JP2005121414A - 粒度分布測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 スラリーなど、被測定粒子群が高濃度で分散している試料液体を、希釈することなく高濃度のまま、その分散質である粒子群の粒度分布を正確に、しかも効率よく連続的に測定することのできる粒度分布測定装置を提供する。
【解決手段】 ガラス板Gの上に試料液体供給手段4によって試料液体Lを滴下させた後、その上に別のガラス板Gを重ね、次いでその上から押圧手段5によって設定圧力のもとに押圧することにより、試料液体Lの厚みを一定にした状態で、レーザ光の照射位置(測定部)6に搬送してレーザ光を照射して得られる回折・散乱光の空間強度分布を測定して粒度分布に換算する。2枚のガラス板Gの間に試料液体Lを挟み込んだ状態で設定圧力のもとに押圧した後にレーザ光を照射することで、試料液体L中でのレーザ光の光路長を一定の短い距離として高濃度に起因する多重散乱を防止し、かつ、このような試料のサンプリングを自動的に行うことを可能とすることで、効率よく連続的な粒度分布の測定を可能とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 ガラス板Gの上に試料液体供給手段4によって試料液体Lを滴下させた後、その上に別のガラス板Gを重ね、次いでその上から押圧手段5によって設定圧力のもとに押圧することにより、試料液体Lの厚みを一定にした状態で、レーザ光の照射位置(測定部)6に搬送してレーザ光を照射して得られる回折・散乱光の空間強度分布を測定して粒度分布に換算する。2枚のガラス板Gの間に試料液体Lを挟み込んだ状態で設定圧力のもとに押圧した後にレーザ光を照射することで、試料液体L中でのレーザ光の光路長を一定の短い距離として高濃度に起因する多重散乱を防止し、かつ、このような試料のサンプリングを自動的に行うことを可能とすることで、効率よく連続的な粒度分布の測定を可能とする。
【選択図】 図1
Description
本発明はレーザ回折・散乱式の粒度分布測定装置に関し、特に、被測定試料群が液体中に高濃度に分散した、例えばスラリー状の液体中に分散している粒子の粒度分布を測定するのに適した粒度分布測定装置に関する。
レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置においては、一般に、分散状態の被測定粒子群に対してレーザ光を照射して得られる回折・散乱光の空間強度分布を測定し、その測定結果をミーの散乱理論ないしはフラウンホーファの回折理論を用いて粒度分布に換算する。
このようなレーザ回折・散乱式粒度分布測定装置における被測定粒子群の分散方法としては、通常、測定すべき粉・粒体を適当な媒液中に分散させて懸濁液を作る方法が採用されている(例えば特許文献1参照)。
ところで、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置においては、被測定粒子群の媒液中での濃度をある一定の濃度以下とする必要がある。すなわち、懸濁液中の粒子濃度が高すぎると、一つの粒子により回折・散乱した光が、別の粒子によって再度回折・散乱する、いわゆる多重散乱が生じる。このような多重散乱が生じた場合、その回折・散乱光の空間強度分布の測定結果から算出した粒度分布は、当然のことながら被測定粒子群の粒度分布を正しく表したものとはならない。
このようなことから、被測定粒子群を媒液中に分散させた懸濁液の粒子濃度は、多重散乱を生じさせない濃度範囲として測定しなければならないのであるが、例えばハンドクリームや乳液、軟膏、あるいはある種のインクなど、試料そのものがスラリー状の液体である場合で、しかも希釈が困難であったり、あるいは希釈により粒子が崩壊、凝集、ないしは分散して粒度分布が変化してしまうような試料については、レーザ回折・散乱式の粒度分布測定が困難であるとされていた。
このような問題を解決するため、従来、媒液中に被測定粒子群が高濃度に分散した試料懸濁液を、2枚のガラス板の間に挟み込むことにより、極めて薄い懸濁液層を形成し、その懸濁液層にレーザ光を照射して回折・散乱光の空間強度分布を測定するようにした粒度分布測定装置が提案されている(特許文献2参照)。
この提案技術によれば、懸濁液中のレーザ光の光路長が可及的に短くなり、同じ粒子濃度であっても、多重散乱が発生する確率が小さくなり、高い粒子濃度の懸濁液にレーザ光を照射して回折・散乱光の空間強度分布を測定せざるを得ない試料でも、正確な粒度分布を測定することが可能となる。
特開平6−241975号公報
特開平8−178825号公報
ところで、以上のように2枚のガラス板の間に被測定粒子が分散した懸濁液を挟み込んでレーザ光を照射する方式の装置においては、懸濁液を2枚のガラス板の間に挟み込む作業や、懸濁液を挟み込んだ2枚のガラス板を回折・散乱光の測定位置であるレーザ光の照射位置に設置する作業は人手により行う、いわゆるバッチ式の測定とならざるを得ず、そのために以下に示す問題が生じる。
すなわち、人手により2枚のガラス板の間に懸濁液を挟み込むため、懸濁液層の厚さのばらつきが生じて測定結果にばらつきが生じるという問題や、試料の作成に手間を要するためにその測定効率が悪いという問題がある。また、例えば製造ラインにおいて比較的短い周期で連続的に粒度分布を測定してその結果をフィードバックして製造条件等の調整に供するといった使用方法の採用が困難であるという問題もある。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、スラリーなどの、被測定粒子群が高濃度で分散している試料液体を、希釈することなく高濃度のまま、その分散質である粒子群の粒度分布を常に正確に、しかも効率よく連続的に測定することのできる粒度分布測定装置の提供をその課題としている。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の粒度分布測定装置は、分散状態の被測定粒子群にレーザ光を照射して得られる回折・散乱光の空間強度分布を測定し、その測定結果から被測定粒子群の粒度分布を算出するレーザ回折・散乱式の粒度分布測定装置において、被測定試料群が媒液中に分散してなる試料液体をガラス板の上に滴下供給する試料液体供給手段と、その試料液体が供給されたガラス板の上に他のガラス板を重ねて試料液体を2枚のガラス板で挟み込む試料液体挟み込み手段と、試料液体を挟み込んだ2枚のガラス板を設定された圧力のもとに押圧する押圧手段と、その押圧後の2枚のガラス板を、上記レーザ光の照射位置に当該各ガラス板がレーザ光の光軸に対して交差する姿勢のもとに搬入し、回折・散乱光の空間強度分布の測定後に当該照射位置から搬出する搬送手段を備えていることによって特徴づけられる。
ここで、請求項1に係る発明の粒度分布測定装置においては、上記搬送手段をベルトコンベアとし、上記試料液体供給手段、試料液体挟み込み手段、押圧手段およびレーザ光の照射位置を、そのベルトコンベアの搬送路上に設けるとともに、このベルトコンベアのベルトを、レーザ光の照射位置においてレーザ光を通過させるための孔が形成されているか、もしくは搬送方向に所定の間隔を開けた2本のベルトによって構成すること(請求項2)ができる。
また、上記した同じ課題を解決するため、請求項3に係る発明の粒度分布測定装置は、同じく分散状態の被測定粒子群にレーザ光を照射して得られる回折・散乱光の空間強度分布を測定し、その測定結果から被測定粒子群の粒度分布を算出するレーザ回折・散乱式の粒度分布測定装置において、上記レーザ光の照射位置に、狭い間隔を開けて互いに対向して固定され、かつ、その両側縁部が密封された2枚のガラス板が、当該各ガラス板が上記レーザ光の光軸と交差する姿勢のもとに配置されているとともに、その2枚のガラス板の間に、被測定試料群が液体中に分散してなる試料液体をあらかじめ設定された一定量ずつ注入する試料液体注入手段を備えていることによって特徴づけられる。
そして、この請求項3に係る発明においては、上記試料液体注入手段と上記2枚のガラス板とを繋ぐ試料液体の注入経路の断面積を一様とし、かつ、その断面積を上記2枚のガラス板の間の間隔の断面積と同一とすること(請求項4)が好ましい。
本発明は、スラリーなどの高濃度で被測定粒子が分散している試料液体を、2枚のガラス板で挟み込んだ状態でレーザ光を照射して回折・散乱光の空間強度分布を測定することによって試料液体内でのレーザ光の光路長を短くして多重散乱の発生を防止する技術を応用したものであるが、2枚のガラス板に試料液体を挟み込んでレーザ光を照射するまでの動作を、人手によらずに自動的に行うことによって前記した課題を一挙に解決しようとするものである。
すなわち、請求項1に係る発明では、試料液供給手段によりガラス板の表面に試料液体を滴下供給した後、試料液挟み込み手段によりそのガラス板の上に別のガラス板を重ねることによって試料液体を挟み込み、その後、押圧手段によりガラス板を設定圧力のもとに押圧した後、搬送手段によりレーザ光の照射位置に対して搬入/搬出するという一連の動作によって、試料液体のサンプリングから測定までを自動化し、効率よく連続的な粒度分布の測定が可能となる。そして、2枚のガラス板に試料液体を挟み込んだ状態で、押圧手段により設定圧力のもとに押圧した後にレーザ光を照射して回折・散乱光の空間強度分布を測定するため、試料液体中でのレーザ光の光路長を一定とすることが可能なる。
また、請求項2に係る発明によると、レーザ光を通過させるための孔を有するベルト、あるいは搬送方向に直交する方向に間隔を開けた2本のベルトを有するベルトコンベアの搬送路上に試料液供給手段、試料液挟み込み手段、押圧手段およびレーザ光の照射位置を並べるという比較的簡単な構成のもとに、上記した作用効果を奏することができる。
一方、請求項3に係る発明では、レーザ光の照射位置に狭い間隔を開けて2枚のガラス板を対向して固定してその両側縁部を密封し、その間に試料液体を設定量ずつ注入することにより、高濃度の試料液体を実質的に2枚のガラス板で挟み込んだ状態でレーザ光を照射して回折・散乱光の測定を連続的に可能とし、しかも、試料液体中のレーザ光の光路長が不変とすることができる。
また、請求項4に係る発明のように、2枚のガラス板の間に試料液体を注入する経路の断面積を一様とし、かつ、その断面積が2枚のガラス板の間の空間の断面積と同一とすることにより、試料液体の注入時に、先の測定に際して2枚のガラス板間に既に注入されている試料液体が滞留したり、あるいは気泡が発生して無用な回折・散乱を生起させて測定誤差が生じてしまうことを防止することができる。
本発明によれば、スラリーなどの、液体中に被測定粒子群が高濃度で分散している試料液体を、そのままの濃度で多重散乱を生じさせることなく、しかもサンプリングに起因する誤差を生じさることなく、正確に、かつ、効率よく連続的に測定することができ、この種の試料では従来装置において不可能であった製造ライン上でのオンライン測定や、製造ラインへのフィードバック等も行うことが可能となった。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は請求項1に係る発明の実施の形態の全体構成を示す図であり、機械的構成を表す模式図と電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図である。
図1は請求項1に係る発明の実施の形態の全体構成を示す図であり、機械的構成を表す模式図と電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図である。
ベルトコンベア1の搬送方向上流側の一端部に、未使用の複数のガラス板Gをストックするためのガラスストッカ2が配置されている。また、ベルトコンベア1の上方には、搬送方向上流側から下流側へと向けて、ガラスストッカ2内のガラス板Gを1枚ずつベルトコンベア1の搬送路上に供給するガラス板供給装置3、ベルトコンベア1の搬送路上のガラス板Gの表面に試料液体Lを滴下させる試料液体滴下装置4、および、後述するように2枚のガラス板Gにより試料液体Lを挟み込んだ状態でその上から押圧する押圧装置5が順に設けられている。そして、その押圧装置5の下流側には測定部6が設けられており、ベルトコンベア1の下流側である他端部には、測定後の試料液体Lをガラス板Gとともに廃棄する廃棄ボックス7が設けられている。
ベルトコンベア1は駆動プーリ11aと従動プーリ11bの間にベルト12を掛け回した通常のものであるが、ベルト12には、図2にその平面図を示すように、一定の間隔で貫通孔121が形成されている。
ガラス板供給装置3は、ガラス板Gを負圧で吸着する吸着パッド31と、その吸着パッド31を上下動させる上下動機構32、および吸着パッド31をベルトコンベア1による搬送方向に前後動させる移動機構33を主体として構成されており、ガラスストッカ2内のガラス板Gを1枚ずつ吸着して、図中Aで示す位置と、図中Bで示す押圧装置5の配設位置に供給することができる。
試料液体滴下装置4は、高濃度・高粘性の液体を低容量・定容量で吐出できるマイクロ液送ポンプ41と、その吐出口に装着されたノズル42を主体として構成されており、マイクロ液送ポンプ41の吸引口は、試料液体Lが収容された容器に接続されるか、あるいは製造ラインに接続されて製造中の試料液体Lの一部を分取し、ガラス板供給装置3により図中Aで示す位置に供給されたガラス板Gの表面に、試料液体Lを一定の微小量ずつ滴下させることができる。
押圧装置5は、例えば油圧ないしは空圧駆動のシリンダ51を駆動源として、押圧パッド52によって、後述するように試料液体Lを挟み込んだ2枚のガラス板Gを上から設定圧力のもとに押圧する。なお、ベルト12を挟んで押圧パッド52の直下には、押圧台53が設けられており、2枚のガラス板Gはこの押圧台53と押圧パッド52の間で加圧される。
測定部6は、レーザ回折・散乱法に基づいて粒度分布を測定するものであって、照射光学系61と測定光学系62とを対向させた構造を有し、測定光学系62による回折・散乱光の測定結果は布データはデータサンプリング部63を介して演算装置64に取り込まれる。
照射光学系61は、レーザ光源61a,集光レンズ61b、空間フィルタ61cおよびコリメートレンズ61dからなり、レーザ光源61aからの出力光は集光レンズ61bで集光された後、空間フィルタ61cを経てコリメートレンズ61dによって平行なレーザ光に成形され、その平行レーザ光を、後述するように測定光学系62との間のレーザ照射位置に搬入された試料液体Lに対して照射する。
測定光学系62は、集光レンズ62aとその焦点位置に配置されたリングディテクタ62bによって構成されている。リングディテクタ62bは、互いに半径の異なるリング状もしくは半リング状あるいは1/4リング状の受光面を有する複数の光センサを同心状に並べたものであり、レーザ照射位置に搬入された試料液体L中の粒子群による回折・散乱光をこのリングディテクタ62bに集光することによって、複数の回折・散乱角度ごとの光強度、つまり回折・散乱光の空間強度分布を測定することができる。
リングディテクタ62bを構成する各光センサの出力は、データサンプリング部63に取り込まれる。データサンプリング部63は、各光センサの出力を個別に増幅する複数のアンプおよび増幅後の各出力をデジタル化するA−D変換器を主体として構成されている。リングディテクタ62bの出力はこのデータサンプリング部63を経ることによって、回折・散乱光の空間強度分布データとなり、演算装置64に送られる。
上記したベルトコンベア1、ガラス板供給装置3、試料液体滴下装置4および押圧装置5は、制御装置8からの制御信号によって以下に示すタイミングで動作するように駆動制御され、また、演算装置64についてもこの制御装置8とリンクしている。
次に、以上の本発明の実施の形態の動作について説明する。
ベルトコンベア1を停止させた状態で、まず、ガラス板供給装置3の駆動によりガラスストッカ2内の1枚のガラス板Gを図中Aで示す位置に供給する。この供給に際しては、図2に示すように、ベルト12に形成されている貫通孔121の中心に、ガラス板Gの中心が略一致するようにする。
ベルトコンベア1を停止させた状態で、まず、ガラス板供給装置3の駆動によりガラスストッカ2内の1枚のガラス板Gを図中Aで示す位置に供給する。この供給に際しては、図2に示すように、ベルト12に形成されている貫通孔121の中心に、ガラス板Gの中心が略一致するようにする。
次に、ベルトコンベア1を駆動して、そのガラス板Gを試料液体滴下装置4のノズル42の直下にまで搬送し、高濃度・高粘性の試料液体Lをそのガラス板Gの上に設定された量だけ滴下させる。その後、ベルトコンベア1の駆動により、試料液体Lが滴下されたガラス板Gを図中Bで示す押圧装置5の直下にまで搬送した後、ガラス板供給装置3を再度駆動して、そのガラス板Gの上に、ガラスストック2内の別のガラス板Gを重ねる。これにより、試料液体Lが2枚のガラス板Gによって挟み込まれた状態となる。
次に、試料液体Lを挟み込んだ2枚のガラス板Gの上から、押圧装置5によって設定された圧力のもとに押圧され、これにより、2枚のガラス板Gの間の厚さ、つまり試料液体Lの厚さを、次段の測定部6における測定に際して最適化することができる。
次いでベルトコンベア1を駆動して、2枚のガラス板Gで挟まれた試料液体Lを、測定部6のレーザ光の照射位置にまで搬送し、ベルト12に形成されている貫通孔121を介してレーザ光を照射し、試料液体L中の粒子による回折・散乱光の空間強度分布を測定する。その測定結果はデータサンプリング部63を介して演算装置64に送られ、レーザ回折・散乱式粒度分布測定法に基づく公知の演算によって粒度分布に換算される。
以上の動作を所定の周期で繰り返すことにより、高濃度で被測定粒子群が液体中に分散してなる試料液体Lを、希釈等を行わずにその分散質である粒子の粒度分布を連続的に測定することが可能となり、しかも、試料液体Lを通るレーザ光の光路長が、押圧装置5による押圧圧力に応じた一定の長さとなるため、試料のサンプリングに起因する測定誤差を生じることもない。
ここで、以上の実施の形態においては、2枚のガラス板Gで挟まれた試料液体Lに対してレーザ光を照射するために、ベルト12に貫通孔121を形成したが、これに代えて、図3に示すように、搬送方向に直交する方向に所定の間隔Δを開けた2本のベルト12a,12bを用いて、その各ベルト12a,12bにガラス板Gを差し渡すようにすることもできる。
また、以上の実施の形態で用いるマイクロ液送ポンプ41としては、例えばチュービングポンプやシリンジポンプなどを好適に採用することができる。
次に、請求項3に係る発明の実施の形態について説明する。
図4はその全体構成図であり、機械的構成を表す模式図と電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図である。
図4はその全体構成図であり、機械的構成を表す模式図と電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図である。
この例は、照射光学系101と測定光学系102とを筐体100内に収容して互いに対向させ、その間に、2枚のガラス板Gを狭い間隔で対向して固定してなる試料セル103を配置し、その試料セル103の2枚のガラス板Gの間に、チュービングポンプ104によって高濃度・高粘性の試料液体Lを一定量ずつ供給するように構成している。
照射光学系101は、先の例において用いたものと同等であり、レーザ光源101a,集光レンズ101b、空間フィルタ101cおよびコリメートレンズ101dからなっているとともに、測定光学系102についても先の例で用いたものと同等であって、集光レンズ102aおよびリングディテクタ102bによって構成されている。
筐体100内には、先の例と同等のデータサンプリング部105が収容されており、リングディテクタ102bの出力はこのデータサンプリング部105によって増幅およびデジタル化される。筐体100内にはまたは、このデータサンプリング部105並びにチュービングポンプ104を制御するとともに、データサンプリング部105によりサンプリングされて増幅・デジタル化された回折・散乱光の空間強度分布データを、筐体100の外部に設けられているパーソナルコンピュータ107に転送するための制御・通信部106が収容されている。
パーソナルコンピュータ107には、回折・散乱光の空間強度分布データを粒度分布に換算する先の例における演算装置による換算と同等のプログラムが書き込まれている。
さて、試料セル103は、図5に外観図を、図6(A)、(B)および(C)にそれぞれそのA−A断面図、B−B断面図およびC−C断面図を示すように、2枚のガラス板Gを僅かな隙間δを開けて対向させた状態で、その両側縁部をシール部材103aで封止するとともに、その各シール部材103aを介在させた状態で、ガラス板Gの外側から固定部材103bによりこれらの各部材を相互に固定・一体化した構造を有している。
チュービングポンプ104の吐出口はチューブ108aを介して試料セル103の隙間δの上部開口に連通しているとともに、このチュービングポンプ104の吸引口は、例えば製造ライン中の試料液体Lが流れる管Pなどにチューブ108bを介して接続される。
一端がチュービングポンプ104の吐出口に接続されているチューブ108aの他端と試料セル103とは、チューブ接続用アダプタ109aを介在させて相互に接続されている。チューブ接続用アダプタ109aの内面の断面形状は、チューブ108aに対する接続部分は当該チューブ108aの内面の断面形状と等しい円形であり、また、試料セル103に対する接続部分は当該試料セル103の2枚のガラス板Gの間の隙間δの断面形状と等しい極偏平な矩形であって、その中間部分の内面の断面形状は、チューブ108aから試料セル103へと向けて円形から極偏平矩形へと徐々に変化していくようになっている。
そして、チューブ108aの断面積は、試料セル103の2枚のガラス板Gの間に形成されている隙間δのガラス板Gに直交する方向に切断した断面積と等しく、かつ、チューブ接続用アダプタ109aは、チューブ108a側から試料セル103側へと内面の断面形状が変化しつつも、その断面積は一様であって、上記した隙間δの断面積と等しくなっている。
また、試料セル103の隙間δの下端開口は、上記したチューブ接続用アダプタ109aと同等のチューブ接続用アダプタ109bおよびチューブ108cを介して管Pに接続されている。
以上の実施の形態は、チュービングポンプ104を定期的に、あるいは連続的に駆動して、試料セル103の2枚のガラス板Gの間の隙間に試料液体Lを順次供給し、レーザ光を照射して試料液体L内の粒子による回折・散乱光の空間強度分布を測定し、粒度分布に換算する。このとき、チュービングポンプ104と試料セル103の隙間δを繋ぐチューブ108aおよびチューブ接続用アダプタ108aの内面の断面積が一様であり、しかも試料セル103のδの断面積と等しくなっているので、チュービングポンプ104の駆動により新たな試料液体Lを供給したとき、既に試料セル103内に入っている試料液体Lはスムーズに流れて排出され、試料セル103内やチューブ108aないしはチューブ接続用アダプタ109a内に滞留することがなく、また、気泡が発生することがない。従って、管P内を流れる試料液体L中の粒子の粒度分布の経時的変化を、正確に測定することができる。
なお、以上の実施の形態では、試料セル103に対して供給される試料液体Lを、製造ライン中で試料液体Lが流れる管からチュービングポンプ104の駆動により分取した例を示したが、試料液体Lが入った容器からチュービングポンプ104で抽出してもよいことは勿論である。また、チュービングポンプに代えてシリンジポンプ等の他のポンプを用い得ることは言うまでもない。
1 ベルトコンベア
12 ベルト
121 貫通孔
2 ガラスストック
3 ガラス板供給装置
4 試料液体滴下装置
5 押圧装置
6 測定部
61 照射光学系
62 測定光学系
63 データサンプリング部
64 演算装置
7 廃棄ボックス
8 制御装置
101 照射光学系
102 測定光学系
103 試料セル
103a シール部材
103b 固定部材
104 チュービングポンプ
105 データサンプリング部
106 制御・通信部
107 パーソナルコンピュータ
108a,108b チューブ
109a,109b チューブ接続用アダプタ
G ガラス板
L 試料液体
P 管
12 ベルト
121 貫通孔
2 ガラスストック
3 ガラス板供給装置
4 試料液体滴下装置
5 押圧装置
6 測定部
61 照射光学系
62 測定光学系
63 データサンプリング部
64 演算装置
7 廃棄ボックス
8 制御装置
101 照射光学系
102 測定光学系
103 試料セル
103a シール部材
103b 固定部材
104 チュービングポンプ
105 データサンプリング部
106 制御・通信部
107 パーソナルコンピュータ
108a,108b チューブ
109a,109b チューブ接続用アダプタ
G ガラス板
L 試料液体
P 管
Claims (4)
- 分散状態の被測定粒子群にレーザ光を照射して得られる回折・散乱光の空間強度分布を測定し、その測定結果から被測定粒子群の粒度分布を算出するレーザ回折・散乱式の粒度分布測定装置において、
被測定試料群が媒液中に分散してなる試料液体をガラス板の上に滴下供給する試料液体供給手段と、その試料液体が供給されたガラス板の上に他のガラス板を重ねて試料液体を2枚のガラス板で挟み込む試料液体挟み込み手段と、試料液体を挟み込んだ2枚のガラス板を設定された圧力のもとに押圧する押圧手段と、その押圧後の2枚のガラス板を、上記レーザ光の照射位置に当該各ガラス板がレーザ光の光軸に対して交差する姿勢のもとに搬入し、回折・散乱光の空間強度分布の測定後に当該照射位置から搬出する搬送手段を備えていることを特徴とする粒度分布測定装置。 - 上記搬送手段がベルトコンベアであって、上記試料液体供給手段、試料液体挟み込み手段、押圧手段およびレーザ光の照射位置が、そのベルトコンベアの搬送路上に設けられているとともに、このベルトコンベアのベルトは、上記レーザ光の照射位置においてレーザ光を通過させるための孔が形成されているか、もしくは搬送方向に直交する方向に所定の間隔を開けた2本のベルトによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の粒度分布測定装置。
- 分散状態の被測定粒子群にレーザ光を照射して得られる回折・散乱光の空間強度分布を測定し、その測定結果から被測定粒子群の粒度分布を算出するレーザ回折・散乱式の粒度分布測定装置において、
上記レーザ光の照射位置に、狭い間隔を開けて互いに対向して固定され、かつ、その両側縁部が密封された2枚のガラス板が、当該各ガラス板が上記レーザ光の光軸と交差する姿勢のもとに配置されているとともに、その2枚のガラス板の間に、被測定試料群が液体中に分散してなる試料液体をあらかじめ設定された一定量ずつ注入する試料液体注入手段を備えていることを特徴とする粒度分布測定装置。 - 上記試料液体注入手段と上記2枚のガラス板とを繋ぐ試料液体の注入経路の断面積が一様であり、かつ、その断面積が上記2枚のガラス板の間の空間の断面積と同一とされていることを特徴とする請求項3に記載の粒度分布測定装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003354751A JP2005121414A (ja) | 2003-10-15 | 2003-10-15 | 粒度分布測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003354751A JP2005121414A (ja) | 2003-10-15 | 2003-10-15 | 粒度分布測定装置 |
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JP2003354751A Withdrawn JP2005121414A (ja) | 2003-10-15 | 2003-10-15 | 粒度分布測定装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021100514A1 (ja) * | 2019-11-19 | 2021-05-27 | 株式会社堀場製作所 | 粒子径分布測定装置、及び、粒子径分布測定方法 |
-
2003
- 2003-10-15 JP JP2003354751A patent/JP2005121414A/ja not_active Withdrawn
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20060914 |