JP2005107854A - ラップ盤のシミュレーションのためのシステム及びプログラム - Google Patents

ラップ盤のシミュレーションのためのシステム及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 ラップ盤の動きを容易に把握可能にする。
【解決手段】 コンピュータのシミュレーションプログラムが、入力設定されたラップ盤のシミュレーション条件(運転条件、構造条件など)101、102に基づいて、ラップ盤の動作中の各時点におけるワークピース及び各種ギアの座標、ワークピースの加工量、定盤の磨耗量を計算し、計算結果をラップ盤の平面画像105、ワークピースの加工量分布画像107、定盤の磨耗量分布画像106を用いてとしてグラフィカルに表示する。運転条件の設定は、ユーザが手動で行っても、実際のラップ盤から入力してもよい。オペレータ基準、上定盤基準、下定盤基準などの観察基準に応じた平面画像105が表示できる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ラップ盤の動きをコンピュータを用いてシミュレートする技術、及びそのシミュレーションの結果を利用するための技術に関する。
ラップ盤の一つのタイプとして、プラネット(遊星)ギア式のワークキャリアを用いた平面ラップ盤が知られている。その具体的構成例は特許文献1〜4などに記載されている。この種の平面ラップ盤は、半導体ウェハなどの平板ワークピースの両面又は片面ポリッシングに広く用いられており、非常に高い仕上がり平坦度が求められる。
特開2002−184725号公報 特開2000−218525号公報 特開2000−141212号公報 国際公開WO00/10771号パンフレット
上述したタイプの平面ラップ盤において、ワークピースの上面及び下面の加工量及び平坦度は、ワークピースの動き、より具体的には、ワークピースと上定盤との間の相対運動、及びワークピースと下定盤との間の相対運動に依存する。しかし、ワークピースの動きは複雑であり、その軌道は上定盤、下定盤、インターナル(内歯)ギア及びサン(太陽)ギアの回転数に応じて変化する。そして、例えば特許文献4の図1から容易に理解されるように、加工中はワークキャリアが上定盤と下定盤により完全に覆われるため、ワークピースの動きは外部のオペレータから全く見えない。仮にそれがオペレータから見えたとしても、ワークピースと上定盤との間の相対運動、及びワークピースと下定盤との間の相対運動がどのようであるかはオペレータには全く把握しがたい。そのため、所望の加工結果を得るために、平面ラップ盤の運転条件(例えば、上記各部の回転数や加工時間など)をどのように決定すべきかを判断することは容易でない。なお、同様の問題は、このタイプのラップ盤だけでなく、他のタイプのラップ盤においても大なり小なり存在する可能性がある。
従って、本発明の目的は、コンピュータシミュレーションによりラップ盤の動き、例えばワークピースと上下定盤との相対運動、を人が容易に把握可能にすることにある。
本発明の別の目的は、コンピュータシミュレーションによりラッッピン加工によるワークピースの加工量や平坦度を人が容易に把握可能にすることにある。
本発明のまた別の目的は、コンピュータ上の仮想的なラップ盤だけでなく、実際のラップ盤の動きを、人が容易に把握可能にすることにある。
本発明の一つの形態に従うシミュレーションシステムは、ラップ盤(1)の運転条件を含むシミュレーション条件を入力する条件入力手段(101、102、S1)と、前記入力されたシミュレーション条件に基づいて、前記ラップ盤の加工プロセス中の各時点における定盤(3、5)、所定ギア(7、9,11)及びワークピース(13)の座標を計算する座標計算手段(S5)と、前記計算された定盤、所定ギア及びワークピースの座標に基づいて、前記ラップ盤の運動を表す平面画像(105)を表示する平面画像表示手段(S6)とを備える。このシミュレーションシステムによれば、ラップ盤の動き(例えばワークピースの動き)が容易に把握可能になる。
好適な実施形態では、前記条件入力手段は、所定の複数の観察基準の中から一つの観察基準を選択する手段を含み、前記座標計算手段は、前記選択された観察基準による定盤、所定ギア及びワークピースの座標を計算し、それにより、前記平面画像は、前記選択された観察基準による前記ラップ盤の運動を表すようになっている。この構成によれば、ワークピースと複数の観察基準(例えば、オペレータ(地盤)、上定盤、下定盤など)との間の相対運動が容易に把握できるようになる。
好適な実施形態は、前記計算された定盤、所定ギア及びワークピースの座標に基づいて、前記ワークピースの各部の前記定盤に対する走行量を計算し、前記計算した走行量に基づいて、前記ワークピースの各部の加工量を計算する加工量計算手段(S8)と、前記計算された前記ワークピースの各部の加工量に基づいて、前記ワークピースの加工量の分布を表す加工量画像(107U、107L)を表示する加工量画像表示手段(S9)とを更に備える。これにより、加工プロセスの進行に伴うワークピースの加工量の分布や変化が容易に把握できるようになる。
好適な実施形態は、前記計算された定盤、所定ギア及びワークピースの座標に基づいて、前記定盤の各部に対する前記ワークピースの走行量を計算し、前記計算した走行量に基づいて、前記定盤の各部の磨耗量を計算する磨耗量計算手段(S11)と、前記計算された前記定盤各部の磨耗量に基づいて、前記定盤の加工量の分布を表す磨耗量画像(106U、106L)を表示する磨耗量画像表示手段(S12)とを更に備える。これにより、加工プロセスの進行に伴う定盤の磨耗量の分布や変化が容易に把握できるようになる。
好適な実施形態は、前記ラップ盤に修正キャリア(15)がセットされた場合における、前記ラップ盤のメンテナンスプロセス中の各時点における前記修正キャリアを含む所定ギア(7、9、15)及び前記定盤の座標を計算する第2の座標計算手段(S5)と、前記計算された所定ギア及び定盤の座標に基づいて、前記定盤の各部に対する前記修正キャリアの走行量を計算し、前記計算した走行量に基づいて、前記定盤の各部の研磨量を計算する研磨量計算手段(S11)と、前記計算された前記定盤各部の研磨量に基づいて、前記定盤の研磨量の分布を表す研磨量画像(106U、106L)を表示する研磨量画像表示手段(S12)とを更に備える。これにより、修正キャリアで定盤を修正するというメンテナンスプロセスにおける定盤の磨耗量の分布や変化が容易に把握できるようになる。
好適な実施形態では、前記条件入力手段が、実際のラップ盤の動作中に前記実際のラップ盤から所定のギアの回転数又は回転角に関するデータを入力する手段を有し、それにより、前記実際のラップ盤の動作をリアルタイムで再現できるようになっている。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1と図2は、本発明の一実施形態に係るシミュレーションシステムがシミュレートすることができるラップ盤の一例の概略構成を示す。図1は、このラップ盤の要部の回転軸に沿った概略断面図であり、図2は、このラップ盤の要部の上定盤を除いた部分の概略平面図である。
図1及び図2に示されたラップ盤1は、プラネットギア方式のワークキャリア11を備えた平面ラップ盤であり、平板状のワークピース(例えば半導体ウェハ)13の両面研磨に使用することができる。このラップ盤1は、ドーナツ形で平坦なラップ面をそれぞれもつ上定盤(以下、上盤という)3と下定盤(以下、下盤という)5を備える。下盤5の内側にサンギア7があり、また、下盤5の外側に円環形のインターナルギア9がある。そして、サンギア7とインターナルギア9との間に、複数個のプラネットギアすなわちワークキャリア11が嵌めこまれている。各ワークキャリア11には複数個のウェハ13がセットされ得る。上盤3と下盤5とサンギア7とインターナルギア9とは、共通の回転軸15をもって回転し、それぞれの回転数は独立に制御され得る。インターナルギア7とサンギア9が回転すると、複数個のワークキャリア11がサンギア9の周りを公転しながら、それぞれ自転軸17をもって自転することになる。図1に示すように、キャリア11内のウェハ13が上盤3のラップ面(下表面)と下盤5のラップ面(上表面)の間に研磨剤(図示せず)を介して挟まれた状態で、上盤3と下盤5とインターナルギア7とサンギア9が回転することにより、ウェハ13の両面が研磨される。
以下、上記のようなラップ盤の動きをシミュレートするための本発明に従うシミュレーションシステムの一実施形態を説明する。このシステムは、典型的には、プログラムされたコンピュータにより実現することができるが、必ずしもそうでなければならないわけではなく、他の態様、例えば専用ハードウェア回路などを用いて実現することもできる。
図3及び図4は、本発明の一実施形態に係るシミュレーションシステムのメインのGUI(グラフィカルユーザインタフェース)ウィンドウの表示例を示す。図3も図4も共に同じメインウィンドウを示すが、このウィンドウ内に表示されている画像が一部異なる。
図3及び図4に示すように、このメインウィンドウの領域101には、多数の設定フィールドがあり、そこでは、シミュレーションを開始する前に、例えばスライダーバーなどを用いたユーザの操作によって、各種のシミュレーション条件が入力され設定される。この領域101の設定フィールドで設定できるシミュレーション条件は、主にラップ盤の加工条件に関わるものであり、それには、ラップ盤の運転制御パラメータに関する運転条件と、ラップ盤の構造パラメータに関する構造条件とが含まれている。加工条件には、図示のように、運転条件として例えば、下盤回転数(rpm)、上盤回転数(rpm)、サンギヤ回転数(rpm)、インターナルギヤ回転数(rpm)及びウェハ回転数(rpm)などがあり、また、構造条件として、サンギヤ歯数、インターナルギヤ歯数、キャリア(プラネットギア)歯数、ギヤモジュール(mm)、定盤(上盤、下盤共通)外周直径(mm)、定盤(上盤、下盤共通)内周直径(mm)、ウェハ配置直径(mm)、ノッチ位置、キャリア数、ウェハ数、及び観察時間間隔(sec)などがある。
ここで、下盤回転数(rpm)、上盤回転数(rpm)、サンギヤ回転数(rpm)及びインターナルギヤ回転数(rpm)は、ラップ盤それ自体を基準とした回転数、換言すれば、ラップ盤が設置されている地盤を基準とした回転数を意味する。また、ウェハ回転数(rpm)は、加工中におけるキャリア11内でのウェハ13の回転数であるが、これは、ラップ盤の駆動制御において意図的にコントロールできるものではなく、専らシミュレーションのための仮定値であり、実用上はこの値はゼロに設定されていてよい。また、ウェハ配置直径(mm)は、キャリア11に配置された複数のウェハ13の中心を通る、キャリア11と同心の円の直径である(要するに、キャリア11の中心に対するウェハ13の配置位置)。ノッチ位置は、キャリア11を基準とした各ウェハ13の自転基準位置(例えば、キャリア11の半径に沿ってキャリア11の外周を向く位置)に対する各ウェハ13のノッチの回転位置である。キャリア数は、ラップ盤に配置されるキャリア11の個数である。ウェハ数は、1つのキャリア11に配置されるウェハ13の個数である。観察時間間隔(sec)は、シミュレートされるラッピング加工プロセスにおける各時点の時間間隔である。
このメインウィンドウの領域102には別の複数の設定フィールドがあり、そこでは、シミュレーションを開始する前に、例えばラジオボタンやチェックボックスなどを用いたユーザの操作によって、追加のシミュレーション条件が入力(選択)され設定される。この領域102の設定フィールドで設定されるシミュレーション条件には、加工条件の一つであるウェハ直径と、シミュレーション結果の表示に関する表示条件などがある。
表示条件には、観察基準、ワーク種類、表示オプションがある。ここで、観察基準とは、このGUIウィンドウに、シミュレートされたラップ盤1の運動をグラフィカルに表示する場合、その表示された運動の位置的基準、つまり、その表示された運動がどの位置的基準から見たものであるかを規定するものである。観察基準として、図示のように例えば、OP(オペレータ)基準、下盤基準及び上盤基準の3基準中から任意の一つが選択できる。ここで、OP(オペレータ)基準とは、ラップ盤1のオペレータ(換言すれば、ラップ盤1が設置されている地盤)に対するラップ盤1の相対運動(つまり、地盤が静止しているとしたときのラップ盤1の運動)を表示することを意味する。下盤基準とは、下盤5に対するラップ盤1の相対運動(つまり、下盤5が静止しているとしたときのラップ盤1の運動)を表示することを意味する。上盤基準とは、上盤3に対するラップ盤1の相対運動(つまり、上盤3が静止しているとしたときのラップ盤1の運動)を表示することを意味する。
また、ワーク種類としては、図示のように例えば、ウェハと修正キャリアのいずれかが選択できる。ここで、ウェハが選択された場合には、図1、2に示したように、ラップ盤1にプラネットギアとしてキャリア11がセットされ、そのキャリア11にウェハ13がセットされ、そして、ウェハの研磨が行われるというラップ盤1の加工プロセスがシミュレートされる。一方、修正キャリアが選択された場合には、ラップ盤1にプラネットギアとして、キャリア11ではなく、定盤3、5を研磨してその平面形状を修正するための修正キャリア17(図14参照)がセットされて、定盤3、5の研磨が行われるというラップ盤1のメンテナンスプロセスがシミュレートされる。
また、表示オプションとしては、図示のように例えば、軌跡描画、ソリッドモデル、ウェハ描画、ノッチ描画、ギヤ描画、下盤描画、上盤描画、寸法表示、タイマ、自公転直接入力、速度計算、面内走行量計算、定盤被走行量計算などが選択できる。表示オプションの選択により、このGUIウィンドウにシミュレートされたラップ盤1の運動をグラフィカルに表示する場合において、ウェハの運動軌跡を表示するか否か、ウェハ自体を表示するか否か、ウェハのノッチを表示するか否か、キャリアやサンギヤやインターナルギヤなどのギヤを表示するか否か、下盤を表示するか否か、上盤を表示するか否か、各部の寸法を表示するか否か、タイマがカウントした経過時間を表示するか否か、上盤と下盤に対するウェハの平均の移動速度(平均ラップ長)を計算して表示するか否か、ウェハの上下面における上下盤に対する総走行量(総移動距離)のウェハ直径線(又は半径線)に沿った分布(これは実質的に、ウェハ上下面の加工量の分布に相当するといえる)を表示するか否か、及び、上下盤の表面におけるウェハに対する総走行量の上下盤直径線(又は半径線)に沿った分布(これは実質的に、上下盤の磨耗量の分布に相当する)を表示するか否かなどの各種の表示オプションが設定できる。
このメインウィンドウの領域103にはStart、Pause、About、Save、SaveBitmapなどの指示ボタンがある。ユーザがStartボタンを操作する(例えば、マウスでクリックする)と、このシミュレーションシステムは、上述した設定フィールドに設定されたシミュレーション条件用いて図1に例示したようなラップ盤の動作のシミュレーションの実行を開始する。シミュレーションの実行中、ユーザがPauseボタンを操作すると、システムはシミュレーションを一時停止する。ユーザがSaveボタンを操作すると、その時点におけるラップ盤の状態を示すデータ(加工開始からの経過時間、ウェハの位置、ウェハの運動軌跡、各種ギアの位置、ウェハの上下盤に対する総走行量など)が、設定されているシミュレーション条件と共に、システム内の記憶装置に保存される。ユーザがSaveBitmapボタンを操作すると、その時点におけるGUI画面に表示されているラップ盤の状態を示す画像のデータ、システム内の記憶装置に保存される。
このメインウィンドウの領域104には、シミュレーションされるラップ盤の動作や状態を実時間でグラフィカルに表す画像が表示される。領域104では、複数種類の画像を表示することができ、そのうちの一つの種類の画像は、ラップ盤1の運動を実時間でグラフィカルに表すラップ盤1の平面画像105である。図3と図4を対比して分かるように、平面画像105で表される画像要素及びその運動は、前述した観察基準及び表示オプションの設定に応じて異なる。すなわち、表示オプションとして選択された画像要素(例えば、軌跡、ウェハ、ノッチ、ギヤ、下盤、又は上盤など)のみが平面画像105で描画される。そして、平面画像105により表される上記選択された要素の運動は、設定された一つの観察基準(OP基準、下盤基準又は上盤基準)に対する相対運動である。
また、図4に例示するように、表示オプションの一つとして定盤被走行量計算が選択された場合は、ラップ盤1の平面画像105に加えて、上盤3の表面及び下盤5の表面の磨耗量(これは、例えば、上盤3の表面内及び下盤5の表面内の各位置に対する全てのウェハ13の走行量に基づいて計算することができる)を、上下盤3、5の直径線(又は半径線)に沿った分布グラフの形でグラフィカルに実時間で示す画像106U(上盤3)、106L(下盤5)が表示される。また、図4に例示するように、表示オプションの一つとして面内走行量計算が選択された場合は、このGUIウィンドウ内に領域107が開き、この領域107に、ウェハ13の上面及び下面の加工量(これは、例えばウェハ13の上面内及び下面内の各位置の上下盤3、5に対する走行量に基づいて計算することができる)を、ウェハ13の直径線(又は半径線)に沿った分布グラフの形でグラフィカルに実時間で示す画像108U(上面)、108L(下面)が表示される。
さらに、このメインウィンドウの領域109には、複数の数値表示フィールドがある。これらの数値表示フィールドに表示される数値には、図示のように例えば、下盤回転数、サンギア回転数、上盤回転数、インターナルギア回転数、キャリア公転数、キャリア自転数、ウェハ自転数、経過時間、自公転比、相対自転数、タイマカウント、速度、総移動距離、定盤平均ラップ長などがある。ここで、下盤回転数、サンギア回転数、上盤回転数及びインターナルギア回転数は、前述した運転条件として設定された値である。また、キャリア公転数及びキャリア自転数は、それぞれ、地盤基準(OP基準)でのキャリア11の公転数及び自転数である。なお、ユーザは、表示オプションとして自公転直接入力を選択した上で、キャリア公転数及びキャリア自転数の数値を自分で直接入力することもできる。自公転比は、キャリア公転数とキャリア自転数の比であり。相対自転数は、キャリア自転数からキャリア公転数を引いた値である。経過時間は、シミュレーションされるラップ盤1の加工開始時点から現時点までの経過時間であり、タイマカウントは、経過時間を計測するタイマのカウント周期である。また、速度には、現時点における、ウェハ13の中心の下盤5及び上盤3に対する相対速度と、ウェハ13のノッチの下盤5及び上盤3に対する相対速度の4種類がある。また、総移動距離には、加工開始から現時点までの、ウェハ13の中心の下盤5及び上盤3にそれぞれ対する総移動距離(総走行量)と、ウェハ13のノッチの下盤5及び上盤3にそれぞれ対する総移動距離(総走行量)の4種類がある。また、平均ラップ長には、全てのウェハ13の上盤3に対する総移動距離(総走行量)の総和を経過時間で割った値と、全てのウェハ13の下盤5に対する総移動距離(総走行量)の総和を経過時間で割った値の2種類がある。
以上のように、このメインウィンドウには、シミュレートされたラップ盤1の運動が、画像によりグラフィカルに、及び数値により定量的に表示される。その結果、ユーザは、ラップ盤1の運動を容易かつ的確に把握することができる。
図5及び図6は、このシステムが行うシミュレーションの処理のメインの流れを示す。
図5に示すように、シミュレーションを開始する前に、ユーザが上述したメインウィンドウを用いて任意のシミュレーション条件を本システムに入力し設定し(ステップS1)、その後、Startボタンを操作してシミュレーション開始を本システムに指示する(S2)。
本システムは、シミュレーションを開始すると、まず、設定されたシミュレーション条件に従って、所定の基礎変数を計算する(S3)。ここで、基礎変数とは、シミュレーション計算の基礎となる各種ギヤの回転数や有効直径などに関する変数であり、例えば、キャリア11の公転数と自転数、各種ギア9、7、11の有効直径、及びキャリア11の歯数などがある。これら基礎変数は、例えば次の方法により計算することができる。(以下の説明において変数名の後の[]書きは、その変数の基準を示している。例えば「変数名[地盤]」は、その変数が地盤を基準とした変数であることを意味し、「変数名[キャリア公転]」は、その変数がキャリア公転位置を基準とした変数であることを意味し、「変数名[観察基準]」は、その変数が選択されている観察基準を基準とした変数であることを意味する。)
1. キャリア11の公転数と自転数の計算
「サンとインターナルギヤ回転数差」=「サンギア回転数[地盤]」−「インターナルギア回転数[地盤]」
「キャリア公転数[地盤]」=「サンとインターナルギヤ回転数差」×「サンギヤ歯数」/(「サンギヤ歯数」+「インターナルギヤ歯数」)+「インターナル回転数[地盤基準]」
「キャリア自転数[キャリア公転]」=−「サンとインターナルギヤ回転数差」×「インターナルギヤ歯数」/「キャリア歯数」×「サンギヤ歯数」/(「サンギヤ歯数」+「インターナルギヤ歯数」)
「キャリア自転数[地盤]」=「キャリア公転数[地盤]」+「キャリア自転数[キャリア公転]」
2. キャリアの公転数と自転数の計算(「公転数」と「自転数」を直接入力した場合)
「キャリア公転数[地盤]」=「キャリア公転数の入力値」
「キャリア自転数[地盤]」=「キャリア自転数の入力値」
「キャリア自転数[キャリア公転]」=「キャリア自転数[地盤]」−「キャリア公転数[地盤]」
「サンとインターナルギヤ回転数差」=−「キャリア自転数[キャリア公転]」/「インターナルギヤ歯数」×「キャリア歯数」/「サンギヤ歯数」×(「サンギヤ歯数」+「インターナルギヤ歯数」)
「インターナルギヤ回転数[地盤]」=「キャリア公転数[地盤]」−「サンとインターナルギヤ回転数差」×「サンギヤ歯数」/(「サンギヤ歯数」+「インターナルギヤ歯数」)
「サンギヤ回転数[地盤]」=「サンとインターナルギヤの回転数差」+「インターナルギヤ回転数[地盤]」
3. 各種ギヤの有効直径及びキャリア歯数の計算
「サンギヤ有効直径」=「サンギヤ歯数」×「ギヤモジュール」
「インターナルギヤ有効直径」=「インターナルギヤ歯数」×「ギヤモジュール」
「キャリア有効直径」=「キャリア歯数」×「ギヤモジュール」
「キャリア歯数」=(「インターナルギヤ歯数」−「サンギヤ歯数」)/2
以上の基礎変数を計算した後、本システムは、基礎変数に基づいて観察基準別の各種ギアの回転数を計算する(S4)。図7は、この計算処理の流れを示す。
図7に示すように、OP(地盤)基準の各種ギヤやウェハ(以下、ギア等という)の回転数が上述した基礎変数やメインウィンドへの入力値に基づいて計算される(S21)。そして、選択されている観察基準がどれであるかがチェックされ(S22)、選択されている観察基準のギア等回転数が、地盤基準のギア等回転数や基礎変数や入力値に基づいて計算される(S23又はS24)。各観察基準のギア等回転数の計算方法は例えば次のとおりである。
1. OP基準によるギヤ回転数の計算(「入力値」をそのまま使う)
「各ギヤ回転数[OP]」=「各ギヤ回転数の入力値」
2. 下盤基準によるギヤ回転数の計算(「ギヤ回転数[地盤]」−「下盤回転数[地盤]」)
「キャリア公転数[下盤]」=「キャリア公転数[地盤]」−「下盤回転数[地盤]」
「サンギヤ回転数[下盤]」=「サンギヤ回転数[地盤]」−「下盤回転数[地盤]」
「インターナルギヤ回転数[下盤]」=「インターナルギヤ回転数[地盤]」−「下盤回転数[地盤]」
「下盤回転数[下盤]」=0
「上盤回転数[下盤]」=「上盤回転数[地盤]」−「下盤回転数[地盤]」
3. 上盤基準によるギヤ回転数の計算(「ギヤ回転数[地盤]」−「上盤回転数[地盤]」)
「キャリア公転数[上盤]」=「キャリア公転数[地盤]」−「上盤回転数[地盤]」
「サンギヤ回転数[上盤]」=「サンギヤ回転数[地盤]」−「上盤回転数[地盤]」
「インターナルギヤ回転数[上盤]」=「インターナルギヤ回転数[地盤]」−「上盤回転数[地盤]」
「下盤回転数[上盤]」=「下盤回転数[地盤]」−「上盤回転数[地盤]」
「上盤回転数[上盤]」=0
4. キャリア、ウェハ自転数の計算
「キャリア自転数[観察基準]」=「キャリア自転数[キャリア公転]」+「キャリア公転数[観察基準]」
「ウェハ自転数[観察基準]」=「入力されたウェハ自転数」+「キャリア自転数[キャリア公転基準]」+「キャリア公転数[地盤]」
再び図5を参照する。上記のように観察基準によるギヤ等回転数を計算した(S4)後、本システムは、時点t(経過時間t秒)におけるキャリア11とウェハ13(中心とノッチ)の観察基準による座標を計算する(S5)。この計算は、例えば次の方法で行うことができる。なお、図8には、この計算方法が説明されている。
1. キャリア座標の計算
「キャリア角度(定盤中心を原点とした極座標系での角度)」=「キャリア公転数[観察基準]」×π×2×t/60
「キャリア中心X座標:xC」=「定盤中心とキャリア中心間の距離」×cos(「キャリア角度」)
「キャリア中心Y座標:yC」=「定盤中心とキャリア中心間の距離」×sin(「キャリア角度」)
2. ウェハ座標の計算
「ウェハ角度(キャリア中心を原点とした極座標系での角度)」=「キャリア自転数[観察基準]」×π×2×t/60
「ウェハ中心X座標:xW」=「キャリア中心X座標:xC」+「ウェハ中心とキャリア中心間の距離」×cos(「ウェハ角度」)
「ウェハY中心座標:yW」=「キャリア中心Y座標:yC」+「ウェハ中心とキャリア中心間の距離」×sin(「ウェハ角度」)
「ノッチ角度」=「ウェハ自転数[観察基準]」×π×2×t/60
「ノッチX座標:xN」=「ウェハ中心X座標:xW」+「ウェハ半径」×cos(「ノッチ角度」+「ノッチ位置」×π/180)
「ノッチY座標:yN」=「ウェハ中心Y座標:yW」+「ウェハ半径」×sin(「ノッチ角度」+「ノッチ位置」×π/180)
ここで、上記「ノッチ位置」とは、ノッチが配置されるウェハの角度位置であり、任意に指定することができるが、典型的には0である。
再び図5を参照する。以上のようにしてキャリア11とウェハ13(中心とノッチ)の観察基準による座標を計算した(S5)後、本システムは、これらの座標に基づいて、時点tでのラップ盤1の状態を表した平面画像105を描画し、その平面画像105を、図3、4に例示したように、メインウィンドウ上に表示する(S6)。
その後、本システムの処理流れは図6に示す流れに移る。図6に示すように、本システムは、面内走行量計算を行うか否か、つまり例えば、図3、4に例示したメイン画面にて表示オプションとして面内走行量計算が選択されているか否かを判断する(S7)。面内走行量計算を行なうと判断した場合、本システムは、ウェハ面内の各位置の定盤3、5に対する走行量(つまり、ウェハ13の上面と下面の加工量)の計算を行う(S8)。図9は、この面内走行量の計算の流れを示している。
図9に示すように、本システムは、ウェハ13の表面の領域を多数の小領域に分割し、各小領域の代表点の下盤基準による座標を計算する(S31)。図10は、ウェハ表面領域を多数の小領域に分割する方法例を示している。
図10に示すように、本システムは、例えば、ウェハ13の中心を原点とした極座標系に従ってウェハ13の表面領域を分割して、それら分割された小領域に周方向の座標番号m=0、1、2、…、M(Mは例えば35)と半径方向の座標番号k=0、2、3、…、Kを割り当てることにより、ウェハ13の面内に座標(m、k)で表される多数の小領域の代表点を得る。そして、本システムは、これらの代表点(m、k)の時点tにおける下盤基準の座標値を、例えば次の方法で計算する。なお、以下の説明では、一例として、mは0〜35であり(つまり、ウェハ全周の360度を10度刻みで36分割する)、kは0〜49である(つまり、ウェハ半径を50分割する)として、計算するものとする。
1. 下盤基準のキャリア回転数の計算
「キャリア公転数[下盤]」=「キャリア公転数[地盤]」−「下盤回転数[地盤]」
「キャリア自転数[下盤]」=「キャリア自転数[キャリア公転]」+「キャリア公転数[下盤]」
「ウェハ自転数[下盤]」=「ウェハ自転数[キャリア基準]+「キャリア自転数[下盤]」
2. 下盤基準のキャリア座標等の計算
「キャリア中心X座標:xC[下盤]」=(「サンギヤ有効直径」+「キャリア有効直径」)/2×cos(「キャリア公転数[下盤]」×π×2×t/60)
「キャリア中心Y座標:yC[下盤]」=(「サンギヤ有効直径」+「キャリア有効直径」)/2×sin(「キャリア公転数[下盤]」×π×2×t/60)
「ウェハ角度[下盤]」=「キャリア自転数[下盤]」×π×2×t/60
「ノッチ角度(ウェハ回転によるノッチ位置の変化の角度)[下盤]」=「ウェハ自転数[下盤]」×π×2×t/60
3. 下盤基準のウェハ中心、ノッチの座標の計算
「ウェハ中心X座標:xW[下盤]」=「キャリア中心x座標:xC[下盤]」+「ウェハ中心とキャリア中心間距離」×cos(「ウェハ角度[下盤]」)
「ウェハ中心Y座標:yW[下盤]」=「キャリア中心y座標:yC[下盤]」+「ウェハ中心とキャリア中心間距離」×sin(「ウェハ角度[下盤]」)
「ノッチX座標:xN[下盤]」=「キャリア中心X座標:xC[下盤]」+「ウェハ中心とキャリア中心間距離」×cos(「ウェハ角度[下盤]」)+「ウェハ半径」×cos(「ノッチ角度[下盤]」+「ノッチ位置」×π/180)
「ノッチY座標:yN[下盤]」=「キャリア中心Y座標:yC[下盤]」+「ウェハ中心とキャリア中心間距離」×sin(「ウェハ角度[下盤]」)+「ウェハ半径」×sin(「ノッチ角度[下盤]」+「ノッチ位置」×π/180)
4. 下盤基準のウェハ面内代表点の座標の計算
「代表点(k、m)X座標:x(k、m)[下盤]」=「キャリア中心X座標:xC[下盤]」+「ウェハ中心とキャリア中心間距離」×cos(「ウェハ角度[下盤]」)+(「ウェハ半径−(k+0.5)×「ウェハ半径」/50)×cos(「ノッチ角度[下盤]」+(「ノッチ位置」+10×m)×π/180)
「代表点(k、m)Y座標:y(k、m)[下盤]」=「キャリア中心Y座標:yC[下盤]」+「ウェハ中心とキャリア中心間距離」×sin(「ウェハ角度[下盤]」)+(「ウェハ半径」−(k+0.5)×「ウェハ半径」/50)×sin(「ノッチ角度[下盤]」+(「ノッチ位置」+10×m)×π/180)
再び図9を参照する。以上のようにしてウェハ面内の代表点の下盤基準による座標を計算した(S31)後、本システムは、各代表点(ウェハ中心も含む)の下盤5に対する現在時点tでの総走行量(総移動距離)と走行速度を、各代表点(ウェハ中心も含む)の座標に基づいて計算する(S32)。この計算は、例えば次の方法で行うことができる。なお、下記の説明において、演算記号√()は、括弧()内の数値の平方根を求めることを意味し、()^2は、括弧()内の数値を自乗することを意味する。
1. 現在時点tでの時間増分Δt(予め設定した値であり、典型的には、メインウィンドウ内のタイマのフィールドに設定された秒数)における代表点(ウェハ中心も含む)の走行量増分及び走行速度の計算
「時点tでのウェハ中心(xW、yW)の走行量増分:Δd(t)[下盤]」
=√((「時点tでのウェハ中心X座標:xW(t)[下盤]」−「Δt前のウェハ中心X座標:xW(t−Δt)[下盤]」)^2+(「時点tでのウェハ中心Y座標:yW(t)[下盤]」−「Δt前のウェハ中心Y座標:yW(t−Δt)[下盤]」)^2)
「時点tでの代表点(k、m)の走行量増分:Δd(k、m)(t)[下盤]」
=√((「時点tでの代表点X座標:x(k、m)(t)[下盤]」−「Δt前の代表点X座標:x(k、m)(t−Δt)[下盤]」)^2+(「時点tでの代表点Y座標:y(k、m)(t)[下盤]」−「Δt前の代表点Y座標:y(k、m)(t−Δt)[下盤]」)^2)
ただし、代表点がオーバーハング(定盤外で出ること)したときには、そのときの当該代表点の走行量増分はゼロとする。
2. 現在時点tにおける代表点の下盤5に対する総走行量と、ウェハ中心の走行速度の計算
「時点tでの代表点(k、m)の総走行量:d(k、m)(t)[下盤]」
=「時点t−Δtでの代表点(k、m)の総走行量:d(k、m)(t−Δt)[下盤]」+「時点tでの代表点(k、m)の走行量増分:Δd(k、m)(t)[下盤]」
「時点tでのウェハ中心(xW、yW)の走行速度:Δv(t)[下盤]」
=「時点tでのウェハ中心(xW、yW)の走行量増分:Δd(k、m)(t)[下盤]」/Δt
以上のようにしてウェハ面内の全ての代表点(k、m)の時点tでの総走行量とウェハ中心の走行速度を求めた(S32)後、本システムは、ウェハ13の半径方向の座標(k)別の一代表点の総走行量の平均値を計算する(S33)。この計算は、各ウェハ13について、半径方向の座標(k)毎に、その座標(k)をもつ代表点(この説明の例では36点ある)の総走行距離を合算して、それら代表点の個数(36)で除算する方法、つまり、下記の方法で行うことができる。
「時点tでの半径方向座標(k)における平均総走行量」=Σ[m](「時点tでの代表点(k、m)の総走行量:d(k、m)(t)[下盤]」)/36
ここで、演算記号Σ[m]()は、座標値mのとり得る全値にそれぞれ対応する括弧()内の変数値を全部加算することを意味する。
このようにして下盤基準によるウェハ13の半径位置別の平均的総走行量とウェハ中心点の走行速度を求めた(S33)の後、本システムは、下盤基準について行ったステップS31〜S33と同様の手順で、上盤基準によるウェハ13の半径位置別の平均的総走行量とウェハ中心点の走行速度を求める(S33〜S36)。上盤基準についての計算では、下盤基準について上に具体的に例示した計算式の[下盤]を[上盤]に読みかえた計算式を用いることができる。
再び図6を参照する。以上のようにして下盤基準及び上盤基準によるウェハ13の半径位置別の平均的総走行量が求まる(S8)と、本システムは、それら半径位置別の平均的総走行量をメインウィンドウに表示する(S9)。この表示例が、図4に示した領域107の画像108U(上盤基準)、108L(下盤基準)である。これらの画像108U(上盤基準)、108L(下盤基準)は、実質的に、現在時点tにおけるウェハ13の上面と下面の半径位置別の加工量の平均値をそれぞれ表している。
この後、本システムは、定盤被走行量を計算するか否か、すなわち、メインウィンドウにて表示オプションとして定盤被走行量計算が選択されているか否かを判断する(S10)。定盤被走行量を計算すると判断した場合、本システムは、定盤被走行量の計算を行う(S11)。定盤被走行量とは、上盤3と下盤5のそれぞれの各部に対する全ウェハ13による総走行量のことであり、これは、例えば次の方法で計算することができる。なお、図12には、この計算方法が説明されている。
1. 微小幅区間の設定
定盤をその盤幅(定盤外周と内周間の距離)において微小幅(dr)の区間に分割し、任意の半径位置(r)の微小幅区間のウェハ13との接触長(s)を、例えば次式で求める。
「接触長:c」=2×√((「ウェハ半径:R2」)^2−(「半径位置:r」−「定盤中心とウェハ中心間距離:R1」)^2)
なお、接触長(s)の形状は、図12から明らかなように弧であるが、この計算では弧ではなく直線に近似しているが、通常、定盤3、5のサイズに比べてウェハ13のサイズは遥かに小さいため実用上差し支えない。勿論、接触長(s)を、弧の長さとして正確に算出することも可能である。
2. 微小幅区間に対するウェハ13の走行量増分の計算
半径位置(r)の微小幅区間内の各点に対するウェハ13の走行量増分を算出する。例えば、既に求まっている現在時点tでの時間増分Δtにおけるウェハ13の中心の走行量増分Δdを、その微小幅区間内の各点に対するウェハ13の走行量増分とみなす。厳密には、微小幅区間の半径位置(r)に対応するウェハ13内の代表点の走行量増分を求めるべきであるが、前述したようにウェハ13が定盤3、5に比べてサイズ的に非常に小さいことに鑑み、ウェハ中心の走行量増分を近似的に当該ウェハ面内の全点について用いる。なお、ウェハ全面の走行量を別途計算して、それを用いることもできる。ただし、オーバーハングしている部分の走行量はウェハ全面の走行量に算入しない。
3. 微小幅区間の被走行量(磨耗量)の計算
半径位置(r)の微小幅区間に対するウェハの走行量増分と、その微小幅区間のウェハとの接触長に基づいて、微小幅区間の被走行量(磨耗量)の増分を計算する。ここでは、定盤3、5に対するウェハの走行量が長い程、定盤3、5の摩耗が多くなること、定盤3,5とウェハとの接触長が長い程、定盤3、5の摩耗が多くなること、及び、定盤3、5の外周に行く程、円周が長く面積が大きくなって摩耗量が分散されることの3つの原理に鑑み、例えば次式により、現在時刻tでの定盤3、5の半径位置(r)の微小幅区間の被走行量増分(磨耗量増分)が計算される。
「時刻tでの下盤5の半径位置(r)の微小幅区間の被走行量増分(磨耗量増分)」
=「ウェハ中心の走行量増分[下盤」」×「半径位置(r)における微小幅区間のウェハとの接触長:s」/「半径位置(r)における円周長」
「時刻tでの上盤3の半径位置(r)の微小幅区間の被走行量増分(磨耗量増分)」
=「ウェハ中心の走行量増分[上盤]」×「半径位置(r)の微小幅区間のウェハとの接触長:s」/「半径位置(r)における円周長」
こうして求まった半径位置(r)の微小区間の被走行量増分(磨耗量増分)を加工開始から現在時点tまで累積することで、現在時点tでの当該微小区間の磨耗量を計算する。例えば、次式で計算することができる。
「時刻tでの下盤5の半径位置(r)の微小幅区間の被走行量(磨耗量)」
=「時刻t−Δtでの下盤5の半径位置(r)の微小幅区間の被走行量(磨耗量)」+「時刻tでの下盤5の半径位置(r)の微小幅区間の被走行量増分(磨耗量増分)」
「時刻tでの上盤3の半径位置(r)の微小幅区間の被走行量(磨耗量)」
=「時刻t−Δtでの上盤3の半径位置(r)の微小幅区間の被走行量(磨耗量)」+「時刻tでの上盤3の半径位置(r)の微小幅区間の被走行量増分(磨耗量増分)」
4. 定盤3、5の被走行量(磨耗量)の半径方向の分布の計算
以上の計算を、定盤3、5の最内周から最外周まで各半径位置(r)毎に行ない、その結果にウェハ13の枚数を乗ずることで、現在時時点tにおける定盤3、5の被走行量(磨耗量)の半径に沿った分布が得られる。
再び図6を参照する。以上のように定盤3、5の被走行量(磨耗量)の分布を計算する(S11)と、本システムは、その分布の画像をメインウィンドウに表示する(S12)。メインウィンドウに表示されたこの分布画像の一例が、図4に示した画像106U(上盤)、106L(下盤)である。
その後、本システムは、シミュレーション条件がユーザによって変更されたか否かをチェックする(S13)。シミュレーション条件に変更があった場合、本システムは、変更後のシミュレーション条件に応じて(必要があれば)上述した基礎変数又は観察基準のギヤ回転数などを再計算する(S14)。その後、本システムは、現在時点tを時間増分Δtだけ増加させて更新し(S15)、そして、シミュレーション終了が指示される(S16)まで、更新後の現在時点について前述したステップS5以降の処理を繰り返す。この繰り返し処理によって、メインウィンドウに表示された画像が経過時間に伴って更新されていき、よって、ラップ盤1の動作がリアルタイムでグラフィカルに表示されることになる。
以上説明した処理は、メインウィンドウにおいてワーク種類としてウェハが選択されている場合、すなわち、ラップ盤1によるウェハ13の加工プロセスをシミュレートする場合の処理である。他方、ワーク種類として修正キャリアが選択されている場合には、本システムは、修正キャリアを用いて定盤3、5の表面を平らに研磨するというラップ盤1のメンテナンスプロセスをシミュレートすることになる。図14は、このメンテナンスプロセスのシミュレーションが行われているときのメインウィンドウの表示例を示す。
図13に示すように、メンテナンスプロセスのシミュレーションでは、メインウィンドウ上の平面画像105に、修正キャリア(例えばリング形のプラネットギアである)の運動を表す画像110が表示される。この画像110を描画するための修正キャリアの座標は、前述した加工プロセスのシミュレーションで使用したキャリア座標の計算方法と同じ計算方法で計算することができる。さらに、メンテナンスプロセスのシミュレーションでは、表示オプションとして定盤被走行量が選択されている場合、メインウィンドウ上には、ウェハではなく修正キャリアによる定盤3、5の被走行量(磨耗量)の分布を表した画像106U(上盤)、106L(下盤)が表示されることになる。この修正キャリアによる磨耗量の計算は、例えば次の方法で行うことができる。なお、図14は、この修正キャリアによる磨耗量の計算方法を説明している。
1. 微小幅区間、微小部分の設定
定盤3、5の盤幅を半径方向に微小幅区間dLに分割し、任意の半径Lの微小幅区間dLに重なる修正キャリア17の部分を微小部分dAとする。上記微小幅区間dLの中央線と修正キャリア17の外周との交点(X1、Y1)、及び、上記中央線と修正キャリア17の内周との交点(X2、Y2)を求め、それらの中点(X3、Y3)を求める。この中点(X3、Y3)を、修正キャリア17の微小部分dAの速度ベクトルの計算基準位置とする。なお、上記の交点は、修正キャリア17の中心と定盤3、5の中心間の距離Rcと、修正キャリア17の内外周の半径Rs1、Rs3から円の方程式により求めることができる。
2. 速度ベクトルの計算
ここでは、修正キャリア17の公転を基準とした速度を考える。定盤3、5の回転数による速度ベクトルVkを、定盤回転数及びキャリア公転数と上述した微小幅区間の半径Lから求める。定盤3、5に対する修正キャリア17の相対的な自転(キャリア相対自転)による速度ベクトルVjを、修正キャリア17の相対自転数とキャリア径より求める。上記キャリア相対自転による速度ベクトルVjを、円周方向と中心方向の速度成分VjkとVjjに分解する。これら速度成分は、上記中点(X3、Y3)と定盤中心との位置関係から決まる角度による求めることができる。定盤回転とキャリア公転による速度ベクトルVkと、キャリア相対自転数による円周方向の速度成分Vjkとの差を求め、これを円周方向の合成速度ベクトルVkkとする。こうして得られた速度ベクトルVkk(円周方向)とVjj(中心方向)の合成速度ベクトルVを求める。この合成速度ベクトルVが、上記微小部分dAの走行の方向と速度を表す。
3. 定盤の被走行量(研磨量)の算出
修正キャリア17の微小部分dAの走行速度Vから、微小部分dAによる定盤3、5の半径Lの微小幅区間dLの被走行量を求める。定盤内周から外周まで半径L毎に、この計算を行い、且つ修正キャリア17の図中左側部分だけでなく右側部分についても同様の計算を行って、修正キャリア17の全体による定盤3、5の被走行量を半径L毎に求める。さらに、定盤3、5は外周に行くほど面積が大きくなって磨耗量が分散することを考慮して、半径L毎の被走行量を半径Lで割り、更に、その結果に修正キャリア17の個数を乗ずることにより、定盤3、5の被走行量(研磨量)の半径Lに応じた分布が得られる。こうして求まった分布をプロットすることで、図13に例示したように、メンテナンスプロセスによる定盤3、5の予測形状の画像106U、106Lがメインウィンドウに表示される。
以上、本システムの構成と処理動作について説明した。以下では、本システムの作用と利点について、メインウィンドウの幾つかの具体的な表示例を参照して説明する。
図15は、図4に例示したものと同じシミュレーションにおいて、図4の時から経過時間がしばらく過ぎた時のメインウィンドウの表示例を示す。図15と図4を、とりわけ画像106U、106L、107U、107Lに関して対比すれば分かるように、時間経過に伴う定盤3,5の磨耗量の変化やウェハ13の加工量の変化を、ユーザが容易に把握することができる。また、特に図示してないが、同じ運転条件及び構造条件であっても、観察基準を変更すれば、平面画像105として表示される各部の運動は違ってくる。
図16は、図13に例示したものからシミュレーション条件(例えば運転条件)を若干変更して実行したシミュレーションにおける、図13の時と同じ経過時間の時のメインウィンドウの表示例を示す。図16と図13を、とりわけ画像106U、106Lに関して対比すれば分かるように、運転条件や構造条件等を変えることで加工結果がどのように変化するかを、ユーザが容易に把握することができる。
図17は、表示オプションとして軌跡描画を選択した場合(ウェハ数は1枚、各種ギヤの描画は選択していない)のメインGUIウィンドウの表示例を示す。この場合、図17に示すように、平面画像105にはウェハ13の走行軌跡を表示されるので、ユーザはウェハ13の複雑な運動を容易に把握できる。なお、特に図示してないが、運転条件、構造条件、観察基準などを変更すれば、表示される軌跡は違ってくる。
図18は、キャリア数が複数毎である場合にウェハ軌跡を表示させたときの平面画像105の例を示す。添付の図18は彩色されていないので分かりにくいが、実際のメインGUIウィンドウでは、同一キャリア上の複数のウェハ及びその軌跡が、ウェハ毎に異なる色で表示されるので、それら複数のウェハの運動をユーザは容易に把握することができる。
図19は、本発明の別の実施形態に係るラップ盤のシミュレーションシステムを示す。
図19に示すように、このシミュレーションシステム200は、ラップ盤1に接続されており、ラップ盤1が実際に加工を実行するときに、そのラップ盤1内に設けられた各種のセンサで検出されるラップ盤1のリアルタイムの動作データを入力し、そして、その動作データに基づいてラップ盤1の各部の動作、加工量及び磨耗量などを計算して、その結果をメインGUIウィンドウ上にリアルタイムで表示するようになっている。これにより、実際のラップ盤1の動きをユーザは容易に把握することが可能になる。
ラップ盤1から入力される動作データには、設置できるセンサの種類に応じて様々な種類のデータを採用することができるが、前の実施形態において説明した各種のシミュレーション条件、とりわけ運転条件、例えば各種ギアの回転数、例示することができる。或いは、例えば各種ギアの現在時点の回転角を、ラップ盤1から入力される動作データとして採用することもできる。以下では、このような動作データに基づくシミュレーションの方法について具体的に説明する。
1. ラップ盤1からのギア回転数に基づいてシミュレートする方法
ラップ盤1から、例えば、
・加工経過時間:t
・下盤回転数[地盤]
・上盤回転数[地盤]
・サンギヤ回転数[地盤]
・インターナルギヤ回転数[地盤]
などのデータを取得する。上記各種ギアの回転数は、例えばサーボモータ等から取得することができる。或いは、例えば、インバータモータ駆動方式のギヤや定盤については、回転指令値を回転数として取得することができるし、或いは、ギア駆動機構の適当な回転軸に回転数計を取りつけて回転数を測定して測定値を入力するようにしてもよい。もちろん、減速比を考慮して回転数を決定する。或いは、多くの実機では、装置を制御するシーケンサから減速比を考慮した回転数で指令が出されているので、その指令の回転数を用いても良い。上記データを所定のサンプリング間隔dt秒ごとに取得し、これに基づいて、前の実施形態で説明したような計算方法で、ウェハ13や各種ギヤの座標、ウェハ13の加工量、定盤3、5の磨耗量又は研磨量などを計算する。
2. ラップ盤1からのギア回転角に基づいてシミュレートする方法
ラップ盤1から、例えば、
・加工経過時間:t
・各種回転角[地盤]
・下盤回転角[地盤]
・上盤回転角[地盤]
・サンギヤ回転角[地盤]
・インターナルギヤ回転角[地盤]
などのデータを取得する。上記の回転角は、加工開始から現在時点までの総回転角である。これらの回転角は、サーボモータから得ることができる。或いは、例えば、インバータモータ駆動方式のギヤや定盤については、別途に回転角の検出機構を設ければよい。シミュレーションにおいては、前の実施形態で説明したウェハや各種ギアの座標計算式に、ラップ盤1から取得した回転角を代入することで、ウェハや各種ギアの座標を計算することができる。上記データを所定のサンプリング間隔dt秒ごとに取得し、これに基づいて、ウェハ13や各種ギヤの座標、ウェハ13の加工量、定盤3、5の磨耗量又は研磨量などを計算する。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は本発明のための例示にすぎず、本発明の範囲をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱することなく、その他の様々な態様でも実施することができる。
例えば、上記の実施形態では、ウェハ13の表面形状(加工量)や定盤3、5の表面形状(磨耗量又は研磨量)を2次元的な画像(断面図)108U、108L、106U、106Lを用いて表示したが、これに加えて又は代えて、ウェハ13や定盤3、5の表面形状を3次元的な画像(斜視図)で表示することもできる。図20は、そのようなウェハ13の表面形状の3次元的な画像(斜視図)300で表示したサブGUIウィンドウの例を示す。このサブウィンドウに表示されたウェハ13の3次元的な画像300は、ウェハ13の面内全位置(全代表点(k,m))の現在時点tでの総走行量に基づいて描くことができる。同様に、定盤3、5の表面形状も3次元的な画像(斜視図)で描画して表示することができる。このような3次元的な画像を表示することで、ユーザは、ウェハ13或いは定盤3、5の全体の表面形状を直感的に捉えることができ、加工条件などの良し悪しの判断がより容易になる。
また、上記の実施形態では、ウェハ13の表面形状(加工量)をユーザに見せるために、ウェハ13の半径方向における平均の走行量を表した2次元的な画像108U、108Lを表示するようになっているが、これに代えて又はこれに加えて、ユーザがウェハ13に対して任意の位置に設定した切断線310(図20参照)でウェハ13を切断した断面画像を表示するようにすることもできる。このような任意の切断線310による断面画像は、上述した方法で計算されたウェハ13の面内全位置(全代表点(k,m))の現在時点tでの総走行量の中から、設定された切断線310に沿った各位置の総走行量を取り出してプロットすることで描くことができる。このような任意の断面における断面画像を表示することで、ユーザは、ウェハ13の表面形状を的確に捉えることができ、加工条件などの良し悪しの判断がより容易になる。
本発明の一実施形態に係るシミュレーションシステムがシミュレートすることができるラップ盤の一例における、要部の回転軸に沿った概略断面図。 同ラップ盤の2は、このラップ盤の要部の上定盤を除いた部分の概略平面図。 本発明の一実施形態に係るシミュレーションシステムのメインウィンドウの表示例(加工プロセスのシミュレーションの場合)を示す図。 同シミュレーションシステムのメインのGUIウィンドウの別の表示例(加工プロセスのシミュレーションの場合)を示す図。 同システムが行うシミュレーションの処理のメインの流れを図6と共に示す図。 同システムが行うシミュレーションの処理のメインの流れを図5と共に示す図。 観察基準別の各種ギアの回転数を計算する処理の流れを示す図。 キャリア及びウェハの座標の計算方法を説明した図。 走行量の計算処理の流れを示す図。 ウェハ面を小領域に分割する方法を説明した図。 面内走行量の計算処理の流れを示す図。 定盤被走行量の計算方法を説明した図。 同システムのメンテナンスプロセスのシミュレーションにおけるメインGUIウィンドウの表示例を示す図。 修正キャリアによる定盤の磨耗量の計算方法を説明した図。 図4と同じシミュレーションにおける異なる経過時間の時点のメインGUIウィンドウの表示例を示す図。 図13とは別のシミュレーション条件(例えば運転条件)でのシミュレーションにおける、図13と同じ経過時間の時点のメインGUIウィンドウの表示例を示す図。 表示オプションとして軌跡描画を選択した場合(ウェハ数は1枚、各種ギヤの描画は選択していない)のメインGUIウィンドウの表示例を示す図。 キャリア数が複数毎である場合にウェハ軌跡を表示させたときの平面画像105の例を示す図。 本発明の別の実施形態に係るシミュレーションシステムを示すブロック図。 ウェハ13の表面形状を3次元的な画像300で表示したサブGUIウィンドウの例を示す図。
符号の説明
1 ラップ盤
3 上定盤(上盤)
5 下定盤(下盤)
7 サンギヤ
9 インターナルギヤ
11 ワークキャリア(キャリア)
13 ウェハ
15 回転軸
17 修正キャリア
200 シミュレーションシステム

Claims (7)

  1. ラップ盤(1)の運転条件を含むシミュレーション条件を入力する条件入力手段(101、102、S1)と、
    前記入力されたシミュレーション条件に基づいて、前記ラップ盤の加工プロセス中の各時点における定盤(3、5)、所定ギア(7、9,11)及びワークピース(13)の座標を計算する座標計算手段(S5)と、
    前記計算された定盤、所定ギア及びワークピースの座標に基づいて、前記ラップ盤の運動を表す平面画像(105)を表示する平面画像表示手段(S6)と
    を備えたラップ盤のシミュレーションシステム。
  2. 前記条件入力手段は、所定の複数の観察基準の中から一つの観察基準を選択する手段を含み、
    前記座標計算手段は、前記選択された観察基準による定盤、所定ギア及びワークピースの座標を計算し、
    前記平面画像は、前記選択された観察基準による前記ラップ盤の運動を表すようになった請求項1記載のシミュレーションシステム。
  3. 前記計算された定盤、所定ギア及びワークピースの座標に基づいて、前記ワークピースの各部の前記定盤に対する走行量を計算し、前記計算した走行量に基づいて、前記ワークピースの各部の加工量を計算する加工量計算手段(S8)と、
    前記計算された前記ワークピースの各部の加工量に基づいて、前記ワークピースの加工量の分布を表す加工量画像(107U、107L)を表示する加工量画像表示手段(S9)と
    を更に備えた請求項1記載のシミュレーションシステム。
  4. 前記計算された定盤、所定ギア及びワークピースの座標に基づいて、前記定盤の各部に対する前記ワークピースの走行量を計算し、前記計算した走行量に基づいて、前記定盤の各部の磨耗量を計算する磨耗量計算手段(S11)と、
    前記計算された前記定盤各部の磨耗量に基づいて、前記定盤の加工量の分布を表す磨耗量画像(106U、106L)を表示する磨耗量画像表示手段(S12)と
    を更に備えた請求項1記載のシミュレーションシステム。
  5. 前記ラップ盤に修正キャリア(15)がセットされた場合における、前記ラップ盤のメンテナンスプロセス中の各時点における前記修正キャリアを含む所定ギア(7、9、15)及び前記定盤の座標を計算する第2の座標計算手段(S5)と、
    前記計算された所定ギア及び定盤の座標に基づいて、前記定盤の各部に対する前記修正キャリアの走行量を計算し、前記計算した走行量に基づいて、前記定盤の各部の研磨量を計算する研磨量計算手段(S11)と、
    前記計算された前記定盤各部の研磨量に基づいて、前記定盤の研磨量の分布を表す研磨量画像(106U、106L)を表示する研磨量画像表示手段(S12)と
    を更に備えた請求項1記載のシミュレーションシステム。
  6. 前記条件入力手段が、実際のラップ盤の動作中に前記実際のラップ盤から所定のギアの回転数又は回転角に関するデータを入力する手段を有し、それにより、前記実際のラップ盤の動作をリアルタイムで再現できるようになった請求項1記載のシミュレーションシステム。
  7. ラップ盤(1)の運転条件を含むシミュレーション条件を入力するステップ(S1)と、
    前記入力されたシミュレーション条件に基づいて、前記ラップ盤の加工プロセス中の各時点における定盤(3、5)、所定ギア(7、9,11)及びワークピース(13)の座標を計算するステップ(S5)と、
    前記計算された定盤、所定ギア及びワークピースの座標に基づいて、前記ラップ盤の運動を表す平面画像(105)を表示するステップ(S6)と
    をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
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