JP2005122525A - Rbmを用いた設備の管理方法 - Google Patents

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英晃 中村
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彰夫 富士
Tadataka Nakachi
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Abstract

【課題】 低温タンクを含む各種タンクの実効的な管理手法を提供する。
【解決手段】 RBMを用いることにより対象設備全体に関する包括的なリスク評価を行う包括的リスク評価の後に、前記対象設備を構成する各種機器あるいは部材に関してRBMを用いることにより細分的なリスク評価を行う細分化リスク評価を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、RBMを用いた設備の管理方法に関する。
LNGタンクは、周知のようにマイナス150°Cを下回る低温液体であるLNG(液化天然ガス)を貯蔵する設備であり、全国の湾岸近傍に多数が設置されている。例えば火力発電所では、LNGタンクに貯留されたLNGを海水を用いて気化させ、この気化によって得られる天然ガスを燃料として発電を行っている。
このようなLNGタンク等の低温タンクの管理手法としては、開放点検における内部の状態把握、あるいは液中観察装置などによる運転中の状態把握の2つが考えられるが、種々の問題から適切な管理手法が見出されていないのが現状である。出願人は、現状ではLNGタンクの管理に関する公知文献の文献名及びその所在を把握していない。
しかしながら、開放点検は多大なコストが掛かると共に開放による温度変化が原因となってタンクに変形や損傷を与える危険性がある。一方、液中観察装置を用いる方法は、観察距離が大きい場合に状態把握精度が低下するという問題点がある。このような背景から低温タンクについては従来適切な管理手法が見出されていなかったが、例えばLNGタンクについては建設が始まってから20年近くの年月が経過していることもあり、早急に適切な管理を行う必要が生じている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、設備の実効的な管理手法を提供することを目的とするものである。
本発明は、RBM(Risk Based Maintenance:リスク・ベース・メンテナンス)を用いて設備を管理するものである。このRBMは、対象物の保守管理に関する「リスク(Risk)」を「破損の起こりやすさ(Likelihood)」と「被害の大きさ(Consequence)」との積として定義するものであり、対象物に関する各種専門家の協議によって「破損の起こりやすさ」及び「被害の大きさ」をそれぞれ評価(リスク評価)することにより最終的なリスクを決定し、このようにして決定されたリスクに基づいてメンテナンス計画を立案するものである。
すなわち、RBMでは、対象物について経年変化によって損傷が発生する可能性のある部位(診断対象部位)を階層的に分類し、各診断対象部位の関連情報、つまり設計情報、運転情報及び検査情報、材料情報等を調査・収集してデータベース化すると共に各診断対象部位の損傷メカニズムを定義する。そして、個々の診断対象部位について、「破損の起こりやすさ」及び「被害の大きさ」を評価指数化し、さらに各評価指数を「破損の起こりやすさ」及び「被害の大きさ」に関するリスクをリスクマトリクス上にマッピングする。
なお、このようなRBMについては、例えば雑誌「圧力技術」第39巻1号(2001年1月)等に詳細が記載されている。
本発明は、このようなRBMを用いて設備を管理するに際し、RBMを用いることにより対象設備全体に関する包括的なリスク評価を行う包括的リスク評価の後に、前記対象設備を構成する各種機器あるいは部材に関してRBMを用いることにより細分的なリスク評価を行う細分化リスク評価を行う、という解決手段を採用する。
本発明によれば、包括的リスク評価の後に細分化リスク評価を行うので、対象設備の包括的なリスク度合いを確認した上で、当該包括的リスクに対する各種機器あるいは部材の細分化された各部リスクの寄与度合いを確認することが可能であり、よってより実効的な設備の管理を実現することができる。
例えば対象設備が複数ある場合には、包括的リスク評価によってリスクの高い対象設備を絞り込んだ上で、この高リスクの対象設備について細分化リスク評価を行うことにより各種機器あるいは部材のリスクの相対比較が可能となり、よってメンテナンスの優先順位を明らかにすることができる。したがって、メンテナンスコストの最適化とメンテナンス時期の最適化を実現することができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態は、対象設備をLNGタンクとしたものである。
図1は、本実施形態に係わるLNGタンク管理方法の基本処理フローを示すフローチャートである。この図に示すように、本LNGタンク管理方法は、2つの包括的リスク評価処理S1,S2、細分化リスク評価処理S3、細分化部位メンテナンス計画立案処理S4及び総合メンテナンス計画立案処理S5からなるものである。2つの包括的リスク評価処理S1,S2は一時診断に該当する処理であり、また細分化リスク評価処理S3は二時診断に該当する処理である。
本LNGタンク管理方法における基本処理フローは、一時診断の後に二次診断を行い、その後二次診断の結果に基づいて細分化部位メンテナンス計画立案処理S4を行い、さらに当該細分化部位メンテナンス計画立案処理S4及び一時診断の結果に基づいて総合メンテナンス計画立案処理S5を行う手順となる。
一時診断に該当する2つの包括的リスク評価処理S1,S2及び二次診断に該当する細分化リスク評価処理S3は、何れも上述したRBM(Risk Based Maintenance:リスク・ベース・メンテナンス)の手法を用いたリスク評価処理である。一時診断(包括的リスク評価処理S1,S2)は、対象設備であるLNGタンク全体のリスクを包括的に評価するものであり、一方、二次診断(細分化リスク評価処理S3)は、LNGタンクを構成する各種機器や各所部材等の細分化部位毎にリスクを細分化して評価することにより、各細分化部位間のリスクの差異を明らかにするものである。
なお、図1に点線で示すように、必要に応じては一時診断を割愛して二次診断を最初に行う場合、あるいは一時診断に該当する2つの包括的リスク評価処理S1,S2のうち、より簡略化された包括的リスク評価処理S1を行った後に当該包括的リスク評価処理S1よりも詳細な包括的リスク評価処理S2を行う場合もある。すなわち、これら3つのリスク評価処理は、目的に応じて組み合わせたりあるいは単独で行われるものである。
ここで、以下の説明を解り易いものにするために、LNGタンクの概要構成を図2を参照して説明する。LNGタンクは、この図に示すように基礎1、外槽2、内槽3、配管系4、計装品5、ブリージングタンク6及び防液堤7等の構成要素から構成されている。すなわち、タンク本体は基礎1上に構築された外槽2及び内槽3からなる二重殻構造を有し、当該タンク本体にはLNG(液化天然ガス)を出し入れしたりタンク本体とブリージングタンク6とを連接するための配管系4及びタンク本体の状態や内部に貯留されるLNGの状態を計測するための計装品5が設けられている。なお、上記各構成要素は、後述する評価システムにそれぞれ対応するものである。
さらに詳細には、上記外槽2は、外槽底部、外槽側部、外槽屋根部、外槽アンカー部及び外槽隅角部等から構成され、内槽3は、内槽底部、内槽側部、内槽屋根部、内槽アンカー部及び内槽隅角部等から構成されている。外槽アンカー部は基礎1と外槽側部とを接続するアンカー、外槽隅角部は外槽底部と外槽側部との突合せ接合部位であり、内槽アンカー部は基礎1と内槽側部とを接続するアンカー、内槽隅角部は内槽底部と内槽側部との突合せ接合部位である。
また、ブリージングタンク6は、タンク本体内の内圧を所定値に維持するためのものであり、また防液堤7は、何ならかの原因でタンク本体からLNGが漏れ出した場合にLNGをタンク本体の近傍領域に堰き止めるためのものであり、タンク本体及びブリージングタンク6等の他の構成要素を取り囲むように立設されている。
以下、上記各処理S1〜S5の処理内容に順次詳しく説明する。
〔包括的リスク評価処理:S1〕
包括的リスク評価処理S1(簡易リスク評価)は、LNGタンクの比較的少ない評価項目について定性的にリスクを評価するものである。より具体的には、「破損の起こりやすさ」に関する9つの質問項目と、「被害の大きさ」に関する5つの質問項目について回答することにより、LNGタンクの包括的なリスクを評価する。
上記「破損の起こりやすさ」に関する質問項目は例えば以下のものである。
(1)地震の大きさ
(2)適用法規の厳格度や法規の適用状態
(3)LNGタンクの材料や溶接環境
(4)建設時の管理品質
(5)運転開始後の経過年数
(6)使用頻度
(7)貯留されているLNGの通常液面変動幅
(8)腐食・減肉状態
(9)メンテナンスの実施状況
また、「被害の大きさ」に関する質問項目には例えば以下のものである。
(1)タンク容量
(2)防液堤の役割
(3)他のLNGタンクに対する影響
(4)LNGタンクが設けられた施設内での人的被害の程度
(5)LNGタンクが設けられた施設外での人的被害の程度
これら質問事項は、LNGタンクに作用する外力の履歴データ(外力履歴データ)、LNGタンクの設計データ、LNGタンクの施工データ、運転履歴データ、点検・メンテナンスデータ及びLNGタンクの管理者の経験・判断に基づいて回答が得られる内容になっている。すなわち、包括的リスク評価処理S1は、上記各種データや管理者の経験・判断に基づいてLNGタンクの包括的リスクを評価するものである。
この包括的リスク評価処理S1では、これら各質問事項に対する回答をスコアリングすることにより評価指数化する。そして、「破損の起こりやすさ」については、「破損の起こりやすさ」に関する上記各質問項目の評価指数に所定の重み付け係数を掛けて合算した合計評価指数をリスクを示す数値として算出すると共に、「被害の大きさ」については、「被害の大きさ」に関する上記各質問項目の評価指数に所定の重み付け係数を掛けて合算した合計評価指数をリスクを示す数値として算出する。そして、この「破損の起こりやすさ」及び「被害の大きさ」に関する各合計評価指数によって規定されるLNGタンクの包括的リスクをリスクマトリックス上にプロットする。
図3は、上記リスクマトリックスである。このリスクマトリックスは、「破損の起こりやすさ」に関する合計評価指数の取り得る数値範囲を4つの小領域に分割することにより、「破損の起こりやすさ」を各小領域に対応する「高」、「中」、「低」、「微」の4段階に分類すると共に、「被害の大きさ」に関する合計評価指数の取り得る数値範囲を4つの小領域に分割することにより、「被害の大きさ」を各小領域に対応する「致命的」、「大」、「中」、「小」の4段階に分類したものである。
上記「破損の起こりやすさ」に関する合計評価指数及び「被害の大きさ」に関する合計評価指数によって与えられるLNGタンクの包括的リスクは、リスクマトリックスの何れかの領域にプロットされる。包括的リスクが図示するように「破損の起こりやすさ」が「高」、かつ、「被害の大きさ」が「重大」の領域にプロットされた場合、LNGタンクの包括的リスクは何らかの対応が必要な状況にあることになる。
このように、包括的リスク評価処理S1は、簡単な質問事項に対して上記各種データや管理者の経験・判断に基づいて回答を与えることによってLNGタンクの包括的リスクを比較的容易に評価するものであり、例えば複数のLNGタンクからリスクが大きなLNGタンク(高リスクタンク)をピックアップする場合に有効である。
〔包括的リスク評価処理:S2〕
次に、包括的リスク評価処理S2(詳細リスク評価)について説明する。
上述した包括的リスク評価処理S1(簡易リスク評価)の結果、LNGタンクの包括的リスクが簡易的に判断されると、処理の流れは細分化リスク評価処理S3に移行する。しかしながら、簡易リスク評価によってLNGタンクの包括的リスクの程度が十分に明確化されない場合、あるいはLNGタンクの包括的リスクをより正確に評価したい場合等には、簡易リスク評価よりも細かな評価内容の詳細リスク評価によってLNGタンクの包括的リスクを再評価あるいは評価する。
この詳細リスク評価つまり包括的リスク評価処理S2は、包括的リスク評価処理S1(簡易リスク評価)が定性的な評価項目を多く含むものであるのに対し、LNGタンクの包括的リスクをより定量的に評価することによって包括的リスク評価処理S1よりもより正確な包括的リスクの評価結果を得るものである。
この包括的リスク評価処理S2では、LNGタンクに貯留されているLNGの漏洩の種類及び規模について規定された以下の6種類のリスクを評価し、これら各リスクの全体的なリスク状況によってLNGタンクの包括的リスクを評価する。
(1)小規模ガス漏洩
(2)大規模ガス漏洩
(3)防液堤内小規模ガス漏洩
(4)防液堤内大規模ガス漏洩
(5)防液堤外小規模ガス漏洩
(6)防液堤外大規模ガス漏洩
この包括的リスク評価処理S2では、「破損の起こりやすさ」及び「被害の大きさ」に関する質問項目として合計147項目が設定されている。これら質問項目のうち、「破損の起こりやすさ」に関する質問項目は、合計で131項目あり、上述したLNGタンクの各種の構成要素(図2参照)に関する定量的な項目が含まれている。また、「被害の大きさ」に関する質問項目は、合計で16項目ある。
質問項目の個数が多数に亘るので内容については省略するが、これら質問項目は、上述した包括的リスク評価処理S1(簡易リスク評価)の場合と同様に、LNGタンクに作用する外力の履歴データ(外力履歴データ)、LNGタンクの設計データ、LNGタンクの施工データ、運転履歴データ、点検・メンテナンスデータ及びLNGタンクの管理者の経験・判断に基づいて回答が得られる内容になっている。また、この包括的リスク評価処理S2では、上記6種類のリスクを評価するために、上記147個の質問項目に対して得られた各評価指数に基づいて21個のイベントに関する評価指数(中間評価指数)を算出し、これら21個の中間評価指数に基づいて上記6種類の各リスクを評価する。
上記21個のイベントは、例えば(1)内槽溶接部の損傷、(2)外槽2のLNG接触による損傷、(3)防液堤7の破損による内部流体の流出、(4)外部からのミサイルによる破損、(5)地震による内装3の破損、(6)地震による外装2の破損、(7)外部の火災、(8)基礎1の破損、(9)基礎1の破損による内槽3の損傷、(10)ポンプの落下による内装3の破損、(11)ポンプの落下による底面の破損、(12)気象原因による外槽屋根部の損傷、(13)外槽屋根部の腐食、(14)外槽屋根部のLNGによる損傷、(15)小規模ガス漏洩による大規模な屋根の破損、(16)LNG漏洩による屋根の破損、(17)減圧/加圧による屋根の破損、(18)溶接欠陥による外装亀裂、(19)ロールオーバー、(20)フランジの損傷、(21)オーバーフローである。
上記各イベントに関する中間評価指数は、各々に関連する質問項目の評価指数に所定の重み付け係数(影響度)を掛け合わせて合算したものである。そして、上記6種類の各リスクは、各々の中間評価指数を所定の論理式に代入することによって算出される。この論理式は、例えばFTA(Fault Tree Analysis)の手法に基づくものである。
図4は、このようにして得られた6種類の各リスクの評価結果を示すリスクマトリックスの一例である。このリスクマトリックスでは、「破損の起こりやすさ」及び「被害の大きさ」をそれぞれ5段階1〜5に分類しており、段階数が小さい程つまり「破損の起こりやすさ」については上に行く程、また「被害の大きさ」については右に行く程リスクが大きいことを示している。
そして、各段階1〜5には、図示するようにリスクランク(1)〜(9)が設定されており、上記6種類のリスクの何れかがリスクランク(1)〜(4)に位置付けられた場合には、細分化リスク評価処理S3の必要があることを示している。この図4に示す評価結果では、防液堤内大規模液漏洩及び防液堤外大規模漏洩が危険度ランク(3)に位置付けられており、当該防液堤外大規模漏洩及び防液堤内大規模漏洩のリスクが高いことを示している。
〔細分化リスク評価処理:S3〕
次に、細分化リスク評価処理S3の詳細について説明する。
二次診断に当たる細分化リスク評価処理S3は、最適なメンテナンス計画を立案するためのものである。例えば複数のLNGタンクに対する一時診断の結果、高リスクのLNGタンク(高リスクタンク)が特定されると、当該高リスクタンクに対して細分化リスク評価処理S3を実施することにより、高リスクタンクを構成する各種機器や各種部材等の細分化部位の各リスクが明らかにされる。この細分化リスク評価処理S3の手順は、目録作成→データ収集→リスク評価となる。
目録作成では、評価対象であるLNGタンクを評価ユニットに、当該評価ユニットを構成する大きな構成要素(図2に示した各構成要素)を評価システムに、各評価システムを構成する構成要素を機能別に評価機器に、さらに各評価機器を母材部や溶接部等の複数の細分化部位に、階層的に分解する。すなわち、LNGタンク(評価ユニット)を評価システム、評価機器及び細分化部位からなる階層構造として定義し、各階層の各要素について損傷メカニズムを定義する。この目録作成では、評価ユニットが600点の細分化部位に分解され、その各々に損傷メカニズムが定義される。
データ収集では、上述した包括的リスク評価処理S1,S2の場合と同様なLNGタンクに作用する外力の履歴データ(外力履歴データ)、LNGタンクの設計データ、LNGタンクの施工データ、運転履歴データ、点検・メンテナンスデータ及び関連文献データ等がリスク評価に必要な各種データとして収集される。
なお、上記運転履歴データは、LNGの出し入れ回数履歴データ、タンク本体内におけるLNGの液面高さ履歴データ及びタンク本体の内圧変動履歴データ等であり、LNGタンクを運用している管理者から取得したものである。外力の付加履歴データは、地震履歴データや風力履歴データ等であり、LNGタンクを運用途中で順次計測・蓄積されたものである。また、関連文献データは、評価対象外の他のLNGタンクに関する損傷事例等である。
リスク評価では、目録に記載された各細分化部位について上記各種データ及びLNGタンクの管理者の経験・判断に基づいてリスクを評価する。各細分化部位に関する評価項目は、LNGタンク全体に関するものと細分化部位に関するものから構成されており、細分化部位に関する評価項目は、「破損の起こりやすさ」に関する項目と「被害の大きさ」に関する項目とから構成されている。
図5は,これら細分化部位に関する評価項目の詳細を示す表である。これら評価項目は、上述した各種データ及び及びLNGタンクの管理者の経験・判断に基づいて回答が得られる内容になっている。これら各々の細分化部位の「破損の起こりやすさ」に関する評価指数は、各細分化部位の評価指数に基づいて以下の6項目に関する中間評価指数をそれぞれ算出し、各中間評価指数を所定の評価演算式に代入することによって算出される。なお、図5に示す評価項目では、地震による影響について3つの応力を評価するようになっているが、各細分化部位における実際の応力を測定することはできない。そこで、本実施形態では、構造解析手法の1つである有限要素法を用いて各応力を推定する。
(1)運転による疲労損傷度
(2)材料×継手×溶接性能
(3)雰囲気×気密性
(4)検査記録×検査手法
(5)塗装状態×塗装種別
(6)上記以外の「破損の起こりやすさ」に関する評価指数
一方、各細分化部位の「被害の大きさ」に関する評価指数は、各細分化部位の評価指数に基づいて以下の5項目に関する中間評価指数をそれぞれ算出し、各中間評価指数を所定の演算式に代入することによって算出される。
(1)漏液量
(2)LNGタンクの運転停止による損失
(3)損傷被害
(4)代替機能
(5)被害低減対策・緊急時対策
図6は、このようにして得られた一部抜粋された細分化部位のリスク評価結果を示すリスクマトリックスである。このように細分化部位のリスク評価結果をリスクマトリックス上にプロットすることにより、細分化部位間のリスク比較を行うことができ、この結果メンテナンスの優先順位を最適設定することができる。
〔細分化部位メンテナンス計画立案処理:S4〕
上述した細分化リスク評価処理S3の結果、各細分化部位のリスクが明確になる。細分化部位メンテナンス計画立案処理S4では、この細分化リスク評価処理S3の結果に基づいて高リスクの細分化部位を優先メンテナンス部位としてメンテナンス計画を立案する。
〔総合メンテナンス計画立案処理:S5〕
さらに、総合メンテナンス計画立案処理S5では、上記細分化部位メンテナンス計画立案処理S4で立案されたメンテナンス計画に、一時診断の結果をも加味して総合的なメンテナンス計画を立案する。例えば、一時診断の結果として複数のLNGタンクが高リスクタンクとして評価された場合には、各高リスクタンクについて二次診断が実施されてメンテナンス計画が立案されるが、各高リスクタンクのメンテナンス計画の優先度は、総合メンテナンス計画立案処理S5において調整され、よりリスクの高い高リスクタンクを優先的にメンテナンスする総合メンテナンス計画が立案される。すなわち、総合メンテナンス計画立案処理S5では、メンテナンスの総合的な最適化が行われる。
本実施形態によれば、一時診断によって高リスクタンクを特定した上で、二次診断で当該高リスクタンクを構成する各細分化部位のリスクを特定するので、LNGタンクのメンテナンスの優先順位や時期等を最適化することが可能であり、よって最小限のコストで実効的なメンテナンスを実施することが可能となる。
なお、上記実施形態では、評価対象物をLNGタンクとしたが、本発明の評価対象物はLNGタンクに限定されるものではない。本発明は、LNGタンク以外の種々の評価対象物に適用可能である。
本発明の一実施形態に係わるLNGタンク管理方法の基本処理フローを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるLNGタンクの概要構成を示す正面図である。 本発明の一実施形態における包括的リスク評価処理S1のリスクマトリックスである。 本発明の一実施形態における包括的リスク評価処理S2のリスクマトリックスである。 本発明の一実施形態における細分化リスク評価処理S3の細分化部位に関する評価項目を示す表である。 本発明の一実施形態における細分化リスク評価処理S3のリスクマトリックスである。
符号の説明
S1,S2…包括的リスク評価処理、S3…細分化リスク評価処理、S4…細分化部位メンテナンス計画立案処理、S5…総合メンテナンス計画立案処理

Claims (10)

  1. RBMを用いることにより対象設備全体に関する包括的なリスク評価を行う包括的リスク評価の後に、前記対象設備を構成する各種機器あるいは部材に関してRBMを用いることにより細分的なリスク評価を行う細分化リスク評価を行う
    ことを特徴とするRBMを用いた設備の管理方法。
  2. 包括的リスク評価は、対象設備全体に関する簡易的な簡易リスク評価と当該簡易リスク評価よりも詳細な内容に関する詳細リスク評価の何れか一方あるいは両方であることを特徴とする請求項1記載のRBMを用いた設備の管理方法。
  3. 包括的リスク評価及び細分化リスク評価の何れか一方あるいは両方を、設備の運転履歴情報に基づいて行うことを特徴とする請求項1または2記載のRBMを用いた設備の管理方法。
  4. 包括的リスク評価及び細分化リスク評価の何れか一方あるいは両方を、設備に作用する外的圧力の付加履歴情報に基づいて行うことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のRBMを用いた設備の管理方法。
  5. 包括的リスク評価及び細分化リスク評価の何れか一方あるいは両方を、設備の施工情報に基づいて行うことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のRBMを用いた設備の管理方法。
  6. 包括的リスク評価及び細分化リスク評価の何れか一方あるいは両方を、設備の検査・メンテナンス情報に基づいて行うことを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のRBMを用いた設備の管理方法。
  7. 包括的リスク評価及び細分化リスク評価の何れか一方あるいは両方を、対象設備の管理者の経験・判断に基づいて行うことを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載のRBMを用いた設備の管理方法。
  8. 細分化リスク評価において、状態不明な機器あるいは部材については構造解析手法を用いて評価することを特徴とする請求項1〜7ずれかに記載のRBMを用いた設備の管理方法。
  9. 対象設備は低温液体を貯留する低温タンクであることを特徴とする請求項1〜8いずれかに記載のRBMを用いた設備の管理方法。
  10. 低温タンクの運転履歴情報は、低温液体の出し入れ回数履歴、液面高さ履歴及び内圧変動履歴からなることを特徴とする請求項9記載のRBMを用いた設備の管理方法。


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