JP2005114018A - 断熱二重パイプおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 最低限度の断熱性能を有する安価な断熱パイプを提供する。
【解決手段】 外パイプ3と、外パイプ3内に挿入された外パイプ3よりも長い内パイプ2と、外パイプ3両端に内パイプ2と前記外パイプ3との間の空間を封止する端板5と、内パイプ2と外パイプ3の間の空間に体積が大気圧下での1/2以下に圧縮された弾性を有する多孔質体6とを有する断熱二重パイプ。
【選択図】図1
【解決手段】 外パイプ3と、外パイプ3内に挿入された外パイプ3よりも長い内パイプ2と、外パイプ3両端に内パイプ2と前記外パイプ3との間の空間を封止する端板5と、内パイプ2と外パイプ3の間の空間に体積が大気圧下での1/2以下に圧縮された弾性を有する多孔質体6とを有する断熱二重パイプ。
【選択図】図1
Description
本発明は、断熱二重パイプおよびその製造方法に関する。
配管用のパイプにおいて、移送流体と雰囲気の温度差による熱損失や結露などのトラブルを防止するために、パイプの周りに多孔質体による断熱層を設けることがよく行われている。一般的には、パイプにグラスウールや発泡ウレタンなどの多孔質体を巻きつけ、外側をテープで巻いたり金属製の外装を施したりしている。
断熱材として代表的な多孔質体であるグラスウールは、一般に、その密度が高いほど空気の対流を防止する効果が高く断熱性能に優れており、密度10kg/m3から50kg/m3程度のものが汎用されている。また、パイプに装着し易いように予めC型断面に成形されたものも市販されている。
しかし、食品工業などでは、断熱材に水が侵入してバクテリア汚染の原因となる恐れがあるために、前述のような断熱方法は敬遠される。そこで、流体を移送するパイプの外側に口径が大きく長さの短いパイプを被せ、その外側のパイプの両端と内側のパイプの外壁との開口部に鏡板など端板を溶接して水の侵入口を完全に塞ぐ。さらに、内側のパイプと外側のパイプの間にできた空間を真空することで断熱性能を与えた真空二重パイプが利用されている。
このような真空二重パイプは、衛生的で非常に優れた断熱性能を有しているが、高価でもある。断熱性能に関しては、さほど高い性能を必要としないユーザも多く、真空二重パイプと同様の衛生性と必要最小限度の断熱性能とを有する、安価な断熱パイプを求める声も大きい。
そこで、上述の技術を組み合わせて、二重パイプの内部に保温材を封入すればよいようにも思われるが、その場合、必要な保温材を封入するためには、外側のパイプの口径を大きくする必要があり、大きく重いものとなって取り扱いにおいて不利になるだけでなく、材料費と工作費の上昇を招くため真空二重パイプと同様に高価なものとなってしまう。
以上のように、衛生性と経済性を兼ね備える断熱パイプは見当たらず、食品工業など、衛生性を必用とする場合には、たとえパイプに僅かな断熱性能しか要求されない場合においても真空二重パイプが使用されているのが実情である。
そこで、本発明は、衛生的で安価な断熱パイプを提供することを課題とする。
本発明による断熱パイプは、外パイプと、該外パイプ内に挿入された前記外パイプよりも長い内パイプと、前記外パイプ両端に前記内パイプと前記外パイプとの間の空間を封止する端板と、前記内パイプと前記外パイプの間の空間に体積が大気圧下での1/2以下に圧縮された弾性を有する多孔質体とを有する断熱二重パイプとする。
この構成によれば、前記内パイプ、前記外パイプおよび前記端板を隙間なく溶接することができ、前記多孔質体に水が染み込むことがない。また、圧縮された前記多孔質体は、圧縮されないときよりも高い断熱性を有すると共に、前記多孔質体の弾性により、前記内パイプと前記外パイプの間の空間内でほぼ隙間なく広がり、空気の対流による熱伝達を効果的に抑制することができる。これによって、前記断熱二重パイプは、十分な衛生性と断熱性とを得ることができる。
本発明による断熱二重パイプの製造方法は、気密性のある袋に、弾性を有する多孔質体を収容し、前記袋内の気体を吸引排出し、大気圧により前記多孔質体を圧縮して密封し、前記圧縮した多孔質体を、内パイプに巻き付け、前記袋を破いて袋内に空気を導入し、前記多孔質体の弾力により前記内パイプと外パイプの間の空間内で膨張させ、前記外パイプの両端を端板で塞いで前記内パイプと外パイプの間の空間を密封する方法とする。
この製造方法によれば、前記多孔質体を通常得られない高密度に圧縮した状態で、前記内パイプと前記外パイプの間の空間内にほぼ隙間なく均一に充填することができる。また、簡単な設備と簡単な工程で断熱二重パイプを製造することができ、真空二重パイプに比べて安価である。
本発明により、安価でありながら、衛生的で必用な断熱性能を備えるパイプとして、断熱二重パイプを提供することが可能となった。
図1は、本発明の実施例である断熱二重パイプ1の構造を示す。断熱二重パイプ1は、移送する流体が内部を流れる内パイプ2と外装となる外パイプ3の間に2層の断熱材4を有している。外パイプ3の両端には端板5があり、この端板5と内パイプ2および外パイプ3は隙間なく溶接され、断熱材4が収容されている空間を密封している。断熱材4は、グラスウール6をポリエチレンの袋7に入れたものである。ここで、内パイプ2が1.5インチのサニタリー管であり、外パイプは2インチのサニタリー管である場合、内パイプ2の外壁と外パイプの内壁と間の距離は約4.4mmである。よって、断熱材4の1層の厚みは、約2.2mmとなっている。
図2および3は、断熱材4を内パイプ2と外パイプ3の間に挿入する前の圧縮作業を示す。グラスウール6は、厚さが10mm、密度が32kg/m3の市販品であり、幅を約270mm、長さを外パイプとほぼ同じ長さに裁断したものである。図2のように、グラスウール6を、ポリエチレンの袋7に収納し、内部の空気を掃除機程度の吸引力を有する吸引装置によって排出すると、図3に示すように、グラスウール6は、大気圧によって圧縮される。このグラスウール6が圧縮された状態で、袋7の開口部を加熱溶着して密封し、圧縮した断熱材4を造る。このとき、グラスウール6の面積は、さほど小さくならないが、その厚みは1.7mm程度となるまで圧縮され、体積は約1/6程度になる。
次に、図4に示すように、圧縮した断熱材4を内パイプ2の周りに2重に巻き付ける。このとき、断熱材4が緩まないように数ヶ所をテープ8で仮止めをしてもよい。そして、断熱材4の外側に外パイプ3を被せた後、外パイプ3の端から断熱材4の袋7に穴をあけると、断熱材4は、内部のグラスウール6の弾力により外部の空気を吸って膨らむ。そして、図5に示すように、断熱材4は、内パイプ2と外パイプ3の間一杯に、1層の厚みが約2.2mmとなるまで膨張する。このとき、仮止めしたテープ8は、その膨張に抗しきれずに剥がれるか、テープ8周辺の袋6が断熱材4の膨張に伴う引張力により破れるので断熱材4はテープ8の影響なく膨張できる。この後、端板5を内パイプ2と外パイプ3の間に挿入して、全周を溶接することで、断熱二重パイプ1ができる。
このように、グラスウール6の弾性を利用して、断熱材4を、内パイプ2と外パイプ3の間一杯に膨張させるためには、膨張後もグラスウール6が圧縮前の1/2以下の体積となるようにして十分な復元力を与えねばならない。この例では、グラスウール6は、膨張後も、袋7に封入する前の約1/4.5の体積となっており、その密度はおよそ150kg/m3である。
また、グラスウール6は、密度が高いほど断熱性能が高くなる。そこで、圧縮された断熱材4をより多く巻き付けることができればよいが、そうすると、断熱材4をぴったりと内パイプ2に巻き付けなくてはならず、作業効率が悪く、外パイプ3を装着する際に誤って袋7を破いてしまう恐れもあることから、これ以上多くの断熱材を巻き付けることは難しい。圧縮作業時の真空度を上げてより密度の高い状態で断熱材4を巻き付ける方法もあるが、そのためには特殊な真空装置や高い強度を有する袋6が必要となりコストが増加する。汎用されているグラスウールを使用し、一般的な掃除機程度の真空装置によって作業する条件では、断熱二重パイプ1での断熱材4のグラスウール6の最終的な密度は、100kg/m3から150kg/m3とすることが適当である。
また、図6に示す例では、圧縮前の密度は同じであるが、厚さは倍の20mmのグラスウール6を袋7で真空圧縮した断熱材4を、内パイプ2と外パイプ3の間に一重巻きになるように挿入したものである。この場合は、断熱材4を内パイプ2に巻き付け易く、予め内パイプ2に外パイプ3を被せ、一端の端板5を取り付けた後で、断熱材4を反対側から挿入することもできる。
また、図1の端板5は、凹型の鏡板であるが、凸型でもよく、真空圧が加わらないので平板であっても問題はない。また、内パイプ2の端部には、必要に応じて、フランジ等の継手を取り付けてもよく、直接、別のパイプを溶接してもよい。さらに、同様にエルボやチーズ等の製作も可能である。
本発明の断熱二重パイプ1は、特殊な設備がなくても製造可能であり、従来の真空二重パイプに比べて安価に提供することができる。
1 断熱二重パイプ
2 内パイプ
3 外パイプ
5 端板
6 グラスウール(多孔質体)
7 袋
2 内パイプ
3 外パイプ
5 端板
6 グラスウール(多孔質体)
7 袋
Claims (2)
- 外パイプと、
該外パイプ内に挿入された前記外パイプよりも長い内パイプと、
前記外パイプ両端に前記内パイプと前記外パイプとの間の空間を封止する端板と、
前記内パイプと前記外パイプの間の空間に体積が大気圧下での1/2以下に圧縮された弾性を有する多孔質体とを有することを特徴とする断熱二重パイプ。 - 気密性のある袋に、弾性を有する多孔質体を収容し、
前記袋内の気体を吸引排出し、大気圧により前記多孔質体を圧縮して密封し、
前記圧縮した多孔質体を、内パイプに巻き付け、
前記袋を破いて袋内に空気を導入し、前記多孔質体の弾力により前記内パイプと外パイプの間の空間内で膨張させ、
前記外パイプの両端を端板で塞いで前記内パイプと外パイプの間の空間を密封することを特徴とする断熱二重パイプの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003348317A JP2005114018A (ja) | 2003-10-07 | 2003-10-07 | 断熱二重パイプおよびその製造方法 |
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JP2003348317A JP2005114018A (ja) | 2003-10-07 | 2003-10-07 | 断熱二重パイプおよびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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NO20161027A1 (en) * | 2016-06-17 | 2017-09-11 | Benarx Solution As | An insulated pipe or piping system with an annular end cap and an elastic, non-metallic cladding element annular end cap |
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-
2003
- 2003-10-07 JP JP2003348317A patent/JP2005114018A/ja active Pending
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