JP2005109405A - 露光装置及び露光方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 露光装置において、露光光の連続照射により光学レンズの温度が上昇し、焦点、倍率、各種の収差などが変化し、結像性能が変化する問題を抑制する。
【解決手段】 第1測定部において、投影光学レンズ50を構成する光学レンズ51aに露光光と同じ波長の測定用光Aを測定用光光源52aから照射する。光学レンズ51a〜51cを透過した測定用光Aを光センサー54aに入射させ、その入射位置、または強度を感知させる。露光光により光学レンズ51a〜51cの温度上昇があれば、光センサー54aへの測定用光Aの入射位置、または強度の感知結果が変化する。従って、光センサー54aへの入射位置、または強度の感知結果が変化しないよう、各光学レンズ51a〜51cの周辺温度を制御する。第2測定部、第3測定部も同様に制御することで、投影光学レンズ50の結像性能の変化を抑制する。
【選択図】 図2
【解決手段】 第1測定部において、投影光学レンズ50を構成する光学レンズ51aに露光光と同じ波長の測定用光Aを測定用光光源52aから照射する。光学レンズ51a〜51cを透過した測定用光Aを光センサー54aに入射させ、その入射位置、または強度を感知させる。露光光により光学レンズ51a〜51cの温度上昇があれば、光センサー54aへの測定用光Aの入射位置、または強度の感知結果が変化する。従って、光センサー54aへの入射位置、または強度の感知結果が変化しないよう、各光学レンズ51a〜51cの周辺温度を制御する。第2測定部、第3測定部も同様に制御することで、投影光学レンズ50の結像性能の変化を抑制する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、半導体製造装置に係り、特に、半導体装置を製造するための露光装置及び露光方法に関する。
半導体製造プロセスにおける光リソグラフィの工程は、露光光をレチクルに照射し、レチクルに形成されたパターンを投影光学レンズを介してウエハ上に転写し、ウエハ上に塗布されたレジストを感光させ、現像し、ウエハ上に有機物質のパターンを形成する工程である。
図7は、従来の露光装置の概略図である。1は露光光源、2は露光光伝達筒、3は照明光学系、4はレチクルステージ、5は投影光学レンズ鏡筒、6はウエハステージ、7はウエハを示す。ウエハ7は、ウエハステージ6に固定されている。露光光伝達筒2の内部にはミラー(図示していない)が適所に配置されており、露光光の方向を変えるようになっている。レチクルステージ4には、所望のレチクルを設置し、ウエハ7上に塗布されたレジストにパターンを形成する。投影光学レンズ鏡筒5には、光学レンズが組み合わせて配置されることにより形成された、複数の光学レンズから成る投影光学レンズ50が納まっている。図8は、従来の投影光学レンズ50を示すための、投影光学レンズ鏡筒5の断面図である。投影光学レンズ鏡筒5には投影光学レンズ50を構成する光学レンズ51a〜51fが配置されている。
以上の構成の露光装置におけるリソグラフィ工程では、露光光の連続照射により、投影光学レンズ50を構成する光学レンズ51a〜51fの温度が上昇し、このため、倍率、焦点、各種収差などが変化し、結像性能が変化するという問題があった。この問題に対して、温度の上昇した投影光学レンズ50を構成する光学レンズを液体冷却やペルチェ素子により、直接冷却するという技術が提案されている(例えば、特許文献1)。あるいは、投影光学レンズ鏡筒5の内部の温度及び気圧を制御することによって、温度上昇により変化した投影光学レンズ50の結像性能を回復する技術も提案されている(例えば、特許文献2)。
また、近年の半導体プロセスにおけるデバイスパターンの微細化に伴い、露光波長の短波長化が進んでいる。これに伴い、現在では、波長248nmのKrFエキシマレーザーや、真空紫外領域の光線である波長193nmのArFエキシマレーザーが露光光源に使用されている。更に、波長157.6nmのF2レーザーの光線を露光光源に用いる研究も行われている。このように、露光光として使用する光の波長の短波長化が進むにつれて、露光光がレンズ硝材を十分に透過せずに、吸収されて熱なってしまうという問題がさらに顕著となる。実際、波長157.6nmのF2レーザー光のレンズ硝材としてフッ化カルシウムの使用が有力であるが、このフッ化カルシウムでさえ、F2レーザー光の透過率は反射防止膜によって表面反射を抑制したとしても、95%程度である。従って、F2レーザー光を露光光源としたリソグラフィでは、高エネルギーであるF2レーザー光が、5%も硝材であるフッ化カルシウム内に熱として吸収される可能性がある。
このように、投影光学レンズ50内に熱が蓄えられることによって光学レンズの温度が上昇し、結像性能に及ぼす影響が顕著になるという問題がある。上述の通り、デバイスパターンの微細化に関しては、光学レンズの温度上昇による結像性能の変化は大きな問題である。そのため、結像性能に直結する光学レンズの温度を簡易かつ高精度に測定するとともに、結像性能の変化を防止する技術が望まれる。従来の技術では、光学レンズを直接冷却する技術や、投影光学レンズ50の温度上昇により変化した結像性能を回復する技術については開示されているものの、結像性能に直結する光学レンズの温度を簡易かつ高精度に測定する技術については開示されていない。
特開平11−243052号公報
特開平9−50952号公報
本発明は、露光装置の結像性能に直結する光学レンズの温度を簡易かつ高精度に測定することを目的とする。また、本発明は、投影光学レンズを構成する光学レンズの温度を間接的に測定し管理することにより、光学レンズの温度上昇を抑制して露光装置の結像性能の変化を防止すること目的とする。
本発明の露光装置は、
所定のパターンが形成されたマスクに露光光源からの露光光を照射し、光学レンズを有する投影光学系を介して前記パターンを基板上に転写する露光装置において、
前記光学レンズに光を照射する、前記露光光源とは異なる照射光源と、
前記照射光源が前記光学レンズに照射した光のうち、前記光学レンズを透過した光と、前記光学レンズを反射した光との少なくともいずれかを入射して感知するセンサーと
を備えたことを特徴とする。
所定のパターンが形成されたマスクに露光光源からの露光光を照射し、光学レンズを有する投影光学系を介して前記パターンを基板上に転写する露光装置において、
前記光学レンズに光を照射する、前記露光光源とは異なる照射光源と、
前記照射光源が前記光学レンズに照射した光のうち、前記光学レンズを透過した光と、前記光学レンズを反射した光との少なくともいずれかを入射して感知するセンサーと
を備えたことを特徴とする。
前記投影光学系の有する光学レンズは、
筒状のレンズ配置部材の内部に配置され、
前記露光装置は、さらに、
前記センサーが感知した感知結果に基づいて、前記光学レンズが配置された前記レンズ配置部材の内部に所定の温度に制御された気体を供給する気体供給部を備えたことを特徴とする。
筒状のレンズ配置部材の内部に配置され、
前記露光装置は、さらに、
前記センサーが感知した感知結果に基づいて、前記光学レンズが配置された前記レンズ配置部材の内部に所定の温度に制御された気体を供給する気体供給部を備えたことを特徴とする。
前記気体供給部は、
供給する気体の温度を制御する気体温度制御部を備えたことを特徴とする。
供給する気体の温度を制御する気体温度制御部を備えたことを特徴とする。
前記気体温度制御部は、
前記光学レンズの適正環境温度範囲の下限値よりも低い温度と前記光学レンズの適正環境温度範囲の上限値の温度との間のいずれかの温度に、供給する気体の温度を保持する制御を行うことを特徴とする。
前記光学レンズの適正環境温度範囲の下限値よりも低い温度と前記光学レンズの適正環境温度範囲の上限値の温度との間のいずれかの温度に、供給する気体の温度を保持する制御を行うことを特徴とする。
前記照射光源は、
前記露光光と同一の波長の光を照射することを特徴とする。
前記露光光と同一の波長の光を照射することを特徴とする。
前記センサーは、
入射した光の入射位置と強度との少なくともいずれかを感知することを特徴とする。
入射した光の入射位置と強度との少なくともいずれかを感知することを特徴とする。
前記気体供給部は、
空気と不活性気体とのいずれかを供給することを特徴とする。
空気と不活性気体とのいずれかを供給することを特徴とする。
本発明の露光方法は、
所定のパターンが形成されたマスクに露光光源からの露光光を照射し、光学レンズを有する投影光学系を介して前記パターンを基板上に転写する露光方法において、
前記露光光源とは異なる光源から、前記光学レンズに光を照射する第1の工程と、
前記第1の工程により前記光学レンズに照射した光のうち、前記光学レンズを透過した光と、前記光学レンズを反射した光との少なくともいずれかを入射して感知する第2の工程と
を備えたことを特徴とする。
所定のパターンが形成されたマスクに露光光源からの露光光を照射し、光学レンズを有する投影光学系を介して前記パターンを基板上に転写する露光方法において、
前記露光光源とは異なる光源から、前記光学レンズに光を照射する第1の工程と、
前記第1の工程により前記光学レンズに照射した光のうち、前記光学レンズを透過した光と、前記光学レンズを反射した光との少なくともいずれかを入射して感知する第2の工程と
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、露光装置の結像性能に直結する光学レンズの温度を簡易かつ高精度に測定することができる。また、投影光学レンズを構成する光学レンズの温度を間接的に測定し管理することにより、光学レンズの温度上昇を抑制して露光装置の結像性能の変化を防止することができる。
以下、図1〜図6を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付してその説明を簡略化、ないし、省略することがある。符号については、例えば、光学レンズ51a,51b,51c等のように、数字が同一のものは、同一の名称を示すように定めている。なお、本発明は、下記実施の形態に制限されるものではない。
図1は、本実施の形態に係る露光装置100を示す図である。露光装置100は、後述のように、投影光学レンズ50(投影光学系)を構成する光学レンズに光を照射して間接的に光学レンズの温度を測定し、測定値に基づいて投影光学レンズ鏡筒5(レンズ配置部材)の内部に冷却した気体を供給して、光学レンズを冷却することを特徴とする。これにより結像性能の変化を防止する。露光装置100は、図1の(イ)の部分が特徴であり、後に詳しく説明する。
図1に示すように露光装置100は、露光光源1、露光光伝達筒2、照明光学系3、レチクルステージ4、投影光学レンズ鏡筒5、ウエハステージ6及びウエハ7(基板)を備える。さらに、測定部58、記憶部59及び気体供給コントロール部60を備えている。露光装置100は、レチクルステージ4に所定のパターンを有するレチクルを設置して、前記パターンをウエハ7に転写する。
図2は、露光装置100における投影光学レンズ50(投影光学系)を説明するための投影光学レンズ鏡筒5の概略の断面図である。図2は、図1の(イ)の部分を抜き出した図である。以下、図2に基づき、露光装置100の投影光学レンズ50の構成を説明する。
図2に示すように、投影光学レンズ50は、複数の光学レンズ51a〜51fにより構成されている。そして、光学レンズ51a〜51fは、投影光学レンズ鏡筒5により支えられている構造になっている。さらに、投影光学レンズ50は、第1測定部、第2測定部及び第3測定部の3つの部分に別れている。まず、第1測定部について説明する。第1測定部において、露光光源1とは異なる測定用光光源52a(照射光源)は、光学レンズ51a、51b、51cを透過して光センサー54aに入射する測定用の光(以下、測定用光Aという)を照射する。反射ミラー53a、53bは、光学レンズ51a、51bを透過した測定用光Aを反射する。光センサー54aは、光学レンズ51a〜51cを透過した測定用光Aを感知する。気体供給部56aは、所定の温度に制御された気体を気体供給配管55から投影光学レンズ鏡筒5の内部に向けて供給する。図2では気体供給部56aは、5本の気体供給配管55を有している。また、気体供給部56aは、気体温度制御部57aを備えている。気体温度制御部57aは、気体供給部56aが供給する気体の温度を制御する。測定部58は、光センサー54aの感知した結果を数値データに変換する。記憶部59は、測定部58の変換した数値データ、及び、各種の初期値などを記憶する。気体供給コントロール部60は、気体供給部56aによる気体の供給を制御する。第2測定部、第3測定部についても第1測定部と光学レンズの枚数が異なる他は同様の構成である。なお、第2測定部、第3測定部については、測定部58、記憶部59、気体供給コントロール部60への接続は第1測定部と同様である。
なお、図2では投影光学レンズ50を構成する光学レンズは、光学レンズ51a〜51fの6枚としているが、例示であり、枚数を限定するものではない。
次に、第1測定部を例にとり、測定用光光源52aが発する測定用光Aについて説明する。図2のように、測定用光光源52aより出射された測定用光Aは、測定用光Aの光路を示す(ロ)のように、光学レンズ51a,反射ミラー53a,光学レンズ51b,反射ミラー53b,光学レンズ51cを介して光センサー54aに入射する。この場合、測定用光光源52aから出射される測定用光Aの波長は限定しない。しかし、より高精度の測定が可能となるので、測定用光Aの波長は露光光と同一波長が望ましい。例えば、露光光源1としてF2レーザーを想定する。F2レーザーを露光光として用いる場合は、レンズ硝材にはフッ化カルシウムが使用される。図3は、フッ化カルシウムについての光の波長と屈折率を示す図である。横軸は、光の波長(nm)であり、縦軸は光の波長に対する屈折率を示す。図3から明らかなように、フッ化カルシウムでは、短波長な光ほど屈折率が大きい。F2レーザーにおける露光光の波長は157.6nmであるが、その屈折率は1.57である。このように、露光光(F2レーザー)では屈折率が大きいため、露光光の波長と同一の波長の光を測定用光Aに用いた場合には、測定用光Aの光路(ロ)の変化が大きくなるので、光学レンズの屈折率の変化を鋭敏に感知することが可能となる。露光光源1にF2レーザーを用いる場合は、測定用光光源52aとして重水素ランプの光を回路格子とスリットを使用して、157.6nmの光を抽出して出射するシステムとすることができる。或いは、小型のF2レーザー発振器を用いることができる。なお、測定用光光源52aが出射する光強度は、光学レンズ51a,b,cの温度を上昇させない程度の小さい強度とする。また光センサー54aとして、入射した光強度を測定する光電子倍増管(Photomultiplier)を用いることができる。上記の測定用光Aの波長については、第2測定部、第3測定部についても同様である。
次に、動作を説明する。第1測定部を例にとり説明する。光学レンズ51a〜51fで構成される投影光学レンズ50の結像性能の変化の抑制を目的とするので、当然に、第2測定部、第3測定部も第1測定部と同様に同時に測定する。図4は、露光装置100の第1測定部における測定の動作を示すフローチャートである。図4を用いて、測定用光Aを照射して、光センサー54aで感知し、さらに温度制御した気体を投影光学レンズ鏡筒5の内部に供給するまでの過程を説明する。
S101において、図2に示した構成により、投影光学レンズ鏡筒5内、つまり、投影光学レンズ50を構成する全ての光学レンズ51a〜51fが「23.0℃」に制御されている状態で、測定用光光源52aから測定用光Aを照射し、光センサー54aに入射する測定用光Aの入射位置、或いは、入射した光強度を測定する。そして、測定部58は、光センサー54aが感知した測定用光Aを数値データに変換する。この変換した数値データを「初期測定値S(初)」とする。測定部58は、「初期測定値S(初)」を記憶部59に記憶させる。なお、ここでは、光学レンズ51a〜51cについて、結像性能の変化に影響を与えない温度範囲を示す適正環境温度範囲は、一例として、22℃〜24℃(22℃以上24℃以下)と想定する。22℃が下限値の温度であり、24℃が上限値の温度である。これにより、前記の23℃の状態を想定した。
S102において、レチクルのパターンをウエハ7に転写するために、露光光源1から露光光を照射する。
S103において、露光光の照射後、再び測定用光Aを照射し、光センサー54aに入射する測定用光Aの入射位置、或いは、入射した光強度を再測定する。この測定値を「再測定値S(再)」とする。すなわち、上記と同様に、測定部58は、光センサー54aが感知した測定用光Aを数値データに変換して「再測定値S(再)」とし、記憶部59に「再測定値S(再)」を記憶させる。
S104において、気体供給コントロール部60は、記憶部59が記憶している「初期測定値S(初)」と、「再測定値S(再)」とを読み込み、比較し判定する。なお、光学レンズ51a,51b,51cの温度が高いほど、「再測定値S(再)」は大きくなると想定する。また、後述する閾値S(1)は、予め記憶部59が記憶しており、S(再)、S(初)とともに気体供給コントロール部60が読み込むものとする。ここで、S(1)をある閾値として、
S(再)−S(初)≧S(1)(式1)
が成り立つ場合は、S105に進む。一方、成立しない場合はS106に進む。
S(再)−S(初)≧S(1)(式1)
が成り立つ場合は、S105に進む。一方、成立しない場合はS106に進む。
S105において、温度が管理されている気体により光学レンズ51a〜51cの冷却を行う。すなわち、露光光の照射により、各光学レンズ51a〜51cの温度が上昇すれば、光学レンズ51a等の熱膨張などの影響により、「初期測定値S(初)」と「再測定値S(再)」との結果が異なる。これにより、上記(式1)が成り立つ場合、気体供給コントロール部60は、気体供給部56aから光学レンズ51a等の初期状態としての温度である23.0℃よりも低温に制御された、例えば、20.0℃に制御された気体を、気体供給配管55を介して光学レンズ51a,51b,51cが配置された投影光学レンズ鏡筒5の内部に導入し、各光学レンズ51a,51b,51cを冷却する。このように冷却することにより、投影光学レンズ50を構成する光学レンズ51a,51b,51cの温度を適正環境温度範囲内の一定の温度、例えば22℃〜24℃に制御する。すなわち、測定用光Aで測定したならば、その測定結果と、初期測定値S(初)との差が常にゼロ、あるいは、閾値S(1)以内となるように、光学レンズ51a,51b,51cの温度を制御管理する。供給する気体の温度は、気体温度制御部57aが制御している。制御する温度範囲ついて、温度範囲の下限については、温度上昇した光学レンズを冷却して、光学レンズを適正環境温度範囲内にすることができる必要がある。なお、湿度との関係では、供給する気体は、結露を生じさせない温度であることが必要である。このような観点から、例えば、光学レンズの適正環境温度範囲の下限値から15℃程度低い温度を制御する温度範囲の下限の温度として想定する。また、制御する温度範囲の上限については、気体を供給するのは光学レンズの冷却が主な目的であるので、光学レンズの適性環境温度範囲内であればよい。例えば、過冷却された光学レンズを適性環境温度範囲内に早く回復させる温度であり、また、光学レンズの適性環境温度範囲の上限値の温度を、光学レンズが超えないような温度であればよい。このような観点から、制御する温度範囲の上限は、光学レンズの適性環境温度範囲の上限値と同一でも構わない。一例として数値で示せば、気体温度制御部57aは、光学レンズ51a等の適正環境温度範囲の下限値である22℃よりも15℃低い温度である7℃と、適正環境温度範囲の上限値の24℃との間のいずれかの温度に、供給する気体の温度を保持する制御を行う。なお、気体供給配管55から導入する気体は、投影光学レンズ鏡筒5内に満たす気体と同一とする。例えば、露光光源1がF2レーザーであるならば、窒素、或いは、ヘリウムなどの不活性気体を用いる。あるいは、露光光源がi線またはKrFエキシマレーザー、あるいは、ArFエキシマレーザーならば、乾燥した空気である。上記では、第1測定部を例にとり説明したが、第2測定部、第3測定部等の投影光学レンズ鏡筒5の内部を領域に分割した各部分についても同様である。
S106において「初期測定値S(初)」と「再測定値S(再)」とが上記(式1)を満たさない場合、つまり、
S(再)−S(初)<S(1)(式2)
が成り立つ場合は、引き続いて2回目の露光を行い、上記の過程は終了する。
S(再)−S(初)<S(1)(式2)
が成り立つ場合は、引き続いて2回目の露光を行い、上記の過程は終了する。
次に、初期の測定を行わない場合について説明する。図4のフローでは、23℃における「初期測定値S(初)」を求めたが、このS(初)に相当するデータをS(23℃)として、予め測定しておき、記憶部59に記憶させておいても構わない。図5は、予め測定した初期測定値相当のS(23℃)を用い、S(初)を測定しない場合のフローである。
S201で露光光を照射し、レチクルのパターンをウエハ7に転写する。
S202において、露光光照射後、測定用光Aを照射して光センサー54により感知し、測定部58は感知結果を数値データS(測)に変換して記憶部59に記憶させる。記憶部59は、前記S(測)を記憶するとともに、閾値S(1)及び23℃における初期測定値に相当するデータS(23℃)を予め記憶している。
S203において、気体供給コントロール部60は、記憶部59が記憶しているS(測)、S(1)、S(23℃)を読み込み次の(式3)を満たすか判定する。
S(測)−S(23℃)≧S(1) (式3)
満たす場合はS204へ進む。満たさない場合は、S205へ進む。
満たす場合はS204へ進む。満たさない場合は、S205へ進む。
S204において、上記のS105と同様に所定の温度に制御された気体を供給する。
S205において、2回目の露光を行い以上の過程を終了する。
以上の図4、図5のフローで示した例においては、測定用光光源52aから照射した測定用光Aは光学レンズ51a、51b、51cを透過する場合、つまり、屈折を利用して測定した例を示したが、光学レンズ51a等の表面での反射を利用してもよい。図6は、測定用光Aの反射を利用して測定する場合を示す図である。図6では、投影光学レンズ鏡筒5に光学レンズ51gが配置されている。そして、測定用光光源52dは測定用光Aを光学レンズ51gに向けて照射する。照射された測定用光Aは、光学レンズ51gの表面で反射される。光センサー54dは、光学レンズ51gの表面で反射された測定用光Aの入射位置、或いは、強度を感知する。この感知結果に基づき気体供給コントロール部60は、気体供給部56dから気体を供給する。また、気体温度制御部57dは、気体の温度を制御している。一連の動作は透過により測定する前記のS101〜S106、あるいは、S201〜S205の場合と同様である。
本実施の形態においては、投影光学レンズ50を第1測定部、第2測定部及び第3測定部の3箇所に分割して、分割箇所毎に光学レンズ51a〜51fの上昇温度を測定用光Aを用いて間接的に測定し、光学レンズ51a〜51fの冷却を実施した。このように分割箇所毎に冷却することにより、投影光学レンズ50を構成する光学レンズ51a,51b等の温度を、分割箇所毎に適正環境温度範囲内の一定の温度、例えば23℃に制御する。すなわち、測定用光Aで測定したならば、分割箇所毎に測定結果が常に一定となるように、気体を供給することにより光学レンズ51a〜51c、光学レンズ51d、及び光学レンズ51e,51fの温度を制御管理する。本実施の形態においては、投影光学レンズ50を3箇所に分割したが、これは一例であり、投影光学レンズ50の分割数を限定するものではない。また、本実施の形態においては、分割箇所における測定用光光源及び光センサーは一対としたが、測定用光光源及び光センサーの数は限定しない。また、本実施の形態においては、分割箇所内の光学レンズ51の枚数を最大で3枚(第1測定部)、最小で1枚(第2測定部)としたが、分割箇所内の光学レンズの数は限定しない。
なお、本実施の形態の測定システムを投影光学レンズ50の収差変化測定に用いてもよい。
なお、上記の実施の形態からは、方法の発明を実施することができる。すなわち、所定のパターンが形成されたレチクル(マスク)に露光光源1からの露光光を照射し、光学レンズ51a,51b等を有する投影光学レンズ50(投影光学系)を介して前記パターンをウエハ7(基板)上に転写する露光方法において、前記露光光源1とは異なる光源である測定用光光源52aから、光学レンズ51aに光を照射する第1の工程と、前記第1の工程により光学レンズ51aに照射した光のうち、光学レンズ51a〜51cを透過した光と、光学レンズ51aを反射した光との少なくともいずれかを入射して感知する第2の工程とを備えた露光方法としての実施が可能である。
また、所定の温度に制御された気体を供給する第3の工程を備えた露光方法としての実施が可能である。すなわち、光学レンズ51a、51b等が、投影光学レンズ鏡筒5(レンズ配置部材)の内部に配置されている場合において、前記露光方法は、さらに、前記第2の工程により感知した感知結果に基づいて、前記光学レンズ51a、51b等が配置された投影光学レンズ鏡筒5の内部に所定の温度に制御された気体を供給する第3の工程を備えた露光方法としての実施が可能である。
本実施の形態によれば、露光光源と異なる測定用光光源と、光センサーとを備えたので、光学レンズの温度を間接的に容易、かつ高精度に測定することができる。
本実施の形態によれば、所定の温度の気体を供給する気体供給部を備えたので、光センサーによる感知結果に基づき、光学レンズを冷却することができる。
本実施の形態によれば、気体温度制御部を備えたので、供給する気体の温度を制御して、投影光学系の結像性能の変化を防止することができる。また光学レンズの適正環境温度範囲に対応した制御をすることができる。また、光学レンズを冷却する一方で、光学レンズが過冷却された場合は、光学レンズの適正環境温度範囲に回復させることができる。
本実施の形態によれば、測定用光光源は露光光と同一波長の光を照射するので、精度の高い測定を行うことができる。
本実施の形態によれば、光センサーは、光の入射位置と強度との少なくともいずれかを感知するので精度の高い測定が可能である。
気体供給部が供給する気体は、空気と不活性気体とのいずれかであるので、容易に入手することができる。また、気体の取扱いも容易である。
以上のように、本実施の形態に係る露光装置は、露光光をレチクルに照射し、レチクルに形成されたパターンを投影光学レンズを介してウエハ上に転写する露光装置において、投影光学レンズを構成する光学レンズに光を照射し、前記光学レンズを透過、或いは、反射した、前記光の入射位置、或いは、強度を光センサーによって測定することを特徴とする。
以上のように、本実施の形態に係る露光装置は、露光光をレチクルに照射し、レチクルに形成されたパターンを投影光学レンズを介してウエハ上に転写する露光装置において、前記投影光学レンズをいくつかの箇所に分割し、分割した箇所毎に乾燥した空気、或いは、窒素、ヘリウムなどの不活性気体を導入することによって温度を制御管理することを特徴とする。
以上のように、本実施の形態に係る露光装置は、光学レンズの適正環境温度範囲の下限よりも15.0℃低い温度と、適正環境温度範囲の上限の温度との間のいずれかの温度に、乾燥した空気、或いは、窒素、ヘリウムなどの不活性気体の温度を制御管理することを特徴とする。
以上のように、本実施の形態に係る露光装置は、投影光学レンズを構成する光学レンズに光を照射し、光学レンズを透過、或いは、反射した、光の入射位置、或いは、強度を光センサーによって測定し、その測定結果が常に一定となるように、温度を制御管理することを特徴とする。
以上のように、本実施の形態に係る露光方法は、前記投影光学レンズを構成する光学レンズに光を照射し、前記光学レンズを透過、或いは、反射した、前記光の入射位置、或いは、強度を光センサーによって測定し、前記投影光学レンズをいくつかの箇所に区分けして分割し、分割した箇所毎にその測定結果が常に一定となるように、温度を制御、管理することを特徴とする。
1 露光光源、2 露光光伝達筒、3 照明光学系、4 レチクルステージ、5 投影光学レンズ鏡筒、6 ウエハステージ、7 ウエハ、50 投影光学レンズ、51a,51b,51c,51d,51e,51f,51g 光学レンズ、52a,52b,52c,52d 測定用光光源、53a,53b,53c 反射ミラー、54a,54b,54c,54d 光センサー、55 気体供給配管、56a,56b,56c,56d 気体供給部、57a,57b,57c,57d 気体温度制御部、58 測定部、59 記憶部、60 気体供給コントロール部、100 露光装置、A 測定用光。
Claims (8)
- 所定のパターンが形成されたマスクに露光光源からの露光光を照射し、光学レンズを有する投影光学系を介して前記パターンを基板上に転写する露光装置において、
前記光学レンズに光を照射する、前記露光光源とは異なる照射光源と、
前記照射光源が前記光学レンズに照射した光のうち、前記光学レンズを透過した光と、前記光学レンズを反射した光との少なくともいずれかを入射して感知するセンサーと
を備えたことを特徴とする露光装置。 - 前記投影光学系の有する光学レンズは、
筒状のレンズ配置部材の内部に配置され、
前記露光装置は、さらに、
前記センサーが感知した感知結果に基づいて、前記光学レンズが配置された前記レンズ配置部材の内部に所定の温度に制御された気体を供給する気体供給部を備えたことを特徴とする請求項1記載の露光装置。 - 前記気体供給部は、
供給する気体の温度を制御する気体温度制御部を備えたことを特徴とする請求項2記載の露光装置。 - 前記気体温度制御部は、
前記光学レンズの適正環境温度範囲の下限値よりも低い温度と前記光学レンズの適正環境温度範囲の上限値の温度との間のいずれかの温度に、供給する気体の温度を保持する制御を行うことを特徴とする請求項3記載の露光装置。 - 前記照射光源は、
前記露光光と同一の波長の光を照射することを特徴とする請求項1または2または3または4記載の露光装置。 - 前記センサーは、
入射した光の入射位置と強度との少なくともいずれかを感知することを特徴とする請求項1または2または3または4記載の露光装置。 - 前記気体供給部は、
空気と不活性気体とのいずれかを供給することを特徴とする請求項2または3または4記載の露光装置。 - 所定のパターンが形成されたマスクに露光光源からの露光光を照射し、光学レンズを有する投影光学系を介して前記パターンを基板上に転写する露光方法において、
前記露光光源とは異なる光源から、前記光学レンズに光を照射する第1の工程と、
前記第1の工程により前記光学レンズに照射した光のうち、前記光学レンズを透過した光と前記光学レンズを反射した光との少なくともいずれかを入射して感知する第2の工程と
を備えたことを特徴とする露光方法。
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JP2003344444A JP2005109405A (ja) | 2003-10-02 | 2003-10-02 | 露光装置及び露光方法 |
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JP2014157892A (ja) * | 2013-02-15 | 2014-08-28 | Canon Inc | 露光装置、それを用いたデバイスの製造方法 |
CN112130421A (zh) * | 2019-06-25 | 2020-12-25 | 佳能株式会社 | 曝光装置、曝光方法和制造物品的方法 |
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2003
- 2003-10-02 JP JP2003344444A patent/JP2005109405A/ja active Pending
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