JP2005103490A - 混合伝導性無機膜の設計方法および製造方法ならびにコンピュータプログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

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稔 浅沼
Toshihiko Okada
敏彦 岡田
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孝思 庵屋敷
Jun Ishii
純 石井
Kazuya Yabuta
和哉 藪田
Yuji Iwamoto
雄二 岩本
Masato Yoshiya
真人 吉矢
Fisher Craig
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Abstract

【課題】高い酸素透過速度が期待できる混合伝導性無機膜材料を短時間に少ない労力にて見出すこと。
【解決手段】 混合伝導性酸化物の各元素の割合を決める複数の組成係数値の組を試行テーブルに設定し(ステップ201)、個々の組成係数値の組について基本セルの展開および添加元素置換、酸素空孔配置(ステップ202〜ステップ204)および分子動力学によるシミュレーションにて酸素イオン伝導率を算出する操作を行って(ステップ205〜ステップ211)、試行テーブルに記録する操作を反復する処理を膜設計プログラムで実行し、所要の酸素イオン伝導率を満たす組成を試行テーブルから選んで、その組成の混合伝導性無機膜の製造を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、混合伝導性無機膜の設計技術および製造技術ならびにコンピュータプログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関し、特に、酸素イオン伝導性と電子伝導性の両者を有し、酸素もしくは酸素富化空気の大量製造に用いられる混合伝導性のセラミック膜の組成設計および製造等に適用して有効な技術に関する。
純酸素または酸素富化空気は、鉄鋼業、セメント業などをはじめとして、産業の様々な分野で広く利用されており、その製造技術は産業上非常に重要である。
通常、純酸素または酸素富化空気は空気からの酸素分離法によって製造されているが、工業的に実用化されている酸素分離法として、深冷分離法、PSA法、膜分離法が挙げられる。特に深冷分離法とPSA法は純度の高い酸素を大量に製造することが可能であり、大規模酸素製造設備の多くがこれらの手法を採用している。
しかしながら、深冷分離法においては、空気を液化温度まで冷却する必要があるため大量の電力を必要とし、また、PSA法においては大型の圧力容器と、圧力を切り替えるための複雑な装置機構が必要であり、これらの方法により製造された酸素または酸素富化空気はコストが高価であるといった問題点があった。
一方、膜分離法においては、酸素分離の駆動力として酸素分圧差のみを必要とし、複雑な機構を持つ装置を必要としないため、酸素または酸素富化空気の製造コストを大幅に低減することが可能であるが、ポリシロキサン、ポリシロキサン−ポリカーボネイト共重合体あるいはオルガノシロキサンなどといった有機高分子を用いた従来の膜分離法では、酸素の透過選択性が不十分であり、製造される酸素濃度はたかだか40%程度に過ぎない。このため利用用途が限定されており、小規模医療用酸素富化空気製造装置などへの適用にとどまっている。
そこで近年、酸素の透過選択性を飛躍的に高めることが可能である固体膜による酸素分離法の研究が進み、開発されつつある。
例えば、特許文献1においては、このような固体膜としてLaxSr(1−x)CoO(x=0.1〜0.9)が示されている。本特許文献1に開示の複合金属酸化物はペロブスカイト型の構造を示し、酸素構造欠陥を故意に与えることによって、イオン伝導性と同時に電子伝導性を実現している。このため酸素イオン伝導に際し、従来のジルコニア組成の酸素伝導膜のように電子を輸送する外部回路が必要無いといった利点がある(混合伝導性)。しかしながら、本特許文献1で開示された酸素透過膜は酸素透過速度が小さく、工業的な高純度酸素大量製造設備を考慮した場合、適用が非常に困難である。このため、酸素透過速度をさらに向上させることが重要な課題となっている。
また、特許文献2には酸素イオン伝導性、電子伝導性および酸素イオン伝導性と電子伝導性の両者からなるセラミックスと金属部材からなるセラミックス・金属複合構造体において、接合部材として銀または銀合金を用いる方法が開示されている。さらに、セラミックス・金属複合構造体のセラミック管を用いた酸素輸送応用装置が開示されている。
特許文献3には、混合伝導性多孔質酸化物を有して成る多孔質体部と、当該多孔質体部の上に形成された混合伝導性酸化物の緻密質連続層を含む膜部から構成され、前記多孔質体部を構成する酸化物材料の緻密化温度が前記膜部の材料の緻密化温度よりも高く、前記多孔質体部の気孔率が20%以上80%以下の範囲、前記緻密質連続層の厚さが10μm以上1mm以下である磁器組成物が開示されている。また、磁器組成物はペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物イオン混合伝導体であって、一般式[Ln1−a][BB'B'']O(3−δ)で示される。
この一般式で、LnはY又はランタノイド元素から選ばれる1種又は2種以上の元素の組み合わせ。AはBa、Sr、Caの中から選ばれる1種又は2種以上の元素の組み合わせ。BはCo、Fe、Cr、及びGaの中からFe又はCoを必ず含んで選ばれる1種又は2種以上の元素の組み合わせで、CrとGaのモル数の和が全B元素のモル数xに対し0%以上20%以下。B’はNb、Ta、Ti、及びZrの中からNb又はTaを必ず含んで選ばれる1種又は2種以上の元素の組み合わせで、TiとZrのモル数の和が全B’元素のモル数yに対し0%以上20%以下。B''はCu、Ni、Zn、Li、Mgの中から選ばれる1種又は2種以上の元素の組み合わせ。ただし、0.8≦a≦1、0<x、0<y≦0.5、0≦z≦0.2、0.98≦x+y+z≦1.02、δは電荷中性条件を満たすように決まる値。
さらに、前記一般式において、BはCo、Fe、Cr、及びGaの中からFeを必ず含んで選ばれる1種又は2種以上の元素の組み合わせで、Coのモル数がFeのモル数に対し0%以上10%以下、かつCrとGaモル数の和が全B元素のモル数xに対し0%以上20%以下、B''はZn、Li、Mgの中から選ばれる1種又は2種以上の元素の組み合わせである。
本発明者は、先に出願した特許文献4において、表面に凹凸を有する混合伝導性酸素分離膜およびそれを用いた酸素製造方法を開示している。すなわち、本特許文献4ではストレート型、タンマン型チューブの膜表面に酸素透過速度を向上させる触媒を真空蒸着、スパッタリング等で形成し、凹凸をつけ、酸素を製造する方法が開示されている。
特開昭56−092103号公報 特開2002−20180号公報 特開2002−12472号公報 特開2002−326021号公報
上述の特許文献2および特許文献4は、酸素イオン伝導性、電子伝導性および酸素イオン伝導性と電子伝導性の両者を有する混合伝導性を有するセラミック膜を800℃以上の高温で用い、酸素を製造する技術である。これらの特許文献におけるセラミック膜は、各種金属の塩(塩化物、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩等)をその組成になるように混合し、焼成することによって作製されている。また、作製された焼結体の各種分析(元素分析、X線解析等)を実施し、酸化物の性状、構造安定性、酸素透過速度等の試験を実施している。これら手法において高酸素透過速度の混合伝導性膜材料を見出すためには、数多くの混合伝導性膜材料の合成、解析、試験等を必要とし、適切な膜組成を見出すことは容易ではない。
また、BaCoFe系無機膜においては高温での焼結後、冷却過程で大気中の酸素等により発泡、粉化し、充分満足な成型体が得られず、酸素製造用混合伝導性膜材料として利用が困難である。そのために冷却過程における冷却速度を最適化する必要がある。
本発明は、以上の課題を解決し、高い酸素透過速度が期待できる膜材料を短時間に少ない労力にて見出すことが可能な混合伝導性無機膜の設計技術を提供することを目的とする。
また、本発明は、発泡や粉化を生じることなく、酸素透過膜として好適な焼結体を得ることが可能な混合伝導性無機膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点は、混合伝導性無機膜を構成する元素の組成を理論的に可能な範囲内で逐次変化させながら当該組成の前記混合伝導性無機膜の酸素イオン伝導率を分子動力学法によるシミュレーションにて算出し、算出された前記酸素イオン伝導率を対応する前記組成とともに記録する第1ステップと、記録された前記組成のなかから前記酸素イオン伝導率が所定の条件を満たす前記組成を選択する第2ステップとを具備した混合伝導性無機膜の設計方法を提供する。
本発明の第2の観点は、混合伝導性無機膜を構成する元素の組成を理論的に可能な範囲内で逐次変化させながら当該組成の前記混合伝導性無機膜の酸素イオン伝導率を分子動力学法によるシミュレーションにて算出し、算出された前記酸素イオン伝導率を対応する前記組成とともに記録する第1ステップと、記録された前記組成のなかから前記酸素イオン伝導率が所定の条件を満たす前記組成を選択する第2ステップと、選択された前記組成にて前記混合伝導性無機膜を製造する第3ステップとを具備した混合伝導性無機膜の製造方法を提供する。
本発明の第3の観点は、コンピュータを用いて混合伝導性無機膜の設計を行うコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに、混合伝導性無機膜を構成する元素の組成を理論的に可能な範囲内で逐次変化させながら当該組成の前記混合伝導性無機膜の酸素イオン伝導率を分子動力学法によるシミュレーションにて算出し、算出された前記酸素イオン伝導率を対応する前記組成とともに記録する第1ステップと、記録された前記組成のなかから前記酸素イオン伝導率が所定の条件を満たす前記組成を選択する第2ステップとを実行させるコンピュータプログラムを提供する。
本発明の第4の観点は、混合伝導性無機膜を構成する元素の組成を理論的に可能な範囲内で逐次変化させながら当該組成の前記混合伝導性無機膜の酸素イオン伝導率を分子動力学法によるシミュレーションにて算出し、算出された前記酸素イオン伝導率を対応する前記組成とともに記録する第1ステップと、記録された前記組成のなかから前記酸素イオン伝導率が所定の条件を満たす前記組成を選択する第2ステップとをコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
上記した本発明の混合伝導性無機膜の設計方法によれば、組成を変えた多数の膜材料を多大な労力をかけて実際に試行錯誤的に製造することなく、短期間に酸素イオン伝導率の高い有用な混合伝導性無機膜の組成を決定できる。
この結果、混合伝導性無機膜の設計から製造までの期間を短縮でき、混合伝導性無機膜の生産効率が向上する。
混合伝導性酸素透過膜を用いた酸素分離法において、混合伝導性膜材料が重要であり、酸素透過速度はその組成に大きく依存する。本発明の混合伝導性無機膜の設計手法を用いることにより、酸素分離法に好適な高酸素透過速度を期待できる混合伝導性無機膜の設計および製造が可能となる。
本発明によれば、高い酸素透過速度が期待できる混合伝導性無機膜を短時間に少ない労力にて見出すことが可能となる。
また、発泡や粉化を生じることなく、酸素透過膜として好適な混合伝導性無機膜の成型体を得ることができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態である混合伝導性無機膜の設計方法の一例を示すフローチャートであり、図2は、本実施形態の設計方法が実施されるコンピュータシステムの構成の一例を示す概念図、図3は、本実施形態の設計方法にて用いられる試行テーブルの一例を示す概念図である。
図2に例示されるように、一例として、本実施形態で用いられるコンピュータシステム100は、マイクロプロセッサ101と、このマイクロプロセッサ101で実行されるソフトウェアやデータ等の情報が格納される主記憶102と、これらのソフトウェアやデータが格納される外部記憶装置103と、ユーザに情報を可視化して提示するディスプレイ104と、ユーザによるコマンドや情報入力に用いられるキーボードやマウス等の入力装置105と、フレキシブルディスクや光ディスク、光磁気ディスク等の取り外し可能な可換媒体107に対する情報の記録/再生を行うことが可能な可換媒体ドライブ106と、これらが接続されるバス108を備えている。
主記憶102には、後述のような混合伝導性無機膜の自動設計を行う膜設計プログラム110と、膜設計プログラム110から呼び出されて使用され、後述のような分子動力学(モレキュラーダイナミクス)によるシミュレーションを行うMDシミュレーションプログラム120と、膜設計プログラム110およびMDシミュレーションプログラム120によってアクセスされる試行テーブル130、が格納されている。
膜設計プログラム110およびMDシミュレーションプログラム120、さらに試行テーブル130等の情報は可換媒体107に格納することができる。そして、外部から持ち込まれた可換媒体107に格納されている当該プログラムを外部記憶装置103に複写することで、本実施形態のコンピュータシステム100に、これらのプログラムが実装され、外部記憶装置103から主記憶102にロードされることで、これらのプログラムはマイクロプロセッサ101によって実行される。
本実施形態の場合、混合伝導性無機膜として、Ba1−xSrCo1−yFe3−δ で表されるABOを基本骨格となすペロブスカイト構造を有する混合伝導性酸化物を設計する場合を例にとって説明する。この混合伝導性酸化物において、δは電荷中性条件を満たすように決まる値である。ただし、この場合、組成係数xおよびyの値は、0.0≦x≦0.2の場合において0.0<y≦0.2または0.8≦y<1.0であり、0.8≦x≦1.0の場合において0.0≦y≦0.2または0.8≦y<1.0、である。
そして、試行テーブル130は、図3に例示されるように、組成係数xおよびyの値の組み合わせが、係数値欄131および係数値欄132にそれぞれ設定され、この組成係数の組み合わせで得られた酸素イオン伝導率の計算値が計算結果欄133に記録される。
本実施形態の膜設計プログラム110の場合、一例として、上記不等式の範囲における組成係数xおよびyについて、組成係数xの刻み幅を0.2とし、組成係数yの値の変化の刻み幅を0.1としたときの両者の組み合わせを、最初に係数値欄131および係数値欄132にそれぞれ設定し、この組み合わせを逐次読み出して、その組み合わせにおける酸素イオン伝導率を後述のMDシミュレーションプログラム120にて計算し、結果を計算結果欄133に順次記録する操作を行う。
以下、本実施形態の作用の一例を、図1のフローチャート等を参照して説明する。
まず、試行テーブル130の係数値欄131および係数値欄132に値を設定する(ステップ201)。この設定は、ユーザが、入力装置105を用いてマニュアルで設定してもよいし、膜設計プログラム110が、上述のような組成係数xおよびyに関する範囲と刻み幅の指定に基づいて自動的に設定してもよい。
その後、膜設計プログラム110は、試行テーブル130を一行ずつ読み出して(ステップ202)、以下のシミュレーションによる計算を行う。
本実施形態では、酸素製造に用いる最適な混合伝導性膜の組成を決定するために、酸素イオン伝導率を分子動力学法により算出する。
原子iの位置ベクトルをr、運動量をp、質量をm、原子iに作用する力をFとすると、ニュートン方程式は次式となる。
Figure 2005103490
Figure 2005103490
ここで、式(2)の原子iが受ける力は、原子i−j間に働くポテンシャルφ(rij)により、以下のように表せる。
Figure 2005103490
Figure 2005103490
上記式(1),式(2)を、WinMASPHYC (WinMASPHYC Pro 2.0, Fujitsu)プログラム(MDシミュレーションプログラム120)を用い、上式の数値解析法として導入されているGear方法(C. W. Gear, Numerical Initial Value Problems in Ordinary Differential Equations, Prentice−Hall, New Jersey, USA, 1971) により計算する(分子動力学法における1ステップは0.5 fs(5×10−16sec)であり、計算は240万ステップで行った)。
イオン結合性物質である混合伝導性無機膜の構造は二体ポテンシャル関数で再現でき、Born−Mayer−Huggins(BMH)関数(式(5))で算出したポテンシャル関数の傾きから原子間力を算出した。
Figure 2005103490
本実施形態で用いたポテンシャル・パラメータを表1に示す。
Figure 2005103490
前記組成係数値の設定値に対応した混合伝導性無機膜の基本セルの初期構造には、理想的なペロブスカイト構造の原子配置を用い、単位セル(原子5個)をX,Y,Zの各軸に対して8×8×8回繰り替えし展開したものを基本セルとする(ステップ203)。
このようにして得られた初期構造において、添加元素を乱数で選択した位置に置換するとともに、化学量論的な組成を保持するために、乱数で酸素イオンを除去し、酸素空孔を作る(ステップ204)。
この初期構造は高エネルギーの状態にあり、平衡的な構造から始まるため、計算前に、設定した条件(温度・圧力等)にて基本セルの内部エネルギーや温度が安定になるまで計算を行う(ステップ205〜ステップ208)。
この際、平衡体積はNPT(一定の原子数・温度・圧力)アンサンブルで計算する(ステップ206)。温度制御は速度スケーリング法を、圧力制御にはParrinello−Rahman法(M.Parrinello and A.Rahman,“Polymorphic Transitions in Single Crystals: A New Molecular Dynamics Method”, J. App. Phys., 52 (1981), p.7182−7190)を使った。
平衡構造、平衡体積算出後、NVE(一定の原子数・内部エネルギー・体積)アンサンブルでシミュレーションを行い、構造内温度を算出する(計算時間は、酸素イオン拡散の統計量を十分にとるために、すべての計算を材料の使用温度より高い値(一例として、1773K)で行う)(ステップ207)。
この構造内温度が、目的温度の範囲内に収束するまで、ステップ205〜ステップ207を反復する(ステップ208)。
こうして得られた計算結果から原子の移動や拡散を平均二乗変位(mean square displacement,msd)として算出する(ステップ209、ステップ210)。ここで、ある原子が系にN個存在するとき、平均二乗変位msdは次のように定義される。
Figure 2005103490
ただし、式(6)において、
(t)=原子nの配置(時間tにおける)
N=原子の合計数、
=基点時間、
=時間シリーズ数(tに使用スライス数)
である。
また、Einsteinの式により、msd=B+6Dtである。ただし、このEinsteinの式において、D=拡散係数、t=時間、B=2´平均振幅、である。
従って、拡散係数Dと、平均二乗変位msdとの関係は、
Figure 2005103490
と与えられる。msd曲線の時間に対する勾配が拡散係数に相当し、さらに式(8)のNernst−Einstein式により酸素イオン伝導率を算出する(ステップ211)。算出された酸素イオン伝導率は、試行テーブル130の対応する計算結果欄133に記録される(ステップ212)。
Figure 2005103490
だだし、式(8)において、
=ボルツマン定数=1.38066x10−23[J/K]、
T=温度(K)、
σ=イオン伝導率、
f=補正係数(Haven Ratio)=0.69(ペロブスカイト格子の場合)、
N=キャリアイオンの密度=n/V、
n=キャリアイオンの総数、
V=MD基本セルの体積、
q=ze=イオン電荷(C)、
z=原子価、
e=電気素量=1.60218x10−19[C]、
である。
そして、膜設計プログラム110は、上述のステップ202〜ステップ212の処理を、試行テーブル130に設定されている組成係数x,yの組み合わせだけ自動的に反復する(ステップ213)。
試行テーブル130におけるすべての組成係数の組み合わせに関するシミュレーションの後、試行テーブル130の内容をディスプレイ104等に出力し、たとえば、最大の酸素イオン伝導率を示した組成係数x,yの組み合わせを選択してユーザに提示し、ユーザはその組成の混合伝導性無機膜を製造する。あるいは、ユーザは、表示された試行テーブル130から、たとえば最大の酸素イオン伝導率が算出された組成係数x,yの組み合わせを選択して、その組成の混合伝導性酸化物にて、混合伝導性無機膜を製造する(ステップ214)。
これにより、試行錯誤にて多数の組成係数の組み合わせの混合伝導性酸化物を実際に作製して酸素イオン伝導率の高い組成を見出して製造する場合に比較して、より少ない労力で短時間に高い酸素イオン伝導率を有する混合伝導性酸化物からなる混合伝導性無機膜を作製することが可能になる。
この結果、酸素製造に用いる最適な組成の混合伝導性無機膜を迅速に得ることが可能になる。
次に、本実施形態における混合伝導性膜材料の製造方法の一例について、図11に例示される製造フロー等を参照して説明する。
BaSrCoFe系膜はBa,Sr、Co,Feの各金属酸化物の硝酸塩もしくは酢酸塩を、各金属イオンが所定の比率になるように秤量し、これらをイオン交換水中またはエタノールで溶解した後、蒸発乾固させ、乳鉢で微粉砕し、よく混合した後(ステップ301〜ステップ304)、350℃で予備焼成し、さらに850℃〜950℃で5〜10時間焼成して黒色の粉末試料を得た(ステップ305〜ステップ309)。次にこの粉末試料を圧縮成形機によってディスク状に圧縮成形したのち(ステップ310〜ステップ311)、1000〜1200℃の範囲で焼成する(ステップ312)。その後、焼成体の重量や寸法の測定を行い(ステップ313)、機械加工にて所望の形状にする(ステップ314)。
ステップ312において焼成後の冷却条件としては焼成温度が1150℃以上の場合、焼結体の発泡、粉化を防止するために急速に冷却することが好ましく、具体的には20℃/min以上の条件で急冷することが好ましい。また、冷却過程における焼結体と酸素等の反応とを防止するために、脱炭酸した空気を用いるか窒素等の不活性雰囲気で実施するのが好ましい。これはBaSrCoFe系膜においては600℃〜800℃の範囲において相転移、例えば、立方晶から六方晶などの構造変化を起こし、膜形状等が変化するためである。
本実施形態の混合伝導性無機膜の設計方法を検証するために図8および図9に例示された装置を用いて酸素透過速度を測定した。図8は混合伝導性膜1の取り付け治具の一例を示す断面図であり、図9は混合伝導性膜1を保持した前記取り付け治具を高温の加熱炉内に設置した例を示す断面図である。
図8に例示される取り付け治具Zでは、混合伝導性膜1は銀あるいは銀合金からなるシール層2を介して筒状の膜支持座3の上端に接合されている。さらに膜支持座3の下端は、銀あるいは銀合金からなるシール層2を介して支持管4にほぼ同軸に接合されている。混合伝導性膜1は、シール層2のずれを防止するために押さえリング6を介してキャップ7で固定されている。キャップ7には空気あるいは酸素を含有するガスが通気可能な通気穴9が形成されている。
混合伝導性膜1をシール層2の融点以上に加熱し、当該混合伝導性膜1と膜支持座3を気密に接着するが、混合伝導性膜1の局部的な応力による当該膜の破損を防止するために、キャップ7の上部には図9に例示されるようにスプリング10を配置して加熱炉13に装着する。
すなわち、加熱炉13は、空気取り入れ部11と、内管12aおよび外管12bからなる二重構造の導気管12が上下に対抗して配置され、この空気取り入れ部11と導気管12の間に、取り付け治具Zに保持された混合伝導性膜1が装着される。そして、図9に例示される取り付け治具Zの実装状態では、内管12aに支持管4が連通し、内管12aと外管12bとの間の空間(以下、単に外管12bと記す)が透孔2cを通じて加熱炉13の内部雰囲気に連通する構造となっている。
加熱炉13における導気管12の貫通部には、冷却ジャケット14が設けられ、通水することで導気管12を通過するガスの常温への冷却が可能となっている。
また、混合伝導性膜1より分離された酸素は内管12aを通じて系外に排出されるが、混合伝導性膜1における酸素透過速度は原料である酸素含有ガス(たとえば空気等)中の酸素分圧と分離側の酸素分圧に依存するために、原料である酸素含有ガスを加圧するか、分離酸素側(内管12a側)を減圧にするのが好ましい。さらに実験的に混合伝導性膜1の酸素透過速度を把握するために分離酸素側(内管12a側)の酸素分圧を調整するために図示しないキャリアガスとしてスウィープガスを通気してもよい。
図10は図9に例示した加熱炉を酸素分離装置に組み込んだ場合の構成例を示している。本実施形態の酸素分離装置20は、空気供給ライン21、窒素ガス供給ライン22、ヘリウムガス供給ライン23、低濃度酸素取り出しライン24、高濃度酸素取り出しライン25、および上述の加熱炉13を備えている。
空気供給ライン21は、大気を取り込んで与圧するコンプレッサー21a、エアドライヤ21b、ラインフィルター21c、圧力調整器21d、流量調整器21e、混合器21f、等からなり、加熱炉13の空気取り入れ部11に接続されることで、圧縮空気を加熱炉13内に供給する。
窒素ガス供給ライン22は、ガスボンベ等の窒素ガス源22aと、圧力調整器22b、ラインフィルター22c、流量調整器22d、からなり、空気供給ライン21の混合器21fに接続されている。
ヘリウムガス供給ライン23は、ガスボンベ等のヘリウムガス源23aと、圧力調整器23b、ラインフィルター23c、流量調整器23d、からなり、空気供給ライン21の混合器21f、および加熱炉13の内管12a(高濃度酸素取り出しライン25)に接続されている。
低濃度酸素取り出しライン24は、加熱炉13の外管12bに接続され、上流側から、ラインフィルター24a、圧力調整器24b、ラインフィルター24c、流量計24d、等からなる。
高濃度酸素取り出しライン25は、加熱炉13の内管12aに接続され、上流側から、圧力調整器25a、流量計25b、ブロア25c、等からなる。
加熱炉13の冷却ジャケット14には、循環水クーラー26が接続され、冷却ジャケット14内を流通する循環水の冷却が行われる。
(実施例1)
上述の本実施形態の混合伝導性無機膜の設計方法を用いて、BaCo1−yFeO(Ba1−xSrCo1−yFe3−δにおいてx=0の場合)について、酸素イオン伝導率を算出した。試行テーブル130に得られた結果を図4に示す。この結果から0.0≦y≦0.2および0.8≦y≦1.0の範囲、特に0.0≦y≦0.1および0.9≦y≦1.0の範囲で高い酸素イオン伝導率を示すことがわかる。
上記計算結果を検証するために、Ba,Co,Feの各金属酸化物の硝酸塩もしくは酢酸塩を、各金属イオンが所定の比率になるように秤量し、これらをイオン交換水中で溶解した後、蒸発乾固させ、乳鉢で微粉砕し、よく混合した後、350℃で予備焼成し、さらに850℃で5時間焼成して黒色の粉末試料を得た。次にこの粉末試料を圧縮成形機によってディスク状に圧縮成形したのち、1150℃で焼成を行った。その後、急冷(600℃/h)し、機械加工して、密度測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 2005103490
図10に示した酸素分離装置により酸素透過速度を測定した。低濃度酸素取り出しライン24から得られる原料ガス中酸素分圧(PO2in)と、高濃度酸素取り出しライン25から得られる透過ガス中の酸素分圧(PO2out)の比(Ln(PO2in/PO2out))が3.04となる酸素透過速度を算出した。
混合伝導性膜には発泡が見られず良好な緻密体が得られた。
透過速度試験に用いた試料の形状:直径約20mm、厚さ約1.0mm
原料ガス側:空気、100sccm
透過ガス側スイープガス:He
測定温度:900℃
結果を図7に示す。本実施形態のシミュレーションによる計算結果とよく一致しており、本発明の実施形態の混合伝導性無機膜の設計方法の妥当性が確認された。
(実施例2)
上述の本実施形態の混合伝導性無機膜の設計方法を用いて、Ba0.8Sr0.2Co1−yFeO(Ba1−xSrCo1−yFe3−δにおいてx=0.2の場合)について、酸素イオン伝導率を算出した。結果を図5に示す。この結果から0.0≦y≦0.2および0.8≦y≦1.0の範囲、特に0.0≦y≦0.1および0.9≦y≦1.0の範囲で高い酸素イオン伝導率を示すことがわかる。
(実施例3)
上述の本実施形態の混合伝導性無機膜の設計方法を用いて、Ba1−xSrCo0.8Fe0.2O(Ba1−xSrCo1−yFe3−δにおいてy=0.2の場合)について、酸素イオン伝導率を算出した。結果を図6に示す。この結果から0.4≦x≦0.8の範囲、特に0.6≦x≦0.8の範囲で高い酸素イオン伝導率を示すことがわかる。
上述の本実施形態における混合伝導性無機膜の製造方法における冷却速度の効果を確認すべく、比較例として、冷却速度を変えた製造方法を試みた。すなわち、混合伝導性酸化物の冷却速度を300℃/hにした以外は実施例1と同様に行った。得られた混合伝導性酸化物には発泡、粉化が見られた。
以上のように、本発明の設計方法を用いることで混合伝導性膜材料の最適組成を精度よく算出可能であることが確認された。
以上説明したように、本実施形態の混合伝導性無機膜の設計方法および製造方法によれば、分子動力学方によるシミュレーションを行う膜設計プログラム110およびMDシミュレーションプログラム120をコンピュータシステム上で実行することにより、混合伝導性酸化物の多数の組成の各々について試行錯誤的に混合伝導性無機膜を作製して酸素イオン伝導率を実測する等の煩雑で時間や労力のかかる作業を行うことなく、高い酸素透過速度が期待できる混合伝導性無機膜を短時間に少ない労力にて見出すことが可能となる。
本発明は、ABOを基本骨格とするペロブスカイト構造を有する混合伝導性無機膜に限らず、一般の無機膜の設計および製造技術に広く適用することができる。
本発明の一実施形態である混合伝導性無機膜の設計方法の一例を示すフローチャート。 本発明の実施形態である混合伝導性無機膜の設計方法が実施されるコンピュータシステムの構成の一例を示す概念図。 本発明の実施形態である混合伝導性無機膜の設計方法にて用いられる試行テーブルの一例を示す概念図。 本発明の実施形態である混合伝導性無機膜の設計方法にて算出された混合伝導性無機膜の酸素イオン伝導率を示す線図。 本発明の実施形態である混合伝導性無機膜の設計方法にて算出された混合伝導性無機膜の酸素イオン伝導率を示す線図。 本発明の実施形態である混合伝導性無機膜の設計方法にて算出された混合伝導性無機膜の酸素イオン伝導率を示す線図。 図4の組成に対応して実際に製造された混合伝導性無機膜の酸素イオン伝導率の実測値示す線図。 混合伝導性無機膜の酸素透過速度の測定に用いられる取り付け治具の構造の一例を示す断面図。 混合伝導性無機膜の酸素透過速度の測定に用いられる取り付け治具および加熱炉の構造の一例を示す断面図。 酸素分離装置の構成の一例を示す概念図。 本発明の一実施形態である混合伝導性無機膜の製造方法の一例を示すフローチャート。
符号の説明
1……混合伝導性膜
2……シール層
2c……透孔
3……膜支持座
4……支持管
6……押さえリング
7……キャップ
9……通気穴
10……スプリング
11……空気取り入れ部
12……導気管
12a……内管
12b……外管
13……加熱炉
14……冷却ジャケット
20……酸素分離装置
21……空気供給ライン
22……窒素ガス供給ライン
23……ヘリウムガス供給ライン
24……低濃度酸素取り出しライン
25……高濃度酸素取り出しライン
26……循環水クーラー
100……コンピュータシステム
101……マイクロプロセッサ
102……主記憶
103……外部記憶装置
104……ディスプレイ
105……入力装置
106……可換媒体ドライブ
107……可換媒体
108……バス
110……膜設計プログラム
120……MDシミュレーションプログラム
130……試行テーブル
131……係数値欄
132……係数値欄
133……計算結果欄
Z……取り付け治具

Claims (10)

  1. 混合伝導性無機膜を構成する元素の組成を理論的に可能な範囲内で逐次変化させながら当該組成の前記混合伝導性無機膜の酸素イオン伝導率を分子動力学法によるシミュレーションにて算出し、算出された前記酸素イオン伝導率を対応する前記組成とともに記録する第1ステップと、
    記録された前記組成のなかから前記酸素イオン伝導率が所定の条件を満たす前記組成を選択する第2ステップと
    を具備したことを特徴とする混合伝導性無機膜の設計方法。
  2. 前記混合伝導性無機膜はその組成が以下の式、
    Ba1−xSrCo1−yFe3−δ
    (δは電荷中性条件を満たすように決まる値。ただし、0.0≦x≦0.2の場合において0.0<y≦0.2または0.8≦y<1.0、0.8≦x≦1.0の場合において0.0≦y≦0.2または0.8≦y<1.0)で表され、
    前記第1ステップでは、前記xおよび前記yを前記不等式の範囲で所定の刻み幅で変化させて得られる複数種の前記組成の各々の場合について前記シミュレーションを反復して前記酸素イオン伝導率を算出することを特徴とする請求項1に記載の混合伝導性無機膜の設計方法。
  3. 前記第1ステップでは、複数種の前記組成の各々について、理想的なペロブスカイト構造の原子配置の単位セルを三次元的に複数回反復配置した基本セルを構成する工程と、前記基本セルにおいて、乱数で選択した位置に前記組成に基づいた添加元素を配置するとともに、化学量論的な組成を保持するように乱数で酸素イオンを除去して酸素空孔を形成する工程と、所定の条件下で、前記基本セルに分子動力学法によるシミュレーションを実行して酸素イオン伝導率を算出する工程とを反復することを特徴とする請求項2に記載の混合伝導性無機膜の設計方法。
  4. 混合伝導性無機膜を構成する元素の組成を理論的に可能な範囲内で逐次変化させながら当該組成の前記混合伝導性無機膜の酸素イオン伝導率を分子動力学法によるシミュレーションにて算出し、算出された前記酸素イオン伝導率を対応する前記組成とともに記録する第1ステップと、
    記録された前記組成のなかから前記酸素イオン伝導率が所定の条件を満たす前記組成を選択する第2ステップと、
    選択された前記組成にて前記混合伝導性無機膜を製造する第3ステップと
    を具備したことを特徴とする混合伝導性無機膜の製造方法。
  5. 前記第3ステップでは、選択された前記組成を満たす原料粉末を、最終焼結温度が1000〜1200℃の範囲で焼結する工程と、前記最終焼結後に急冷する工程とを含むことを特徴とする請求項4に記載の混合伝導性無機膜の製造方法。
  6. 冷却速度が10℃/分以上となるように前記急冷を行うことを特徴とする請求項5に記載の混合伝導性無機膜の製造方法。
  7. コンピュータを用いて混合伝導性無機膜の設計を行うコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    混合伝導性無機膜を構成する元素の組成を理論的に可能な範囲内で逐次変化させながら当該組成の前記混合伝導性無機膜の酸素イオン伝導率を分子動力学法によるシミュレーションにて算出し、算出された前記酸素イオン伝導率を対応する前記組成とともに記録する第1ステップと、
    記録された前記組成のなかから前記酸素イオン伝導率が所定の条件を満たす前記組成を選択する第2ステップとを実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  8. 前記混合伝導性無機膜はその組成が以下の式、
    Ba1−xSrCo1−yFe3−δ
    (δは電荷中性条件を満たすように決まる値。ただし、0.0≦x≦0.2の場合において0.0<y≦0.2または0.8≦y<1.0、0.8≦x≦1.0の場合において0.0≦y≦0.2または0.8≦y<1.0)で表され、
    前記第1ステップでは、前記xおよび前記yを前記不等式の範囲で所定の刻み幅で変化させて得られる複数種の前記組成の各々の場合について前記シミュレーションを反復して前記酸素イオン伝導率を算出することを特徴とする請求項7に記載のコンピュータプログラム。
  9. 混合伝導性無機膜を構成する元素の組成を理論的に可能な範囲内で逐次変化させながら当該組成の前記混合伝導性無機膜の酸素イオン伝導率を分子動力学法によるシミュレーションにて算出し、算出された前記酸素イオン伝導率を対応する前記組成とともに記録する第1ステップと、
    記録された前記組成のなかから前記酸素イオン伝導率が所定の条件を満たす前記組成を選択する第2ステップとをコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  10. 前記混合伝導性無機膜はその組成が以下の式、
    Ba1−xSrCo1−yFe3−δ
    (δは電荷中性条件を満たすように決まる値。ただし、0.0≦x≦0.2の場合において0.0<y≦0.2または0.8≦y<1.0、0.8≦x≦1.0の場合において0.0≦y≦0.2または0.8≦y<1.0)で表され、
    前記第1ステップでは、前記xおよび前記yを前記不等式の範囲で所定の刻み幅で変化させて得られる複数種の前記組成の各々の場合について前記シミュレーションを反復して前記酸素イオン伝導率を算出することを特徴とする請求項9に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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