本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明による受信装置の斜視図である。受信装置10は、ダイバシティアンテナ1と、装置本体2とを備える。ダイバシティアンテナ1は、アンテナ素子11〜14から成る。ダイバシティアンテナ1は、例えば、地上波放送用の電波を受信する。
アンテナ素子11〜13は、装置本体2の上面2Aに設置される。アンテナ素子14は、装置本体2の側面2Bに設置される。そして、アンテナ素子11は、x軸の正方向DR1に向けて配置され、アンテナ素子12は、y軸の正方向DR2に向けて配置され、アンテナ素子13は、z軸の正方向DR3に向けて配置され、アンテナ素子14は、z軸の負方向DR4に向けて配置される。従って、アンテナ素子11〜14は、相互に直交するように装置本体2に設置される。
アンテナ素子11は、y軸方向の電界に対する感度及びz軸方向の電界に対する感度よりも大きい感度を有する。アンテナ素子12は、x軸方向の電界に対する感度及びz軸方向の電界に対する感度よりも大きい感度を有する。アンテナ素子13は、x軸方向の電界に対する感度及びy軸方向の電界に対する感度よりも大きい感度を有する。アンテナ素子14は、アンテナ素子13が感度を有する電界と反対方向の電界に対して感度を有する。即ち、アンテナ素子14は、アンテナ素子13の電界に対する感度よりも大きい感度を有する。
従って、アンテナ素子11は、x軸と(−π/4)+2nπ〜(π/4)+2nπ(n:0,1,2,・・・)の範囲の角度θx、または(3π/4)+2nπ〜(5π/4)+2nπの範囲の角度θxで交差する電界成分Exを検出する。また、アンテナ素子12は、y軸と(−π/4)+2nπ〜(π/4)+2nπ(n:0,1,2,・・・)の範囲の角度θy、または(3π/4)+2nπ〜(5π/4)+2nπの範囲の角度θyで交差する電界成分Eyを検出する。更に、アンテナ素子13は、z軸の正方向DR3と(−π/4)+2nπ〜(π/4)+2nπの範囲の角度θz1で交差する電界成分Ezを検出する。更に、アンテナ素子14は、z軸の負方向DR4と(−π/4)+2nπ〜(π/4)+2nπの範囲の範囲の角度θz2で交差する電界成分−Ezを検出する。
図2は、図1に示す4つのアンテナ素子11〜14の具体的形状を示す図である。アンテナ素子11〜14の各々は、円柱導体15からなる(図2の(a))。また、アンテナ素子11〜14の各々は、伸縮ロッド導体16により構成されてもよい(図2の(b))。伸縮ロッド導体16は、電界方向に伸縮可能である。更に、アンテナ素子11〜14の各々は、ホイップ導体17により構成されてもよい(図2の(c))。更に、アンテナ素子11〜14の各々は、2つの円柱導体18,19をコイル20により接続した導体から構成されてもよい(図2の(d))。更に、アンテナ素子11〜14の各々は、円柱導体15の一方端に容量ハット21が設置された導体から構成されてもよい(図2の(e))。容量ハット21は、電気的に整合をとるために設けられる。容量ハット21を設けることにより、放射エネルギーを有効利用できる。
更に、アンテナ素子11〜14の各々は、図2の(f)、(g)、及び(h)に示すアンテナから構成されていてもよい。図2の(f)は、プリント基板22と直線状の導体23とからなるアンテナを示し、図2の(g)は、プリント基板22と湾曲した導体24とからなるアンテナを示し、図2の(h)は、プリント基板22とT字形状の導体25とからなるアンテナを示す。
このように、アンテナ素子11〜14の各々は、各種の形状からなる。
図3は、図1に示す装置本体2に含まれる受信機のブロック図である。受信機100は、抵抗31,35,39,40,44,48,49,53,57,58,62,66と、コンデンサ34,38,43,47,52,56,61,65と、ダイオード33,37,42,46,51,55,60,64と、受信回路70と、レベル検出回路80と、制御回路90と、配線91〜98と、信号処理回路110とを含む。
抵抗31は、アンテナ素子11と接地GNDとの間に接続される。ダイオード33及びコンデンサ34は、アンテナ素子11と、受信回路70のプラス(+)端子との間に直列に接続される。抵抗35は、ノードN1と配線91との間に接続される。
ダイオード37及びコンデンサ38は、アンテナ素子11と、受信回路70のマイナス(−)端子との間に直列に接続される。抵抗39は、ノードN2と配線92との間に接続される。
抵抗40,49,58は、抵抗31と同じ方式によって接続される。また、ダイオード42及びコンデンサ43と、ダイオード51及びコンデンサ52と、ダイオード60及びコンデンサ61とは、ダイオード33及びコンデンサ34と同じ方式によって接続される。更に、ダイオード46及びコンデンサ47と、ダイオード55及びコンデンサ56と、ダイオード64及びコンデンサ65とは、ダイオード37及びコンデンサ38と同じ方式によって接続される。
そして、抵抗44,48,53,57,62,66は、それぞれ、ノードN3〜N8と配線93〜98との間に接続される。
コンデンサ34,38,43,47,52,56,61,65は、それぞれ、ダイオード33,37,42,46,51,55,60,64の制御電圧が受信回路70等へ影響を与えないように直流成分を除去する。
ダイオード33,37,42,46,51,55,60,64は、制御回路90からそれぞれ配線91〜98を介してノードN1〜N8に直流電圧が印加されると、アンテナ素子11〜14により受信された電波に基づく電流を受信回路70のプラス端子へ供給する。
受信回路70は、ダイオード33,42,51,60からの電流をプラス端子に受け、ダイオード37,46,55,64からの電流をマイナス端子に受ける。そして、受信回路70は、プラス端子に受けた電流からマイナス端子に受けた電流を減算して受信信号を生成し、その生成した受信信号をレベル検出回路80及び信号処理回路110へ出力する。
レベル検出回路80は、受信回路70から受けた受信信号の強度を検出し、その検出した受信信号の強度を制御回路90へ出力する。制御回路90は、後述する方法によって、所望の電波を検出できるように直流電圧を印加するダイオードを決定する。
信号処理回路110は、受信回路70からの受信信号を処理する。
受信装置10が最大電力法によって電波を受信する場合の規範として次の2種類の規範が存在する。
(1)受信信号の強度が最大である電波を検出する。
(2)受信信号の強度がしきい値よりも大きい電波を検出する。
図4は、2つの規範を説明するための概念図である。図4において、横軸は、受信信号の強度を表わし、縦軸は、受信信号の品質を表わす。曲線k1は、規範(1)に従ったときの受信信号の品質と受信信号の強度との関係を示し、曲線k2は、規範(2)に従ったときの受信信号の品質と受信信号の強度との関係を示す。
規範(1)に従う場合、受信機100は、誤り訂正機能を有しない。この場合、受信信号の品質は、受信信号の強度が所定値I0までは低レベルを保持し、受信信号の強度が所定値I0よりも強くなると、受信信号の強度に比例して徐々に向上する。そして、受信信号の品質は、最終的に受信信号の強度に対して飽和する。
従って、規範(1)に従う場合、制御回路90は、受信信号の強度が最大になるように直流電圧を印加するダイオードを決定する。
一方、規範(2)に従う場合、受信機100は、誤り訂正機能を有する。この場合、受信信号の品質は、受信信号の強度がしきい値Ithまでは低レベルを保持し、受信信号の強度がしきい値Ithよりも大きくなると、急峻に向上する。
従って、規範(2)に従う場合、制御回路90は、受信信号の強度がしきい値Ithよりも強くなるように直流電圧を印加するダイオードを決定する。
規範(1)又は(2)に従って直流電圧を印加するダイオードを決定する場合、制御回路90は、直流電圧を印加するダイオードのパターンを表1に従って変える。
電波の電界のx成分Exが支配的であるとき、即ち、|Ex|>|Ey|>|Ez|または|Ex|>|Ey|=|Ez|または|Ex|>|Ez|>|Ey|であるとき、ダイオード33,46,55,64がオンされ、ダイオード37,42,51,60がオフされる。
この場合、電界のx成分Exが支配的であるので、x軸方向に配置されたアンテナ素子11によって受信された電波がオン状態にあるダイオード33を介して受信回路70のプラス端子に供給され、y軸方向に配置されたアンテナ素子12、z軸の正方向DR3に配置されたアンテナ素子13及びz軸の負方向DR4に配置されたアンテナ素子14によって受信された電波がオン状態にあるダイオード46,55,64を介して受信回路70のマイナス端子に供給される。
電界のx成分Exが支配的である場合、電界Eの方向は、x軸と成す角度θxが(−π/4)+2nπ〜(π/4)+2nπ、または(3π/4)+2nπ〜(5π/4)+2nπとなる方向であり、アンテナ素子11がアンテナ素子12〜14の感度よりも大きい感度で電波を受信でき、アンテナ素子12〜14がアンテナ素子11の感度よりも小さい感度で電波を受信するので、アンテナ素子11をプラス電極として機能させ、アンテナ素子12〜14をマイナス電極(即ち、グランド)として機能させたものである。
電界のy成分Eyが支配的であるとき、即ち、|Ey|>|Ex|>|Ez|または|Ey|>|Ex|=|Ez|または|Ey|>|Ez|>|Ex|であるとき、ダイオード37,42,55,64がオンされ、ダイオード33,46,51,60がオフされる。
この場合、電界のy成分Eyが支配的であるので、y軸方向に配置されたアンテナ素子12によって受信された電波がオン状態にあるダイオード42を介して受信回路70のプラス端子に供給され、x軸方向に配置されたアンテナ素子11、z軸の正方向DR3に配置されたアンテナ素子13及びz軸の負方向DR4に配置されたアンテナ素子14によって受信された電波がオン状態にあるダイオード37,55,64を介して受信回路70のマイナス端子に供給される。
電界のy成分Eyが支配的である場合、電界Eの方向は、y軸と成す角度θyが(−π/4)+2nπ〜(π/4)+2nπ、または(3π/4)+2nπ〜(5π/4)+2nπとなる方向であり、アンテナ素子12がアンテナ素子11,13,14の感度よりも大きい感度で電波を受信でき、アンテナ素子11,13,14がアンテナ素子12よりも小さい感度で電波を受信するので、アンテナ素子12をプラス電極として機能させ、アンテナ素子11,13,14をマイナス電極(即ち、グランド)として機能させたものである。
電界のz成分Ezが支配的であるとき、即ち、|Ez|>|Ey|>|Ex|または|Ez|>|Ey|=|Ez|または|Ez|>|Ex|>|Ey|であるとき、ダイオード51,64がオンされ、ダイオード33,37,42,46,55,60がオフされる。
この場合、電界のz成分Ezが支配的であるので、z軸の正方向DR3に配置されたアンテナ素子13によって受信された電波がオン状態にあるダイオード51を介して受信回路70のプラス端子に供給され、z軸の負方向DR4に配置されたアンテナ素子14によって受信された電波がオン状態にあるダイオード64を介して受信回路70のマイナス端子に供給される。
電界のz成分Ezが支配的である場合、電界Eの方向は、z軸の正方向DR3と成す角度θz1が(−π/4)+2nπ〜(π/4)+2nπとなる方向、またはz軸の負方向DR4と成す角度θz2が(7π/4)+2nπ〜(π/4)+2nπとなる方向であり、アンテナ素子13,14のいずれか一方がアンテナ素子11,12の感度よりも大きい感度で電波を受信できるので、アンテナ素子13をプラス電極として機能させ、アンテナ素子14をマイナス電極(即ち、グランド)として機能させたものである。
電界のx成分Ex及びy成分Eyが同程度に支配的である場合、即ち、|Ex|=|Ey|>|Ez|の場合、Ex=EyのときとEx=−Eyのときとに更に分けられる。そして、|Ex|=|Ey|>|Ez|、かつ、Ex=Eyのとき、ダイオード33,42,55,64がオンされ、ダイオード37,46,51,60がオフされる。
この場合、電界のx成分Ex及びy成分Eyが同程度に支配的であるので、x軸方向に配置されたアンテナ素子11及びy軸方向に配置されたアンテナ素子12によって受信された電波がオン状態にあるダイオード33,42を介して受信回路70のプラス端子に供給され、z軸の正方向DR3に配置されたアンテナ素子13及びz軸の負方向DR4に配置されたアンテナ素子14によって受信された電波がオン状態にあるダイオード55,64を介して受信回路70のマイナス端子に供給される。
電界のx成分Ex及びy成分Eyが同程度に支配的であり、かつ、Ex=Eyである場合、電界Eの方向は、x軸の正方向DR1となす角度θxとy軸の正方向DR2と成す角度θyが同じとなる方向であり、アンテナ素子11及び12がアンテナ素子13,14の感度よりも大きい感度で電波を受信し、アンテナ素子13及び14がアンテナ素子11,12の感度よりも小さい感度で電波を受信するので、アンテナ素子11,12をプラス電極として機能させ、アンテナ素子13,14をマイナス電極(グランド)として機能させることにしたものである。
|Ex|=|Ey|>|Ez|、かつ、Ex=−Eyのとき、ダイオード33,46,55,64がオンされ、ダイオード37,42,51,60がオフされる。
この場合、電界のx成分Ex及びy成分−Eyが同程度に支配的であるので、x軸方向に配置されたアンテナ素子11によって受信された電波がオン状態にあるダイオード33を介して受信回路70のプラス端子に供給され、y軸方向に配置されたアンテナ素子12、z軸の正方向DR3に配置されたアンテナ素子13及びz軸の負方向DR4に配置されたアンテナ素子14によって受信された電波がオン状態にあるダイオード46,55,64を介して受信回路70のマイナス端子に供給される。
電界のx成分Ex及びy成分Eyが同程度に支配的であり、かつ、Ex=−Eyである場合、電界Eの方向は、x軸の正方向DR1となす角度θxとy軸の負方向と成す角度θyが同じとなる方向であり、アンテナ素子11がアンテナ素子12〜14の感度よりも大きい感度で電波を受信し、アンテナ素子12〜14がアンテナ素子11の感度よりも小さい感度で電波を受信するので、アンテナ素子11をプラス電極として機能させ、アンテナ素子12〜14をマイナス電極(グランド)として機能させることにしたものである。
電界のx成分Ex及びz成分Ezが同程度に支配的である場合、即ち、|Ex|=|Ez|>|Ey|の場合、Ex=EzのときとEx=−Ezのときとに更に分けられる。そして、|Ex|=|Ez|>|Ey|、かつ、Ex=Ezのとき、ダイオード33,51,64がオンされ、ダイオード37,42,46,51,55,60がオフされる。
この場合、電界のx成分Ex及びz成分Ezが同程度に支配的であるので、x軸方向に配置されたアンテナ素子11及びz軸の正方向DR3に配置されたアンテナ素子13によって受信された電波がオン状態にあるダイオード33,51を介して受信回路70のプラス端子に供給され、z軸の負方向DR4に配置されたアンテナ素子14によって受信された電波がオン状態にあるダイオード64を介して受信回路70のマイナス端子に供給される。
電界のx成分Ex及びz成分Ezが同程度に支配的であり、かつ、Ex=Ezである場合、電界Eの方向は、x軸の正方向DR1となす角度θxとz軸の正方向DR3と成す角度θz1とが同じとなる方向であり、アンテナ素子11及び13がアンテナ素子12及び14の感度よりも大きい感度で電波を受信し、アンテナ素子14がアンテナ素子11〜13の感度よりも小さい感度で電波を受信するので、アンテナ素子11,13をプラス電極として機能させ、アンテナ素子14をマイナス電極(グランド)として機能させることにしたものである。
電界のx成分Ex及びz成分Ezが同程度に支配的であり、かつ、Ex=−Ezのとき、ダイオード33,55,60がオンされ、ダイオード37,42,46,51,64がオフされる。
この場合、電界のx成分Ex及びz成分−Ezとが同程度に支配的であるので、x軸方向に配置されたアンテナ素子11及びz軸の負方向DR4に配置されたアンテナ素子14によって受信された電波がオン状態にあるダイオード33,60を介して受信回路70のプラス端子に供給され、z軸の正方向DR3に配置されたアンテナ素子13によって受信された電波がオン状態にあるダイオード55を介して受信回路70のマイナス端子に供給される。
電界のx成分Ex及びz成分Ezが同程度に支配的であり、かつ、Ex=−Ezである場合、電界Eの方向は、x軸の正方向DR1となす角度θxとz軸の負方向DR4と成す角度θz2とが同じとなる方向であり、アンテナ素子11及び14がアンテナ素子12,13の感度よりも大きい感度で電波を受信し、アンテナ素子13がアンテナ素子11,12,14の感度よりも小さい感度で電波を受信するので、アンテナ素子11,14をプラス電極として機能させ、アンテナ素子13をマイナス電極(グランド)として機能させることにしたものである。
電界のy成分Ey及びz成分Ezが同程度に支配的である場合、即ち、|Ey|=|Ez|>|Ex|の場合、Ey=EzのときとEy=−Ezのときとに更に分けられる。そして、|Ey|=|Ez|>|Ex|、かつ、Ey=Ezのとき、ダイオード42,51,64がオンされ、ダイオード33,37,46,55,60がオフされる。
この場合、電界のy成分Ey及びz成分Ezが同程度に支配的であるので、y軸方向に配置されたアンテナ素子12及びz軸の正方向DR3に配置されたアンテナ素子13によって受信された電波がオン状態にあるダイオード42,51を介して受信回路70のプラス端子に供給され、z軸の負方向DR4に配置されたアンテナ素子14によって受信された電波がオン状態にあるダイオード64を介して受信回路70のマイナス端子に供給される。
電界のy成分Ey及びz成分Ezが同程度に支配的であり、かつ、Ey=Ezである場合、電界Eの方向は、y軸の正方向DR2となす角度θyとz軸の正方向DR3と成す角度θz1とが同じとなる方向であり、アンテナ素子12及び13がアンテナ素子11,14の感度よりも大きい感度で電波を受信し、アンテナ素子14がアンテナ素子11〜13の感度よりも小さい感度で電波を受信するので、アンテナ素子12,13をプラス電極として機能させ、アンテナ素子14をマイナス電極(グランド)として機能させることにしたものである。
電界のy成分Ey及びz成分Ezが同程度に支配的であり、かつ、Ey=−Ezのとき、ダイオード42,55,60がオンされ、ダイオード33,37,46,51,64がオフされる。
この場合、電界のy成分Ey及びz成分−Ezが同程度に支配的であるので、y軸方向に配置されたアンテナ素子12及びz軸の負方向DR4に配置されたアンテナ素子14によって受信された電波がオン状態にあるダイオード42,60を介して受信回路70のプラス端子に供給され、z軸の正方向DR3に配置されたアンテナ素子13によって受信された電波がオン状態にあるダイオード55を介して受信回路70のマイナス端子に供給される。
電界のy成分Ey及びz成分Ezが同程度に支配的であり、かつ、Ey=−Ezである場合、電界Eの方向は、y軸の正方向DR2となす角度θyとz軸の負方向DR4と成す角度θz2とが同じとなる方向であり、アンテナ素子12及び14がアンテナ素子11,13の感度よりも大きい感度で電波を受信し、アンテナ素子13がアンテナ素子11,12,14の感度よりも小さい感度で電波を受信するので、アンテナ素子12,14をプラス電極として機能させ、アンテナ素子13をマイナス電極(グランド)として機能させることにしたものである。
電界のx成分Ex、y成分Ey及びz成分Ezが同程度に支配的である場合、即ち、|Ex|=|Ey|=|Ex|の場合、Ex=Ey=Ezのとき、Ex=Ey=−Ezのとき、Ex=−Ey=Ezのとき、Ex=−Ey=−Ezのときとに更に分けられる。そして、|Ex|=|Ey|=|Ex|、かつ、Ex=Ey=Ezのとき、ダイオード33,42,51,64がオンされ、ダイオード37,46,55,60がオフされる。
この場合、電界のx成分Ex、y成分Ey及びz成分Ezが同程度に支配的であるので、x軸方向に配置されたアンテナ素子11、y軸方向に配置されたアンテナ素子12及びz軸の正方向DR3に配置されたアンテナ素子13によって受信された電波がオン状態にあるダイオード33,42,51を介して受信回路70のプラス端子に供給され、z軸の負方向DR4に配置されたアンテナ素子14によって受信された電波がオン状態にあるダイオード64を介して受信回路70のマイナス端子に供給される。
電界Eのx成分Ex、y成分Ey及びz成分Ezが同程度に支配的であり、かつ、Ex=Ey=Ezである場合、電界Eの方向は、x軸の正方向DR1と成す角度θx、y軸の正方向DR2となす角度θy及びz軸の正方向DR3と成す角度θz1が同じとなる方向であり、アンテナ素子11,12及び13がアンテナ素子14の感度よりも大きい感度で電波を受信し、アンテナ素子14がアンテナ素子11〜13の感度よりも小さい感度で電波を受信するので、アンテナ素子11〜13をプラス電極として機能させ、アンテナ素子14をマイナス電極(グランド)として機能させることにしたものである。
電界Eのx成分Ex、y成分Ey及びz成分Ezが同程度に支配的であり、Ex=Ey=−Ezのとき、ダイオード33,42,55,60がオンされ、ダイオード37,46,51,64がオフされる。
この場合、電界Eのx成分Ex、y成分Ey及びz成分−Ezが同程度に支配的であるので、x軸方向に配置されたアンテナ素子11、y軸方向に配置されたアンテナ素子12及びz軸の負方向DR4に配置されたアンテナ素子14によって受信された電波がオン状態にあるダイオード33,42、60を介して受信回路70のプラス端子に供給され、z軸の正方向DR3に配置されたアンテナ素子13によって受信された電波がオン状態にあるダイオード55を介して受信回路70のマイナス端子に供給される。
電界Eのx成分Ex、y成分Ey及びz成分Ezが同程度に支配的であり、かつ、Ex=Ey=−Ezである場合、電界Eの方向は、x軸の正方向DR1と成す角度θx、y軸の正方向DR2となす角度θy及びz軸の負方向DR4と成す角度θz2が同じとなる方向であり、アンテナ素子11,12及び14がアンテナ素子13の感度よりも大きい感度で電波を受信し、アンテナ素子13がアンテナ素子11,12,14の感度よりも小さい感度で電波を受信するので、アンテナ素子11,12,14をプラス電極として機能させ、アンテナ素子13をマイナス電極(グランド)として機能させることにしたものである。
電界Eのx成分Ex、y成分Ey及びz成分Ezが同程度に支配的であり、かつ、Ex=−Ey=Ezのとき、ダイオード33,46,51,64がオンされ、ダイオード37,42,55,60がオフされる。
この場合、電界Eのx成分Ex、y成分−Ey及びz成分Ezが同じであるので、x軸方向に配置されたアンテナ素子11及びz軸の正方向DR3に配置されたアンテナ素子13によって受信された電波がオン状態にあるダイオード33,51を介して受信回路70のプラス端子に供給され、y軸方向に配置されたアンテナ素子12及びz軸の負方向DR4に配置されたアンテナ素子14によって受信された電波がオン状態にあるダイオード46,64を介して受信回路70のマイナス端子に供給される。
電界Eのx成分Ex、y成分Ey及びz成分Ezが同程度に支配的であり、かつ、Ex=−Ey=Ezである場合、電界Eの方向は、x軸の正方向DR1と成す角度θx、y軸の負方向となす角度θy及びz軸の正方向DR3と成す角度θz1が同じとなる方向であり、アンテナ素子11及び13がアンテナ素子12,14の感度よりも大きい感度で電波を受信し、アンテナ素子12,14がアンテナ素子11,13の感度よりも小さい感度で電波を受信するので、アンテナ素子11,13をプラス電極として機能させ、アンテナ素子12,14をマイナス電極(グランド)として機能させることにしたものである。
電界Eのx成分Ex、y成分Ey及びz成分Ezが同程度に支配的であり、かつ、Ex=−Ey=−Ezのとき、ダイオード33,46,55,60がオンされ、ダイオード37,42,51,64がオフされる。
この場合、電界Eのx成分Ex、y成分−Ey及びz成分−Ezが同じであるので、x軸方向に配置されたアンテナ素子11及びz軸の負方向DR4に配置されたアンテナ素子14によって受信された電波がオン状態にあるダイオード33,60を介して受信回路70のプラス端子に供給され、y軸方向に配置されたアンテナ素子12及びz軸の正方向DR3に配置されたアンテナ素子13によって受信された電波がオン状態にあるダイオード46,55を介して受信回路70のマイナス端子に供給される。
電界Eのx成分Ex、y成分Ey及びz成分Ezが同程度に支配的であり、かつ、Ex=−Ey=−Ezである場合、電界Eの方向は、x軸の正方向DR1と成す角度θx、y軸の負方向となす角度θy及びz軸の正方向DR4と成す角度θz2が同じとなる方向であり、アンテナ素子11及び14がアンテナ素子12,13の感度よりも大きい感度で電波を受信し、アンテナ素子12,13がアンテナ素子11,14の感度よりも小さい感度で電波を受信するので、アンテナ素子11,14をプラス電極として機能させ、アンテナ素子12,13をマイナス電極(グランド)として機能させることにしたものである。
このように、表1は、電波の電界Eが3次元的に分布しても、4個のアンテナ素子11〜14の少なくとも2つのアンテナ素子によって電波を受信可能なダイオードのパターンを表わす。
そして、x成分Ex及びy成分Eyが同程度に支配的である場合は、Ex=Eyの場合と、Ex=−Eyの場合とに分けられている。また、電界Eのx成分Ex及びz成分Ezが同程度に支配的である場合は、Ex=Ezの場合と、Ex=−Ezの場合とに分けられている。更に、電界Eのy成分Ey及びz成分Ezが同程度に支配的である場合は、Ey=Ezの場合と、Ey=−Ezの場合とに分けられている。更に、電界Eのx成分Ex、y成分Ey、及びz成分Ezが同程度に支配的である場合は、Ex=Ey=Ez、Ex=Ey=−Ez、Ex=−Ey=Ez及びEx=−Ey=−Ezの4つの場合に分けられている。
従って、制御回路90は、直流電圧を印加するダイオードのパターンを13個のパターンに変化させる。
なお、1つのパターンに従ってダイオード33,37,42,46,51,55,60,64をオン/オフすることは、4個のアンテナ素子11〜14のうち、少なくとも1つのアンテナ素子の感度を他のアンテナ素子の感度よりも大きくして特定の方向を向いた電界を有する電波を受信することに相当する。従って、表1に示す13個のパターンに従って直流電圧を印加するダイオードを変えることは、電波の電界に対する感度パターンを変えることに相当する。
図5は、規範(1)に従って所望の電波、即ち、受信信号の強度が最大となる電波を受信するように感度パターンを決定する動作を説明するためのフローチャートである。
一連の動作が開始されると、制御回路90は、感度パターン1を設定する(ステップS1)。即ち、制御回路90は、ダイオード33,46,55,64をオンし、ダイオード37,42,51,60をオフする。そして、ダイオード33は、アンテナ素子11によって受信された電波に基づく電流を受信回路70のプラス端子に供給し、ダイオード46は、アンテナ素子12によって受信された電波に基づく電流を受信回路70のマイナス端子に供給し、ダイオード55は、アンテナ素子13によって受信された電波に基づく電流を受信回路70のマイナス端子に供給し、ダイオード64は、アンテナ素子14によって受信された電波に基づく電流を受信回路70のマイナス端子に供給する。
受信回路70は、ダイオード33を介して受信した信号と、ダイオード46,55,64を介して受信した信号との差を演算して受信信号を生成し、その生成した受信信号をレベル検出回路80へ出力する。レベル検出回路80は、受信回路70から受信信号を受け、その受けた受信信号の強度I1を検出する(ステップS2)。そして、レベル検出回路80は、受信信号の強度I1を制御回路90へ出力する。制御回路90は、受信信号の強度I1を記憶する(ステップS3)。
制御回路90は、受信信号の強度I1を記憶すると、感度パターン2を設定する(ステップS4)。即ち、制御回路90は、ダイオード37,42,55,64をオンし、ダイオード33,46,51,60をオフする。そして、ダイオード42は、アンテナ素子12によって受信された電波に基づく電流を受信回路70のプラス端子に供給し、ダイオード37は、アンテナ素子11によって受信された電波に基づく電流を受信回路70のマイナス端子に供給し、ダイオード55は、アンテナ素子13によって受信された電波に基づく電流を受信回路70のマイナス端子に供給し、ダイオード64は、アンテナ素子14によって受信された電波に基づく電流を受信回路70のマイナス端子に供給する。
受信回路70は、ダイオード42を介して受信した信号と、ダイオード37,55,64を介して受信した信号との差を演算して受信信号を生成し、その生成した受信信号をレベル検出回路80へ出力する。レベル検出回路80は、受信回路70から受信信号を受け、その受けた受信信号の強度I2を検出する(ステップS5)。そして、レベル検出回路80は、受信信号の強度I2を制御回路90へ出力する。制御回路90は、受信信号の強度I2を記憶する(ステップS6)。
その後、制御回路90は、感度パターン3〜12を順次設定する。そして、設定された感度パターン3〜12において、上述した方法と同じ方法によって、それぞれ受信信号の強度I3〜I12が検出され、制御回路90は、受信信号の強度I3〜I12を記憶する。
制御回路90は、受信信号の強度I12を記憶すると、最後に感度パターン13を設定する(ステップS7)。即ち、制御回路90は、ダイオード33,46,55,60をオンし、ダイオード37,42,51,64をオフする。そして、ダイオード33は、アンテナ素子11によって受信された電波に基づく電流を受信回路70のプラス端子に供給し、ダイオード60は、アンテナ素子14によって受信された電波に基づく電流を受信回路70のプラス端子に供給し、ダイオード46は、アンテナ素子12によって受信された電波に基づく電流を受信回路70のマイナス端子に供給し、ダイオード55は、アンテナ素子13によって受信された電波に基づく電流を受信回路70のマイナス端子に供給する。
受信回路70は、ダイオード33,60を介して受信した信号と、ダイオード46,55を介して受信した信号との差を演算して受信信号を生成し、その生成した受信信号をレベル検出回路80へ出力する。レベル検出回路80は、受信回路70から受信信号を受け、その受けた受信信号の強度I13を検出する(ステップS8)。そして、レベル検出回路80は、受信信号の強度I13を制御回路90へ出力する。制御回路90は、受信信号の強度I13を記憶する(ステップS9)。
制御回路90は、受信信号の強度I1〜I13を記憶すると、強度I1〜I13から最大の強度Imaxを検出し(ステップS10)、その検出した最大の強度Imaxに対応する感度パターンを抽出する。そして、制御回路90は、抽出した感度パターンを設定する。例えば、制御回路90は、最大の強度Imaxとして強度I5を検出したなら、ダイオード33,46,55,64に直流電圧を印加して感度パターン5を設定する。即ち、制御回路90は、ダイバシティアンテナ1の感度を最大の強度Imaxに対応する感度に設定する(ステップS11)。そして、一連の動作が終了する。
このように、規範(1)に従って所望の電波を受信する場合、感度パターンを複数種類に変化させて受信した受信信号の強度I1〜I13から最大の強度Imaxを検出し、その検出した最大の強度Imaxが得られるように感度パターン、即ち、直流電圧を印加するダイオードのパターンが決定される。
図6は、規範(2)に従って所望の電波、即ち、受信信号の強度がしきい値よりも大きい電波を受信するように感度パターンを決定する動作を説明するためのフローチャートである。
一連の動作が開始されると、制御回路90は、感度パターン1を設定する(ステップS21)。即ち、制御回路90は、図5に示すステップS1と同じ動作によって感度パターン1を設定する。そして、図5に示すステップS2と同じ動作によって受信信号の強度I1が検出される(ステップS22)。制御回路90は、レベル検出回路80から受信信号の強度I1を受けると、受信信号の強度I1がしきい値Ithよりも大きいか否かを判定する(ステップS23)。そして、受信信号の強度I1がしきい値Ithよりも大きいとき、ステップS22,S23が繰返し実行される。即ち、受信機100は、感度パターンを感度パターン1に設定したまま電波を受信する。強度I1がしきい値Ithよりも大きいので、感度パターン1に設定したまま電波を受信することにしたものである。
ステップS23において、強度I1がしきい値Ith以下であると判定されたとき、制御回路90は、感度パターン2を設定する(ステップS24)。即ち、制御回路90は、図5に示すステップS4と同じ動作によって感度パターン2を設定する。そして、図5に示すステップS5と同じ動作によって受信信号の強度I2が検出される(ステップS25)。制御回路90は、レベル検出回路80から受信信号の強度I2を受けると、受信信号の強度I2がしきい値Ithよりも大きいか否かを判定する(ステップS26)。そして、受信信号の強度I2がしきい値Ithよりも大きいとき、ステップS25,S26が繰返し実行される。即ち、受信機100は、感度パターンを感度パターン2に設定したまま電波を受信する。強度I2がしきい値Ithよりも大きいので、感度パターン2に設定したまま電波を受信することにしたものである。
ステップS26において、強度I2がしきい値Ith以下であると判定されたとき、制御回路90は、感度パターン3〜12を順次設定する。そして、感度パターン3〜12において、それぞれ受信信号の強度I3〜I12が検出され、受信機100は、検出された強度I3〜I12がしきい値Ith以下になるまで、同じ感度パターンを設定したまま電波を受信する。
受信信号の強度I12がしきい値Ith以下になると、制御回路90は、図5に示すステップS7と同じ動作によって感度パターン13を設定する(ステップS27)。そして、図5に示すステップS8と同じ動作によって受信信号の強度I13が検出される(ステップS28)。制御回路90は、レベル検出回路80から受信信号の強度I13を受けると、受信信号の強度I13がしきい値Ithよりも大きいか否かを判定する(ステップS29)。そして、受信信号の強度I13がしきい値Ithよりも大きいとき、ステップS28,S29が繰返し実行される。即ち、受信機100は、感度パターンを感度パターン13に設定したまま電波を受信する。強度I13がしきい値Ithよりも大きいので、感度パターン13に設定したまま電波を受信することにしたものである。
ステップS29において、受信信号の強度I13がしきい値Ith以下であると判定されると、ステップS21〜ステップS29が繰返し実行される。
このように、規範(2)に従って所望の電波を受信する場合、受信信号の強度が検出される毎に、検出された受信信号の強度がしきい値よりも大きいか否かが判定される。そして、受信信号の強度がしきい値以下になるまで、同じ感度パターンが設定されて電波が受信される。
この発明においては、受信装置10は、上述した最大電力法以外の方法によって電波を受信してもよい。受信装置10が最大電力法以外の方法で電波を受信する場合、次の4つの規範がある。
(3)受信信号の互いに異なる2つの信号点の電力値のうち大きい電力値を小さい電力値で除算した商の値を電力比Rとしたとき、電力比Rのゆらぎが最小になる電波を検出する。
(4)受信信号の振幅変動が最小となる電波を検出する。
(5)受信信号をm(mは2以上の整数)乗した信号が最大となる電波を検出する。
(6)受信信号と学習シーケンス信号との相互相関係数が最大となる電波を検出する。
まず、規範(3)について説明する。受信信号の振幅値を時系列的に標本化観測し、各標本化点における受信信号の強度の自乗(瞬時電力値)を演算すると、瞬時電力値は、簡単な整数比系列となる。そこで、受信信号の相互に異なる2つの標本化点における2つの瞬時電力値(以下、単に「電力値」という。)を検出し、その検出した2つの電力値のうち大きい電力値を小さい電力値で除算した商の値を電力比Rとして求める。その結果、受信信号は、所定の離散電力比R1,R2,・・・,Rmaxを有する。
受信装置10が送信信号をそのまま受信する場合、受信信号に基づいて演算した電力比Rは、所定の離散電力比R1,R2,・・・,Rmaxに一致する。しかし、受信装置10は、実際には、送信信号に干渉信号及び雑音が重畳された信号を受信するため、受信信号に基づいて演算した電力比Rは、所定の離散電力比R1,R2,・・・,Rmaxからゆらぐ。
そこで、規範(3)においては、受信信号に基づいて演算した電力比Rが所定の離散電力比R1,R2,・・・,Rmaxからどの程度ゆらぐかを示す評価関数Qを定義し、その定義した評価関数Qが最小となるように、直流電圧を印加するダイオードのパターンを表1に従って決定する。
この発明においては、評価関数Qは、次式により定義される。
Q=min{|R−R1|,|R−R2|,・・・,|R−Rmax|}・・・(1)
干渉信号及び雑音は、送信信号に同期せず、ランダムであるので、評価関数Qは、時間的に変動する。従って、この発明においては、例えば、1フレームの所定期間中に含まれる多数の標本化信号点における評価関数Qの評価関数値を演算し、その演算した評価関数値の時間平均値又はアンサンブル平均値(期待値)E(Q)を演算する。そして、E(Q)が最小となるように、直流電圧を印加するダイオードのパターンを決定する。即ち、次式の目的関数Jが最小となるように、直流電圧を印加するダイオードのパターンを決定する。
J=E(Q)→min→0・・・(2)
直流電圧を印加するダイオードのパターンは、最急勾配法などの非線形計画法における反復的な数値解法を用いて反復更新され、電力比Rのゆらぎが最小となるように、直流電圧を印加するダイオードのパターンが決定される。
表1に示す感度パターン1〜13に従って直流電圧を印加するダイオードのパターンを変えることは、アンテナ素子11〜14と受信回路70との間のリアクタンス値のセット(リアクタンスベクトル)<x>を変えることに等しい。従って、電力比Rのゆらぎが最小となるように直流電圧を印加するダイオードのパターンを決定することは、電力比Rのゆらぎが最小となるようにリアクタンスベクトル<x>を決定することに相当する。なお、表記<x>は、xがベクトルであることを表わす。
最急勾配法を用いて電力比Rのゆらぎが最小となるようにリアクタンスベクトル<x>を決定する場合、リアクタンスベクトル<x>に対する漸化式は、次式によって表される。
<x(n+1)>=<x(n)>+μ<∇Jn>・・・(3)
なお、nは、リアクタンスベクトル<x>の更新の次数を表わし、パラメータμは、試行錯誤的に定められるステップサイズである。また、<∇Jn>は、目的関数Jnの勾配ベクトルである。
図7は、規範(3)に従って所望の電波、即ち、受信信号の異なる2つの標本化点における電力比Rのゆらぎが最小となる電波を受信するように感度パターンを決定する動作を説明するためのフローチャートである。
一連の動作が開始されると、反復数パラメータnが1に設定され、リアクタンスベクトル<x(1)>にその初期値が設定される(ステップS31)。そして、感度パターンのパラメータpが1にリセットされる(ステップS32)。パラメータpが1に設定されることは、感度パターンが表1に示す感度パターン1に設定されることを意味する。その後、感度パターン1に設定された状態で受信信号y(t)が測定される(ステップS33)。
そして、目的関数Jの値が式(1)及び(2)を用いて演算され、その演算された目的関数Jの値がJ(0)に設定される(ステップS34)。更に、リアクタンス値xpに所定の摂動値Δxpを加算し、その加算値をリアクタンス値xpとして設定する(ステップS35)。この摂動値Δxpは、制御回路90がダイオード33,37,42,46,51,55,60,64に供給する電圧値を変えることによりリアクタンス値xpに加算される。
そして、リアクタンス値xp+Δxpで受信信号y(t)が測定され(ステップS36)、式(1)及び(2)を用いて目的関数Jの値が演算される(ステップS37)。その後、J−J(0)を演算して∂Jn/∂xpに代入し(ステップS38)、リアクタンス値xpから摂動値Δxpを減算して減算値をリアクタンス値xpとして設定することによりリアクタンス値xpを元に戻す(ステップS39)。
ステップS39の後、パラメータpがP=13以上であるか否かが判断される(ステップS40)。ステップS40において、パラメータpがP=13以上でないとき、パラメータpが1だけインクリメントされ(ステップS41)、上述したステップS35〜S40が繰返し実行される。この場合、パラメータpが1づつインクリメントされ、パラメータpは、2〜13に順次設定される。そして、パラメータpが2〜13に順次されることに対応してダイバシティアンテナ1の感度パターンが表1に示す感度パターン2〜13に順次設定される。
一方、ステップS40において、パラメータpがP=13以上であるとき、式(3)の漸化式を用いてリアクタンスベクトル<x(n)>の次の推定値<x(n+1)>が演算される(ステップS42)。この場合、式(3)における勾配ベクトル<∇Jn>としてパラメータp=1〜13に対応してステップS38で演算された13個の∂Jn/∂xpを成分とするベクトルが用いられる。
ステップS42の後、反復数パラメータnが所定の反復数Nに達したか否かが判断される(ステップS43)。そして、反復数パラメータnが所定の反復数Nに達していないとき、反復数パラメータnが1だけインクリメントされ(ステップS44)、上述したステップS32〜S43が繰返し実行される。
一方、ステップS43において、反復数パラメータnが所定の反復数Nに達しているとき、一連の動作は終了する。
そして、図7に示すフローチャートに従って決定されたリアクタンスベクトル<x>は、上述した電力比Rのゆらぎを最小にするリアクタンスベクトルであり、表1に示す感度パターン1〜13のいずれかに対応している。従って、最終的に決定されたリアクタンスベクトル<x>に対応する感度パターンを設定することにより、アンテナ素子11〜14からなるダイバシティアンテナ1は、電力比Rのゆらぎが最小となる所望の電波を受信できる。
また、規範(3)においては、受信信号の異なる2つの信号点における2つの電力値の電力比Rに基づいて所望の電波を検出するようにダイバシティアンテナ1の感度パターンを決定するので、受信信号の受信レベルの影響または受信機100の利得変動の影響を受けずに所望の電波を検出するようにダイバシティアンテナ1の感度パターンを決定できる。
次に規範(4)について説明する。現在、多くの無線システムで用いられている変調方式のうち、アナログ無線方式では周波数変調FM、デジタル無線方式では周波数シフトキーイングFSK及び位相シフトキーイングPSK等は送信信号の振幅が時間的に一定である。多値直交振幅変調QAMなどのように包絡線が一定でない変調方式の場合には、送信パケットの先頭部分に無変調のヘッダ区間を設けることにより同様の動作が可能である。
しかし、受信装置10は、実際には、送信信号に干渉信号及び雑音が重畳された信号を受信するため、受信信号の振幅は一定ではない。そこで、規範(4)においては、受信信号の振幅変動が最小となる電波を検出するように直流電圧を印加するダイオードのパターンを決定する。
そして、受信信号の振幅変動を示す目的関数Jを次式により定義する。
J=m1 2/m2→max→1・・・(4)
式(4)において、m1、m2は、それぞれ、タイミングt0で標本化された受信信号を統計変数とみなした場合に、所定の期間における1次及び2次モーメントであり、次(5)、(6)によって表わされる。
m1=E|y(t0)|・・・(5)
m2=E|y(t0)|・・・(6)
式(4)に示す目的関数Jが1に近づけば受信信号の振幅変動が最小になるので、規範(4)においては、式(4)の目的関数Jが最大となるように直流電圧を印加するダイオードのパターンを決定する。
最急勾配法を用いて受信信号の振幅変動が最小となるようにリアクタンスベクトル<x>を決定する場合、リアクタンスベクトル<x>に対する漸化式は、上述した式(3)によって表される。
そして、規範(4)に従って所望の電波、即ち、受信信号の振幅変動が最小となる電波を受信するように感度パターンを決定する動作は、上述した図7に示すフローチャートに従って行なわれる。この場合、図7に示すステップS34及びS37は、式(1)及び(2)に変えて式(4)を用いて目的関数Jの値を演算する。その他の動作は上述したとおりである。
図7に示すフローチャートに従って決定されたリアクタンスベクトル<x>は、上述した受信信号の振幅変動を最小にするリアクタンスベクトルであり、表1に示す感度パターン1〜13のいずれかに対応している。従って、最終的に決定されたリアクタンスベクトル<x>に対応する感度パターンを設定することにより、アンテナ素子11〜14からなるダイバシティアンテナ1は、受信信号の振幅変動が最小となる所望の電波を受信できる。
また、式(4)に示す目的関数Jには、目標値が含まれておらず、目的関数Jは、受信信号のみにより記述できる。従って、規範(4)は、目標値が未知の状態で制御できるというメリットを有する。
更に次に、規範(5)について説明する。規範(5)においては、「m相PSK変調信号は変調データに拘わらず、これをm乗すると一定の複素数値になる」というm相PSK変調信号に特有の性質を用いる。この性質に従えば、受信装置10は、変調データに拘わらず、m乗すれば一定の複素数値が得られる受信信号を受信する。
しかし、受信装置10は、実際には、送信信号に干渉信号及び雑音が重畳した信号を受信するので、受信信号をm乗しても一定の複素数値が得られない。つまり、受信信号をm乗した信号はゆらぐ。
そこで、規範(5)では、受信信号をm乗した信号の一定の複素数値からのゆらぎが小さくなるように、直流電圧を印加するダイオードのパターンを決定する。
受信信号をm乗した信号の一定の複素数値からのゆらぎを小さくすることは、受信信号の第m次モーメントを最大にすることに等しいので、目的関数Jを次式により定義する。
J{y(t)m}=|E[y(t)m]|2/E[|y(t)m|2]→max
・・・(7)
式(7)において、E[a]は、引数aのアンサンブル平均を表わす。また、分母は、m乗された信号の平均電力を表わす。
最急勾配法を用いて受信信号をm乗した信号のゆらぎが最小となるようにリアクタンスベクトル<x>を決定する場合、リアクタンスベクトル<x>に対する漸化式は、上述した式(3)によって表される。
そして、規範(5)に従って所望の電波、即ち、受信信号をm乗した信号のゆらぎが最小となる電波を受信するように感度パターンを決定する動作は、上述した図7に示すフローチャートに従って行なわれる。この場合、図7に示すステップS34及びS37は、式(1)及び(2)に変えて式(7)を用いて目的関数Jの値を演算する。その他の動作は上述したとおりである。
図7に示すフローチャートに従って決定されたリアクタンスベクトル<x>は、上述した受信信号をm乗した信号のゆらぎを最小にするリアクタンスベクトルであり、表1に示す感度パターン1〜13のいずれかに対応している。従って、最終的に決定されたリアクタンスベクトル<x>に対応する感度パターンを設定することにより、アンテナ素子11〜14からなるダイバシティアンテナ1は、受信信号をm乗した信号のゆらぎが最小となる所望の電波を受信できる。
また、式(7)に示す目的関数J{y(t)m}は、「一定の複素数値」を含んでいない。即ち、受信装置10は、この値を予め知っておく必要はない。このことは、目的関数J{y(t)m}がアンテナ及び受信回路系の絶対利得、または固定的な位相回転量に左右されないことを意味しており、実際の無線システムに用いる場合の重要な利点である。
なお、上述した規範(3)〜(5)のいずれかに従って所望の電波を受信する場合、受信機100は、レベル検出回路90を削除した構成からなり、制御回路90は、受信回路70から受信信号を直接受け、上述した動作に従って所望の電波を受信するように直流電圧を印加するダイオードのパターンを決定する。
なお、受信信号をm乗した信号は、「べき乗信号」を構成する。
最後に規範(6)について説明する。無線システムにおいては、送信信号に学習シーケンス信号を添付して送信することが行なわれている。そして、この学習シーケンス信号は、送信装置と受信装置の双方において保持される。
そこで、規範(6)では、受信信号y(t)と学習シーケンス信号r(t)との相互相関係数ρnを演算し、その演算した相互相関係数ρnが最大となるように直流電圧を印加するダイオードのパターンを決定する。
そして、目的関数である相互相関係数ρnは、次式によって定義される。
ρn=|y(n)r(n)H|/{(y(n)y(n)H)1/2×(r(n)r(n)H)1/2}・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(8)
式(8)において、上付き文字Hは、複素共役となる転置を表わす。
最急勾配法を用いて相互相関係数ρnが最大となるようにリアクタンスベクトル<x>を決定する場合、リアクタンスベクトル<x>に対する漸化式は、次式によって表される。
<x(n+1)>=<x(n)>+μ<∇ρn>・・・(9)
なお、<∇ρn>は、目的関数ρnの勾配ベクトルである。
図8は、規範(6)に従って所望の電波、即ち、受信信号と学習シーケンス信号との相互相関係数が最大となる電波を受信するように感度パターンを決定する動作を説明するためのフローチャートである。
一連の動作が開始されると、反復数パラメータnが1に設定され、リアクタンスベクトル<x(1)>にその初期値が設定される(ステップS51)。そして、感度パターンのパラメータpが0にリセットされる(ステップS52)。パラメータpが0に設定されることは、ダイオード33,37,42,46,51,55,60,64の全てがオフされることを意味する。その後、ダイオード33,37,42,46,51,55,60,64の全てがオフされた状態で受信信号y(n)が測定される(ステップS53)。
そして、相互相関係数ρnが式(8)を用いて演算され、その演算された相互相関係数ρnの値がJ(0)に設定される(ステップS54)。更に、パラメータpを1だけインクリメントする(ステップS55)。これにより、パラメータpは、1に設定される。パラメータpが1に設定されることは、ダイバシティアンテナ1の感度パターンが表1に示す感度パターン1に設定されることを意味する。
その後、リアクタンス値xpに所定の摂動値Δxpを加算し、その加算値をリアクタンス値xpとして設定する(ステップS56)。この摂動値Δxpは、制御回路90がダイオード33,37,42,46,51,55,60,64に供給する電圧値を変えることによりリアクタンス値xpに加算される。
そして、リアクタンス値xp+Δxpで受信信号y(n)が測定され(ステップS57)、式(8)を用いて相互相関係数ρnが演算される(ステップS58)。その後、J−J(0)を演算して∂Jn/∂xpに代入し(ステップS59)、リアクタンス値xpから摂動値Δxpを減算して減算値をリアクタンス値xpとして設定することによりリアクタンス値xpを元に戻す(ステップS60)。
ステップS60の後、パラメータpがP=13よりも小さいか否かが判断される(ステップS61)。ステップS61において、パラメータpがP=13よりも小さいとき、上述したステップS55〜S61が繰返し実行される。この場合、パラメータpが1づつインクリメントされ、パラメータpは2〜13に順次設定される。そして、パラメータpが2〜13に順次設定されることに対応して、ダイバシティアンテナ1の感度パターンが表1に示す感度パターン2〜13に順次設定される。
一方、ステップS61において、パラメータpがP=13以上であるとき、式(9)の漸化式を用いてリアクタンスベクトル<x(n)>の次の推定値<x(n+1)>が演算される(ステップS62)。この場合、式(9)における勾配ベクトル<∇ρn>としてパラメータp=1〜13に対応してステップS59で演算された13個の∂ρn/∂xpを成分とするベクトルが用いられる。
ステップS62の後、反復数パラメータnが1だけインクリメントされ(ステップS63)、反復数パラメータnが所定の反復数Nに達したか否かが判断される(ステップS64)。そして、反復数パラメータnが所定の反復数Nに達していないとき、上述したステップS52〜S64が繰返し実行される。
一方、ステップS64において、反復数パラメータnが所定の反復数Nに達しているとき、一連の動作は終了する。
そして、図8に示すフローチャートに従って決定されたリアクタンスベクトル<x>は、上述した相互相関係数ρnを最大にするリアクタンスベクトルであり、表1に示す感度パターン1〜13のいずれかに対応している。従って、最終的に決定されたリアクタンスベクトル<x>に対応する感度パターンを設定することにより、アンテナ素子11〜14からなるダイバシティアンテナ1は、相互相関係数ρnが最大となる所望の電波を受信できる。
受信装置10が規範(6)に従って信号を受信する場合、受信装置10は、受信機100に代えて図9に示す受信機100Aを備える。図9は、図1に示す受信装置10が備える受信機の他のブロック図である。受信機100Aは、受信機100のレベル検出回路80を学習シーケンス信号発生回路120に代えたものであり、その他は、受信機100と同じである。
学習シーケンス信号発生回路120は、学習シーケンス信号r(t)を発生して制御回路90へ出力する。受信機100Aにおいては、制御回路90は、受信信号y(t)を受信回路70から直接受ける。そして、制御回路90は、受信信号y(t)と学習シーケンス信号r(t)とに基づいて、図8に示すフローチャートに従って相互相関係数ρnが最大になるように、直流電圧を印加するダイオードのパターンを決定する。
上述したように、受信装置10は、最大電力法以外の方法において4つの規範のいずれかを用いて信号を受信できる。
そして、4つのアンテナ素子11〜14によってダイバシティアンテナ1を構成することにより、電界が3次元的に分布する電波を6個の規範のいずれかを用いて受信することができる。
上記においては、4つのアンテナ素子11〜14は、相互に直交する方向に配置されると説明したが、この発明においては、4つのアンテナ素子11〜14は、必ずしも相互に直交する方向に配置されなくてもよい。
図10は、図1に示す4つのアンテナ素子11〜14の配置方向の範囲を示す斜視図である。アンテナ素子11がx軸の正方向DR1と成す角度をθx1とし、アンテナ素子12がy軸の正方向DR2と成す角度をθy1とし、アンテナ素子13がz軸の正方向DR3と成す角度をθz1とし、アンテナ素子14がz軸の負方向DR4と成す角度をθz2とする。
この場合、アンテナ素子11は、角度θx1がx軸及びアンテナ素子11を含む平面においてx軸を中心として−45度〜+45度の範囲に入るような方向に配置される。また、アンテナ素子12は、角度θy1がy軸及びアンテナ素子12を含む平面においてy軸を中心として−45度〜+45度の範囲に入るような方向に配置される。更に、アンテナ素子13は、角度θz1がz軸及びアンテナ素子13を含む平面においてz軸を中心として−45度〜+45度の範囲に入るような方向に配置される。更に、アンテナ素子14は、角度θz2がz軸及びアンテナ素子14を含む平面においてz軸を中心として−45度〜+45度の範囲に入るような方向に配置される。
このようにアンテナ素子11〜14を配置した場合も、制御回路90は、上述した方法によって感度パターンを決定し、受信装置10は、規範(1)から(6)のいずれかに従って所望の電波を受信する。
図11は、図1に示す4つのアンテナ素子11〜14の他の配置方向を示す斜視図である。三角錐の4つの頂点を点A,B,C,Dとすると、アンテナ素子11は、点A−B間の辺に沿って配置され、アンテナ素子12は、点A−C間の辺に沿って配置され、アンテナ素子14は、点A−D間の辺に沿って配置される。即ち、アンテナ素子11〜13は、三角錐を形成するように配置される。そして、アンテナ素子14は、一方端が点Aに位置し、三角錐の点Aから底面Sにおろした垂線LNと略平行な方向に配置される。
このようにアンテナ素子11〜14を配置した場合も、制御回路90は、上述した方法によって感度パターンを決定し、受信装置10は、規範(1)から(6)のいずれかに従って所望の電波を受信する。
図12は、この発明による他のダイバシティアンテナの斜視図である。ダイバシティアンテナ1Aは、ダイバシティアンテナ1のアンテナ素子14をアンテナ素子14Aに代えたものであり、その他は、ダイバシティアンテナ1と同じである。
アンテナ素子14Aは、x軸の負方向DR5に配置される。そして、アンテナ素子14Aは、x軸の負方向DR5と(−π/4)+2nπ〜(π/4)+2nπの範囲の角度で交差する電界成分−Exを検出する。
ダイバシティアンテナ1Aにおいて、アンテナ素子11〜13,14Aは、図10に示すように配置方向が変更されてもよく、また、図11に示すように配置することも可能である。
従って、ダイバシティアンテナ1Aは、y軸方向の電界に対する感度及びz軸方向の電界に対する感度よりも大きい感度を有するアンテナ素子11と、アンテナ素子11が感度を有する電界と反対方向の電界に対して感度を有するアンテナ素子14Aと、x軸方向の電界に対する感度及びz軸方向の電界に対する感度よりも大きい感度を有するアンテナ素子12と、x軸方向の電界に対する感度及びy軸方向の電界に対する感度よりも大きい感度を有するアンテナ素子13とを備える。
図1のダイバシティアンテナ1に代えて図12のダイバシティアンテナ1Aが受信装置10に装着される場合、制御回路90は、表2に示す感度パターン1〜13に従ってダイオード33,37,42,46,51,55,60,64をオン/オフし、最大強度Imaxを有する電波、又はしきい値Ithよりも大きい強度を有する電波を受信できるように感度パターンを設定する。
図13は、この発明による更に他のダイバシティアンテナ1Bの斜視図である。このダイバシティアンテナ1Bは、図1のダイバシティアンテナ1のアンテナ素子14をアンテナ素子14Bに代えたものであり、その他は、ダイバシティアンテナ1と同じである。
アンテナ素子14Bは、y軸の負方向DR6に配置される。そして、アンテナ素子14Bは、y軸の負方向DR6と(−π/4)+2nπ〜(π/4)+2nπの範囲の角度で交差する電界成分−Eyを検出する。
ダイバシティアンテナ1Bにおいて、アンテナ素子11〜13,14Bは、図10に示すように配置方向が変更されてもよく、また、図11に示すように配置することも可能である。
従って、ダイバシティアンテナ1Bは、y軸方向の電界に対する感度及びz軸方向の電界に対する感度よりも大きい感度を有するアンテナ素子11と、x軸方向の電界に対する感度及びz軸方向の電界に対する感度よりも大きい感度を有するアンテナ素子12と、アンテナ素子12が感度を有する電界と反対方向の電界に対して感度を有するアンテナ素子14Bと、x軸方向の電界に対する感度及びy軸方向の電界に対する感度よりも大きい感度を有するアンテナ素子13とを備える。
ダイバシティアンテナ1に代えてダイバシティアンテナ1Bが受信装置10に装着される場合、制御回路90は、表3に示す感度パターン1〜13に従ってダイオード33,37,42,46,51,55,60,64をオン/オフし、最大強度Imaxを有する電波、又はしきい値Ithよりも大きい強度を有する電波を受信できるように感度パターンを設定する。
なお、受信機100,100Aにおいては、ダイオード33,37,42,46,51,55,60,64に代えてバラクタダイオードが用いられてもよい。バラクタダイオードを用いる場合、表1〜3における「ON」は、バラクタの容量を最大容量Cmaxに設定することを意味し、表1〜3における「OFF」は、バラクタの容量を最小容量Cminに設定することを意味する。
また、この発明においては、アンテナ素子14,14A,14Bは、接地板により代用されてもよい。
更に、図1のアンテナ素子11〜14、図12のアンテナ素子11〜13,14A及び図13のアンテナ素子11〜13,14Bは、所定の方向を有する電界に対して感度を有するので、ダイバシティアンテナ1,1A,1Bは、直線偏波及び円偏波のいずれの電波も受信可能である。
更に、受信装置10が配置される場所は、屋外及び屋内のいずれであってもよい。即ち、受信装置10は、電界が3次元的に分布する電波の到来場所であれば、どこに設置されてもよい。
上述したように、ダイバシティアンテナ1,1A,1Bは、それぞれ、4つのアンテナ素子11〜14;11〜13,14A;11〜13,14Bからなり、電波の電界方向が変動しても4つのアンテナ素子11〜14(又は11〜13,14A又は11〜13,14B)のうち、到来する電波の電界に対して他のアンテナ素子の感度よりも大きい感度を有する一部のアンテナ素子をプラス電極として機能させ、到来する電波の電界に対して一部のアンテナ素子の感度よりも小さい感度を有する他のアンテナ素子をマイナス電極として機能させるので、電界が3次元的に分布する電波を受信することができる。
また、受信装置10の制御回路90は、最大強度Imaxを有する電波、又はしきい値Ithよりも大きい強度を有する電波を受信するようにダイバシティアンテナ1,1A,1Bの感度パターンを設定するので、ダイバシティアンテナ1,1A,1Bを装着した受信装置10は、所望の電波を受信できる。
この発明においては、受信回路70、レベル検出回路80及び制御回路90は、「感度設定手段」を構成する。
また、この発明においては、表1〜3に示す感度パターン1〜13に従ってダイバシティアンテナ1,1A,1Bの感度を変える制御回路90は、「感度変更手段」を構成する。
更に、この発明においては、レベル検出回路80からの強度I1〜I13から最大強度Imaxまたはしきい値Ithよりも大きい強度を検出する制御回路90は、「強度検出手段」を構成する。
更に、この発明においては、最大強度Imaxまたはしきい値Ithよりも大きい強度に対応する感度パターンを設定する制御回路90は、「パターン設定手段」を構成する。
更に、この発明においては、最大強度Imax及びしきい値Ithよりも大きい強度は、「所望の強度」を構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A,1B ダイバシティアンテナ、2A 上面、2B 側面、10 受信装置、11〜14,14A,14B アンテナ素子、15,18,19 円柱導体、16 伸縮ロッド導体、17 ホイップ導体、20 コイル、21 容量ハット、22 プリント基板、23〜25 導体、31,35,39,40,44,48,49,53,57,58,62,66 抵抗、34,38,43,47,52,56,61,65 コンデンサ、33,37,42,46,51,55,60,64 ダイオード、70 受信回路、80 レベル検出回路、90 制御回路、91〜98 配線、100,100A 受信機、110 信号処理回路、120 学習シーケンス信号発生回路。