JP2005112690A - 光導波路の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、光導波路、例えば光ファイバの、光が伝播する部分に存在する構造欠陥と重水素分子あるいはこれと同じ効果を有する水素分子とを反応させる処理を、より短時間に、かつ複数本の光ファイバを同時に一括処理できる光導波路の製造方法を提供することある。
【解決手段】 光導波路内に重水素分子または水素分子を侵入させ、前記侵入させた重水素分子または水素分子と前記光導波路内の光が伝播する箇所に存在する構造欠陥とを反応させ、前記構造欠陥と未反応の重水素分子または水素分子を前記光導波路から除去する水素/重水素処理工程を含む光導波路の製造方法において、前記水素/重水素処理は複数の光導波路を同一の処理槽内に収納して処理する工程を含むことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光ファイバ等の光導波路の製造方法、より具体的には、光導波路内部に存在する構造欠陥濃度を減少させる処理方法に関するものである。
光導波路内の光を伝播させる部分に構造欠陥が存在すると、光の吸収が起こることがよく知られている。また水素分子がその構造欠陥中に侵入すると、前記構造欠陥とこの水素分子とが反応して、経時的に光導波路に伝送損失増加が生じることも知られている。
この水素分子による経時的な伝送損失増加を減少させるため、光導波路の一種である光ファイバにおいては、光ファイバを使用する前に、光ファイバを重水素分子(D)含有雰囲気に暴露して処理する方法が知られている(特許文献1)。
この特許文献1に記載の光ファイバの処理方法は、光ファイバを重水素分子を有する混合ガスに曝して重水素分子を光ファイバに接触させつつ反応させる工程と、中性雰囲気、具体的には空気中または窒素雰囲気中で光ファイバから重水素分子を抜き出す除去工程とからなるもので、この処理方法で光ファイバをその使用前に処理して、光ファイバに起こる水素による経時的な伝送損失増加を低減している。
:特開平2002−148450号公報
ところで前述した特許文献1に記載の処理方法によれば、光ファイバを重水素分子を含む混合ガス、具体的には重水素分子を0.01%〜100%、好ましくは0.5%〜2%含む20℃〜40℃の混合ガスに1日〜2週間、好ましくは3日〜10日間曝し、しかる後空気中または窒素雰囲気中に1週間〜3週間放置して、光ファイバから重水素分子を抜くことを特徴にしている。
すなわち好ましい条件で処理した場合でも、処理に少なくとも10日間またはそれ以上掛かってしまう、という問題がある。
しかもこの処理を行う処理槽内で、光ファイバを1本ずつ(1ボビンずつ)処理しているために、光ファイバ1本当たりの処理時間の短縮も図れない、という問題もある。
特許文献1における方法は、重水素分子を含む混合ガスに光ファイバを1日〜2週間曝し(以下これを暴露工程という)、しかる後これを空気中または窒素雰囲気中に1週間〜3週間放置して、光ファイバから重水素分子の余剰分を除去している(以下これを除去工程という)。ところで前記暴露工程を細かくみると、光ファイバを重水素分子含有雰囲気に曝しながら、重水素分子を光ファイバ内へ拡散侵入させ(以下拡散工程という)、構造欠陥と反応させている(以下これを反応工程という)。換言すれば、光ファイバを重水素分子に曝す暴露工程、拡散工程及び反応工程を一緒に行っている。
前記暴露工程中に重水素分子が光ファイバ周囲より光ファイバ内部へと拡散侵入し続けており、光を伝播させる部分に存在する構造欠陥との反応が終了しても過剰な重水素分子が光伝播部分に供給され続けてしまう。その過剰な重水素分子が波長1.7μm付近で損失増加をもたらす。この重水素分子によるブロードな吸収が公衆通信波長域である1.55μmにおける伝送特性にまで影響を及ぼす。そこで過剰な重水素分子を除去するため、特許文献1ではそれだけで1〜3週間という長期に及ぶ工程が必要となっている。
ところで本願発明者等の実験によれば、通常、例えば処理雰囲気を100%重水素分子含有雰囲気にした場合、前記暴露工程は数時間の範囲内で行えるのに対して、拡散工程と反応工程の方は20℃〜25℃で少なくとも十数時間が必要であることがわかっている(外径125μmの単一モード光ファイバの場合)。そこでは拡散工程が支配的であり、反応に必要な時間は非常に短い。
そこで本発明の目的は、光導波路、例えば光ファイバの、光が伝播する部分に存在する構造欠陥と重水素分子あるいはこれと同じ効果を有する水素分子とを反応させる処理を、より短時間に、かつ複数本の光ファイバを同時に一括して行える光導波路の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成すべく本願請求項1記載の光導波路の製造方法は、光導波路内に重水素分子または水素分子を侵入させ、前記侵入させた重水素分子または水素分子と前記光導波路内の光が伝播する箇所に存在する構造欠陥とを反応させ、前記構造欠陥と未反応の重水素分子または水素分子を前記光導波路から除去する重水素分子/水素分子処理工程を含む光導波路の製造方法において、前記重水素分子/水素分子処理は複数の光導波路を同一の処理槽内に収納して処理する工程を含むことを特徴とする。
このようにしてなる請求項1記載の光導波路の製造方法によれば、同時に複数の光導波路を同一の処理槽内で一括処理するため、光導波路1個あたり、例えば光ファイバ1本あたりの処理時間を大幅に短縮できる。さらに一括処理することで、複数の光導波路に対して拡散侵入する重水素分子/水素分子の量を一定に制御できる。複数の光導波路ではその中の構造欠陥濃度にばらつきがある。そこで、最も構造欠陥濃度の高い光導波路に合わせるため、拡散侵入する重水素分子/水素分子の量を一定に制御することが必要となる。
請求項1に記載の光導波路の製造方法であって、光導波路を重水素分子または水素分子に曝す暴露工程と、該暴露工程後に前記光導波路を大気または窒素中に置いて重水素分子または水素分子を前記光導波路から除去しながら、前記暴露工程中に光導波路内に侵入した重水素分子または水素分子と前記光導波路内で光が伝播する箇所に存在する構造欠陥とを反応させる反応除去工程からなることを特徴とする光導波路の製造方法。
このようにしてなる請求項2記載の光導波路の製造方法によれば、光導波路内に重水素分子または水素分子を侵入させる暴露工程を他の工程と分離しているので、暴露工程の時間を制御し易い。それ故、光導波路内に侵入する重水素分子または水素分子の量もまた制御し易くなる。より具体的には、必要な量以上で、かつあまり過剰過ぎない量の重水素分子または水素分子を光導波路内の光が伝播する箇所に侵入させることができる。
それ故、光導波路に対する一連の処理時間を短縮できるし、複数光導波路の同時一括処理も可能になる。また光導波路内への過剰な重水素分子の侵入を抑えることができるため、前記処理時間の短縮に加え、1.7μm付近での伝送損失増加を抑えることもできる。すなわち1.7μm帯での伝送損失増加に引かれて増加する1.55μmの伝送損失増加も低く抑えることができる。
また前記反応除去工程を、あえて特別に作った雰囲気でなく大気中または作るのが容易な窒素雰囲気中で行えるため、処理時間の短縮に加えて処理費用の低減も図ることができる。
さらに本願請求項3記載の光導波路の製造方法は、請求項2に記載の光導波路の製造方法において、前記暴露工程は予め処理槽内を真空にし、しかる後重水素分子または水素分子を前記反応処理槽内に導入することを特徴とするものである。
このようにしてなる請求項3記載の光導波路の製造方法によれば、予め処理槽内のガスを抜き取ってこの槽内を真空にした後、例えば100%濃度の重水素分子または水素分子をこの槽内に導入するため、処理槽内全体の雰囲気をより確実に均一にすることができる。それ故、この処理槽内で複数の光導波路、例えば複数本の光ファイバを同時に一括処理する場合、すべての光ファイバをより均一の雰囲気下で暴露処理できる。それ故複数の光ファイバに侵入する重水素分子または水素分子の量を均一にする制御がより容易になる。
また本願請求項4記載の光導波路の製造方法は、請求項2、請求項3のいずれか1つに記載の光導波路の製造方法において、前記構造欠陥と未反応の重水素分子または水素分子を20℃以上60℃以下の温度下で前記光導波路から除去することを特徴とするものである。
このようにしてなる請求項4記載の光導波路の製造方法によれば、例えば光ファイバのコアがゲルマニウム(Ge)を含むような場合に、温度が60℃以上の状況下で、近くに重水素分子や水素分子が存在すると、紫外線部にピークを持つ光吸収構造欠陥が生ずることがあるが、20℃以上60℃以下の温度範囲で未反応の重水素分子または水素分子を前記光導波路から除去すれば、除去を速やかに行えると共に、このゲルマニウムに起因する光吸収構造欠陥の発生とこの光吸収構造欠陥に起因する伝送損失増加を防止できる。
さらにまた本願請求項5に記載の光導波路の製造方法は、請求項2記載の光導波路の製造方法において、前記光導波路を100%の重水素分子または水素分子に曝すことを特徴とするものである。
このようにしてなる本願請求項5に記載の光導波路の製造方法によれば、暴露工程における雰囲気ガスが100%重水素分子または水素分子からなるため、例えば複数の光導波路を同時に一括処理するような場合、処理槽内の雰囲気を処理槽内全体に均一な雰囲気にし易い。それ故、複数の光導波路を同じ条件で均一処理できる。このように複数の光導波路を同一の処理槽で一括処理できることから、光導波路1個あたりの処理時間を大幅に短縮することができる。
また本願請求項6記載の光導波路の製造方法は、請求項2〜請求項5のいずれか1つに記載の光導波路の製造方法において、前記暴露工程の雰囲気温度をT1とし、前記反応除去工程の雰囲気温度をT2としたとき、T1<T2であることを特徴としている。
このようにしてなる本願請求項6記載の光導波路の製造方法によれば、前記暴露工程の雰囲気温度を反応除去工程のそれより低くしたことにより、暴露工程での重水素分子または水素分子の光導波路内への拡散係数を比較的低く抑えることができる。その結果、重水素分子や水素分子の侵入時間、侵入量の制御がより容易になる。
逆に前記反応除去工程の雰囲気温度T2を、前記暴露工程の雰囲気温度T1より高くしたことにより、反応除去工程における重水素分子または水素分子の拡散係数を高くでき、暴露工程に比して処理時間の長い前記反応除去工程の時間短縮を図ることもできる。
本願請求項7記載の光導波路の製造方法は、請求項6記載の光導波路の製造方法において、前記T2は60℃以下であることを特徴とするものである。
このように反応除去工程の雰囲気温度T2の上限を60℃以下にすれば、前述したように、例えば光ファイバのコアがゲルマニウムを含むような場合でも、このゲルマニウムに起因する光吸収構造欠陥の発生を防止できる。
また処理雰囲気内に置かれた光ファイバに樹脂被覆が施されている場合、この樹脂被覆の熱的損傷もより低減でき好ましい。
また本願請求項8記載の光導波路の製造方法は、前記請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の光導波路の製造方法において、前記光導波路が光ファイバであることを特徴とするものである。
この請求項8に記載の発明によれば、水素による経時的伝送損失増加を防ぐ処理をより短時間で行って製造しているため、安価でかつ経時的に伝送損失値の安定した光ファイバを提供できる。
また本願請求項9記載の光導波路の製造方法は、前記請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の光導波路の製造方法で製造された光導波路、すなわち光ファイバを用いた光ファイバケーブルであることを特徴とするものである。
このように本願請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の方法で製造された光ファイバで光ファイバケーブルを製造すれば、より短時間で水素による経時的伝送損失増加を防ぐ処理を行った光ファイバを用いているので、より安価な、そして伝送損失の面で長期信頼性に優れた光ファイバケーブルを提供することができる。
以上のように本願発明の光導波路の製造方法によれば、光ファイバ等の複数の光導波路に対して、水素による経時的伝送損失増加を防ぐ処理を、より短い処理時間で一括処理することができる。
またこのようにして短時間で、複数一括処理した光導波路、具体的には光ファイバを用いて光ファイバケーブルを製造すれば、伝送損失の面で長期にわたって安定した光ファイバケーブルをより安価に提供することができる。
まず最初に光ファイバ内の光が伝播する部分に存在する構造欠陥と、そこに侵入していった重水素分子または水素分子が反応する技術的説明を行うことにする。
光が伝播する箇所に存在する構造欠陥と、この構造欠陥が存在する部分に侵入した重水素分子または水素分子との反応は、以下の反応式(1)、反応式(2)に従って行われていると考えられている。
尚、構造欠陥の構造については諸説あり、ここでは深く言及しない。しかしSi-O及びSiに関する構造であることが有力な説となっている。
Si-O(構造欠陥)+1/2D2(またはH2) → Si-OD(またはSi-OH) (1)
Si(構造欠陥)+1/2D2(またはH2) → Si-D(またはSi-H) (2)
上記反応式(1)及び反応式(2)が示すように、ガラス中のシリコン(Si)や酸素(O)に関する構造欠陥と、重水素分子(D)または水素分子(H)とを反応させ、より安定なSi-OD(またはSi-OH)あるいはSi-D(またはSi-H)に変化させるには、その構造欠陥の濃度と同等かそれ以上の濃度の重水素分子または水素分子をこの構造欠陥存在部分に侵入させなければならない。
因みに構造欠陥の濃度は、線引き後の光ファイバを電子スピン共鳴分析装置で調べたところ、約1015個/cm3であった。この光ファイバは、具体的にはコアにGeドープした石英系単一モード光ファイバ用プリフォーム(コアのクラッドに対する屈折率差△は0.35%)を線引きし、外径125μmの光ファイバにしたものである。そしてその外周には紫外線硬化性のウレタンアクリレート樹脂によって被覆が施され、その外径は250μmになっている。
光ファイバの内部に侵入した重水素分子または水素分子の挙動は、拡散係数、温度、及び時間によって理論的に表すことができる。例えば参考文献として下記のものが挙げられる。
参考文献:波平他、信学会通方研、1984、CS-84、R.W.Lee, R.C.Frank , and D.E.Swets
(‘Diffusion of Hydrogen and Deuterium in Fused Quartz', J. Chem. Phys.,
vol.36, no.36, pp.1062-1071,1962.)
従って、光ファイバを重水素分子または水素分子に曝す時間と温度を決めると、その後放置する周囲の温度と雰囲気によって、光が伝播する部分における重水素分子または水素分子の濃度を計算で求めることができる。光が伝播する部分における重水素分子または水素分子の濃度が、光ファイバの場合数ppmであれば、構造欠陥の濃度より高く、その結果、構造欠陥をSi-OD(又はSi-OH)及びSi-D(又はSi-H)へ変化させることができる、と推測される。通常の単一モード光ファイバの場合、構造欠陥濃度にばらつきがある。しかし、コア部及びその周辺において最高で100ppmあれば十分であることが実験でわかった。そして、この時反応に寄与しない余剰の重水素分子または水素分子が光ファイバ内に残る。
光ファイバ内に残った重水素分子や水素分子は、この光ファイバを大気中あるいは窒素雰囲気中に放置して置けば、徐々に光ファイバから外部へと抜け出ていく。
しかしながら光ファイバ内に過剰に残ってしまうほど多量の重水素分子を光が伝播する部分に侵入させると、前述したように波長1.7μm付近で伝送損失が増加し、この波長1.7μm付近での伝送損失増加に伴うピーク値の裾の部分が、通常伝送用に使用される帯域である波長1.55μmにまで影響を及ぼしてしまう。結果として、波長1.55μm帯の伝送損失まで増加させてしまう、という問題が起こる。それ故、光が伝播する部分に侵入させる重水素分子の量は必要最低限であることが望ましい。
以下に本願発明によれば、光導波路内に重水素分子または水素分子を侵入させる暴露工程で、光導波路内に侵入する重水素分子または水素分子の量を最小限必要な量以上で、かつあまり過剰過ぎない量に制御できる理由を、図1により詳細に説明する。図1は本願発明が光導波路の光が伝播する部分に重水素分子または水素分子を所定量、制御性よく侵入させることのできる理由を説明するために用いられる模式図で、光ファイバの半縦断面を示している。すなわち光ファイバの中心から右側半分の縦断面図を示している。
いま仮に光ファイバが巻かれた複数のボビンを同一処理槽内に収納して、これを100%の重水素分子または水素分子からなる雰囲気に曝したと仮定する。この場合、所定時間後の光ファイバ内の重水素分子または水素分子の分布状況は図1に示すようになる。
ここで図1において紙面に向かって右側にのみ記入しているが、これとほぼ左右対称に左側からも重水素分子や水素分子が侵入する。
図1において縦軸は重水素分子や水素分子の相対濃度を示し、横軸は光ファイバの半径rの相対値である。図1に示すプロファイル1)の状態は、所定時間光ファイバを重水素分子または水素分子に曝した後、この光ファイバを大気中に取り出した直後の重水素分子または水素分子の半径方向の侵入状態を示している。
大気中に取り出された光ファイバにはそれ以上重水素分子または水素分子は侵入しない。そして光ファイバに侵入した重水素分子または水素分子の一部は、光ファイバの光が伝播する部分に向かってさらに侵入していき、一方一部の重水素分子または水素分子はクラッド2の表面から大気へと抜け出ていく。プロファイル2)はその途中経過を示している。そしてプロファイル3)はさらに時間が経過して、光ファイバ内に侵入した重水素分子または水素分子の一部が光伝播部分にまで到達している状態を示している。
ここで光ファイバの光が伝播する部分とは、コア1と、該コア1の外側に設けられたクラッド2の前記コア1に隣接する部分をいう。より具体的には、コア1と該コア1内を伝播する光の一部が沁み出すコア1に隣接するクラッド2の部分をいう。
ところで重水素分子または水素分子の分布状態が図1におけるプロファイル3)の状態になって、光が伝播する部分に到達した重水素分子または水素分子は、この光が伝播する部分に存在する構造欠陥と前述した反応式(1)や反応式(2)に従って反応して、構造欠陥であるSi-OやSiを、より安定なSi-OD(またはSi-OH)あるいはSi-D(またはSi-H)に変化させる。
このような反応を過不足なく行わせるためには、既に述べたように暴露工程で光ファイバ内に侵入させる重水素分子や水素分子の量、すなわちプロファイル1)の面積(プロファイル1)の曲線と横軸とで囲まれている部分の面積)をある一定量になるようにすればよい。ここでいう一定量とは、光が伝播する部分に存在する構造欠陥と反応するのに必要な量にいくらかのマージンを加え、これにさらに反応除去工程中に光ファイバの外部へと逃げていく量を加味した量を意味する。この値は、前記のように実験で求めればよい。
安全を見込んでこの一定量をあまり大きくすると、構造欠陥と未反応の重水素分子や水素分子の量が大きくなり過ぎて、これが光ファイバ外に抜けるのに時間が余計掛かり、かつ1.7μmで伝送損失増加をも引き起こす。それ故、予め計算と実験により、最適な一定量を侵入させるための条件を求めておくことが重要である。
またこの暴露工程において、重水素分子または水素分子の光ファイバへの拡散係数が温度に依存するため、温度が高いほどより速く重水素分子や水素分子が光ファイバ内に侵入する。
但し、あまりに高いと、前述したプロファイル1)の面積を一定量にするための制御がやや難しくなる。以上から暴露工程の雰囲気温度は常温、具体的には25℃前後が適当である。
ところで重水素分子または水素分子の拡散係数が温度に依存することから、周囲温度を上げれば上げるほどコア1を含む光が伝播する部分への侵入が速まる。しかしながら温度を上げ過ぎると別の要因によって、光ファイバの伝送損失が増大してしまう。
例えば、ゲルマニウム(Ge)をコアに含む光ファイバにおいて、60℃以上でコア1やコア1近傍に重水素分子または水素分子が存在すると、弱い結合の部分(Ge・・O)との間に反応が生じ、紫外線部にピークを持つGeに係わる光吸収構造欠陥が発生してしまう。この反応の反応速度は温度が高くなるほど大きくなり、温度に大きく依存する。参考文献を以下に示す。
参考文献;A.Iino, M.Kuwabara, and K.Kokura, Mechanisms of Hydrogen-Induced
Losses in Silica-Based Optical Fibers', J.Lightwave technol.,
vol.8, no.11, pp.1675-1679, 1990.
そこで処理する雰囲気温度を60℃以下とすれば、この温度上昇による伝送損失の増加を無視できるレベルまで抑えることができる。加えて光ファイバに被覆されている樹脂被覆への熱的損傷も抑えることができる。
以下に図2を用いて本願発明の光導波路の製造方法の一実施例をより詳細に説明する。因みに、図2は本願発明の光導波路の製造方法で、複数の光導波路を、具体的には10個のボビンに巻かれた光ファイバを同一の処理槽内で、ボビン毎一括処理する状態を示す模式図である。
尚、以下では重水素分子を使用する例で説明するが、同様に水素分子、すなわち重水素ガスに代えて水素ガスも使用できることは言うまでもない。
いま光ファイバ11が約2Km巻かれたボビン12を20個用意し、そのうちの10個を図2に示すように内容積が約120リットルの処理槽10内に収納せしめた。しかる後処理槽10を密閉した。またこのとき、処理槽10に接続されている窒素ボンベ13及び重水素ボンベ14からの配管に装着されている弁15及び弁16は閉じておく。
この状態で弁17を開いてポンプ20により処理槽10内のガスを吸引排気し、処理槽10内を真空(10−2〜10−3気圧)にした。ここで符号21は圧力計である。
処理槽10内が真空になったら、弁16を開けて重水素ボンベ14から重水素ガスを処理槽10内に導き、圧力計21の値が所定圧力になったら、弁16、弁17を閉じる。この例では重水素ガスを約130リットル、処理槽10に引き込んだ。
このようにして10個のボビン12を重水素100%の雰囲気に暴露し、予定の暴露時間、例えば2時間が経過したところで、弁17を開いてポンプ20を作動させ、処理槽10内の重水素ガスを処理槽10の外部に排気した。
この場合、ポンプ20の先に排気した重水素を貯蔵するガスタンクを用意しておき、このガスタンクに排気した重水素ガスを貯蔵すれば、重水素ガスをリサイクルでき好ましい。
ところでボビン12を重水素分子に暴露中の処理槽10内の温度は、室温である25℃(25℃±2℃)に維持しておいた。
重水素ガスを処理槽10内から抜き取ったら、10個のボビン12を処理槽10から別の場所(室)に移す。あるいは処理槽10内に大気を導き、ボビン12の周囲を大気雰囲気にする。この例ではボビン12を処理槽10内に置いたまま、その雰囲気を大気雰囲気にした。尚、この雰囲気を窒素ボンベ13を用いて窒素雰囲気としても良い。しかる後処理槽10を密閉し、処理槽10の周囲に張り巡らせた図示しないヒーターで処理槽10内の温度を35℃(35℃±3℃)に保持し、前記暴露工程で光ファイバ11内に侵入した重水素分子と光ファイバの光が伝播する部分に存在する構造欠陥との反応及び、光ファイバ11から外部に逃げる重水素分子の動きを加速させた。
この状態を十数時間から20時間維持したところ、重水素分子は光ファイバ11内へと拡散し、ほぼコア1の中央部まで達していた。光が伝播する部分に重水素分子が拡散によって達した時、その濃度は構造欠陥のそれより高くなっている。そして重水素分子と構造欠陥の反応が前述した反応式(1)、反応式(2)にしたがって生じる。この反応は室温(20℃〜25℃)程度であっても短時間で終了するが、この例のように35℃において、約200時間(約200h)放置すると、反応式(1)の反応が生じるとともに、反応に寄与しなかった余剰の重水素分子が光ファイバ11の外部に拡散し、そのほとんど全てが大気中へ出ていく。このようにして得たものを光ファイバA1とする。
前述したように余剰の重水素分子は、波長約1.7μm付近でその分子吸収をもたらす。そのため光の伝播する部分から未反応の重水素分子または水素分子が完全に抜けるまでは、光ファイバ11の真の伝送損失値を測ることができない。
最近は、1.55μm帯のみならず、波長1.6μm帯での伝送損失も重要となってきており、さらに、この処理がより重要となってきている。
前述した光ファイバA1では、反応除去工程の温度を35℃にしているが、この反応除去工程の温度の影響を調べるために、残りの10個の光ファイバを反応除去工程の温度を25℃にして処理した。これを光ファイバA2とする。光ファイバA1と光ファイバA2の違いはこの反応除去工程の処理温度のみである。
そして各々の光ファイバについて100時間放置後、及び200時間放置後の伝送損失値を波長1.55μm及び1.625μmで測定した結果を表1に示した。


Figure 2005112690
一方比較のため、前記光ファイバA1、光ファイバA2と同一の光ファイバプリフォームから線引きされた光ファイバB、2kmをボビンに巻取り(ボビン1個)、室温(25±2℃)において前記処理槽10の中へ入れた。予め重水素ガスボンベ14をアルゴンで希釈した2%重水素ボンベに取り替えておいた。
前述と同様にしてポンプ20により吸引して処理槽10内が真空になったら、弁16を開けてアルゴンで希釈した2%重水素ボンベ14から2%重水素ガスを処理槽10内に導き、圧力計21の値が所定圧力(10−2〜10−3気圧)になったら、弁16、弁17を閉じる。その結果希釈された重水素ガスを約130リットル、処理槽10に引き込んだ。このようにして1個のボビン12を重水素ガス2%の雰囲気に120時間暴露して、光ファイバ内の構造欠陥と反応させた後、処理槽10内を空気で十分置換し、100時間後、及び200時間後、その伝送損失値を波長1.55μmで測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2005112690
表1に示すように、光ファイバA2では重水素分子が光ファイバからほぼ完全に除去され、初期の損失値に戻るのに合計約200時間必要である。しかし、光ファイバA2の場合でも表2に示す光ファイバB(比較例)に比べ、処理時間が大幅に短縮されている。
すなわち、光ファイバA2では、処理時間が202時間(暴露工程;2時間+反応除去工程200時間=202時間)であるのに対して、比較例の光ファイバBでは320時間(暴露、拡散、反応工程;120時間+除去工程;200時間=320時間)を掛けても、まだ初期値に戻っていない。
これは、実施例の光ファイバA2では、光ファイバ内の重水素分子を除去しながら反応させているためと推測される。一方、比較例の光ファイバBでは光ファイバを重水素雰囲気に長時間暴露しながら反応させているため、光ファイバ内に過剰の重水素分子が侵入し、そのためこの過剰の重水素分子の除去に時間が掛かっているものと推測される。
さらに本実施例では、処理槽10内を一度真空引きしてから重水素分子を導入している。それによって、光ファイバを巻き取ったボビン10本に対して重水素分子を同時かつ均一に等しく触れさせることができる。従って、本願発明の方法によればボビン1個当りの処理時間を大幅に削減することもできる。
さらにまた、表1に示す光ファイバA1(本願発明の実施例)によれば、反応除去工程の温度T2を暴露工程の温度T1(25±2℃)より高い温度(35±3℃)にしたため、初期の損失値へ戻る時間が光ファイバA2に比べ半分に短縮されている。光ファイバA1では反応除去工程は約100時間で十分である
次に本願発明によって処理された光ファイバA1(10個)及びA2(10個)、計20個のボビンを水素分子雰囲気中に暴露(水素処理)し(水素100%、25℃、2時間)、その後25℃の空気中に取り出して、48時間後その光ファイバの波長―損失スペクトルを測定した。
因みに、これら光ファイバA1、A2と同じ光ファイバプリフォームから線引した別の光ファイバであって、本願発明の重水素処理を実施していないものでは、前記水素処理によってSi-OH基による1.39μmの吸収ピークの増加やSi-H基による1.52−1.53μmに吸収ピークの増加が認められた。
しかしながら本願発明の処理を施した光ファイバA1、A2では、Si-H基による吸収ピークが全く見出だされなかった。またSi-OH基による1.39μmの吸収ピークの増加も認められなかった。これは、水素分子との反応に寄与する構造欠陥のほとんどが重水素分子と既に反応済みであることを示している。さらにまた、複数本の光ファイバ各々で、光が伝播する部分における構造欠陥濃度にばらつきがあっても、本願発明の方法によれば全て処理可能であることを示している。
尚、重水素処理では、光ファイバ中に存在する構造欠陥と反応し、Si-ODやSi-Dが生成する。それらの基による吸収は1.8μmより長波長側に現れるため、1.55μm付近の損失値にほとんど影響しない。したがって、1.3μmや1.55μm付近で光を伝播する通信用光ファイバでは重水素で処理することが好ましい。
本実施例では、重水素分子によって処理したが、全く同様に水素分子による処理も可能である。水素分子の拡散係数は、重水素分子のそれより少し大きいが処理条件を大きく変更する必要はない。
因みに、紫外光や可視光を伝播する光ファイバや光ファイバを束ねたバンドル等では水素分子で処理することが好ましい。水素分子で処理すると紫外から可視波長で光吸収をもたらす構造欠陥を消失させる効果のあることがわかった。すなわち紫外から可視部にかけて損失を改善できる。
水素分子処理の場合、Si-OHやSi-Hが生成するがいずれも1.38〜1.53μm付近に吸収が現れるため、紫外から可視部まで全くと言っていいほど影響しないからである。さらに、水素は重水素に比べ安価である。
本実施例では、光ファイバ中で反応に寄与しなかった余剰の重水素分子を早く除去するため反応除去工程の処理温度T2を暴露工程の処理温度T1より高くした。しかし、この温度T2をあまり高くすることは好ましくない。それは、60℃より高くすると、反応に寄与しなかった余剰の重水素分子や水素分子と光ファイバのガラス構造、主としてゲルマニウムをドープすることで生じる結合の弱い部分、とが反応し、紫外線部に吸収をもつ構造欠陥等が生じてしまうからである。これは極めて大きい吸収であるため、可視部から1.55μm付近まで影響する。さらに、光ファイバに被覆したウレタンアクリレート樹脂被覆が劣化する恐れもある。
本実施例では、処理槽内10を真空引きしてから重水素ガスを導入したが、真空引きを省略しても良い。
この場合、処理槽10内の空気は重水素分子によって少しずつ置換される。この方法でも10本の光ファイバをほぼ同時に重水素分子に触れさせることができる。しかし、光ファイバ周囲の重水素ガス濃度が時間とともに少しずつ増大していくので、処理時間をより長く要する。
本実施例では、光ファイバを100%の重水素ガスに触れさせたが、重水素ガスを窒素等他のガスで希釈しても良い。また重水素分子または水素分子の混合ガスを用いても良い。光が伝播する部分において重水素分子や水素分子の濃度が構造欠陥濃度と同等かより大きくなることが重要である。
また本実施例では、光ファイバ内から重水素分子を除去する際大気雰囲気としたが、窒素雰囲気であっても良い。同様に、水素ガスを実質的に含まないアルゴン等の不活性ガスを用いても良いが、空気(大気)とするのがコストの点で最も好ましい。また処理槽内の真空引きを併用しても良い。重水素分子の除去では、光ファイバ周囲の重水素濃度を極力減らすことが重要である。
光ファイバボビンを多数入れるため処理槽10を大きくし、かつその中の温度を60℃まで高くすると、容量の大きいヒーターと処理槽10内の気体攪拌が必要になり、処理コストがアップしてしまうという欠点がある。従って、処理槽10は室温で用い、その後温度をより高くした部屋に入れ、光ファイバから空気中へ余剰の重水素分子や水素分子を逃がすことが好ましい。
前述したように、本願発明の方法の最も重要な制御ポイントは、曝露工程である。従って、その後の反応除去工程では、ほぼ同様な環境条件(温度と雰囲気)であれば複数の光導波路全てを同一の処理槽10または同じ室内に置く必要は無い。
重水素分子や水素分子の拡散係数は10℃異なると約1桁異なる。従って、処理温度T1、T2の温度差は変動の中央値で5℃あれば、処理時間の短縮に効果がある。
本実施例ではボビンに巻き取られた光ファイバを用いたが、束取りされたもの等どのような形態であっても良い。その理由は、重水素分子や水素分子は他のガスに比べ分子径が小さいため、有機物やガラス等へ容易に浸透・拡散するからである。
また本実施例では、コア1にゲルマニウムがドープされた単一モード光ファイバを用いたが、これに限るものではない。コア1が純石英ガラスである光ファイバ、コア1に微小なフッ素(F)がドープされた光ファイバ、さらにゲルマニウムやリン(P)やフッ素がコアにコドープされた光ファイバへも適用可能である。
さらに、構造欠陥の発生が予想される平面型光導波路にも、容易に本処理方法が適用できる。
本願発明が光導波路の光が伝播する部分に重水素または水素分子を所定量、制御性よく侵入させることのできる理由を説明する模式図である。 本願発明の光導波路の製造方法の一実施例を示す模式図である。
1 コア
2 クラッド
10 処理槽
12 ボビン
13 窒素ボンベ
14 重水素ボンベ
20 ポンプ
21 圧力計

Claims (9)

  1. 光導波路内に重水素分子または水素分子を侵入させ、前記侵入させた重水素分子または水素分子と前記光導波路内の光が伝播する箇所に存在する構造欠陥とを反応させ、前記構造欠陥と未反応の重水素分子または水素分子を前記光導波路から除去する重水素/水素処理工程を含む光導波路の製造方法において、前記重水素/水素処理は複数の光導波路を同一の処理槽内に収納して処理する工程を含むことを特徴とする光導波路の製造方法。
  2. 請求項1に記載の光導波路の製造方法であって、光導波路を重水素分子または水素分子に曝す暴露工程と、該暴露工程後に前記光導波路を大気または窒素中に置いて重水素分子または水素分子を前記光導波路から除去しながら、前記暴露工程中に光導波路内に侵入した重水素分子または水素分子と前記光導波路内で光が伝播する箇所に存在する構造欠陥とを反応させる反応除去工程からなることを特徴とする光導波路の製造方法。
  3. 請求項2に記載の光導波路の製造方法であって、前記暴露工程は予め処理槽内を真空にし、しかる後重水素分子または水素分子を前記反応処理槽内に導入することを特徴とする光導波路の製造方法。
  4. 前記構造欠陥と未反応の重水素分子または水素分子を20℃以上60℃以下の温度下で前記光導波路から除去することを特徴とする請求項2、請求項3のいずれか1つに記載の光導波路の製造方法。
  5. 前記光導波路を100%の重水素分子または水素分子に曝すことを特徴とする請求項2記載の光導波路の製造方法。
  6. 前記暴露工程の雰囲気温度をT1とし、前記反応除去工程の雰囲気温度をT2としたとき、T1<T2であることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか1つに記載の光導波路の製造方法。
  7. 前記T2は60℃以下であることを特徴とする請求項6記載の光導波路の製造方法。
  8. 前記光導波路が光ファイバであることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の光導波路の製造方法。
  9. 請求項8記載の光ファイバを用いた光ファイバケーブル。
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