JP2005118993A - 切削工具及びその製作方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】連結部品及びドリルシャンクのような、切削工具に含まれている二つの部品間の溶接継手の達成方法、及び切削工具を提供する。
【解決手段】シム14が部品1、8間の外周囲に開口しているギャップに使用されていて、シムは、ギャップと一致している所定の形状であって、材料は、シムの外周囲に向けられたレーザビーム22により、二つの部品各々とシムとの間の接触面間の境界区域において溶融され一体に溶接されている。
【選択図】図5
【解決手段】シム14が部品1、8間の外周囲に開口しているギャップに使用されていて、シムは、ギャップと一致している所定の形状であって、材料は、シムの外周囲に向けられたレーザビーム22により、二つの部品各々とシムとの間の接触面間の境界区域において溶融され一体に溶接されている。
【選択図】図5
Description
本発明は、切りくず除去機械加工用工具の製造方法に関するものであって、該工具が、インターフェースにより永久的に結合された二つの金属部品を有している。
さらに本発明は、切りくず除去機械加工のための工具に関するものであって;金属製の連結部品と、インターフェースを介して該連結部品と永久的に結合された、金属製の第二部品とを具備している。
さらに本発明は、切りくず除去機械加工のための工具に関するものであって;金属製の連結部品と、インターフェースを介して該連結部品と永久的に結合された、金属製の第二部品とを具備している。
前述の種類の工具は切削機械加工分野における三つの主分野、即ち穴あけ、フライス削り及び旋削すべてにおいて見られるものである。第二分野において、工具が回転されていて、固定した工作物及び可動している工作物の機械加工に使用される。一方旋削用工具は固定されていて、回転している工作物を機械加工するようになっている。本発明のベースは、回転式切削工具、特にドリルにおいて観察されてきた問題である。しかしながら、以下に説明する解決方法は旋削工具への適用を除外するものではない。
種々の理由により、ドリルは、複雑なタイプの連結部品と差込み式のワーキング部品とのアセンブリで作られていて、その連結部品は、ある種のタイプの機械加工用工具あるいは工具ホルダと両立するものであって、工具ホルダの形状に一致する形状となっていて、そのワーキング部品は、切りくず用溝及び冷却媒体用チャンネルを形成されたシャンクの形状であって、シャンクの自由端部には切削用インサートいわゆるルーズな先端が取りはずし可能に取りつけられている。シャンク及び連結部品は、シャンクの後方端面と連結部品の前方端面との間のインターフェースを介して、お互いに永久的に結合されている。シャンクと連結部品との間における単一の永久継手である圧力ばめを有している雄−雌継手が、例外なく使用されてきた。より詳しくは、シャンクがその後方端部に差込み栓形状の雄部材を形成されていて、その差込み栓は、連結部品の前方端部に形成された座の中に、座が連結部品を加熱することにより広げられるのと同時に押し込まれていて、続いて座は冷却により収縮される。連結部品とシャンクとの間で十分な安全余裕をもって必要なトルクを伝達するために、雄形の差込み栓と座とは、お互いの間に十分広い接触面を確立するべく、軸方向に著しく長い延伸部を備えなければならない。従って、ほとんどの場合、雄形差込み栓の軸方向長さは、ドリルシャンクの直径の少なくとも1.5倍としなければならなかった。雄形差込み栓が著しく長くなるという事実は、全長が著しく長いドリル工具をもたらし;実際上多くの欠点となることを意味している。合わせて、大きな静荷重、製造における多くの材料の無駄並びに保管及び輸送に関連して余分のスペースの必要性があって、さらに著しく長いドリル工具は振動を発生する傾向にある。というのは振動現象は長くて細いものにおいて発生しやすいからである。
前述の背景において、ドリル工具全長を最大限短縮することに関して、トルク伝達性能を維持しつつ、雄−雌継手における差込み栓及び座それぞれを短縮する方法が検討されてきた。これに関連して、雄−雌継手に加えて、シャンクと連結部品との間における溶接継手を備なえることの可能性が考りょされてきた。従って、従来の溶接法を用いてコンポーネントを一体に溶接するために多くの実験が行なわれ、その溶接法は熱の供給と同時に材料の供給を行なうものであった。しかしながら、MIG溶接及びTIG溶接を用いた試験は、コンポーネント間のインターフェースにおける水素ぜい化、及び劣悪で許容出来ない精度という結果をもたらし、従って、連結部品に対する切削インサートの正確な位置決めが不可能となった。
レーザ溶接により一体に溶接できる一般的な金属製部品は、例えば特許文献1−5において公知なものである。しかしながら、上記特許文献のいずれにも、そのシムは所定の一定不変の形状である、独立した金属製シムを外周囲で開口しているギャップに係合し、続いて迅速に可動なレーザビームを用いて外側に露出された外周囲を溶接するという溶接方法は説明されていない。
独国特許第2344549号明細書
米国特許第543014号明細書
仏国特許第2656556号明細書
欧州特許第0491959号明細書
特開昭58−090389号公報
本発明は、ドリル及びフライスのような公知の回転式タイプの切削工具における前述の欠点を克服することを、改善した切削工具及び改善した切削工具の製造方法を提供することと、を目的としている。従って本発明の主目的は、切削工具に含まれている二つの金属製部品特に鋼製部品を、溶接作業に不可避な熱放散が、二つの部品をお互いに対する正確な所定設定位置から移動させるタイプの変形あるいは材料の変化のいずれをももたらさないような高精度で一体に溶接するための条件を考案することである。さらなる目的は、二つの部品間で力を伝達するために、工具における溶接継手の位置によって、溶接継手の能力に関して最適に使用出来る溶接継手の実現を可能にすることである。他の目的は、ドリル及びフライスのような回転式切削工具に関するものであって、最小長さであり、かつ同時に強度及び剛性が維持あるいは改善されていて、機械加工時における工具が改善された機械加工精度を与える工具を提供することである。
本発明において、少なくとも主目的は独立請求項1に規定された方法により達成されている。方法を実施する利点的な方法が従属項2−5に規定されている。
本発明において、少なくとも主目的は独立請求項1に規定された方法により達成されている。方法を実施する利点的な方法が従属項2−5に規定されている。
本発明は、本発明における製造方法を適用した改善された切削工具にも関するものである。本発明による新規な工具の特徴は、独立請求項6の特徴を記載した項に規定されている。本発明による工具の実施形態は従属請求項7−12に規定されている。
本発明は、一体に溶接される二つの工具部品間のギャップにシムを用いる考案にもとずいていて、そのシムは、ギャップの形状と一致している所定のほぼ一定不変の形状であって、そのシムが少なくとも一つのレーザビームによりシムの外周囲に沿って冷却状態で溶接されており、そのレーザビームはシムに沿って相当の速度で移動されていて、シム及び工具部品の周囲に対して運動中のレーザビームが、シム及び工具部品における材料それぞれを非常に局所的にほぼ点状の区域内で溶融しており、そのサイズは、ビームの直径(スポットサイズ)で決定されている。
このような方法により、溶接及び熱放散は、点状区域で非常に局所的に行なわれ、その点状区域はシムに沿って迅速に移動されており;熱変形、熱ぜい化等が、シムと工具部品との間のインターフェースあるいは接触面において発生しないことが保証されている。従って本発明のベースとなる実験中に、溶接終了直後の工具は非常に冷たいものであって溶接部を手で容易に触れることが可能であることが判明した。回転式切削工具を用いることにより、本発明は、工具長さを短縮する目的に使用することができ、同時に二つの構成部品、例えば連結部品とドリルシャンクとの間のインターフェースにおける力あるいはトルクの伝達能力に関連する工具の強度が維持されるだけでなく改善することさえできるようになった。
前述したように、本発明のベースとなっている主な問題は、主に回転式切削工具に関連するものであって、一例のタイプは図1−5に図示するドリルである。ドリルは、連結部品1と、インターフェースを介して連結部品と永久的に結合されているシャンク2の形状の第二部品とを含んでいる。図1において、インターフェースは、符号3で図示されている。シャンク2は、細長い円柱状の基本形状であって、その前方自由端部には、取りはずし可能で取替え可能な切削インサート4のための座、いわゆるインサートポケットが形成されている。シャンクの包絡面には、みぞ5が切りくず排出用に形成されていて、その切りくずは切削インサート4により分離されている。シャンク内部には、冷却液体チャンネル6があって、そのチャンネル6はシャンク先端に開口していて切削インサート4を冷却するようになっている。後方端部において、シャンクは連続的に厚くなっている遷移部分7によりカラー8に移行していて、カラーの包絡面は円筒状である。このカラーから後方に向かって雄部材9が、差し込み栓形状で延伸していて、その栓は円筒状包絡面を有している。雄部材は、共通的に差し込み栓と呼ばれるけれど、内部キャビテーを含んでいて、連結部品を介して供給される液体が、キャビテー内に受け入れられ、冷却液体チャンネル6へ前方に向かって流出してゆく。
連結部品12の前方部分10が、円筒形状であって、かつ雌形内部座11を含んでいて、その座11は、雄形差込み栓9の外径とほぼ等しい内径を有する円筒面で境界となっている。後方において円筒状部分すなわちスリーブ10が連結ピース12に移行していて、連結ピース12の形状より詳しくは断面形状は、ドリルが固定される工具ホルダの形状に合うようになっている。この種の連結ピースは、市場においてCOROMANT CAPTO(登録商標)として公知なものである。しかしながらユーザーの機械設備に応じて、多数の他のタイプの連結ピースが見られる。連結部品2は全体が中空であり、従って冷却液体は前方開口13を介して工具ホルダから供給することができる。
前述の差込み栓9及び座11は共に雄−雌継手を形成していて、その継手は、従来の方法である圧力ばめ及び/又は収縮ばめによりシャンクを連結部品と結合している。継手は、連結部品を加熱することにより行なわれ、続いて継手は、差し込み栓9を座11に押し込んだ後に、冷却され従って座は収縮する。個々のドリルに対して規定された、連結部品とシャンクとの間のトルクの伝達を、一定の安全余裕をもって可能にするために、雄形差し込み栓9及び座11は、十分に大きな力を伝達する接触面を提供するべく、事前に十分に長くすなわち軸方向に延伸されている。実際、雄形差し込み栓9はドリル径の少なくとも1.5倍の長さとなっている。
さらに、連結部品とシャンクとは通常鋼で作られている。従って、タイプSS142225鋼がシャンク2に使用されていて、それは溶接性のすぐれた低合金熱処理鋼であって、Si,Mn,S,Cr及びMoのような合金鋼に加えて0.22−0.29%の炭素(C)を含んでいる。しかしながら連結部品1にはタイプTHG 2000鋼が使用されていて、特にドリル及び研削ボデー用に開発されたクローム−モリブデン−バナジウム−合金鋼であって、炭素含有率は0.35−0.42%の範囲である。MIG溶接又はTIG溶接のような従来の溶接法でそのような鋼製の二つのドリル部品1,2を溶接する実験は失敗した。
図1−3に示めすドリルが説明されてきたことに関しては、従来技術においての基本的なことである。
本発明による新しくて特徴のある工具は、シャンクと連結部品とが、お互いに雄−雌継手9,11に加えて溶接継手により結合されているものであって、その溶接継手は、リング状の事前成形されたシム14を用いたレーザ溶接により提供されたものである。図3−5に図示するように、スペースリング14はシャンク2のカラー8に隣接して形成された肩15に係合していて、その肩は、平面端部表面16と円筒状包絡面17とにより境界となっており、一方でカラー8の外径より小さく、他方で円筒状差込み栓9の外径より大きい直径となっている。シャンクと連結部品との組立時に、肩15の平坦な端面16が連結部品1における同様に平面の前方端部あるいは接触表面18に対して押しつけられる。肩15の外側に、カラー8が、リング状の平坦な接触面19を有していて、その接触表面19は、端面16及び18と同様にドリルの幾何学的中心軸Cに直交して延在している。従って、二つの工具部品が一体に取りつけられる場合、図4において符号20で付番されたリング状の円周ギャップが、端面19と18との間に形成される。
スペースリング14は、平坦な基本形状であって、二つの円筒状内表面と外表面とに加えて、お互いに平行な二つの対向している平坦面により境界となっている。肩15の外径はリング14の内径とほぼ等しくて、同時にリングの外径はカラー8の外径とほぼ一致している。すなわち、スペースリングの形状はギャップ20の形状と一致している。実際上、スペースリングは0.5−1.0mm例えば0.7mmの厚さ(=リングの対向している平坦面間の距離)でなければならない。これに関連して、リングの厚さはギャップ(=接触面18と19との間の距離)の幅と厳密に等しい必要性はない。従ってリングの厚さは、ギャップの幅と比較して数百mm小さくてもよい。この方法により、スペースリングは、雄−雌継手9,11の結合の際に、いずれの変形圧縮力も受けない。
スペースリングの材料として一般に鋼を使用してもよい。本発明における実験において、ステンレス鋼タイプのオーステナイト鋼、すなわち適切な量のクロミウム及びニッケルを混ぜた鋼が、特に本目的に適切なものであることが判明した。
本発明による切削工具の製造
ドリルのシャンクと連結部品とをお互いに結合する場合、第一段階として、リング14が雄形差込み栓9の外側に係合され、その後雄形差込み栓は、座11が連結部品の加熱により広がっている状態で、座11の中に押し込まれる。これが従来形のコンポーネント間の第一永久継手を提供している。次の段階において、第二永久継手が提供される。すなわち、連結部品とシャンクとの間の溶接継手であって、より詳細には図5及び6に概略的に図示されている。溶接は、概略的に図示されているレーザ溶接機21により行なわれていて、そのレーザ溶接機は、可変の直径あるいはスポットサイズのレーザビーム22を放射している。空気中の酸素による酸化を回避するために、溶接は保護ガス23雰囲気で行なわれる。溶接中に、レーザビーム及びドリル工具はお互いに対して可動となっている。実際上、その運動は、レーザ溶接機21が静止していて、工具が適切なホルダ(図示されていない)の中で回転することにより実現されている。溶接は二操作で行なわれていて、第一操作が図5に図示されている。本図において、レーザビーム22は、半径方向の接触平面に半径方向に向けられていて、その半径方向の接触面は、リング14の一面(底面)と、連結部品1におけるリング状の平坦な接触面18との間である。実際上、レーザビーム22は0.3mmの直径であって、ビームの幾何学的中心軸が、中心軸Cと直交している半径方向の平面にあって、その平坦面はリング14と連結部品1との間接触面と同一のものである。
ドリルのシャンクと連結部品とをお互いに結合する場合、第一段階として、リング14が雄形差込み栓9の外側に係合され、その後雄形差込み栓は、座11が連結部品の加熱により広がっている状態で、座11の中に押し込まれる。これが従来形のコンポーネント間の第一永久継手を提供している。次の段階において、第二永久継手が提供される。すなわち、連結部品とシャンクとの間の溶接継手であって、より詳細には図5及び6に概略的に図示されている。溶接は、概略的に図示されているレーザ溶接機21により行なわれていて、そのレーザ溶接機は、可変の直径あるいはスポットサイズのレーザビーム22を放射している。空気中の酸素による酸化を回避するために、溶接は保護ガス23雰囲気で行なわれる。溶接中に、レーザビーム及びドリル工具はお互いに対して可動となっている。実際上、その運動は、レーザ溶接機21が静止していて、工具が適切なホルダ(図示されていない)の中で回転することにより実現されている。溶接は二操作で行なわれていて、第一操作が図5に図示されている。本図において、レーザビーム22は、半径方向の接触平面に半径方向に向けられていて、その半径方向の接触面は、リング14の一面(底面)と、連結部品1におけるリング状の平坦な接触面18との間である。実際上、レーザビーム22は0.3mmの直径であって、ビームの幾何学的中心軸が、中心軸Cと直交している半径方向の平面にあって、その平坦面はリング14と連結部品1との間接触面と同一のものである。
レーザビームがリングの外周囲に沿った任意の点に向けられた後に、工具が少なくとも100mm/sの外周囲速度でより正確に回転される。レーザビームがリングと連結部品との間の接触面に当たり貫通すると、材料がビーム領域で局所的に溶融し一体に溶接される。熱放散はビーム直近で非常に強烈であるけれども、ビームは比較的高速度でリングの外周囲に沿って移動するので、全熱放散は最小に制限され、従ってシャンクと連結部品の間のインターフェースにおけるいずれの変形あるいは材料の移行も発生しない。工具が一回転(360°)し終ると、放射は中断される。そして、連結部品1へのスペースリング14の溶接が完了される。
次の操作において、リング14がさらにシャンクに対しても溶接される。図6に図示するように、レーザビーム及び工具が、お互いに対して軸方向に移動され、従ってレーザビームは、リングとシャンクのカラー8との間の接触面と同一な半径方向平面に位置決めされる。この後、同様に溶接が行なわれる。即ち、工具は、ビームが外周囲における継目なし溶接ビードにおいて材料を一体に溶融するために、一回転されており、継目無し溶接ビードの形成する面は中心軸Cに対し直交している。
一例として、レーザビームに対する外周囲速度が112mm/sで回転される39mmドリルの溶接は、0.7秒で行なうことができる。溶接完了直後に溶接部はほぼ室温になる。
図5及び6の左側に第二のレーザ溶接機21′が点線で図示されている。本溶接機は溶接機21と正反対に対向して設置されている。この場合、外周囲のリング状溶接は、工具を半回転することで行なうことができる。即ち半分の時間で行なわれる。
図7−10において、固定式切削工具、即ち分断加工あるいは溝穴加工用の旋削工具が図示されている。この場合連結部品1′に永久的に接続される第二部品がプレート2′から構成されていて、そのプレート2′にはセレーション表面24が形成されており、そのセレーション表面24は着脱式ホルダー部品25における同様のセレーション表面(見ることができない)と協働するべく配列されていて、そのホルダー部品25の中には、取り外し可能ないわゆるスロッタバイト26が含まれている。前述のドリルと同様に、セレーションプレート2′が、部品間での大きな力の伝達を可能にするように、かつ連結部品に対するセレーション表面の正確な位置決めを保証するように、連結部品あるいはアダプタ1′と結合されることが重要である(連結部品のカップリングピース12′に対するスロッタバイト26の正確な位置設定を達成する目的)。
この場合、プレート2′(図9参照)は、部分的に円形状で部分的に三角形状であるので、部分的に円筒形状端面27′と二つの平坦で真直ぐな端面27′と、後方端面28とにより境界となっていて、端面27は二つの端面27′へ移行し、端面27′はお互いに鋭角で延伸し終点が共通であって、端面28は、真直で平坦であり、かつ仮想三角形の底辺を形成している。プレート2′の背面には、雄部材9′が、円筒状差込み栓形状で形成されていて、対応する連結部品の円筒状座11′に圧力ばめで挿入できるようになっている。従って差込み栓9′及び座11′は、雄−雌継手を形成していて、前述の溶接継手が追加されている。この目的のために、シム14′が、プレート2′の内側と、連結部品における平坦な接触面18′との間に配置されていて、シムの外形形状は、シムがプレート2′の外形形状と一致するようになっている。シム14′に円筒状の穴があって、その内径はプレートの内部に形成された円筒状肩15′(図10参照)の外径と一致している。
差込み栓9′は、セレーションプレート2′に取りつけられ固定される際に、座11′の中へ挿入され、プレートの後方端面28が連結部品に形成された第二接触面18″に対し当接して設置され(非常に正確に合わせて)、その第二接触面28′は接触面18′に対し直交して延在している。必ずしも必要ではないが、差込み栓9′は加熱及び収縮により固定されてもよい。しかしながら、そのような固定法は、接触面18″に対する端面28の接触の結果として、プレートが連結部品に対して回転することを不可能にしがちである。図8に図示するように、差込み栓9′が挿入される場合、シム14′はプレートの内部に対して係合されているので、シムは接触面18′とプレート2′の内平面とに対して密接して接触されている。
この状態で、前述した方法でレーザ溶接が行なわれる。即ち二つの連続操作で、レーザビームが、軸方向に離間した二つの平面において、シムの外周囲に沿って移動される。この場合、各々の個々操作はさらに複数の段階に区分される。従って、第一段階において、レーザビームに対する連結部品の直線運動中に、ただ一つの溶接が直線端面27′に沿って溶接される。第二段階において、工具は、プレート2′の円筒状端面部分に沿って溶接するために回転される。続く第三段階において、第二端面27′に沿った直線溶接が、連結部品をレーザビームに対して直接的に再移動することにより行なわれる。
本発明の利点
本発明における方法の基本的な利点は、切削工具に含まれている二つの金属部品を、材料において必要とされる溶着又は融着プロセスを実行するために、最小合計熱放散において、強力で信頼性のおける溶接継手により一体に溶接出来ることである。このことは、部品のお互いに対する所定の位置決めが溶接操作により影響を受けずに、従って、例えば連結部品に対する挿入コンポーネントの正確な位置が確実な方法で維持できることを意味している。前述の溶接法が、ドリルタイプの回転工具又は研削カッタに使用される場合、工具を短縮する目的にも使用することができる。従って、図3に最もよく図示されているように、工具の雄−雌継手における雄部材の軸方向延伸長さをシャンクの直径の二分の一未満に短縮することができる。従って当ドリルにおいて、ドリルの全長を少なくともドリル径と同じ長さに短縮することができる。これと関連して、溶接がドリル及び研削カッタの最大径の領域に位置している外周囲に行なわれていることに注意すべきである。このことは、溶接継手の力伝達能力が最適なものとなっていることを意味している。
本発明における方法の基本的な利点は、切削工具に含まれている二つの金属部品を、材料において必要とされる溶着又は融着プロセスを実行するために、最小合計熱放散において、強力で信頼性のおける溶接継手により一体に溶接出来ることである。このことは、部品のお互いに対する所定の位置決めが溶接操作により影響を受けずに、従って、例えば連結部品に対する挿入コンポーネントの正確な位置が確実な方法で維持できることを意味している。前述の溶接法が、ドリルタイプの回転工具又は研削カッタに使用される場合、工具を短縮する目的にも使用することができる。従って、図3に最もよく図示されているように、工具の雄−雌継手における雄部材の軸方向延伸長さをシャンクの直径の二分の一未満に短縮することができる。従って当ドリルにおいて、ドリルの全長を少なくともドリル径と同じ長さに短縮することができる。これと関連して、溶接がドリル及び研削カッタの最大径の領域に位置している外周囲に行なわれていることに注意すべきである。このことは、溶接継手の力伝達能力が最適なものとなっていることを意味している。
本発明の実行可能な修正
本発明は前述の説明及び添付図に図示した実施形態に限定されるものではない。例えば、行なわれた溶接が必ずしもシムの外周囲全体あるいは外側に露出した端面に沿って連続的である必要はない。従って、溶接時に、溶接ビームを溶接機に対する工具の連続的な回転又は直線運動中に断続的に切換えることが実行可能となる。そのような方法で、外周囲で離間した、スポット又はパッチ状の複数の溶接点で構成された溶接継手が提供される。スペースリングは平面である必要はない。従って、スペースリングを例えば円錐状(例えばカップスプリングワッシャ)あるいは隙間が同様な形状となるように形成された包囲部品とすることが実行可能である。さらに、本発明における方法は、図面に例示されてきた部品というよりも、任意の切削工具における他の部品全体を一体に溶接することに使用できる。前述の実施形態において外面溶接を説明してきたけれども、内面溶接も実行可能である。
本発明は前述の説明及び添付図に図示した実施形態に限定されるものではない。例えば、行なわれた溶接が必ずしもシムの外周囲全体あるいは外側に露出した端面に沿って連続的である必要はない。従って、溶接時に、溶接ビームを溶接機に対する工具の連続的な回転又は直線運動中に断続的に切換えることが実行可能となる。そのような方法で、外周囲で離間した、スポット又はパッチ状の複数の溶接点で構成された溶接継手が提供される。スペースリングは平面である必要はない。従って、スペースリングを例えば円錐状(例えばカップスプリングワッシャ)あるいは隙間が同様な形状となるように形成された包囲部品とすることが実行可能である。さらに、本発明における方法は、図面に例示されてきた部品というよりも、任意の切削工具における他の部品全体を一体に溶接することに使用できる。前述の実施形態において外面溶接を説明してきたけれども、内面溶接も実行可能である。
1 連結部品
2 ドリルシャンク
3 インターフェース
5 みぞ
21 溶接機
22 レーザビーム
2 ドリルシャンク
3 インターフェース
5 みぞ
21 溶接機
22 レーザビーム
Claims (11)
- 切りくず除去式機械加工用工具の製造方法であって、該工具が、インターフェース(3)を介して永久的に結合された二つの金属製部品を有する製造方法において:
該二つの部品(1,2,2′)の少なくとも一つに、外周囲で開口しているギャップを形成する段階と;
金属製の独立したシム(14,14′)を該ギャップに係合する段階と;
該二つの部品(1,2,2′)に接触しているシムの露出した外周囲をレーザビーム(22)により溶接する段階と;
を含んでいることを特徴とする、製造方法。 - 該溶接する段階が少なくとも二つの溶接操作により行なわれていて;第一溶接操作において、該レーザビーム(22)は該シム(14)と該二つの部品の一方の部品(1)との間の第一接触面に向けて維持されていて;第二溶接操作において、該レーザビーム(22)は移動され、そして該シムと該二つの部品の第二部品(2,2′)との間の第二接触面に向けて維持されている;ことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
- 連続の継目無し溶接が個々の該溶接操作において提供されることを特徴とする、請求項2に記載の製造方法。
- 該個々の溶接操作が二つ以上の部分操作により行なわれていて、該部分操作において、該レーザビーム(22)と該シム(14,14′)との間の相対運動が異なっていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の製造方法。
- 該レーザービーム(22)と該シム(14,14′)との間の該相対運動が、少なくとも100mm/sの速度で行なわれることを特徴とする、請求項1−4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 切りくず除去機械加工用の工具であって;金属製の連結部品(1,1′)と、インターフェース(3)を介して該連結部品と永久的に結合された、金属製の第二部品(2,2′)とを具備する工具において:
外周囲で開口しているギャップ(20)が、該インターフェース(3)に隣接して該二つの部品の少なくとも一方に形成されていて、独立した金属製シム(14,14′)が該ギャップに係合されており、該シムは該ギャップの形状に対応する所定の形状であって、該シムは、外向きに露出された該シムの外周囲に沿って、該連結部品(1,1′)と該第二部品とに対してレーザ溶接されることを特徴とする;工具。 - 該二つの部品(1,1′;2,2′)の少なくとも一方が、炭素鋼で作られていることと;該シム(14,14′)がオーステナイト鋼で構成されていることと;を特徴とする、請求項6に記載の工具。
- 連結部品(1)に加えて、差込み式のワーキング部品(2)を備えているタイプの回転工具、例えばドリル形状であって;該ワーキング部品(2)は雄−雌継手を介して該連結部品と永久的に結合されていて、該雄−雌継手は、該ワーキング部品(2)に含まれかつ該連結部品(1)における雌形の座(11)に圧力ばめで挿入された雄部材(9)を有するタイプであり;
該シムがリング(14)の形状であって、該リング(14)は、該連結部品(1)及びワーキング部材(2)それぞれとの、お互いに対向している二つのリング状接触面(18,19)に対して溶接されていることを特徴としている;
請求項6又は7に記載の工具。 - 該接触面(18,19)が平坦であって、かつ該接触面(18,19)は該工具の幾何学的中心軸(C)と直交している半径方向面内に延在していることと;該リング(14)が平坦であって、かつ該リング(14)は該接触面(18,19)に対して溶接するための二つの平坦でお互いに平行な面を有していることと;を特徴とする、請求項8に記載の工具。
- 該スペースリング(14)用の該ギャップ(20)が、肩により形成されていて、該肩(15)は該雄部材(9)と共に該ワーキング部品(2)の該接触面(19)から後方に突出しており、そして該肩(15)の直径は該接触面(19)の外径より小さくて、かつ該雄部材(9)の直径より大きくて、該肩の厚さが該ギャップ(20)の幅を決定していることを特徴とする、請求項8又は9に記載の工具。
- 該雄−雌継手における圧力ばめを達成することに関連して、該スペースリングにおける圧力による応力のリスクを回避するために、該スペースリング(14)の該厚さは、該ギャップの該幅より僅かに小さくなっていることを特徴とする、請求項10に記載の工具。
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