JP2005120593A - ユニット型シース - Google Patents

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Abstract

【課題】グラウト注入作業を簡略化し、作業時間を短縮する。
【解決手段】プレストレストコンクリートに並列して埋設されるシース内をその一端と他端で連通管により連通させ、いずれかのシースの注入孔から注入されたグラウトが、一端の連通管を介して並列する他のシースに流入するとともに、一端から他端へ向かって流れて他端に設けた連通管を介していずれかのシースに合流し排出孔から排出されるようにする。1箇所の注入孔から複数シースへの注入が可能であるので構成が簡単になるとともに、グラウト供給管の繋ぎ替えが少なくなる。また、各シースに同時に注入されていくので注入時間が短縮されるとともに、余剰グラウト等の回収が一箇所の排出孔にまとめられて作業を簡略化し得る。さらに、連通管でシース同士を所定の間隔に保持すればシースを型枠内の所定位置に配置しやすく、連通管を設けた部分のシースを他と別に製作すれば、種々の製品に共通して使用できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、プレストレストコンクリート製品を製作する際に、コンクリート硬化後、引張材を挿通するために、コンクリート中に埋設して使用するシースに関するものである。
コンクリート製品にプレストレスを加える手法として代表的なものに、コンクリート部材にPC鋼材やファイバーなどからなる引張材を挿通し、その引張材を緊張することにより、コンクリート部材の両側から内側に向かって圧縮力を加えるポストテンション方式がある。
この手法は、シースと呼ばれる鋼管をコンクリート中にあらかじめ埋め込んでおき、そのシースをさや管としてシース内に引張材として例えばPC鋼材を挿入する。そのPC鋼材の両側を外側に向かって引っ張ることにより、コンクリート部材には、その両端面から内側に向かう圧縮応力(プレストレス)が付与される。このプレストレスにより、コンクリート製品は無載荷状態で所定の圧縮応力を内在することになるので、その製品に作用する前記両端面から外側へ向かう引張応力(鋼材軸方向の引張力)に対して、強度的な余裕度が高くなる利点がある。
このとき、シースは、必要数並列して型枠内に配置され、その状態でコンクリートが打設されて、それぞれのシース両端が、硬化後のコンクリート部材両端面に開口する。
そのコンクリートが硬化して所定の強度になった時点で、そのシース内にPC鋼材を挿通し、そのPC鋼材の両端に、例えば、図8に示すように、コンクリート部材Cの端面1aの当て板14を挿通してナット13で締めつける。その締め付けにより、鋼材10に緊張力(引張応力)が付与されるとともに、コンクリート部材Cにはプレストレスが付与される。
プレストレス導入後、シース内面とPC鋼材10との間隙にグラウトGを注入することにより、その間隙を埋めてPC鋼材10とコンクリート部材Cとを一体化するとともに、内部の空気を排出することにより鋼材10が空気に触れて錆びることを防いでいる。
グラウトGの注入方法は、通常、そのシース両端面の開口を前記当て板14や周知の充填材等により閉塞するとともに、その閉塞した前記充填材部分あるいは当て板14の開口部からグラウトホースを差し込み、グラウトホースを介してシース内部と外部とを連通させておく。その両端のグラウトホースのうち、一方のホースはグラウト注入のための注入孔、他方のホースは注入に伴って押し出されるシース内の余剰グラウト及び空気の排出孔として、一方の注入孔から他方へ向かってグラウトの注入作業を行い、他方の排出孔から排出する。グラウト硬化後は、その引き出された部分のホースをコンクリート部材Cから切断する。
また、この注入孔や排出孔を設ける作業を簡略化するために、例えば、図7に示す手法が開示されている。この手法は、シース12両端部からグラウト管4をあらかじめ立ち上げておき、コンクリート打設の際、そのグラウト管4がコンクリート部材Cの両端部においてそれぞれ外側へ突出するようにしている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
なお、このプレストレスを加える手法は、工場生産されたプレキャスト・コンクリート製品を連結する際にも使用される。例えば、本発明の実施形態である図1に基づいて説明すると、鉄筋6やシース等が埋設されたパネル1は、1枚1枚が単体で施工場所である現地に運び入れられるとともに、必要な大きさになるまで複数連結されてパネル体Pを構成する。各パネル1のシースは、図示するパネル体Pに連結した状態で、それぞれ軸心が一致するように製作されているので、各シースにPC鋼材を挿通して上記手法によりプレストレスを加えれば、床版や壁面に使用できるパネル体Pが構成される。
特開平11−293848号公報 特開2000−160767号公報
このプレストレスにおいて、前記シースに挿通されるPC鋼材は、コンクリート部材に作用する軸方向(前記鋼材軸方向)の引張力に対抗しなければならないため、製作するコンクリート製品の幅(コンクリート打設時において、前記鋼材軸方向と直交する横方向を幅方向とする)や高さ(コンクリート打設時において、前記鋼材軸方向と直交する縦方向を高さ方向とする)、及び求められる強度に合わせて多数並列、あるいは多層に埋設しなければならない場合が多い。
特に、この発明の実施形態の説明図である図1に示すように、平板状のプレキャスト・コンクリートパネルであれば、その幅は非常に広いものとなるため、前記シース及びPC鋼材の埋設本数は図示するようにその幅方向に非常に多くなる。
このような場合に、各シースにそれぞれ前記グラウトホースあるいはグラウト管を設けることは作業が煩雑であるとともに、コスト高でもある。また、シース1本1本に対して行うグラウト注入作業は、1本のシースへの注入作業が終わる度に、前記グラウトホースあるいはグラウト管へのグラウト供給管の付け替え作業を伴うため煩雑であり、また作業時間を長く要するので効率的でない。
そこで、この発明は、コンクリートに埋設されるシースの構造、及びそのシースへのグラウト注入作業を簡略化するとともに、その注入作業の所要時間を短縮することを課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、並列するシース同士をグラウトが出入り可能に繋ぐことにより、1本のシースへのグラウト注入作業で、同時に複数のシースにグラウトが行きわたるようにしたのである。
具体的には、プレストレストコンクリート部材に並列して埋設され、そのコンクリート部材を貫くシースにおいて、前記並列したシースを連通管で連通させ、その状態でコンクリート内に埋設するとともにシースに引張材を挿通し、一のシースに設けた注入孔からグラウトを注入して、その注入されたグラウトが前記連通管を介して並列する他のシースに流入するようにする。シース内の空気及び余剰グラウトは、一のシース又は他のシースに設けた排出孔から排出される。
このようにすれば、1箇所からのグラウトの注入により、複数のシースへのグラウト注入が可能であるので、1本1本注入を行う場合と比較してグラウト供給管の繋ぎ替え作業が減り、その注入に要する時間が短縮される。また、そのシースの本数に対してグラウト注入孔の箇所数を減らすことができるので、シースの構成が簡単になり、コスト面でもメリットが大きい。
また、前記連通管を剛性管として、その連通管が、並列するシース同士の間隔を保持するようにすれば、シース同士が所定の間隔を保持して型枠内に配置できるので、コンクリート打設時のシースの配設、位置決め作業が簡単になる。
上記の構成において、前記連通管は、シースの一端側と他端側にそれぞれ設けてもよい。つまり、前記連通管をシースの一端と他端にそれぞれ設け、一のシース一端の注入孔から注入されたグラウトが、前記一端の連通管を介して並列する他のシースに流入するようにする。各シース内に流入したグラウトはそれぞれ一端から他端へ向かって流れて他端に設けた連通管を介していずれかのシースに合流し、シース内の空気及び余剰グラウトは、その合流先のシース他端の排出孔から排出されるようにした構成を採用し得る。
このようにすれば、グラウトの流れる行程が各シースに並列し、同時に注入されていくので、全体にグラウトが行きわたるのに要する時間が短縮される。このとき、その合流先のシースに設けた排出孔から、シース内の空気及び余剰グラウトが排出されるようにすれば、そのシースの本数に対してグラウト排出孔の箇所数を減らすことができ、前述の効果に加え、余剰グラウト等の回収が一箇所にまとめられて作業を簡略化し得る。
また、3本のシースを等間隔で並列させ、前記注入孔は、両外側に位置するシースにそれぞれ設けられ、前記連通管は、その両外側のシースと内側のシースとをそれぞれ連通するものであり、前記両注入孔、両連通管はそれぞれ内側のシースを挟んで対称に配置するようにした構成を採用し得る。
このようにすれば、内側のシースには、両外側のシースから連通管を介してグラウトが対称に流入するので、その流入が内側のシース内において一方に偏らず均一となり、その内側のシースと両連通管との合流点で両側から加わる圧力が均衡する。この圧力の均衡により、内側のシース内に流入するグラウトの圧力は、その内側のシース内を一方から他方へ向かって軸方向へ逃げるので、注入孔を有しない内側のシース内にも空隙を生じることなく、その全管に亘ってグラウトが均等に流入し得る。
さらに、前記連通管を設けたシース部分は、連通管のないシース部分と別に製作されるものとし、その連通管を設けたシース部分は、連通管のないシース部分と接続されてシースを成すようにした構成を採用し得る。このようにすれば、連通管を伴わない一般部のシース部分の長さを調節することにより、様々な長さのコンクリート製品に連通管を設けたシース部分を共通して使用できるので、便利である。
この発明は、シースのグラウト注入孔、排出孔の数を減らすことができるので、シースの構成を簡単にでき、また、グラウトを供給する管の繋ぎ替えが少なくなるので、シースへのグラウト注入作業も簡略化されて、注入に要する時間を短縮し得る。
一実施形態を図1乃至図3に示し、この実施形態のユニット型シースSは、工場生産された規格品の平板状のプレキャスト・コンクリートパネル1を複数連結するとともに、その連結した状態で全体にプレストレスを加えるために、あらかじめパネル1内に埋設されるPC鋼材挿通用のシースである。
パネル1は、図1(a)に示すように、1枚1枚が単体で施工場所である現地に運び入れられるとともに、図1(b)に示すように、その場所で必要な大きさである3枚が連結されてパネル体Pを構成する。このように、複数の小型のパネル1を現地で連結して使用するのは、大型の部材を運搬することを避けるためである。
パネル1同士を連結するために、各パネル1にはシースが埋設され、パネル1を並べた図1(b)に示す状態で、各パネル1のシースを構成する管体同士の軸心が一致するように配置されており、そのシース内をパネル体Pの一端から他端へとPC鋼材10が挿通できるようになっている。
前記パネル1に埋設されるシースは、金属製のスパイラル管からなる一般部シース部分2と、そのシース部分2の外径よりもやや大きい内径を有し前記シース部分2の端部を内包するように接続できる、同じく金属製のスパイラル管からなる連通部シース部分3とからなる。そのうち連通部シース部分3は、並列するシース内を連通させる連通管5と、シース内へのグラウトの注入孔4a又は排出孔4bとなるグラウト管4を有しており、この連通部シース部分3、連通管5及びグラウト管4とで、ユニット型シースSを構成している。なお、上記一般部シース部分2及び連通部シース部分3を構成する管は、金属製の管に限定されず、その他の素材として樹脂製の管等も使用できる。また、その管の形態は、スパイラル管であってもよいし、スパイラルを伴わない普通管であってもよい。
図3に示すように、ユニット型シ−スSの連通部シース部分3と、前記一般部シース部分2とをそれぞれ3本並列して設け、その一般部シース部分2と連通部シース部分3との接続は、一般部シース部分2の端部を前記連通部シース部分3のパイプ内に嵌め込み、その状態で両者を溶接等により固定する。前記連通管5は、3本並列する連通部シース部分3のうち、内側のシース部分3と両外側のシース部分3との間にそれぞれ設けられ、その接続方法は、シース部分3の適宜の部分を開口させて、その開口に溶接、かしめ等により連通管5が接続される。
また、前記グラウト管4は、その3本並列する連通部シース部分3のうち、両外側に位置するシース部分3の前記連通管5との合流部分から立ち上げられている。このグラウト管4の先端開口は、図3に示すように、パネル1の表裏面いずれかの面外に引き出されて突出している。なお、一般部シース部分2には、前記連通管5、グラウト管4は設けられていない。
3枚連結するパネル1のうち端に位置するパネル1には、図1(a)に示すように、一般部シース部分2と、ユニット型シ−スSとが接続されてシースを成し、そのシースが、端のパネル1の一端から他端へと埋設される。中央に位置するパネル1には、前記端のパネル1と連結される位置に並べた図1(b)に示す状態において、前記端のパネル1に埋設されたシースの軸心の延長線上に位置するよう、その中央のパネル1の一端から他端へと一般部シース部分2のみが埋設される。
それぞれのパネル1において、前記一般部シース部分2は、決められた長さに製作された定尺シースを、それぞれのパネル1端面1bに合わせて、その端部を切断して長さ調整する。なお、前記端のパネル1の場合は、図2に示すように、前記連通部シース部分3のシース部分2と接続する側と反対側の端部を、パネル1の端面1aに一致させておく。
パネル1を連結する際には、図1(b)に示すように、並べたパネル1同士を、所定の長さにまで必要数連結させ、そのパネル体Pの一方の端面から他方への端面へと通じる1本のシース(中央のパネル1の前記シース部分2、及びそのシース部分2と同心に位置する端のパネル1のシース部分2とシース部分3を示す)内にPC鋼材10(ピアノ線等)を挿通し、このPC鋼材10に、図2に示すように、パネル体Pの両端面1a,1aに設けた当て板14を挿通して、ナット13で締め付けることにより固定してパネル体Pを構成する。この締め付けにより、両端面1a,1aにPC鋼材10が外側へ引っ張られて緊張力(引張応力)が付与されるとともに、パネル体Pには圧縮応力(プレストレス)が付与され、3枚のパネル1が一体化されて所定の強度を有するようになる。
このとき、ユニット型シースSの並列するシース部分3同士は、前記連通管5により固定されており、相互間に所定の間隔を維持するように保持された状態でコンクリートが打設されている。このため、隣り合うパネル1に埋設されたそれぞれ対応するシース同士の軸心のずれが少なくなる効果があり、軸心のずれによるPC鋼材10の挿通不良が発生しにくい。
PC鋼材10の緊張後、図2に示すように、両グラウト管4のうち一方を注入孔4a、他方を排出孔4bとして、その注入孔4aにグラウト供給管11を繋ぎシース内にグラウトGを注入する。このとき、注入されたグラウトGは、図5(g)に矢印で示すように流動し、最後に、シース内の空気及び余剰グラウトは、排出孔4bに繋がれたグラウト供給管11より排出される。
この注入において、図1に示すように、挿通するPC鋼材10の本数、つまりパネル体Pに埋設されるシースの並列する本数に対し、前記注入孔4a及び排出孔4bの箇所数を相当数減らすことができ、図1に示す実施形態では、シースが3本に対して、前記注入孔4a及び排出孔4bの箇所数をそれぞれ2箇所としている。
このため、グラウトG注入の際のグラウト供給管11の繋ぎ替え回数が減り、その繋ぎ替えに要する時間が短縮できるほか、並列する複数本のシースに同時にグラウトGを注入できるので、その注入に要する時間も短縮できる。また、排出孔4bの数が少ないので、排出グラウトの回収作業を少ない箇所に集約できる。
また、3本のうち内側に位置するシースには、図5(g)に示すように、両外側のシースから連通管5,5を介してグラウトGが対称に流入するので、その流入が内側のシース内において一方に偏らず均一となり、その内側のシースと両連通管5,5との合流点で両側から加わる圧力が均衡する。この圧力の均衡により、内側のシース内に流入するグラウトGの圧力は、その内側のシース内を一方から他方へ向かって軸方向へ逃げるので、注入孔4aを有しない内側のシース内にも空隙を生じることなく均一に効率的に注入し得る。
なお、この一般部シース部分2と、連通部シース部分3を含むユニット型シースSの配置は、パネル体Pを構成するパネル1の枚数やその位置、グラウト注入位置、注入方向などに応じて選択的に設定することができる。また、ユニット型シースSの形態は、使用するコンクリート製品の形状、寸法に合わせて自由なものとすることができ、並列させて相互に連通させるシースの本数は自由であり、その並列方法は、部材の幅方向、高さ方向を問わない。ただし、連通部5の位置と、注入孔4a、排出孔4bの位置は、グラウトGの流れがスムースに全体に行きわたるものとすることが望ましい。
また、上記の実施形態のように、3本以上のシースを並列する場合には、前記注入孔4aを、並列するシースのうち一のシースの両側に位置するシースにそれぞれ設けて、その注入孔4aを有しない一のシースにグラウトGが両側のシースから流入するようにしてもよいし、前記注入孔4aを、並列するシースのうち一のシースの一方の側に位置するシ−スにのみ設けて、注入孔4aを有しない一のシースにはグラウトGが片側からのみ流入するようにしてもよい。ただし、その一のシースに片側からのみグラウトGが流入するようにする場合において、図1(b)あるいは図6に示すように、パネル体Pを立てた状態でグラウトGの注入を行う場合には、シース内の空気を排出しやすくするため、その注入孔4aは、並列するシースのうち下方に位置するシースに設けることが望ましい。
シースを配置する態様について説明すると、例えば、図5(a)(b)(c)に示すシース配置の態様は、並列したシース内をいずれかの部分で連通管5で連通させ、グラウトGの注入は、図中の矢印のように、一のシースに設けた注入孔4aから注入されたグラウトGが前記連通管5を介して並列する他のシースに流入するとともに、シース内の空気及び余剰グラウトは、一のシース又は他のシースに設けた排出孔4bから排出されるようにしたものである(第1の実施形態)。
また、図5(d)(e)に示す態様は、前記連通管をシースの一端と他端にそれぞれ設け、一のシース一端の注入孔4aから注入されたグラウトGが、前記一端の連通管5を介して並列する他のシースに流入するとともに、各シース内に流入したグラウトGはそれぞれ一端から他端へ向かって流れて他端に設けた連通管5を介していずれかのシースに合流し、シース内の空気及び余剰グラウトは、その合流先のシース他端の排出孔4bから排出されるようにしたものである(第2の実施形態)。
さらに、図5(f)(g)に示す態様は、3本のシースを等間隔で並列させ、前記注入孔4aは、両外側に位置するシースにそれぞれ設けられ、前記連通管5は、その両外側のシースと内側のシースとをそれぞれ連通するものであり、前記両注入孔4a、両連通管5はそれぞれ内側のシースを挟んで対称に配置されて、内側のシースには、両外側のシースからグラウトGが均等に流入するようにしたものである(第3の実施形態)。
上記の態様において、連通管5は、図4(a)に示すように、連通管5を設けるべき場所1箇所につき1本設けてもよいし、他のシースへのグラウトGの流入量を増やすために、図4(b)に示すように、1箇所に2本以上並列して設けてもよい。また、シースを高さ方向に並列して配置したい場合には、図4(c)に示すシース配置も可能である。
また、この実施形態では、連通部シース部分3をパネル体Pの端部に位置するようにしてシース2部分等とともにユニット型シースSを構成したが、その使用箇所は端部には限定されず、グラウトGの流れがスムースである限りにおいて、例えばパネル体Pの中間部に使用してもよい。連通管5は、必ずしも剛性管には限定されず、シース相互間を所定の距離に保持する機能を求めないならば、一般的なフレキシブル管を使用してもよい。また、注入孔4a、排出孔4bたるグラウト管4の構成も自由であり、従来から一般的に使用されているグラウトホースによるものでもよい。
ユニット型シースSを構成する連通部シース部分3と、これに接続される一般部シース部分2の接続方法も自由であり、この実施形態には限定されず、シース部分2内にシース部分3を内包するように接続してもよい。また、その接続は、嵌めこみ、溶接以外の手法によってもよいし、連通部シース部分3と一般部シース部分2とを一体に製作してもよい。なお、この実施形態では、シースに挿通される引張材としてPC鋼材を使用したが、ファイバーなど引張(緊張)可能な他の材料を使用してもよい。
さらに、この実施形態では、ユニット型シースSを、プレキャストのコンクリートパネルを連結するために、その各パネル内に埋設して使用したが、この実施形態には限定されず、ポストテンション方式のプレストレストコンクリート製品を製作する際に使用するシースとして広く使用できる。例えば、一般的な建築用の床版材のほか、各種の梁材、桁材などにも使用できる。
なお、この実施形態のユニット型シースSを利用したプレキャスト・コンクリートパネルを使用した例として、例えば、プレキャスト増壁工法が挙げられる。
図6に示すように、柱構造をなす建物内の柱20と柱20の間の空間において、その柱20,20間及び床面21と梁部22間を塞ぐ壁部を新設することにより、建物の強度を大きくして耐震性能を高める工法である。
図1に示すパネル1を連結したコンクリートパネル体Pを使用し、図6に示すように、その四方の側面に所定の間隔でアンカ24を外側に向かって突出させて設ける。建物側の前記対向する柱面同士、及び床面21と梁部22との対向する面にも、それぞれアンカ23を空間側(内側)に向かって突出させて設ける。
このパネル体Pを前記空間に嵌め込み、この間隙に無収縮モルタル25等を打ち込むことにより、建物とパネルPを一体化させる。このとき、前記アンカ23,24が前記モルタル25とパネル体P及び建物との付着性を高めている。
一般的な増壁工法による建物の耐震補強工事は、その施工中に建物内のスペースを使用することができないため、短い工期で施工完了できることが望ましいが、このプレキャスト・コンクリートパネルPを増壁工法の壁面材として使用することにより、飛躍的に工期を短縮できる。また、工場製作したパネル1を嵌め込んで施工できるため、工事の影響範囲を少なくすれば、施工中の建物使用も可能とし得る。
また、このパネル体Pを製作する際に、パネル1を連結するためのPC鋼材挿通用シースとして、この発明のユニット型シースSを埋設しておけば、現場でのグラウト注入作業が早くなり、さらに工期短縮が可能である。
一実施形態のユニット型シースを埋設したパネルを示し、(a)は平面図、(b)は3枚を連結した平面図、(c)は側面図 図1の断面図 図1の要部拡大図 他の実施形態のユニット型シースを示す要部拡大図 他の実施形態のシースの配置を示す模式図 ユニット型シースを埋設したパネルの使用例を示す説明図 従来例のシースを埋設したパネルを示す要部拡大図 従来例の断面図
符号の説明
1 パネル
2 一般部シース部分
3 連通部シース部分
4 グラウト管
5 連通管
6 通し鉄筋
10 PC鋼材
11 グラウト供給管
12 シース
13 ナット
14 当て板
20 柱
21 床面
22 梁部
23,24 アンカ
25 モルタル
G グラウト
P パネル体
S ユニット型シース

Claims (5)

  1. プレストレストコンクリート部材に並列して埋設され、そのコンクリート部材を貫くシースにおいて、
    前記並列したシースを連通管で連通させ、その状態でコンクリート内に埋設するとともにシースに引張材を挿通し、一のシースに設けた注入孔からグラウトを注入して、その注入されたグラウトが前記連通管を介して並列する他のシースに流入するとともに、シース内の空気及び余剰グラウトは、一のシース又は他のシースに設けた排出孔から排出されるようにしたことを特徴とするユニット型シース。
  2. 前記連通管を剛性管とし、その連通管は、並列するシース同士の間隔を保持するものであることを特徴とする請求項1に記載のユニット型シース。
  3. 前記連通管をシースの一端と他端にそれぞれ設け、一のシース一端の注入孔から注入されたグラウトが、前記一端の連通管を介して並列する他のシースに流入するとともに、各シース内に流入したグラウトはそれぞれ一端から他端へ向かって流れて他端に設けた連通管を介していずれかのシースに合流し、シース内の空気及び余剰グラウトは、その合流先のシース他端の排出孔から排出されるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のユニット型シース。
  4. 3本のシースを等間隔で並列させ、前記注入孔は、両外側に位置するシースにそれぞれ設けられ、前記連通管は、その両外側のシースと内側のシースとをそれぞれ連通するものであり、前記両注入孔、両連通管はそれぞれ内側のシースを挟んで対称に配置されて、内側のシースには、両外側のシースからグラウトが均一に流入するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のユニット型シース。
  5. 前記連通管を設けたシース部分は、連通管のないシース部分とは別に製作されて、その連通管を設けたシース部分は、連通管のないシース部分と接続されてシースを成すことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のユニット型シース。
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