本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による受信機の概略図である。この発明の実施の形態による受信機100は、アレーアンテナ装置50と、受信回路60とを備える。
アレーアンテナ装置50は、誘電体基板1と、アンテナ素子群2,3と、抵抗4,5,11と、バラン6と、スイッチ7,8と、キャパシタ9,12と、同軸ケーブル10と、制御回路13とを含む。
誘電体基板1は、概略、十字形状を有し、例えば、プリント基板からなる。アンテナ素子群2は、誘電体基板1の主面1A(紙面手前の面)に配置され、アンテナ素子群3は、誘電体基板1の主面1Aに対向する主面1B(紙面奥側の面)に配置される。
アンテナ素子群2は、給電素子21と、無給電素子22,23とを含む。給電素子21および無給電素子22,23は、誘電体基板1の主面1Aに略平行に配置される。そして、2個の無給電素子22,23は、給電素子21を中心にして対称に配置される。
給電素子21は、アンテナ素子211,212からなる。アンテナ素子211,212は、方向DR1において直線状に配置される。そして、アンテナ素子211は、アンテナ素子212側に端子T1を有し、アンテナ素子212は、アンテナ素子211側に端子T2を有する。
無給電素子22は、アンテナ素子221,225と、抵抗222,224と、バラクタダイオード223とからなる。アンテナ素子221,225は、方向DR1において直線状に配置される。抵抗222は、給電点K1と、アンテナ素子221との間に接続される。バラクタダイオード223は、アノードがアンテナ素子221側に配置され、かつ、カソードがアンテナ素子225側に配置されるように、アンテナ素子221とアンテナ素子225との間に接続される。これにより、バラクタダイオード223は、無給電素子22に装荷される。抵抗224は、バラクタダイオード223の両端に並列に接続される。
無給電素子23は、アンテナ素子231,235と、抵抗232,234と、バラクタダイオード233とからなる。アンテナ素子231,235は、方向DR1において直線状に配置される。抵抗232は、給電点K2と、アンテナ素子231との間に接続される。バラクタダイオード233は、アノードがアンテナ素子231側に配置され、かつ、カソードがアンテナ素子235側に配置されるようにアンテナ素子231とアンテナ素子235との間に接続される。これにより、バラクタダイオード233は、無給電素子23に装荷される。抵抗234は、バラクタダイオード233の両端に並列に接続される。
アンテナ素子群3は、給電素子31と、無給電素子32,33とを含む。給電素子31および無給電素子32,33は、誘電体基板1の主面1Bに略平行に配置される。そして、2個の無給電素子32,33は、給電素子31を中心にして対称に配置される。
給電素子31は、アンテナ素子311,312からなる。アンテナ素子311,312は、方向DR2において直線状に配置される。そして、アンテナ素子311は、アンテナ素子312側に端子T3を有し、アンテナ素子312は、アンテナ素子311側に端子T4を有する。
無給電素子32は、アンテナ素子321,325と、抵抗322,324と、バラクタダイオード323とからなる。アンテナ素子321,325は、方向DR2において直線状に配置される。抵抗322は、給電点K1とアンテナ素子321との間に接続される。バラクタダイオード323は、アノードがアンテナ素子321側に配置され、かつ、カソードがアンテナ素子325側に配置されるように、アンテナ素子321とアンテナ素子325との間に接続される。これにより、バラクタダイオード323は、無給電素子32に装荷される。抵抗324は、バラクタダイオード323の両端に並列に接続される。
無給電素子33は、アンテナ素子331,335と、抵抗332,334と、バラクタダイオード333とからなる。アンテナ素子331,335は、方向DR2において直線状に配置される。抵抗332は、給電点K2とアンテナ素子331との間に接続される。バラクタダイオード333は、アノードがアンテナ素子331側に配置され、かつ、カソードがアンテナ素子335側に配置されるようにアンテナ素子331とアンテナ素子335との間に接続される。これにより、バラクタダイオード333は、無給電素子33に装荷される。抵抗334は、バラクタダイオード333の両端に並列に接続される。
抵抗4は、アンテナ素子225とアンテナ素子235との間に接続される。これにより、無給電素子22,23に装荷された2つのバラクタダイオード223,233は、給電点K1,K2間に逆直列に接続される。また、抵抗5は、アンテナ素子325とアンテナ素子335との間に接続される。これにより、無給電素子32,33に装荷された2つのバラクタダイオード323,333は、給電点K1,K2間に逆直列に接続される。
抵抗4,5,222,232,322,332は、無給電素子22,23,32,33を高周波的に分離するための抵抗であり、アレーアンテナ装置50の入力インピーダンスに対して十分に大きい抵抗値を有する。そして、抵抗4,5,222,232,322,332は、例えば、数kΩ〜数十kΩの範囲の抵抗値を有する。
また、抵抗224,234,324,334は、雑音電圧を除去するための抵抗であり、例えば、数百kΩ〜1MΩの範囲の抵抗値を有する。抵抗224,234がそれぞれバラクタダイオード223,233に並列に接続されない場合を考えると、この場合、給電点K1から供給された電流は、抵抗222、バラクタダイオード223(順方向)、抵抗4、バラクタダイオード233(逆方向)および抵抗232を介して給電点K2に至る経路を流れる。そうすると、バラクタダイオード233は、逆方向の直流電圧が印加されるため、殆ど電流が流れず、バラクタダイオード223は、順方向の直流電圧が印加されているにも拘わらず、バラクタダイオード233に直列に接続されているため、殆ど電流が流れない。その結果、バラクタダイオード223は、直流電圧が順方向に印加されているにも拘わらず、高インピーダンスとなり、バラクタダイオード223,233のカソードおよび抵抗4からなる部分の電位が安定せず、具体的には、電源ハムなどの雑音電圧が乗ってしまい、指向性が安定しない。
そこで、バラクタダイオード223,233にそれぞれ並列に抵抗224,234を接続すると、上述した雑音電圧を除去できる。給電点K1が正であり、給電点K2が負であるように、直流電圧が給電点K1,K2間に印加されると、給電点K1から供給された電流は、抵抗222、バラクタダイオード223(順方向)、抵抗4、抵抗234および抵抗232を介して給電点K2に至る経路を流れる。その結果、バラクタダイオード223に電流が流れ、バラクタダイオード223が低インピーダンスになる。そして、バラクタダイオード223,233のカソードおよび抵抗4からなる部分の電位が安定する。
また、給電点K1が負であり、給電点K2が正であるように、直流電圧が給電点K1,K2間に印加されると、給電点K2から供給された電流は、抵抗232、バラクタダイオード233(順方向)、抵抗4、抵抗224および抵抗222を介して給電点K1に至る経路を流れる。その結果、バラクタダイオード233に電流が流れ、バラクタダイオード233が低インピーダンスになる。そして、バラクタダイオード233,223のカソードおよび抵抗4からなる部分の電圧が安定する。
このような理由により、抵抗224,234がそれぞれバラクタダイオード223,233に並列に設けられる。
また、同様の理由により、抵抗324,334がそれぞれバラクタダイオード323,333に並列に設けられる。
そして、抵抗224,234,324,334の具体的な抵抗値に関しては、電流が大きい程、バラクタダイオード223,233,323,333は、低インピーダンスになるため、この点からは、抵抗224,234,324,334の抵抗値を低くすればよいが、高周波的には高インピーダンスである必要がある。また、消費電流を抑制するという観点からは、抵抗224,234,324,334の抵抗値は、高い方がよい。そこで、抵抗224,234,324,334の抵抗値は、上述したように、数百kΩ〜1MΩの範囲に設定される。
不平衡/平衡変換器であるバラン6は、その不平衡側端子がキャパシタ9を介して給電点K1,K2に接続され、平衡側端子がスイッチ7,8に接続される。
スイッチ7は、制御回路13からの信号SW1〜SW6によって端子T1,T3,T4のいずれかに接続され、スイッチ8は、信号SW1〜SW6によって端子T1,T2,T4のいずれかに接続される。
即ち、スイッチ7,8は、表1に従って、端子T1〜T4から選択された2つの端子に接続される。
スイッチ7,8は、信号SW1に応じて、それぞれ、端子T1,T2に接続され、信号SW2に応じて、それぞれ、端子T3,T1に接続され、信号SW3に応じて、それぞれ、端子T3,T2に接続される。また、スイッチ7,8は、信号SW4に応じて、それぞれ、端子T4,T2に接続され、信号SW5に応じて、それぞれ、端子T1,T4に接続され、信号SW6に応じて、それぞれ、端子T3,T4に接続される。
キャパシタ9は、直流阻止用のキャパシタであり、給電点K1とバラン6の不平衡側端子との間に接続される。
同軸ケーブル10は、中心導体101と、接地導体102とからなる。そして、中心導体101は、給電点K1および抵抗222を介してバラクタダイオード223のアノードに接続され、給電点K1および抵抗322を介してバラクタダイオード323のアノードに接続されるとともに、給電点K1およびキャパシタ9を介してバラン6の不平衡側端子に接続される。また、接地導体102は、給電点K2および抵抗232を介してバラクタダイオード233のアノードに接続され、給電点K2および抵抗332を介してバラクタダイオード333のアノードに接続されるとともに、給電点K2を介してバラン6の不平衡側端子に接続される。
抵抗11は、同軸ケーブル10の中心導体101と制御回路13との間に接続され、キャパシタ12は、同軸ケーブル10の中心導体101と受信回路60との間に接続される。そして、抵抗11は、アレーアンテナ装置50の入力インピーダンスに対して十分に大きい抵抗値(数値的には、10倍以上の抵抗値)を有する。また、キャパシタ12は、直流阻止用のキャパシタである。
制御回路13は、直流電圧Vcが重畳された交流電圧Vrを抵抗11を介して中心導体101と接地導体102との間に印加するとともに、信号SW1〜SW6のいずれかを生成してスイッチ7,8へ供給する。また、制御回路13は、受信回路60から受信信号品質QRSを受け、その受けた受信信号品質QRSがしきい値以上になるように直流電圧Vcを変化させる。
受信回路60は、キャパシタ12を介して同軸ケーブル10の中心導体101から無線信号を受信し、その受信した無線信号に対して、高周波増幅、周波数変換および復調等の信号処理を施して出力データを外部装置へ出力するとともに、無線信号の受信信号品質QRSを検出し、その検出した受信信号品質QRSを制御回路13へ出力する。
図2は、図1に示すアンテナ素子群2,3の実際の平面図である。誘電体基板1は、翼部11A,11B,11C,11Dと、本体部11Eとからなる。本体部11Eは、略正方形からなり、翼部11A,11B,11C,11Dは、本体部11Eの4辺に接して設けられている。その結果、誘電体基板1は、略十字形状を有する。
アンテナ素子群2の給電素子21および無給電素子22,23は、翼部11A,11Cおよび本体部11Eに配置され、アンテナ素子群3の給電素子31および無給電素子32,33は、翼部11B,11Dおよび本体部11Eに配置される。
アレーアンテナ装置50が送受信する電波の波長をλとした場合、給電素子21,31は、約0.43λの長さL1を有し、無給電素子22,23,32,33は、約λ/2の長さL2を有する。また、給電素子21と無給電素子22,23との間隔dおよび給電素子31と無給電素子32,33との間隔dは、例えば、0.1λ〜0.35λの範囲に設定される。更に、給電素子21,31および無給電素子22,23,32,33は、同じ幅Wを有し、幅Wは、例えば、VHF帯のテレビ受信に用いる場合、数mm〜十数mmの範囲が好適である。
給電素子21および無給電素子22,23は、誘電体基板1の主面1Aに配置され、給電素子31および無給電素子32,33は、誘電体基板1の主面1Bに配置されているため、立体的には、給電素子21および無給電素子22,23は、給電素子31および無給電素子32,33と交差しないが、給電素子21,31および無給電素子22,23,32,33が1つの平面に投影された場合、給電素子21および無給電素子22,23は、給電素子31および無給電素子32,33と交差する。
従って、アレーアンテナ装置50においては、アンテナ素子群2,3を1つの平面へ投影した場合、給電素子21および無給電素子22,23は、給電素子31および無給電素子32,33と交差することを特徴とする。
図3は、図2に示すアレーアンテナ装置50の側面図である。図3の(a)は、図2に示すA方向から見たアレーアンテナ装置50の側面図であり、図3の(b)は、図2に示すB方向から見たアレーアンテナ装置50の側面図である。
図2に示すA方向から見た場合、アンテナ素子群2の給電素子21および無給電素子22,23は、誘電体基板1の翼部11C(翼部11Aおよび本体部11Eを含む)の主面1Aに配置される。また、アンテナ素子群3の無給電素子33は、誘電体基板1の翼部11B,11D(本体部11Eを含む)の主面1Bに配置される。なお、給電素子31および無給電素子32も、無給電素子33と同じように、誘電体基板1の翼部11B,11D(本体部11Eを含む)の主面1Bに配置される(図3の(a)参照)。
図2に示すB方向から見た場合、アンテナ素子群2の無給電素子22は、誘電体基板1の翼部11A,11C(本体部11Eを含む)の主面1Aに配置される。なお、給電素子21および無給電素子23も、無給電素子22と同じように、誘電体基板1の翼部11A,11C(本体部11Eを含む)の主面1Aに配置される。また、アンテナ素子群3の給電素子31および無給電素子32,33は、誘電体基板1の翼部11B(翼部11Dおよび本体部11Eを含む)の主面1Bに配置される。
このように、アンテナ素子群2,3は、誘電体基板1の対向する主面1A,1Bに配置される。そして、スイッチ7,8は、誘電体基板1の主面1Aに配置されたアンテナ素子群2の給電素子21または誘電体基板1の主面1Bに配置されたアンテナ素子群3の給電素子31に接続されるが、この場合、スイッチ7,8は、誘電体基板1に設けられたスルーホール(図示せず)を介してアンテナ素子群2の給電素子21の端子T1,T2およびアンテナ素子群3の給電素子31の端子T3,T4から選択された2つの端子に接続される。
図4から図8は、それぞれ、図1に示すアレーアンテナ装置50のビームパターンを示す第1から第5の概念図である。図4は、スイッチ7,8が端子T1−T2間に接続された場合のアレーアンテナ装置50のビームパターンを示し、図5は、スイッチ7,8が端子T3−T1間または端子T4−T2間に接続された場合のアレーアンテナ装置50のビームパターンを示し、図6は、スイッチ7,8が端子T3−T2間に接続された場合のアレーアンテナ装置50のビームパターンを示す。また、図7は、スイッチ7,8が端子T1−T4間に接続された場合のアレーアンテナ装置50のビームパターンを示し、図8は、スイッチ7,8が端子T3−T4間に接続された場合のアレーアンテナ装置50のビームパターンを示す。
なお、図4から図8においては、アレーアンテナ装置50のビームパターンを明確に示すために、アレーアンテナ装置50を相対的に小さく図示している。
スイッチ7,8が端子T1−T2間、端子T3−T1間、端子T3−T2間、端子T4−T2間、端子T1−T4間および端子T3−T4間の各々に接続された状態で、給電点K1,K2間に正または負の直流電圧Vcが印加される。ここで、正の直流電圧Vcとは、給電点K1が正であり、給電点K2が負である直流電圧を言い、負の直流電圧Vcとは、給電点K1が負であり、給電点K2が正である直流電圧を言う。
そして、正の直流電圧Vcは、例えば、+20Vの直流電圧からなり、負の直流電圧Vcは、例えば、−20Vの直流電圧からなる。バラクタダイオード223,233,323,333の各々は、+20Vの直流電圧が印加されると、容量が相対的に大きくなり、−20Vの直流電圧が印加されると、容量が相対的に小さくなる。
従って、正の直流電圧Vcが給電点K1,K2間に印加されると、バラクタダイオード223,323は、順方向にバイアスされ、容量が相対的に大きくなり、バラクタダイオード233,333は、逆方向にバイアスされ、容量が相対的に小さくなる。また、負の直流電圧Vcが給電点K1,K2間に印加されると、バラクタダイオード223,323は、逆方向にバイアスされ、容量が相対的に小さくなり、バラクタダイオード233,333は、順方向にバイアスされ、容量が相対的に大きくなる。
スイッチ7,8が端子T1−T2間に接続されると、アレーアンテナ装置50においては、給電素子21と2個の無給電素子22,23とからなる平面アレーアンテナPANT1が形成される。即ち、1個の給電素子21および2個の無給電素子22,23が略平行に配列された平面アレーアンテナPANT1が形成される。
そして、平面アレーアンテナPANT1が形成された状態において、正の直流電圧Vcが給電点K1,K2間に印加されると、バラクタダイオード223,323の容量が相対的に大きくなり、バラクタダイオード233,333の容量が相対的に小さくなる。その結果、無給電素子22は、反射器として機能し、無給電素子23は、導波器として機能する。そして、平面アレーアンテナPANT1は、ビームパターンBM1を放射する。即ち、平面アレーアンテナPANT1は、給電素子21および無給電素子22,23に略垂直な方向へ指向性DIR1を有するビームパターンBM1を放射する。なお、指向性DIR1を0度方向の指向性とする。
また、平面アレーアンテナPANT1が形成された状態において、負の直流電圧Vcが給電点K1,K2間に印加されると、バラクタダイオード223,323の容量が相対的に小さくなり、バラクタダイオード233,333の容量が相対的に大きくなる。その結果、無給電素子22は、導波器として機能し、無給電素子23は、反射器として機能する。そして、平面アレーアンテナPANT1は、ビームパターンBM2を放射する。即ち、平面アレーアンテナPANT1は、給電素子21および無給電素子22,23に略垂直な方向であり、かつ、指向性DIR1と逆方向の指向性DIR2(=180度方向の指向性)を有するビームパターンBM2を放射する(図4参照)。
このように、スイッチ7,8が端子T1−T2間に接続されて形成される平面アレーアンテナPANT1においては、バラクタダイオード223,323およびバラクタダイオード233,333に印加する直流電圧Vcの極性を切換えることにより、平面アレーアンテナPANT1は、基軸AX1に対して対称なビームパターンBM1,BM2を放射する。そして、基軸AX1に対して対称なビームパターンBM1,BM2を放射することは、アンテナ素子群3の給電素子31および無給電素子32,33に略平行な方向に指向性を有するビームパターンを放射することに相当する。
また、スイッチ7,8が端子T3−T1間に接続されると、アレーアンテナ装置50においては、アンテナ素子211,311により形成された給電素子と、4個の無給電素子22,23,32,33とからなる平面アレーアンテナPANT2が形成される。即ち、1個の給電素子211−311が略直交する方向に配列されるとともに2個の無給電素子22,23が2個の無給電素子32,33と略直交する方向に配列された平面アレーアンテナPANT2が形成される。
そして、平面アレーアンテナPANT2が形成された状態において、正の直流電圧Vcが給電点K1,K2間に印加されると、バラクタダイオード223,323の容量が相対的に大きくなり、バラクタダイオード233,333の容量が相対的に小さくなる。その結果、無給電素子22,32は、反射器として機能し、無給電素子23,33は、導波器として機能する。そして、平面アレーアンテナPANT2は、ビームパターンBM3を放射する。即ち、平面アレーアンテナPANT2は、315度方向の指向性DIR3を有するビームパターンBM3を放射する。
また、平面アレーアンテナPANT2が形成された状態において、負の直流電圧Vcが給電点K1,K2間に印加されると、バラクタダイオード223,323の容量が相対的に小さくなり、バラクタダイオード233,333の容量が相対的に大きくなる。その結果、無給電素子22,32は、導波器として機能し、無給電素子23,33は、反射器として機能する。そして、平面アレーアンテナPANT2は、ビームパターンBM4を放射する。即ち、平面アレーアンテナPANT2は、指向性DIR3と逆方向の指向性DIR4(=135度方向の指向性)を有するビームパターンBM4を放射する(図5参照)。
このように、スイッチ7,8が端子T3−T1間に接続されて形成される平面アレーアンテナPANT2においては、バラクタダイオード223,323およびバラクタダイオード233,333に印加する直流電圧Vcの極性を切換えることにより、平面アレーアンテナPANT2は、基軸AX2に対して対称なビームパターンBM3,BM4を放射する。
更に、スイッチ7,8が端子T3−T2間に接続されると、アレーアンテナ装置50においては、アンテナ素子212,311により形成された給電素子と、4個の無給電素子22,23,32,33とからなる平面アレーアンテナPANT3が形成される。即ち、1個の給電素子212−311が略直交する方向に配列されるとともに2個の無給電素子22,23が2個の無給電素子32,33と略直交する方向に配列された平面アレーアンテナPANT3が形成される。
そして、平面アレーアンテナPANT3が形成された状態において、正の直流電圧Vcが給電点K1,K2間に印加されると、バラクタダイオード223,323の容量が相対的に大きくなり、バラクタダイオード233,333の容量が相対的に小さくなる。その結果、無給電素子22,32は、反射器として機能し、無給電素子23,33は、導波器として機能する。そして、平面アレーアンテナPANT3は、ビームパターンBM5を放射する。即ち、平面アレーアンテナPANT3は、略225度方向の指向性DIR5を有するビームパターンBM5を放射する。
また、平面アレーアンテナPANT3が形成された状態において、負の直流電圧Vcが給電点K1,K2間に印加されると、バラクタダイオード223,323の容量が相対的に小さくなり、バラクタダイオード233,333の容量が相対的に大きくなる。その結果、無給電素子22,32は、導波器として機能し、無給電素子23,33は、反射器として機能する。そして、平面アレーアンテナPANT3は、ビームパターンBM6を放射する。即ち、平面アレーアンテナPANT3は、指向性DIR5を有し、基軸AX2に対してビームパターンBM5と対称なビームパターンBM6を放射する(図6参照)。
このように、スイッチ7,8が端子T3−T2間に接続されて形成される平面アレーアンテナPANT3においては、バラクタダイオード223,323およびバラクタダイオード233,333に印加する直流電圧Vcの極性を切換えることにより、平面アレーアンテナPANT3は、ほぼ同じ指向性DIR5(=略225度方向の指向性)を有し、ビーム形状が基軸AX2に対して対称なビームパターンBM5,BM6を放射する。
更に、スイッチ7,8が端子T4−T2間に接続されると、アレーアンテナ装置50においては、アンテナ素子212,312により形成された給電素子と、4個の無給電素子22,23,32,33とからなる平面アレーアンテナPANT4が形成される。即ち、1個の給電素子212−312が略直交する方向に配列されるとともに2個の無給電素子22,23が2個の無給電素子32,33と略直交する方向に配列された平面アレーアンテナPANT4が形成される(図5参照)。
そして、平面アレーアンテナPANT4が形成された状態において、正の直流電圧Vcが給電点K1,K2間に印加されると、バラクタダイオード223,323の容量が相対的に大きくなり、バラクタダイオード233,333の容量が相対的に小さくなる。その結果、無給電素子22,32は、反射器として機能し、無給電素子23,33は、導波器として機能する。そして、平面アレーアンテナPANT4は、ビームパターンBM3を放射する。
また、平面アレーアンテナPANT4が形成された状態において、負の直流電圧Vcが給電点K1,K2間に印加されると、バラクタダイオード223,323の容量が相対的に小さくなり、バラクタダイオード233,333の容量が相対的に大きくなる。その結果、無給電素子22,32は、導波器として機能し、無給電素子23,33は、反射器として機能する。そして、平面アレーアンテナPANT4は、ビームパターンBM4を放射する。(図5参照)。
このように、スイッチ7,8が端子T4−T2間に接続されて形成される平面アレーアンテナPANT4は、バラクタダイオード223,323およびバラクタダイオード233,333に印加する直流電圧Vcの極性を切換えることにより、平面アレーアンテナPANT2と同じ指向性DIR3,DIR4を有するビームパターンBM3,BM4を放射する。
更に、スイッチ7,8が端子T1−T4間に接続されると、アレーアンテナ装置50においては、アンテナ素子211,312により形成された給電素子と、4個の無給電素子22,23,32,33とからなる平面アレーアンテナPANT5が形成される。即ち、1個の給電素子211−312が略直交する方向に配列されるとともに2個の無給電素子22,23が2個の無給電素子32,33と略直交する方向に配列された平面アレーアンテナPANT5が形成される。
そして、平面アレーアンテナPANT5が形成された状態において、正の直流電圧Vcが給電点K1,K2間に印加されると、バラクタダイオード223,323の容量が相対的に大きくなり、バラクタダイオード233,333の容量が相対的に小さくなる。その結果、無給電素子22,32は、反射器として機能し、無給電素子23,33は、導波器として機能する。そして、平面アレーアンテナPANT5は、ビームパターンBM7を放射する。即ち、平面アレーアンテナPANT5は、略45度方向の指向性DIR6を有するビームパターンBM7を放射する。
また、平面アレーアンテナPANT5が形成された状態において、負の直流電圧Vcが給電点K1,K2間に印加されると、バラクタダイオード223,323の容量が相対的に小さくなり、バラクタダイオード233,333の容量が相対的に大きくなる。その結果、無給電素子22,32は、導波器として機能し、無給電素子23,33は、反射器として機能する。そして、平面アレーアンテナPANT5は、ビームパターンBM8を放射する。即ち、平面アレーアンテナPANT5は、指向性DIR6を有し、基軸AX2に対してビームパターンBM7と対称なビームパターンBM8を放射する(図7参照)。
このように、スイッチ7,8が端子T1−T4間に接続されて形成される平面アレーアンテナPANT5においては、バラクタダイオード223,323およびバラクタダイオード233,333に印加する直流電圧Vcの極性を切換えることにより、平面アレーアンテナPANT5は、ほぼ同じ指向性DIR6(=略45度方向の指向性)を有し、ビーム形状が基軸AX2に対して対称なビームパターンBM7,BM8を放射する。
スイッチ7,8が端子T3−T4間に接続されると、アレーアンテナ装置50においては、給電素子31と2個の無給電素子32,33とからなる平面アレーアンテナPANT6が形成される。即ち、1個の給電素子31および2個の無給電素子32,33が略平行に配列された平面アレーアンテナPANT6が形成される。
そして、平面アレーアンテナPANT6が形成された状態において、正の直流電圧Vcが給電点K1,K2間に印加されると、バラクタダイオード223,323の容量が相対的に大きくなり、バラクタダイオード233,333の容量が相対的に小さくなる。その結果、無給電素子32は、反射器として機能し、無給電素子33は、導波器として機能する。そして、平面アレーアンテナPANT6は、ビームパターンBM9を放射する。即ち、平面アレーアンテナPANT6は、給電素子31および無給電素子32,33に略垂直な方向へ指向性DIR7(=270度方向の指向性)を有するビームパターンBM9を放射する。
また、平面アレーアンテナPANT6が形成された状態において、負の直流電圧Vcが給電点K1,K2間に印加されると、バラクタダイオード223,323の容量が相対的に小さくなり、バラクタダイオード233,333の容量が相対的に大きくなる。その結果、無給電素子32は、導波器として機能し、無給電素子33は、反射器として機能する。そして、平面アレーアンテナPANT6は、ビームパターンBM10を放射する。即ち、平面アレーアンテナPANT6は、給電素子31および無給電素子32,33に略垂直な方向であり、かつ、指向性DIR7と逆方向の指向性DIR8(=90度方向の指向性)を有するビームパターンBM10を放射する(図8参照)。
このように、スイッチ7,8が端子T3−T4間に接続されて形成される平面アレーアンテナPANT6においては、バラクタダイオード223,323およびバラクタダイオード233,333に印加する直流電圧Vcの極性を切換えることにより、平面アレーアンテナPANT6は、基軸AX3に対して対称なビームパターンBM9,BM10を放射する。そして、基軸AX3に対して対称なビームパターンBM9,BM10を放射することは、アンテナ素子群2の給電素子21および無給電素子22,23に略平行な方向に指向性を有するビームパターンを放射することに相当する。
上述したように、アレーアンテナ装置50は、スイッチ7,8を接続する接続点を切換えるとともにバラクタダイオード223,233,323,333に供給する直流電圧Vcの極性を切換えることによって、指向性またはビーム形状が異なるビームパターンBM1〜BM10を選択的に放射する。
そして、制御回路13は、バラクタダイオード223,323の容量が同じ容量になり、バラクタダイオード233,333の容量が同じ容量になるようにバラクタダイオード223,233,323,333の容量を設定して平面アレーアンテナPANT1〜PANT6の指向性を切換える。
アレーアンテナ装置50における接続端子、直流電圧Vcおよびビームパターンの関係をまとめると、表2のようになる。
図9は、図1に示す制御回路13の概略ブロック図である。制御回路13は、比較器131,133と、しきい値電圧源132,134と、信号発生器135とを含む。比較器131は、受信信号品質QRSの一例としてAGC(Auto Gain Control)電圧V
AGCを受信回路60から受け、しきい値電圧源132からしきい値電圧Vthを受ける。
そして、比較器131は、AGC電圧VAGCをしきい値電圧Vthと比較し、AGC電圧VAGCがしきい値電圧Vth以上であるとき(VAGC≧Vth)、L(論理ロー)レベルの切換信号EXを生成して信号発生器135へ出力し、AGC電圧VAGCがしきい値電圧Vthよりも小さいとき(VAGC<Vth)、H(論理ハイ)レベルの切換信号EXを生成して信号発生器135へ出力する。
また、比較器133は、AGC電圧VAGCを受信回路60から受け、しきい値電圧Vthをしきい値電圧源134から受ける。そして、比較器133は、AGC電圧VAGCをしきい値電圧Vthと比較し、AGC電圧VAGCがしきい値電圧Vth以上であるとき(VAGC≧Vth)、Hレベルの保持信号HLDを生成して信号発生器135へ出力し、AGC電圧VAGCがしきい値電圧Vthよりも小さいとき(VAGC<Vth)、Lレベルの保持信号HLDを生成して信号発生器135へ出力する。
なお、AGC電圧VAGCは、受信信号強度に比例するものである。従って、AGC電圧VAGCが相対的に低くなれば、受信信号強度が相対的に低くなり、AGC電圧VAGCが相対的に高くなれば、受信信号強度が相対的に高くなる。その結果、AGC電圧VAGCをしきい値Vthと比較することにより、受信信号品質QRSを評価できる。そして、受信信号品質QRSとしてAGC電圧VAGCを用いる場合、受信回路60は、AGC電圧VAGCを検出して制御回路13の比較器131,133へ出力する。
信号発生器135は、比較器131からHレベルの切換信号EXを受け、かつ、比較器133からLレベルの保持信号HLDを受けると、既にスイッチ7,8へ出力している信号(信号SW1〜SW6のいずれか)と異なる信号(信号SW1〜SW6のいずれか)をスイッチ7,8へ出力するとともに、極性が異なる直流電圧Vcを抵抗11および同軸ケーブル10を介して、順次、給電点K1,K2間に供給する。
この場合、信号発生器135は、スイッチ7,8へ出力する信号SW(信号SW1〜SW6のいずれか)および直流電圧Vcの極性を表2に従って切換える。より具体的には、信号発生器135は、既にスイッチ7,8へ信号SW1を出力しているときに、比較器131からHレベルの切換信号EXを受け、かつ、比較器133からLレベルの保持信号HLDを受けると、信号SW2を生成してスイッチ7,8へ出力し、その後、正の直流電圧Vcおよび負の直流電圧Vcを抵抗11および同軸ケーブル10を介して、順次、給電点K1,K2間に供給する。
信号発生器135は、比較器131,133からそれぞれHレベルの切換信号EXおよびLレベルの保持信号HLDを受信している限り、表2に従ってスイッチ7,8の接続点および直流電圧Vcの極性を順次切換える。
また、信号発生器135は、比較器131からLレベルの切換信号EXを受け、かつ、比較器133からHレベルの保持信号HLDを受けると、既にスイッチ7,8へ出力している信号(信号SW1〜SW6のいずれか)を保持するとともに、給電点K1,K2間に供給している直流電圧Vcを保持する。
このように、制御回路13は、受信信号品質QRSの一例としてのAGC電圧VAGCがしきい値電圧Vthよりも低下すると、スイッチ7,8の接続点および直流電圧Vcの極性を表2に従って、順次、切換えることによりアレーアンテナ装置50のビームパターンをビームパターンBM1〜BM10に順次切換え、AGC電圧VAGCがしきい値電圧Vth以上になると、スイッチ7,8の接続点および直流電圧Vcの極性を保持して、アレーアンテナ装置50のビームパターンをしきい値電圧Vth以上のAGC電圧VAGCが得られるビームパターンに保持する。
上述したように、スイッチ7,8の接続点を切換えるとともに、直流電圧Vcの極性を切換えることによって、アレーアンテナ装置50は、10個のビームパターンBM1〜BM10を選択的に放射できる。従って、アレーアンテナ装置50は、指向性ダイバーシティに適したアンテナである。
なお、アレーアンテナ装置50においては、バラクタダイオード223,233,323,333の接続方向を図1に示す接続方向と逆にしてもよい。即ち、アノードがアンテナ素子225側に配置され、かつ、カソードがアンテナ素子221側に配置されるようにバラクタダイオード223をアンテナ素子221,225間に接続し、アノードがアンテナ素子235側に配置され、かつ、カソードがアンテナ素子231側に配置されるようにバラクタダイオード233をアンテナ素子231,235間に接続し、アノードがアンテナ素子325側に配置され、かつ、カソードがアンテナ素子321側に配置されるようにバラクタダイオード323をアンテナ素子321,325間に接続し、アノードがアンテナ素子335側に配置され、かつ、カソードがアンテナ素子331側に配置されるようにバラクタダイオード333をアンテナ素子331,335間に接続するようにしてもよい。
この場合、バラクタダイオード223,233,323,333は、直流電圧Vcの極性切換に対して上述した容量変化と反対の容量変化を示す。
[変形例]
図10は、この発明の実施の形態による受信機の他の概略図である。この発明の実施の形態による受信機は、図10に示す受信機100Aであってもよい。受信機100Aは、図1に示す受信機100のアレーアンテナ装置50をアレーアンテナ装置50Aに代えたものであり、その他は、受信機100と同じである。
アレーアンテナ装置50Aは、図1に示すアレーアンテナ装置50のアンテナ素子群2,3をそれぞれアンテナ素子群2A,3Aに代えたものであり、その他は、アレーアンテナ装置50と同じである。
アンテナ素子群2Aは、図1に示すアンテナ素子群2の給電素子21および無給電素子22,23をそれぞれ給電素子21Aおよび無給電素子22A,23Aに代えたものであり、その他は、アンテナ素子群2と同じである。
給電素子21Aは、図1に示す給電素子21のアンテナ素子212をアンテナ素子212Aに代えたものであり、その他は、給電素子21と同じである。また、無給電素子22A,23Aは、図1に示す無給電素子22,23のアンテナ素子225,235をそれぞれアンテナ素子225A,235Aに代えたものであり、その他は、無給電素子22,23と同じである。アンテナ素子212A,225A,235Aは、誘電体基板1の主面1Bに配置される。
従って、給電素子21Aは、誘電体基板1の主面1Aに配置されたアンテナ素子211と誘電体基板1の主面1Bに配置されたアンテナ素子212Aとからなり、無給電素子22Aは、誘電体基板1の主面1Aに配置されたアンテナ素子221と誘電体基板1の主面1Bに配置されたアンテナ素子225Aとからなり、無給電素子23Aは、誘電体基板1の主面1Aに配置されたアンテナ素子231と誘電体基板1の主面1Bに配置されたアンテナ素子235Aとからなる。
この場合、バラクタダイオード223および抵抗224は、誘電体基板1に形成されたスルーホール(図示せず)を介してアンテナ素子221,225A間に接続され、バラクタダイオード233および抵抗234は、誘電体基板1に形成されたスルーホール(図示せず)を介してアンテナ素子231,235A間に接続される。
このように、給電素子21Aおよび無給電素子22A,23Aは、誘電体基板1の異なる2つの主面1A,1Bに配置された2つのアンテナ素子からなる。
また、アンテナ素子群3Aは、図1に示すアンテナ素子群3の給電素子31および無給電素子32,33をそれぞれ給電素子31Aおよび無給電素子32A,33Aに代えたものであり、その他は、アンテナ素子群3と同じである。
給電素子31Aは、図1に示す給電素子31のアンテナ素子311をアンテナ素子311Aに代えたものであり、その他は、給電素子31と同じである。また、無給電素子32A,33Aは、図1に示す無給電素子32,33のアンテナ素子321,331をそれぞれアンテナ素子321A,331Aに代えたものであり、その他は、無給電素子32,33と同じである。アンテナ素子311A,321A,331Aは、誘電体基板1の主面1Aに配置される。
従って、給電素子31Aは、誘電体基板1の主面1Aに配置されたアンテナ素子311Aと誘電体基板1の主面1Bに配置されたアンテナ素子312とからなり、無給電素子32Aは、誘電体基板1の主面1Aに配置されたアンテナ素子321Aと誘電体基板1の主面1Bに配置されたアンテナ素子325とからなり、無給電素子33Aは、誘電体基板1の主面1Aに配置されたアンテナ素子331Aと誘電体基板1の主面1Bに配置されたアンテナ素子335とからなる。
この場合、バラクタダイオード323および抵抗324は、誘電体基板1に形成されたスルーホール(図示せず)を介してアンテナ素子321A,325間に接続され、バラクタダイオード333および抵抗334は、誘電体基板1に形成されたスルーホール(図示せず)を介してアンテナ素子331A,335間に接続される。
このように、給電素子31Aおよび無給電素子32A,33Aは、誘電体基板1の異なる2つの主面1A,1Bに配置された2つのアンテナ素子からなる。
アレーアンテナ装置50Aは、アレーアンテナ装置50と同様に、スイッチ7,8を端子T1−T2間、端子T3−T1間、端子T3−T2間、端子T4−T2間、端子T1−T4間および端子T3−T4間に順次切換え、スイッチ7,8が各端子間に接続された状態で直流電圧Vcの極性を切換えることにより、ビームパターンBM1〜BM10を順次放射する。
なお、アレーアンテナ装置50Aにおいては、アンテナ素子211,221,231,311A,321A,331Aを誘電体基板1の主面1Bに配置し、アンテナ素子212A,225A,235A,312,325,335を誘電体基板1の主面1Aに配置するようにしてもよい。
図11は、この発明の実施の形態による受信機の更に他の概略図である。この発明の実施の形態による受信機は、図11に示す受信機100Bであってもよい。受信機100Bは、図1に示す受信機100のアレーアンテナ装置50をアレーアンテナ装置50Bに代えたものであり、その他は、受信機100と同じである。
アレーアンテナ装置50Bは、図1に示すアレーアンテナ装置50のアンテナ素子群2,3をそれぞれアンテナ素子群2B,3Bに代えたものであり、その他は、アレーアンテナ装置50と同じである。
アンテナ素子群2Bは、図1に示すアンテナ素子群2の給電素子21および無給電素子22,23をそれぞれ給電素子21Bおよび無給電素子22B,23Bに代えたものであり、その他は、アンテナ素子群2と同じである。
給電素子21Bは、図1に示す給電素子21のアンテナ素子211,212をそれぞれアンテナ素子211B,212Bに代えたものであり、その他は、給電素子21と同じである。無給電素子22Bは、図1に示す無給電素子22のアンテナ素子221,225をそれぞれアンテナ素子221B,225Bに代えたものであり、その他は、無給電素子22と同じである。更に、無給電素子23Bは、図1に示す無給電素子23のアンテナ素子231,235をそれぞれアンテナ素子231B,235Bに代えたものであり、その他は、無給電素子23と同じである。
アンテナ素子211B,221B,231B,212B,225B,235Bの各々は、略L字形状からなる。そして、アンテナ素子211Bは、基軸AX4を中心にしてアンテナ素子212Bと対称に配置され、アンテナ素子221Bは、基軸AX4を中心にしてアンテナ素子235Bと対称に配置され、アンテナ素子231Bは、基軸AX4を中心にしてアンテナ素子225Bと対称に配置される。
また、アンテナ素子211Bの長さとアンテナ素子212Bの長さとの和は、図1に示すアンテナ素子211の長さとアンテナ素子212の長さとの和に等しい。アンテナ素子221Bの長さとアンテナ素子225Bの長さとの和およびアンテナ素子231Bの長さとアンテナ素子235Bの長さとの和は、図1に示すアンテナ素子221の長さとアンテナ素子225の長さとの和、または図1に示すアンテナ素子231の長さとアンテナ素子235の長さとの和に等しい。
アンテナ素子群3Bは、図1に示すアンテナ素子群3の給電素子31および無給電素子32,33をそれぞれ給電素子31Bおよび無給電素子32B,33Bに代えたものであり、その他は、アンテナ素子群3と同じである。
給電素子31Bは、図1に示す給電素子31のアンテナ素子311,312をそれぞれアンテナ素子311B,312Bに代えたものであり、その他は、給電素子31と同じである。無給電素子32Bは、図1に示す無給電素子32のアンテナ素子321,325をそれぞれアンテナ素子321B,325Bに代えたものであり、その他は、無給電素子32と同じである。無給電素子33Bは、図1に示す無給電素子33のアンテナ素子331,335をそれぞれアンテナ素子331B,335Bに代えたものであり、その他は、無給電素子33と同じである。
アンテナ素子311B,321B,331B,312B,325B,335Bの各々は、略L字形状からなる。そして、アンテナ素子311Bは、基軸AX2を中心にしてアンテナ素子312Bと対称に配置され、アンテナ素子321Bは、基軸AX2を中心にしてアンテナ素子335Bと対称に配置され、アンテナ素子331Bは、基軸AX2を中心にしてアンテナ素子325Bと対称に配置される。
また、アンテナ素子311Bの長さとアンテナ素子312Bの長さとの和は、図1に示すアンテナ素子311の長さとアンテナ素子312の長さとの和に等しい。アンテナ素子321Bの長さとアンテナ素子325Bの長さとの和およびアンテナ素子331Bの長さとアンテナ素子335Bの長さとの和は、図1に示すアンテナ素子321の長さとアンテナ素子325の長さとの和、または図1に示すアンテナ素子331の長さとアンテナ素子335の長さとの和に等しい。
このように、給電素子21B,31Bおよび無給電素子22B,23B,32B,33Bは、略L字形状のアンテナ素子からなる。従って、給電素子21B,31Bおよび無給電素子22B,23B,32B,33Bの各々の方向DR1またはDR2における長さをそれぞれ給電素子21,31および無給電素子22,23,32,33の各々の長さよりも短くできる。その結果、誘電体基板1のサイズを小さくでき、アレーアンテナ装置50Bをコンパクト化できる。
アレーアンテナ装置50Bは、アレーアンテナ装置50と同様に、スイッチ7,8を端子T1−T2間、端子T3−T1間、端子T3−T2間、端子T4−T2間、端子T1−T4間および端子T3−T4間に順次切換え、スイッチ7,8が各端子間に接続された状態で直流電圧Vcの極性を切換えることにより、ビームパターンBM1〜BM10を順次放射する。
図12は、この発明の実施の形態による受信機の更に他の概略図である。この発明の実施の形態による受信機は、図12に示す受信機100Cであってもよい。受信機100Cは、図1に示す受信機100のアレーアンテナ装置50をアレーアンテナ装置50Cに代えたものであり、その他は、受信機100と同じである。
アレーアンテナ装置50Cは、図1に示すアレーアンテナ装置50のアンテナ素子群2,3をそれぞれアンテナ素子群2C,3Cに代えたものであり、その他は、アレーアンテナ装置50と同じである。
アンテナ素子群2Cは、図1に示すアンテナ素子群2の給電素子21および無給電素子22,23をそれぞれ給電素子21Cおよび無給電素子22C,23Cに代えたものであり、その他は、アンテナ素子群2と同じである。
給電素子21Cは、図1に示す給電素子21のアンテナ素子211をアンテナ素子211Cおよびコイル213に代え、給電素子21のアンテナ素子212をアンテナ素子212Cおよびコイル214に代えたものであり、その他は、給電素子21と同じである。無給電素子22Cは、図1に示す無給電素子22のアンテナ素子221をアンテナ素子221Cおよびコイル226に代え、無給電素子22のアンテナ素子225をアンテナ素子225Cおよびコイル227に代えたものであり、その他は、無給電素子22と同じである。無給電素子23Cは、図1に示す無給電素子23のアンテナ素子231をアンテナ素子231Cおよびコイル236に代え、無給電素子23のアンテナ素子235をアンテナ素子235Cおよびコイル237に代えたものであり、その他は、無給電素子23と同じである。
アンテナ素子211Cおよびコイル213は、コイル213が外側に配置されるように直列に接続される。また、アンテナ素子212Cおよびコイル214は、コイル214が外側に配置されるように直列に接続される。
アンテナ素子221Cおよびコイル226は、コイル226が外側に配置されるように直列に接続される。また、アンテナ素子225Cおよびコイル227は、コイル227が外側に配置されるように直列に接続される。
アンテナ素子231Cおよびコイル236は、コイル236が外側に配置されるように直列に接続される。また、アンテナ素子235Cおよびコイル237は、コイル237が外側に配置されるように直列に接続される。
このように、給電素子21Cおよび無給電素子22C,23Cは、方向DR1において、両端にコイル213,214;226,227;236,237を有するアンテナ素子からなる。
アンテナ素子群3Cは、図1に示すアンテナ素子群3の給電素子31および無給電素子32,33をそれぞれ給電素子31Cおよび無給電素子32C,33Cに代えたものであり、その他は、アンテナ素子群3と同じである。
給電素子31Cは、図1に示す給電素子31のアンテナ素子311をアンテナ素子311Cおよびコイル313に代え、アンテナ素子312をアンテナ素子312Cおよびコイル314に代えたものであり、その他は、給電素子31と同じである。無給電素子32Cは、図1に示す無給電素子32のアンテナ素子321をアンテナ素子321Cおよびコイル326に代え、アンテナ素子325をアンテナ素子325Cおよびコイル327に代えたものであり、その他は、無給電素子32と同じである。無給電素子33Cは、図1に示す無給電素子33のアンテナ素子331をアンテナ素子331Cおよびコイル336に代え、アンテナ素子335をアンテナ素子335Cおよびコイル337に代えたものであり、その他は、無給電素子33と同じである。
アンテナ素子311Cおよびコイル313は、コイル313が外側に配置されるように直列に接続される。また、アンテナ素子312Cおよびコイル314は、コイル314が外側に配置されるように直列に接続される。
アンテナ素子321Cおよびコイル326は、コイル326が外側に配置されるように直列に接続される。また、アンテナ素子325Cおよびコイル327は、コイル327が外側に配置されるように直列に接続される。
アンテナ素子331Cおよびコイル336は、コイル336が外側に配置されるように直列に接続される。また、アンテナ素子335Cおよびコイル337は、コイル337が外側に配置されるように直列に接続される。
このように、給電素子31Cおよび無給電素子32C,33Cは、方向DR2において、両端にコイル313,314;326,327;336,337を有するアンテナ素子からなる。
従って、給電素子21C,31Cおよび無給電素子22C,23C,32C,33Cの各々の長さをそれぞれ給電素子21,31および無給電素子22,23,32,33の各々の長さよりも短くできる。その結果、誘電体基板1のサイズを小さくでき、アレーアンテナ装置50Cをコンパクト化できる。
アレーアンテナ装置50Cは、アレーアンテナ装置50と同様に、スイッチ7,8を端子T1−T2間、端子T3−T1間、端子T3−T2間、端子T4−T2間、端子T1−T4間および端子T3−T4間に順次切換え、スイッチ7,8が各端子間に接続された状態で直流電圧Vcの極性を切換えることにより、ビームパターンBM1〜BM10を順次放射する。
図13は、この発明の実施の形態による受信機の更に他の概略図である。この発明の実施の形態による受信機は、図13に示す受信機100Dであってもよい。受信機100Dは、図1に示す受信機100のアレーアンテナ装置50をアレーアンテナ装置50Dに代えたものであり、その他は、受信機100と同じである。
アレーアンテナ装置50Dは、図1に示すアレーアンテナ装置50のアンテナ素子群2,3をそれぞれアンテナ素子群2D,3Dに代えたものであり、その他は、アレーアンテナ装置50と同じである。
アンテナ素子群2Dは、図1に示すアンテナ素子群2の給電素子21および無給電素子22,23をそれぞれ給電素子21Dおよび無給電素子22D,23Dに代えたものであり、その他は、アンテナ素子群2と同じである。
給電素子21Dは、図1に示す給電素子21のアンテナ素子211,212をそれぞれアンテナ素子211D,212Dに代えたものであり、その他は、給電素子21と同じである。無給電素子22Dは、図1に示す無給電素子22のアンテナ素子221,225をそれぞれアンテナ素子221D,225Dに代えたものであり、その他は、無給電素子22と同じである。無給電素子23Dは、図1に示す無給電素子23のアンテナ素子231,235をそれぞれアンテナ素子231D,235Dに代えたものであり、その他は、無給電素子23と同じである。
アンテナ素子211D,221D,231Dは、略扇形状からなり、誘電体基板1の中心側から外側へ向かうに従って幅が広くなるように誘電体基板1の主面1Aに配置される。また、アンテナ素子212D,225D,235Dは、略扇形状からなり、誘電体基板1の中心側から外側へ向かうに従って幅が広くなるように誘電体基板1の主面1Aに配置される。
このように、給電素子21Dおよび無給電素子22D,23Dは、方向DR1において、中心から両端へ向かうに従って幅が広くなるアンテナ素子からなる。
アンテナ素子群3Dは、図1に示すアンテナ素子群3の給電素子31および無給電素子32,33をそれぞれ給電素子31Dおよび無給電素子32D,33Dに代えたものであり、その他は、アンテナ素子群3と同じである。
給電素子31Dは、図1に示す給電素子31のアンテナ素子311,312をそれぞれアンテナ素子311D,312Dに代えたものであり、その他は、給電素子31と同じである。無給電素子32Dは、図1に示す無給電素子32のアンテナ素子321,325をそれぞれアンテナ素子321D,325Dに代えたものであり、その他は、無給電素子32と同じである。無給電素子33Dは、図1に示す無給電素子33のアンテナ素子331,335をそれぞれアンテナ素子331D,335Dに代えたものであり、その他は、無給電素子33と同じである。
アンテナ素子311D,321D,331Dは、略扇形状からなり、誘電体基板1の中心側から外側へ向かうに従って幅が広くなるように誘電体基板1の主面1Bに配置される。また、アンテナ素子312D,325D,335Dは、略扇形状からなり、誘電体基板1の中心側から外側へ向かうに従って幅が広くなるように誘電体基板1の主面1Bに配置される。
このように、給電素子31Dおよび無給電素子32D,33Dは、方向DR2において、中心から両端へ向かうに従って幅が広くなるアンテナ素子からなる。
従って、給電素子21D,31Dおよび無給電素子22D,23D,32D,33Dの各々の長さをそれぞれ給電素子21,31および無給電素子22,23,32,33の各々の長さよりも短くできる。その結果、誘電体基板1のサイズを小さくでき、アレーアンテナ装置50Dをコンパクト化できる。
また、誘電体基板1の中心側から外側へ向かうに従って幅が広くなるアンテナ素子211D,212D,221D,225D,231D,235D,311D,312D,321D,325D,331D,335Dを用いることにより、上述した平面アレーアンテナPANT1〜PANT6の各々の帯域を広帯域化できる。
アレーアンテナ装置50Dは、アレーアンテナ装置50と同様に、スイッチ7,8を端子T1−T2間、端子T3−T1間、端子T3−T2間、端子T4−T2間、端子T1−T4間および端子T3−T4間に順次切換え、スイッチ7,8が各端子間に接続された状態で直流電圧Vcの極性を切換えることにより、ビームパターンBM1〜BM10を順次放射する。
なお、アレーアンテナ装置50B,50C,50Dにおいては、アレーアンテナ装置50Aと同じように、給電素子21B,31B;21C,31C;21D,31Dおよび無給電素子22B,23B,32B,33B;22C,23C,32C,33C;22D,23D,32D,33Dを誘電体基板1の主面1Aに配置されたアンテナ素子と誘電体基板1の主面1Bに配置されたアンテナ素子とから構成するようにしてもよい。
[応用例]
図14および図15は、それぞれ、図1に示す受信機100を用いたテレビジョンの第1および第2の斜視図である。テレビジョン200は、本体部210と、台部220とからなる。本体部210は、台部220上に配置される。そして、台部220は、受信機100のアレーアンテナ装置50を内蔵する。アレーアンテナ装置50においては、誘電体基板1の主面1A,1Bにそれぞれ配置されたアンテナ素子群2,3を用いて指向性またはビーム形状を切換え可能な平面アレーアンテナPANT1〜PANT6が形成されるので、略平板形状を有する台部220にアレーアンテナ装置50を内蔵することができる。
また、テレビジョン300は、テレビジョン200に脚部230を追加した構造からなる。本体部210および台部220は、脚部230上に配置される。脚部230は、略十字形状に組まれた4個の設置部241〜244を有する。そして、脚部230は、4個の設置部241〜244にアレーアンテナ装置50を内蔵する。アレーアンテナ装置50の誘電体基板1は、略十字形状からなり、アンテナ素子群2,3は、略十字形状に配置されるので、脚部230は、4個の設置部241〜244にアレーアンテナ装置50を内蔵することができる。
図16は、図1に示す受信機100をテレビジョン200または300に用いた場合の受信回路60の第1の例を示す概略図である。受信回路60の第1の例である受信回路60Aは、チューナー部61と、中間周波増幅部62と、直交復調部63と、FFT(Fast Fourier Transform)部64と、識別部65と、パイロット信号検出部66とを含む。
なお、受信回路60Aは、アレーアンテナ装置50に到来する無線信号がデジタルテレビジョン信号からなる場合の受信回路である。そして、デジタルテレビジョン信号は、直交周波数分割多重方式(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplex)によって変調されたデジタル信号である。
チューナー部61は、同軸ケーブル10から受信信号を受け、その受けた受信信号に対して高周波増幅および周波数変換等を行ない、受信信号の周波数を検出するとともに、変換後の受信信号を中間周波増幅部62へ出力する。
中間周波増幅部62は、チューナー部61からの受信信号を受け、その受けた受信信号を増幅して受信信号強度RSSIを検出する。そして、中間周波増幅部62は、検出した受信信号強度RSSIを受信信号品質QRSとして制御回路13へ出力し、増幅後の受信信号を直交復調器63へ出力する。
直交復調器63は、中間周波増幅部62から受けた直交周波数分割多重方式によって変調された信号の直交変調を復調してFFT部64へ出力する。FFT部64は、直交復調器63からの信号を高速フーリエ変換し、その変換後の信号を識別部65およびパイロット信号検出部66へ出力する。
識別部65は、FFT部64からの信号に対して誤り訂正を行ない、受信信号のエラーレートERRを検出するとともに、誤り訂正後の信号を受信データとして出力する。また、識別部65は、FFT部64からの信号に基づいて伝送モードTMDEを検出すると同時に、その検出したエラーレートERRおよび伝送モードTMDEを受信信号品質QRSとして制御回路13へ出力する。
パイロット信号検出部66は、FFT部64からの信号に含まれるパイロット信号PLTを検出し、その検出したパイロット信号PLTを受信信号品質QRSとして制御回路13へ出力する。なお、パイロット信号PLTは、直交周波数分割多重方式における特定サブキャリアに割り当てられ、音声データおよび画像データを表示しない信号である。
このように、受信回路60Aは、アレーアンテナ装置50が受信した受信信号を同軸ケーブル10を介して受け、その受けた受信信号を増幅および復調等して受信データを出力するとともに、受信データを得る過程において検出した受信信号強度RSSI、エラーレートERR、伝送モードTMDEおよびパイロット信号PLTを受信信号品質QRSとして制御回路13へ出力する。
図17は、図1に示す受信機100をテレビジョン200または300に用いた場合の受信回路60の第2の例を示す概略図である。受信回路60の第2の例である受信回路60Bは、チューナー部61と、中間周波増幅部62と、映像検波部67と、色副搬送波再生回路68と、カラー映像信号復調部69とを含む。なお、受信回路60Bは、アレーアンテナ装置50に到来する無線信号がアナログテレビジョン信号からなる場合の受信回路である。
チューナー部61は、同軸ケーブル10からNTSCコンポジット信号を受け、その受けたNTSCコンポジット信号に対して高周波増幅および周波数変換等を行ない、NTSCコンポジット信号の周波数を検出するとともに、変換後のNTSCコンポジット信号を中間周波増幅部62へ出力する。
中間周波増幅部62は、チューナー部61からのNTSCコンポジット信号を受け、その受けたNTSCコンポジット信号を増幅して受信信号強度RSSIを検出する。そして、中間周波増幅部62は、検出した受信信号強度RSSIを受信信号品質QRSとして制御回路13へ出力し、増幅後のNTSCコンポジット信号を映像検波部67へ出力する。
映像検波部67は、中間周波増幅部62からのNTSCコンポジット信号を受け、その受けたNTSCコンポジット信号を振幅復調してコンポジット信号を検出する。そして、映像検波部67は、検出したコンポジット信号を色副搬送波再生回路68およびカラー映像信号復調部69へ出力する。
色副搬送波再生回路68は、映像検波部67からのコンポジット信号に含まれている3.58MHzのカラーバースト信号CBRSを検出し、その検出したカラーバースト信号CBRSを受信信号品質QRSとして制御回路13へ出力する。そして、色副搬送波再生回路68は、検出したカラーバースト信号CBRSを用いてコンポジット信号に含まれる3.58MHzの色副搬送波を再生し、色副搬送波に同期した色副搬送波信号を生成してカラー映像信号復調部69へ出力する。
カラー映像信号復調部69は、色副搬送波再生回路68からの色副搬送波信号を用いて映像検波部67からのコンポジット信号を直交復調し、カラー映像信号を出力する。
このように、受信回路60Bは、アレーアンテナ装置50が受信したNTSCコンポジット信号を同軸ケーブル10を介して受け、その受けたNTSCコンポジット信号を増幅および復調等してカラー映像信号を出力するとともに、カラー映像信号を得る過程において検出した受信信号強度RSSIおよびカラーバースト信号CBRSを受信信号品質QRSとして制御回路13へ出力する。
従って、受信機100がテレビジョン200または300に用いられる場合、受信信号品質QRSは、
(a)無線信号の受信信号強度RSSI
(b)無線信号のビットエラーレート
(c)フレームエラー
(d)パイロット信号の検出有無またはパイロット信号の検出レベル
(e)カラーバースト信号の検出有無
(f)受信信号強度RSSIと(a)〜(e)のいずれかとの論理積
のいずれかからなる。
受信信号強度RSSIが小さいと、テレビジョン200または300の画面が乱れるので、受信信号強度RSSIは、受信信号強度QRSを表す。また、ビットエラーレートが大きいと、テレビジョン200または300の画面は劣化するので、ビットエラーレートは、受信信号品質QRSを表す。
フレームは、所定数の画面を集めたものであり、フレームエラーがN回以上継続して検出されると、画面は劣化する。従って、フレームエラーがN回以上継続したことの検出有無は、受信信号品質QRSを表す。なお、フレームエラーがN回以上継続したか否かは、N個のフレームを復調して画面に表示する場合に、制御回路13がN個のフレームの各々の復調時に受信回路60AからエラーレートERRを受けたか否かを判定することにより行なう。
パイロット信号PLTは、上述したように、直交周波数分割多重方式OFDMにおける特定サブキャリアに割り当てられ、音声データおよび画像データを表示しない信号であるので、パイロット信号PLTの検出有無またはパイロット信号PLTの検出レベルは、デジタルテレビジョン信号からなる無線信号の受信信号品質QRSを表す。
カラーバースト信号CBRSは、上述したように、アナログテレビジョン信号に含まれ、カラー画像を表示するための信号であるので、受信したアナログテレビジョン信号の中にカラーバースト信号CBRSが含まれているときは受信信号の品質は高いが、受信したアナログテレビジョン信号の中にカラーバースト信号CBRSが含まれていないときは、受信信号の品質は低い。従って、アナログテレビジョン信号におけるカラーバースト信号CBRSの有無は、受信信号品質QRSを表す。
受信機100がテレビジョン200または300に用いられる場合、受信回路60は、受信信号品質QRSとして上述した(a)〜(f)のいずれかを制御回路13へ出力する。そして、制御回路13は、(a)〜(f)のいずれかを受信信号品質QRSとして受け、その受けた受信信号品質QRSをしきい値Qthと比較するとともに、受信信号品質QRSがしきい値Qth以上になるようにスイッチ7,8の接続および直流電圧Vcの極性を切換える。
これによって、受信機100を用いたテレビジョン200または300は、受信信号品質QRSがしきい値Qth以上になるビームパターン(ビームパターンBM1〜BM10のいずれか)によって無線信号を受信することができる。
なお、受信機100に代えて受信機100A,100B,100C,100Dのいずれかをテレビジョン200または300に用いてもよい。
上記においては、アレーアンテナ装置50,50A,50B,50C,50Dにおけるアンテナ素子群2,2A,2B,2C,2Dは、1つの平面へ投影した場合、それぞれ、アンテナ素子群3,3A,3B,3C,3Dに略直交すると説明したが、この発明においては、これに限らず、アンテナ素子群2,3;2A,3A;2B,3B;2C,3C;2D,3Dを1つの平面へ投影した場合、アンテナ素子群2,2A,2B,2C,2Dが、それぞれ、アンテナ素子群3,3A,3B,3C,3Dと任意の角度で交差するようにアンテナ素子群2,3;2A,3A;2B,3B;2C,3C;2D,3Dは誘電体基板1の主面1Aおよび1Bに配置されていればよい。この場合、誘電体基板1において、翼部11A/本体部11E/翼部11Cの配列方向が翼部11B/本体部11E/翼部11Dの配列方向と成す角度は、アンテナ素子群2,2A,2B,2C,2Dがアンテナ素子群3,3A,3B,3C,3Dと交差する角度に一致するように、翼部11A,11B,11C,11Dが本体部11Eに接して設けられる。
また、上記においては、制御回路13は、スイッチ7,8が端子T1−T2間、端子T3−T1間、端子T3−T2間、端子T4−T2間、端子T1−T4間および端子T3−T4間のいずれかに接続されるように信号SW1〜SW6をスイッチ7,8へ供給して平面アレーアンテナPANT1〜PANT6を形成すると説明したが、この発明においては、これに限らず、制御回路13は、信号SW1,SW6のいずれか一方の信号をスイッチ7,8へ供給して平面アレーアンテナPANT1,PANT6を選択的に形成し、平面アレーアンテナPANT1,PANT6の各々において指向性を切換えるようにしてもよい。つまり、アレーアンテナ装置50,50A,50B,50C,50Dを図4に示すビームパターンBM1,BM2および図8に示すビームパターンBM9,BM10を選択的に放射する平面アレーアンテナとして用いてもよい。
更に、この発明においては、端子T1−T2間、端子T3−T1間、端子T3−T2間、端子T4−T2間、端子T1−T4間および端子T3−T4間から選択された任意個数の端子間にスイッチ7,8を接続して任意個数の平面アレーアンテナを選択的に形成し、その形成した任意個数の平面アレーアンテナの各々において指向性を切換えるようにしてもよい。例えば、端子T1−T2間、端子T3−T1間、端子T3−T2間、端子T4−T2間、端子T1−T4間および端子T3−T4間から端子T3−T1間、端子T3−T2間、端子T1−T4間および端子T3−T4間を選択し、平面アレーアンテナPANT2,PANT3,PANT5,PANT6を選択的に形成し、その形成した平面アレーアンテナPANT2,PANT3,PANT5,PANT6の各々において指向性を切換えるようにしてもよい。つまり、アレーアンテナ装置50,50A,50B,50C,50Dを図5に示すビームパターンBM3,BM4、図6に示すビームパターンBM5,BM6、図7に示すビームパターンBM7,BM8および図8に示すビームパターンBM9,BM10を選択的に放射する平面アレーアンテナとして用いてもよい。
更に、アンテナ素子群2,3;2A,3A;2B,3B;2C,3C;2D,3Dの各々は、1本の給電素子と2本の無給電素子とから構成されると説明したが、この発明においては、これに限らず、アンテナ素子群2,3;2A,3A;2B,3B;2C,3C;2D,3Dの各々は、1本の給電素子と3本以上の無給電素子とから構成されていてもよく、一般的には、1本の給電素子と複数の無給電素子とから構成されていればよい。
この発明においては、信号SW1〜SW6のいずれかを供給してスイッチ7,8を4個の端子T1〜T4のうちの任意の2つの端子に接続する制御回路13およびスイッチ7,8は、「アンテナ形成手段」を構成する。
また、この発明においては、極性が異なる直流電圧Vcを同軸ケーブル10および給電点K1,K2を介してバラクタダイオード223,233,323,333に印加する制御回路13は、「指向性切換手段」を構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 誘電体基板、1A,1B 主面、2,2A,2B,2C,2D,3,3A,3B,3C,3D アンテナ素子群、4,5,11,222,224,232,234,322,324,332,334 抵抗、6 バラン、7,8 スイッチ、9,12 キャパシタ、10 同軸ケーブル、11A,11B,11C,11D 翼部、11E,210 本体部、13 制御回路、21,21A,21B,21C,21D,31,31A,31B,31C,31D 給電素子、22,22A,22B,22C,22D,23,23A,23B,23C,23D,32,32A,32B,32C,32D,33,33A,33B,33C,33D 無給電素子、50,50A,50B,50C,50D アレーアンテナ装置、60,60A,60B 受信回路、61 チューナー、62 中間周波増幅部、63 直交復調器、64 FFT部、65 識別部、66 パイロット信号検出部、67 映像検波部、68 色副搬送波再生回路、69 カラー映像信号復調部、100,100A,100B,100C,100D 受信機、101 中心導体、102 接地導体、131,133 比較器、132,134 しきい値電圧源、135 信号発生器、200,300 テレビジョン、220 台部、230 脚部、211,211B,211C,211D,212,212A,212B,212C,212D,221,221B,221C,221D,225,225A,225B,225C,225D,231,231B,231C,231D,235,235A,235B,235C,235D,311,311A,311B,311C,311D,312,312B,312C,312D,321,321A,321B,321C,321D,325,325B,325C,325D,331,331A,331B,331C,331D,335,335B,335C,335D アンテナ素子、213,214,226,227,236,237,313,314,326,327,336,337 コイル、223,233,323,333 バラクタダイオード、241〜244 設置部。