JP2005121551A - バイオセンサー - Google Patents

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Abstract

【課題】 多孔質材料に種々の酵素を修飾することにより、夾雑物質を高効率に分解して選択性良く測定を行い、測定対象物質を高感度に測定すること。
【解決手段】 透析膜付きプローブ1と、透析膜付きプローブ1に接続された酵素固定反応器2と、酵素固定反応器2に接続された検出用電気化学フローセル3とから構成されている。検出用電気化学フローセル3は、カーボン電極3と参照電極4と対向電極5とから構成されている。透析膜付きプローブ1には、酵素固定反応器2の反対側にシリンジ6とシリンジポンプ7が接続されている。酵素固定反応器2は、ガラスキャピラリー内に多孔質材料(シリカモノリス)9を形成した。多孔質材料9に種々の酵素を修飾することにより、夾雑物質を高効率に分解して選択性良く測定を行うことができ、測定対象物質を高感度に測定することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バイオセンサーに関し、より詳細には、簡便、かつ高濃度の測定上障害となる物質の影響を排除しながら連続的に測定を行うことを可能にし、測定対象物質を高い時間分解能で高感度に測定を行うことができるバイオセンサーに関する。
一般に、電気化学測定法は、生体分子の濃度を簡便かつ感度良く測定できることから、この電気化学測定法を用いた電気化学バイオセンサーの研究が盛んに行なわれている。この電気化学バイオセンサーでは、電気化学的に活性を有する物質については直接電極上で、活性のない物質についても電極上に酵素を固定し、酵素反応により生成した電気化学的活性を有する物質に変化させることで測定を行うことができる。
一方、生体内には電気化学活性を有する物質が多く存在し、測定対象物質の測定電位で反応する、或いは、酵素−電子移動メディエーター複合電極の電子移動を阻害するため、測定対象物質からのみ得られる応答を得ることができない。このような測定上妨害となる物質(以下、夾雑物質という)には、L−アスコルビン酸、尿素、アセトアミノフェンなどがある。
これらの影響を除去するための第1の方法として、電極上を高分子膜で修飾する方法が挙げられる。この高分子膜には、ナフィオン膜や過剰に酸化したポリピロール膜(過酸化ポリピロール膜)が用いられる。これらの膜は、スルホン酸基(ナフィオン膜)、カルボキシル基(過酸化ポリピロール膜)を有し、静電反発によりL−アスコルビン酸や尿酸のようなアニオン性分子が電極上へ拡散するのを抑制することができる(例えば、非特許文献1参照)。
また、第2の方法として、測定前にあらかじめ、電気化学的に分解して除去する(前電解)方法が挙げられる。検出用電極の上流側に前電解用の白金管電極が設置されたオンライン型センサーについて報告されている(例えば、非特許文献2参照)。また、ビーズ表面に酵素を固定し、これを充填したカラムを検出電極の上流側に設置されたオンライン型センサーについても報告されている(例えば、特許文献3参照)。
近年では、微細加工技術を用い、酵素を固定した微小酵素固定反応器と電気化学検出器が集積されたオンラインセンサーチップが報告されている。酵素固定反応器内には、多数の突起が形成されており、効率良く除去できることが報告されている(例えば、特許文献4、非特許文献3及び特願2003−158547号参照)。
一方、オンライン酵素センサーで、濃度の低い物質を検出する場合には、測定対象物質と酵素との間の反応を高効率に行わせる必要がある。このため、上流側に測定対象物質と特異的に反応する酵素が固定されたカラムを設置し、酵素反応生成物を下流側の検出用電極で高感度に測定可能なセンサーが報告されている(例えば、非特許文献4参照)。近年では、薄層セル内に酵素電極を配置して測定を行うことが報告されている(例えば、非特許文献5参照)。
多孔質材料に酵素固定層に用いた例として、導電性材料を用いたもの(例えば、特許文献1参照)、セラミックを用いたもの(例えば、特許文献2参照)がある。これらは主に、安定に酵素を固定する方法として報告されている。
特開平6−281614号公報 特開平4−231858号公報(特許第2814027号公報) 特開平10−38844号公報 特開平11−83784号公報 M.N.Szentirmay and C.R.Martin, Anal. Chem.,1984,56,1898-1902 A.Koshy, E.Zilkha, T.P.Obrenovitch, H.P.Bennetto, D.A.Richards, L,Symon: Anal.Lett.,26,831(1993) K.Hayashi, O.Niwa, T.You, R.Kurita, T.Horiuchi, S.Hirono, K.Sunagawa, Micro Total Analysis Systems 2002 Vol.1,494-496 O.Niwa, T.Horiuchi, R.Kurita, K.Torimitsu, Anal.Chem., 1998,70,1126-1132 O.Niwa, R.Kurita, T.Horiuchi, K.Torimitsu, Electroanalysis, 11,356,(1999)
L−アスコルビン酸や尿酸などの夾雑物質は、脳内や血液中での濃度が、数十〜数百μM(M=mol/l)と高いため、目的とする生体分子を精度良く測定するためには、夾雑物質の検出用電極表面への拡散を完全に抑える必要がある。しかしながら、ナフィオンなどのアニオン性高分子を用いて、電極表面への拡散を抑制する手法では、電極近傍での拡散速度の低下により、センサー応答が劣化するという問題があった。
また、測定対象物質がアニオン性の場合は、同様の方法を用いると測定対象物質は排除されてしまう。それを防ぐには、酵素膜と電極の間にアニオン性高分子層を設ける方法があるが、この方法では酵素反応生成物を電極で効率良く捕集できない可能性がある。
前電解電極として、微小透析プローブとセンサーの間に白金管を挿入した例では、L−アスコルビン酸の電極反応速度が遅く、液をスムーズに流すために白金管の直径は数十μm程度必要となり、管の中心付近の夾雑物質まですべて酸化するには時間がかかるといった問題点があった。
フォトリソグラフィーで作製された三次元構造体に酵素が固定された酵素固定反応器を用いた場合でも、高い除去効果が得られているものの、極微量物質の測定に適用するためにはまだ十分な除去効果は得られていない。
また、酵素が固定されたガラスビーズを用いた酵素固定反応器では、表面積を増やすために微小なビーズを用いると測定時間が長くなるに従い、次第に目詰まりを起こす可能性があり、これが反応効率の減少や、バイオセンサーの破損を引き起こす原因となっていた。
一方、高感度測定を目的として、酵素をビーズ表面に固定した酵素固定反応器を用いる場合においても、前述のように、目詰まりやバイオセンサーの破損の原因となっていた。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、多孔質材料に種々の酵素を修飾することにより、夾雑物質を高効率に分解して選択性良く測定を行うことができ、測定対象物質を高感度に測定することができるバイオセンサーを提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、サンプリング用のプローブと酵素固定反応器と電気化学検出器とが順次接続されてなるフロー型のバイオセンサーにおいて、前記酵素固定反応器に、酵素が固定された微細な連続的な孔を有するシリカ系の多孔質材料を設け、前記酵素固定反応器内にて酵素反応を起こすようにしたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記多孔質材料の孔が、0.1μm以上、20μm以下であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記酵素固定反応器が、ガラスキャピラリー内に前記多孔質材料を設けたものであることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記ガラスキャピラリーを前記サンプリング用のプローブとして用いることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記酵素固定反応器が、ガラスチップ上に形成された微小流路内に多孔質材料を設けたものであることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記酵素固定反応器として、酢酸、ポリエチレングリコール、テトラメトキシシランから作製されたシリカモノリスを用いたことを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記多孔質材料として、ゾルーゲル法により作製されたシリカモノリスを用いたことを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記多孔質材料に、測定上妨害となる電気化学活性を有する物質を分解することのできる酵素が固定されていることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記多孔質材料に、測定対象物質を反応させ、前記電気化学活性を有する物質を生成させることができる酵素が固定されていることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記電気化学検出器の電極が、カーボン、金、白金のいずれかからなり、該電極上に、酵素や電子移動メディエーターが固定されていることを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記酵素固定反応器と前記電気化学検出器が、順次、ガラス、シリコンウエハー、ポリマーなどの基板上に集積化されていることを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記酵素固定反応器と前記電気化学検出器が、それぞれ別々の基板上に形成され、チューブで接続、あるいはそれぞれの流路が連続的に接続されるように上下に重ねられていることを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記酵素固定反応器と前記電気化学検出器が、同じ基板上に集積化されていることを特徴とする。
このように、高感度あるいは高選択検出を行うためには高効率な酵素固定反応器を必要とする。そのため、表面の大きな多孔質材料を用いて、これに酵素を修飾することで、試料と酵素との接触効率を増加させ、これをバイオセンサーに適用することにより本発明のバイオセンサーを実現したものである。
また、多孔質材料に酵素を固定することは従来技術として存在するが、この従来技術は、例えば、DNAを切断したりするものであり、酵素も使っている多孔質材料も本発明とは異なるものである。また、従来技術のものは、酵素が多孔質材料でくるまれているような形態であった。本発明のものは、酵素が多孔質材料の孔の表面についている形態をとっており、かつそれをバイオセンサーに用いている点において、従来技術と異なるものである。
以上説明したように、本発明によれば、生体内あるいは細胞から放出される物質を選択性、感度良く実時間で測定するためのバイオセンサーにおいて、簡便、かつ高濃度の夾雑物質の影響を排除しながら連続的に測定を行うことを可能にし、測定対象物質を高い時間分解能で高感度に測定を行うことができるバイオセンサーを提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
図1(a),(b)は、本発明に係るバイオセンサーの実施例1を説明するための構成図で、図中符号1はサンプリング用の透析膜付きプローブ(マイクロダイアリシスプローブ;MDプローブ)、2は酵素固定反応器(モノリス酵素固定反応器)、3は検出用電気化学フローセル(電気化学検出器)、3aはカーボン電極(グラッシーカーボン電極)、4は参照電極(Ag/AgCl)、5は対向電極、6は送液用のシリンジ、7はシリンジポンプ、8は酵素溶液、9はシリカモノリス、10は試料を示している。
本実施例に示したバイオセンサーは、図1(a)に示すように、サンプリング用のプローブ1と酵素固定反応器2と電気化学検出器3とが順次接続されてなるフロー型のバイオセンサーであって、酵素固定反応器2に、酵素が固定された微細な連続的な孔を有するシリカ系の多孔質材料を備え、酵素固定反応器2内にて酵素反応を起こすようにしたものである。また、酵素固定反応器2は、ガラスキャピラリー内に多孔質材料を設けたものである。
さらに、多孔質材料に、測定上妨害となる電気化学活性を有する物質を分解することのできる酵素が固定されているものである。また、多孔質材料に、測定対象物質を反応させ、電気化学活性を有する物質を生成させることができる酵素が固定されているものである。
つまり、このバイオセンサーは、透析膜付きプローブ1と、この透析膜付きプローブ1に接続された酵素固定反応器2と、この酵素固定反応器2に接続された検出用電気化学フローセル3とから構成されている。また、この検出用電気化学フローセル3は、直径3mmのカーボン電極3と参照電極4と対向電極5とから構成されている。また、透析膜付きプローブ1には、酵素固定反応器2の反対側にシリンジ6とシリンジポンプ7が接続されている。
酵素固定反応器2は、直径150μmのガラスキャピラリー内に多孔質材料(シリカモノリス)9を形成した。このシリカモノリスは、ゾル−ゲル法を用いて作製した。ゾルーゲル法とは、ケイ素、ホウ素、チタン、アルミニウムなどの各種の金属アルコキシド、その他、金属の有機及び無機化合物の溶液から出発し、溶液中での化合物の加水分解・重合によって溶液を金属化合物または水酸化物の微粒子が溶解したゾルとし、さらに反応を進ませてゲル化し、できた多孔質のゲルを加熱して非結晶、ガラス、多結晶体を作る。ゾルーゲル法の原形は、溶液から出発して、ゲル化にあたって希望の形状に成形して、加熱によってゲルをガラスかまたは、セラミックスに変えるものである。
まず、酢酸、ポリエチレングリコール、テトラメトキシシランを混合した。この混合溶液は、アイスバスを用いて冷却させながら30分間攪拌した。その後、この混合溶液を内径150μmのガラスキャピラリーにシリンジ6を用いて導入し、40℃で24時間熱処理を行った。
作製したシリカモノリス9は、水酸化アンモニウム溶液で洗浄した。次に、図1(b)に示すように、作製したシリカモノリス9に酵素の固定を行った。酵素にはアスコルビン酸酸化酵素を用いた。100units のアスコルビン酸酸化酵素を1mlのリン酸緩衝溶液で溶解後(酵素溶液8)、流速5μl/min で酵素溶液を4時間流しながら、シリカモノリス9の表面に物理吸着により酵素を固定した。その後、約1時間、リン酸緩衝溶液で洗浄した。
以上のように作製した酵素固定反応器2を、検出用電気化学フローセル3と接続した。図2にシリカモノリスの模式図を示す。孔aの径は、0.1μm以上、20μm以下で、好ましくは、5μm以上、10μm以下であることが望ましく、この孔aの径が20μm以下であることを走査型電子顕微鏡写真から確認した。
次に、ドーパミン、L−アスコルビン酸を用いて、本発明によるバイオセンサーの評価を行った。カーボン電極3と参照電極4と対向電極5は、ポテンシオスタットに接続した。印加電位は、ドーパミン、L−アスコルビン酸が十分酸化される600mV vs.Ag/AgClに設定した。試料10をバイオセンサーに導入するときの流速は5μl/min とした。ドーパミンの濃度は100nMとし、L−アスコルビン酸の濃度は1〜500μMの範囲で変化させた。
まず、ドーパミン溶液のみをセンサーに導入したところ、0.1nAが得られた。また、L−アスコルビン酸溶液(100μM)のみを導入したところ、電流値は観測されなかった。次に、ドーパミン(100μM)とL−アスコルビン酸(100μM)の混合溶液を導入したところ、同様に0.1nAの応答が得られた。これは、L−アスコルビン酸が完全に分解され、ドーパミンのみを選択的に測定できることを示している。比較実験として、酵素固定反応器2を接続しないバイオセンサーでドーパミン(100μM)、L−アスコルビン酸(100μM)を導入したところ、それぞれ、0.1nA、60nAの応答が得られた。
このことから、多孔質材料の表面に酵素を固定した酵素固定反応器により、測定対象物質の感度に影響することなく、L−アスコルビン酸を除去できることが示され、脳内や血液中の生体分子を夾雑物質の影響を受けずに測定することが可能であった。
図3は、本発明に係るバイオセンサーの実施例2を説明するための構成図で、図中符号11,12,13はカーボン電極、14はオスミウムポリマー(Os−gel−HRP:BAS社製)、15は銀/塩化銀ペースト(デュポン社製)、16はガラスキャピラリーを示している。オスミウムポリマー中のオスミウムは電子移動メディエーターで、これを西洋ワサビペルオキダーゼと組み合わせることにより、過酸化水素を0Vより卑な電位で検出することができる。
つまり、図3には、ガラスキャピラリー16内に多孔質材料9を有し、その表面に酵素が固定された酵素固定反応器2と電気化学測定用のカーボン電極11,12,13が形成されたチップ型のフローセルから構成されるバイオセンサーが示されている。
ガラスキャピラリー16内への多孔質材料9の形成は、実施例1で説明した方法と同じ方法で行った。酵素固定反応器2には、グルタミン酸酸化酵素が、実施例1で説明した方法と同じ方法により固定されている。カーボン電極11は対向電極として用い、カーボン電極12は作用電極で、西洋わさびペルオキシダーゼ含むオスミウムポリマー14が塗布されている。カーボン電極13上には、銀/塩化銀ペースト15を塗布し、参照電極として用いた。
また、幅400μm、深さ20μmの流路が形成されたガラスチップと貼り合わせ、紫外線硬化性樹脂を用いて接着した。最後に、酵素固定反応器付きガラスキャピラリーと排出用のガラスキャピラリー16をチップ型フローセルに取り付け、紫外線硬化性樹脂を用いて接着した。
測定の際には、グルタミン酸溶液を、シリンジポンプを用いて吸引し、フローセル内に導入した。酵素固定反応器付ガラスキャピラリーは、試料導入用のプローブとしても用いた。流速は、1μL/min とした。各電極をポテンシオスタットに接続し、作用電極には0mV vs.Ag/AgCl印加した。
グルタミン酸溶液(100μM)を導入したところ、0.3nAの応答が得られた。ここで得られた応答は、すでに報告されているマイクロ化グルタミン酸センサー(例えば、非特許文献4参照)と同じセンサーチップ(電極面積が同じ)を用いているにもかかわらず、非特許文献4に記載された応答と比較して高いことを確認した。応答電流が増加したのは、ガラスキャピラリー内の酵素固定反応器で、高効率に酵素反応が行われたためである。
図4は、本発明に係るバイオセンサーの実施例3を説明するための構成図で、酵素固定反応器が形成されたガラスチップを有するオンラインバイオセンサーの構成図である。図中符号17はガラスチップ、18は流路、19はフッ素化エチレンプロピレン(FEP)チューブ、20はFEPチューブ、21はシリンジ、22はシリンジポンプを示している。
ガラスチップ17上に流路18を形成し、この流路18内に多孔質材料9を形成した。流路18は、反応性イオンエッチング装置により、幅1mm、深さ20μm、長さ10cmとした。多孔質材料は、実施例1で説明した方法と同じ方法で形成した。
次に、アミノプロピルトリエトキシシランのトルエン溶液を6時間流し、表面をシラン化した。乾燥後、グルタルアルデヒド溶液を10時間以上流した後に、リン酸緩衝溶液で溶解したウリカーゼ、カタラーゼ溶液(1units/μl)を流して、これら二つの酵素を同時に固定した。検出用電気化学フローセル3には、実施例1で記載したものと同じフローセルを使用した。
酵素固定反応器のチップ17には、MDプローブ1を接続した。また、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)チューブ19を用いて、酵素固定反応器のチップ17と検出用電気化学フローセル3とを接続した。また、試料の pHをウリカーゼの至適 pHに近づけるために、0.1N水酸化ナトリウム溶液を導入するためのFEPチューブ20と水酸化ナトリウム溶液が入ったシリンジ21とシリンジポンプ22を接続した。
実施例1と同様に、ドーパミン、尿素溶液(それぞれ100μM、100μM)をシリンジ6から、流速5μL/min で導入した。水酸化ナトリウム溶液は、流速0.1〜0.5μL/min の範囲で導入した。まず、ドーパミン溶液のみを導入したところ、0.1nAの応答が得られた。次に、ドーパミン100nM、尿酸100μMの混合溶液を導入したところ、同様に0.1nAの応答が得られた。
一方、酵素固定反応器を用いずに、混合溶液を導入して測定したところ、約70nAの応答が得られた。
このように、ガラスチップ上に形成された微小流路内に酵素固定反応器を作製した場合でも、高効率に夾雑物質を除去し、測定対象物質のみを選択的に検出することが可能となった。
図5は、本発明に係るバイオセンサーの実施例4を説明するための構成図で、ガラスチップ上に酵素固定反応器と電気化学検出器が集積されたオンラインバイオセンサーの構成図である。図中符号23,24は流路、25,26,27はカーボン薄膜電極(25は対向電極、26は作用電極、27は参照電極)、28はガラスキャピラリー、29は穴、30はシリンジ、31はシリンジポンプ、32はサンプリング用のプローブを示している。
本実施例4に示したオンラインバイオセンサーは、酵素固定反応器と電気化学検出器が、順次、ガラス、シリコンウエハー、ポリマーなどの基板上に集積化されているものである。また、酵素固定反応器と電気化学検出器が、それぞれ別々の基板上に形成され、チューブで接続、あるいはそれぞれの流路が連続的に接続されるように上下に重ねられているものである。さらに、酵素固定反応器と電気化学検出器が、同じ基板上に集積化されているものである。
つまり、本発明のオンラインバイオセンサーは、二枚のガラス基板および、試料導入/排出用プローブから構成されている。一方のガラス基板には、酵素固定反応器が形成された流路23と電極上を送液するための流路24が、もう一方のガラス基板には、電気化学検出用のカーボン薄膜電極(25は対向電極、26は作用電極、27は参照電極)が形成されている。
作用電極25は、電極幅、電極間隔が2μm、電極対が125対のくし形電極であり、作用電極26には、銀/塩化銀ペーストが塗布されている。流路23,24は、反応性イオンエッチング装置を用いて形成した。流路23は、幅0.4mm、深さ20μm、長さ5cmであり、流路24は、幅1mm、深さ20μmである。
多孔質材料9を導入する際には、ガラスキャピラリー28の先端を封止し、直径0.7mmの穴29にFEPチューブを挿入した。このFEPチューブには、シリンジ30を接続し、手動で多孔質材料9を流路内に導入した。多孔質材料9の導入後、穴29を紫外線硬化性樹脂で封止し、次に、ガラスキャピラリー28の先端を開封し、さらに、ガラスキャピラリー28の先端をシリンジ30とシリンジポンプ31に接続した。
また、サンプリング用のプローブ32も接続した。この後、実施例1で説明した方法と同じ方法で、酵素溶液をシリンジポンプ31で吸引しながら、アスコルビン酸酸化酵素を固定した。
以上のように作製した集積型バイオセンサーを用いてドーパミン、L−アスコルビン酸の測定を行った。くし形電極には、600、−200mV vs.Ag/AgClの電位を印加した。試料を導入する際の流速は、2μl/min とした。まず、ドーパミン溶液(100μM)を導入したところ、0.8nAの応答電流が得られた。次に、ドーパミン100μM、L−アスコルビン酸100μMの混合溶液を導入したところ、ドーパミンのみを導入した場合と同様に、0.8nAの応答電流が得られた。
これは、L−アスコルビン酸が完全に除去され、ドーパミンのみを検出していることを示している。また、酵素固定反応器と電気化学検出器を集積し、マイクロチップ化したことにより、無効体積が減少し、微量な試料で測定することが可能となった。
以上のように、本発明の高選択性を有するバイオセンサーは、多孔質材料に種々の酵素を修飾することにより、夾雑物質を高効率に分解して選択性良く測定を行うことができる、或いは、測定対象物質を高感度に測定することができるという効果を奏する。
本発明は、簡便、かつ高濃度の夾雑物質の影響を排除しながら連続的に測定を行うことを可能にし、測定対象物質を高い時間分解能で高感度に測定することのできるバイオセンサーを実現することができる。
(a),(b)は、本発明に係るバイオセンサーの実施例1を説明するための構成図である。 シリカモノリスの模式図である。 本発明に係るバイオセンサーの実施例2を説明するための構成図である。 本発明に係るバイオセンサーの実施例3を説明するための構成図である。 本発明に係るバイオセンサーの実施例4を説明するための構成図である。
符号の説明
1 透析膜付きプローブ
2 酵素固定反応器
3 検出用電気化学フローセル
3a カーボン電極
4 参照電極
5 対向電極
6 送液用のシリンジ
7 シリンジポンプ
8 酵素溶液
9 シリカモノリス
10 試料
11,12,13 カーボン電極
14 オスミウムポリマー
15 銀/塩化銀ペースト
16 ガラスキャピラリー
17 ガラスチップ
18 流路
19 フッ素化エチレンプロピレン(FEP)チューブ
20 FEPチューブ
21 シリンジ
22 シリンジポンプ
23,24 流路
25,26,27 カーボン薄膜電極
28 ガラスキャピラリー
29 穴
30 シリンジ
31 シリンジポンプ
32 プローブ

Claims (13)

  1. サンプリング用のプローブと酵素固定反応器と電気化学検出器とが順次接続されてなるフロー型のバイオセンサーにおいて、前記酵素固定反応器に、酵素が固定された微細な連続的な孔を有するシリカ系の多孔質材料を設け、前記酵素固定反応器内にて酵素反応を起こすようにしたことを特徴とするバイオセンサー。
  2. 前記多孔質材料の孔が、0.1μm以上、20μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサー。
  3. 前記酵素固定反応器が、ガラスキャピラリー内に前記多孔質材料を設けたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のバイオセンサー。
  4. 前記ガラスキャピラリーを前記サンプリング用のプローブとして用いることを特徴とする請求項3に記載のバイオセンサー。
  5. 前記酵素固定反応器が、ガラスチップ上に形成された微小流路内に多孔質材料を設けたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のバイオセンサー。
  6. 前記酵素固定反応器として、酢酸、ポリエチレングリコール、テトラメトキシシランから作製されたシリカモノリスを用いたことを特徴とする請求項1又は2に記載のバイオセンサー。
  7. 前記多孔質材料として、ゾルーゲル法により作製されたシリカモノリスを用いたことを特徴とする請求項1又は2に記載のバイオセンサー。
  8. 前記多孔質材料に、測定上妨害となる電気化学活性を有する物質を分解することのできる酵素が固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバイオセンサー。
  9. 前記多孔質材料に、測定対象物質を反応させ、前記電気化学活性を有する物質を生成させることができる酵素が固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバイオセンサー。
  10. 前記電気化学検出器の電極が、カーボン、金、白金のいずれかからなり、該電極上に、酵素や電子移動メディエーターが固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバイオセンサー。
  11. 前記酵素固定反応器と前記電気化学検出器が、順次、ガラス、シリコンウエハー、ポリマーなどの基板上に集積化されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバイオセンサー。
  12. 前記酵素固定反応器と前記電気化学検出器が、それぞれ別々の基板上に形成され、チューブで接続、あるいはそれぞれの流路が連続的に接続されるように上下に重ねられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバイオセンサー。
  13. 前記酵素固定反応器と前記電気化学検出器が、同じ基板上に集積化されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバイオセンサー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010014422A (ja) * 2008-07-01 2010-01-21 Japan Advanced Institute Of Science & Technology Hokuriku プレーナー型電極
CN108931604A (zh) * 2018-05-03 2018-12-04 暨南大学 一种基于酶反应器的活性化合物在线筛选平台及应用

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