JP2005110008A - 光ファイバ伝送路の分散補償システムおよび分散補償方法 - Google Patents

光ファイバ伝送路の分散補償システムおよび分散補償方法 Download PDF

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Ikuo Yamashita
育男 山下
Yoshiyuki Aomi
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Abstract

【課題】 光ファイバ伝送路の長さに関わらず、分散の経時変化に応じて、光ファイバの分散補償量を最適化することが可能な分散補償システムおよび方法を提供する。
【解決手段】 光ファイバ伝送路102の波長分散を補償する分散補償システムにおいて、演算装置105が、光ファイバ伝送路102が敷設された一つまたは複数の地域A〜Cにおける気象情報を取得し、前記気象情報に基づき、気象条件に依存して変動する光ファイバの分散量を地域毎に推定し、地域毎に推定された分散量に基づき、光ファイバ伝送路102の全分散量を推定する。また、可変分散補償装置104が、前記全分散量に基づいて、気象条件に依存して変動する全分散の変化分を補償する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光通信技術に関し、特に、光ファイバ伝送路の分散を補償するためのシステムおよび方法に関する。
近年、旧来のメタリックケーブル(銅線)に代わり、ガラス繊維からなる透明なケーブル(光ファイバ)を用いた超高速通信サービスが、一般家庭向けにも普及しつつある。
光ファイバを用いた通信において伝送速度の高速化に関しては、光ファイバ伝送路の波長分散が問題となる。波長分散とは、以下のように定義される。すなわち、光ファイバの長さをL、伝搬光の波長をλ、波長λにおける光伝搬遅延時間をd、波長がλからΔλだけ離れた場合の光伝搬遅延時間をd+Δdとすると、波長λにおける波長分散Dは、Δλを0に近づけたときのΔd/Δλ/Lで与えられる。なお、光伝搬遅延時間とは、光信号の伝搬に要する時間である。波長分散は、光ファイバ材料の屈折率の波長依存性に起因するので、波長や光ファイバの屈折率分布に依存する。また、光ファイバ材料の屈折率は、温度にも依存するので、波長分散も温度に依存する。
上述したように波長分散が光通信の高速化に関して問題となるのは、以下の理由による。すなわち、光通信において、波長分散は、光ファイバを伝搬した光の時間波形を変化させる。伝搬する光信号は、その波形の時間変化による光のスペクトルを持っており、そのスペクトル成分は、波長分散の影響によって同時には受信端に到達しないからである。言い換えると、受信端にある時刻に到達する光には、異なる時間に発せられた光のスペクトル成分が含まれるので、受信端において受信した光からそのまま信号を再生すると、元の波形が正確に再現されないということになる。
光デジタル伝送の場合、伝送速度が高速になるほど、一つのシンボルの占有時間(これをTとする)が短くなるので、光のスペクトルの広がりが大きくなり、光伝搬遅延時間が大きくなる。光伝搬遅延時間のTに対する割合は、Tが小さくなるほど大きくなる。従って、波長分散が同一であっても、伝送速度が高速になるほど、波長分散の悪影響が大きくなる。
光を高速伝送するために波長分散を小さくすることは、上述の波形劣化に対しては有効であるが、一方、波長分散がゼロの近辺では、光学的非線形効果の悪影響があり、好ましくない。この問題の解決方法としては、伝送路に適度な波長分散を有する光ファイバを用いて、波長分散の符号が逆の光ファイバを周期的に挿入して、伝送路のトータルの波長分散をゼロにするのが理想と考えられている。このように光ファイバ伝送路の分散を調節することを、分散補償と呼んでいる。
今日大量に敷設され、実用に供されている光ファイバ伝送路は、このような理想的な伝送路ではなく、一般的にシングルモード光ファイバ(SMF)と呼ばれている光ファイバから構成されている。SMFは、波長分散が約16ピコセカンド/ナノメートル/キロメートル程度と大きいので、分散補償を行わないと、例えば10ギガビット毎秒のような高速伝送では、50キロメートル程度の伝送距離が限界である。
SMFからなる光ファイバ伝送路に対しても、伝送路の分散を打ち消すような光素子を挿入して全体の分散を小さくすることが有効であり、光素子として、光ファイバや光ファイバグレーティングが提案されている。このような光素子を、以下では分散補償器と称する。
上述のように、分散補償器によって光ファイバ伝送路の分散補償を行うことは高速伝送に不可欠であるが、光ファイバ伝送路の波長分散は時間的に変動することが知られている。その主な原因は、光ファイバの温度変動に基づく波長分散の変化であると考えられている。
これに対して、光ファイバの温度変動を実測し、測定した温度に応じて分散補償量を制御する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、光ファイバケーブルの外側に温度測定用の光ファイバを1本設置し、この温度測定用光ファイバ内の後方ラマン散乱光を利用して、当該光ファイバの温度変動を検知することが開示されている。
特開平10−224297号公報(第3−5頁、図1−3)
しかしながら、特許文献1に開示された従来の方法では、分散補償が可能な伝送路距離に制約があるという問題があった。すなわち、上記従来の方法では、光ファイバ自体の温度をラマン散乱で実測するため、この方法で分散補償が可能な伝送路距離は、通信用の光ファイバの場合、約10kmが限度である。
一般的には、ある局から他の局までの光ファイバ伝送路の長さは40kmを超えるので、上記従来の方法によって区間全体の光ファイバ温度変動を測定することは困難である。さらに、温度測定用のセンサ等を既設の光ケーブルに新たに追加することは現実的には困難であるという問題もある。
本発明は、このような問題に鑑み、光ファイバ伝送路の長さに関わらず、分散の経時変化に応じて、光ファイバの分散補償量を最適化することが可能な分散補償システムおよび方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明にかかる第1の分散補償システムは、光ファイバ伝送路の波長分散を補償する分散補償システムにおいて、前記光ファイバ伝送路が敷設された一つまたは複数の地域における気象情報を取得する気象情報取得部と、前記気象情報に基づき、気象条件に依存して変動する光ファイバの分散量を地域毎に推定し、地域毎に推定された分散量に基づき、前記光ファイバ伝送路の全分散量を推定する分散推定部と、前記全分散量に基づいて、気象条件に依存して変動する全分散の変化分を補償する分散調節部とを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、光ファイバ伝送路の光ファイバそのものの温度を測定するのではなく、光ファイバ伝送路が敷設された地域における気象情報に基づいて、光ファイバの分散量を推定する。これにより、光ファイバ伝送路の長さに関わらず、分散の経時変化に応じて、光ファイバの分散補償量を最適化することが可能となる。
また、上記の目的を達成するために、本発明にかかる第2の分散補償システムは、光ファイバ伝送路の波長分散を補償する分散補償システムにおいて、前記光ファイバ伝送路における光伝搬遅延を測定する遅延測定部と、前記光伝搬遅延に基づき、前記光ファイバ伝送路の分散量を推定する分散推定部と、前記分散量に基づいて、分散の変化分を補償する分散調節部とを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、光ファイバ伝送路の光ファイバそのものの温度を測定するのではなく、光ファイバ伝送路における光伝搬遅延に基づいて、光ファイバの分散量を推定する。これにより、光ファイバ伝送路の長さに関わらず、分散の経時変化に応じて、光ファイバの分散補償量を最適化することが可能となる。
上記の目的を達成するために、本発明にかかる第1の分散補償方法は、光ファイバ伝送路の波長分散を補償する分散補償方法において、前記光ファイバ伝送路が敷設された一つまたは複数の地域における気象情報を取得する気象情報取得ステップと、前記気象情報に基づき、気象条件に依存して変動する光ファイバの分散量を地域毎に推定し、地域毎に推定された分散量に基づき、前記光ファイバ伝送路の全分散量を推定する分散推定ステップと、前記全分散量に基づいて、気象条件に依存して変動する全分散の変化分を補償する分散調節ステップとを含むことを特徴とする。
この方法によれば、光ファイバ伝送路の光ファイバそのものの温度を測定するのではなく、光ファイバ伝送路が敷設された地域における気象情報に基づいて、光ファイバの分散量を推定する。これにより、光ファイバ伝送路の長さに関わらず、分散の経時変化に応じて、光ファイバの分散補償量を最適化することが可能となる。
上記の目的を達成するために、本発明にかかる第2の分散補償方法は、光ファイバ伝送路の波長分散を補償する分散補償方法において、前記光ファイバ伝送路における光伝搬遅延を測定する遅延測定ステップと、前記光伝搬遅延に基づき、前記光ファイバ伝送路の分散量を推定する分散推定ステップと、前記分散量に基づいて、分散の変化分を補償する分散調節ステップとを含むことを特徴とする。
この方法によれば、光ファイバ伝送路の光ファイバそのものの温度を測定するのではなく、光ファイバ伝送路における光伝搬遅延に基づいて、光ファイバの分散量を推定する。これにより、光ファイバ伝送路の長さに関わらず、分散の経時変化に応じて、光ファイバの分散補償量を最適化することが可能となる。
本発明によれば、光ファイバ伝送路の長さに関わらず、分散の経時変化に応じて、光ファイバの分散補償量を最適化することが可能な分散補償システムおよび方法を提供することができる。
前記した本発明にかかる第1の分散補償システムにおいて、前記気象情報が、各地域の気温に関する情報を含み、前記分散推定部が、各地域の気温と当該地域における光ファイバ伝送路の分散量との関係を予め定義した係数テーブルを参照することにより、前記地域毎の分散量を推定することが好ましい。
前記した本発明にかかる第1の分散補償方法において、前記気象情報が、各地域の気温に関する情報を含み、前記分散推定ステップにおいて、各地域の気温と当該地域における光ファイバ伝送路の分散量との関係を予め定義した係数テーブルを参照することにより、前記地域毎の分散量を推定することが好ましい。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる光通信システムの概略構成を示すブロック図である。なお、図1では、説明を分かりやすくするために、A地区中心局とB地区中心局の二局のみを示し、かつ、A地区中心局からB地区中心局へ通信を行うための構成のみを例示した。しかし、当業者であれば、図1に示した構成を応用し、三局以上の任意の局間で双方向通信を行う構成を実現することは容易であろう。
図1に示すように、本実施形態の光通信システムでは、A地区中心局内の光送信装置101と、B地区中心局内の光受信装置103との間が、光ファイバ伝送路102によって接続された構成である。光送信装置101、光ファイバ伝送路102、および光受信装置103は、一般的な光信号伝送に用いられる公知の構成であるので、詳細な説明は省略する。なお、図1の例では、光ファイバ伝送路102は、A地区からC地区を経由してB地区まで敷設されているものとする。また、図1の例では、各地区におけるファイバ伝送路102の長さは、A地区が8.7km、B地区が9.6km、C地区が8.4kmであるものとする。
受信側のB地区中心局において、光ファイバ伝送路102と光受信装置103との間に、可変分散補償装置104が設けられている。さらに、可変分散補償装置104には、演算装置105が接続されている。すなわち、本実施形態では、光受信装置103側に、光ファイバ伝送路102の分散補償を行うための構成(分散補償システム)として、可変分散補償装置および演算装置105が設けられている。
可変分散補償装置104は、図2に示すように、所定の温度(基準温度)における波長分散を補償する固定分散補償器104aと、演算装置105からの制御信号に応じて分散補償量を可変制御する分散調節器104bとを含む。
前述のとおり、光ファイバの波長分散は温度依存性があり、波長分散の経時的な変化の主要因は温度変化であると考えられている。この温度依存性は、光ファイバの種類により異なる。例えば、参考文献(「各種光ファイバの波長分散温度依存性」2000年電子情報通信学会総合大会C3−46)によると、温度変化に対する波長分散の変化は線形であり、分散温度係数によって特徴付けられる。さらに、波長分散温度係数は、光ファイバの種類が異なっても、光ファイバの分散スロープによってほぼ一義的に決定されることが、前記参考文献に述べられている。温度変化による波長分散の変化は、1度の温度変化に対して1%程度と小さい。従って、基準温度における光ファイバ伝送路102の波長分散を固定分散補償器104aで補償し、その基準温度からの温度変化に応じた波長分散を分散調節器104bで調節する。
演算装置105は、例えばパーソナルコンピュータで構成され、光ファイバ伝送路102におけるA〜Cの各地区の気象情報に基づき、各地区内で増加または減少させるべき分散補償量を求める。演算装置105は、さらに、各地区の分散補償量に基づいて光ファイバ伝送路102の全体における分散補償量を算出し、算出した分散補償量に応じて、可変分散補償装置104の分散調節器104bへ制御信号を送出する。演算装置105は、この他に、可変分散補償装置104の状態を表すデータ等を記憶する機能も有する。
また、演算装置105は、光ファイバ伝送路102の温度分布を検出するために、通信ネットワーク106を介して、A〜Cの各地区の気象情報を取得する機能を有する。すなわち、本実施形態では、演算装置105が気象情報取得部として機能する。
すなわち、演算装置105は、所定の時間間隔で、通信ネットワーク106を介し、A地区、B地区、C地区のそれぞれの気象情報を取得する。気象情報としては、気温が最も典型的に用いられるが、気温と共に、例えば、風速、風向、湿度、日照時間、降雨状況等の少なくともいずれか一つを、気象情報として用いても良い。また、地区毎の気象情報は、例えばインターネット等で狭い地域単位で提供されているローカル気象情報等から取得することができる。本実施形態では、演算装置105は、A地区、B地区、C地区のそれぞれの気温を、一定の時間間隔で取得するものとする。なお、地区毎の気象情報の取得タイミングは、必ずしも一定の時間間隔で行わなくても良い。例えば、各地区においてローカル気象情報が更新される時間間隔に応じて、気象情報の取得タイミングを適宜に決定しても良い。
本実施形態では、演算装置105は、上述のように取得した各地区の気温に基づいて、地区毎の分散補償量を求め、さらに光ファイバ伝送路102の全分散量を求める。すなわち、演算装置105は、分散推定部としても機能する。このために、演算装置105は、図3(a)〜(c)に示すような内容の係数テーブルを、ハードディスク等の記憶装置(図示せず)に記憶している。
例えば、図3(a)は、(1)A地区の気象情報から取得される気温と、(2)A地区内の光ファイバ伝送路102における光ファイバ温度の推定値と、(3)A地区内の光ファイバ伝送路102(長さ8.7km)における波長分散の推定値と、(4)A地区内の光ファイバ伝送路102における区間の分散量とを表す。また、図3(b)および(c)は、B地区およびC地区のそれぞれについて、上述と同様に、(1)気温、(2)光ファイバ温度の推定値、(3)波長分散の推定値、(4)区間の分散量、を表したものである。
前記(2)の光ファイバ温度の推定値としては、実測に基づいた経験値を用いる。例えば、図3(a)の場合、気温が−5.0℃から40℃までの5℃毎に、気温が当該値の場合の光ファイバ伝送路102の温度を予め実測した結果を用いる。ただし、必ずしも全ての温度帯について経験値(実測結果)を求める必要はない。例えば、当該地区では実測結果が得られなかった温度帯(例えば氷点下や40℃以上の気温)を、他の温度帯の実測結果から推測で求めても良い。あるいは、実測結果がまばらである場合に、実測結果を補間することによって、より多段階の推定値を求めても良い。
なお、A地区、B地区、C地区のそれぞれにおいて、気温が同一であってもファイバ温度の推定値が異なっているのは、気温の測定場所から光ファイバ伝送路102の敷設場所までの距離やその間の地形、あるいは、光ファイバ伝送路102のファイバ構造や敷設状態(地上、地下)等が、各地区毎に異なっているからである。
前記(3)の波長分散の推定値は、光ファイバ温度の推定値に基づいて、実測に基づいて得られる経験値である。波長分散の推定値も、光ファイバ温度の推定値が同一であっても、例えば光ファイバ構造等の違いにより、各地区毎に異なっていることがある。
また、前記(4)の区間の分散量は、(3)の波長分散の推定値に、当該地区の光ファイバ伝送路102の長さを乗じて得られる値である。
ここで、例えば、A地区の気温が20.0℃、B地区の気温が15.0℃、C地区の気温が20.0℃であったとすると、A地区における分散補償量は142.071、B地区における分散量は159.600、C地区における分散量は137.088と求められる。この場合、演算装置105は、これらの地区毎の分散量の総和をとることで、光ファイバ伝送路102の全体における分散量を算出する。
伝送において、最適となる分散量は、伝送システムの仕様として既知の値である。従って、最適分散量と伝送路の分散量との差から、必要となる分散補償量が算出される。
演算装置105は、上述のように分散補償量を算出すると、分散調節器104bが分担する補償量を決定し、内部の記憶装置(図示せず)から、直前の分散補償量を参照して、分散調節器104bを制御するための制御信号を送出する。分散調節器104bが、この制御信号に応じて分散の変化量を補償することにより、光送信装置101から光受信装置103の間の全分散が、光ファイバ伝送路102の温度変化によらず一定に保たれる。
なお、本実施形態では、気象情報(気温)から分散補償量を推定するための係数テーブルの例として、図3(a)〜(c)において、(1)気温、(2)光ファイバ温度の推定値、(3)波長分散の推定値、(4)分散補償量、の4種類の項目を含むテーブルを示した。しかし、(2)の光ファイバ温度の推定値、および、(3)の波長分散の推定値は、必ずしも演算装置105の記憶装置に記憶されていなくても良い。
また、本実施形態では、光ファイバ伝送路102が、気象条件の異なるA〜Cの三つの地区に跨って敷設されている例を示したが、地区の数は三つに限定されない。
以上のように、本実施形態では、分散調節器を制御するために光ファイバ伝送路の温度情報を実測から求めるのではなく、地域的な気象情報に基づき推定する。これにより、分散の経時変化が問題となるような高速度な光通信システムの分散を安定的に補償することが可能となる。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態にかかる光通信システムの概略構成を示すブロック図である。なお、図4では、説明を分かりやすくするために、D地区中心局とE地区中心局の二局のみを示し、かつ、D地区中心局からE地区中心局へ通信を行うための構成のみを例示した。しかし、当業者であれば、図4に示した構成を応用し、三局以上の任意の局間で双方向通信を行う構成を実現することは容易であろう。
図4に示すように、本実施形態の光通信システムでは、D地区中心局内の光送信装置201と、E地区中心局内の光受信装置203との間が、光ファイバ伝送路202によって接続された構成である。光送信装置201、光ファイバ伝送路202、および光受信装置203は、一般的な光信号伝送に用いられる公知の構成であるので、詳細な説明は省略する。
受信側のE地区中心局において、光ファイバ伝送路202と光受信装置203との間に、光カプラ206と可変分散補償装置204が設けられている。光カプラ206は、光伝搬遅延を測定するための光信号を、光ファイバ伝送路202から遅延測定装置207へ取り込むための光部品である。
遅延測定装置207は、光カプラ206より取り込んだ光信号から光伝搬遅延を測定し、その測定結果を演算装置205へ送る。デジタルデータ伝送の場合、各パケットのタイムスタンプなどに基づき、受信側で光伝搬遅延を容易に測定することができる。
可変分散補償装置204は、第1の実施形態にかかる可変分散補償装置104と同様に、図5に示すように、所定の分散量(基準となる光伝搬遅延時の分散量)を補償する固定分散補償器204aと、演算装置205からの制御信号に応じて、基準光伝搬遅延からの伝搬遅延変化に応じた分散量を補償する分散調節器204bとを含む。
演算装置205(分散推定部)は、例えばパーソナルコンピュータで構成され、光ファイバ伝送路202における光伝搬遅延から伝送路の分散を推定し、分散補償量を求める。演算装置205は、さらに、求めた分散補償量に応じて、可変分散補償装置204の分散調節器204bへ制御信号を送出する。演算装置205は、この他に、可変分散補償装置204の状態を表すデータ等を記憶する機能も有する。
なお、光伝搬遅延は、ある波長の信号が送信局から受信局まで伝わるのに必要な時間であり、光伝搬遅延そのものが波長分散量を表すのではない。ただし、波長分散量の変化する要因は、光ファイバの伸縮であり、光伝搬遅延も光ファイバの伸縮によって決まる値であることから、両者の間にはほぼ1対1の関係がある。従って、本実施形態にかかる演算装置205は、遅延測定装置207で測定された光伝搬遅延に基づいて波長分散量を推定する。
このため、演算装置205は、図6に示すような内容の係数テーブルを、ハードディスク等の記憶装置(図示せず)に記憶している。図6の例では、光伝搬遅延が−20.0ピコ秒から25.0ピコ秒までの5.0ピコ秒毎に、波長分散量の推定値が記憶されている。なお、この波長分散量の推定値としては、実測に基づいた経験値を用いる。ただし、必ずしも全ての光伝搬遅延値について、波長分散量を実測する必要はなく、一部について推測や補間を利用しても良い。
演算装置205は、光伝搬遅延に基づき、上述の係数テーブルから波長分散量を求めると、分散調節器204bが分担する補償量を決定し、内部の記憶装置(図示せず)から、直前の分散補償量を参照して、分散調節器204bを制御するための制御信号を送出する。分散調節器204bが、この制御信号に応じて分散の変化量を補償することにより、光送信装置201から光受信装置203の間の全分散が、光ファイバ伝送路202の分散の経時変化によらず一定に保たれる。
以上のように、本実施形態では、分散調節器を制御するために光ファイバ伝送路の分散の経時変化をラマン散乱の実測から求めるのではなく、光伝搬遅延から推定する。これにより、光ファイバ伝送路の長さに関わりなく、分散の経時変化が問題となるような高速度な光通信システムの分散を安定的に補償することが可能となる。
なお、上述の各実施形態は、本発明を限定するものではなく、発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上述の各実施形態では、光受信装置側で分散補償を行う構成を例示したが、光送信装置側で分散補償を行うことも可能である。
本発明の第1の実施形態にかかる光通信システムの概略構成を示すブロック図 前記光通信システムにおける可変分散補償装置の内部構成を示すブロック図 (a)〜(c)は、前記光通信システムにおいて各地区の気温から分散量を推定するために参照される係数テーブルの一例を示す説明図 本発明の第2の実施形態にかかる光通信システムの概略構成を示すブロック図 前記光通信システムにおける可変分散補償装置の内部構成を示すブロック図 前記光通信システムにおいて光伝搬遅延から分散量を推定するために参照される係数テーブルの一例を示す説明図
符号の説明
101、201 光送信装置
102、202 光ファイバ伝送路
103、203 光受信装置
104、204 可変分散補償装置
105、205 演算装置
206 光カプラ
207 遅延測定装置

Claims (6)

  1. 光ファイバ伝送路の波長分散を補償する分散補償システムにおいて、
    前記光ファイバ伝送路が敷設された一つまたは複数の地域における気象情報を取得する気象情報取得部と、
    前記気象情報に基づき、気象条件に依存して変動する光ファイバの分散量を地域毎に推定し、地域毎に推定された分散量に基づき、前記光ファイバ伝送路の全分散量を推定する分散推定部と、
    前記全分散量に基づいて、気象条件に依存して変動する全分散の変化分を補償する分散調節部とを備えたことを特徴とする分散補償システム。
  2. 前記気象情報が、各地域の気温に関する情報を含み、
    前記分散推定部が、各地域の気温と当該地域における光ファイバ伝送路の分散量との関係を予め定義した係数テーブルを参照することにより、前記地域毎の分散量を推定する、請求項1に記載の分散補償システム。
  3. 光ファイバ伝送路の波長分散を補償する分散補償システムにおいて、
    前記光ファイバ伝送路における光伝搬遅延を測定する遅延測定部と、
    前記光伝搬遅延に基づき、前記光ファイバ伝送路の分散量を推定する分散推定部と、
    前記分散量に基づいて、分散の変化分を補償する分散調節部とを備えたことを特徴とする分散補償システム。
  4. 光ファイバ伝送路の波長分散を補償する分散補償方法において、
    前記光ファイバ伝送路が敷設された一つまたは複数の地域における気象情報を取得する気象情報取得ステップと、
    前記気象情報に基づき、気象条件に依存して変動する光ファイバの分散量を地域毎に推定し、地域毎に推定された分散量に基づき、前記光ファイバ伝送路の全分散量を推定する分散推定ステップと、
    前記全分散量に基づいて、気象条件に依存して変動する全分散の変化分を補償する分散調節ステップとを含むことを特徴とする分散補償方法。
  5. 前記気象情報が、各地域の気温に関する情報を含み、
    前記分散推定ステップにおいて、各地域の気温と当該地域における光ファイバ伝送路の分散量との関係を予め定義した係数テーブルを参照することにより、前記地域毎の分散量を推定する、請求項4に記載の分散補償方法。
  6. 光ファイバ伝送路の波長分散を補償する分散補償方法において、
    前記光ファイバ伝送路における光伝搬遅延を測定する遅延測定ステップと、
    前記光伝搬遅延に基づき、前記光ファイバ伝送路の分散量を推定する分散推定ステップと、
    前記分散量に基づいて、分散の変化分を補償する分散調節ステップとを含むことを特徴とする分散補償方法。
JP2003342128A 2003-09-30 2003-09-30 光ファイバ伝送路の分散補償システムおよび分散補償方法 Withdrawn JP2005110008A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010141683A (ja) * 2008-12-12 2010-06-24 Mitsubishi Electric Corp 光伝送装置及び分散補償器
CN114268367A (zh) * 2021-12-21 2022-04-01 国网甘肃省电力公司酒泉供电公司 一种基于光纤合路的多路电力传输方法及系统
WO2022201526A1 (ja) * 2021-03-26 2022-09-29 日本電気株式会社 データ処理装置、測定システム及びデータ処理方法

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