JP2005120212A - 機能性コーティング材及び機能性複合材並びにその製造方法 - Google Patents

機能性コーティング材及び機能性複合材並びにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】作業環境、周辺への影響、臭いなどの観点から問題がなく、プラスチックや塗装鋼板などの疎水性物質を表面に有する基材に塗布可能であり、疎水性物質を表面に有する基材に被膜を形成した場合に、基材と被膜との密着性が強固であり、高い抗菌性能を付与することのできる機能性コーティング剤、及びそれを疎水性物質を表面に有する基材に被覆した機能性複合材並びにその製造方法を提供することにある。
【解決手段】
本発明では、上記課題を解決すべく、
(a)抗菌金属担持粒子と、(b)疎水性樹脂エマルジョンと、(c)水とを少なくとも含んだ機能性コーティング剤であって、
(a)成分の平均粒径は、(b)成分中に分散した粒子の平均粒径よりも小さいことを特徴とする機能性コーティング剤を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、機能性コーティング材、及び機能性複合材並びにその製造方法に関する。
樹脂に抗菌剤を含有した抗菌性塗料にあっては、長期間使用すると抗菌剤の脱落等や溶出等で抗菌性能が低下しやすい欠点がある。
長期抗菌性能を得るため、無機系樹脂を用い200℃以下で焼き付けて塗膜表面の耐久性を付与した抗菌性無機塗料について開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された抗菌性無機塗料では、樹脂中に抗菌剤が均一に分散している塗膜が形成される。配合した大半の抗菌剤は樹脂中に埋没してしまい、実際に抗菌性能を発揮している抗菌剤は表面近傍のわずかな抗菌剤のみであるという状態になっていると考えられる。
特開平8−67835号
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、作業環境、周辺への影響、臭いなどの観点から問題がなく、プラスチックや塗装鋼板などの疎水性物質を表面に有する基材に被膜を形成した場合に、基材と被膜との密着性が強固であり、かつ高い抗菌性能を付与することのできる機能性コーティング剤を提供することにある。また、この機能性コーティング剤を疎水性物質を表面に有する基材に被覆した機能性複合材並びにその製造方法を提供することにある。
本発明では、上記課題を解決すべく、
(a)抗菌金属担持粒子と、
(b)疎水性樹脂粒子と、
(c)水と
を少なくとも含んだ機能性コーティング剤であって、
(a)成分の平均粒径は、(b)成分の平均粒径よりも小さいことを特徴とする機能性コーティング剤を提供する。
同様に本発明では、上記課題を解決すべく、
(a)抗菌金属粒子と、
(b)疎水性樹脂粒子と、
(c)水と
を少なくとも含んだ機能性コーティング剤であって、
(a)成分の平均粒径は、(b)成分の平均粒径よりも小さいことを特徴とする機能性コーティング剤を提供する。
このような構成にすることで、作業環境、周辺への影響、臭いなどの観点から問題がなく、プラスチックや塗装鋼板などの疎水性物質を表面に有する基材に塗布可能であり、疎水性物質を表面に有する基材に被膜を形成した場合に、基材と被膜との密着性が強固であり、高い抗菌性能を有した機能性コーティング剤を提供できる。また、この機能性コーティング剤を疎水性物質を表面に有する基材に被覆した機能性複合材並びにその製造方法を提供できる。
上記機能性コーティング剤を、基材に塗布すると、粒径の小さな抗菌金属担持粒子、抗菌金属が表面側に移動する。それによって、塗膜表面近傍の抗菌金属担持粒子、抗菌金属の濃度は増加し、単純に均一混合された塗膜と比較し、高い抗菌力を発揮することができる。抗菌金属担持粒子、抗菌金属が表面側に移動すると同時に、粒径の大きな疎水性樹脂粒子が基材側に移動し、特に疎水性物質を表面に有する基材との密着性が増すのである。
本発明の好ましい態様においては、前記抗菌金属担持粒子、抗菌金属の平均粒径は100nm以下であり、前記疎水性樹脂粒子の平均粒径は140nm以上であるようにする。
抗菌金属担持粒子、抗菌金属の平均粒径が100nm以下、より好ましくは50nm以下、であり、かつ疎水性樹脂粒子の平均粒径が140nm以上であると、抗菌金属担持粒子、抗菌金属と疎水性樹脂粒子との粒子径差のために、粒径の小さな抗菌金属担持粒子、抗菌金属粒子の表面側への移動及び粒径の大きな疎水性樹脂エマルジョン中に分散した粒子の基材側への移動が生じ易くなる。それによって、高い抗菌機能を享受することが可能であり、疎水性物質を表面に有する基材との密着性が増す。
本発明の好ましい態様においては、固形分中における、前記抗菌金属担持粒子、抗菌金属の配合割合は0.01〜50重量%より好ましくは0.01〜10重量%、前記疎水性樹脂粒子の配合割合は5〜98重量%であり、前記水の配合割合が固形分100重量部に対して10〜500重量部、より好ましくは10〜250重量部であるようにする。
抗菌金属担持粒子、抗菌金属の配合割合を0.01重量%とすることで高い抗菌性を発揮することができる。抗菌金属担持粒子、抗菌金属の配合割合が50重量%以下で塗膜中に抗菌金属担持粒子、抗菌金属が脱落することなく保持される。
疎水性樹脂粒子の配合割合を5重量%以上、より好ましくは10重量%以上とすることで、疎水性物質を表面に有する基材との密着性が増す。
前記水の配合割合を10〜500重量部、より好ましくは10〜250重量部とすることで、膜厚1μm〜1mmの塗料として適当な膜厚で塗膜が形成可能となる。
本発明の好ましい態様においては、前記疎水性樹脂粒子は、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコン樹脂、アクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種からなるようにする。
上記の樹脂を用いることで、疎水性物質を表面に有する基材との密着性が良好になる。
本発明によれば、作業環境、周辺への影響、臭いなどの観点から問題がなく、プラスチックや塗装鋼板などの疎水性物質を表面に有する基材に被膜を形成した場合に、基材と被膜との密着性が強固であり、高い抗菌性能を有した機能性コーティング剤、及びそれを疎水性物質を表面に有する基材に被覆した機能性複合材並びにその製造方法を得ることができる。
以下に本発明の好ましい形態を説明する。
まず、以下に本発明で用いる語について説明する。
本発明において「抗菌金属」には、例えば銀、銅、亜鉛、ニッケル、パラジウム、白金、金、カドミウム、水銀、コバルト、ロジウム等が利用できる。特に銀、銅が抗菌性が高く好ましく利用できる。
「担持粒子」の担持体としてはセラミックス、金属等の無機系担持体のほか有機樹脂系担持体も利用することができる。セラミックス担持体の例としては金属酸化物(酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ホウ素、酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化ゲルマニウム、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化銅、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マンガン、酸化ロジウム、酸化ニッケル、酸化レニウム、チタン酸ストロンチウム)、金属炭化物(炭化アルミニウム、炭化ベリリュウム、炭化ケイ素、炭化チタン)、金属窒化物(窒化アルミニウム、窒化ケイ素)、硫酸塩(硫酸バリウム)、炭酸塩(炭酸バリウム)のほか、これらの複合化合物も利用できる。金属担持体の例としては銀、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、鉄、ステンレス、タングステン、モリブデン、ロジウム、チタン等が利用可能である。市場で入手しやすいものとしてはアパタイトやゼオライトに銀などを担持させたものがある。
粒子形状としては略球状、平板状、繊維状、無定型のいずれでもよい。多孔質でも緻密質でもよいが、一般に多孔質の方が担持量を多くできるため好ましい。担持体への担持方法としては、金属塩水溶液への含浸吸着、電解めっき、無電解めっき、光触媒粒子を用いた光還元めっき、溶融めっき、PVD(真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング)、CVD、溶射等が使用できる。
光触媒粒子には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化ゲルマニウム、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化銅、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マンガン、酸化ロジウム、酸化ニッケル、酸化レニウム、チタン酸ストロンチウム等の粒子が利用できる。
「疎水性樹脂粒子」としては、例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル、酢酸ビニルアクリル、アクリルウレタン、エポキシ、塩化ビニル酢酸ビニル、塩化ビニリデン、SBRラテックス等の粒子が利用できる。本発明の機能性コーティング剤に用いるには、エマルジョンの形態のものを用いるのが便利である。
フッ素樹脂エマルジョンとしては、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー、パーフルオロシクロポリマー、ビニルエーテル−フルオロオレフィンコポリマー、ビニルエステル−フルオロオレフィンコポリマー、テトラフルオロエチレン−ビニルエーテルコポリマー、クロロトリフルオロエチレン−ビニルエーテルコポリマー、テトラフルオロエチレンウレタン架橋体、テトラフルオロエチレンエポキシ架橋体、テトラフルオロエチレンアクリル架橋体、テトラフルオロエチレンメラミン架橋体等フルオロ基を含有するポリマーのエマルジョンが好適に利用できる。
また、シリコーン樹脂エマルジョンとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロシラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリクロシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリクロシラン、n−ヘキシルトリブロムシラン、n−ヘキシルトリイソプロポキシシラン、n−ヘキシルトリt−ブトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリクロシラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン、n−オクタトリメトキシシラン、n−オクタトリエトキシシラン、n−オクタトリクロシラン、n−オクタトリブロムシラン、n−オクタトリイソプロポキシシラン、n−オクタトリt−ブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリクロシラン、フェニルトリブロムシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリt−ブトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシラン、トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリジブロムシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノメタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−メチルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メチルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メチルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メチルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メチルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メチルカプトプロピルトリt−ブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランの加水分解、脱水縮重合物などのエマルジョンが好適に利用できる。
また、アクリル樹脂エマルジョンとしては、ビニル系単量体としてアルキル(メタ)アクリレート類を主成分とするポリマーのエマルジョンを使用できる。さらに、ビニル系単量体としてクロトン酸アルキル類、不飽和二塩基酸ジアルキル類、モノカルボン酸ビニルエステル類もしくは芳香族ビニル系単量体類の如き、各種の非官能性の単量体類、3級アミノ基、酸基、中和された酸基、アミド基、シアノ基、水酸基、エポキシ基、加水分解性シリル基のような官能基を有する各種のビニル系単量体、さらに1分子あたり2個以上の重合性二重結合を有する多官能のビニル系単量体類を使用することができる。
更に、上記アクリル樹脂に架橋剤を加えた、架橋性タイプのもの、自己架橋タイプのもの、非架橋性タイプのもの等の各種乾燥(硬化)タイプのもの、一つのエマルジョン粒子中にシェル部と芯部からなるコアシェルタイプのもの、多段乳化重合法によりエマルジョン芯部より殻部へ段階的にモノマー組成を変えたタイプを利用することができる。
抗菌金属担持粒子、抗菌金属粒子並びに疎水性樹脂粒子の平均粒径は、動的散乱法を用い(例えば、MALVERN社のZETASIZER 3000Sを使用)、光子相関分光法(PCS)により測定した体積平均粒子径である。
本発明のコーティング剤は、例えば、水分散性の抗菌金属担持粒子、抗菌粒子のゾルに、疎水性樹脂粒子を含むエマルジョンを添加し、さらに必要に応じて水で希釈することにより得ることが可能である。
また、本発明のコーティング剤は、疎水性物質を表面に有する基材表面に被覆し、硬化せしめることで、高い抗菌性を有する塗膜を形成することが可能であり、長期に亘って抗菌性が維持される機能性複合材を得ることができる。ここで、硬化は常温で行うのが、現場施工等には有利である。
本発明のコーティング剤を適用可能な基材は、コンクリートなどの無機材料、樹脂などの有機材料のいずれでもよい。「疎水性物質を表面に有する基材」としては、プラスチック、有機物の繊維、有機物の布帛、塗装鋼板等の塗装体等が挙げられる。また、無機材料の上にプライマー塗料を塗布したものを基材としてもよい。
光触媒還元めっきをした抗菌金属担持粒子には、さらに、Pt、Pd、Ru、Rh、Ir、Osのような白金族金属を添加することができる。このような金属が添加された表面層は、光触媒の酸化還元活性を増強でき、抗菌性の他に、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解性を向上させることができる。
本発明のコーティング剤には、さらに、疎水性樹脂エマルジョンの基材への造膜性を向上させるための造膜助剤を使用してもよい。造膜助剤は、大部分の水分が気化した後も塗膜中に残存し、エマルジョン粒子どうしの融合を促進させる機能をもつものである。具体的には、沸点が100℃以上の有機化合物が挙げられる。以下に具体例を示す。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、等のエチレン系グリコールエーテル類;
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、等のプロピレン系グリコールエーテル類;
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、n−ペンシルプロピオネ−ト(n-PENTYL PROPIONATE)、フタル酸ジブチル等のエステル類などが挙げられる。
そのうち、エステル類の一種である2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートは、フッ素樹脂エマルジョンへの浸透能力が高いこと、最低造膜温度(MFT)の低下効果が高いことから、その使用は好ましい。逆にエチレン系グリコールエーテル類は人体への毒性が強いので、その使用は好ましくない。
本発明のコーティング剤には、さらに、着色料を添加してもよい。着色料としては無機顔料、有機顔料、染料などから少なくとも1つを選ぶことができる。特に抗菌金属の担持体に光触媒粒子を用いるときは、光触媒の分解作用を受けにくい無機顔料の使用が好ましい。
無機顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、ベンガラ、酸化クロム、コバルトブルー、鉄黒などの金属酸化物系、アルミナホワイト、黄色酸化鉄などの金属水酸化物系、紺青などのフェロシアン化合物系、黄鉛、ジンクロメート、モリブデンレッドなどのクロム酸鉛系、硫化亜鉛、朱、カドミウムイエロー、カドミウムレッドなどの硫化物、セレン化合物、バライト、沈降性硫酸バリウムなどの硫酸塩系、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウムなどの炭酸塩系、含水珪酸塩、クレイ、群青などの珪酸塩系、カーボンブラックなどの炭素系、アルミニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛粉などの金属粉系、雲母・酸化チタン系などのパール顔料系などが挙げられる。
有機顔料としては、ナフトールグリーンBなどのニトロソ系顔料、ナフトールSなどのニトロ顔料系、リソールレッド、レーキレッドC、ファストエロー、ナフロールレッドなどのアゾ顔料系、アルカリブルーレッド、ローダミンキレート、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレッド、イソインドリノンエローなどの縮合多環顔料系などが挙げられる。
染料としては、分散染料、塩基性染料、直接染料、酸性染料が挙げられる。
(塗料組成物の調整)
使用した抗菌金属担持粒子、疎水性樹脂粒子を含むエマルジョン、顔料の固形分濃度、平均粒子径を表1に示す。
Figure 2005120212
表2に記載の条件に従って、酸化チタン分散液に硝酸銀を溶解し、紫外線照射を行なって酸化チタン表面に銀の光還元めっきを行った。
Figure 2005120212
(実施例1)
コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックスS)40重量部、アクリルエマルジョン(大日本インキ工業株式会社製、商品名VF−1040、平均粒子径 150nm)25重量部、着色顔料(大日精化工業株式会社製、商品名MFカラーMF5765)19重量部、体質顔料(日本タルク株式会社、商品名 P−3)6重量部、銀担持酸化チタンゾル1.6重量部の塗料組成物を調整した。このときの水分量は固形分の合計100重量部に対して109重量部であった。
(実施例2)
コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックスS)32.9重量部、アクリルエマルジョン(大日本インキ工業株式会社製、商品名VF−1040、平均粒子径 150nm)23.2重量部、着色顔料(大日精化工業株式会社製、商品名MFカラーMF5765)19.6重量部、体質顔料(日本タルク株式会社、商品名 P−3)10.6重量部、体質顔料(大塚化学株式会社製、商品名 MTW−500)4.1重量部、銀担持酸化チタンゾル0.4重量部の塗料組成物を調整した。このときの水分量は固形分の合計100重量部に対して127重量部であった。
(基材への塗布方法)50mm×50mmに裁断したポリカーボネイト板(JIS Aに準拠したもの)に微弾性下塗り剤(ジャパンハイドロテクトコーティングス、商品名RP11)をローラー塗布し、室温で24時間乾燥させた。
続いて、前記で調製した実施例1,2の塗料組成物をローラー塗りした。最後に、上記被塗装物を室温で7日間乾燥させて試験片1、2を得た。
試験片1 :実施例1の塗料を塗布
試験片2 :実施例2の塗料を塗布
評価方法は以下の通りである。
クラックの有無:光学顕微鏡(キーエンス製VF−7500)を用いて試験片表面を観察してクラックの有無を確認した。
密着性:JIS K5600に基づく碁盤目試験法を行った。すなわち、作製した試験片の塗膜の上からカッターで2mm幅の碁盤目の切込みを入れた。大きさは1cm角にし、碁盤目の数を25個とした。その後その碁盤目を完全に覆うようにセロハンテープを貼り付けた。その後、すばやく引き剥がして付着して残っている碁盤目の数を数えた。
耐アルカリ性:水酸化カルシウム飽和水溶液に室温で7日間浸漬し、取り出した後蒸留水にて洗浄し、十分乾燥させた後、目視外観にて評価を行なった。
耐湿試験:JIS K5600に基づく耐湿試験を行った。すなわち、作成した試験片を50℃、95±5%の恒温恒湿槽に24時間放置、乾燥させた後、目視外観にて評価を行なった。
抗菌性:JIS Z 2801記載の抗菌性試験方法に従い、菌種に大腸菌を用いて各試験片の抗菌性能の評価を行なった。抗菌性の指標として抗菌活性Rを用いた。抗菌活性Rは試験体に接種した初期菌数の桁数が幾ら減じたかを示す数値で、数値が大きいほど抗菌活性が大きいことを表す。参考までにJIS Z 2801ではRが2を超えることを規格値としている。
評価結果を表3にまとめる。
Figure 2005120212
実施例1、2においては、抗菌活性Rがいずれも5以上となっており、JIS Z 2801の規格値と比較くしても極めて高い抗菌性能を保持していることが確認された。これらは密着性、耐アルカリ性も備えており、基材と被膜との密着性が強固であることを確認した。

Claims (10)

  1. (a)抗菌金属担持粒子と、
    (b)疎水性樹脂粒子と、
    (c)水と
    を少なくとも含んだ機能性コーティング剤であって、
    (a)成分の平均粒径は、(b)成分の平均粒径よりも小さいことを特徴とする機能性コーティング剤。
  2. (a)抗菌金属粒子と、
    (b)疎水性樹脂粒子と、
    (c)水と
    を少なくとも含んだ機能性コーティング剤であって、
    (a)成分の平均粒径は、(b)成分の平均粒径よりも小さいことを特徴とする機能性コーティング剤。
  3. (a)成分の平均粒径は100nm以下、(b)成分の平均粒径は140nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の機能性コーティング剤。
  4. (a)成分の平均粒径は100nm以下、(b)成分の平均粒径は140nm以上であることを特徴とする請求項2に記載の機能性コーティング剤。
  5. 固形分中の(a)成分の配合割合が0.01〜50重量%(b)成分の配合割合が50〜99.99重量%であり、(c)成分の配合割合が固形分100重量部に対して10〜500重量部であることを特徴とする請求項1または3に記載の機能性コーティング剤。
  6. 固形分中の(a)成分の配合割合が0.01〜50重量%(b)成分の配合割合が50〜99.99重量%であり、(c)成分の配合割合が固形分100重量部に対して10〜500重量部であることを特徴とする請求項2または4に記載の機能性コーティング剤。
  7. (b)成分は、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリル樹脂から選ばれる少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1乃至6に記載の機能性コーティング剤。
  8. 請求項1乃至7に記載の機能性コーティング剤を疎水性物質を表面に有する基材表面に被覆して皮膜を形成する工程と、前記皮膜を硬化させる工程を備えたことを特徴とする機能性複合材の製造方法。
  9. 前記硬化させる工程は常温で行われることを特徴とする請求項8に記載の機能性複合材の製造方法。
  10. 請求項8または9に記載の機能性複合材の製造方法によって得られることを特徴とする機能性複合材。
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