JP2005122981A - 表示装置 - Google Patents

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祐治 茅野
Akio Fukase
章夫 深瀬
Yasushi Karasawa
康史 柄沢
Kenji Hayashi
建二 林
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Abstract

【課題】車両などの移動体の窓の全面にわたるような大画面表示を行うことが可能な表示装置を提供すること。
【解決手段】移動体の所定の方向を撮像する撮像部13と、撮像部13の撮像方向に配置される窓に貼り付けられる透明有機ELフィルム16と、撮像部13によって撮像された画像を移動体の運転者の視界に合わせて透明有機ELフィルム16に表示されるように変形処理するとともに、前記画像内に存在する物体の光の強度に応じて該物体の画像に所定の加工処理を行う画像処理部14と、透明有機ELフィルム16に、画像処理部14によって処理された画像を表示させる表示制御部15と、を有し、透明有機ELフィルム16に表示される画像が移動体の運転者が窓を通して見る視界と重なるように、透明有機ELフィルム16を窓に貼り付ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両などの移動体の窓に画像や文字などを表示させる表示装置に関するものである。
従来、乗用車などの車両に搭載される表示装置として、コンソールなどに設けられる液晶素子を用いた表示装置のほかに、フロントガラスに運転者などに提供する情報を映す表示装置が提案されている。たとえば、第1の従来技術には、車両の運転席前方のウインドシールド下部のインストルメントパネル内に設けられるヘッドアップディスプレイからの表示光が、フロントガラスに設けられた半透明用反射板で反射されて車両前方に現れる虚偽表示を風景にオーバラップさせることで、運転者に視点移動させずに視認させる車両用表示装置が開示されている。この車両用表示装置では、車両にカメラを取り付け、カメラによって撮像された情報に基づいて交差点や目的位置の表示像を虚偽表示として表示させたり、障害物が存在することを認識させるための警告表示を表示させたりすることが可能である(たとえば、特許文献1参照)。また、第2の従来技術には、フロントガラスの一部に透明なエレクトロルミネッセンス素子を封止し、このエレクトロルミネッセンス素子に、スピードメータ、走行距離、車内の温度などの車両の運行情報やナビゲーション情報などを表示可能な表示装置が開示されている(たとえば、特許文献2参照)。
特開平8−76050号公報 実開平5−16450号公報
第1の従来技術における車両用表示装置においては、カメラによって障害物が認識されたときに、フロントガラスの一部分に表示される虚偽表示を視認することで障害物の存在とその大体の方角についての情報を得ることができるが、虚偽表示される範囲とフロントガラスの大きさとは一致しないために、実際の障害物の位置と虚偽表示によって警告された障害物の存在する位置とを重ね合わせる作業を、運転者が行う必要があった。この運転者による作業をなくすためには、ヘッドアップディスプレイによる虚偽表示がフロントガラス全面に渡るような大画面表示を行う方法が考えられる。しかし、表示光を出射するヘッドアップディスプレイはウインドシールド下部のインストルメントパネルの大きさによる制限を受けてしまうため、表示部を大きくできない。また、ヘッドアップディスプレイからの表示光を運転者に視認させる虚偽表示は半透明用反射板を用いて行われるが、フロントガラス全面に半透明用反射板を設けると運転者の視界が妨げられてしまうため、半透明用反射板はフロントガラスの中の運転者の視界をほとんど妨げない部分にしか設けられない。これらの理由によって、第1の従来技術における車両用表示装置では、フロントガラス全面にわたるような大画面表示を行うことはできなかった。
一方、第2の従来技術における表示装置においては、透明なエレクトロルミネッセンス素子をガラスに封止する様にしているので、運転者の視界を妨げることのない透明でかつ大画面表示を行う表示装置を得ることが可能となる。しかし、大型ディスプレイは平坦なガラス基板上に形成するのが一般的であり、たとえば車両用の湾曲したフロントガラスの全面に第2の従来技術に示されるような方法でエレクトロルミネッセンス素子を形成することは非常に困難である。したがって、第2の従来技術における表示装置でも、車両用のフロントガラス全面にわたるような大画面表示を行うことはできなかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車両などの移動体の運転者の視界と視界の方向に関する画像などの情報とを、移動体の窓に重ねて表示させることが可能な表示装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、移動体の所定の方向を撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像方向に配置される窓に貼り付けられる透明な有機ELフィルムと、前記撮像手段によって撮像された画像を前記移動体の運転者の視界に合わせて前記有機ELフィルムに表示されるように変形処理するとともに、前記画像内に存在する物体の光の強度に応じて該物体の画像に所定の加工処理を行う画像処理手段と、前記有機ELフィルムに、前記画像処理手段によって処理された画像を表示させる表示制御手段と、を有し、前記有機ELフィルムに表示される画像が前記移動体の運転者が前記窓を通して見る視界と重なるように、前記有機ELフィルムを前記窓に貼り付けることを特徴とする。これにより、撮像手段によって撮像された画像が、画像処理手段によって移動体を運転する運転者の視界に合わせて、窓に貼り付けられた有機ELフィルム上に表示される。また、画像処理手段は、画像内で所定値よりも明るい部分は暗く表示させ、所定値よりも暗い部分は明るく表示させるように、撮像された画像を加工して、有機ELフィルム上に表示させる。その結果、移動体の外部の状況を移動体運転者の実際の視野と同じ大きさに表示できる。また、暗い状態や、煙、霧、雨のような視界が悪い場合に運転者には確認できない部分に存在する物体などを早期に発見できるという効果を有する。また、有機ELフィルムは透明であるので、運転者の視界を遮ることがない。さらに、有機ELフィルムは自発光素子であるので、夜間や暗所では画像が鮮明に表示される。
また、本発明の好ましい態様によれば、上記の発明において、前記有機ELフィルムは、前記移動体のフロントガラスに貼り付けられることを特徴とする。有機ELフィルムは可撓性を有するフィルム状に形成することが可能であるため、移動体として乗用車のフロントガラスなど湾曲した部分にも有機ELフィルムを容易に貼り付けられる。その結果、平らな面を有する窓でないと自発光素子を形成できないという制約がなくなり、全ての窓の全面に有機ELフィルムを貼り付け可能とる。さらに、窓と一体に形成する必要がなく、有機ELフィルムを後付けしたり、貼りかえを行ったりできるという効果を有する。
また、本発明の好ましい態様によれば、上記の発明において、前記有機ELフィルムを点灯駆動する駆動電流が所定の値を超えた場合に、前記有機ELフィルムを消灯させる機能をさらに有することを特徴とする。これにより、有機ELフィルムの駆動電流値が常にモニタされる。その結果、運転者が実際の窓の外部を確認できなくなるほどの強度の光を有機ELフィルムが出力することを瞬時に停止させ、運転者の視界を確保できるという効果を有する。
また、本発明の好ましい態様によれば、上記の発明において、前記有機ELフィルムを消灯させる前記機能は電源回路が備え、前記電源回路は、前記表示制御手段を駆動するための第1の駆動電流と、前記有機ELフィルムを駆動するための第2の駆動電流とを異なる経路で前記表示制御手段に供給することを特徴とする。これにより、表示制御手段と有機ELフィルムは異なる電流によって駆動される。その結果、第1の駆動電流が第2の駆動電流から分離され、第2の駆動電流のみを一層精確にモニタし、装置トラブルなどによって運転者の視界を遮るような状況になっていないか検出することができる。
また、本発明の好ましい態様によれば、上記の発明において、前記第2の駆動電流を測定し、前記第2の駆動電流が所定の値を超えた場合に前記電源回路に異常信号を出力する電流測定手段をさらに有し、前記電源回路は、前記異常信号を受け取ると、前記第2の駆動電流の供給を遮断する機能を有することを特徴とする。これにより、夜間や薄暮時などに、表示制御部や画像処理部が故障または誤動作して有機ELフィルムが全面点灯した場合でも、電源回路によって、有機ELフィルムへの駆動電流が遮断されるので、自動的に有機ELフィルムが消灯される。その結果、運転者が実際の窓の外部を確認できなくなるほどの強度の光を有機ELフィルムが出力することを瞬時に停止させ、運転者の視界を確保できるという効果を有する。
また、本発明の好ましい態様によれば、上記の発明において、前記第2の駆動電流の所定の値は、前記有機ELフィルムの全面を白色表示させたときに必要な電流値の10%以下の値に設定されることを特徴とする。これにより、有機ELフィルムに表示される画像によって運転者の実際の視界が遮られない範囲で、有機ELフィルムが消費する電力量が制限される。その結果、表示装置の故障や誤作動によって有機ELフィルムの全面が発光した場合にも、運転者の視界を完全に遮る前に有機ELフィルムを消灯させ、運転者の視界を確保できるという効果を有する。
また、本発明の好ましい態様によれば、上記の発明において、前記電流測定手段と前記有機ELフィルムとの間に、前記第2の駆動電流が所定の値以上の場合に、この第2の駆動電流を物理的に遮断する駆動電流遮断手段をさらに有することを特徴とする。これにより、電流測定手段から有機ELフィルムへと流れる第2の駆動電流が、有機ELフィルムに表示される画像によって運転者の実際の視界が遮られない範囲で制限される。その結果、電流測定手段や警告信号を受け取った電源回路が故障して有機ELフィルムへの駆動電流の供給を遮断できない場合でも、過大な電流が流れたときに、確実に有機ELフィルムを消灯させられるという効果を有する。
また、本発明の好ましい態様によれば、上記の発明において、前記撮像手段は、前記移動体に複数設けられ、前記画像処理手段は、前記複数の撮像手段によって撮像された画像に基づいて、自移動体と撮像された画像に存在する物体との間の距離を算出し、その情報を前記画像に付加する機能をさらに有することを特徴とする。これにより、移動体と撮像手段の撮像範囲内に存在する物体との間の距離を、運転者に認識させることができる。その結果、運転者の目では確認できないが前方に存在する物体の存在を認識して、その物体との衝突の可能性を抑制できるという効果を有する。
また、本発明の好ましい態様によれば、上記の発明において、前記画像処理手段は、前記複数の撮像手段によって撮像された異なる時刻の画像に基づいて、撮像された画像に存在する物体の移動する速さと方向とを算出し、その情報を前記画像に付加する機能をさらに有することを特徴とする。これにより、撮像手段の撮像範囲内に存在する物体のうち、移動体に衝突したり近くを通過したりする可能性が高い物体を運転者に認識させることができる。その結果、運転者の目では確認できないが前方に存在する物体の存在を認識して、その物体との衝突の可能性を抑制できるという効果を有する。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる表示装置の好適な実施例を詳細に説明する。なお、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明にかかる表示装置の実施例1の構成を示すブロック図であり、図2は、乗用車に本発明の表示装置が適用される例を示す図であり、乗用車の正面図を示している。本発明の表示装置は、乗用車のほかに、電車などの車両、飛行機、船舶などの移動体の窓に適用することができるが、この明細書では特に移動体として乗用車を例に挙げ、そのフロントガラスに適用する場合を例に挙げて説明する。したがって車両のリアガラスやサイドガラス、飛行機や船舶のフロントガラスなど、移動体に設けられる窓に本発明の表示装置を適用することも可能である。
この表示装置は、電源11と、電源スイッチ12と、乗用車の所定の方向を撮像する撮像部13と、撮像された画像を加工処理する画像処理部14と、画像を表示する透明有機エレクトロルミネッセンス(以下、ELという)フィルム16と、透明有機ELフィルム16に加工処理された画像を表示させる表示制御部15と、表示制御部15への電流を測定する電流測定部17と、撮像部13、画像処理部14、表示制御部15および透明有機ELフィルム16への電力の供給を制御する電源回路20と、表示制御部15への過剰な電流の流入を防止する電流遮断部21と、を備えて構成される。また、表示装置は、乗用車の速さを検知する速度検知部18と、乗用車の外部の明るさを検知する照度検知部19と、を備えるように構成してもよい。なお、特許請求の範囲における撮像手段は撮像部13に対応し、同じく有機ELフィルムは透明有機ELフィルム16に対応し、同じく画像処理手段は画像処理部14に対応し、同じく表示制御手段は表示制御部15に対応し、同じく電流測定手段は電流測定部17に対応し、同じく駆動電流遮断手段は電流遮断部21に対応している。
電源11は、表示装置の各構成要素への電力の供給源であり、たとえば乗用車に備えられるバッテリなどが用いられる。また電源スイッチ12は、表示装置を動作させるか否かを切り替えるスイッチであり、電源11からの電力供給のオンオフを切り替える手段である。
撮像部13はカメラなどによって構成され、乗用車の運転者の視界とほぼ同じ領域が撮像されるように乗用車外部の所定の方向に向けて設置され、撮像された画像は画像処理部14に出力される。撮像部13は、運転者の視界の邪魔にならないように取り付けられることが望ましい。また本発明にかかる表示装置では、夜間時や雨天時などの運転者の視界が良好でないときにも、運転者の視界に存在するものを運転者に認識させるようにサポートすることができるように、撮像部13として暗い場所でもはっきりと撮像可能な暗視カメラや赤外線カメラなどを用いることが望ましい。図2に示されるように、この実施例1では、乗用車101の前方の運転席側のピラー部102の運転者の頭部とほぼ同じ高さの位置に、乗用車101の前方を撮像するカメラ13aが設置されている。この他に、フロントガラス103の運転席側の上端部や車内鏡と天井の間に設置してもよい。
画像処理部14は、撮像部13によって撮像された画像を後述する透明有機ELフィルム16に表示する際に、運転者がフロントガラス103を通して見る実際の景色と重なるように変形させた処理画像を、表示制御部15に出力する機能を有する。この画像の変形処理は、運転者の視点位置と撮像部13の設置位置の違いによって生じる運転者の視界と撮像部13の撮像範囲のずれを補正するものであり、運転者の視点位置に応じて、撮像部13によって撮像された画像を、設定方向に設定量だけ変形させることによって行われる。この変形処理は乗用車の運転者によって変化するので、運転者に対応して該運転者の視点位置と画像の変形処理の条件を予め記憶しておき、運転前に運転者を選択することによって、撮像された画像を設定された条件で変形処理するようにしてもよい。なお、運転者の視点位置としてシートポジションも含めて記憶させると、運転者のより細かな姿勢の変化にも対応可能な画像変形処理を行うことができる。
また画像処理部14は、撮像された画像中で暗い部分を明るく表示させる補正を行うとともに、明るい部分を暗く表示させる補正を行う機能も有する。暗い部分を明るく表示させる補正として、たとえば画像中に物体が存在し、その物体の輝度が所定の値以下の場合にその部分の輝度を高めて表示させるように、変更した処理画像を表示制御部15に出力する。これにより、暗い背景に埋もれて運転者が見落としそうな視界中の物体を、運転者に認識させることが可能となる。また明るい部分を暗く表示させる補正も同様に、画像中における物体の輝度が所定の値以上である場合にその部分の輝度を低くしてまたはゼロにして表示させるように変更した処理画像を表示制御部15に出力する。これにより、路上の照明、対向車のヘッドライト、およびコンビニエンスストアやガソリンスタンド等の照明などが、透明有機ELフィルム16上に輝度が落とされた状態で表示されるので、他の暗い領域の視認性を向上させることができる。
さらに画像処理部14は、撮像部13によって撮像された画像を解析して障害物を検出し、検出した障害物と運転者の視点とを結ぶ直線と、透明有機ELフィルム16が交わる部分に警告を表示するデータを追加して処理画像を出力する機能を備えるようにしてもよい。透明有機ELフィルム16に表示される警告として、たとえば、検出された障害物の透明有機ELフィルム16上での表示位置に、警告を示す文字やアイコンを赤などの運転者の注意を惹きやすい色で表示したり、検出された物体の輪郭を赤などの運転者の注意を惹きやすい色で表示したりできる。これにより、運転者が障害物の存在を認識しやすくなる。
表示制御部15は、画像処理部14から入力される処理画像を後述する透明有機ELフィルム16に表示する機能を有する。この表示制御部15には、表示制御部15を動作させるための電源回路20からの第1の電力線31と、後述する透明有機ELフィルム16を点灯させるための電源回路20からの第2の電力線32の2系統の電力線が入力するように構成されている。
透明有機ELフィルム16は、ドットマトリックス状に配置された透明電極によって発光面の上下を挟まれた有機EL素子を透明なフィルム状に構成したものであり、撮像部13の撮像方向と同じ方向の窓に接着剤などで貼り付けられて固定される。図2に示されるように、この実施例1では、乗用車101のフロントガラス103のほぼ全面に透明有機ELフィルム16が貼り付けられている。乗用車101のフロントガラス103に貼り付ける場合には、運転者が実際にフロントガラス103を介して見る視界と、透明有機ELフィルム16に表示される画像とが重なるように、透明有機ELフィルム16がフロントガラスに貼り付けられる必要がある。たとえば、運転席側からフロントガラス103の全面積の50%以上となるように貼り付けることが望ましい。この透明有機ELフィルム16の構成については後述する。なお撮像部13として暗視カメラを使用する場合には、カラー表示が可能な透明有機ELフィルム16をフロントガラスに貼り付けることが望ましいが、撮像部13として赤外線カメラを使用する場合には、単色表示の透明有機ELフィルム16をフロントガラスに貼り付けるだけでよい。
電流測定部17は、電源回路20から透明有機ELフィルム16に供給される(すなわち、表示制御部15への第2の電力線32を流れる)駆動電流の値を測定し、所定値以上の駆動電流が流れた場合に電源回路20に警告信号を出力する。
速度検知部18は、当該表示装置が設置される乗用車の速さを検知し、その結果を電源回路20に出力する機能を有する。速度検知部18として、車速センサなどを用いることができる。この速度検知部18は、乗用車の速さによって表示装置を動作させるか否かを切り替える機能を持たせる場合に設置される。また照度検知部19は、乗用車の外部環境の明るさを検知し、その結果を電源回路20に出力する機能を有する。照度検知部19として、照度センサなどを用いることができる。この照度検知部19は、外部環境の明るさによって表示装置を動作させるか否かを切り替える機能を持たせる場合に設置される。
電源回路20は、撮像部13、画像処理部14、表示制御部15および透明有機ELフィルム16を駆動するための電力(電流)の供給を制御する。特に、透明有機ELフィルム16への電力の供給に際しては、電流測定部17からの警告信号を受け取ると、第2の電力線32を介した透明有機ELフィルム16への電流の供給を遮断するように制御する。これによって、運転者が実際のフロントガラスの外部を確認できなくなるほどの強度の光を透明有機ELフィルム16が出力することを瞬時に停止させるので、運転者の視界が確保される。
なお表示装置に、図1に示されるように速度検知部18や照度検知部19が備えられる場合には、速度検知部18から出力される速さや照度検知部19から出力される照度(明るさ)によって、表示装置全体のオンオフを切り替える機能を有する。たとえば乗用車が所定の速さ以下で走行している場合には、危険が少なくまた運転者が状況を把握しやすいので、表示装置が動作しないように電源回路20は電力の供給を制御する。逆に乗用車が所定の速さよりも速く走行している場合には、表示装置が動作する。また運転中の乗用車の外部環境の照度が所定の値以上である場合には、運転者が外部の状況を把握しやすい状態にあるので、表示装置が動作しないように電源回路20は電力の供給を制御する。逆に外部環境の照度が所定の値よりも小さい場合には、表示装置が動作する。これによって、運転者の視界が良好なときには表示装置を動作させず、運転者の視界が不良となるような状況下では表示装置が動作するように切り替えることが可能となる。また電源回路20は、照度検知部19から出力される照度に応じて段階的に、透明有機ELフィルム16で画像を表示するときの明るさを変えるようにしてもよい。さらに照度検知部19を設ける代わりに、ヘッドライトが点灯している場合には表示装置を動作させ、点灯していない場合には表示装置を動作させないようにしてもよい。
電流遮断部21は、電流測定部17から表示制御部15へ第2の電力線32を介して供給される電流値が、電流測定部17に設定された所定の電流値以上である場合に、電源回路20から表示制御部15へ接続される第2の電力線32を物理的に切断する機能を有する。この電流遮断部21は、たとえばヒューズなどによって構成され、電流測定部17と直列に設置される。これによって、電源回路20から表示制御部15へ供給される電流値が所定の値以上であるにもかかわらず、電源回路20による電力の遮断が実行されない場合でも、運転者が実際のフロントガラスの外部を確認できなくなるほどの強度の光を透明有機ELフィルム16が出力することを防止するので、運転者の視界が確保される。
図3は、透明有機ELフィルムの概略構成を示す断面図である。この透明有機ELフィルム16は可撓性を有し、光透過率の高い透明樹脂フィルム161の片面上に、厚さ100nm前後の防湿性を有する酸化ケイ素または酸化窒化ケイ素などの第1の無機防湿薄膜層162、厚さ数μm〜数十μmのアクリルなどの透明な第1の有機薄膜層163、厚さ100nm前後の防湿性を有する酸化ケイ素または酸化窒化ケイ素などの第2の無機防湿薄膜層164、発光を行う有機EL素子層165、厚さ100nm前後の防湿性を有する酸化ケイ素または酸化窒化ケイ素などの第3の無機防湿薄膜層166、厚さ数μm〜数十μmのアクリルなどの透明な第2の有機薄膜層167、および厚さ100nm前後の防湿性を有する酸化ケイ素または酸化窒化ケイ素などの第4の無機防湿薄膜層168が順に積層されて構成される。
有機EL素子層165は、透明な下部電極(陽極)171、少なくとも発光層173を含む有機EL薄膜172〜174および透明な上部電極(陰極)175からなる構成が一般的である。この図3に示される例では、第2の無機防湿薄膜層164上に、インジウムスズ酸化物(以下、ITOという)などの透明な導電性材料から構成される下部電極(陽極)171がストライプ状に形成された後に、この下部電極171上の所定の部分に素子分離に用いるバンク176が形成され、バンク176上にはアクリルなどの透明な材料からなる陰極セパレータ177が逆テーパ形状をなして形成される。そして、このバンク176および陰極セパレータ177に囲まれる領域に有機EL薄膜としての正孔注入層172、発光層173が順に形成される。その後、発光層173上に有機EL薄膜としての電子注入層174とITOなどの透明な導電性材料から構成される上部電極(陰極)175が形成される。この上部電極175は、下部電極171とほぼ直交するようにストライプ状に形成される。ここで、バンク176に囲まれる領域の発光層173を介して上部電極175と下部電極171とが交差する複数のドットマトリクス状の点が、像を表示するための画素領域となる。さらに、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の着色剤を添加した画素領域を一つの単位として、この単位を透明樹脂フィルム161上に複数配列するように形成することで、単色表示だけでなく多色表示も可能となる。
なお、有機EL薄膜172〜174は蒸着などのほかに、インクジェット法や印刷法などの成膜手段によって形成することができる。また使用する有機材料に、Alqに代表されるいわゆる低分子材料を用いても良いし、ポリジオクチルフルオレンなどのいわゆる高分子材料を用いることもでき、さらに低分子材料と高分子材料を組み合わせて用いることもできる。
このような構成の透明有機ELフィルム16は可撓性を有するので、乗用車101のフロントガラス103などの湾曲する窓にも貼り付け可能となる。
つぎに、このような構成を有する表示装置の動作について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。乗用車の運転者によって表示装置の電源スイッチ12がオンにされ、撮像部13、画像処理部14、表示制御部15に電力が供給されて表示装置が稼動状態になると、透明有機ELフィルム16に供給される電力を表示制御部15に供給するか停止するか判断して実行する処理(電力供給判断処理)と、車外の状況を撮像、加工して透明有機ELフィルム16に表示するためのデータを作製し、画像を表示する処理(データ作製・画像表示処理)が開始される。
まず、データ作製・画像表示処理では、運転者についてのたとえば視点の位置やシートポジションなどの運転者情報が設定される(ステップS11)。その後撮像部13は、撮像を開始し、撮像した画像を画像処理部14に出力し(ステップS13)、画像処理部14はステップS11で設定された運転者情報に基づいて撮像部13によって撮像された画像の加工処理を行う(ステップS14)。表示制御部15は加工された画像データを画像処理部14から受け取り、透明有機ELフィルム16に出力する(ステップS15)。
このとき、電力供給判断処理によって電源回路20から透明有機ELフィルム16への電力が供給されていれば画像が表示される。これにより、運転者は、自分が直接フロントガラスを通してみた景色と、この景色に重ねあわされた撮像部13によって撮像された処理画像とを見ることができる。そして、運転者による表示装置を終了させる指示があるか否かを判定し(ステップS16)、表示装置の終了指示がない場合(ステップS16でNoの場合)には再びステップS13に戻り、上述した処理が繰り返し実行される。一方、表示装置の終了指示がある場合(ステップS16でYesの場合)には、処理がそのまま終了する。
これに対し、電源回路20から透明有機ELフィルム16への電力が供給されていなければ、表示制御部15が出力しようとしても、透明有機ELフィルム16に画像を表示できない。この場合も表示装置の終了指示があるとき(ステップS16でYesの場合)には、処理がそのまま終了する。なお、このステップ16を省略し、電源スイッチ12が切られるまで処理を繰り返すようにしてもよい。
つぎに電力供給判断処理では、電源回路20は、照度検知部19から出力される照度情報を得て、乗用車の外部環境の照度(明るさ)が所定値Aより小さいか否かを判定する(ステップS21)。外部環境の照度が所定値A以上の場合(ステップS21でNoの場合)には、電源回路20による電力供給を停止した状態(ステップS29)でステップS21に戻り、外部環境の照度が所定値よりも小さな値となるまで繰返し状態となる。外部環境の照度が所定値Aより小さい場合(ステップS21でYesの場合)には、電源回路20は速度検知部18から出力される速さ情報を得て、車速が所定値Bより大きいか否かを判定する(ステップS22)。車速が所定値B以下である場合(ステップS22でNoの場合)には、電源回路20による電力供給を停止した状態(ステップS29)で上述したステップS21に戻り再び上述した処理が行われる。一方、車速が所定値Bよりも大きい場合(ステップS22でYesの場合)には、透明有機ELフィルム16に供給される電力を表示制御部15に供給する(ステップS23)。
電力が供給されると、電流測定部17が流れる電流を測定し、所定値C以上か否かを判断する(ステップS24)。電流値がC未満の場合は、運転者による表示装置を終了させる指示があるか否かを判定し(ステップS28)、表示装置の終了指示がない場合(ステップS28でNoの場合)には再びステップS13に戻り、上述した処理が繰り返し実行される。一方、表示装置の終了指示がある場合(ステップS28でYesの場合)には、処理がそのまま終了する。
これに対して電流値がC以上の場合は電力供給を遮断する(ステップS25)。その後、電源回路20から表示制御部15へと流れる透明有機ELフィルム16への供給電流が所定値Cより小さい値である場合(ステップS26でNoの場合)には、表示装置による処理が終了する。一方、電源回路20から表示制御部15へと流れる透明有機ELフィルム16への供給電流が所定値C以上である場合(ステップS26でYesの場合)には、電流遮断部21が自動的に切断され(ステップS27)、そこで表示装置による処理が終了する。
なお、ステップS21の照度の判定で使用される所定値Aと、ステップS22の速さの判定で使用される所定値Bは、たとえば、運転者が表示装置によるサポートが必要と思われるときの外部環境の明るさや乗用車の速さとして、任意に定めることができる。また、昼夜(外部環境の明暗)にかかわらず透明有機ELフィルム16に撮像部13によって撮像された画像を表示させる場合には、上述したステップS21を省略することができる。また、乗用車の速さにかかわらず透明有機ELフィルム16に撮像部13によって撮像された画像を表示させる場合には、上述したステップS22を省略することができる。
ここで、透明有機ELフィルム16の駆動電流の供給の可否を決める所定値Cの設定について説明する。この駆動電流の供給の可否の処理を実行する電流測定部17と電流遮断部21は、透明有機ELフィルム16が、撮像される対象または表示装置自体の故障などによってたとえば全面発光などの状態となって、運転者の視界の障害となることを防ぐ目的で設けられている。透明有機ELフィルム16の全画面を白色表示した場合の消費電力(駆動電流)を100%とすると、透明有機ELフィルム16上に動画表示する場合の消費電力(駆動電流)は、最大でも50%程度である。しかし、消費電力(駆動電流)が50%の場合には、透明有機ELフィルム16に表示される画像はほとんど白くなってしまい映像にならないので、通常は30%程度が適当である。したがって、透明有機ELフィルム16の駆動電流の供給の可否に使用される所定値Cの最大値として、全画面を白色表示した場合の消費電力(駆動電流)の30%を設定することができる。
またたとえば、夜間や暗所でしか透明有機ELフィルム16に画像を表示しないように設定する場合には、透明有機ELフィルム16の輝度をさらに低くすることができるだけでなく、撮像部13によって撮像され、表示される画像そのものもかなり暗くなるので、このような場合の消費電力(駆動電流)は通常5〜6%程度であり、最大でも10%程度である。したがって、夜間や暗所でしか透明有機ELフィルム16に画像を表示しない場合の透明有機ELフィルム16の駆動電流の供給の可否に使用される所定値Cとして、全画面を白色表示した場合の消費電力(駆動電流)の10%を設定することができる。さらに別の例として、透明有機ELフィルム16に警告マークだけを表示させる場合には、発光する素子数が非常に少なくて済むので、消費電力(駆動電流)は最大でも5%程度である。したがってこの場合には、透明有機ELフィルム16の駆動電流の供給の可否に使用される所定値Cとして、全画面を白色表示した場合の消費電力(駆動電流)の5%を設定することができる。
この実施例1によれば、移動体の運転者の視界と重なるようにその視界の方向の窓に透明有機ELフィルム16を貼り付け、また、その窓の方向に向けた撮像部13による画像を透明有機ELフィルム16に表示するように構成したので、撮像部13による画像を運転者の実際の視界と同じ大きさに拡大表示することが可能な表示装置を運転者の視界を遮ることなく窓の全面に設置することができる。その結果、窓の全面に渡るような大画面表示を行う表示装置を実現することができ、運転者は視界の悪い場合でも透明有機ELフィルム16上に映された障害物とほぼ同じ位置に障害物が存在することを早期に知ることができ、障害物との衝突などを回避することができる。
また、画像処理部14によって、撮像部13で撮像された画像を加工して透明有機ELフィルム16に表示するようにしたので、運転者の通常の状態では確認することが困難な障害物や視界の悪いときの前方の様子などを察知しやすいという効果も有する。たとえば、夜間や暗所での走行中に、目視では暗くて判別できない領域を透明有機ELフィルム16上に明るく表示して、歩行者や障害物を発見しやすくすることができる。またガソリンスタンドやコンビニエンスストアなどの照明が明るすぎて、周囲の暗い部分が見え難くなる場合には、照明が明るすぎる部分を暗く表示させるようにすることも可能である。さらに、撮像部13によって撮像された画像をたとえば乗用車のフロントガラスの透明有機ELフィルム16に表示させただけでは、運転者が見ている風景とずれが生じるが、撮像部13の位置と運転者の視点とのずれに基づいて画像を変形処理して表示させることで、ずれを小さくすることができる。またこの変形処理の条件を運転者ごとに、さらには同じ運転者でもシートポジションごとに記憶させることによって、異なる運転者や運転者の姿勢に応じて記憶された変形処理の条件を呼び出して設定するだけでよい。さらに障害物が検出された場合には、障害物の存在する位置に警告を表示するようにしたので、運転者は障害物の存在を前もって知ることができるという効果も有する。
さらにまた、電源回路20によって、透明有機ELフィルム16が運転者の視界を妨げるような発光を起こさないように防ぐことができる。また電源回路20が正常に動作しない場合でも、所定値以上の電流が流れると物理的に切断される電流遮断部21が透明有機ELフィルム16へ電力を供給する電源回路20に直列に設けられているので、運転者の視界が透明有機ELフィルム16の異常な発光によって遮られてしまうことを2重に防止している。これにより、表示装置の故障や誤動作が生じた場合でも、運転者の視界を確保して事故を防止することができる。
なお照度検知部19によって電力供給を管理するための所定値としてA1およびA2(ただしA1>A2)を設定し、外部照度がA2以下になったら電力供給を開始し、外部照度がA1以上になったら電力供給を停止しても良い。このようにすることで、外部照度が所定値前後で細かく変動する場合に、透明有機ELフィルム16がON、OFFを繰り返し、視野がちらつくのを防止することができる。同様に、速度検知部18によって電力供給を管理するための所定値としてB1およびB2(ただしB1>B2)を設定し、車速がB1以上になったら電力供給を開始し、車速がB2以下になったら電力供給を停止しても同じ効果が得られる。
上述した実施例1では、乗用車に撮像部13として高感度カメラまたは赤外線カメラを1台のみ取り付ける場合を説明したが、撮像部13として高感度カメラまたは赤外線カメラを2台取り付けることも可能である。この場合には、2台の高感度カメラまたは赤外線カメラは、ほぼ同じ高さで、乗用車の車幅が許す限り進行方向に対して左右方向に距離を置いて設置することが望ましい。なお以下の説明では、乗用車の前方に2台の撮像部13を撮り付ける例を示すが、乗用車だけでなく他の移動体の任意の方向に複数の撮像部13を設けるようにしてもよい。
またこの場合、実施例1における画像処理部14は、2台の撮像部13で撮像した2枚の画像を用いて、撮像部13から対象物までの距離を求める機能をさらに有する。この2台の撮像部13で撮像した2枚の画像を用いて撮像部13から対象物までの距離を求める方法は、ステレオ距離計測として知られている。また、時間の経過ごとに対象物の距離を測定することで、対象物の速さと移動方向を求めることが可能となるので、画像処理部14は、視界内において所定の時間内に自乗用車に衝突する可能性が高い物体や近くを通過する物体の存在を判定し、衝突する可能性や近くを通過する可能性の高い物体が存在する場合にその物体の存在を運転者に認識させるための表示データを処理画像に付加してもよい。たとえば、衝突する可能性や近くを通過する可能性の高い物体の輝度を高めたり、表示色を変えたりするなどの強調表示や、該物体を赤などの運転者の注意を惹く色で囲んだり、点滅表示させたりする表示データを作成することができる。また警告表示として、衝突する可能性や近くを通過する可能性の高い物体の位置によって、表示方法の異なる表示データを作成してもよい。たとえばその物体までの距離が遠い場合(たとえば、80〜100m以上の場合)には、透明有機ELフィルム16上の該当する位置に赤の点を表示させるようにし、さらに接近してきた場合(たとえば、50〜80mの場合)には同じく該当する位置に暗い赤円を点灯表示させるようにし、近い場合(たとえば、50m以下の場合)には、同じく該当する位置に明るい赤円を点滅表示させるように表示データを作成してもよい。
この実施例2によれば、2台の撮像部13を移動体に設け、画像処理部14はこれらの2台の撮像部13によって撮像される画像を用いて移動体と画像内に存在する物体との距離を求めるようにしたので、視界が悪く運転者が認識できない、移動体に衝突する可能性の高い物体や近くを通過する物体の存在を検出して、運転者が実際の視認で気付く前にその物体の存在を認識させることが可能となる。その結果、その物体と運転者の乗る移動体との衝突事故を防ぐことができるという効果を有する。
以上のように、本発明にかかる表示装置は、移動体の走行方向における障害物などを検出し、運転者に障害物情報などを認識させたりするのに有用である。
本発明による表示装置の実施例1の構成を示すブロック図である。 表示装置を適用した乗用車の正面図である。 透明有機ELフィルムの概略構成を示す断面図である。 表示装置の動作処理を示すフローチャートである。
符号の説明
11 電源、12 電源スイッチ、13 撮像部、14 画像処理部、15 表示制御部、16 透明有機ELフィルム、17 電流測定部、18 速度検知部、19 照度検知部、20 電源回路、21 電流遮断部

Claims (9)

  1. 移動体の所定の方向を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段の撮像方向に配置される窓に貼り付けられる透明な有機ELフィルムと、
    前記撮像手段によって撮像された画像を前記移動体の運転者の視界に合わせて前記有機ELフィルムに表示されるように変形処理するとともに、前記画像内に存在する物体の光の強度に応じて該物体の画像に所定の加工処理を行う画像処理手段と、
    前記有機ELフィルムに、前記画像処理手段によって処理された画像を表示させる表示制御手段と、
    を有し、
    前記有機ELフィルムに表示される画像が前記移動体の運転者が前記窓を通して見る視界と重なるように、前記有機ELフィルムを前記窓に貼り付けることを特徴とする表示装置。
  2. 前記有機ELフィルムは、前記移動体のフロントガラスに貼り付けられることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記有機ELフィルムを点灯駆動する駆動電流が所定の値を超えた場合に、前記有機ELフィルムを消灯させる機能をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
  4. 前記有機ELフィルムを消灯させる前記機能を電源回路が備え、前記電源回路は前記表示制御手段を駆動するための第1の駆動電流と、前記有機ELフィルムを駆動するための第2の駆動電流とを異なる経路で前記表示制御手段に供給することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
  5. 前記第2の駆動電流を測定し、前記第2の駆動電流が所定の値を超えた場合に前記電源回路に異常信号を出力する電流測定手段をさらに有し、
    前記電源回路は、前記異常信号を受け取ると、前記第2の駆動電流の供給を遮断する機能を有することを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
  6. 前記第2の駆動電流の所定の値は、前記有機ELフィルムの全面を白色表示させたときに必要な電流値の10%以下の値に設定されることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
  7. 前記電流測定手段と前記有機ELフィルムとの間に、前記第2の駆動電流が所定の値以上の場合に、この第2の駆動電流を物理的に遮断する駆動電流遮断手段をさらに有することを特徴とする請求項5または6に記載の表示装置。
  8. 前記撮像手段は、前記移動体に複数設けられ、
    前記画像処理手段は、前記複数の撮像手段によって撮像された画像に基づいて、自移動体と撮像された画像に存在する物体との間の距離を算出し、その情報を前記画像に付加する機能をさらに有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の表示装置。
  9. 前記画像処理手段は、前記複数の撮像手段によって撮像された異なる時刻の画像に基づいて、撮像された画像に存在する物体の移動する速さと方向とを算出し、その情報を前記画像に付加する機能をさらに有することを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
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