して説明した平面ディスプレイにおけるゲート電極構造体の製造方法にかかるものである。したがって、背景技術において説明したものと同等の構成要素には、同じ名称および符号を付し、適宜その説明を省略する。
まず、図1、3を参照して、本実施の形態にかかるゲート電極構造体の製造方法により製造されるゲート電極構造体の構造について説明する。図1は、本実施の形態にかかる平面ディスプレイのゲート電極構造体の製造工程を示す図である。
図1(d)および図3に示すように、ゲート電極構造体120は、ガラス基板121と、このガラス基板121のフロントガラス103に対向する面に配設された電界制御電極122と、ガラス基板121の基板101に対向する面に、フロントガラス103上の蛍光体膜105B、105G、105Rと1対1に対応して帯状に形成されたゲート電極123と、このゲート電極123を覆うようにガラス基板121の基板101側の面に形成された絶縁層124とから構成され、ゲート電極構造体120の帯状ゲート電極123と陰極110とが交差する領域には電界制御電極122、ガラス基板121、ゲート電極123および絶縁層124を連通する電子通過孔125が形成されている。
ガラス基板121は、加熱処理の際に殆ど変形や変質が生じない材料であればよく、例えば、厚さ150〜500μm程度のソーダライムガラスや、ホウケイ酸系無アルカリガラスなどからなるガラス基板を用いる。
電界制御電極122は、フロントガラス103に対向する側のガラス基板121上全面に形成される。この電界制御電極122を設けたことにより、ゲート電極123および電子放出源としてナノチューブ状繊維が固着した陰極110を電気的にシールドできる。したがって、電界制御電極122を設けた領域では、陰極110とアノード電極として作用するメタルバック膜106間の電位差により生じる電界は生じないため、電子放出源への電界集中による損傷を防止できる。
ゲート電極123は、基板101に対向する側のガラス基板121上において、陰極110と直交する方向に、帯状に、平面ディスプレイの画素の列の数だけ互いに略平行に配置される。配置されたゲート電極123間には、適宜スペースを設けるようにしてもよい。
絶縁層124は、例えばガラス質や酸化クロム等の二次電子放出比の低い物質を混入したガラスセラミクス質などから構成され、ゲート電極123を覆うようにガラス基板121上に、例えば厚さが数十μm〜数百μmとなるように配設される。この絶縁層124は、その厚さによって、蛍光体膜105B、105G、105Rへ衝突する電子の衝突領域が変化する。例えば、陽極とゲート電極123との間隔が一定であるならば、絶縁層124の膜厚が厚くなるほど、ゲート電極構造体120を通過する電子が収束し、その衝突領域が狭くなる。
電子通過孔125は、ゲート電極123と陰極110とが交差する領域に形成されている。陰極110の電子放出源から放出された電子は、この電子通過孔125を通過し、メタルバック膜106に向かって加速される。
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかるゲート電極構造体120の製造方法について説明する。
まず、200μm程度の厚さを有する平坦なガラス基板121を用意する。次に、図1(a)に示すように、このガラス基板121上に、例えば数十μm程度の厚さとなるように銀またはカーボンを導電材料として含んだ導電性ペーストからなる電界制御電極122を、ガラス基板121上全面に、スクリーン印刷により形成し、乾燥させた後、焼成する。
次に、図1(b)に示すように、ガラス基板121の電界制御電極122を形成した面の反対側の面上に、例えば銀またはカーボンを導電材料として含んだ導電性ペーストからなり、短辺方向の長さが0.6mm程度の帯状のゲート電極123を、上述した陰極110と直交する方向に、平面ディスプレイの列の数だけ互いに略平行に、スクリーン印刷により形成し、乾燥させる。
次に、図1(c)に示すように、ゲート電極123を形成したガラス基板121の上に、厚さが例えば20μmとなるよう絶縁層124を形成し、乾燥させた後、焼成する。
次に、ゲート電極構造体120に電子通過孔125を形成する。例えば、サンドブラスト法で電子通過孔125を形成する場合、絶縁層124上にレジスト材料を塗布し、このレジスト材料にパターニングを施し、電子通過孔125に対応する箇所に穴が形成されたレジストマスクを生成後、このレジストマスク側からゲート電極構造体120に向けて直径3〜30μm程度のアルミナ粒子を50〜100m/secでシャワー状に吹き付ける。すると、アルミナ粒子は、レジストマスクに形成された穴から露出したゲート電極構造体120の各構成要素を切削し、最終的に図1(d)に示すような電子通過孔125を形成する。この電子通過孔125は、直径0.05〜0.5mm程度が望ましい。
このような方法で形成されたゲート電極構造体120の断面図を図2に示す。図2は、本実施の形態にかかるゲート電極構造体120の断面図である。
本実施の形態によれば、ガラス基板121上に電界制御電極122、ゲート電極123および絶縁層124を形成した後に、電界制御電極122、ガラス基板121、ゲート電極123および絶縁層124を連通する電子通過孔125を形成するため、従来のように電子通過孔125の側面にダレやにじみ等が発生せず、よく図2に示されるように電子通過孔125の側面が平坦に形成される。これにより、陰極110とゲート電極123との距離を従来より均一かつ近くすることができるので、陰極110に付着したカーボンナノチューブ等の電子放出源に効果的に電界を印加することができ、陰極110から電子を効果的に引き出すことが可能となるため、結果として平面ディスプレイの輝度の均一性が向上し、かつ、駆動電圧の低下を実現することができる。
また、本実施の形態によれば、サンドブラスト法により絶縁層124側から電子通過孔125を形成するため、電子通過孔125の形状は、電界制御電極122側から絶縁層124側に向けて内径が徐々に拡がった略円錐台状に形成される。この形状により、電界制御電極の下に形成されている電極や絶縁物表面へのシールド効果および電界印加効果が高まり、ゲート電極構造体120は、陰極110に対して効果的に電界を印加することができる。
なお、電子通過孔125を形成する方法は上述したサンドブラスト法に限定されず、例えばエッチング法やレーザ照射法によっても形成することが可能である。それぞれの方法について、以下に説明する。
エッチング法で電子通過孔125を形成する場合、図1(c)に示すゲート電極構造体120の絶縁層124上にレジスト材料を塗布し、このレジスト材料にパターニングを施し、電子通過孔125に対応する箇所に穴が形成されたレジストマスクを生成後、フッ酸とフッ化アンモニウムを適宜混合したエッチング液に浸漬させる。すると、ゲート電極構造体120には、図1(d)に示すような電子通過孔125が形成される。
なお、レジスト材料は、ゲート電極構造体120の両面、すなわち絶縁層124側と電界制御電極122側の両方に塗布するようにしてもよい。
レーザ照射法で電子通過孔125を形成する場合、適宜出力を調整したNd:YAGレーザ、CO2レーザまたはエキシマレーザ(KrF等)を、図1(c)に示すゲート電極構造体120の絶縁層124側から照射する。すると、ゲート電極構造体120には、図1(d)に示すような電子通過孔125が形成される。
上述したエッチング法やレーザ照射法によって電子貫通孔125を形成した場合も、サンドブラスト法で形成した場合と同等の作用効果が得られる。
本実施の形態にかかる平面ディスプレイのゲート電極構造体の製造工程を示す図である。 本実施の形態にかかるゲート電極構造体の断面図である。 平面ディスプレイの一例を示す部分分解図である。 従来のゲート電極構造体の断面図である。
符号の説明
1…平面ディスプレイ、101…基板、102…基板リブ、103…フロントガラス、104…前面リブ、105B,105G,105R…蛍光体膜、106…メタルバック膜、120…ゲート電極構造体、121…ガラス基板、122…電界制御電極、123…ゲート電極、124…絶縁層、125…電子通過孔。

Claims (5)

  1. 電界放出型電子源が形成された陰極の上に配置され前記陰極の電子放出を制御するゲート電極構造体の製造方法であって、
    絶縁基板の一面に電界制御電極を形成するステップと、
    前記絶縁基板の他面にゲート電極を形成するステップと、
    前記ゲート電極を含む前記絶縁基板の他面上に絶縁層を形成するステップと、
    前記陰極直上の領域に、前記電界制御基板、前記絶縁基板、前記ゲート電極および前記絶縁層を貫通する電子通過孔を形成するステップと
    を有することを特徴とするゲート電極構造体の製造方法。
  2. 前記電子通過孔は、サンドブラスト法、エッチング法またはレーザ照射法の何れかの方法により形成されることを特徴とする請求項1記載のゲート電極構造体の製造方法。
  3. 前記電子通過孔は、前記電界制御電極側から前記絶縁層側にかけて内径が徐々に拡がった略円錐台形状を有する
    ことを特徴とする請求項1または2記載のゲート電極構造体の製造方法。
  4. 前記電子通過孔の側面は、平坦に形成される
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のゲート電極構造体の製造方法。
  5. 前記絶縁層は、二次電子放出比の低い物質を混入したガラスセラミクス質材料から構成される
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のゲート電極構造体の製造方法。
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