JP2005100880A - 平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータおよびこれを用いた高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータおよびこれを用いた高分子電解質型燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】軽量であり、かつ、単位セル間を電気的に直列に接続することが容易なセパレータと、このセパレータを使用した軽量、薄型の高分子電解質型燃料電池を提供する。
【解決手段】平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータとして、複数の貫通孔を有する単位導電性基板が空隙部を介して平面的にn個(nは2以上の整数)配列されたセパレータ部材と、単位導電性基板の配列位置に対応したn個の開口を有し上記セパレータ部材を挟持するように一体化された一対の絶縁性枠体と、を備えた燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータとし、このらの一方は、n個の単位導電性基板のうち、一方の端部から連続(n−1)個の単位導電性基板が、隣接する単位導電性基板方向に張り出している張出部材を隅部に有し、他方の端部から連続(n−1)個の単位導電性基板が、隣接する単位導電性基板の張出部材との間に空隙部を残すように切欠き部位を隅部に有するものとした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池に関し、特に、平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータと、このセパレータを用いた高分子電解質型燃料電池に関する。
燃料電池は、簡単には、外部より燃料(還元剤)と酸素または空気(酸化剤)を連続的に供給し、電気化学的に反応させて電気エネルギーを取り出す装置で、その作動温度、使用燃料の種類、用途などで分類される。また、最近では、主に使用される電解質の種類によって、大きく、固体酸化物型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、りん酸型燃料電池、高分子電解質型燃料電池、アルカリ水溶液型燃料電池の5種類に分類させるのがー般的である。
これらの燃料電池は、メタン等から生成された水素ガスを燃料とするものであるが、最近では、燃料としてメタノール水溶液をダイレクトに用いるダイレクトメタノール型燃料電池(以下、DMFCとも言う)も知られている。
なかでも、固体高分子膜を2種類の電極で挟み込み、更に、これらの部材をセパレータで挟んだ構成の固体高分子型燃料電池(以下、PEFCとも言う)が注目されている。
このPEFCにおいては、固体高分子膜の両側に、それぞれ、電極を配置した単位セルを複数個積層し、その起電力を目的に応じて大きくした、スタック構造のものが一般的である。単位セル間に配設されるセパレータは、一般に、そのー方の側面に、隣接するー方の単位セルに燃料ガスを供給するための燃料ガス供給用溝が形成されている。このようなセパレータでは、セパレータ面に沿って、燃料ガス、酸化剤ガスが供給される。
PEFCのセパレータとしては、グラファイト板を削り出して溝加工を施したセパレータ、樹脂にカーボンを練り込んだカーボンコンパウンドのモールド性セパレータ、エッチングなどで溝加工を施した金属製セパレータ、金属材料の表面部を耐食性の樹脂で覆ったセパレータ等が知られている。これらのセパレータは、いずれも必要に応じて、燃料ガス供給用溝、及び/または、酸化剤ガス供給用溝が形成されている。
このスタック構造の燃料電池の他に、例えば、携帯端末用の燃料電池等のように、起電力をそれほど必要としないで、平面型で、できるだけ薄い事が要求される場合もある。しかし、平面状に単位セルを複数配列させ、これらを電気的に直列に接続する平面型の場合には、燃料及び酸素の供給が場所により不均一となるという問題もあった。
そこで、この燃料供給の不均一性を改善するために、膜電極複合体(MEA)に接しているセパレータの面に対して、垂直方向に多数の貫通孔を形成し、この貫通孔から燃料及び酸素を供給する構造のセパレータが考えられている(特許文献1)。
尚、ここでは、燃料電池の燃料供給側セパレータと酸素供給側のセパレータとの間に位置する電極部を含む複合体、例えば、順に、集電体層、燃料電極、高分子電解質、酸素極、集電体層が積層されてなる膜等のような複合体を、膜電極複合体(MEA)と言う。
特開2003−203647号公報
しかしながら、上記のような構造のセパレータを、例えば、金属材料のみで形成した場合、強度を考慮してセパレータの厚みを厚くする必要があり、燃料電池の軽量化が困難となる。また、金属材料に軽量絶縁材料を接合することにより、強度と軽量化を兼ね備えたセパレータも可能であるが、単位セル間を電気的に直列に接続するための配線形成が困難であったり、工程が複雑であり、また、セパレータの厚みの低減にも限界があった。
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、軽量であり、かつ、単位セル間を電気的に直列に接続することが容易なセパレータと、このセパレータを使用した軽量、薄型の高分子電解質型燃料電池を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明は、単位セルを平面的に配列した平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータにおいて、複数の貫通孔を有する単位導電性基板が空隙部を介して平面的にn個(nは2以上の整数)配列されたセパレータ部材と、前記単位導電性基板の配列位置に対応したn個の開口を有し前記セパレータ部材を挟持するように一体化された一対の絶縁性枠体と、を備えた燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータからなり、燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータの一方は、前記セパレータ部材を構成するn個の単位導電性基板のうち、配列方向の一方の端部の1番目から(n−1)番目までの単位導電性基板が、隣接する単位導電性基板方向に張り出している張出部材を隅部に有し、配列方向の他方の端部の1番目から(n−1)番目までの単位導電性基板が、隣接する単位導電性基板の前記張出部材に対応し、かつ、前記張出部材との間に空隙部が形成される形状の切欠き部位を隅部に有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記張出部材は、単位導電性基板の配列方向と略直交する方向に接続用突出部が突設されているような構成とした。
本発明の他の態様として、燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータのうち前記張出部材を備えていないセパレータを構成する一対の絶縁性枠体の一方は、(n−1)個の接続用開口部を各単位導電性基板の配列位置に対応して備え、該接続用開口部には前記単位導電性基板が露出しているような構成とした。
本発明の他の態様として、一対の前記絶縁性枠体のうち、一方の絶縁性枠体を前記開口が存在しない絶縁性基板とする構成とした。
本発明の他の態様として、前記張出部材は、単位導電性基板の配列方向と略直交する方向に接続用突出部が突設されているような構成とした。
本発明の他の態様として、燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータのうち前記張出部材を備えていないセパレータを構成する絶縁基板は、(n−1)個の接続用開口部を各単位導電性基板の配列位置に対応して備え、該接続用開口部には前記単位導電性基板が露出しているような構成とした。
また、本発明の他の態様として、上記の燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータのうち前記張出部材を備えているセパレータを構成するセパレータ部材は、n個の単位導電性基板のうち、配列方向の端部に位置し、かつ、前記張出部材を有しておらず、前記切欠き部位を有している単位導電性基板に電極端子を備えているような構成とした。
さらに、本発明の他の態様として、前記単位導電性基板は、貫通孔に連通する溝部を一方の面に有するような構成とした。
本発明は、単位セルを平面的に配列した平面型の高分子電解質型燃料電池において、n個(nは2以上の整数)の燃料電池の膜電極複合体(MEA)と、該電極複合体(MEA)を介して対向一体化された一組のセパレータとを有し、該セパレータは請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータであり、前記開口を有する面が対向するとともに、該対向面の開口に前記膜電極複合体(MEA)が嵌め込まれてn個の単位セルが平面的に配列され、(n−1)個の各単位セルを構成する一方のセパレータの単位導電性基板の張出部材と、隣接する(n−1)個の各単位セルを構成する他方のセパレータの単位導電性基板とを接続する接続部材を備え、n個の単位セルが電気的に直列に接続されているような構成とした。
本発明の他の態様として、前記接続部材が前記接続用突出部であるような構成とした。
本発明の他の態様として、一方のセパレータの前記接続用突出部の先端部が、他方のセパレータの外側に位置する前記接続用開口部内に露出している単位導電性基板に接続されているような構成とした。
本発明のセパレータは、複雑な配線形成が不要で、かつ、強度と軽量化を兼ね備えたものであり、燃料電池の膜電極複合体(MEA)を介して本発明の燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータを対向一体化したときに、1つの単位セルを構成する一方のセパレータの単位導電性基板の張出部材が、隣接する単位セル領域内に張り出して、他方のセパレータの単位導電性基板と膜電極複合体(MEA)を介して対向することになり、この対向する張出部材と単位導電性基板とを接続部材により接続することにより、簡便にn個の単位セルを電気的に直列に接続することが可能であり、得られた本発明の燃料電池は、軽量で薄型であるという効果が奏される。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
セパレータ
図1は本発明の平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータの一実施形態を示す斜視図であり、図2は図1に示される一方のセパレータを構成する各部材を離間させた状態を示す斜視図であり、図3は図1に示される他方のセパレータを構成する各部材を離間させた状態を示す斜視図である。図1〜図3において、本発明の平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータ11,51は、燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータであり、何れが燃料供給側セパレータ、酸素供給側セパレータであってもよい。ここでは、仮に、セパレータ11を燃料供給側セパレータ、セパレータ51を酸素供給側セパレータとして説明を進める。
燃料供給側セパレータ11は、複数の貫通孔27を有する長方形状の単位導電性基板22A,22B,22Cが空隙部26を介して平面的に3個配列されたセパレータ部材22と、このセパレータ部材22を挟持するように一体化された一対の絶縁性枠体32,42と、を備えたものである。絶縁性枠体32,42は、それぞれ単位導電性基板22A,22B,22Cの配列位置に対応した3個の開口33,43を有している。そして、各開口33,43には、複数の貫通孔27が形成された単位導電性基板22A,22B,22Cが露出した構造となっている。
また、酸素供給側セパレータ51も、複数の貫通孔67を有する長方形状の単位導電性基板62A,62B,62Cが空隙部66を介して平面的に3個配列されたセパレータ部材62と、このセパレータ部材62を挟持するように一体化された一対の絶縁性枠体72,82と、を備えたものである。各絶縁性枠体72,82は、それそれ単位導電性基板62A,62B,62Cの配列位置に対応した3個の開口73,83を有している。そして、各開口73,83には、複数の貫通孔67が形成された単位導電性基板62A,62B,62Cが露出した構造となっている。
上記の燃料供給側セパレータ11では、セパレータ部材22を構成する長方形状の3個の単位導電性基板のうち、配列方向の一方の端部(図面左側)の1番目から2番目までの単位導電性基板22C,22Bが、隣接する単位導電性基板(22B,22A)方向に張り出している張出部材24を隅部に有している。また、配列方向の他方の端部(図面右側)の1番目から2番目までの単位導電性基板22A,22Bが、隣接する単位導電性基板(22B,22C)の張出部材25との間に空隙部26を残すように、かつ、張出部材25に対応する形状の切欠き部位25を隅部に有している。
また、酸素供給側セパレータ51を構成する単位導電性基板62A,62B,62Cは、上記の張出部材24、切欠き部位25が形成されていない点を除いて、単位導電性基板22A,22B,22Cと同等の形状であり、同等の大きさの空隙部26を介して配列されセパレータ部材62を構成している。
上記の燃料供給側セパレータ11を構成するセパレータ部材22は、3個の単位導電性基板22A,22B,22Cのうち、配列方向の端部に位置し、かつ、張出部材24を有しておらず、切欠き部位25を有している単位導電性基板22Aに電極端子23を備えている。一方、酸素供給側セパレータ51を構成するセパレータ部材62は、3個の単位導電性基板62A,62B,62Cのうち、配列方向の端部に位置する単位導電性基板62Cに電極端子63を備えている。
セパレータ部材22を構成する単位導電性基板22A,22B,22C、および、セパレータ部材62を構成する単位導電性基板62A,62B,62Cに使用する導電性の材料としては、電気導電性が良く、所定の強度が得られ、加工性の良いものが好ましく、ステンレス、冷間圧延鋼板、アルミニウム等が挙げられる。
また、単位導電性基板は、少なくとも燃料電池の電解質側となる表面部に耐食性(耐酸性)、電気導電性の樹脂層からなる保護層を備えていてもよい。このような保護層の形成方法としては、樹脂にカーボン粒子、耐食性の金属等の導電材を混ぜた材料を用いて電着により膜を形成し、加熱硬化する方法、あるいは、導電性高分子からなる樹脂に導電性を高めるドーパントを含んだ状態の膜を電解重合により形成する方法等が挙げられる。
また、単位導電性基板の表面に金めっき等のめっき処理を施して、導電性を損なうことなく、耐食性金属層を設けてもよい。さらに、このような耐食性金属層上に、耐酸性かつ電気導電性を有する保護層を配設してもよい。
各単位導電性基板22A,22B,22C,62A,62B,62Cは、機械加工、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチング加工により、所定の形状に加工したものであり、張出部材24、切欠き部位25、燃料供給用ないし酸素供給用の貫通孔27,67を、これらの方法により形成したものである。
燃料供給側セパレータ11を構成する一対の絶縁性枠体32,42、および、酸素供給側セパレータ51を構成する一対の絶縁性枠体72,82の材質としては、絶縁性で、加工性が良く、軽く、機械的強度が大きいものが好ましい。このような材料としては、プリント配線基板用の基板材料等が用いられ、例えば、ガラスエポキシ、ポリイミド等が挙げられる。所望の形状を有する絶縁性枠体32,42,72,82の形成は、機械加工、レーザ加工等により行なうことができる。
燃料供給側セパレータ11および酸素供給側セパレータ51は、個別に作製されたセパレータ部材22と絶縁性枠体32,42とを、また、個別に作製されたセパレータ部材62と絶縁性枠体72,82とを、位置合せしながら固着して作製する方法が挙げられる。図4は、燃料供給側セパレータ11の作製に使用するセパレータ部材22の一例を示す図である。図4において、セパレータ部材22は、複数の貫通孔27を有する3個の単位導電性基板22A,22B,22Cが空隙部26を介して平面的に配列されるように、各単位導電性基板22A,22B,22Cが外枠体21に複数のリブ21aを介して支持されている。このような部材に絶縁性枠体32,42を、位置合せしながら固着し、その後、リブ21aを切断して外枠体21を除去することにより、燃料供給側セパレータ11を作製することができる。酸素供給側セパレータ51の作製も同様である。
上記の各部材の固着は、例えば、エポキシ樹脂などの接着剤を塗布し、各部材を重ね合わせた状態で、接着剤を硬化させ固定する方法等がある。この場合に用いられる接着剤は、その製造のプロセスにおいて他の部材に影響を及ぼさず、かつ、燃料電池に使用された際、その動作条件に対する耐性が優れたものであれば、特に限定はされない。
また、絶縁性枠体32,42,72,82の一部あるいは全部を半硬化状態であるプリプレグにて形成し、セパレータ部材22,62に圧着して、固定する方法もある。
上述の本発明のセパレータ(燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータ)は、複雑な配線が存在せず、強度と軽量化を兼ね備えたものであり、後述する平面型の高分子電解質型燃料電池に供される場合において、上記の張出部材24を用いて接続することにより、簡便に複数の単位セルを電気的に直列に接続することが可能である。
尚、図1〜図4に示す燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータは、単位導電性基板を3個配列したセパレータであるが、2個、あるいは4個以上の単位導電性基板を備えたものも同様である。
また、燃料供給側セパレータ11の各単位導電性基板22A,22B,22C間に存在する空隙部26、および、酸素供給側セパレータ51の各単位導電性基板62A,62B,62C間に存在する空隙部66には、絶縁性材料、例えば、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂などの接着剤が充填され存在するものであってもよい。
高分子電解質型燃料電池
次に、上述の燃料供給側セパレータ11および酸素供給側セパレータ51を用いた平面型の高分子電解質型燃料電池について説明する。
図5は本発明の平面型の高分子電解質型燃料電池の一例を示す斜視図であり、図6は図5に示される高分子電解質型燃料電池のI−I線における断面図である。図5および図6において、平面型の高分子電解質型燃料電池1は、図1にも示されるように、3個の燃料電池の膜電極複合体(MEA)90を介して燃料供給側セパレータ11および酸素供給側セパレータ51を対向一体化したものである。すなわち、燃料供給側セパレータ11の枠体42側と、酸素供給側セパレータ51の枠体72側とを、膜電極複合体(MEA)90を介して対向させ、かつ、枠体42の開口43と枠体72の開口73に膜電極複合体(MEA)90が嵌め込まれて3個の単位セル1A,1B,1Cが平面的に配列されたものである。
この高分子電解質型燃料電池1では、燃料供給側セパレータ11を構成する連続した2個の単位導電性基板22C,22Bの隅部から隣接する単位導電性基板22B,22A方向に張り出した張出部材24,24が、隣接する単位導電性基板22B,22Aの隅部の切欠き部位25,25に、空隙部26を残すように位置している。一方、膜電極複合体(MEA)90を介して対向する酸素供給側セパレータ51では、張出部材24、切欠き部位25が形成されていない点を除いて、単位導電性基板22A,22B,22Cと同等の形状の単位導電性基板62A,62B,62Cが、空隙部26と同等の大きさの空隙部66を介して配列されてセパレータ部材62を構成している。したがって、各単位セル1A,1B,1Cでは、それぞれ、単位導電性基板22Aと62A、単位導電性基板22Bと62B、単位導電性基板22Cと62Cが、膜電極複合体(MEA)90を介して対向していおり、単位セル1Cを構成している単位導電性基板22Cの張出部材24が、隣接する単位セル1Bの領域内に張り出し、また、単位セル1Bを構成している単位導電性基板22Bの張出部材24が、隣接する単位セル1Aの領域内に張り出している。そして、単位セル1Cを構成する燃料供給側セパレータ11の単位導電性基板22Cの張出部材24は、隣接する単位セル1Bを構成する酸素供給側セパレータ51の単位導電性基板62Bと接続部材7により接続されている。また、単位セル1Bを構成する燃料供給側セパレータ11の単位導電性基板22Bの張出部材24は、隣接する単位セル1Aを構成する酸素供給側セパレータ51の単位導電性基板62Aと接続部材7により接続されている。
これにより、燃料供給側セパレータ11の電極端子23→単位セル1A[単位導電性基板22A/膜電極複合体(MEA)90/単位導電性基板62A]→接続部材7→単位セル1B[単位導電性基板22B/膜電極複合体(MEA)90/単位導電性基板62B]→接続部材7→単位セル1C[単位導電性基板22C/膜電極複合体(MEA)90/単位導電性基板62C]→酸素供給側セパレータ51の電極端子63、のように3個の単位セル1A,1B,1Cが電気的に直列に接続されたものとなっている。
また、膜電極複合体(MEA)90を挟持している燃料供給側セパレータ11、酸素供給側セパレータ51は、各単位セル1A,1B,1Cを絶縁しているだけではなく、同時に、セル内部の燃料、水等が燃料供給面以外からセル外部に出ることを防ぐシール材としての機能も有している。
膜電極複合体(MEA)90を挟持するように燃料供給側セパレータ11、酸素供給側セパレータ51を一体化する方法としては、エポキシ樹脂等の絶縁性の接着剤により各部材を接合する方法、燃料供給側セパレータ11の枠体42と、酸素供給側セパレータ51の枠体72の一部または全部をプリプレグのような半硬化状態の樹脂とし、各部材を重ね合わせてから一括して熱圧着する方法、各部材を重ね合わせ外部から固定部材を用いて機械的に保持する方法等が挙げられる。
また、3個の単位セル1A,1B,1Cを電気的に直列に接続するための接続部材7は、単位導電性基板に使用可能な材料として上記で挙げた材料により形成することができる。また、接続部材7と単位導電性基板(張出部材)との接合は、ボルトナット、ネジ、銀ペーストのような導電性ペースト等を用いて行うことができる。
このような本発明の平面型の高分子電解質型燃料電池1は、複数の単位セルが張出部材を用いて接続部材により電気的に直列に接続された軽量で薄型の高分子電解質型燃料電池である。
[第2の実施形態]
セパレータ
図7は本発明の平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータの他の実施形態を示す斜視図であり、図8は図7に示される一方のセパレータを構成する各部材を離間させた状態を示す斜視図であり、図9は図7に示される他方のセパレータを構成する各部材を離間させた状態を示す斜視図である。図7〜図9において、本発明の平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータ111,151は、燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータであり、何れが燃料供給側セパレータ、酸素供給側セパレータであってもよい。ここでは、仮に、セパレータ111を燃料供給側セパレータ、セパレータ151を酸素供給側セパレータとして説明を進める。
燃料供給側セパレータ111は、後述するような接続用突出部(128)と、一体化用貫通孔(129A,129B,129C,134A,134B,134C,144A,144B,144C)を備える他は、上述の実施形態の燃料供給側セパレータ11と同じである。すなわち、複数の貫通孔127を有する長方形状の単位導電性基板122A,122B,122Cが空隙部126を介して平面的に3個配列されたセパレータ部材122と、このセパレータ部材122を挟持するように一体化された一対の絶縁性枠体132,142と、を備えたものである。上記の絶縁性枠体132,142は、それぞれ単位導電性基板122A,122B,122Cの配列位置に対応した3個の開口133,143を有している。そして、各開口133,143には、複数の貫通孔127が形成された単位導電性基板122A,122B,122Cが露出した構造となっている。
また、酸素供給側セパレータ151は、後述するような一体化用貫通孔(169A,169B,169C,174A,174B,174C,184C)や接続用開口部(185A,185B)を備える他は、上述の実施形態の燃料供給側セパレータ11と同じである。すなわち、複数の貫通孔167を有する長方形状の単位導電性基板162A,162B,162Cが空隙部166を介して平面的に3個配列されたセパレータ部材162と、このセパレータ部材162を挟持するように一体化された一対の絶縁性枠体172,182と、を備えたものである。絶縁性枠体172,182は、それぞれ単位導電性基板162A,162B,162Cの配列位置に対応した3個の開口173,183を有している。そして、各開口173,183には、複数の貫通孔167が形成された単位導電性基板162A,162B,162Cが露出した構造となっている。
上記の燃料供給側セパレータ111では、セパレータ部材122を構成する長方形状の3個の単位導電性基板のうち、配列方向の一方の端部(図面左側)の1番目から2番目までの単位導電性基板122C,122Bが、隣接する単位導電性基板(122B,122A)方向に張り出している張出部材124を隅部に有している。また、配列方向の他方の端部(図面右側)の1番目から2番目までの単位導電性基板122A,122Bが、隣接する単位導電性基板(122B,122C)の張出部材124との間に空隙部126を残し、かつ、張出部材124の形状に対応するような形状の切欠き部位125を隅部に有している。
さらに、張出部材124は接続用突出部128を備えている。この接続用突出部128は、3個の単位導電性基板が配列する方向と略直交する方向に、張出部材124から突出したアーム部128aと、このアーム部128aの先端に設けられた端子部128bと、この端子部128bの中央に設けられた孔部128cとを備えている。
また、各単位導電性基板122A,122B,122Cには、一体化用貫通孔129A,129B,129Cが設けられている。一体化用貫通孔129A,129Bは、上記の接続用突出部128のアーム部128aの軸方向の延長線上に位置している。また、一体化用貫通孔129Cは、上記の一体化用貫通孔129A,129Bと同じ配列方向、ピッチとなるように単位導電性基板122Cに形成されている。
また、酸素供給側セパレータ151を構成する単位導電性基板162A,162B,162Cは、上記の張出部材124、切欠き部位125、接続用突出部128が形成されていない点を除いて、単位導電性基板122A,122B,122Cと同等の形状であり、同等の大きさの空隙部126を介して配列されセパレータ部材162を構成している。また、単位導電性基板162A,162B,162Cにも、一体化用貫通孔129A,129B,129Cに対応する位置に、一体化用貫通孔169A,169B,169Cが設けられている。
また、燃料供給側セパレータ111を構成するセパレータ部材122は、3個の単位導電性基板122A,122B,122Cのうち、配列方向の端部に位置し、かつ、張出部材124を有しておらず、切欠き部位125を有している単位導電性基板122Aに電極端子123を備えている。一方、酸素供給側セパレータ151を構成するセパレータ部材162は、3個の単位導電性基板162A,162B,162Cのうち、配列方向の端部に位置する単位導電性基板162Cに電極端子163を備えている。
燃料供給側セパレータ111を構成する一対の絶縁性枠体132,142は、上述のように開口133,143を備えるとともに、一体化用貫通孔134A,134B,134C、一体化用貫通孔144A,144B,144Cを、セパレータ部材122の一体化用貫通孔129A,129B,129Cに対応する位置に備えている。
また、酸素供給側セパレータ151を構成する絶縁性枠体172は、上述のように開口173を備えるとともに、一体化用貫通孔174A,174B,174Cを、セパレータ部材162の一体化用貫通孔169A,169B,169Cに対応する位置に備えている。さらに、酸素供給側セパレータ151を構成する絶縁性枠体182は、上述のように開口183を備えるとともに、接続用開口部185A,185Bと一体化用貫通孔184C、を、セパレータ部材162の一体化用貫通孔169A,169B,169Cに対応する位置に備えている。上記の接続用開口部185A,185Bは、上述の接続用突出部128の端子部128bに対応した形状となっている。
セパレータ部材122,162を構成する単位導電性基板122A,122B,122C,162A,162B,162Cに使用する導電性の材料としては、上述の実施形態で記載した材料を挙げることができる。また、単位導電性基板は、少なくとも燃料電池の電解質側となる表面部に耐食性(耐酸性)、電気導電性の樹脂層からなる保護層を備えていてもよく、このような保護層は、上述の実施形態と同様の方法で形成することができる。
また、各単位導電性基板122A,122B,122C,162A,162B,162Cは、上述の実施形態で挙げた加工方法により加工したものである。
燃料供給側セパレータ111を構成する一対の絶縁性枠体132,142、および、酸素供給側セパレータ151を構成する一対の絶縁性枠体172,182の材質としては、上述の実施形態で絶縁性枠体用として挙げたものを使用することができ、同様の加工方法を用いて加工したものである。
個別に作製されたセパレータ部材122と絶縁性枠体132,142とから燃料供給側セパレータ111を作製する方法、個別に作製されたセパレータ部材162と絶縁性枠体172,182とから酸素供給側セパレータ151を作製する方法は、上述の実施形態と同様とすることができる。また、セパレータ部材を、図4に示されるようなリブを介して外枠体に支持されたものとして、セパレータの作製に供することができる。
上述の本発明のセパレータ(燃料供給側セパレータ111および酸素供給側セパレータ151)は、複雑な配線が存在せず、強度と軽量化を兼ね備えたものであり、後述する平面型の高分子電解質型燃料電池に供される場合において、上記の張出部材124と接続用突出部128を用いて接続することにより、簡便に複数の単位セルを電気的に直列に接続することが可能である。
また、燃料供給側セパレータ111では、セパレータ部材122の一体化用貫通孔129A,129B,129Cと、絶縁性枠体132の一体化用貫通孔134A,134B,134Cと、絶縁性枠体142の一体化用貫通孔144A、144B,144Cが、それぞれ同軸上に位置している。また、酸素供給側セパレータ151では、セパレータ部材162の一体化用貫通孔169A,169B,169Cと、絶縁性枠体172の一体化用貫通孔174A,174B,174Cと、絶縁性枠体182の接続用開口部185A,185B、一体化用貫通孔184Cが、それぞれ同軸上に位置している。そして、絶縁性枠体182の接続用開口部185A,185B内には、単位導電性基板162A,162Bが、一体化用貫通孔169A,169Bとともに露出している。
尚、図7〜図9に示す燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータは、単位導電性基板を3個配列したセパレータであるが、2個、あるいは4個以上の単位導電性基板を備えたものも同様である。
また、燃料供給側セパレータ111の各単位導電性基板122A,122B,122C間に存在する空隙部126、および、酸素供給側セパレータ151の各単位導電性基板162A,162B,162C間に存在する空隙部166には、絶縁性材料、例えば、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂などの接着剤が充填され存在するものであってもよい。
高分子電解質型燃料電池
次に、上述の燃料供給側セパレータ111および酸素供給側セパレータ151を用いた平面型の高分子電解質型燃料電池について説明する。
図10は本発明の平面型の高分子電解質型燃料電池の他の例を示す斜視図である。図10において、平面型の高分子電解質型燃料電池101は、図7にも示されるように、3個の燃料電池の膜電極複合体(MEA)190を介して燃料供給側セパレータ111および酸素供給側セパレータ151を対向一体化したものである。すなわち、燃料供給側セパレータ111の枠体142側と、酸素供給側セパレータ151の枠体172側とを、膜電極複合体(MEA)190を介して対向させ、かつ、枠体142の開口143と枠体172の開口173に膜電極複合体(MEA)190が嵌め込まれて3個の単位セル101A,101B,101Cが平面的に配列されたものである。
この高分子電解質型燃料電池101では、燃料供給側セパレータ111を構成する連続した2個の単位導電性基板122C,122Bの隅部から隣接する単位導電性基板122B,122A方向に張り出した張出部材124,124が、隣接する単位導電性基板122B,122Aの隅部の切欠き部位125,125に、空隙部126を残すように位置している。一方、膜電極複合体(MEA)190を介して対向する酸素供給側セパレータ151では、張出部材124、切欠き部位125が形成されていない点を除いて、単位導電性基板122A,122B,122Cと同等の形状の単位導電性基板162A,162B,162Cが、空隙部126と同等の大きさの空隙部166を介して配列されてセパレータ部材162を構成している。したがって、各単位セル101A,101B,101Cでは、それぞれ、単位導電性基板122Aと162A、単位導電性基板122Bと162B、単位導電性基板122Cと162Cが、膜電極複合体(MEA)190を介して対向している。また、単位セル101Cを構成している単位導電性基板122Cの張出部材124が、隣接する単位セル101Bの領域内に張り出し、単位セル101Bを構成している単位導電性基板122Bの張出部材124が、隣接する単位セル101Aの領域内に張り出している。
そして、単位セル101Cを構成する燃料供給側セパレータ111の単位導電性基板122Cの張出部材124は、接続用突出部128のアーム部128aが酸素供給側セパレータ151方向に折り曲げられて、先端の端子部128bが、酸素供給側セパレータ151を構成する絶縁性枠体182の接続用開口部185Bに挿入され、単位セル101Bを構成する酸素供給側セパレータ151の単位導電性基板162Bに接続されている。また、単位セル101Bを構成する燃料供給側セパレータ111の単位導電性基板122Bの張出部材124は、接続用突出部128のアーム部128aが酸素供給側セパレータ151方向に折り曲げられて、先端の端子部128bが、酸素供給側セパレータ151を構成する絶縁性枠体182の接続用開口部185Aに挿入され、単位セル101Aを構成する酸素供給側セパレータ151の単位導電性基板162Aに接続されている。
これにより、燃料供給側セパレータ111の電極端子123→単位セル101A[単位導電性基板122A/膜電極複合体(MEA)190/単位導電性基板162A]→接続用突出部128→単位セル101B[単位導電性基板122B/膜電極複合体(MEA)190/単位導電性基板162B]→接続用突出部128→単位セル101C[単位導電性基板122C/膜電極複合体(MEA)190/単位導電性基板162C]→酸素供給側セパレータ151の電極端子163、のように3個の単位セル101A,101B,101Cが電気的に直列に接続されたものとなっている。
この高分子電解質型燃料電池101では、燃料供給側セパレータ111が有する3個の一体化貫通孔と、酸素供給側セパレータ151が有する3個の一体化貫通孔(内2個は一体化用貫通孔と接続用開口部とからなる)とが、それぞれ同軸上に位置している。したがって、例えば、図示しない絶縁性のボルトを、酸素供給側セパレータ151の接続用開口部185A,185B内に挿入されている接続用突出部128の端子部128bの孔部128cから差し込み、燃料供給側セパレータ111側の一体化用貫通孔134A,134Bから突き出した先端部に絶縁性のナットを螺合することができる。また、図示しない絶縁性のボルトを、酸素供給側セパレータ151の一体化用貫通孔184Cから差し込み、燃料供給側セパレータ111側の一体化用貫通孔134Cから突き出した先端部に絶縁性のナットを螺合することできる。これにより3個の単位セル101A,101B,101Cの電気的直列接続と、膜電極複合体(MEA)190を挟持した燃料供給側セパレータ111、酸素供給側セパレータ151の一体化が同時に可能となる。
尚、上記の絶縁性のボルト・ナットは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、各種プラスチック、金属製ボルトに絶縁物を被覆したもの、等を用いて作製したものを使用することができる。
また、膜電極複合体(MEA)190を挟持している燃料供給側セパレータ111、酸素供給側セパレータ151は、各単位セル101A,101B,101Cを絶縁しているだけではなく、同時に、セル内部の燃料、水等が燃料供給面以外からセル外部に出ることを防ぐシール材としての機能も有している。
膜電極複合体(MEA)190を挟持するように燃料供給側セパレータ111、酸素供給側セパレータ151を一体化する方法としては、上述の高分子電解質型燃料電池の実施形態で説明したような方法を用いることができる。また、上記の一体化用貫通孔の加えて、複数の一体化用貫通孔を設け、これらを用いて一体化してもよい。この場合においても、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂等の絶縁性の接着剤を使用してもよい。
このような本発明の平面型の高分子電解質型燃料電池1は、複数の単位セルが張出部材と接続用突出部により電気的に直列に接続された軽量で薄型の高分子電解質型燃料電池である。
上述の本発明の高分子電解質型燃料電池用のセパレータ、平面型の高分子電解質型燃料電池の実施形態は例示であり、これらに限定されるものではない。
例えば、セパレータを構成する単位導電性基板が、貫通孔に連通する溝部を一方の面に有するような構造であってもよい。図11は、上述のセパレータ部材22を例として、溝部を説明するための図であり、図12は図11に示されるセパレータ部材のII−II線における断面図である。図11および図12に示されるように、セパレータ部材22は、複数の貫通孔27を有する長方形状の単位導電性基板22A,22B,22Cが空隙部26を介して平面的に3個配列されている。そして、各単位導電性基板22A,22B,22Cの一方の面には、貫通孔27に対して直交するように溝部28が形成されている。この溝部28は、例えば、ハーフエッチングにて形成されたものである。この場合、燃料ないし酸素の供給は、単位導電性基板22A,22B,22Cの配列方向に直交する方向から、すなわち燃料供給溝ないし酸素供給溝28aから供給が行われる。
また、上述の本発明の平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータでは、単位導電性基板を挟持するように一体化された一対の絶縁性枠体は、単位導電性基板の個数に対応した数の開口を備えるものであるが、本発明では、開口を有していない絶縁性基板を一方の絶縁性枠体の代わりに使用することもできる。図13は、このような絶縁性基板を使用したセパレータを説明するための、上述のセパレータ11を例とした図2相当の図面である。図13に示されるように、複数の貫通孔27を有する長方形状の単位導電性基板22A,22B,22Cが空隙部26を介して平面的に3個配列されたセパレータ部材22を、絶縁性基板31と、単位導電性基板22A,22B,22Cの配列位置に対応した3個の開口43を有する絶縁性枠体42とで挟持するように一体化してセパレータを作製することができる。このセパレータでは、絶縁性枠体42の各開口43に、複数の貫通孔27が形成された単位導電性基板22A,22B,22Cが露出した構造となっている。
そして、このようなセパレータを用いて平面型の高分子電解質型燃料電池を作製する場合、絶縁性枠体42の開口43に膜電極複合体(MEA)90を嵌め込むように一体化し、絶縁性基板31には、燃料供給用ないし酸素供給用の開口を形成する加工がなされる。セパレータを上記の絶縁性基板31を使用したセパレータとすることにより、燃料供給用ないし酸素供給用の開口を形成するまでの高分子電解質型燃料電池の作製工程のおいて、異物混入等が防止され、取り扱いが容易なものとなる。上記の絶縁性基板31は、上述の絶縁性枠体32,42と同様の材料からなる板材を使用することができる。
上述のような絶縁性基板は、開口を設けない他は絶縁性枠体と同様とすることができ、特に制限はなく、例えば、上記の実施形態ような一体化用貫通孔を形成してもよい。
本発明のセパレータは平面型の高分子電解質型燃料電池に使用することができ、本発明の平面型の高分子電解質型燃料電池は、軽量で薄型のダイレクトメタノール型燃料電池を実現できる。
本発明の平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータの一実施形態を示す斜視図である。 図1に示される一方のセパレータを構成する各部材を離間させた状態を示す斜視図である。 図1に示される他方のセパレータを構成する各部材を離間させた状態を示す斜視図である。 セパレータの作製に使用するセパレータ部材の一例を示す図である。 本発明の平面型の高分子電解質型燃料電池の一例を示す斜視図である。 図5に示される高分子電解質型燃料電池のI−I線における断面図である。 本発明の平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータの他の実施形態を示す斜視図である。 図7に示される一方のセパレータを構成する各部材を離間させた状態を示す斜視図である。 図7に示される他方のセパレータを構成する各部材を離間させた状態を示す斜視図である。 本発明の平面型の高分子電解質型燃料電池の他の例を示す斜視図である。 単位導電性基板に溝部を有するセパレータ部材の例を説明するための図である。 図11に示されるセパレータ部材のII−II線における断面図である。 絶縁性基板を使用したセパレータを説明するための図2相当の図面である。
符号の説明
1…高分子電解質型燃料電池
1A,1B,1C…単位セル
7…接続部材
11,51…セパレータ
22,62…セパレータ部材
22A,22B,22C,62A,62B,62C…単位導電性基板
23,63…電極端子
24…張出部材
25…切欠き部位
26,66…空隙部
27,67…貫通孔
28…溝部
31…絶縁性基板
32,42,72,82…絶縁性枠体
33,43,73,83…開口
90…膜電極複合体(MEA)
101…高分子電解質型燃料電池
101A,101B,101C…単位セル
111,151…セパレータ
122,162…セパレータ部材
122A,122B,122C,162A,162B,162C…単位導電性基板
123,163…電極端子
124…張出部材
125…切欠き部位
126,166…空隙部
127,167…貫通孔
128…接続用突出部
128a…アーム部
128b…端子部
128c…孔部
129A,129B,129C,169A,169B,169C…一体化用貫通孔
132,142,172,182…絶縁性枠体
133,143,173,183…開口
134A,134B,134C,144A,144B,144C,174A,174B,174C,184C…一体化用貫通孔
185A,185B…接続用開口部
190…膜電極複合体(MEA)

Claims (9)

  1. 単位セルを平面的に配列した平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータにおいて、
    複数の貫通孔を有する単位導電性基板が空隙部を介して平面的にn個(nは2以上の整数)配列されたセパレータ部材と、前記単位導電性基板の配列位置に対応したn個の開口を有し前記セパレータ部材を挟持するように一体化された一対の絶縁性枠体と、を備えた燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータからなり、
    燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータの一方は、前記セパレータ部材を構成するn個の単位導電性基板のうち、配列方向の一方の端部の1番目から(n−1)番目までの単位導電性基板が、隣接する単位導電性基板方向に張り出している張出部材を隅部に有し、配列方向の他方の端部の1番目から(n−1)番目までの単位導電性基板が、隣接する単位導電性基板の前記張出部材に対応し、かつ、前記張出部材との間に空隙部が形成される形状の切欠き部位を隅部に有することを特徴とする平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータ。
  2. 前記張出部材は、単位導電性基板の配列方向と略直交する方向に接続用突出部が突設されていることを特徴とする請求項1に記載の平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータ。
  3. 燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータのうち前記張出部材を備えていないセパレータを構成する一対の絶縁性枠体の一方は、(n−1)個の接続用開口部を各単位導電性基板の配列位置に対応して備え、該接続用開口部には前記単位導電性基板が露出していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータ。
  4. 一対の前記絶縁性枠体のうち、一方の絶縁性枠体を前記開口が存在しない絶縁性基板としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータ。
  5. 燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータのうち前記張出部材を備えているセパレータを構成するセパレータ部材は、n個の単位導電性基板のうち、配列方向の端部に位置し、かつ、前記張出部材を有しておらず、前記切欠き部位を有している単位導電性基板に電極端子を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータ。
  6. 前記単位導電性基板は、貫通孔に連通する溝部を一方の面に有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータ。
  7. 単位セルを平面的に配列した平面型の高分子電解質型燃料電池において、
    n個(nは2以上の整数)の燃料電池の膜電極複合体(MEA)と、該電極複合体(MEA)を介して対向一体化された一組のセパレータとを有し、該セパレータは請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータであり、前記開口を有する面が対向するとともに、該対向面の開口に前記膜電極複合体(MEA)が嵌め込まれてn個の単位セルが平面的に配列され、
    (n−1)個の各単位セルを構成する一方のセパレータの単位導電性基板の張出部材と、隣接する(n−1)個の各単位セルを構成する他方のセパレータの単位導電性基板とを接続する接続部材を備え、n個の単位セルが電気的に直列に接続されていることを特徴とする平面型の高分子電解質型燃料電池。
  8. 前記接続部材が前記接続用突出部であることを特徴とする請求項7に記載の平面型の高分子電解質型燃料電池。
  9. 一方のセパレータの前記接続用突出部の先端部が、他方のセパレータの外側に位置する前記接続用開口部内に露出している単位導電性基板に接続されていることを特徴とする請求項8に記載の平面型の高分子電解質型燃料電池。
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