JP2005117540A - 画像処理装置および画像処理方法、並びに、プログラム - Google Patents

画像処理装置および画像処理方法、並びに、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 統計量を用いて、精度のよいデモザイク処理を実行する。
【解決手段】 局所領域抽出部281は、モザイク画像から注目画素位置周囲の局所領域の画素を切り出す。G強度補間処理部282は、注目画素位置におけるG強度を補間処理によって算出する。信頼度算出部283は、局所領域内に存在する画素と注目画素位置のG強度とを用いて、細い縞模様状のテクスチャを検出し、テクスチャ強度に基づいて信頼度値を出力する。粗補間処理部284は、局所領域内の複数の画素位置においてRGB各色の強度の組が作れるよう、RGBの画素強度の推定値を算出する。統計量算出部285は、局所領域内の各画素におけるRGB強度の組を用いて、2色間の統計量を算出する。回帰演算処理部286は、色分布形状の線形回帰計算を行い、注目画素位置における強度推定値を算出する。本発明は、デジタルスチルカメラまたはデジタルビデオカメラに適用できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、画像処理装置および画像処理方法、並びに、プログラムに関し、特に、カラー固体撮像素子を用いて得られたモザイク画像信号から、全画素に複数色を補間してカラー画像信号を獲得するデモザイク処理(色補間処理、または、同時化処理)が実行される場合に用いて好適な、画像処理装置および画像処理方法、並びに、プログラムに関する。
CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどの固体撮像素子は、通常、受光素子が格子状に配置され、各受光素子の光電変換によって生じた電荷量を順次読み出すことができるような構造を有している。通常、これらの受光素子は、単一の分光特性を有するので、固体撮像素子から得られる画像信号は、色に関して1チャネル(単色)である。したがって、1つの固体撮像素子でカラー画像(例えばRGBなどの3チャネル画像)を得たい場合、受光素子ごとに分光特性(色)の異なるフィルタをつけた固体撮像素子を用いるようになされている。このような1つのカラー固体撮像素子を用いた撮像装置は、一般に単板カラー撮像装置と称される。
カラー固体撮像素子から得られる画像信号は1チャネル画像なので、1画素ごとに得られるのは、対応する受光素子のフィルタの色の強度のみである。すなわち、カラー固体撮像素子から得られる画像信号は、色に関してモザイク状の画像となる。単板カラー撮像装置のカラー固体撮像素子の出力画像であるモザイク画像から、多チャネル画像を得るためには、適当な画像処理によって、モザイク画像の各画素の色情報を、その周囲の画素位置に補間することが必要である。このような画像処理は、一般に、色補間処理、デモザイク処理、または、同時化処理などと称される。このように、デモザイク処理は、カラー固体撮像素子を使った単板カラー撮像装置には必須の処理であり、従来からさまざまな技術が開発されてきた。
このデモザイク処理においては、カラーフィルタの各色でサンプリング周波数および位相が異なるために発生する画質への影響が問題となる。
現在最も広く用いられている色配列である原色系ベイヤー(Bayer)配列では、R,G,Bの3つの原色系色フィルタを用い、Gを市松状に、RとBを線順次に配置するようになされている(以降、原色系ベイヤー配列を単にベイヤー配列と称する)。ベイヤー配列においては、Gは市松状に配置されるため、G信号は、水平、垂直の全位相において存在するが、RおよびBは線順次であるために、それぞれに対応する信号は、水平、垂直にそれぞれ1ラインおきにしか存在しない。すなわちR,Bのサンプリング周波数は、Gのサンプリング周波数の半分であるので、再現できる画像信号の周波数の限界も、RおよびBはGと比較して1/2となってしまう。そのため、画像信号に高周波成分が存在すると、そのG成分は正しく復元できるが、R成分およびB成分には、振幅の劣化やエイリアシングが生じてしまい、それが、出力画像における色バランスのずれとして観測されてしまう現象、すなわち、偽色が発生する。更に、RとBとはサンプリング周波数は同一であるが、サンプリングの位相が異なる。このため、RとGとではエイリアシングによる色ずれの出方が画像上で異なる。このことにより、更に、RとBとにおける偽色現象が顕著に発生してしまう。
このような出力画像の画質を損なう偽色現象を低減するため、従来のデモザイク処理でさまざまな工夫がなされてきた。以下に、主なものについて説明する。
第1の方法として、例えば、画像上のローカルな色差を保存するように色を補間していく方法がある(例えば、特許文献1)。この方法によれば、ローカルな領域において各チャネル間の差分信号(色差)が一定であると仮定し、すでに補間処理で得られている注目画素位置のG強度と、注目画素周囲のRとGの強度の平均値MRおよびMGより算出した色差(MR-MG)を用いて、注目画素位置のR強度の推定値をR=G+(MR-MG)として算出するものである。このようにして、Gのサンプルの情報をRの再構成に利用することにより、単純にRのサンプルのみの補間でR信号を再構成するよりも周波数特性のよい結果を得ることができる。この技術は、チャネル間の色差情報を利用するので、色差補間と称される。
特開平7−236147
第2に、画像上のローカルな色比率を保存するように色を補間していく方法がある(例えば、特許文献2、特許文献3)。これら方法においては、ローカル領域において被写体の物体色の色バランス、すなわち各チャネルの比率があまり変化しないと仮定し、例えば、ある近傍の2点xおよびyにおいて、RとGの比率が同じであるとすると、これらの関係には、R(x)/G(x)=R(y)/G(y)が成り立つ。この関係を用いることにより、近傍の色の比R(y)/G(y)がわかれば、点xにおいてG(x)が既知のときにR(x)を求めることができる。ここでローカル領域において色バランスが大きく変わらないとの仮定のもとで、近傍の色の比R(y)/G(y)に代わって、近傍画素におけるR/G比の平均値M(R/G)を用いると、注目画素位置のR強度の推定値はR=G×M(R/G)として算出される。
特開昭61−501424
特開昭61−218290
さらに、R/G比の平均値M(R/G)に代わって、近似的にRの平均値MRとGの平均値MGとの比率を使って、R=G×(MR/MG)によって、注目画素位置のR強度の推定値を求めることもできる(例えば、特許文献4)。この技術は、従来の第1の技術と同様に、Gのサンプルの情報をRの再構成に利用することによって、単純にRのサンプルのみの補間でR信号を再構成するよりも周波数特性のよい結果を得ることができる。
特開昭60−58398
これらの技術はチャネル間の色比率情報を利用するので、以下、色比率補間と称するものとする。
また、上述した従来の第1および第2の技術において、ローカルな色差または色比率が保存されるという仮定がなるべく成り立つように、注目画素周囲のテクスチャの方向性を判別して補間フィルタの方向を決定する技術がある(例えば、非特許文献1)。
村田、森、前中、岡田、および、千原、"PS-CCDにおける相関判別色分離方式"映像情報メディア学会誌、Vol.55,No.1、pp.120-132
第3に、注目画素の色フィルタが、あるカラーフィルタC1であるとき、注目画素位置におけるC1の高周波成分を算出し、それを、補間したいC1とは異なる色C2の注目画素近傍の平均値に足しこむという方法がある(例えば、特許文献5)。この方法によれば、高周波成分は注目画素p上のある色C1の強度C1(p)と、近傍のC1強度平均値MC1の差分(C1(p)−MC1)で算出されるので、注目画素位置pにおけるC1とは異なる色C2の推定値C2(p)は、C2(p)=MC2+β×(C1(p)−MC1)で算出される。ここでMC2はC2強度の平均値である。また、βはC1やC2の特性とは無関係に適当に与えられる係数であり、例えば、レンズのMTF(Modulation Transfer Function)特性を考慮して決定される。この第3の従来技術は、βがC1およびC2と無関係であり、β=1であるとき第1の従来技術の計算式と等価になることから、上述した従来の第1の技術の拡張であると位置付けることができる。
特開平10−178650
第4に、画像上のローカルなチャネル間の相関関係を用いる方法がある(例えば、非特許文献2)。この方法によれば、注目画素の色フィルタがC1であって補間したい色がC2であるとき、C1とC2の間に線形な関係があると仮定し、その線形性のパラメータを、C1およびC2の平均値MC1およびMC2、並びに、分散値V(C1,C1)およびV(C2,C2)を用いて推定する。この方法によると、注目画素位置におけるC2強度の推定値はC2=sqrt(V(C2,C2)/V(C1,C1))×(C1−MC1)+MC2で与えられる。
月岡、渡辺、および、菊地、"単板カラー画像の帯域改善処理"、第8回画像センシングシンポジウム講演論文集、pp. 385-388
さらに、デモザイク処理ではなくRGB同時化後の偽色低減処理に応用されるものであるが、すでに同時化されたカラー画像において、例えば注目画素近傍におけるRとGの相関関係に基づいて、Rに生じているGに対する位相ずれ成分を除去する計算をおこなう技術がある(例えば、特許文献6)。位相ずれ成分を除去したRは、R=sgn(R,G)×sqrt(V(R,R)/V(G,G))×(G−MG)+MRで求められる。
ここでsgn(R,G)はG,Rの相関係数に基づいて判定した符号であり、R,Gが正の相関を示せば+1、負の相関を示せば−1となる。このような計算をすることによって、物体色が変化する被写体輪郭領域においても、Gの変化と同様のRの変化を生成することが可能になり、結果的にGとRの位相がそろい、偽色を低減させることができる。
特開2003−230159
しかしながら、上述した従来のデモザイク処理技術には、以下に説明するような問題があり、特に、単板カラー固体撮像素子の偽色の問題に関しては完全な解決を与えるものではなかった。
まず、偽色が発生しやすい被写体輪郭部分においては、従来の第1および第2の技術が用いている色差または色比率が一定であるという仮定が成り立たない。輪郭部分は任意色の領域の境界である。例えば(R1,G1)という色の領域と(R2,G2)という色の領域の境界部分においては、色差は(R1−G1)から(R2−G2)へと変化し、色比率も(R1/G1)から(R2/G2)へと変化するように、その色差または色比率は一定ではない。そのため、近傍のRとGとの平均値から算出した色差または色比率に誤差が生じてしまい、正しい推定値を得ることができない。
また、従来の第3の技術については、推定したい色の平均値MC2へ加算されるC1から算出された高周波成分の量がC1とC2のバランスを考慮して決定されないため、輪郭部に限らず、色バランスが極端な有彩色領域において、推定値に誤差が生じる恐れがある。換言すれば、従来の第3の技術は、2つの色C1とC2のバランスが等しい無彩色の領域でのみ正確な推定値を算出できる方法である。この点は、従来の第1の技術にもいえることである。
一方、従来の第4の技術においては、注目画素位置において既知のC1と補間したいC2との間に線形的な関係があると仮定するので、輪郭領域での色変化のなかでC1とC2の線形性が保たれていればこの技術を適用することができ、その他の従来技術と比較して、輪郭部の偽色に対してロバストであるということがいえる。しかしながら、従来の第4の技術は、2つの色C1およびC2の関係が強い正の相関であることを暗に期待した定式化を行っているため、それに当てはまらない領域、すなわち、C1とC2が負の相関関係を示したり、ごく弱い相関しか示さないような状況では、逆に推定値に大きな誤差を生じてしまうという問題が発生する。実際の画像においては、C1とC2の2つの色の相関関係は、必ずしも強い相関を示すとは限らない。例えば、色相が全く逆であるような2つの色領域の境界などでは、その2つの色の相関は、負の相関を示すことがある。
さらに、第4の従来技術の計算方法では、画素位置ごとにC1とC2の分散値およびその平方根を計算することが必要であり、分散値の計算には近傍の画素数回の乗算を伴い、また、平方根の演算などの非常に複雑な演算を必要とするため、演算時間がかかってしまったり、特に、ハードウェアで第4の従来技術を実現可能な回路を実装する場合には、回路規模(ゲート数)が大きくなってしまうなどの問題が発生し、コストアップの要因となっていた。
更に、輪郭領域におけるチャネル間の相関関係の問題については、上述した特許文献6に記載の技術をデモザイクに応用すれば、負の相関の場合にも正しい推定をおこなうことができるようになる。しかしながら、相関の正負の判定には相関係数の計算を必要とし、相関係数を計算するには、同時化されたC1とC2のサンプルが注目画素近傍で複数個得られている必要があるので、同時化処理そのものに、特許文献6に記載の技術をそのまま応用することは困難である。また、第4の従来技術と同様に、分散値が必要であるなど、計算コストが高いという問題もある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、単板カラー固体撮像素子のモザイク出力画像の各チャネルを同時化するデモザイク処理において、例えば、輪郭領域など、色がローカルに変化する場合でも、効果的に、かつ、低コストに、偽色の発生を低減することができるようにするものである。
本発明の画像処理装置は、注目画素位置近傍の所定の画素を用いて、複数の色のうちの第1の色および第2の色の強度情報の推定値の組を複数組算出する第1の算出手段と、第1の色の注目画素における強度情報を算出する第2の算出手段と、第1の算出手段により算出された推定値の組を用いて、注目画素位置近傍の第1の色および第2の色の2次元の色分布形状を推定する第1の推定手段と、第1の推定手段により推定された色分布形状と、第2の算出手段により算出された第1の色の注目画素における強度情報とを基に、第2の色の注目画素における強度情報を推定する第2の推定手段とを備えることを特徴とする。
第1の算出手段には、注目画素位置近傍の所定の位置における第1の色の強度情報と第2の色の強度情報とを、補間処理を用いて算出させるようにすることができる。
第1の算出手段には、注目画素位置近傍の第1の色に対応する強度情報を有する画素位置の第2の色の強度の補間値を、注目画素位置近傍の画素が有する強度情報を用いて算出させるようにすることができる。
第1の算出手段には、注目画素位置近傍の第2の色に対応する強度情報を有する画素位置の第1の色の強度の補間値を、注目画素位置近傍の画素が有する強度情報を用いて算出させるようにすることができる。
第1の算出手段には、注目画素位置近傍の第1の色に対応する強度情報を有する第1の画素位置と、位置注目画素位置近傍の第2の色に対応する強度情報を有する第2の画素位置とのいずれの画素位置からも1/2画素ずれた位置における第1の色の強度の補間値および第2の色の強度の補間値を、注目画素位置近傍の画素が有する強度情報を用いて算出させるようにすることができる。
第1の推定手段には、色分布の重心を算出する第3の算出手段と、色分布の傾きを算出する第4の算出手段とを備えさせるようにすることができる。
第3の算出手段には、第1の算出手段により算出された推定値を基に、第1の色および第2の色のそれぞれの強度情報の重み付け平均値を算出して、色分布の重心とさせるようにすることができる。
第3の算出手段には、第1の算出手段により算出された推定値を基に、第1の色および第2の色のそれぞれの強度情報の中央値を算出して、色分布の重心とさせるようにすることができる。
第2の推定手段には、第3の算出手段により算出された色分布の重心、および第4の算出手段により算出された色分布の傾きを基に、線形回帰を行わせ、第2の色の注目画素における強度情報を推定させるようにすることができる。
第1の推定手段には、第3の算出手段により算出された色分布の重心を基に、第1の色の色分布の重心に対する第2の色の重心の色分布の比率を算出する第5の算出手段を更に備えさせるようにすることができ、第4の算出手段には、第5の算出手段により算出された色分布の比率を用いて、色分布の傾きを算出させるようにすることができる。
第1の推定手段には、第1の算出手段により算出された推定値を基に、第1の色の分散値を算出する第5の算出手段と、第1の算出手段により算出された推定値を基に、第1の色と第2の色との共分散値を算出する第6の算出手段と、第5の算出手段により算出された分散値に対する、第6の算出手段により算出された共分散値の比率を算出する第7の算出手段とを更に備えさせるようにすることができ、第4の算出手段は、第7の算出手段により算出された分散値に対する共分散値の比率を用いて、色分布の傾きを算出させるようにすることができる。
第5の算出手段には、近似演算により、第1の色の分散値の近似値を算出させるようにすることができる。
第6の算出手段には、近似演算により、第1の色の共分散値の近似値を算出させるようにすることができる。
第7の算出手段には、分散値と所定の閾値とを比較させるようにすることができ、分散値が閾値よりも小さい値である場合、分散値に代わって、閾値に対する、第6の算出手段により算出された共分散値の比率を算出させるようにすることができる。
第4の算出手段には、第1の算出手段により算出された推定値を基に、第1の色の標準偏差値に対する第2の色の標準偏差値の比率、および、第1の色と第2の色との相関関数を基に、色分布の傾きを算出させるようにすることができる。
第4の算出手段には、標準偏差値の近似値として、平均偏差値を用いて、色分布の傾きを算出させるようにすることができる。
第4の算出手段には、相関関数を近似演算により求めることにより、色分布の傾きを算出させるようにすることができる。
傾きの推定値の信頼度を示す値を算出する信頼度算出手段を更に備えさせるようにすることができ、第1の推定手段には、傾きの推定値を算出する複数の傾き推定値算出手段を更に備えさせるようにすることができ、第4の算出手段には、信頼度算出手段により算出された信頼度を示す値を基に、複数の傾き推定値算出手段により算出されたそれぞれの傾きの推定値を合成して、色分布の傾きを算出させるようにすることができる。
第1の推定手段には、第3の算出手段により算出された色分布の重心を基に、第1の色の色分布の重心に対する第2の色の重心の色分布の比率を算出する第5の算出手段と、第1の算出手段により算出された推定値を基に、第1の色の分散値を算出する第6の算出手段と、第1の算出手段により算出された推定値を基に、第1の色と第2の色との共分散値を算出する第7の算出手段と、第6の算出手段により算出された分散値に対する、第7の算出手段により算出された共分散値の比率を算出する第8の算出手段とを更に備えさせるようにすることができ、複数の傾き推定値算出手段には、第5の算出手段および第8の算出手段を含ませるようにすることができ、信頼度算出手段には、注目画素位置における高周波成分を検出させて、高周波成分が大きい場合、第5の算出手段により算出された比率による傾き推定値の信頼度が高くなるように信頼度を示す値を算出し、高周波成分が小さい場合、第8の算出手段により算出された比率による傾き推定値の信頼度が高くなるように信頼度を示す値を算出させるようにすることができる。
第2の推定手段には、第3の算出手段により算出された色分布の重心を用いるとともに、第4の算出手段により算出された色分布の傾きに、1より大きな所定の係数を乗じた値を用いて線形回帰を行い、第2の色の注目画素における強度情報を推定させるようにすることができる。
モザイク画像に強度変換を施す強度変換処理手段を更に備えさせるようにすることができる。
本発明の画像処理方法は、注目画素位置近傍の所定の画素を用いて、複数の色のうちの第1の色および第2の色の強度情報の推定値の組を複数組算出する第1の算出ステップと、第1の色の注目画素における強度情報を算出する第2の算出ステップと、第1の算出ステップにより算出された推定値の組を用いて、注目画素位置近傍の第1の色および第2の色の2次元の色分布形状を推定する第1の推定ステップと、第1の推定ステップにより推定された色分布形状と、第2の算出ステップにより算出された第1の色の注目画素における強度情報とを基に、第2の色の注目画素における強度情報を推定する第2の推定ステップとを含むことを特徴とする。
本発明のプログラムは、注目画素位置近傍の所定の画素を用いて、複数の色のうちの第1の色および第2の色の強度情報の推定値の組を複数組算出する第1の算出ステップと、第1の色の注目画素における強度情報を算出する第2の算出ステップと、第1の算出ステップにより算出された推定値の組を用いて、注目画素位置近傍の第1の色および第2の色の2次元の色分布形状を推定する第1の推定ステップと、第1の推定ステップにより推定された色分布形状と、第2の算出ステップにより算出された第1の色の注目画素における強度情報とを基に、第2の色の注目画素における強度情報を推定する第2の推定ステップとを含むことを特徴とする処理をコンピュータに実行させる。
本発明の画像処理装置および画像処理方法、ならびに、プログラムにおいては、注目画素位置近傍の所定の画素を用いて、複数の色のうちの第1の色および第2の色の強度情報の推定値の組が複数組算出され、第1の色の注目画素における強度情報が算出され、推定値の組を用いて、注目画素位置近傍の第1の色および第2の色の2次元の色分布形状が推定され、色分布形状と第1の色の注目画素における強度情報とを基に、第2の色の注目画素における強度情報が推定される。
本発明によれば、デモザイク処理を実行することができ、特に、注目画素位置付近の所定の画素を用いて、複数の色のうちの第1の色および第2の色の強度情報の組を複数組算出し、これを用いて、注目画素位置近傍の第1の色および第2の色の2次元の色分布形状を推定し、この色分布形状と、第1の色の注目画素における強度情報とを基に、第2の色の注目画素における強度情報を推定することができ、したがって、被写体輪郭領域における偽色の発生を効果的に低減することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本明細書に記載の発明と、発明の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本明細書に記載されている発明をサポートする実施の形態が、本明細書に記載されていることを確認するためのものである。したがって、発明の実施の形態中には記載されているが、発明に対応するものとして、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が発明に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明以外の発明には対応しないものであることを意味するものでもない。
更に、この記載は、本明細書に記載されている発明の全てを意味するものでもない。換言すれば、この記載は、本明細書に記載されている発明であって、この出願では請求されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により出現、追加される発明の存在を否定するものではない。
本発明によれば、画像処理装置が提供される。この画像処理装置(たとえば、図1のデジタルスチルカメラ201)は、分光感度が異なる複数種類のフィルタ(例えば、図2のべイヤー配列のカラーフィルタ)を有し、複数種類のフィルタのうちのいずれかが画素ごとに用いられている画像センサ(例えば、図1のCCDイメージセンサ213)によって得られたモザイク画像から、フィルタの分光感度により決まる複数の色(例えば、RGB)に対応する画素位置毎の強度情報が全画素でそろうようなカラー画像を生成する画像処理装置であって、注目画素位置近傍の所定の画素を用いて、複数の色のうちの第1の色および第2の色(例えば、RGBのうちのいずれか1色)の強度情報の推定値の組を複数組算出する第1の算出手段(例えば、図4の粗補間処理部284)と、第1の色(例えば、G)の注目画素における強度情報を算出する第2の算出手段(例えば、図4のG強度補間処理部282)と、第1の算出手段により算出された推定値の組を用いて、注目画素位置近傍の第1の色および第2の色の2次元の色分布形状を推定する第1の推定手段(例えば、図4の統計量算出部285、および、図4の回帰演算処理部286のうちの画素強度推定部354以外の部分)と、第1の推定手段により推定された色分布形状と、第2の算出手段により算出された第1の色の注目画素における強度情報とを基に、第2の色の注目画素における強度情報を推定する第2の推定手段(例えば、図4の回帰演算処理部286のうちの、図13の画素強度推定部354)とを含む。
第1の算出手段は、注目画素位置近傍の所定の位置における第1の色の強度情報と第2の色の強度情報とを、補間処理を用いて算出することができる。
第1の算出手段は、注目画素位置近傍の第1の色に対応する強度情報を有する画素位置の第2の色の強度の補間値を、注目画素位置近傍の画素が有する強度情報を用いて算出することができる。
第1の算出手段は、注目画素位置近傍の第2の色に対応する強度情報を有する画素位置の第1の色の強度の補間値を、注目画素位置近傍の画素が有する強度情報を用いて算出することができる。
第1の算出手段は、注目画素位置近傍の第1の色に対応する強度情報を有する第1の画素位置と、位置注目画素位置近傍の第2の色に対応する強度情報を有する第2の画素位置とのいずれの画素位置からも1/2画素ずれた位置における第1の色の強度の補間値および第2の色の強度の補間値を、注目画素位置近傍の画素が有する強度情報を用いて算出することができる。
第1の推定手段は、色分布の重心(平均値Mc1、Mc2)を算出する第3の算出手段(例えば、図10の平均値算出部331、平均値算出部333)と、色分布の傾き(傾きK)を算出する第4の算出手段(例えば、図13の傾き合成部353)とを備えることができる。
第3の算出手段は、第1の算出手段により算出された推定値を基に、第1の色および第2の色のそれぞれの強度情報の重み付け平均値を算出して、色分布の重心とすることができる。
第3の算出手段は、第1の算出手段により算出された推定値を基に、第1の色および第2の色のそれぞれの強度情報の中央値を算出して、色分布の重心とすることができる。
第2の推定手段は、第3の算出手段により算出された色分布の重心、および第4の算出手段により算出された色分布の傾きを基に、線形回帰を行い、第2の色の注目画素における強度情報を推定することができる。
第1の推定手段は、第3の算出手段により算出された色分布の重心を基に、第1の色の色分布の重心に対する第2の色の重心の色分布の比率を算出する第5の算出手段(例えば、図13の傾き算出部351)を更に備えることができ、第4の算出手段は、第5の算出手段により算出された色分布の比率を用いて、色分布の傾きを算出することができる。
第1の推定手段は、第1の算出手段により算出された推定値を基に、第1の色の分散値を算出する第5の算出手段(例えば、図10の分散算出部332)と、第1の算出手段により算出された推定値を基に、第1の色と第2の色との共分散値を算出する第6の算出手段(例えば、図10の共分散算出部334)と、第5の算出手段により算出された分散値に対する、第6の算出手段により算出された共分散値の比率を算出する第7の算出手段(例えば、図13の傾き算出部352)とを更に備えることができ、第4の算出手段は、第7の算出手段により算出された分散値に対する共分散値の比率を用いて、色分布の傾きを算出することができる。
第5の算出手段は、近似演算により、第1の色の分散値の近似値を算出することができる。
第6の算出手段は、近似演算により、第1の色の共分散値の近似値を算出することができる。
第7の算出手段は、分散値と所定の閾値とを比較することができ、分散値が閾値よりも小さい値である場合、分散値に代わって、閾値に対する、第6の算出手段により算出された共分散値の比率を算出することができる。
第4の算出手段は、第1の算出手段により算出された推定値を基に、第1の色の標準偏差値に対する第2の色の標準偏差値の比率、および、第1の色と第2の色との相関関数を基に、色分布の傾きを算出することができる。
第4の算出手段は、標準偏差値の近似値として、平均偏差値を用いて、色分布の傾きを算出することができる。
第4の算出手段は、相関関数を近似演算により求めることにより、色分布の傾きを算出することができる。
画像処理装置は、傾きの推定値の信頼度を示す値を算出する信頼度算出手段(例えば、図4の信頼度算出部283)を更に備えることができ、第1の推定手段は、傾きの推定値を算出する複数の傾き推定値算出手段(例えば、図13の傾き算出部351および傾き算出部352)を更に備えることができ、第4の算出手段は、信頼度算出手段により算出された信頼度を示す値を基に、複数の傾き推定値算出手段により算出されたそれぞれの傾きの推定値を合成して、色分布の傾き(傾きK)を算出することができる。
第1の推定手段は、第3の算出手段により算出された色分布の重心を基に、第1の色の色分布の重心に対する第2の色の重心の色分布の比率を算出する第5の算出手段(例えば、図13の傾き算出部351)と、第1の算出手段により算出された推定値を基に、第1の色の分散値を算出する第6の算出手段(例えば、図10の分散算出部332)と、第1の算出手段により算出された推定値を基に、第1の色と第2の色との共分散値を算出する第7の算出手段(例えば、図10の共分散算出部334)と、第6の算出手段により算出された分散値に対する、第7の算出手段により算出された共分散値の比率を算出する第8の算出手段(例えば、図13の傾き算出部352)とを更に備えることができ、複数の傾き推定値算出手段は、第5の算出手段および第8の算出手段を含み、信頼度算出手段は、注目画素位置における高周波成分を検出して、高周波成分が大きい場合、第5の算出手段により算出された比率による傾き推定値の信頼度が高くなるように信頼度を示す値を算出し、高周波成分が小さい場合、第8の算出手段により算出された比率による傾き推定値の信頼度が高くなるように信頼度を示す値を算出することができる。
第2の推定手段は、第3の算出手段により算出された色分布の重心を用いるとともに、第4の算出手段により算出された色分布の傾きに、1より大きな所定の係数を乗じた値を用いて線形回帰を行い、第2の色の注目画素における強度情報を推定することができる。
画像処理装置は、モザイク画像に強度変換を施す強度変換処理手段(例えば、図3のガンマ補正部252)を更に備えることができる。
また、本発明によれば、画像処理方法が提供される。この画像処理方法は、分光感度が異なる複数種類のフィルタ(例えば、図2のべイヤー配列のカラーフィルタ)を有し、複数種類のフィルタのうちのいずれかが画素ごとに用いられている画像センサ(例えば、図1のCCDイメージセンサ213)によって得られたモザイク画像から、フィルタの分光感度により決まる複数の色(例えば、RGB)に対応する画素位置毎の強度情報が全画素でそろうようなカラー画像を生成する画像処理装置(たとえば、図1のデジタルスチルカメラ201)の画像処理方法であって、注目画素位置近傍の所定の画素を用いて、複数の色のうちの第1の色および第2の色(例えば、RGBのうちのいずれか1色)の強度情報の推定値の組を複数組算出する第1の算出ステップ(例えば、図15のステップS23の処理)と、第1の色(例えば、G)の注目画素における強度情報を算出する第2の算出ステップ(例えば、図15のステップS24の処理)と、第1の算出ステップにより算出された推定値の組を用いて、注目画素位置近傍の第1の色および第2の色の2次元の色分布形状を推定する第1の推定ステップ(例えば、図15のステップS26の処理)と、第1の推定ステップにより推定された色分布形状と、第2の算出ステップにより算出された第1の色の注目画素における強度情報とを基に、第2の色の注目画素における強度情報を推定する第2の推定ステップ(例えば、図15のステップS27の処理)とを含む。
また、本発明によれば、プログラムが提供される。このプログラムは、分光感度が異なる複数種類のフィルタ(例えば、図2のべイヤー配列のカラーフィルタ)を有し、複数種類のフィルタのうちのいずれかが画素ごとに用いられている画像センサ(例えば、図1のCCDイメージセンサ213)によって得られたモザイク画像から、フィルタの分光感度により決まる複数の色(例えば、RGB)に対応する画素位置毎の強度情報が全画素でそろうようなカラー画像を生成する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、注目画素位置近傍の所定の画素を用いて、複数の色のうちの第1の色および第2の色(例えば、RGBのうちのいずれか1色)の強度情報の推定値の組を複数組算出する第1の算出ステップ(例えば、図15のステップS23の処理)と、第1の色(例えば、G)の注目画素における強度情報を算出する第2の算出ステップ(例えば、図15のステップS24の処理)と、第1の算出ステップにより算出された推定値の組を用いて、注目画素位置近傍の第1の色および第2の色の2次元の色分布形状を推定する第1の推定ステップ(例えば、図15のステップS26の処理)と、第1の推定ステップにより推定された色分布形状と、第2の算出ステップにより算出された第1の色の注目画素における強度情報とを基に、第2の色の注目画素における強度情報を推定する第2の推定ステップ(例えば、図15のステップS27の処理)とを含む処理をコンピュータに実行させる。
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した演算処理を実行するデジタルスチルカメラ201の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、デジタルスチルカメラ201は、レンズ211、絞り212、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサ213、相関2重サンプリング(CDS:Correlated Double Sampling)回路214、A/Dコンバータ215、DSP(Digital Signal Processor)ブロック216、タイミングジェネレータ217、D/Aコンバータ218、ビデオエンコーダ219、表示部220、コーデック(CODEC:COmpression/DECompression)処理部221、メモリ222、CPU223、および、操作入力部224から構成される。
CCDとは、光情報を電気信号に変換する(光電変換)半導体素子であり、CCDイメージセンサ213は、光を電気に変換する受光素子(画素)を複数個並べ、光の変化を画素ごとに独立して電気信号に変換するものである。相関2重サンプリング回路214は、CCDイメージセンサ213の出力信号に含まれるノイズのうちの主な成分であるリセットノイズを、出力の各画素信号のうち、映像信号期間をサンプリングしたものと、基準期間をサンプリングしたものとを引き算することにより除去する回路である。A/Dコンバータ215は、供給されたノイズ除去後のアナログ信号をデジタル信号に変換する。
DSPブロック216は、信号処理用プロセッサと画像用RAMを持つブロックで、信号処理用プロセッサが画像用RAMに格納された画像データに対して、予めプログラムされた画像処理、または、ハードウェアによる演算処理として構成された画像処理を行うものである。タイミングジェネレータ217は、CCDを駆動するために必要な、水平および垂直の各種駆動パルス、並びに、アナログフロント処理で用いるパルスを、基準クロックに同期して発生させるロジック回路である。また、タイミングジェネレータ217により発生されるタイミングクロックは、バス225を介して、コーデック処理部221、メモリ222、および、CPU223にも供給されている。
D/Aコンバータ218は、供給されたデジタル信号をアナログ信号に変換して出力する。ビデオエンコーダ219は、供給されたアナログ信号を、表示部220において表示可能な形式のビデオデータにエンコードする。表示部220は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などで構成され、ビデオエンコーダ219から供給されたビデオ信号を表示する。
コーデック処理部221は、例えばJPEG(Joint Picture Experts Group)などの、デジタル画像データの圧縮または伸張アルゴリズムによる処理を実行する。メモリ222は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク、光磁気ディスク、または、光ディスクなどにより構成され、CPU223の制御に基づいて、供給されたデータを記憶したり、または、記憶しているデータを出力する。なお、メモリ222は、デジタルスチルカメラ201に対して着脱可能なようになされていても良い。
CPU223は、バス225を介して、操作入力部224から供給されたユーザの操作入力を基に、デジタルスチルカメラ201の各部を制御する。操作入力部224は、録画を指令する場合のボタンをはじめとして、例えば、ジョグダイヤル、キー、レバー、ボタン、またはタッチパネルなどにより構成され、ユーザによる操作入力を受ける。
レンズ211および絞り212を介して入力された光は、CCDイメージセンサ213に入射され、受光素子での光電変換によって電気信号に変換され、相関2重サンプリング回路214に供給される。相関2重サンプリング回路214は、CCDイメージセンサ213の出力の各画素信号のうち、映像信号期間をサンプリングしたものと、基準期間をサンプリングしたものとを引き算することによりノイズを除去し、A/Dコンバータ215に供給する。A/Dコンバータ215は、供給されたノイズ除去後のアナログ信号をデジタル信号に変換し、DSPブロック216の画像用RAMに一時格納する。
タイミングジェネレータ217は、撮像中の状態において、一定のフレームレートによる画像取り込みを維持するように、CCDイメージセンサ213、相関2重サンプリング回路214、A/Dコンバータ215、および、DSPブロック216を制御する。
DSPブロック216は、一定のレートで画素のストリームデータの供給を受け、画像用RAMに一時格納し、信号処理用プロセッサにおいて、一時格納された画像データに対して、後述する画像処理を実行する。DSPブロック216は、画像処理の終了後、CPU223の制御に基づいて、その画像データを表示部220に表示させる場合は、D/Aコンバータ218に、メモリ222に記憶させる場合は、コーデック処理部221に画像データを供給する。
D/Aコンバータ218は、DSPブロック216から供給されたデジタルの画像データをアナログ信号に変換し、ビデオエンコーダ219に供給する。ビデオエンコーダ219は、供給されたアナログの画像信号を、ビデオ信号に変換し、表示部220に出力して表示させる。すなわち、表示部220は、デジタルスチルカメラ201において、カメラのファインダの役割を担っている。コーデック処理部221は、DSPブロック216から供給された画像データに対して、所定の方式の符号化を施し、符号化された画像データをメモリ222に供給して記憶させる。
また、コーデック処理部221は、操作入力部224からユーザの操作入力を受けたCPU223の制御に基づいて、メモリ222に記憶されているデータのうち、ユーザに指定されたデータを読み取り、所定の復号方法で復号し、復号した信号をDSPブロック216に出力する。これにより、復号された信号が、DSPブロック216を介してD/Aコンバータ218に供給され、アナログ変換された後、ビデオエンコーダ219によりエンコードされて、表示部220に表示される。
ところで、図1のCCDイメージセンサ213のオンチップカラーフィルタには、通常、3種類または4種類の色が用いられており、これらのオンチップカラーフィルタは、受光素子ごとに、交互に異なる色になるようモザイク状に配列されている。例えば、RGB(Red,Green,Blue:赤、緑、青)の3色を用いた配列のうち、最も広く用いられている色のモザイク配列であるベイヤー配列を、図2に示す。
ベイヤー配列は、図2に示されるように、緑色(G)の光のみを透過するGのフィルタが2個、赤(R)の光のみを透過するRのフィルタが1個、青(B)の光のみを透過するBのフィルタが1個の、合計4個を最小単位として構成されている。すなわち、Gのフィルタは、市松状に配置され、RおよびBのフィルタの倍の密度で存在する。
このように、CCDイメージセンサ213のオンチップカラーフィルタにベイヤー配列が用いられている場合、DSPブロック216の画像用RAMに一時格納されている画像は、各画素とも、R,G,Bのうちのいずれか1つの色しか持たない。そこで、DSPブロック216の信号処理用プロセッサは、予め組み込まれた画像処理プログラムまたはハードウェアによって、この画像を処理し、全画素において全色のデータを有する画像データを生成する。
図3は、図1のDSPブロック216の更に詳細な構成を示すブロック図である。
DSPブロック216は、上述したように、画像用RAM241および信号処理用プロセッサ242で構成され、信号処理用プロセッサ242は、ホワイトバランス調整部251、ガンマ補正部252、デモザイク処理部253、および、YC変換部254で構成される。
A/Dコンバータ215によってデジタル信号に変換されたモザイク画像は、画像用RAM241に一時保存される。モザイク画像は、各画素にR、GまたはBのいずれかの色に対応する強度信号、すなわち、CCDイメージセンサ213に用いられているカラーフィルタにより定められる配列(例えば、図2を用いて説明したベイヤー配列)の周期的なパターンの強度信号により構成されている。
ホワイトバランス調整部251は、モザイク画像に対して、無彩色の被写体領域の色バランスが無彩色になるように、各画素強度の持つ色に応じて適切な係数をかける処理(ホワイトバランスの調整処理)を実行する。ガンマ補正部252は、ホワイトバランスが調整されたモザイク画像の各画素強度に対して、ガンマ補正を行う。画像の階調の応答特性を表すために「ガンマ(γ)」という数値が使われる。ガンマ補正とは、表示部220に表示される画像の明るさや色の彩度を正しく表示するための補正処理のことである。表示部220に出力される信号は、画素ごとに特定の電圧を加えることで、画像の明るさや色が再現されるようになされている。しかしながら、実際に表示される画像の明るさや色は、表示部220が有する特性(ガンマ値)により、入力電圧を倍にしてもブラウン管の明るさが倍になるわけではない(非線形性を有する)ため、ガンマ補正部252において、表示部220に表示される画像の明るさや色の彩度が正しく表示されるように補正する処理が施される。
デモザイク処理部253は、色分布形状を統計的に算出することにより、ガンマ補正がなされたモザイク画像の各画素位置にR,G,Bの全ての強度(強度情報)を揃えるデモザイク処理を実行する。したがって、デモザイク処理部253からの出力信号は、R,G,Bの3つの色に対応する3つの画像信号となる。YC変換部254はR,G,Bの3チャネル画像に、マトリックス処理およびクロマ成分に対する帯域制限を行うことで、Y画像およびC画像(YCbCr画像信号)を生成し、出力する。
DSPブロック216の信号処理用プロセッサ242においては、デモザイク処理部253によるデモザイク処理の前に、ガンマ補正部252によりガンマ補正を行うものとしている。これは、ガンマ補正された非線形な画素強度空間においてデモザイク演算を実行することにより、デモザイク処理部253のデモザイク処理の信頼性をより高めることができるためである。
例えば、入力される画像が高コントラストな輪郭領域である場合、その色分布は、非常に明るい強度域と非常に暗い強度域に渡ってしまう。物理的に、物体反射光は、物体表面のばらつきに照明からの入射光強度が乗じられたものになることから、カメラへの入射光強度に比例する線形な画素強度空間においては、明るい強度域にある物体色の分布はスパースに(まばらに)広がり、暗い画素強度域にある物体色の分布はあまり広がらずにコンパクトに縮まる傾向にある。
デモザイク処理部253においては、色分布形状を統計的に算出することにより、デモザイク処理を実行する。しかしながら、高コントラストな輪郭領域では、明るい領域での画素強度のちらばりと暗い領域での画素強度のちらばりが大きく異なり、統計的な線形回帰が適用しにくくなる。したがって、入力されたデータに対して、デモザイク処理部253におけるデモザイク処理に先立って、ガンマ補正のような非線形の画素強度変換を施して、暗い画素強度域を持ち上げて(明るい画素強度領域に近づけて)、画素強度の分散をある程度抑制するようにすることにより、デモザイク処理部253において実行される線形回帰処理の信頼性を向上させることができる。
このような目的で適用する非線形変換は、ガンマ補正のように1より小さい指数によるべき乗変換が望ましいが、通常カラープロファイル等で用いられているsRGBガンマのように、べき乗部と線形部を組み合わせたような変換であっても、略べき乗関数と同じとみなせるようなものであれば、いずれの非線形変換であってもよい。また、非線形変換を省略するようにしても、デモザイク処理の後に、ガンマ補正などの非線形変換処理を行うようにしてもよいことは言うまでもない。
次に、図4は、全画素位置でRGBの全ての色が存在するように、各画素位置ごとに順次、そこにない色の強度を補間または推定していく処理であるデモザイク処理を実行する、図3のデモザイク処理部253の更に詳細な構成を示すブロック図である。
デモザイク処理部253は、局所領域抽出部281、G強度補間処理部282、信頼度算出部283、粗補間処理部284、統計量算出部285−1乃至285−3、および、回帰演算処理部286−1乃至286−3で構成される。
局所領域抽出部281は、ガンマ補正されたモザイク画像から、注目画素位置周囲の決まった大きさの局所領域の画素を切り出す。ここでは、切り出す局所領域を、注目画素位置を中心とした9×9画素の矩形領域とする。G強度補間処理部282は、局所領域内に存在する画素を用いて、注目画素位置におけるG強度を補間処理によって算出する。信頼度算出部283は、局所領域内に存在する画素とG強度補間処理部282が算出した注目画素位置のG強度とを用いて、信頼度を算出する。ここで信頼度とは、この局所領域における色分布形状の推定の正確さを予想する値である。信頼度をどのように算出するかは後述する。
粗補間処理部284は、局所領域内の複数の画素位置においてR,G,B各色の強度の組が作れるよう、簡単な演算によって、R,G,Bの画素強度の推定値(以下、ラフな推定値と称する)を、後述する補間方法を用いて算出する。本発明においては色分布形状を推定するために、2次の統計量、または、それに相当する値を計算することが必要であり、そのために、同一画素位置における各色の強度が組となって得られている必要がある。この強度の組を生成するために、粗補間処理部284は、局所領域内の複数の画素(ここでは、n×n画素の局所領域に対して、注目画素を中心とした(n−2)×(n−2)画素)におけるR,G,Bのラフな推定値を算出する。
なお、従来のデモザイク技術においては、このような粗補間処理部284に相当する処理がないため、正確な色分布形状推定を行うための情報が算出できないという問題があった。これに対して、本発明を適用したデモザイク処理部253においては、粗補間処理部284を用いて、正確な色分布形状推定を行うための情報として、ラフな推定値を求めることができるようになされている。
統計量算出部285−1乃至285−3は、粗補間処理部284により算出された局所領域内の各画素におけるR,G,B強度の組を用いて、2色間の統計量を算出する。統計量算出部285−1乃至285−3のいずれにおいても、第1の色はGである。そして、統計量算出部285−1に供給される第2の色はRであり、統計量算出部285−2に供給される第2の色は、第1の色と同じくGであり、統計量算出部285−3に供給される第2の色はBである。そして、統計量算出部285−1乃至285−3は、第1の色の平均値、第2の色の平均値、第1の色の分散値、および、第1の色と第2の色の共分散値を演算して出力する。デモザイク処理部253には、入力信号の色の違いによって3つの統計量算出部285−1乃至285−3が存在するが、それらの動作は全て等しいので、以下、特に区別しない場合、単に、統計量算出部285と称するものとする。
回帰演算処理部286−1乃至286−3は、G強度補間処理部282が算出した注目画素位置のG強度と、統計量算出部285−1乃至285−3のうちのいずれか対応するものが算出した統計量と、信頼度算出部283が算出した信頼度に基づいて、色分布形状の線形回帰計算を行い、注目画素位置における強度推定値を算出する。具体的には、回帰演算処理部286−1は、注目画素位置のG強度と信頼度算出部283が算出した信頼度に加えて、GとRのそれぞれの平均値、Gの分散値、および、GとRとの共分散値の供給を受け、注目画素のR強度を推定して出力する。また、回帰演算処理部286−2は、注目画素位置のG強度と信頼度算出部283が算出した信頼度に加えて、Gの平均値、Gの分散値の供給を受け、注目画素のG強度を推定して出力する。そして、回帰演算処理部286−3は、注目画素位置のG強度と信頼度算出部283が算出した信頼度に加えて、GとBのそれぞれの平均値、Gの分散値、および、GとBとの共分散値の供給を受け、注目画素のB強度を推定して出力する。デモザイク処理部253には、入力信号の色の違いによって3つの回帰演算処理部286−1乃至286−3が存在するが、それらの動作は全て等しいので、以下、特に区別しない場合、単に、回帰演算処理部286と称するものとする。
なお、デモザイク処理部253においては、デモザイク処理を行うために、Gの強度推定値を算出するための統計量算出部285−2および回帰演算処理部286−2を省略し、G強度補間処理部282が算出した注目画素位置のG強度を用いるようにしてもよい。しかしながら、図4に示されるように、統計量算出部285−2および回帰演算処理部286−2を用いて、Gに対して回帰計算を行って、推定値を算出し直すことによりGの強度に対するノイズ低減効果や高域補正効果を奏することが可能となるので、Gの強度推定値を算出するための統計量算出部285−2および回帰演算処理部286−2を省略することなく、備えるようにするほうが、得られる画像の品質が向上し、好適である。
次に、デモザイク処理部253の各部の更に詳細な動作について説明する。
局所領域抽出部281は、注目画素位置近傍の9×9の矩形領域内の画素情報を取得するものである。なお、画素情報の取得方法はいずれの方法であっても良く、例えば、本発明をソフトウェアとして実現する場合、注目画素位置近傍の9×9の矩形領域内の画素値を、配列として内部のメモリに保存するようにすれば良いし、ハードウェアで実現する場合、ディレイラインを用いて、注目画素の上下に隣接する画素信号を取得することができるようにすれば良い。通常、撮像装置の信号処理系においては、CCDイメージセンサ213から供給される信号が、水平ライン順次の画素強度の1次元系列となるように、ハードウェアが実装されることが多いので、通常、1水平ライン分の画素強度を保持できるディレイラインが用いられて、上下に隣接する水平ラインの画素へのアクセスが確保される。したがって、9×9の矩形領域の画像信号を取得するためには、最低8個のディレイラインを用意すればよい。
G強度補間処理部282は、局所領域抽出部281が抽出したn×n(例えば、9×9)画素の矩形領域の画素を用いて、注目画素位置のG強度値を補間により算出する。G強度補間処理部282が注目画素の周囲の画素を用いてG強度を算出する方法は、いかなる方法であっても良く、例えば、「村田,森,前中,岡田、および、千原,“PS-CCDにおける相関判別色分離方式”,映像情報メディア学会誌,Vol.55,No.1,pp.120-132,2001」(非特許文献1)に記載されている方法などを用いることができる。
信頼度算出部283は、局所領域抽出部281により抽出されたn×n(例えば、9×9)画素の矩形局所領域の画素と、G強度補間処理部282により算出された注目画素位置のG強度とを用いて、注目画素位置における色分布形状推定の信頼度を算出する。本発明を適用したデモザイク処理における色分布形状推定では、抽出された局所領域内に、2種類の異なる色の領域があることを想定している。通常の物体輪郭領域に関しては、この仮定が当てはまることが多いので、この仮定で、充分正確な輪郭の色再現が可能である。しかしながら、画像の中にはその仮定が当てはまらず、局所領域内に異なる3色が存在するような場合もあり得る。典型的には、細い縞模様状のテクスチャにおける場合であり、このようなテクスチャにおいて、局所領域内に多くの色が含まれ易い。そこで、信頼度算出部283は、このような細い縞模様状のテクスチャを検出し、そのテクスチャの強度に基づいて信頼度値を出力する。
信頼度値の供給を受ける回帰演算処理部286は、統計量算出部285により算出された色分布形状に関する統計量に対して、信頼度値に基づいた補正を施すようになされているため、抽出された局所領域内に、2種類の異なる色の領域があるという仮定から外れたことによる色強度の推定誤差を抑制することが可能となる。
図5は、信頼度算出部283の構成を示すブロック図である。信頼度算出部283は、具体的には、細い縞模様状のテクスチャを検出するために、注目画素位置周囲のG強度に対する方向別の低周波フィルタを算出して、注目画素位置のG強度との差分演算処理を実行することにより、高周波抽出を行って、注目画素位置周囲において「明−暗−明」あるいは「暗−明−暗」といった輝度変化がある場合、これを方向別に検出し、方向別の検出結果を統合することによって信頼度を算出する。信頼度算出部283は、高周波抽出部321−1乃至321−6、加算処理部322、および、クリップ処理部323で構成される。6つの高周波抽出部321−1乃至321−6は、注目画素を中心として、それぞれ異なる6つの方向の高周波抽出を行い、その強度を出力する。
信頼度算出部283の周波抽出部321−1乃至321−6による方向別高周波抽出の具体例について、図6を用いて説明する。図6は、局所領域抽出部281により抽出された、9×9画素の局所領域を示したものである。説明のため、図中、画素の行および列に1乃至9の番号が割り当てられている。図6Aは、注目画素(図中、5行5列目の位置にある画素)がGである場合、図6Bは、注目画素がRである場合を示す。なお、信頼度の算出に関してはGの画素のみを用いるので、注目画素がBである場合はRである場合と同様の処理が実行される。
まず、画素から水平および垂直にちょうど1/2だけずれた(すなわち、4つの画素に囲まれる)位置であって、注目画素に近い位置から12箇所の位置(図中、丸印で示される位置)のG強度が算出される。具体的には、図6に示した12箇所の位置の全てにおいて、斜めにGの画素が隣接しているので、その2つのG強度の平均値を用いて、12箇所それぞれのG強度とする。ここで、注目画素がGである場合と、注目画素がRまたはBである場合とでは、隣接するGの方向が異なるが、いずれの場合においても、それぞれの位置でGが存在する方向は、注目画素がGであるかまたは、RもしくはBのいずれかであるかを基に判別することができる。
このようにして、12箇所においてG強度が算出された後、それらを用いて6方向の低周波フィルタを計算する。図7を用いてフィルタの方向について説明する。図7においては、局所領域中、特に、注目画素付近の5×5画素のみが図示されている。
12箇所のG強度の算出位置は、注目画素位置(図7における図中の3行3列目)を中心に点対称の配置となっていて、互いに対称の位置にあるG強度の対が、図中、Aで示されるG強度の組、Dで示されるG強度の組、VAで示されるG強度の組、VDで示されるG強度の組、HAで示されるG強度の組、および、HDで示されるG強度の組の、合計6つできる。これらの6つのG強度の対において、それぞれ平均値を算出するようなフィルタを用いれば、6方向の低周波フィルタが算出される。更に、それら低周波フィルタの出力と注目画素位置のG強度の差分をとれば、方向別の高周波抽出ができる。
そして、加算処理部322は、6つの高周波抽出結果を適当なバランスで加算した値を出力する。クリップ処理部323は、加算処理部322による加算処理結果にクリッピング処理を施し、クリップされた高周波抽出の加算値を信頼度値として出力する。
算出される信頼度値は、細い縞模様状のテクスチャの強度が大きいほど信頼度値が大きくなるので、信頼度値が小さいほうが統計量による色分布形状の推定が確かである可能性が高いということになる。
次に、粗補間処理部284は、局所領域内の複数の位置においてR,G,B各色の強度の組が作れるよう、複雑な計算方法でない方法で、R,G,Bの推定値(ラフな推定値)を、補間によって算出する。図8および図9を用いて、粗補間処理部284による粗補間処理について説明する。
図8を用いて、粗補間処理部284による第1の粗補間処理について説明する。図8は、局所領域抽出部281により抽出された、9×9画素の局所領域の画素を示したものである。粗補間処理部284は、この9×9の画素領域のうち、2行目乃至8行目および2列目乃至8列目の7×7の画素位置上に、ラフな補間を用いてR,G,B強度を揃えるようにする。例えば、Gに注目すると、図中2行2列目の画素に示されるように、周囲斜め4方向の画素からGの補間値を計算することができ、2行4列目の画素に示されるように、上下2画素からRの補間値を計算することができ、また、2行6列目の画素に示されるように、左右2画素からBの補間値を計算することができる。カラーフィルタの色配列がベイヤー配列である場合、このような斜め4画素、上下2画素、左右2画素からの補間はどの画素位置でも可能であり、それぞれR,G,Bのいずれかの補間値となる。更に、各画素位置の信号の色(補正前の色)を含めると、各画素で必ずRの補間値が1つ、Gの補間値が2つ、Bの補間値が1つ得られる。ここで、Gの補間値は2つ得られるので、更に、それらの平均値を計算してGの補間値とすることができる。このようにして、粗補間処理部284は、R,G,Bのラフな推定値を各画素位置で算出することができる。
ここで、粗補間処理部284で得られるR,G,Bの推定値は、同じ位置におけるR,G,Bの推定値の組が得られればよいのであって、必ずしも本来のセンサの画素位置上でなくてもかまわない。図9を用いて、粗補間処理部284による第2の粗補間処理において説明する。図9においては、図8と同様に、局所領域抽出部281によって抽出された9×9画素の局所領域が示されている。
第2の粗補間処理においては、画素から水平および垂直にちょうど1/2だけずれた位置(すなわち、4つの画素に囲まれる、図中○で示される位置)について補間値を求めるようにする。○印は周囲各画素から水平・垂直に1/2画素ずれた位置であるので、周囲4画素に必ずRが1つ、Gが2つ、Bが1つ存在する。したがってR,Bに関してはNearestNeighbor補間(最近傍補間)をおこない、Gに関しては近傍2画素の平均値を計算して、R,G,Bの3色に関するラフな推定値を各画素位置で算出することができるようにすればよい。
次に、図10は、統計量算出部285の構成を示すブロック図である。ここでは、GとRの統計量を計算する場合、すなわち、デモザイク処理部253のうち、統計量算出部285−1の処理を例として説明する。
統計量算出部285は、平均値算出部331、平均値算出部332、分散算出部333、および、共分散算出部334によって構成されている。平均値算出部331は、粗補間処理部284が算出した、局所領域におけるラフなG強度補間値のセットの供給を受け、その平均値を算出する。同様に、平均値算出部332は、粗補間処理部284が算出した、局所領域におけるラフなR強度補間値のセットの供給を受け、その平均値を算出する。分散算出部333は、平均値算出部331が算出したGの平均値と、局所領域におけるラフなG強度補間値のセットの供給を受け、Gの分散値を算出する。共分散算出部334は、平均値算出部331が算出したGの平均値とラフなG強度補間値のセット、および、平均値算出部332が算出したRの平均値とラフなR強度補間値のセットを受け取り、GとRの共分散値を算出する。
平均値算出部331および平均値算出部332は、例えば、次の式(1)を用いて、平均値Mcを計算する。
Figure 2005117540
・・・(1)
式(1)において、Croughiは、供給された色C(R,G,または、C)のラフな強度補間値のi(i=1乃至N)番目のデータである。色Cは、平均値算出部331においてはGであり、平均値算出部332においてはRである。また、wiは、i番目のデータに対する重み値(重み付け係数)である。
重み値wiは、i番目のデータの位置から注目画素位置への距離などを指標として、予め設定されている値である。図11および図12に、重み付け係数wiの例を示す。図11は、粗補間処理部284において第1の粗補間処理が実行された場合の重み値wiを示すものであり、図11においては、図中四角形は9×9局所領域の画素位置を示し、四角形中の数字が該当する位置のデータの重み値を示す。図12は、粗補間処理部284において第2の粗補間処理が実行された場合の重み付け係数wiの例を示すものであり、図12においては、図中円で示される位置が、補間されたRGBの位置を示すものであり、円中の数字が該当する位置のデータの重み値を示す。これらの重み値の絶対値は、図11または図12に示されるものに制限されないことはいうまでもないが、これらに示されるように、注目画素位置に近いほど重み値が大きくなるように設定されるほうが好適である。
分散算出部332は、例えば次の式(2)に示される計算式によって第1の信号(ここではG)の分散値VC1C1を計算する。
Figure 2005117540
・・・(2)
この式において、C1roughiは、色C1(ここでは、G)のラフな強度補間値のi番目のデータ、MC1は色C1の平均値、wiはi番目のデータに対する重み値である。重み値wiは、平均値算出部331および平均値算出部333が用いたものと同じものを用いればよい。
共分散算出部334は、例えば次の式(3)に示される計算式によって、第1の信号(ここではG)と、第2の信号(ここではR)の共分散値VC1C2を計算する。
この式において、C2roughiは色C2(ここでは、R)のラフな強度補間値のi番目のデータ、MC2は色C2の平均値である。
Figure 2005117540
・・・(3)
式(2)を用いて説明した分散値の計算、および、式(3)を用いて説明した共分散の計算が実行された場合、定義どおりの正確な統計量が得られる。しかしながら、式(2)および式(3)の計算が実行された場合、積算が多く出現するために計算時間が長くなり、この演算をハードウェアで実現したときの回路規模が増加してしまう。そこで、より簡易な計算で、分散および共分散を算出するようにしてもよい。
例えば、共分散の演算に、次の式(4)を用いるようにしても良い。
Figure 2005117540
・・・(4)
ここで、関数sgn(a,b)は、2変数aとbの符号の一致を調べるものである。sgn(a,b)の出力は{1,0,-1}のうちのいずれかであるので、sgn{a,b}の演算は、実際には積算を必要としない。式(4)の計算は、式(3)の計算の各i番目のGとRとの偏差の積算を、GとRとの絶対偏差の和算に置き換えたものである。式(4)を用いて積算を和算に置き換えても、本発明の目的とする局所領域の色分布形状推定には充分な精度を有する近似値を算出することができる。
また、例えば、共分散の演算に、次の式(5)を用いるようにしても良い。
Figure 2005117540
・・・(5)
ここで、式(5)の計算は、式(3)の計算の各i番目のGとRとの偏差の積算を、GとRとの最小値の選択処理に置き換えたものである。なお、式(4)の計算より、式(5)の計算のほうが、式(3)における共分散演算への近似精度が良い。
式(4)または式(5)を用いて、式(3)に示される共分散の演算に対する近似演算が可能であることについて説明したが、式(2)を用いて説明した分散演算は、2つの入力が等しい場合の共分散と同等であるので、式(2)を用いて説明した分散演算も、式(4)または式(5)を用いて、同様にして近似演算することが可能であることはいうまでもない。具体的には、分散演算を近似した場合は、式(4)または式(5)のいずれを用いても、(C1roughi−MC12が(C1roughi−MC1)に近似される。
次に、図13は、回帰演算処理部286の構成を示すブロック図である。図13においては、Rに関する回帰演算処理部286(すなわち、回帰演算処理部286−1)を示しているが、GおよびBに関する動作は、RをGまたはBに置き換えればよいだけであり、基本的に同一の処理が実行される。
回帰演算処理部286は、傾き算出部351、傾き算出部352、傾き合成部353、および、画素強度推定部354で構成されている。
傾き算出部351は、Rの平均値MRとGの平均値MGに基づいたG−R色分布の傾きKmを算出する。具体的には、傾き算出部351は、式(6)の数式に示されるように、2つの平均値の比率を計算する。ここでは、C1はG、C2はRである。
Figure 2005117540
・・・(6)
Mthresholdはゼロで除算することにより値が発散するのを回避するための定数であり、十分に小さい正の値が予め設定されている。
傾き算出部352は、C1とC2の共分散値VC1,C2とC1の分散値VC1,C1に基づいたC1−C2の色分布の傾きKsを算出する。ここで、C1はG、C2はRである。具体的には、傾き算出部352は、式(7)に示されるように、分散、共分散値の比率を計算する。
Figure 2005117540
・・・(7)
Vthresholdは、ゼロで除算することによって値が発散するのを回避するための定数であり、十分に小さい正の値が予め設定される。式(7)におけるVthresholdを用いて、分母のC1の分散をクリップすることにより、ゼロによる除算を回避することができるが、Vthresholdを用いたクリッピングは、更に、画像の平坦部分におけるノイズを低減するために活用することができる。
すなわち、分母であるC1の分散は、その局所領域の輝度のばらつきを反映した値であり、その値が小さいことは、その局所領域が平坦であることと同義である。固体撮像素子のノイズは、画像が平坦であるほど良く目立つため、画像の平坦な部分に限ってノイズ低減処理を施すようにすると、全体の画像の品質を下げることなく、目立つノイズを効果的に低減させることができ、好適である。また、色分布の傾きKsの分母をクリップし、それ以上分母が小さくならないようにすることによって、Ksの絶対値が元の値より小さい値となるように抑制することができる。傾きKsの絶対値が小さく抑制されることによって、C1に対するC2の変化率が小さくなり、結果的に、その局所領域でのC2の振幅を抑制することができるという効果が生じる。
以上のように、傾きKsの分母に対するクリッピング処理により、画像が平坦かどうかの判定と出力振幅の抑制との両方の処理を実行した場合と同様に、ノイズ低減の作用がある。このように、本発明の色推定方法を用いれば、別途ノイズ低減処理を追加しなくても画像の平坦な部分で目立つノイズを抑制することができる。
傾き合成部353は、2つの傾き推定値KmとKsとを、信頼度hに基づいて合成し、傾き推定値Kを算出する。上述したとおり、分散、共分散に基づく傾き推定値Ksは、細い縞模様状のテクスチャがある領域では正しい推定ができるとは限らない。そこで、傾き合成部353は、細い縞模様状のテクスチャの強度を反映した信頼度hを用いて、例えば式(8)を用いて、平均値に基づく傾き推定値Kmと合成して、傾き推定値Kを算出するようにする。
Figure 2005117540
・・・(8)
そして、画素強度推定手段354は、得られた傾き推定値K、2つの平均値MGおよびMR、並びに、注目画素位置のG強度を、次の式(9)の線形回帰式に当てはめることによって、注目画素位置のR強度の推定値を算出する。
Figure 2005117540
・・・(9)
ここで、C1center、および、C2centerは、それぞれ、注目画素位置の第1の信号に対応する色C1(すなわちG)の強度、および、注目画素位置の第2の信号に対応する色C2(すなわちR)の強度推定値である。
また、画素強度推定手段354は、式(9)とは異なる回帰式を用いて、強度推定値を算出するようにしてもよい。例えば式(10)に示されるように、適当な定数uを傾き推定値Kに乗算させて、線形回帰計算を行うようにしてもよい。
Figure 2005117540
・・・(10)
式(10)において、第1項は第2の信号に対応する色C2(すなわち、R)強度の高周波成分、第2項は低周波成分と考えることができる。そして、式(10)においては、その高周波成分を適当な定数uで少し増強することにより、Rに対する適切な高域補正を実行した場合と同様の効果を得ることができる。このようにすることにより、別途高域補正処理を追加しなくても高域が補正された画像を得ることができる。
なお、上述した従来の第3の技術では、第2の信号に対応する色C2の強度の推定値をC2=MC2+β×(C1−MC1)という計算で求めるので、係数βが本発明のuに対応するかのようにみえる。しかしながら、従来の第3の技術においては、βは(C1−MC1)、すなわちC1強度の高周波成分を強調しているにすぎないので、第2の信号に対応する色C2の強度の高域成分を正しく補正することができるというわけではない。
以上においては、統計量算出部285において算出される、平均値、分散値、および共分散値を基に、回帰演算処理部286において、回帰直線の傾きKが算出される場合について説明したが、回帰直線の傾きは、これ以外の方法を用いて算出するようにしてもよい。
例えば、標準偏差および相関係数を用いて回帰直線の傾きを計算する定義式は以下の式(11)に表される。
Figure 2005117540
・・・(11)
標準偏差Sx,Syは、データ値が平均の周囲にどれだけの幅で分布しているのかを表す統計量であり、2変数のxy方向の変分を表すdx、dyに近い値であると考えられる。回帰直線は、この式(11)を用いて求めるようにしてもよい。
また、特に、正の傾きの直線上にデータが分布し、Rxyが1になる場合、Sx,Syはdx、dyと等価になる。つまり、計算の複雑な標準偏差を用いる代わりに、データ分布幅を表し、演算がより簡単な他の統計量があれば、Sx,Syを、データ分布幅を表す他の統計量に置き換えても、回帰直線の傾きは、近い振る舞いを示すことが期待できる。
そこで、データ分布幅を表す他の統計量として、標準偏差と並んでデータの分布幅を表すために用いられる平均偏差を代替に用いる。xの平均偏差Axの定義は、次の式(12)で示される。
Figure 2005117540
・・・(12)
同様にして、yの平均偏差Ayも、次の式(13)で示される。
Figure 2005117540
・・・(13)
平均偏差AxおよびAyを用いて、Rxyを書き改めると、次の式(14)が得られる。
Figure 2005117540
・・・(14)
標準偏差を用いた演算に平方根や乗算が必要であることと比較して、平均偏差は少ない計算量で算出することができる。そして、更に、Vxyの算出に用いられる乗算や、Ax,Ayの乗算を近似演算することで、Rxyの近似を高速に算出することができる。
このように、統計量算出部285において算出される、平均値、分散値、および共分散値を基に、回帰演算処理部286において、回帰直線の傾きKを算出する処理に代わって、標準偏差および相関関数を用いて、2系統のデータの2次元分布における回帰直線の傾きを計算したり、または、偏差と相関に関してそれぞれ近似演算した後、2系統のデータの2次元分布における回帰直線の傾きを計算するようにしてもよい。
次に、図14のフローチャートを参照して、図3のDSPブロック216の処理について説明する。
ステップS1において、画像用RAM241は、CCDイメージセンサ213に用いられているカラーフィルタにより定められる配列(例えば、図2を用いて説明したベイヤー配列)の周期的なパターンの強度信号により構成されるモザイク画像を取得して、一時保存する。
ステップS2において、信号処理用プロセッサ242のホワイトバランス調整部251は、モザイク画像に対して、無彩色の被写体領域の色バランスが無彩色になるように、各画素強度の持つ色に応じて適切な係数をかける処理であるホワイトバランス調整処理を行う。
ステップS3において、ガンマ補正部252は、ホワイトバランスがとられたモザイク画像の各画素強度に対し、表示部220に表示される画像の明るさや色の彩度が正しく表示されるようにガンマ補正を行う。
ステップS4において、デモザイク処理部253により、図15を用いて後述するデモザイク処理が実行される。
YC変換部254は、ステップS5において、デモザイク処理部253からの出力であるR,G,Bの3チャネル画像に、マトリックス処理およびクロマ成分に対する帯域制限をおこなうことで、YC変換を行い、Y画像およびC画像を生成し、ステップS5において、生成したY画像およびC画像を出力し、処理が終了される。
このような処理により、DSPブロック216は、供給されたモザイク画像信号に対して、各種処理を施して、Y画像およびC画像を生成し、CPU223の制御に基づいて、その画像データを表示部220に表示させる場合は、D/Aコンバータ218に、メモリ222に記憶させる場合は、コーデック処理部221に供給する。
次に、図15のフローチャートを参照して、図14のステップS4において実行されるデモザイク処理について説明する。
局所領域抽出部281は、ステップS21において、未処理の画素のうちのいずれかを注目画素とし、ステップS22において、注目画素位置の周辺の所定数(n×n)の画素を、局所領域として抽出し、G強度補間処理部282、信頼度算出部283、および、粗補間処理部284に供給する。
ステップS23において、図16のフローチャートを用いて後述する、粗補間処理が実行される。
ステップS24において、G強度補間処理部282は、局所領域抽出部281により抽出された局所領域内の画素を用いて、注目画素位置のG強度を算出し、信頼度算出部283、および、回帰演算処理部286−1乃至286−3に供給する
ステップS25において、図17のフローチャートを用いて後述する信頼度値算出処理が実行される。
ステップS26において、図18のフローチャートを用いて後述する2色分布形状の統計量算出処理が、統計量算出部285−1乃至285−3において並行して実行される。
ステップS27において、図28のフローチャートを用いて後述する補間画素推定処理が、回帰演算処理部286−1乃至286−3において並行して実行される。
ステップS28において、局所領域抽出部281は、全ての画素において処理が終了したか否かを判断する。ステップS28において、全ての画素において処理が終了していないと判断された場合、処理は、ステップS21に戻り、それ以降の処理が繰り返される。ステップS28において、全ての画素において処理が終了したと判断された場合、処理は、図14のステップS5に進む。
換言すれば、デモザイク処理部253を構成する各部は、ある注目画素位置が決定されたときにその注目画素位置においてそれぞれの処理を実行し、全画素において、ステップS21乃至ステップS27の処理が終了された場合、処理が終了される。
このような処理により、CCDイメージセンサ213が有するカラーフィルタの配列に基づいて得られるモザイク画像をデモザイク(色補間、または、同時化)して、各画素において、カラーフィルタを構成する各色が補間された画像データを得ることができる。
次に、図16のフローチャートを参照して、図15のステップS23において実行される粗補間処理について説明する。
粗補間処理部284は、ステップS41において、供給された局所領域の画素のうち、処理を実行する画素位置を示す第1のレジスタの値sを初期化して、s=2とし、ステップS42において、供給された局所領域の画素のうち、処理を実行する画素位置を示す第2のレジスタの値tを初期化して、t=2とする。
ステップS43において、粗補間処理部284は、画素(s、t)の画素強度を補間値α1とする。
ステップS44において、粗補間処理部284は、画素(s、t)の隣の画素である画素(s−1、t)と、画素(s、t)に対して画素(s−1、t)と逆方向の隣の画素である画素(s+1、t)との平均強度を補間値α2とする。
ステップS45において、粗補間処理部284は、画素(s、t)に対して、画素(s−1、t)および画素(s+1、t)の方向と垂直な方向の隣の画素である画素(s、t−1)と、画素(s、t)に対して画素(s、t−1)と逆方向の隣の画素である画素(s、t+1)との平均強度を補間値α3とする。
例えば、画素(s、t)が、図8における画素(2,2)である場合、その画素はG強度を示し、画素(s−1、t)と画素(s+1、t)とはR強度を示し、画素(s、t−1)と画素(s、t+1)とはB強度を示す。
ステップS46において、粗補間処理部284は、注目画素に対して、右斜め上、右斜め下、左斜め上、および、左斜め下方向である画素(s−1、t−1)、画素(s−1、t+1)、画素(s+1、t−1)、および、画素(s+1、t+1)の平均強度を補間値α4とする。
例えば、画素(s、t)が、図8における画素(2,2)である場合、その画素はG強度を示し、画素(s−1、t−1)、画素(s−1、t+1)、画素(s+1、t−1)、および、画素(s+1、t+1)も、それぞれG強度を示す。また、画素(s、t)が、図8における画素(2,3)である場合、その画素はB強度を示し、画素(s−1、t−1)、画素(s−1、t+1)、画素(s+1、t−1)、および、画素(s+1、t+1)は、それぞれ、R強度を示す。そして、画素(s、t)が、図8における画素(3,2)である場合、その画素はR強度を示し、画素(s−1、t−1)、画素(s−1、t+1)、画素(s+1、t−1)、および、画素(s+1、t+1)は、それぞれ、B強度を示す。
ステップS47において、粗補間処理部284は、ステップS43乃至ステップS46の処理により算出された補間値α1乃至α4が、それぞれ、RGBのいずれに対応するかを判定する。
カラーフィルタの配列が、図8を用いて説明したようなベイヤー配列であった場合、画素(s、t)がGの画素であるとき、補間値α1および補間値α4は、Gに対する補間値であり、補間値α2は、RまたはBに対する補間値のうちのいずれか一方であり、補間値α3は、RまたはBに対する補間値のうちの、補間値α2と異なる他方の補間値となる。また、画素(s、t)がRの画素であるとき、補間値α1は、Rに対する補間値であり、補間値α2および補間値α3は、Gに対する補間値であり、補間値α4は、Bに対する補間値となる。そして、(s、t)がBの画素であるとき、補間値α1は、Bに対する補間値であり、補間値α2および補間値α3は、Gに対する補間値であり、補間値α4は、Rに対する補間値となる。
ステップS48において、粗補間処理部284は、Gに対応する2つの補間値の平均値を、画素(s、t)のG補間値とする。
ステップS49において、粗補間処理部284は、Rに対応する補間値を、画素(s、t)のR補間値とする。
ステップS50において、粗補間処理部284は、Bに対応する補間値を、画素(s、t)のB補間値とする。
ステップS51において、粗補間処理部284は、処理を実行する画素位置を示す第2のレジスタの値tを参照し、t=n−1であるか否かを判断する。
ステップS51において、t=n−1ではないと判断された場合、ステップS52において、粗補間処理部284は、処理を実行する画素位置を示す第2のレジスタの値tを、t=t+1とし、処理は、ステップS43に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS53において、粗補間処理部284は、処理を実行する画素位置を示す第1のレジスタの値sを参照し、s=n−1であるか否かを判断する。
ステップS53において、s=n−1ではないと判断された場合、ステップS54において、粗補間処理部284は、処理を実行する画素位置を示す第1のレジスタの値sを、s=s+1とし、処理は、ステップS42に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS53において、s=n−1であると判断された場合、ステップS55において、粗補間処理部284は、注目画素付近の(n−2)の2乗個の画素のRGBの補間値の組を、統計量算出部285−1乃至285−3のそれぞれに出力し、処理は、図15のステップS24に進む。
このような処理により、局所領域として抽出されたn×nの画素に対して、注目画素を中心とした(n−2)×(n−2)個所の画素位置のそれぞれにおけるRGBの補間値が算出される。
ただし、図16を用いて説明した粗補間処理において、ステップS43乃至ステップS46の処理は相互に順序を入れ替えてもかまわなく、さらに、ステップS48乃至ステップS50の処理も、相互に順序を入れ替えてもかまわない。
次に、図17のフローチャートを参照して、図15のステップS25において信頼度算出部283により実行される、信頼度算出処理について説明する。
ステップS71において、信頼度算出部283の高周波抽出部321−1乃至321−6は、図6を用いて説明した、注目画素付近の所定の12の位置のG補間値のうち、自分自身が抽出する高周波を求めるために必要な画素位置のG補間値を算出する。
ステップS72において、高周波抽出部321−1乃至321−6は、ステップS71の処理において算出されたG補間値を基に、注目画素を中心とした、6方向の高周波成分を、それぞれ抽出し、加算処理部322に供給する。
ステップS73において、加算処理部322は、高周波抽出部321−1乃至321−6から供給された、6つの高周波成分を加算して、クリッピング処理部323に出力する。
ステップS74において、クリッピング処理部323は、加算処理部322から供給された加算結果をクリッピングし、その値を信頼度値として、回帰演算処理部286−1乃至286−3に出力し、処理は、図15のステップS26に進む。
このような処理により、注目画素近辺に高周波成分が存在するか否かを示す信頼度値が算出されて、回帰演算処理部286−1乃至286−3に出力される。算出される信頼度値は、細い縞模様状のテクスチャの強度が大きいほど信頼度値が大きくなるので、信頼度値が小さいほうが統計量による色分布形状の推定が確かである可能性が高い。
次に、図18のフローチャートを参照して、図15のステップS26において、統計量算出部285−1乃至285−3において実行される、2色分布形状の統計量算出処理について説明する。
なお、統計量算出部285−1乃至285−3においては、それぞれ、RGBのうち、2色の粗補間値の供給を受け(統計量算出部285−2においては、Gの粗補間値を2系統で供給される)、その統計量を同様の処理により算出することができるようになされているので、図18のフローチャートにおいては、統計量算出部285に供給される2色の粗補間値を、それぞれ、第1の信号および第2の信号として説明する。
ステップS91において、統計量算出部285の平均値算出部331は、粗補間値処理部284から供給された粗補間値のうちの、第1の信号(統計量算出部285−1乃至285−3のいずれにおいてもGの粗補間値)を取得する。
ステップS92において、平均値算出部331は、図19または図20のフローチャートを用いて後述する平均値計算処理を実行する。
ステップS93において、平均値算出部333は、粗補間値処理部284から供給された粗補間値のうちの、第2の信号(統計量算出部285−1においては、Rの粗補間値であり、粗補間値処理部285−2においてはGの粗補間値であり、粗補間値処理部285−3においてはBの粗補間値である)を取得する。
ステップS94において、平均値算出部333は、図19または図20のフローチャートを用いて後述する平均値計算処理を実行する。
ステップS95において、分散算出部332は、図21のフローチャートを用いて後述する、分散計算処理を実行する。
ステップS96において、共分散算出部334は、図22のフローチャートを用いて後述する、共分散近似計算処理を実行し、処理は、図15のステップS27に戻る。
次に、図19のフローチャートを参照して、図18のステップS92またはステップS94において実行される平均値計算処理1について説明する。
ステップS111において、平均値算出部331または平均値算出部333は、演算結果である平均値Mx(平均値Mxの添え字xは、G補間値の平均値が算出される場合Gに、R補間値の平均値が算出される場合Rに、B補間値の平均値が算出される場合Bに、それぞれ置き換えられる)を初期化する。
ステップS112において、平均値算出部331または平均値算出部333は、取得した補間値(ここでは、(n−2)の2乗個の補間値)を合計する。
ステップS113において、平均値算出部331または平均値算出部333は、ステップS112において算出された合計値を、取得した値の数(ここでは、(n−2)の2乗個)で除算する。
ステップS114において、平均値算出部331または平均値算出部333は、ステップS113の処理により算出された除算結果を出力し、処理は、図18のステップS93、または、ステップS95に進む。
また、平均値を求める場合、粗補間されたRGBのそれぞれの強度に、例えば、図11または図12を用いて説明したように、注目画素からの距離により、重み付けを施して、重み付けが施されたRGB強度を基に、平均値を求めるようにしても良い。
図20のフローチャートを参照して、図18のステップS92またはステップS94において実行される平均値計算処理2について説明する。
ステップS121において、平均値算出部331または平均値算出部333は、演算結果である平均値Mx(平均値Mxの添え字xは、G補間値の平均値が算出される場合Gに、R補間値の平均値が算出される場合Rに、B補間値の平均値が算出される場合Bに、それぞれ置き換えられる)を初期化する。
ステップS122において、平均値算出部331または平均値算出部333は、取得した補間値(ここでは、(n−2)の2乗個の補間値)に、例えば、図11または図12を用いて説明したような重み付けを施し、重み付けられた値を合計する。
ステップS123において、平均値算出部331または平均値算出部333は、重み付けの総和を演算する。
ステップS124において、平均値算出部331または平均値算出部333は、上述した式(1)を演算する。すなわち、ステップS124において、平均値算出部331または平均値算出部333は、ステップS122において算出された合計値を、取得した値の数(ここでは、(n−2)の2乗個)と、ステップS123において算出された重み付けの総和との積で除算する。
ステップS125において、平均値算出部331または平均値算出部333は、ステップS124の処理により算出された除算結果を出力し、処理は、図18のステップS93、または、ステップS95に進む。
次に、図21のフローチャートを参照して、図18のステップS95において実行される分散計算処理1について説明する。
ステップS141において、統計量算出部285の分散算出部332は、演算結果であるとして出力する分散値Vxx(ここでは、第1の信号は、全てG強度であるので、G補間値の分散値が算出される。したがって、Vxxの添え字xは、Gに置き換えられる)を初期化する。
ステップS142において、分散算出部332は、平均値算出部331により算出された第1の信号の平均値Mx(ここでは、第1の信号は、全てG強度であるので、Mxの添え字xは、Gに置き換えられる)を取得する。
分散算出部332は、ステップS143において、局所領域のうちの一部(注目画素を中心とした、(n−2)×(n−2)の範囲)の画素の粗補間値の供給を受け、そのうち、処理を実行する画素位置を示す第1のレジスタの値s'を初期化して、s'=1とし、ステップS144において、局所領域のうちの一部(注目画素を中心とした、(n−2)×(n−2)の範囲)の画素の粗補間値のうち、処理を実行する画素位置を示す第2のレジスタの値t'を初期化して、t'=1とする。
ステップS145において、分散算出部332は、画素(s’,t’)の強度X(ここでは、G強度)から、ステップS142において取得された平均値Mxを減算し、減算結果を2乗して、現在の分散値Vxxに加えた値を、分散値Vxxとして更新する。すなわち、分散算出部332は、Vxx=Vxx+(|画素(s’,t’)の強度X−平均値Mx|)2を演算する。分散算出部332は、この演算において、画素(s’,t’)の強度Xに対して、例えば、図11または図12を用いて説明したような重み付けを施すようにしても良い。
ステップS146において、分散算出部332は、処理を実行する画素位置を示す第2のレジスタの値t'を参照し、t'=n−2であるか否かを判断する。
ステップS146において、t'=n−2ではないと判断された場合、ステップS147において、分散算出部332は、第2のレジスタの値t'を、t'=t'+1に更新して、処理は、ステップS145に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS146において、t'=n−2であると判断された場合、ステップS148において、分散算出部332は、処理を実行する画素位置を示す第1のレジスタの値s'を参照し、s'=n−2であるか否かを判断する。
ステップS148において、s'=n−2ではないと判断された場合、ステップS149において、分散算出部332は、第1のレジスタの値s'を、s'=s'+1に更新して、処理は、ステップS144に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS148において、s'=n−2であると判断された場合、ステップS150において、分散算出部332は、局所領域のうちの一部(注目画素を中心とした、(n−2)×(n−2)の範囲)の粗補間値の分散値Vxxを出力し、処理は、図18のステップS96に戻る。
分散値の算出は、定義上では、(|画素(s’,t’)の強度X−平均値Mx|)2を分散値の演算に用いた画素の数で除算する必要があるが、分散値の算出結果は、後述する処理により、共分散値の算出結果の除算に用いられるため、共分散値の算出においても同数で除算される場合は、除算処理を、分散値の演算および共分散値の演算の両方にて省略することが可能である。
なお、分散値の算出において、重み付けが施された場合、式(2)を用いて説明した分散値の定義に示されるように、(|画素(s’,t’)の強度X−平均値Mx|)2を重み係数の総和で除算することにより、分散値を算出することができる。しかしながら、分散値の算出結果は、後述する処理により、共分散値の算出結果の除算に用いられるため、共分散値の算出においても重み付けが施されているときは、重み係数の総和での除算処理を、分散値の演算および共分散値の演算の両方にて省略することが可能である。
また、図21を用いて説明した分散計算処理1においては、2乗の計算があるため、演算処理に時間がかかったり、ハードウェアの規模が大きくなるという問題が発生する。そこで、近似計算により2乗の計算を省略するようにしても良い。
次に、図22のフローチャートを参照して、近似計算により2乗の計算を省略する場合に、図18のステップS95において実行される分散計算処理2について説明する。
ステップS171乃至ステップS174においては、図21を用いて説明したステップS141乃至ステップS144と同様の処理が実行される。
ステップS175において、分散算出部332は、画素(s’,t’)の強度X(ここでは、G強度)から、ステップS142において取得された平均値Mxを減算し、減算結果を2乗して、現在の分散値Vxxに加えた値を、分散値Vxxとして更新する。すなわち、分散算出部332は、Vxx=Vxx+(|画素(s’,t’)の強度X−平均値Mx|)を演算する。分散算出部332は、この演算において、画素(s’,t’)の強度Xに対して、例えば、図11または図12を用いて説明したような重み付けを施すようにしても良い。
値|p|が正規化され、0≦|P|<1が成り立っているとき、p2は|p|で近似することが可能である。これは、式(4)または式(5)を用いて、式(3)に示される共分散の演算に対する近似演算が可能であることと同様である。
そして、ステップS176乃至ステップS180においては、図21を用いて説明したステップS146乃至ステップS150と同様の処理が実行され、処理は、図18のステップS96に戻る。
このように、式(4)または式(5)を用いて、式(3)に示される共分散の演算に対する近似演算を行う場合と同様の近似演算処理により、分散値の演算に必要な2乗の計算を省略した近似演算により、分散値の近似値を求めることが可能となる。
次に、図23のフローチャートを参照して、図18のステップS96において実行される、共分散計算処理について説明する。
ステップS201において、共分散算出部334は、出力される値である共分散値Vxy(ここでは、第1の信号は、全てG強度であるので、Vxyの添え字xは、Gに置き換えられる。そして、第2の信号がR強度であるときVxyの添え字yはRに置き換えられ、第2の信号がG強度であるときVxyの添え字yはGに置き換えられる)を初期化する。
ステップS202において、共分散算出部334は、平均値算出部331による図18のステップS92の処理により算出された第1の信号の平均値Mx、および、平均値算出部333による図18のステップS94の処理により算出された第2の平均値Myを取得する。
ステップS203において、共分散算出部334は、局所領域のうちの一部(注目画素を中心とした、(n−2)×(n−2)の範囲)の画素の粗補間値の供給を受け、そのうち、処理を実行する画素位置を示す第1のレジスタの値s'を初期化して、s’=1とする
ステップS204において、共分散算出部334は、局所領域のうちの一部(注目画素を中心とした、(n−2)×(n−2)の範囲)の画素の粗補間値のうち、処理を実行する画素位置を示す第2のレジスタの値t'を初期化して、t’=1とする
ステップS205において、図25または図26を用いて後述する積算処理が実行される。
ステップS206において、共分散算出部334は、処理を実行する画素位置を示す第2のレジスタの値t'を参照し、t’=n−2であるか否かを判断する。
ステップS206において、t'=n−2ではないと判断された場合、ステップS207において、共分散算出部334は、第2のレジスタの値t'を、t'=t'+1に更新して、処理は、ステップS205に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS206において、t'=n−2であると判断された場合、ステップS208において、共分散算出部334は、処理を実行する画素位置を示す第1のレジスタの値s'を参照し、s'=n−2であるか否かを判断する。
ステップS208において、s'=n−2ではないと判断された場合、ステップS209において、共分散算出部334は、第1のレジスタの値s'を、s'=s'+1に更新して、処理は、ステップS144に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS208において、s'=n−2であると判断された場合、ステップS209において、共分散算出部334は、共分散値Vxyを出力して、処理は、図15のステップS27に進む。
共分散値の算出は、定義上では、(|画素(s’,t’)の強度X−平均値Mx|)(|画素(s’,t’)の強度y−平均値My|)を、共分散値の演算に用いた画素の数で除算する必要があるが、共分散値の算出結果は、後述する処理により、分散値の算出結果で除算されるため、分散値の算出においても同数で除算される場合は、除算処理を、分散値の演算および共分散値の演算の両方にて省略することが可能である。
なお、共分散値の算出において、重み付けが施された場合、式(3)を用いて説明した分散値の定義に示されるように、(|画素(s’,t’)の強度X−平均値Mx|)(|画素(s’,t’)の強度y−平均値My|)を重み係数の総和で除算することにより、共分散値を算出することができる。しかしながら、共分散値の算出結果は、後述する処理により、分散値の算出結果で除算されるため、分散値の算出においても重み付けが施されているときは、重み係数の総和での除算処理を、分散値の演算および共分散値の演算の両方にて省略することが可能である。
上述した図23の共分散計算処理のステップS205において実行される積算処理には、上述した式(3)を用いて、定義どおり、共分散値が算出される場合に実行される積算処理1と、近似演算を用いて共分散値が算出される場合に実行される積算処理2との、2種類の処理がある。
次に、図24のフローチャートを参照して、図23のステップS205において実行される積算処理1について説明する。積算処理1は、上述した式(3)を用いて、定義どおり、共分散値が算出される場合に実行される処理である。
ステップS221において、共分散算出部334は、(第1の信号の画素(s’,t’)の強度X−第1の信号の平均値Mx)と、(第2の信号の画素(s’,t’)の強度Y−第2の信号の平均値My)の積を演算する。
ステップS222において、共分散算出部334は、Vxy=Vxy+wi(積算結果)とし、処理は、図23のステップS206に進む。ここで、wiは、画素(s’,t’)における重み付けの値である。
このような積算処理が実行されることにより、上述した式(3)を用いて、定義どおり、共分散値が算出される。積算処理1が実行された場合、定義どおりの演算であるので、その演算結果は、非常に精度の高いものであるが、そのかわり、演算に時間がかかったり、ハードウェア実装におけるゲート数の増加を招いてしまう。
次に、図25のフローチャートを参照して、図23のステップS205において実行される積算処理2について説明する。積算処理2は、上述した式(4)または式(5)を用いて、近似された共分散値が算出される場合に実行される処理である。
ステップS241において、共分散算出部334は、{第1の信号の画素(s’,t’)の強度X−第1の信号の平均値Mx}をpとする。
ステップS242において、共分散算出部334は、{第2の信号の画素(s’,t’)の強度Y−第2の信号の平均値My}をqとする。
ステップS243において、図26、または、図27を用いて後述する積算近似処理が実行される。
ステップS244において、共分散算出部334は、Vxy=Vxy+(pqの近似値)とし、処理は、処理は、図23のステップS206に進む。
次に、図26のフローチャートを参照して、図25のステップS243において実行される積算近似処理1について説明する。積算近似処理1は、上述した式(4)を用いて、近似された共分散値が算出される場合に実行される処理である。
ステップS261において、共分散算出部334は、図25のステップS241およびステップS242において置き換えられた値pおよびqを用いて、|p|≧|q|であるか否かを判断する。
ステップS261において、|p|≧|q|であると判断された場合、ステップS262において、共分散算出部334は、p≧0であるか否かを判断する。
ステップS262において、p≧0であると判断された場合、ステップS263において、共分散算出部334は、pqの近似値=+qとし、処理は、図25のステップS244に戻る。
ステップS262において、p≧0ではないと判断された場合、ステップS264において、共分散算出部334は、pqの近似値=−qとし、処理は、図25のステップS244に戻る。
ステップS261において、|p|≧|q|ではないと判断された場合、ステップS265において、共分散算出部334は、q≧0であるか否かを判断する。
ステップS265において、q≧0であると判断された場合、ステップS266において、共分散算出部334は、pqの近似値=+pとし、処理は、図25のステップS244に戻る。
ステップS265において、q≧0ではないと判断された場合、ステップS267において、共分散算出部334は、pqの近似値=−pとし、処理は、図25のステップS244に戻る。
この処理において、qまたはpが0である場合、pqの近似値は必ず0となる。具体的には、qが0であるとき、|p|≧|q|は必ず成り立つので、pの値に関わらず、pqの近似値は0となる。また、pが0であるとき、|p|≧|q|は必ず成り立たないので、qの値に関わらず、pqの近似値は0となる。
図26を用いて説明した処理により、上述した式(4)を用いて、共分散値を近似することが可能である。
次に、図27のフローチャートを参照して、図25のステップS243において実行される積算近似処理2について説明する。積算近似処理1は、上述した式(5)を用いて、近似された共分散値が算出される場合に実行される処理である。
ステップS281において、共分散算出部334は、図25のステップS241およびステップS242において置き換えられた値pおよびqを用いて、pまたはqが0であるか否かを判断する。
ステップS281において、pまたはqが0であると判断された場合、ステップS281において、共分散算出部334は、pqの近似値を0とし、処理は、図25のステップS244に戻る。
ステップS281において、pおよびqはいずれも0ではないと判断された場合、ステップS283において、共分散算出部334は、pおよびqの関係は、p>0かつq>0、または、p<0かつq<0のうちのいずれか一方であるか否かを判断する。
ステップS283において、pおよびqの関係は、p>0かつq>0、または、p<0かつq<0のうちのいずれか一方であると判断された場合、ステップS284において、共分散算出部334は、pqの近似値を(|p|+|q|)/2とし、処理は、図25のステップS244に戻る。
テップS283において、pおよびqの関係は、p>0かつq>0、または、p<0かつq<0のうちのいずれでもないと判断された場合、ステップS285において、共分散算出部334は、pqの近似値を、(−|p|−|q|)/2とし、処理は、図25のステップS244に戻る。
なお、図25のステップS241およびステップS242において置き換えられた値pまたはqが、0の値を取ることは、非常にまれである。そこで、ステップS281およびステップS282の処理を省略するようにしてもよい。このようにすることにより、演算処理速度を高速化したり、ハードウェアの実装規模を縮小するようにすることが可能である。
図27を用いて説明した処理により、上述した式(5)を用いて、共分散値を近似することが可能である。
図25乃至図27を用いて説明した積算処理が実行されることにより、上述した式(4)または式(5)を用いて、共分散値を近似することが可能である。このようにした場合、式(3)に示される定義どおりの共分散値の演算が実行された場合と比較して、計算速度が高速化されたり、計算のために実装されるハードウェアのゲート数を少なくすることができるなどの利点が発生する。
次に、図28のフローチャートを参照して、図15のステップS27において実行される、補間画素推定処理について説明する。
ステップS321において、傾き算出部351は、上述した式(6)を用いて、平均値に基づく傾き推定値Kmを算出し、傾き合成部353に出力する。
ステップS322において、傾き算出部352は、上述した式(7)を用いて、分散値および共分散値に基づく傾き推定値Ksを算出し、傾き合成部353に出力する。
ここで、傾き算出部352は、上述した式(7)に示されるように、傾きKsの分母に対するクリッピング処理を行う。このクリッピング処理は、画像が平坦かどうかの判定と出力振幅の抑制との両方の処理を実行した場合と同様に、ノイズ低減の作用がある。この処理が実行されることにより、別途ノイズ低減処理を追加しなくても画像の平坦な部分で目立つノイズを抑制することができる。
ステップS323において、傾き合成部353は、ステップS321において算出された傾き推定値Kmと、ステップS322において算出された傾き推定値Ksとを、上述した式(8)を用いて、信頼度hに基づいて合成し、傾き推定値Kを算出し、画素強度推定部354に出力する。
ステップS324において、素強度推定部354は、ステップS323において算出された傾き推定値K、2つの平均値MGおよびMR(またはMB)、並びに、注目画素位置のG強度とを基に、上述した式(9)または式(10)の線形回帰式を用いて、注目画素位置のR強度(またはB強度)の推定値を算出し、処理は、図15のステップS28に戻る。
このような処理により、注目画素位置の各色の推定強度を算出することができる。特に、推定強度を算出する場合の線形回帰式に、上述した式(10)を用いて、傾きKに、1より大きな適当な定数uを乗算することにより、その高周波成分を少し増強して、Rに対する適切な高域補正を実行した場合と同様の効果を得ることができる。このようにすることにより、別途高域補正処理を追加しなくても高域が補正された画像を得ることができる。
特に、本発明が適用されたデモザイク処理の効果が顕著に現れるのは、色が変化する輪郭部分である。図29は、2つの物体領域Aと物体領域Bにまたがった輪郭部分が含まれている画像部分の7×7画素の局所領域を示す図である。ここで、上述したようなべイヤー配列のカラーフィルタにより得られるカラー画像は3色からなるが、ここで、輪郭部分における本発明の優位性を説明するには、2色における場合について説明すれば十分なため、説明の便宜上、図9に示される画像データは、C1とC2の2色で構成されるカラー画像であるものとして説明する。
ここで、図中の物体領域Aの色を(C1A,C2A)とし、物体領域Bの色を(C1B,C2B)とする。物体領域の境目である輪郭部は、通常、ピントのボケ、画素の受光面積に起因する積分効果、光学的ローパスフィルタの存在等の理由から、両方の物体の色が混合した色になっており、その色(C1C,C2C)は、(C1C,C2C)=WA×(C1A,C2A)+WB×(C1B,C2B)とあらわすことができる。ここで、WA、WBは混合の係数である。
もし、この局所領域の全画素の色が既知であれば、各画素の色を、図30に示されるように、C1−C2空間にプロットすることができる。図30において、各画素を示す点は、ノイズや物体のテクスチャに起因する輝度変動により多少散在するものの、輪郭上の画素の色が(C1A,C2A)、(C1B,C2B)の線形和であらわされる事実から、輪郭部を含むこの領域の画素が、(C1A,C2A)、(C1B,C2B)を結ぶ直線の近辺に分布することがわかる。したがって、ある画素におけるC1強度が既知であり、そのC1強度からC2強度を推定したいとき、この(C1A,C2A)からなるプロット群と、(C1B,C2B)からなるプロット群とを結ぶ直線が得られていれば、簡単にC2強度を推定できることがわかる。
この直線は、このような局所領域内の画素値のプロットが可能であれば、それを用いてC1とC2の線形回帰式を計算することにより得られる。ところが、デモザイク処理前の段階では、各画素における既知の色は、それぞれ1つしかない。本発明は、まず周囲にある画素を利用してC1とC2の強度の組を生成する(粗補間を実行する)ので、図30のように、画素値のC1−C2空間へのプロットを作ることが可能であり、色分布の線形回帰による正しい色強度の推定を行うことが可能なようになっている。
上述した従来の技術は、いずれも、本発明を適用した、図4の粗補間処理部284のようなC1とC2の強度の組を生成する手段を持たないので、図30のような、画素値のC1−C2空間へのプロットが不可能である。したがって、従来の技術を用いても、色分布の示す方向を正確に知ることができないので、正しい色強度の推定を行いことはできない。また、従来の技術は、いずれも色間に正の相関があることを仮定しているため、特に、図30に示すように、色分布が右下がりである場合、すなわちC1とC2が負の相関を示す場合においては、推定の誤りが著しく大きくなってしまう。これに対して、本発明を適用したデモザイク処理部253においては、色分布の右下がり、右上がりにかかわらず(すなわち、色間が正の相関を有しているか、不の相関を有しているかにかかわらず)、正しい推定を行うことができるという、顕著な効果を奏することができる。
以上のように、本発明をカラー固体撮像素子出力のデモザイク処理に適用すれば、被写体輪郭領域における偽色の発生を、従来技術よりも効果的に低減することができる。それは以下のような理由による。
まず、本発明においては、注目画素位置で第1の色(例えば、G)であるC1強度が既知である状態において、第2の色である(例えば、R,G,Bのいずれか)C2強度を推定したいときに、注目画素近傍において第1の色C1と第2の色C2との強度の組が複数算出されるので、この強度の組を用いて第1の色C1と第2の色C2との相関関係が正しく算出される。これに対して、従来技術では、C1とC2の強度の組に基づく統計量計算が行われないので、相関関係を正しく算出することができない。
また、本発明では、第1の色C1と第2の色C2との相関関係を調べるための統計量として、平均値、分散値の他に、共分散または相関係数が算出されるようにしたので、画像の輪郭領域など物体色が大きく変化し、第1の色C1と第2の色C2とが負の相関を示すような場合においても、正しく、負の相関を検出することができる。また、相関がそれほど強くない場合でも、2乗誤差最小の意味で、その相関の強さに応じた傾き推定を行うことが可能である。これに対して、従来技術のように、平均値や分散値のみで相関関係を調べる方法では、負の相関を検出できないし、また、相関が弱い場合の推定誤差が大きくなってしまう。
更に、本発明では、分散、共分散、相関係数等の、計算コストが大きい統計量計算を簡易な計算に置き換えて近似演算することができるようになされている。本発明で用いるこれらの統計量計算の簡易化は、デモザイク処理における第1の色C1と第2の色C2との相関関係推定において妥当な近似値を獲得するのに十分な精度をもっている。これに対して、従来技術では、このような計算の簡易化を行わないので、1画素あたりの計算量が非常に大きく、計算時間がかかったり、ハードウェアのゲート数が増加するなどの問題が発生する。
また、従来は、高域補正やノイズ低減処理を行うためのプロセスまたは回路を別途付加していたが、本発明を用いた場合、高域補正やノイズ低減処理をおこなうためのプロセスまたは回路を別途付加することなく、デモザイク処理で色を推定して補間すると同時に、高域補正やノイズ低減の効果を得ることができる。したがって、本発明を適用することにより、高域補正やノイズ低減処理などの性能を有する、簡素なカメラシステムを構築することが可能となる。
以上説明した処理においては、3色のベイヤー配列を用いたデジタルスチルカメラ201における画像処理において演算近似が実行される場合について説明したが、動画像を撮像することが可能なデジタルビデオカメラについても、本発明は適用可能である。デジタルビデオカメラに本発明が適用される場合、コーデック処理部221は、例えば、MPEG(Moving Picture Coding Experts Group/Moving Picture Experts Group)などの、デジタル画像データの圧縮または伸張アルゴリズムによる処理を実行する。また、例えば、ベイヤー配列以外の、他の配列を有するカラーフィルタ(例えば、4色のカラーフィルタなどであり、具体的には、ベイヤー配列の2×2のモザイク中の一方のGを、他の色で置き換えた2×2のカラーフィルタなど)を有するデジタルビデオカメラ、または、デジタルスチルカメラにおいても、本発明は適用可能であることは言うまでもない。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。
この場合、ソフトウェアをDSPブロック216が実行することにより、上述した機能が実現される。また、例えば、デジタルスチルカメラ201の処理の一部は、図31に示されるようなパーソナルコンピュータ401により実行することが可能となる。
図31において、CPU(Central Processing Unit)411は、ROM(Read Only Memory)412に記憶されているプログラム、または記憶部418からRAM(Random Access Memory)413にロードされたプログラムに従って、各種の処理を実行する。RAM413にはまた、CPU411が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU411、ROM412、およびRAM413は、バス414を介して相互に接続されている。このバス414にはまた、入出力インタフェース415も接続されている。
入出力インタフェース415には、キーボード、マウスなどよりなる入力部416、ディスプレイやスピーカなどよりなる出力部417、ハードディスクなどより構成される記憶部418、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部419が接続されている。通信部419は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。
入出力インタフェース415にはまた、必要に応じてドライブ420が接続され、磁気ディスク431、光ディスク432、光磁気ディスク433、もしくは、半導体メモリ434などが適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部418にインストールされる。
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェア(例えば、DSPブロック216や、その中に含まれている、デモザイク処理部253)に組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、図31に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを供給するために配布される、プログラムが記憶されている磁気ディスク431(フロッピディスクを含む)、光ディスク432(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク433(MD(Mini-Disk)(商標)を含む)、もしくは半導体メモリ434などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに供給される、プログラムが記憶されているROM412や、記憶部418に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記憶されるプログラムを記述するステップは、含む順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的もしくは個別に実行される処理をも含むものである。
本発明を適用したデジタルスチルカメラの構成を示すブロック図である。 ベイヤー配列について説明するための図である。 図1のDSPブロックの構成を示すブロック図である。 図3のデモザイク処理部の構成を示すブロック図である。 図3の信頼度算出部の構成を示すブロック図である。 信頼度算出部における画素強度の抽出位置について説明するための図である。 信頼度算出部において高周波成分を抽出するための画素強度の組について説明するための図である。 第1の粗補間処理について説明するための図である。 第2の粗補間処理について説明するための図である。 図3の統計量算出部の構成を示すブロック図である。 重み付け係数の例について説明するための図である。 重み付け係数の例について説明するための図である。 図3の回帰演算処理部の構成を示すブロック図である。 図3のDSPブロックが実行する画像処理についてについて説明するためのフローチャートである。 デモザイク処理について説明するためのフローチャートである。 粗補間処理について説明するためのフローチャートである。 信頼度算出処理について説明するためのフローチャートである。 2色分布形状の統計量算出処理について説明するためのフローチャートである。 平均値計算処理1について説明するためのフローチャートである。 平均値計算処理2について説明するためのフローチャートである。 分散計算処理1について説明するためのフローチャートである。 分散計算処理2について説明するためのフローチャートである。 共分散計算処理について説明するためのフローチャートである。 積算処理1について説明するためのフローチャートである。 積算処理2について説明するためのフローチャートである。 積算近似処理1について説明するためのフローチャートである。 積算近似処理2について説明するためのフローチャートである。 補間画素推定処理について説明するためのフローチャートである。 2つの物体領域Aと物体領域Bにまたがった輪郭部分が含まれている画像部分について説明するための図である。 図29における場合の画素値をC1−C2空間にプロットした場合について説明するための図である。 パーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
符号の説明
201 デジタルスチルカメラ, 216 DSPブロック, 242 信号処理用プロセッサ, 253 デモザイク処理部, 281 局所領域抽出部, 282 G強度補間処理部, 283 信頼度算出部, 284 粗補間処理部, 285 統計量算出部, 286 回帰演算処理部, 321 高周波抽出部, 322 加算処理部, 323 クリップ処理部, 331 平均値算出部, 332 分散値算出部, 333 平均値算出部, 334 共分散算出部, 351,352 傾き算出部, 353 傾き合成部, 354 画素強度推定部

Claims (23)

  1. 分光感度が異なる複数種類のフィルタを有し、複数種類の前記フィルタのうちのいずれかが画素ごとに用いられている画像センサによって得られたモザイク画像から、前記フィルタの前記分光感度により決まる複数の色に対応する前記画素位置毎の強度情報が全画素でそろうようなカラー画像を生成する画像処理装置において、
    注目画素位置近傍の所定の画素を用いて、複数の前記色のうちの第1の色および第2の色の強度情報の推定値の組を複数組算出する第1の算出手段と、
    前記第1の色の前記注目画素における強度情報を算出する第2の算出手段と、
    前記第1の算出手段により算出された前記推定値の組を用いて、前記注目画素位置近傍の前記第1の色および前記第2の色の2次元の色分布形状を推定する第1の推定手段と、
    前記第1の推定手段により推定された前記色分布形状と、前記第2の算出手段により算出された前記第1の色の前記注目画素における強度情報とを基に、前記第2の色の前記注目画素における強度情報を推定する第2の推定手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記第1の算出手段は、前記注目画素位置近傍の所定の位置における前記第1の色の強度情報と前記第2の色の強度情報とを、補間処理を用いて算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記第1の算出手段は、前記注目画素位置近傍の前記第1の色に対応する強度情報を有する前記画素位置の前記第2の色の強度の補間値を、前記注目画素位置近傍の前記画素が有する強度情報を用いて算出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記第1の算出手段は、前記注目画素位置近傍の前記第2の色に対応する強度情報を有する前記画素位置の前記第1の色の強度の補間値を、前記注目画素位置近傍の前記画素が有する強度情報を用いて算出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  5. 前記第1の算出手段は、前記注目画素位置近傍の前記第1の色に対応する強度情報を有する第1の画素位置と、位置前記注目画素位置近傍の前記第2の色に対応する強度情報を有する第2の画素位置とのいずれの画素位置からも1/2画素ずれた位置における前記第1の色の強度の補間値および前記第2の色の強度の補間値を、前記注目画素位置近傍の前記画素が有する強度情報を用いて算出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  6. 前記第1の推定手段は、
    前記色分布の重心を算出する第3の算出手段と、
    前記色分布の傾きを算出する第4の算出手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 前記第3の算出手段は、前記第1の算出手段により算出された前記推定値を基に、前記第1の色および前記第2の色のそれぞれの強度情報の重み付け平均値を算出して、前記色分布の重心とする
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記第3の算出手段は、前記第1の算出手段により算出された前記推定値を基に、前記第1の色および前記第2の色のそれぞれの強度情報の中央値を算出して、前記色分布の重心とする
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  9. 前記第2の推定手段は、前記第3の算出手段により算出された前記色分布の重心、および前記第4の算出手段により算出された前記色分布の傾きを基に、線形回帰を行い、前記第2の色の前記注目画素における強度情報を推定する
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  10. 前記第1の推定手段は、前記第3の算出手段により算出された前記色分布の重心を基に、前記第1の色の色分布の重心に対する前記第2の色の重心の色分布の比率を算出する第5の算出手段を更に備え、
    前記第4の算出手段は、前記第5の算出手段により算出された前記色分布の比率を用いて、前記色分布の傾きを算出する
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  11. 前記第1の推定手段は、
    前記第1の算出手段により算出された前記推定値を基に、前記第1の色の分散値を算
    出する第5の算出手段と、
    前記第1の算出手段により算出された前記推定値を基に、前記第1の色と前記第2の
    色との共分散値を算出する第6の算出手段と、
    前記第5の算出手段により算出された前記分散値に対する、前記第6の算出手段によ
    り算出された前記共分散値の比率を算出する第7の算出手段と
    を更に備え、
    前記第4の算出手段は、前記第7の算出手段により算出された前記分散値に対する
    前記共分散値の比率を用いて、前記色分布の傾きを算出する
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  12. 前記第5の算出手段は、近似演算により、前記第1の色の分散値の近似値を算出する
    ことを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
  13. 前記第6の算出手段は、近似演算により、前記第1の色の共分散値の近似値を算出する
    ことを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
  14. 前記第7の算出手段は、前記分散値と所定の閾値とを比較し、前記分散値が前記閾値よりも小さい値である場合、前記分散値に代わって、前記閾値に対する、前記第6の算出手段により算出された前記共分散値の比率を算出する
    ことを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
  15. 前記第4の算出手段は、前記第1の算出手段により算出された前記推定値を基に、前記第1の色の標準偏差値に対する前記第2の色の標準偏差値の比率、および、前記第1の色と前記第2の色との相関関数を基に、前記色分布の傾きを算出する
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  16. 前記第4の算出手段は、前記標準偏差値の近似値として、平均偏差値を用いて、前記色分布の傾きを算出する
    ことを特徴とする請求項15に記載の画像処理装置。
  17. 前記第4の算出手段は、前記相関関数を近似演算により求めることにより、前記色分布の傾きを算出する
    ことを特徴とする請求項15に記載の画像処理装置。
  18. 傾きの推定値の信頼度を示す値を算出する信頼度算出手段を更に備え、
    前記第1の推定手段は、
    傾きの推定値を算出する複数の傾き推定値算出手段を更に備え、
    前記第4の算出手段は、前記信頼度算出手段により算出された前記信頼度を示す値を基
    に、複数の前記傾き推定値算出手段により算出されたそれぞれの前記傾きの推定値を合
    成して、前記色分布の傾きを算出する
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  19. 前記第1の推定手段は、
    前記第3の算出手段により算出された前記色分布の重心を基に、前記第1の色の色分
    布の重心に対する前記第2の色の重心の色分布の比率を算出する第5の算出手段と、
    前記第1の算出手段により算出された前記推定値を基に、前記第1の色の分散値を算
    出する第6の算出手段と、
    前記第1の算出手段により算出された前記推定値を基に、前記第1の色と前記第2の
    色との共分散値を算出する第7の算出手段と、
    前記第6の算出手段により算出された前記分散値に対する、前記第7の算出手段によ
    り算出された前記共分散値の比率を算出する第8の算出手段と
    を更に備え、
    複数の前記傾き推定値算出手段は、前記第5の算出手段および前記第8の算出手段を
    含み、
    前記信頼度算出手段は、前記注目画素位置における高周波成分を検出して、前記高周波成分が大きい場合、前記第5の算出手段により算出された比率による傾き推定値の信頼度が高くなるように前記信頼度を示す値を算出し、前記高周波成分が小さい場合、前記第8の算出手段により算出された比率による傾き推定値の信頼度が高くなるように前記信頼度を示す値を算出する
    ことを特徴とする請求項18に記載の画像処理装置。
  20. 前記第2の推定手段は、前記第3の算出手段により算出された前記色分布の重心を用いるとともに、前記第4の算出手段により算出された前記色分布の傾きに、1より大きな所定の係数を乗じた値を用いて線形回帰を行い、前記第2の色の前記注目画素における強度情報を推定する
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  21. 前記モザイク画像に強度変換を施す強度変換処理手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  22. 分光感度が異なる複数種類のフィルタを有し、複数種類の前記フィルタのうちのいずれかが画素ごとに用いられている画像センサによって得られたモザイク画像から、前記フィルタの前記分光感度により決まる複数の色に対応する前記画素位置毎の強度情報が全画素でそろうようなカラー画像を生成する画像処理装置の画像処理方法において、
    注目画素位置近傍の所定の画素を用いて、複数の前記色のうちの第1の色および第2の色の強度情報の推定値の組を複数組算出する第1の算出ステップと、
    前記第1の色の前記注目画素における強度情報を算出する第2の算出ステップと、
    前記第1の算出ステップにより算出された前記推定値の組を用いて、前記注目画素位置近傍の前記第1の色および前記第2の色の2次元の色分布形状を推定する第1の推定ステップと、
    前記第1の推定ステップにより推定された前記色分布形状と、前記第2の算出ステップにより算出された前記第1の色の前記注目画素における強度情報とを基に、前記第2の色の前記注目画素における強度情報を推定する第2の推定ステップと
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  23. 分光感度が異なる複数種類のフィルタを有し、複数種類の前記フィルタのうちのいずれかが画素ごとに用いられている画像センサによって得られたモザイク画像から、前記フィルタの前記分光感度により決まる複数の色に対応する前記画素位置毎の強度情報が全画素でそろうようなカラー画像を生成する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    注目画素位置近傍の所定の画素を用いて、複数の前記色のうちの第1の色および第2の色の強度情報の推定値の組を複数組算出する第1の算出ステップと、
    前記第1の色の前記注目画素における強度情報を算出する第2の算出ステップと、
    前記第1の算出ステップにより算出された前記推定値の組を用いて、前記注目画素位置近傍の前記第1の色および前記第2の色の2次元の色分布形状を推定する第1の推定ステップと、
    前記第1の推定ステップにより推定された前記色分布形状と、前記第2の算出ステップにより算出された前記第1の色の前記注目画素における強度情報とを基に、前記第2の色の前記注目画素における強度情報を推定する第2の推定ステップと
    を含むことを特徴とする処理をコンピュータに実行させるプログラム。
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