JP2005114487A - ガスセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 容易かつ確実に検出精度を向上させることができるガスセンサの提供。
【解決手段】 排気ガスが流通する排気管20に対して設置され、排気ガスの濃度を検出ために用いられるガスセンサ1は、その周囲が排気ガスに晒されると共に、その内側が空気に晒される検出素子2と、検出素子2を覆って該検出素子2の周囲に排気ガス雰囲気を形成する保護カバー6と、保護カバー6の根元部に形成されており、排気ガスがカバー内を通過することを許容する複数の根元側開口部61r,62rと、保護カバー6の先端部に形成されており、排気ガスがカバー内を通過することを許容する複数の先端側開口部61t,62tとを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、所定の被測定ガスが流通する流路に対して設置されるガスセンサに関する。
従来から、内燃機関の排気系統には、排気ガス中の酸素濃度を検出するためのガスセンサ(空燃比センサまたはO2センサ)が設置されている。この種のガスセンサは、内外の表面に電極が積層されている固体電界質等からなる検出素子を含む。また、この検出素子の内表面側には大気(空気)が導入される一方、その外表面側には燃焼室からの排気ガスが導入される。そして、検出素子の電極間に電圧が印加されると、検出素子は、排気ガス中の酸素濃度に応じた値の電流(限界電流)を出力する(例えば、特許文献1および2参照。)。
上述のような検出素子を含むガスセンサでは、素子内表面側の空気と外表面側の排気ガスとが混ざり合ってしまうと、測定対象である排気ガス等の酸素濃度を正確に検出することが困難となる。このため、上述のようなガスセンサには、検出素子内外の大気雰囲気と排気雰囲気とを充分に気密的に分離すべく、タルク等の粉体材料が高密度に充填されている。また、検出素子内外の大気雰囲気と排気雰囲気との気密的分離をより一層確実なものとするために、上記検出素子が固定される絶縁碍子と、この絶縁碍子が挿入されるハウジングとの間に、ニッケル、ニッケル合金、チタン、ステンレス鋼のいずれか一種以上からなるパッキンが配置されたガスセンサも知られている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、検出素子を構成するセラミック等と、検出素子を保持するハウジングを構成する金属等とでは熱膨張係数が異なるので、検出素子とハウジングとの隙間等を介して大気雰囲気から排気雰囲気へと空気が漏洩するのを完全に防止することは実際上困難である。すなわち、上述のようなパッキン等を採用しても、検出素子内外の大気雰囲気と排気雰囲気とを気密的に分離することには限界があり、このような大気雰囲気と排気雰囲気との気密的分離を推し進めるだけでは、却ってガスセンサのコストアップを招くおそれもある。このため、従来から、容易に検出精度を向上させ得るガスセンサの出現が望まれている。
そこで、本発明は、容易かつ確実に検出精度を向上させることができるガスセンサの提供を目的とする。
本発明によるガスセンサは、所定の被測定ガスが流通する流路に対して設置されるガスセンサにおいて、一側が被測定ガスに晒されると共に、他側が被測定ガスとは異なる流体に晒される検出素子と、検出素子を覆い、該検出素子の一側に被測定ガスの雰囲気を形成するカバーと、カバーの根元部に形成されており、被測定ガスがカバー内を通過することを許容する複数の根元側開口部と、カバーの先端部に形成されており、被測定ガスがカバー内を通過することを許容する複数の先端側開口部とを備えることを特徴とする。
このガスセンサは、流路を流通する被測定ガスの濃度等を検出するための検出素子を有するものであり、検出素子の一側は、例えば内燃機関の排気ガス等の被測定ガスに晒される一方、検出素子の他側は、例えば空気(大気)等の被測定ガスとは異なる流体に晒される。そして、この検出素子は、被測定ガスと当該流体との間における特定成分(例えば酸素)の濃度差に応じた信号を出力する。
ここで、このような検出素子を備えたガスセンサでは、検出素子とそれを保持するハウジングとの隙間等を介して、検出素子の他側から一側に被測定ガスとは異なる流体が漏洩することがあり、漏洩した流体が被測定ガスに混入すると、検出素子の一側と他側との間における上記特定成分の濃度差が変化し、センサの検出精度が損なわれてしまう。このような点に鑑みて、このガスセンサでは、検出素子の一側に被測定ガスの雰囲気を形成するためのカバーの根元部に、被測定ガスが当該カバー内を通過することを許容する複数の根元側開口部が形成され、根元部から一定の間隔をおいたカバーの先端部に、被測定ガスがカバー内を通過することを許容する複数の先端側開口部が形成される。
これにより、カバー内の検出素子周辺における被測定ガスの流れは、複数の根元側開口部を通過する流れと、複数の先端側開口部を通過する流れとに概ね二極化されることになる。従って、検出素子の他側から一側に被測定ガスとは異なる流体が漏洩しても、漏洩した流体は、カバーの根元部に形成された複数の根元側開口部を通過する被測定ガスによってカバー外へと排出(パージ)され、当該流体が検出素子の先端部の周囲に達することが阻止される。そして、複数の根元側開口部よりも先端側の検出素子の周囲は、カバーの先端部に形成された先端側開口部を介してカバー内を通過する被測定ガスで満たされ、実質的に検出素子の他側から漏洩した被測定ガスとは異なる流体が存在しない状態となる。この結果、このガスセンサによれば、容易かつ確実に検出精度を向上させることが可能となる。
また、暖機性を向上させるべくヒータを備えたガスセンサでは、当該ヒータにより検出素子の先端部が重点的に加熱されるが、この場合、低温始動直後等に、排気系統に存在している凝縮水が高温の検出素子(先端部)に接触すると、検出素子の割れ等が発生してしまうおそれがある。これに対して、本発明では、検出素子の他側から一側に漏洩した被測定ガスとは異なる流体がカバーの根元側開口部を通過する被測定ガスによってカバー外へと排出され、当該流体が検出素子の先端部の周囲に達することが阻止される。従って、本発明によれば、カバーの先端側開口部の面積を必要最小限にすることができるので、ヒータを備えたガスセンサにおいて、凝縮水に対する検出素子の耐久性を向上させることができる。なお、検出素子の根元部は、比較的低温に保たれ、凝縮水の影響を受け難いことから、先端側開口部と比較して、カバーの根元側開口部の面積を広くすることができる。
この場合、根元側開口部の開口面積の合計は、先端側開口部の開口面積の合計よりも大きいと好ましい。
このような構成を採用すれば、カバーの根元部の内部を通過する被測定ガスの流量を増加させることができる。従って、かかる構成によれば、検出素子の他側から一側に漏洩した流体を被測定ガスによってカバー外へと確実に排出(パージ)させ、漏洩した流体が検出素子の先端部の周囲に達することを確実に阻止可能となる。
また、複数の根元側開口部を含むガス経路における通気抵抗は、複数の先端側開口部を含むガス経路における通気抵抗よりも小さいと好ましい。
このような構成を採用しても、カバーの根元部の内部を通過する被測定ガスの流量を増加させることができる。従って、かかる構成によっても、検出素子の他側から一側に漏洩した流体を被測定ガスによってカバー外へと確実に排出(パージ)させ、漏洩した流体が検出素子の先端部の周囲に達することを確実に阻止可能となる。
更に、複数の根元側開口部を含むガス経路と、複数の先端側開口部を含むガス経路とを概ね分断する仕切手段を更に備えると好ましい。
このような構成を採用すれば、カバー内における被測定ガスの流れの二極化をより一層促進させることが可能となる。
また、根元側開口部は、先端部から根元部に向けて斜めに延在するように形成されていると好ましい。
このような構成のもとでは、根元側開口部からカバー内に流入する流れを根元側に指向させて、検出素子の先端部から遠ざけることができるので、カバー内における被測定ガスの流れの二極化をより一層促進させ、検出素子の他側から一側に漏洩した流体が検出素子の先端部の周囲に達することを確実に阻止可能となる。
本発明によれば、容易かつ確実に検出精度を向上させることができるガスセンサの実現が可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明によるガスセンサの第1実施形態を示す要部拡大断面図である。同図に示されるガスセンサ1は、車両用内燃機関の空燃比センサ(O2センサ)として利用されると好適なものであり、ジルコニアやチタニアといった固体電解質(セラミック)からなる検出素子2を含む。検出素子2は、有底筒状に形成されており、その内表面に白金電極3を、その外表面に白金電極4を有している。検出素子2の外表面の白金電極4上には、必要に応じて拡散抵抗層(保護コーティング、図示省略)が積層される。
図1は、本発明によるガスセンサの第1実施形態を示す要部拡大断面図である。同図に示されるガスセンサ1は、車両用内燃機関の空燃比センサ(O2センサ)として利用されると好適なものであり、ジルコニアやチタニアといった固体電解質(セラミック)からなる検出素子2を含む。検出素子2は、有底筒状に形成されており、その内表面に白金電極3を、その外表面に白金電極4を有している。検出素子2の外表面の白金電極4上には、必要に応じて拡散抵抗層(保護コーティング、図示省略)が積層される。
検出素子2は、例えばSUS等の金属により形成されたハウジング(本体)5の内部に保持されている。そして、ハウジング5には、検出素子2を覆う保護カバー6が固定されており、ガスセンサ1は、保護カバー6が排気管(流路)20の内部に臨むように内燃機関に対して配置される。保護カバー6は、図1に示されるように、二重構造を有しており、外側カバー61と内側カバー62とを含む。
図1に示されるように、外側カバー61の根元部(ハウジング5に対する接合部近傍)には、被測定ガスとしての排気ガスの通過を許容する複数の根元側開口部61rが形成され、同様に、内側カバー62の根元部(ハウジング5に対する接合部近傍)にも、被測定ガスとしての排気ガスの通過を許容する複数の根元側開口部62rが形成されている。また、根元部から一定の間隔をおいた外側カバー61の先端部(カバー側部およびカバー底部)には、被測定ガスとしての排気ガスの通過を許容する複数の先端側開口部61tが形成されている。同様に、根元部から一定の間隔をおいた内側カバー62の先端部(カバー側部およびカバー底部)にも、被測定ガスとしての排気ガスの通過を許容する複数の先端側開口部62tが形成されている。
これにより、検出素子2の外表面の白金電極4と、保護カバー6(内側カバー62)との間の空間には、根元側開口部61r,62rおよび先端側開口部61t,62tを介して排気管20内を流通する排気ガスが導入されることになり、検出素子2の外表面(白金電極4)の周囲(一側)には、保護カバー6(内側カバー62)により排気ガス(被測定ガス)の雰囲気が形成される。一方、検出素子2の内部空間(白金電極3と接する空間)には、図示されないヒータが配置されると共に、大気(被測定ガスとは異なる流体)が導入され、検出素子2の内部(他側)には、大気雰囲気が形成されることになる。
検出素子2の白金電極3および白金電極4の間には電圧が印加され、これにより、検出素子2からは、被測定ガスとしての排気ガスと検出素子2内の空気(大気)との間における酸素の濃度差に応じた値の電流(限界電流)が出力される。なお、検出素子2内のヒータは、図示されないヒータ電流制御回路および電源に接続されており、ヒータへの電流を制御することにより、検出素子2の温度を調整して検出素子2の活性度を変化させることができる。
さて、上述の検出素子2を備えたガスセンサ1では、検出素子2内の大気雰囲気と、検出素子2の周囲の排気ガス雰囲気とを充分に気密的に分離すべく、タルク等の粉体材料(図示省略)が高密度に充填されている。しかしながら、検出素子2を構成するセラミック等と、検出素子2を保持するハウジング5を構成する金属(SUS)等とでは熱膨張係数が異なるので、検出素子2とハウジング5との隙間等を介して検出素子2の内部(大気雰囲気)から検出素子2の周囲(排気ガス雰囲気)へと空気(酸素)が漏洩するのを完全に防止することは実際上困難である。そして、検出素子2の内部から空気が漏洩して検出素子2の周囲の排気ガスに混入すると、検出素子2の内部と外部との間における酸素の濃度差が小さくなるので、その分だけセンサの検出精度が損なわれてしまう。
このような点に鑑みて、本実施形態のガスセンサ1では、上述のように、検出素子2の周囲に排気ガス雰囲気を形成する保護カバー6(外側カバー61および内側カバー62)の根元部に、複数の根元側開口部61r,62rが形成され、根元部から一定の間隔をおいた保護カバー6(外側カバー61および内側カバー62)の先端部に、複数の先端側開口部61t,62tが形成されている。これにより、保護カバー6内の検出素子2の周辺における排気ガスの流れは、図1に示されるように、複数の根元側開口部61rおよび62rを通過する流れと、複数の先端側開口部61tおよび62tを通過する流れとに概ね二極化されることになる。
従って、検出素子2とハウジング5との隙間等を介して検出素子2の内部から周囲に空気が漏洩しても、漏洩した空気(図1における破線参照)は、外側カバー61および内側カバー62の根元部に形成された複数の根元側開口部61rおよび62rを通過する排気ガス(図1における実線参照)によって保護カバー6の外へと排出(パージ)され、その結果、漏洩した空気が検出素子2の先端部の周囲に達することが阻止される。
そして、複数の根元側開口部61rおよび62rよりも先端側の検出素子2の周囲は、外側カバー61および内側カバー62の先端部に形成された先端側開口部61tおよび62tを介して保護カバー6(内側カバー62)内を通過する排気ガスで満たされ、実質的に検出素子2の内側から漏洩した空気が存在しない状態となる。従って、このガスセンサ1によれば、検出素子2の周囲の排気ガスが内側から漏洩した空気(酸素)によって希釈化されてしまうことが抑制されるので、容易かつ確実にその検出精度を向上させることが可能となる。
この結果、ガスセンサ1を備えた内燃機関では、排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比付近にあるにも拘らず、ガスセンサ1からλ>1、すなわち、排気ガスがリーンである旨の出力がなされてしまうことが抑制されるので、ガスセンサ1の出力に基づいて行われる空燃比制御の精度を向上させることが可能となる。そして、このようにガスセンサ1を備えた内燃機関では、精度のよい空燃比制御が実行されることから、三元触媒によるHCやCOの浄化性能を良好に維持することが可能となる。
また、上述のような保護カバー6の内部における排気ガス流の二極化による検出精度の改善は、単に、保護カバー6(外側カバー61および内側カバー62)の根元部と先端部という2つの領域のそれぞれに複数の開口部61r,62r,61tおよび62tを形成するだけで得られるものである。従って、本発明によれば、ガスセンサ1の構造を複雑化させることなく、ガスセンサ1を低コストで構成可能となる。
更に、上述のガスセンサ1では、複数の根元側開口部61rおよび62rを通過する排気ガスによって検出素子2の内側から漏洩した空気(酸素)が保護カバー6の外(排気管20の内部)へと確実に排出(パージ)されるので、空気が混ざった排気ガスを保護カバー6の外に排出させるべく外側カバー61および内側カバー62に必要以上に開口部を設けなくてもよい。この結果、ガスセンサ1における開口部61r,62r,61tおよび62tの総数は必要最小限で足り、これにより、ガスセンサ1は、高い耐被水性をも有することになる。
また、暖機性を向上させるべくヒータを備えたガスセンサ1では、当該ヒータにより検出素子2の先端部が重点的に加熱されるが、この場合、低温始動直後等に、排気管20内に存在している凝縮水が高温の検出素子2の先端部に接触すると、検出素子2の割れ等が発生してしまうおそれがある。これに対して、本発明では、検出素子2の内側から漏洩した空気が根元側開口部61r,62rを通過する排気ガスによってカバー外へと排出され、空気が検出素子2の先端部の周囲に達することが阻止される。従って、本発明によれば、先端側開口部61t,62tの面積を必要最小限にすることができるので、ヒータを備えたガスセンサ1において、凝縮水に対する検出素子2の耐久性を向上させることができる。なお、検出素子2の根元部は、比較的低温に保たれ、凝縮水の影響を受け難いことから、先端側開口部61t,62tと比較して、根元側開口部61r,62rの面積を広くすることができる。
なお、上述のガスセンサ1においては、外側カバー61の内部に入り込んだ排気ガスが検出素子2に直接衝突しないように、外側カバー61の根元側開口部61rと、それらの内側に位置する内側カバー62の根元側開口部62rとを、更に、外側カバー61の先端側開口部61tと、それらの内側に位置する内側カバー62の先端側開口部62tとを、図1に示されるように、検出素子2の軸方向(図中上下方向)に離間させる(ずらす)と好ましい。
この場合、保護カバー6の内部における排気ガスの流れの二極化を促進させる上では、図1に示されるように、内側カバー62の根元側開口部62rを外側カバー61の根元側開口部61rよりも根元側(図中上側)に配置すると共に、内側カバー62の先端側開口部62tを外側カバー61の先端側開口部61tよりも先端側(図中下側)に配置するとよい。
また、外側カバー61の内部に入り込んだ排気ガスが検出素子2に直接衝突しないようにするためには、外側カバー61の根元側開口部61rと、それらの内側に位置する内側カバー62の根元側開口部62rとを、更に、外側カバー61の先端側開口部61tと、それらの内側に位置する内側カバー62の先端側開口部62tとを、図2に示されるように、検出素子2の径方向にオフセットする(ずらす)と好ましい。
〔第2実施形態〕
以下、図3〜図5を参照しながら、本発明の第2実施形態について説明する。なお、上述の第1実施形態に関連して説明されたものと同一の要素には同一の参照符号が付され、重複する説明は省略される。
以下、図3〜図5を参照しながら、本発明の第2実施形態について説明する。なお、上述の第1実施形態に関連して説明されたものと同一の要素には同一の参照符号が付され、重複する説明は省略される。
第2実施形態に係るガスセンサ1Aは、基本的には、上述の第1実施形態に係るガスセンサ1と同様の構成を有するものであるが、このガスセンサ1Aでは、図3からわかるように、外側カバー61の各根元側開口部61rおよび内側カバー62の各根元側開口部62rの開口面積(内径)が、外側カバー61の各先端側開口部61tおよび内側カバー62の各先端側開口部62tの開口面積(内径)よりも大きく設定されている。すなわち、本実施形態に係るガスセンサ1Aでは、根元側開口部61rおよび62rの開口面積の合計が、先端側開口部61tおよび62tの開口面積の合計よりも大きくなっている。
これにより、ガスセンサ1Aでは、保護カバー6(外側カバー61および内側カバー62)の根元部の内部を通過する排気ガスの流量を増加させることができる。従って、ガスセンサ1Aでは、検出素子2とハウジング5との隙間等を介して検出素子2の内側から周囲に漏洩した空気が、排気ガスによって保護カバー6の外へと確実に排出(パージ)させられ、漏洩した空気が検出素子2の先端部の周囲に達することを確実に阻止可能となる。
また、本実施形態のガスセンサ1Aでは、外側カバー61の根元側開口部61rと、それらの内側に位置する内側カバー62の根元側開口部62rとのオフセット角度α(図4参照)が、外側カバー61の先端側開口部61tと、それらの内側に位置する内側カバー62の先端側開口部62tとのオフセット角度β(図5参照)よりも小さく設定されている。これにより、保護カバー6の先端側と比較して、外側カバー61の根元側開口部61rを通過した排気ガスは、内側カバー62の根元側開口部62rに対してスムースに流れ込むことになる。
すなわち、本実施形態のガスセンサ1Aでは、根元側開口部61r,62rを含むガス経路における通気抵抗が、先端側開口部61t,62tを含むガス経路における通気抵抗よりも小さくなっている。この結果、ガスセンサ1Aでは、保護カバー6の先端部の内部を通過する排気ガスと比較して、保護カバー6の根元部の内部を通過する排気ガスの流量を増加させることが可能となる。従って、かかる構成を採用することにより、検出素子2とハウジング5との隙間等を介して検出素子2の内側から周囲に漏洩した空気が、排気ガスによって保護カバー6の外へと確実に排出(パージ)させられ、漏洩した空気が検出素子2の先端部の周囲に達することをより一層確実に阻止可能となる。
〔第3実施形態〕
以下、図6を参照しながら、本発明の第3実施形態について説明する。なお、上述の第1実施形態等に関連して説明されたものと同一の要素には同一の参照符号が付され、重複する説明は省略される。
以下、図6を参照しながら、本発明の第3実施形態について説明する。なお、上述の第1実施形態等に関連して説明されたものと同一の要素には同一の参照符号が付され、重複する説明は省略される。
第3実施形態に係るガスセンサ1Bも、基本的には、上述の第1実施形態に係るガスセンサ1と同様の構成を有するものであるが、このガスセンサ1Bでは、図6に示されるように、内側カバー62Bが仕切部62xを含んでおり、この仕切部62xにより、複数の根元側開口部62rを含むガス経路と、複数の先端側開口部62tを含むガス経路とが、内側カバー62の内部において概ね分断される。すなわち、ガスセンサ1Bの内側カバー62Bは、根元側開口部62rと先端側開口部62tとの間で、検出素子2(外表面の白金電極4)と接触しない程度に内側に突出するように全周にわたって屈曲させられており、これにより、内側カバー62Bに環状突起状の仕切部62xが形成される。
このように構成されるガスセンサ1Bでは、仕切部62xによって、複数の根元側開口部61rおよび62rを通過する流れと、複数の先端側開口部61tおよび62tを通過する流れとの二極化がより一層促進させられることになる。これにより、検出素子2とハウジング5との隙間等を介して検出素子2の内部から漏洩した空気が、複数の根元側開口部61rおよび62rを通過する排気ガスによって保護カバー6の外へと確実に排出(パージ)させられると共に、検出素子2の内部から漏洩した空気が検出素子2の先端部の周囲に達することが確実に阻止される。従って、ガスセンサ1Bによれば、検出素子2の周囲の排気ガスが内側から漏洩した空気(酸素)によって希釈化されてしまうことが極めて良好に抑制されるので、容易かつ確実にその検出精度を向上させることが可能となる。
なお、上述のような保護カバー6の内部における排気ガスの流れの二極化を促進させる仕切手段は、内側カバー62Bと検出素子2との間だけではなく、更に、外側カバー61と内側カバー62Bとの間に配置されてもよく、外側カバー61と内側カバー62Bとの間にのみ配置されてもよい。また、上述のようにカバーを屈曲させることにより仕切手段を形成する代わりに、別部材をカバーに固定して仕切手段を構成してもよい。
〔第4実施形態〕
以下、図7を参照しながら、本発明の第4実施形態について説明する。なお、上述の第1実施形態等に関連して説明されたものと同一の要素には同一の参照符号が付され、重複する説明は省略される。
以下、図7を参照しながら、本発明の第4実施形態について説明する。なお、上述の第1実施形態等に関連して説明されたものと同一の要素には同一の参照符号が付され、重複する説明は省略される。
図7に示されるガスセンサ1Cも、基本的には、上述の第1実施形態に係るガスセンサ1と同様の構成を有するものであるが、このガスセンサ1Cでは、図7に示されるように、外側カバー61Cの各根元側開口部61rと、内側カバー62Cの各根元側開口部62rとが、それぞれ、保護カバー6の先端部から根元部に向けて斜めに延在するように形成されている。
これにより、本実施形態のガスセンサ1Cでは、複数の根元側開口部61r,62rからカバー内に流入する流れを根元側に指向させて、検出素子2の先端部から遠ざけることができる。従って、ガスセンサ1Cでは、保護カバー6の内部における排気ガスの流れの二極化をより一層促進させて、検出素子2とハウジング5との隙間等を介して検出素子2の内側から周囲に漏洩した空気が、検出素子2の先端部の周囲に達することを確実に阻止可能となる。
また、本実施形態の内側カバー62Cの外周には、根元側開口部62r(61r)と先端側開口部62t(61t)との間に位置するように、断面楔形状を有する環状突起63が固定されている。この環状突起63により、外側カバー61Cの根元側開口部61rに流れ込んだ排気ガスは、カバー根元側(図中上方)へと指向され、これにより、保護カバー6の内部における排気ガスの流れの二極化がより一層促進させられることになる。更に、図7に示されるように、内側カバー62Cの先端側開口部62tを外側カバー61Cの先端側開口部61tよりも先端側(図中下側)に配置することにより、保護カバー6の内部における排気ガスの流れの二極化をより一層促進させることができる。なお、環状突起63がカバーを折り曲げることにより形成されてもよいことはいうまでもない。
1,1A,1B,1C ガスセンサ
2 検出素子
3,4 白金電極
5 ハウジング
6 保護カバー
20 排気管
61,61C 外側カバー
62,62B,62C 内側カバー
61r,62r 根元側開口部
61t,62t 先端側開口部
62x 仕切部
63 環状突起
2 検出素子
3,4 白金電極
5 ハウジング
6 保護カバー
20 排気管
61,61C 外側カバー
62,62B,62C 内側カバー
61r,62r 根元側開口部
61t,62t 先端側開口部
62x 仕切部
63 環状突起
Claims (5)
- 被測定ガスが流通する流路に対して設置されるガスセンサにおいて、
一側が被測定ガスに晒されると共に、他側が被測定ガスとは異なる流体に晒される検出素子と、
前記検出素子を覆い、該検出素子の一側に被測定ガスの雰囲気を形成するカバーと、
前記カバーの根元部に形成されており、被測定ガスが前記カバー内を通過することを許容する複数の根元側開口部と、
前記カバーの先端部に形成されており、被測定ガスが前記カバー内を通過することを許容する複数の先端側開口部とを備えることを特徴とするガスセンサ。 - 前記根元側開口部の開口面積の合計は、前記先端側開口部の開口面積の合計よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
- 前記複数の根元側開口部を含むガス経路における通気抵抗は、前記複数の先端側開口部を含むガス経路における通気抵抗よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載のガスセンサ。
- 前記複数の根元側開口部を含むガス経路と、前記複数の先端側開口部を含むガス経路とを概ね分断する仕切手段を更に備えることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のガスセンサ。
- 前記根元側開口部は、前記カバーの前記先端部から前記根元部に向けて斜めに延在するように形成されていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のガスセンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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2003
- 2003-10-06 JP JP2003347490A patent/JP2005114487A/ja not_active Withdrawn
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