JP2005099680A - 映像表示システム - Google Patents

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敏和 服部
Takashi Kuwabara
崇 桑原
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Abstract

【課題】映像表示位置の変動を抑えて視聴の快適性を向上した映像表示システムを提供する。
【解決手段】映像光を投射する投射機1100と、映像光を受けて映像を映し出すスクリーン部1150とを備え、スクリーン部1150、受けた映像光を検出する第1及び第2の光検出部1161,1162を備え、投射機100は、第1及び第2の光検出部1161,1162の光検出結果に基づいて、映像の表示位置の変位を特定し、その変位を抑えるように映像光の出力形態を制御する制御部1205及び調整部106を備える。
【選択図】図18

Description

本発明は、静止画像や動画像などを表示する例えばプロジェクタなどの映像表示システムに関し、特に、車載用の映像表示システムに関する。
近年、DVD(Digital Versatile Disk)やCD(Compact Disc)などの多彩なメディアによる映像や音楽を、自動車のリアシートで楽しめるRSE(Rear Seat Entertainment)の普及に伴って、そのRSEでの使用を目的とする車室内用の映像表示装置(映像表示システム)の普及が進んでいる。
このような映像表示装置には2つの種類がある。その種類の1つは、装置のディスプレイに直接観視可能なように画像源を表示させる標準的な直視型であり、他の1つは、装置内に具備された比較的小さな表示体の画像源を、レンズなどの光学系処理により拡大投射することで、装置外のスクリーンに表示させる投射型である。
直視型の映像表示装置は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、又はPDP(Plasma Display Panel)などを備える。
そして、従来より、RSEを実現する直視型の映像表示装置(車載用ディスプレー装置)が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
図40は、上記直視型の映像表示装置の設置状況を説明するための説明図である。
この映像表示装置1703は、クッション1701が取り付けられた状態で、自動車の前席シート1704のヘッドレスト部1702を構成している。
そして、この映像表示装置1703は、液晶ディスプレイを具備して、その液晶ディスプレイを後方に向けた状態で設置され、クッション1701はその映像表示装置1703の前方側の面に取着されている。
後部座席に着座した同乗者は、映像表示装置1703の液晶ディスプレイに表示される映像を直視することで、その映像の鑑賞が可能となる。
一方、投射型の映像表示装置は一般にプロジェクタと呼ばれ、このプロジェクタにはさらに、例えば、装置内の表示体にCRTを用いた形式と、液晶パネルを用いた形式とがある。また、これらの形式とは異なるDLP(「テキサス インスツルメンツ インコーポレーテッド」の登録商標)方式のプロジェクタが近年提供されている。このDLP方式のプロジェクタには、可動性を有する超小型の鏡の集合体であるDMD(Digital MicromirrorDevice)が、上記表示体として内蔵されており、このDMDにランプの光が当てられると個々の鏡の反射光に応じてその表示体に画像源が形成される。つまり個々の鏡が画像源の画素を構成する。
特開平3−10476号公報
しかしながら、上記従来の直視型の映像表示装置では、ディスプレイのサイズが比較的小さく、また鑑賞者である後席乗員から映像までの距離が近く、長時間の視聴において疲労が伴うという問題がある。
一方、プロジェクタのような投射型の映像表示装置では、自動車内の任意の位置に映像を表示することが可能であり、また比較的大きな映像を映し出すことができるが、自動車内に搭載された環境においては振動が発生し易く、投射側と表示側で振動の度合いが異なるため映像の表示位置の変動が大きく、快適に鑑賞できないという問題がある。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、映像表示位置の変動を抑えて視聴の快適性を向上した映像表示システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の映像表示システムは、映像を表示する映像表示システムであって、前記映像を映し出すための映像光を出力する映像光出力手段と、前記映像光を受けることで前記映像を映し出す受像手段と、前記受像手段に映し出される映像の表示位置を検出して、前記映像の表示位置の変位を特定する変位特定手段と、前記変位特定手段により特定された変位を抑えるように前記映像光の出力形態を制御する映像光制御手段とを備えることを特徴とする。例えば、前記映像光制御手段は、前記映像光の向きを変える。また、前記映像光出力手段は、映像光を所定の方向に投射する投射機であり、前記受像手段は、前記映像光を受けて前記映像を映し出す映写幕を具備する。又は、前記映像光出力手段は、映像光を直視可能なように出力し、前記受像手段は、前記映像光を反射して前記映像を映し出す受像用反射鏡を具備する。
これにより、本システムに振動が生じて、その振動により受像手段に映し出される映像の表示位置が変動しようとしても、変位特定手段によりその表示位置の変位が特定され、映像光制御手段によりその変位を抑えるように映像光の出力形態が制御されるため、その映像表示位置の変動を抑えることができ、その結果、視聴の快適性を向上することができる。
また、前記変位特定手段は、前記受像手段に映し出される映像を撮像する撮像手段を備え、前記撮像手段による撮像結果に基づいて、前記映像の表示位置の変位を特定することを特徴としても良い。
これにより、変位特定手段は、撮像結果に基づいて前記映像の表示位置の変位を特定するため、映像表示手段と受像手段との相対的な配置関係の変動に基づく映像の表示位置の変位を適切に特定することができる。また、変位特定手段は、受像手段で受けた映像光を検出してその検出結果に応じた光検出信号を出力する光センサを備え、その光センサの光検出信号の変化から前記映像の表示位置の変位を特定しても良い。この場合にも、映像表示手段と受像手段との相対的な配置関係の変動に基づく映像の表示位置の変位を適切に特定することができる。
また、前記映像表示システムは、さらに、前記受像手段に映し出される映像の歪みを特定する歪み特定手段を備え、前記映像光制御手段は、さらに、前記歪み特定手段により特定された映像の歪みを抑えるように映像光の出力形態を制御することを特徴としても良い。例えば、前記映像光出力手段は、画像を示す内容の画像信号に基づいて前記画像を現す映像光を作成し、前記歪み特定手段は、前記受像手段が映像光を受ける受像面上の少なくとも3つの部位から前記映像光出力手段までの各距離を検出することにより、前記映像の歪みを特定し、前記映像光制御手段は、前記特定手段により特定された映像の歪みを抑えるように、前記画像信号の示す画像の形状を変形する。
これにより、例えばユーザが受像手段の向きを変えたことにより、その受像手段に映し出される映像が歪んだときにも、その歪みを抑えるように映像光の出力形態が制御されるため、ユーザは歪みのない映像を見ることができ、視聴の快適性をさらに向上することができる。
なお、本発明は、上記映像表示システムが映像を表示する方法や、映像を表示するためのプログラムとして実現することもできる。
本発明の映像表示システムは、映像表示位置の変動を抑えることができ、その結果、視聴の快適性を向上することができるという作用効果を奏する。
(実施の形態1)
以下、本発明の第1の実施の形態における映像表示システムについて図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における映像表示システムの構成を示す構成図である。
この映像表示システムは、映像表示位置の変動を抑えて視聴の快適性を向上したものであって、映像を映し出すための投射光(映像光)を投射する投射機100と、その投射光を受けることで映像を映し出すスクリーン部150とからなる。
投射機100は、画像を示す内容の画像信号を出力する画像信号出力部101と、画像信号出力部101から出力された画像信号を取得して、その画像信号に応じた投射光を出力する光出力部102と、光出力部102から出力された投射光の向きを調整する調整部106と、投射機100の振動を検出して検出信号を出力する振動検出部103と、振動検出部103から出力された検出信号に基づいて、投射機100の振動の大きさや向きを示す変位量を導出し、その変位量を示す内容の変位情報を作成して出力する情報処理部104と、変位情報を取得してその変位情報に応じた制御信号を調整部106に出力することにより調整部106を制御する制御部105とを備えている。
スクリーン部150は、投射光を受けて映像を映すための略平らな面を受像面151として有する。
振動検出部103は、例えば、カメラやカメラ一体型VTRなどでの手ぶれ補正に用いられるジャイロセンサからなる。このようなジャイロセンサは一定の方向に振動している物体が回転すると、振動方向と直交する方向に振動が発生する(コリオリのカ)という現象を利用し、角速度を検出するデバイスである(日本音響学会誌55巻7号(1999) pp.496−503参照)。また、振動検出部103から出力される検出信号は例えば電圧信号からなる。なお、振動検出部103は、電圧信号以外の電気信号を検出信号として出力しても良く、光信号や機械的な変化を検出信号として出力しても良い。
図2は、調整部106の一部を示す斜視図である。
調整部106は、光出力部102からの投射光を受けて反射する反射ミラー200と、その反射ミラー200を任意の方向に回動させるために反射ミラー200に取り付けられた取付部材205と、その取付部材205に力を加えることで反射ミラー200を回動させる回動機構(図示せず)とを具備している。
反射ミラー200は、図2に示すように略矩形平板状に形成されている。
取付部材205は、反射ミラー200の長手方向(X軸方向)に沿って反射ミラー200に取着されたX回動軸201と、そのX回動軸201を支持する環状枠体203と、反射ミラー200の短手方向(Y軸方向)に沿うように環状枠体203に取り付けられたY回動軸202と、そのY回動軸202を支持するコ字状の支持体204とを備えている。このような取付部材205に反射ミラー200が取り付けられていることにより、X回動軸201を軸周りに回せば、反射ミラー200が回動し、その反射ミラー200の反射面の向き(反射面に対して垂直な向き)を、YZ平面上の任意の方向に向けることができ、Y回動軸202を軸周りに回せば、反射ミラー200及び環状枠体203が回動して、その反射ミラー200の反射面の向きを、XZ平面上の任意の方向に向けることができる。
回動機構は、制御部105からの制御信号に応じてX回動軸201及びY回動軸202を例えば図中の矢印方向に回す。これにより、反射ミラー200の反射面が、制御部105からの制御信号に応じた方向に向けられるため、光出力部102から出力されて反射ミラー200に反射された投射光は所定の方向に向けられる。
このような回動機構は、例えば電磁コイルを具備して、その電磁コイルに電流を流すことにより生じる電磁力を用いてX回動軸201及びY回動軸202を任意の角度に回すように構成されている。つまり、回動機構は、例えば一般的なメータの指針を駆動させるような構造を有している。また、回動機構及び取付部材205は、反射ミラー200が微小回動するように構成されている。
制御部105は、情報処理部104から変位情報を取得すると、その変位情報により示される投射機100の変位量から、スクリーン部150に映し出される映像の位置の変位を推定し、その変位を抑える方向に反射ミラー200が向くように指示する内容の制御信号を調整部106の回動機構に出力する。
図3は、投射機100に振動が生じたときにおける調整部106の反射ミラー200が回動される様子を説明するための説明図である。
この図3に示すように、光出力部102から出力された投射光は、調整部106の反射ミラー200に反射されて、スクリーン部150に照射される。
ここで、投射機100に振動が生じて、投射機100が図3の実線に示す位置から点線に示す位置に移動すると、つまり図3中上方に距離hだけ移動すると、スクリーン部150に映し出される映像も図3中上方に距離hだけ移動しようとする。
ところが、本実施の形態における投射機100では、振動検出部103による上記振動の検出結果に基づいて、調整部106の反射ミラー200が図3中の矢印で示す方向に角度aだけ回動するため、スクリーン部150に映し出される映像の位置の変位を抑えることができる。
図4は、本実施の形態における映像表示システムの投射機100の一連の動作を示すフローチャートである。
まず、投射機100は自らに生じた振動を検出する(ステップS100)。そして、投射機100はその検出結果に応じて、スクリーン部150の映像位置の変位を推定して、その変位が抑えられるような反射ミラー200の回動方向及び回動角度を補正量として算出する(ステップS102)。次に、投射機100は、その補正量だけ反射ミラー200を回動する(ステップS104)。ここで投射機100は、上述のような動作の終了が指示されたか否かを判別し(ステップS106)、終了の指示があったと判別したときには(ステップS106のY)、上述の動作を終了し、終了の指示がないと判別したときには(ステップS106のN)、このようなステップS100からステップS106までの動作を繰り返し実行する。
このように本実施の形態では、投射機100が振動してもその振動結果に基づいて、スクリーン部150に映し出される映像の表示位置の変位が推定され、その変位を抑えるように調整部106の反射ミラー200が回動されて投射光の出力方向を変えるため、その表示位置の変動を低減することができ、その結果、視聴の快適性を向上することができる。
なお、本実施の形態では、調整部106を反射ミラー200及び取付部材205などで構成したが、このような構成はあくまで一例であり、投射光を任意の方向に向けることが可能であればどのような構成であっても良い。
また本実施の形態では、調整部106を投射機100内部に備えたが、調整部106を投射機100の外部に備えても良い。
(変形例1)
次に、上記本実施の形態における映像表示システムの第1の変形例について説明する。
図5は、本実施の形態の第1の変形例における映像表示システムの構成を示す構成図である。
この第1の変形例の映像表示システムは、映像を映し出すための投射光を投射する投射機300と、その投射光を受けることで映像を映し出すスクリーン部350とからなり、スクリーン部350の振動を検出する点に特徴がある。
スクリーン部350は、上記実施の形態と同様に、投射光を受けて映像を映すための略平らな面を受像面351として有するとともに、スクリーン部350の振動を検出して検出信号を出力するスクリーン振動検出部352と、スクリーン振動検出部352から出力された検出信号に基づいて、スクリーン部350の振動の大きさや向きを示す変位量を導出し、その変位量を示す内容のスクリーン変位情報を作成して出力するスクリーン情報処理部353と、そのスクリーン変位情報を投射機300に送信する送信部354とを備えている。
ここで、スクリーン振動検出部352及びスクリーン情報処理部353は、上記実施の形態の振動検出部103及び情報処理部104と同様の構成及び機能を有する。
投射機300は、上述の画像信号出力部101と光出力部102と調整部106とを備えるとともに、スクリーン部350からのスクリーン変位情報を受信する受信部307と、スクリーン変位情報を取得してそのスクリーン変位情報に応じた制御信号を調整部106に出力することにより調整部106を制御する制御部305とを備えている。
投射機300の制御部305は、スクリーン部350からのスクリーン変位情報を受信部307を介して取得すると、そのスクリーン変位情報に示されるスクリーン部350の変位量から、スクリーン部350に映し出される映像の位置の変位を推定し、その変位が抑えられるような反射ミラー200の回動方向及び回動角度を補正量として算出する。そして、制御部305は、その補正量だけ反射ミラー200が回動するように指示する内容の制御信号を調整部106の回動機構に出力する。調整部106の回動機構は、上記制御信号に基づいてX回動軸201及びY回動軸202を回して、制御部305により指示された補正量だけ反射ミラー200を回動させる。
このように第1の変形例では、スクリーン部350が振動してもその振動結果に基づいて、スクリーン部350に映し出される映像の表示位置の変位が推定され、その変位を抑えるように調整部106の反射ミラー200が回動されて投射光の出力方向を変えるため、その表示位置の変動を低減することができる。
本変形例は特に、振動を受け難い場所に投射機300を配置した場合や、サスペンションなどの機構を用い振動を投射機300に伝え難くした場合などのように、投射機300に対して振動が生じ難く、スクリーン部350に振動が生じ易い場合に効果がある。
なお、本変形例においても上記本実施の形態で説明した調整部106を備えたが、調整部106の上述の構成はあくまで一例であり、投射光を任意の方向に向けることが可能であればどのような構成であっても良い。
また本実施の形態では、調整部106を投射機300内部に備えたが、調整部106を投射機300の外部に備えても良い。
(変形例2)
次に、上記本実施の形態における映像表示システムの第2の変形例について説明する。
図6は、本実施の形態の第2の変形例における映像表示システムの構成を示す構成図である。
この第2の変形例の映像表示システムは、映像を映し出すための投射光を投射する投射機400と、上記変形例1と同様のスクリーン部350とからなり、投射機400及びスクリーン部350の振動を検出する点に特徴がある。
スクリーン部350は、上記変形例1と同様、受像面351を有するとともに、スクリーン振動検出部352とスクリーン情報処理部353と送信部354とを備え、スクリーン情報処理部353で作成されたスクリーン変位情報を送信部354から投射機400へ送信する。
投射機400は、上記実施の形態と同様、画像信号出力部101と光出力部102と調整部106と情報処理部104と振動検出部103とを備えるとともに、さらに、スクリーン部350からのスクリーン変位情報を受信する受信部307と、受信部307で受信されたスクリーン変位情報、及び情報処理部104から出力された変位情報の両情報に応じた制御信号を調整部106に出力することにより、調整部106を制御する制御部405とを備えている。
投射機400の制御部405は、スクリーン変位情報及び変位情報を取得すると、それぞれの情報に示される変位量から、投射機400とスクリーン部350の相対的な位置の移動方向及び移動距離などを示す相対変位量を算出することで、その相対変量からスクリーン部350に映し出される映像の位置の変位を推定する。そして制御部405は、その変位が抑えられるような反射ミラー200の回動方向及び回動角度を補正量として算出し、その補正量だけ反射ミラー200が回動するように指示する内容の制御信号を調整部106の回動機構に出力する。調整部106の回動機構は、上記制御信号に基づいてX回動軸201及びY回動軸202を回して、制御部405により指示された補正量だけ反射ミラー200を回動させる。
このように第2の変形例では、投射機400及びスクリーン部350が振動してもこれらの相対的な変位結果に基づいて、スクリーン部350に映し出される映像の表示位置の変位が推定され、その変位を抑えるように調整部106の反射ミラーが回動されて投射光の出力方向を変えるため、その表示位置の変動をさらに低減することができる。
なお、本変形例においても上記本実施の形態で説明した調整部106を備えたが、調整部106の上述の構成はあくまで一例であり、投射光を任意の方向に向けることが可能であればどのような構成であっても良い。
また本変形例では、調整部106を投射機400内部に備えたが、調整部106を投射機400の外部に備えても良い。
(実施の形態2)
以下、本発明の第2の実施の形態における映像表示システムについて図面を参照しながら説明する。
図7は、本発明の第2の実施の形態における映像表示システムの構成を示す構成図である。
この映像表示システムは、映像表示位置の変動を抑えて視聴の快適性を向上したものであって、映像を映し出すための投射光を投射する投射機600と、その投射光を受けることで映像を映し出す実施の形態1と同様のスクリーン部150とからなる。
投射機600は、実施の形態1と同様、画像信号出力部101と、投射機600の振動を検出して検出信号を出力する振動検出部103と、振動検出部103から出力された検出信号に基づいて、投射機600の振動の大きさや向きを示す変位量を導出し、その変位量を示す内容の変位情報を作成して出力する情報処理部104とを備える。さらに、投射機600は、画像信号出力部101から出力された画像信号を取得して、その画像信号に応じた投射光を出力する光出力部602と、情報処理部104から変位情報を取得してその変位情報に応じた制御信号を光出力部602に出力することにより光出力部602を制御する制御部605とを備えている。
このような本実施の形態では、光出力部602が制御部605からの制御信号に応じて投射光の出射位置を変化させる点に特徴がある。
図8は、本実施の形態における光出力部602の内部構成の一例を示す構成図である。
この光出力部602は、光源501と、第1及び第2のインテグレータレンズ502,503と、偏光変換素子504と、第1〜第4のミラー505〜508と、第1及び第2のダイクロイックミラー509,510と、第1及び第2のリレーレンズ511,512と、第1〜第3のコンデンサレンズ513〜515と、第1〜第3の液晶パネル516〜518と、ダイクロイックプリズム519と、投射レンズ520と、駆動制御部521とを備えている。
光源501は白色光を第1のインテグレータレンズ502に向けて出力する。
第1及び第2のインテグレータレンズ502,503は、光源501から出力された光を分割及び合成することにより均一な光とする。
偏光変換素子504は、第1及び第2のインテグレータレンズ502,503を透過した光の向きを一定の方向に揃える。
第1及び第2のダイクロイックミラー509,510は、所定の波長範囲の光のみを透過し、それ以外の波長の光を反射する。
第1のダイクロイックミラー509は、偏光変換素子504を介して第1のミラー505で反射された白色光を受けて、その光のうち赤色の光のみを透過させてそれ以外の光を反射する。そして、第1のダイクロイックミラー509を透過した赤色の光は第2のミラー506に反射されて第1のコンデンサレンズ513に照射される。第2のダイクロイックミラー510は、第1のダイクロイックミラー509で反射された光を受けて、その光のうち青色の光のみを透過させてそれ以外の光、つまり緑色の光を反射する。そして、第2のダイクロイックミラー510に反射された緑色の光は第2のコンデンサレンズ514に照射され、第2のダイクロイックミラー510を透過した青色の光は第1のリレーレンズ511、第3のミラー507、第2のリレーレンズ512、第4のミラー508を介して第3のコンデンサレンズ515に照射される。
第1及び第2のリレーレンズ511,512は、第1のダイクロイックミラー509から第3のコンデンサレンズ515に照射される青色の光が、第1のダイクロイックミラー509からそれぞれ第1及び第2のコンデンサレンズ514に照射される赤色及び緑色の光と、光学的に等価な条件となるように調整する。つまり、第1及び第2のリレーレンズ511,512は、青色の光の光路長と、赤色及び緑色の光との光路長との違いにより生じる各コンデンサレンズ513,514,515に照射される光の条件をそれぞれ等しくするものである。
第1のコンデンサレンズ513は、赤色の光を受けて、その光をテレセントリック系、即ち主光線が無限遠まで光軸と交わらないような光束として第1の液晶パネル516に均質に照射する。
これと同様に、第2のコンデンサレンズ514は、緑色の光を受けて、その光をテレセントリック系として第2の液晶パネル517に均質に照射し、第3のコンデンサレンズ515は、青色の光を受けて、その光をテレセントリック系として第3の液晶パネル518に均質に照射する。
第1〜第3の液晶パネル516〜518は、画像信号出力部101からの画像信号に応じて各画素の光の透過率を可変とするものである。また、これら各液晶パネル516〜518のそれぞれの光の照射側及び出射側には偏光板が取着されており、所定の方向の光のみが各液晶パネル516〜518に入射して、画素ごとに変調され、所定の方向の光のみが投影光として各液晶パネル516〜518から出射される。したがって、第1の液晶パネル516からは赤色の映像を示す投影光がダイクロイックプリズム519に照射され、第2の液晶パネル517からは緑色の映像を示す投影光がダイクロイックプリズム519に照射され、第3の液晶パネル518からは青色の映像を示す投影光がダイクロイックプリズム519に照射される。
ダイクロイックプリズム519は、各液晶パネル516〜518から照射された光を同軸に合成して混合色の投射光を生成して投射レンズ520に照射する。
投射レンズ520は、その照射された投射光を拡大してスクリーン部150に出力する。
駆動制御部521は、制御部605からの制御信号に応じて第1〜第3の液晶パネル516〜518を光軸と略垂直な方向に移動させる。これにより、ダイクロイックプリズム519及び投射レンズ520から出力される投射光の出射位置が変化する。
一方、制御部605は、情報処理部104から変位情報を取得すると、その変位情報に示される投射機600の変位量から、スクリーン部150に映し出される映像の位置の変位を推定し、その変位が抑えられる光出力部602の各液晶パネル516〜518の移動方向及び移動距離を補正量とし算出し、その補正量だけ各液晶パネル516〜518が移動するように指示する内容の制御信号を、上述の光出力部602の駆動制御部521に出力する。
例えば、投射機600が振動して鉛直下方向に所定距離だけ変位したときには、その変位に応じた制御信号が制御部605から光出力部602に出力されるため、光出力部602の第1〜第3の液晶パネル516〜518がその制御信号に応じて移動して、投射レンズ520からの投射光の出射位置が鉛直上方向に上記所定距離だけ移動する。
図9は、本実施の形態における映像表示システムの投射機600の一連の動作を示すフローチャートである。
まず、投射機600は自らに生じた振動を検出する(ステップS120)。そして、投射機600はその検出結果に応じて、スクリーン部150の映像位置の変位を推定して、その変位が抑えられるような第1〜第3の液晶パネル516〜518の移動方向及び移動距離を補正量として算出する(ステップS122)。次に、投射機600は、その補正量だけ第1〜第3の液晶パネル516〜518を移動する(ステップS124)。ここで投射機600は、上述のような動作の終了が指示されたか否かを判別し(ステップS126)、終了の指示があったと判別したときには(ステップS126のY)、上述の動作を終了し、終了の指示がないと判別したときには(ステップS126のN)、このようなステップS120からステップS126までの動作を繰り返し実行する。
このように本実施の形態では、投射機600が振動してもその振動結果に基づいて、スクリーン部150に映し出される映像の表示位置の変位が推定され、その変位を抑えるように光出力部602の第1〜第3の液晶パネル516〜518が移動されて投射光の出力位置を変えるため、その表示位置の変動を低減することができる。
なお、本実施の形態では、光出力部602の第1〜第3の液晶パネル516〜518のみを移動させて投射光の出力位置を変えたが、他の光学系の構成部材を移動させて投射光の出力位置を変えても良い。
また、本実施の形態では、投射機600を図8に示すような3つの液晶パネルを備えた所謂3板式液晶プロジェクタとして構成したが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、投射光の出力位置を可変とするものであればどうような構成であっても良い。例えば投射機600をいわゆる単板式液晶プロジェクタや、反射型液晶プロジェクタとして構成しても良い。また、投射機600を液晶以外の方式、例えばDLP(「テキサス インスツルメンツ インコーポレーテッド」の登録商標)方式のプロジェクタとして構成しても良く、この場合には、DMD(Digital Micromirror Device)を移動することで投射光の出力位置を変える。
さらに、本実施の形態では、投射機600の振動結果のみに基づいてスクリーン部150に映し出される映像の表示位置の変位を推定させたが、実施の形態1の変形例1及び変形例2のように、スクリーン部150に振動検出部を備えてその振動結果に基づいて映像の表示位置の変位を推定させても良く、投射機600及びスクリーン部150の双方に振動検出部を備えて、双方の振動結果に基づいて映像の表示位置の変位を推定させても良い。
(実施の形態3)
以下、本発明の第3の実施の形態における映像表示システムについて図面を参照しながら説明する。
図10は、本発明の第3の実施の形態における映像表示システムの構成を示す構成図である。
この映像表示システムは、映像表示位置の変動を抑えて視聴の快適性を向上したものであって、映像を映し出すための投射光を投射する投射機700と、その投射光を受けることで映像を映し出す実施の形態1と同様のスクリーン部150とからなる。
投射機700は、実施の形態1と同様、投射機700の振動を検出して検出信号を出力する振動検出部103と、振動検出部103から出力された検出信号に基づいて、投射機700の振動の大きさや向きを示す変位量を導出し、その変位量を示す内容の変位情報を作成して出力する情報処理部104とを備える。さらに、投射機700は、画像を示す内容の画像信号を出力する画像信号出力部701と、情報処理部104から変位情報を取得してその変位情報に応じた制御信号を画像信号出力部701に出力することにより画像信号出力部701を制御する制御部705とを備えている。
このような本実施の形態では、画像信号出力部701が制御部705からの制御信号に応じて画像信号を信号処理することで、その画像信号により示される画像の位置を移動させる点に特徴がある。
つまり、本実施の形態の制御部705は、情報処理部104から変位情報を取得すると、その変位情報に示される投射機700の変位量から、スクリーン部150に映し出される映像の位置の変位を推定し、その変位が抑えられる画像の移動方向及び移動距離を補正量として算出し、その補正量だけ画像が移動するように指示する内容の制御信号を画像信号出力部701に出力する。そして、その制御信号を取得した画像信号出力部701は、出力しようとする画像信号に対して、その画像信号に示される画像が上記制御信号により示される補正量だけ移動するような座標変換処理を実行する。
図11は、本実施の形態における画像信号の処理の一例を説明するための説明図である。
ここで、図11の(a)は画像信号出力部701から出力される画像信号により示される画像(フレーム)の位置を示し、図11の(b)はスクリーン部150に映し出される映像の位置を示す。なお、図中×印は、各フレーム及び映像の中心位置を示す。
ここで画像信号は通常、一枚の画像であるフレームを示す内容の信号が時系列に沿って連続的に出力されることによって構成される。例えばフレームを示す信号は、所定時間(T時間)ごとに出力される。
図11の(a)に示すように、時刻tからT時間経過した時刻t1では、投射機700に振動が生じておらず、画像信号出力部701は、画像信号における各フレームを示す信号を、座標変換処理することなく出力する。その結果、図11の(b)に示すように、時刻tから時刻t1では、スクリーン部150に映し出される映像の位置も変化が生じない。
ここで、時刻t1からT時間経過した時刻t2の間で投射機700に振動が生じ、制御部705が情報処理部104から「x方向に+1、及びy方向に−2」の変位量を示す変位情報を取得すると、制御部705は、時刻t2のフレームを「x方向に−1、及びy方向に+2」だけ移動するように指示する内容の制御信号を画像信号出力部701に出力する。
これにより、画像信号出力部701は、時刻t2のフレームを示す信号に対して制御信号に応じた座標変換処理を行い、その結果、時刻t2のフレームは、図11の(a)に示す点線の位置から実線の位置に移動する。
そして、スクリーン部150に映し出される映像の位置は、時刻t2では、座標変換処理がなければ投射機700の振動に応じて点線の位置に変位してしまうところ、時刻t,t2と同じ実線の位置に保たれる。
図12は、本実施の形態における映像表示システムの投射機700の一連の動作を示すフローチャートである。
まず、投射機700は自らに生じた振動を検出する(ステップS140)。そして、投射機700はその検出結果に応じて、スクリーン部150の映像位置の変位を推定して、その変位が抑えられるような画像信号のフレームの移動方向及び移動距離を補正量として算出する(ステップS142)。次に、投射機700は、その補正量だけ画像信号のフレームを示す信号に対して座標変換処理を実行する(ステップS144)。ここで投射機700は、上述のような動作の終了が指示されたか否かを判別し(ステップS146)、終了の指示があったと判別したときには(ステップS146のY)、上述の動作を終了し、終了の指示がないと判別したときには(ステップS146のN)、このようなステップS140からステップS146までの動作を繰り返し実行する。
このように本実施の形態では、投射機700が振動してもその振動結果に基づいて、スクリーン部150に映し出される映像の表示位置の変位が推定され、その変位を抑えるように画像信号の各画素の座標が変換されて投射光の出力位置を変えるため、その表示位置の変動を低減することができる。
なお、本実施の形態では、投射機700の振動結果のみに基づいてスクリーン部150に映し出される映像の表示位置の変位を推定させたが、実施の形態1の変形例1及び変形例2のように、スクリーン部150に振動検出部を備えてその振動結果に基づいて映像の表示位置の変位を推定させても良く、投射機700及びスクリーン部150の双方に振動検出部を備えて、双方の振動結果に基づいて映像の表示位置の変位を推定させても良い。
(実施の形態4)
以下、本発明の第4の実施の形態における映像表示システムについて図面を参照しながら説明する。
図13は、本発明の第4の実施の形態における映像表示システムの構成を示す構成図である。
この映像表示システムは、映像表示位置の変動を抑えて視聴の快適性を向上したものであって、映像を映し出すための投射光を投射する投射機900と、その投射光を受けることで映像を映し出す実施の形態1と同様のスクリーン部150とからなる。
投射機900は、投射光を投射する投射機本体910とその投射機本体910を回動させる本体駆動部906とからなる。
投射機本体910は、実施の形態1と同様、画像信号出力部101と、光出力部102と、投射機本体910の振動を検出して検出信号を出力する振動検出部103と、振動検出部103から出力された検出信号に基づいて、投射機本体910の振動の大きさや向きを示す変位量を導出し、その変位量を示す内容の変位情報を作成して出力する情報処理部104とを備える。さらに、投射機本体910は、情報処理部104から変位情報を取得してその変位情報に応じた制御信号を本体駆動部906に出力することにより本体駆動部906を制御する制御部905を備えている。
このような本実施の形態では、本体駆動部906が制御部905からの制御信号に応じて投射機本体910を回動させることで、投射光の出力方向を変化させる点に特徴がある。
本体駆動部906は、投射機本体910を任意の方向に回動させるために投射機本体910に取り付けられた本体取付部材と、その本体取付部材に力を加えることで投射機本体910を回動させる本体回動機構とを具備している。
図14は、本体取付部材に投射機本体910が取り付けられた状態を示す正面図である。
本体取付部材965は、図14に示すX軸方向に沿って投射機本体910に取着されたX回動軸961と、そのX回動軸961を支持する環状枠体963と、図14に示すY軸方向に沿うように環状枠体963に取り付けられたY回動軸962と、そのY回動軸962を支持するコ字状の支持体964とを備えている。また、投射機本体910は、投射光が出力される出力口910aがX回動軸961の軸方向と略垂直な方向に向けられるように、そのX回動軸961に取り付けられている。
このような本体取付部材965に投射機本体910が取り付けられていることにより、X回動軸961を軸周りに回転させれば、投射機本体910が回動し、その投射機本体910の出力口910aの向きを、YZ平面上の任意の方向に向けることができ、Y回動軸962を軸周りに回転させれば、投射機本体910及び環状枠体963が回動し、その投射機本体910の出力口910aの向きを、XZ平面上の任意の方向に向けることができる。
回動機構は、制御部905からの制御信号に応じてX回動軸961及びY回動軸962を回す。これにより、投射機本体910の出力口910aが、制御部905からの制御信号に応じた方向に向けられて、その方向に投射光が出力される。また、このような回動機構は、実施の形態1の回動機構と同様の構造を有している。つまり回動機構は、電磁コイルを具備して、その電磁コイルに電流を流すことにより生じる電磁力を用いてX回動軸961及びY回動軸962を任意の角度に回すように構成されている。
一方、制御部905は、情報処理部104から変位情報を取得すると、その変位情報により示される投射機900の変位量から、スクリーン部150に映し出される映像の位置の変位を推定し、その変位が抑えられる投射機本体910の回動方向及び回動角度を補正量として算出し、その補正量だけ投射機本体910が回動するように指示する内容の制御信号を本体駆動部906に出力する。
図15は、投射機900に振動が生じたときにおける投射機本体910が回動される様子を説明するための説明図である。
投射機900に振動が生じて、投射機900が図15の実線に示す位置から点線に示す位置に移動すると、つまり図15中下方に距離h1だけ移動すると、スクリーン部150に映し出される映像も図15中下方に距離h1だけ移動しようとする。
ところが、本実施の形態における投射機900では、振動検出部103による上記振動の検出結果に基づく制御部905からの制御に応じて、本体駆動部906が投射機本体910を図15中の矢印で示す方向に角度a1だけ回動させるため、スクリーン部150に映し出される映像の位置の変位を抑えることができる。
図16は、本実施の形態における映像表示システムの投射機900の一連の動作を示すフローチャートである。
まず、投射機900は自らに生じた振動を検出する(ステップS160)。そして、投射機900はその検出結果に応じて、スクリーン部150の映像位置の変位を推定して、その変位が抑えられるような投射機本体910の回動方向及び回動角度を補正量として算出する(ステップS162)。次に、投射機900は、その補正量だけ投射機本体910を回動する(ステップS164)。ここで、投射機900は、上述のような動作の終了が指示されたか否かを判別し(ステップS166)、終了の指示があったと判別したときには(ステップS166のY)、上述の動作を終了し、終了の指示がないと判別したときには(ステップS166のN)、このようなステップS160からステップS166までの動作を繰り返し実行する。
このように本実施の形態では、投射機900が振動してもその振動結果に基づいて、スクリーン部150に映し出される映像の表示位置の変位が推定され、その変位を抑えるように投射機本体910が回動されて投射光の出力方向を変えるため、スクリーン部150に映し出される映像の表示位置の変動を低減することができる。
なお、本実施の形態では、投射機本体910を回動させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、光出力部102のみ、又は光出力部102を含む投射機本体910の一部分を回動させても良い。
さらに、本実施の形態では、投射機900の振動結果のみに基づいてスクリーン部150に映し出される映像の表示位置の変位を推定させたが、実施の形態1の変形例1及び変形例2のように、スクリーン部150に振動検出部を備えてその振動結果に基づいて映像の表示位置の変位を推定させても良く、投射機900及びスクリーン部150の双方に振動検出部を備えて、双方の振動結果に基づいて映像の表示位置の変位を推定させても良い。
(実施の形態5)
以下、本発明の第5の実施の形態における映像表示システムについて図面を参照しながら説明する。
図17は、本発明の第5の実施の形態における映像表示システムの外観構成を示す外観構成図である。
この映像表示システムは、映像表示位置の変動を抑えて視聴の快適性を向上したものであって、映像を映し出すための投射光を投射する投射機1100と、その投射光を受けることで映像を映し出すスクリーン部1150とからなり、投射機1100とスクリーン部1150とは有線又は無線の通信媒体1131により接続されている。
図18は、本実施の形態における映像表示システムの内部構成を示す内部構成図である。
スクリーン部1150は、投射光を受けて映像を映すための略平らな面を受像面1151として有するとともに、スクリーン部1150に照射された投射光を検出して光検出信号を出力する第1及び第2の光検出部1161,1162と、第1及び第2の光検出部1161,1162から出力された光検出信号に基づいて、スクリーン部1150に映し出される映像の位置の変位を特定し、その特定した変位を知らせる内容の映像変位情報を作成して出力するスクリーン情報処理部1253と、その映像変位情報を通信媒体1131を介して投射機1100に送信する送信部1254とを備えている。
投射機1100は、実施の形態1と同様、画像信号出力部101と光出力部102と調整部106とを備える。さらに、投射機1100は、スクリーン部1150からの映像変位情報を通信媒体1131を介して受信する受信部307と、映像変位情報を取得してその映像変位情報に応じた制御信号を調整部106に出力することにより調整部106を制御する制御部1205とを備えている。
このような本実施の形態は、実施の形態1〜4のように投射機やスクリーン部の振動を検出するのではなく、スクリーン部1150に照射された投射光を検出することで映像の変位を直接的に特定し、その変位を抑えるように投射光の向きを調整する点に特徴がある。即ち、本実施の形態は、スクリーン部1150に映し出される映像の表示位置を検出して、その映像の表示位置の変位を特定し、その変位を抑える。
第1及び第2の光検出部1161,1162は、それぞれ投射光を検出してその検出結果に応じた電気信号からなる光検出信号を出力する、例えばデジタルビデオカメラなどで用いられるCCDあるいはCMOSセンサからなる。
このような第1及び第2の光検出部1161,1162は、図17に示すように、スクリーン部1150の受像面1151の対角線方向に沿った2箇所に、それぞれの受光面の一部が受像面1151に重なるように配置される。
また、投射機1100及びスクリーン部1150が振動せず静止状態にあるときには、投射機1100からの投射光は、受像面1151に照射されて、受像面1151の範囲に映像が映し出される。
そこで振動が生じていない場合には、第1及び第2の光検出部1161,1162は、それぞれの受光面の一部に投射光を受けて、その受けた投射光に応じた光検出信号を出力する。
ここで、投射機1100及びスクリーン部1150の少なくとも一方に振動が生じると、第1及び第2の光検出部1161,1162の受光面に受ける投射光の範囲が変化する。その結果、第1及び第2の光検出部1161,1162は、それぞれの受ける投射光の範囲の変化に応じた光検出信号を出力する。
図19は、第1及び第2の光検出部1161,1162が受ける投射光の範囲を説明するための説明図である。なお、この図19に示す網掛け部は、第1及び第2の光検出部1161,1162の受光面に投射光が照射された範囲を示す。
この図19の(a)に示すように、投射機1100及びスクリーン部1150に振動が生じていない場合には、投射機1100から出力される投射光は、スクリーン部1150の位置Aに照射され、第1及び第2の光検出部1161,1162は、それぞれの受光面の一部に、それぞれ略等しい面積でその投射光を受ける。
ここで、図19の(b)に示すように、投射機1100及びスクリーン部1150の少なくとも一方に振動が生じると、投射機1100から出力される投射光のスクリーン部1150に照射される位置は、位置Aから位置A’に変位する。その結果、第1の光検出部1161の受ける投射光の範囲は広くなり、第2の光検出部1162の受ける投射光の範囲は狭くなり、第1及び第2の光検出部1161は、その受ける投射光の範囲の変化に応じた光検出信号を出力する。
スクリーン情報処理部1253は、このような第1及び第2の光検出部1161,1162から出力される光検出信号に基づいて、スクリーン部1150に映し出される映像の位置の変位を特定する。
制御部1205は、映像変位情報を取得するとその映像変位情報から、スクリーン部1150に映し出される映像の位置の変位を把握し、その変位が抑えられるような調整部106の反射ミラー200の回動方向及び回動角度を補正量として算出する。そして、制御部1205は、その補正量だけ反射ミラー200が回動するように指示する内容の制御信号を調整部106の回動機構に出力する。調整部106の回動機構は、上記制御信号に基づいてX回動軸201及びY回動軸202を回して、制御部1205により指示された補正量だけ反射ミラー200を回動させる。
図20は、本実施の形態における映像表示システムの一連の動作を示すフローチャートである。
まず、スクリーン部1150は、投射光を検出することで、自らに映し出された映像の位置の変位を特定する(ステップS180)。つまり、スクリーン部1150は映像表示位置の変位を検出する。そして投射機1100は、スクリーン部1150からその変位が通知されることにより、その変位が抑えられるような反射ミラー200の回動方向及び回動角度を補正量として算出する(ステップS182)。次に、投射機1100は、その補正量だけ反射ミラー200を回動する(ステップS184)。ここで投射機1100及びスクリーン部1150は、上述のような動作の終了が指示されたか否かを判別し(ステップS186)、終了の指示があったと判別したときには(ステップS186のY)、上述の動作を終了し、終了の指示がないと判別したときには(ステップS186のN)、このようなステップS180からステップS186までの動作を繰り返し実行する。
このように本実施の形態では、投射機1100及びスクリーン部1150の少なくとも一方が振動しても、第1及び第2の光検出部1161,1162の検出結果に基づいて、スクリーン部150に映し出される映像の表示位置の変位が直接的に特定され、その変位を抑えるように調整部106の反射ミラー200が回動されて投射光の出力方向を変えるため、その表示位置の変動を低減することができる。
なお、本実施の形態では、調整部106を備えてこれにより投射光の出力方向を変えたが、光出力部102の代わりに実施の形態2の光出力部602を備えて、液晶パネルの移動により投射光の出力位置を変えても良く、画像信号出力部101の代わりに実施の形態3の画像信号出力部701を備えて、画像信号の処理により投射光の出力位置を変えても良く、又は、投射機1100を実施の形態4のように投射機本体と本体駆動部とから構成して、投射機本体の回動により投射光の出力方向を変えても良い。
また、本実施の形態では、第1及び第2の光検出部1161,1162を備えたが、本発明は光検出部の数を2つに限定するものではなく、1つであっても3つ以上であっても良い。
また、本実施の形態では、第1及び第2の光出力部1161,1162に投射光を検出させたが、例えば投射機1100からレーザ光のようなテスト信号を出力させてそのテスト信号を第1及び第2の光出力部1161,1162に検出させても良い。この場合、第1及び第2の光出力部1161,1162は、それぞれの受光面に受けるテスト信号の位置変化に応じた光検出信号を出力し、スクリーン情報処理部1253は、その光検出信号に基づいてスクリーン部1150に映し出される映像の位置の変位を特定する。
さらに、本実施の形態では、スクリーン情報処理部1253をスクリーン部1150に備えたが、スクリーン情報処理部1253を投射機1100に備えても良い。この場合、スクリーン部1150の送信部1254は、第1及び第2の光出力部1161,1162からの光検出信号を投射機1100の受信部1207へ送信し、スクリーン情報処理部1253は受信部1207で受信された光検出信号に基づいて映像変位情報を作成する。
(実施の形態6)
以下、本発明の第6の実施の形態における映像表示システムについて図面を参照しながら説明する。
図21は、本発明の第6の実施の形態における映像表示システムの外観構成を示す外観構成図である。
この映像表示システムは、映像表示位置の変動を抑えて視聴の快適性を向上したものであって、映像を映し出すための投射光を投射する投射機1400と、その投射光を受けることで映像を映し出す実施の形態1と同様のスクリーン部150とからなる。
図22は、本実施の形態における映像表示システムの投射機1400の内部構成を示す内部構成図である。
投射機1400は、実施の形態1と同様、画像信号出力部101と光出力部102と調整部106とを備えるとともに、さらに、スクリーン部150を撮像して撮像信号を出力する第1及び第2の撮像部1411,1412と、第1及び第2の撮像部1411,1412からの撮像信号に基づく画像処理を実行する第1及び第2の画像処理部1503,1504と、第1及び第2の画像処理部1503,1504の処理結果に応じた制御信号を調整部106に出力することにより調整部106を制御する制御部1505とを備えている。
このような本実施の形態は、実施の形態1〜4のように投射機1400やスクリーン部150の振動を検出するのではなく、スクリーン部150に映し出された映像を撮像することでその映像の位置の変位を直接的に特定し、その変位を抑えるように投射光の向きを調整する点に特徴がある。言い換えれば、本実施の形態では、映像の撮像結果から振動を検出して映像の変位を特定し、その変位を抑えるように投射光の向きを調整する。
第1及び第2の撮像部1411,1412の撮像範囲は、図21に示すように、スクリーン部150の受像面151の対角線方向に沿った2箇所に、その受像面151の端部が含まれるように設定されている。
また、投射機1400及びスクリーン部150が振動せず静止状態にあるときには、投射機1400からの投射光は、受像面151に照射されて、受像面151の範囲に映像が映し出される。
そこで振動が生じていない場合には、第1及び第2の撮像部1411,1412は、それぞれスクリーン部150の受像面151上に現れる映像の端部を撮像する。
ここで、投射機1400及びスクリーン部150の少なくとも一方に振動が生じると、第1及び第2の撮像部1411,1412に撮像される投射映像(投射光によりスクリーン部150に映し出される映像)の範囲が変化する。その結果、第1及び第2の撮像部1411,1412は、それぞれの撮像結果の変化に応じた撮像信号を出力する。
図23は、第1及び第2の撮像部1411,1412が撮像する投射映像の範囲を説明するための説明図である。なお、この図23に示す網掛け部は、第1及び第2の撮像部1411,1412に撮像される投射映像の範囲を示す。
この図23の(a)に示すように、投射機1400及びスクリーン部150に振動が生じていない場合には、投射機1400から出力される投射光は、スクリーン部150の位置Aに照射され、第1及び第2の撮像部1411,1412によって撮像される範囲B及び範囲Cのそれぞれには、投射映像の端部が略等しい面積で含まれている。
ここで、図23の(b)に示すように、投射機1400及びスクリーン部150の少なくとも一方に振動が生じると、投射機1400から出力される投射光のスクリーン部150に照射される位置は、位置Aから位置A’に変位する。その結果、第1の撮像部1411は投射映像の端部を広く撮像することとなり、第2の撮像部1412は投射映像の端部を狭く撮像することとなり、第1及び第2の撮像部1411,1412のぞれぞれは、撮像される投射映像の範囲の変化に応じた撮像信号を出力する。
第1及び第2の画像処理部1503,1504は、それぞれ第1及び第2の撮像部1411,1412から出力された撮像信号に基づいて画像処理を実行することにより、投射映像の輪郭の変化などから投射映像の水平方向及び垂直方向への変位を特定し、その変位を示す内容の映像変位情報を制御部1505に出力する。
制御部1505は、第1及び第2の画像処理部1503,1504から映像変位情報を取得するとその映像変位情報から、スクリーン部150に映し出される映像の位置の変位を把握し、その変位が抑えられるような調整部106の反射ミラー200の回動方向及び回動角度を補正量として算出する。そして、制御部1505は、その補正量だけ反射ミラー200が回動するように指示する内容の制御信号を調整部106の回動機構に出力する。調整部106の回動機構は、上記制御信号に基づいてX回動軸201及びY回動軸202を回して、制御部1505により指示された補正量だけ反射ミラー200を回動させる。
このように本実施の形態では、投射機1400及びスクリーン部1150の少なくとも一方が振動しても、第1及び第2の撮像部1411,1412の撮像結果に基づいて、スクリーン部150に映し出される映像の表示位置の変位が直接的に特定され、その変位を抑えるように調整部106の反射ミラー200が回動されて投射光の出力方向を変えるため、その表示位置の変動を低減することができる。また、本実施の形態では、実施の形態5のようにスクリーン部に特別な検出手段を設ける必要がなく、スクリーン部の構成を簡単にすることができる。
なお、本実施の形態では、調整部106を備えてこれにより投射光の出力方向を変えたが、光出力部102の代わりに実施の形態2の光出力部602を備えて、液晶パネルの移動により投射光の出力位置を変えても良く、画像信号出力部101の代わりに実施の形態3の画像信号出力部701を備えて、画像信号の処理により投射光の出力位置を変えても良く、又は、投射機1400を実施の形態4のように投射機本体と本体駆動部とから構成して、投射機本体の回動により投射光の出力方向を変えても良い。
また、本実施の形態では、第1及び第2の撮像部1411,1412を備えたが、本発明は撮像部の数を2つに限定するものではなく、1つであっても3つ以上であっても良い。さらに、第1及び第2の撮像部1411,1412に投射映像の端部を撮像させたが、端部でなくても良い。
なお、実施の形態1〜6では、投射光を投射する投射機と、受像面を有するスクリーン部とから本発明に係る映像表示システムを構成したが、映像を映し出すための映像光を直視可能なように等方的に出力する装置、例えばいわゆる直視型ディスプレイと、その映像光を反射して映像を映し出す反射ミラーとから本発明に係る映像表示システムを構成しても良い。
このような映像表示システムは、液晶表示画面などの直視型ディスプレイに表示される映像を反射ミラーで反射させて、その反射された映像をユーザに見せるものであって、映像を反射ミラーで反射させることにより液晶表示画面とユーザの目との間の距離を長く設定することができ、自動車の中などのような小さな空間においてもユーザの目の疲れを軽減することができる。また、このような映像表示システムの場合、例えば直視型ディスプレイは、画素ごとの光の反射率を可変とする映像反射手段を備えて、その映像反射手段により反射された光から映像光を作成する。そして、その直視型ディスプレイは、反射ミラーに映し出される映像の位置の変位を抑えるように、その映像反射手段を移動させて、その映像光の直視型ディスプレイから出力される位置を変える。
このように本発明は、映像を映し出すための映像光を出力する映像源たる装置と、その映像光を受けることで映像をユーザに目視可能なように映し出す受像手段とが分離した映像表示システムに適用することができる。
また、実施の形態1〜6では、投射光の向きを変えたり、投射光の投射機から投射される位置を変えたりすることで、スクリーン部に映し出される映像の表位置の変動を抑えたが、スクリーン部を移動させる移動機構を備え、その移動機構によりスクリーン部を移動させることで、スクリーン部に対する映像表位置の変動を抑えても良い。
(実施の形態7)
ところで、上記実施の形態1〜6のように映像の表示位置の変位を抑えても、スクリーン部の向きが大きくずれてしまうと、スクリーン部の受像面に対して垂直に投射されるべき投射光が、斜め方向から投射されるため、その受像面に映し出される映像が歪んでしまうことがある。
そこで、このような映像の歪みの発生を抑えた本発明の第7の実施の形態における映像表示システムについて図面を参照しながら説明する。
図24は、本発明の第7の実施の形態における映像表示システムの外観構成を示す外観構成図である。
映像表示システムは、映像の歪みを抑えて視聴の快適性を向上したものであって、投射機2とスクリーン部1とを備える。
スクリーン部1は、例えば車両の前部座席の背面に設置され、投射機2から投射される投射光を受けて、自身が有する受像面11に映像を表示する。ここで、受像面11は、典型的には矩形形状を有しており、映像が表示される面である。
また、ユーザが好みに応じて又は自動的に、受像面11の向きを変更できるように、スクリーン部1は2方向に回転する回転機構(以下、表示側回転機構と称する)を備える。
図25は、スクリーン部1の外観を示す外観図である。
スクリーン部1は、表示側回転機構の一部を構成する支持部材12及びシャフト13と、投射機2から投射される投射光を検出する第1〜第3の光検出器14a〜14cと、側距信号を送信する第1〜第3の送信器15a〜15cとを備えている。なお、表示側回転機構が有する他の構成の詳細については、後述する。
支持部材12は、前部座席の背面に固定され、シャフト13を受けて支えることが可能な形状を有する。
シャフト13は、スクリーン部1の本体がシャフト13、つまりY軸を中心として回転可能に取り付けられる。具体的には、シャフト13の一端が支持部材12に形成された軸受け(図示せず)に、また、その他端がスクリーン部1の本体に取り付けられる。また、シャフト13は、後述の第2のモータ19bと機械的に接続される。
なお、スクリーン部1の本体内には、X軸を中心として本体を回転可能にするために、後述の第1のモータ19aに機械的に接続された、図示しないギア等が収容される。
以上のような表示側回転機構により、受像面11の法線方向と鉛直面とがなす角度(以下、方位角と称する)を、ユーザは好みに応じて変更できる。また、第2のモータ19bからの駆動力により、スクリーン部1は、方位角を自動的に変更する。さらに、受像面11の法線方向と水平面とがなす角度(つまり、仰角)もまた、スクリーン部1又はユーザにより変更される。
投射機2は、図24に示すように、例えば車室の天井に設置され、スクリーン部1の受像面11に対して投射光を投射する。さらに、投射機2は、投射光の投射方向を自動的に変更できるように、上述の表示側回転機構と同様の機構(以下、投射側回転機構と称する)を備える。
図26は、投射機2の外観を示す外観図である。
この図26に示すように、投射機2は、投射側回転機構の一部を構成する支持部材21及びシャフト22を備える。
支持部材21は、車室の天井に固定され、さらに、シャフト22の一端を受けて支える。
シャフト22は、投射機2の本体がシャフト22(つまり、Y軸)を中心として回転可能に取り付けられる。具体的には、シャフト22の一端が支持部材21の軸受け(図示せず)に、また、その他端が投射機2の本体内の軸受け(図示せず)に取り付けられる。また、投射機2の本体がX軸を中心として回転可能な機構も、投射機2には組み込まれている。
図27は、スクリーン部1及び投射機2の構成を示す構成図である。
スクリーン部1は、上述の受像面11と、支持部材12及びシャフト13と、第1〜第3の光検出器14a〜14cと、第1〜第3の送信器15a〜15cとを備えるとともに、さらに、送信制御部16と、初期位置格納部17と、表示方向制御部18と、第1のモータ19aと、第2のモータ19bとを備える。
第1〜第3の光検出器14a〜14cは、受像面11への投射光をそれぞれ検出するために、受像面11の背後であって、互いに異なる位置に取り付けられる。本実施形態では、例示的に、図25に示すように、第1〜第3の光検出器14a〜14cは、受像面11の3つの頂点近傍に当たる投射光を検出可能な場所に取り付けられる。これら第1〜第3の光検出器14a〜14cは、受像面11への投射光を現在検出しているか否かを示す第1〜第3の検出信号を、第1〜第3の送信器15a〜15cに継続的に出力する。
第1〜第3の送信器15a〜15cは、図25に示すように、投射機2が受像面11の位置を特定できるように、受像面11の近傍であって、互いに異なる位置に取り付けられる。本実施形態では、例示的に、第1〜第3の送信器15a〜15cは、受像面11の3つの頂点と等価とみなせる位置にそれぞれ取り付けられる。ここで、以下の説明では、第1〜第3の送信器15a〜15cの取り付け位置を、第1〜第3の取り付け位置と称する。また、投射機2側で誤差の少ない測距処理(後述)を行えるように、第1〜第3の取り付け位置は互いに、可能な限り離れていることが好ましい。これら第1〜第3の送信器15a〜15cは、送信制御部16からの送信の指示に応答して、第1〜第3の検出信号で変調された第1〜第3の信号を送信する。ここで、第1〜第3の信号は投射機2で測距処理に用いられるので、以降、第1〜第3の信号を、第1〜第3の測距信号と称する。
送信制御部16は、所定の基準時間から、予め規定された時間毎に、第1〜第3の送信器15a〜15cのいずれかを選択し、選択したものに対して送信の指示を与える。ここで、投射機2での測距処理を可能にするため、第1〜第3の送信器15a〜15cには送信の順序が割り当てられる。例えば、1番目が第1の送信器15aであり、2番目が第2の送信器15bであり、3番目が第3の送信器15cである。このような送信順序に従って、送信制御部16は、上記時間ごとに、送信の指示を与えるべき1個の送信器を選択する。
初期位置格納部17は、典型的には、不揮発性のメモリで構成されており、受像面11の初期位置(以下、初期表示位置と称する)を格納する。本実施の形態では、上述のように、受像面11はX軸及びY軸を中心として回転可能であるため、初期表示位置は、基準位置から方位角方向に受像面11を何度回転させるかを示す初期方位角と、基準位置から仰角方向に受像面11を何度回転させるかを示す初期仰角とから構成される。
このような初期表示位置は、典型的には、映像表示システムが車両に設置された時に、設置者により初期位置格納部17に登録される。ここで、好ましくは、設置者は、投射機2の光軸がスクリーン部1の受像面11と直交するように両者の設置位置を決定し、このような設置位置における方位角及び仰角に基づいて初期表示位置を登録する。なお、以下の説明では、初期位置格納部17には、上述のような好ましい初期表示位置が登録される。
表示方向制御部18は、初期位置格納部17内の初期表示位置に応じて受像面11を移動させるために、第1のモータ19a及び第2のモータ19bを制御する。即ち、表示方向制御部18は、受像面11をX軸及びY軸を中心に回転させて、受像面11が初期表示位置に配置されるように上記モータ19a,19bを制御する。
第1のモータ19aは、表示方向制御部18からの制御に基づいて、受像面11を初期表示位置の示す仰角に合わせるように駆動する。その結果、スクリーン部1は、仰角方向に回動して、初期表示位置で一旦静止する。
第2のモータ19bは、表示方向制御部18からの制御に基づいて、受像面11を初期表示位置の示す方位角に合わせるように駆動する。その結果、スクリーン部1は、方位角方向に回転して、初期表示位置で一旦静止する。
投射機2は、上述の支持部材21及びシャフト22を備えるとともに、さらに、受信器23と、位置解析部24と、初期位置格納部25と、投射方向制御部26と、第1のモータ27aと、第2のモータ27bと、映像投射部28と、信号処理部29とを備える。
受信器23は、上述の第1〜第3の測距信号を受信して、位置解析部24に出力する。
位置解析部24は、入力された第1〜第3の測距信号を使って、前述の第1〜第3の取り付け位置から投射機2までの各距離を、第1〜第3の測定距離として測定し、さらに、受像面11に映し出されるべき映像の位置のずれを検出する。なお、以上の測距処理及び位置ずれ検出処理の詳細については後述する。さらに、位置解析部24は、第1〜第3の測定距離を信号処理部29に出力し、検出した映像の位置のずれを投射方向制御部26に出力する。
初期位置格納部25は典型的には、不揮発性のメモリで構成されており、投射機2の初期位置(以下、初期投射位置と称する)を格納する。本実施形態では、初期投射位置は、基準位置から方位角方向に投射機2を何度回転させるかを示す初期方位角と、基準位置から仰角方向に投射機2を何度回転させるかを示す初期仰角とから構成される。このような初期投射位置は、映像表示システムの設置時に、設置者により、初期位置格納部25に登録される。また、初期投射位置は好ましくは、投射機2の光軸がスクリーン部1の受像面11と直交するときの方位角及び仰角に基づいて決定される。なお、以下の説明では、初期位置格納部25には、上述のような好ましい初期投射位置が登録されるとする。
投射方向制御部26は、初期位置格納部25内の初期投射位置に投射機2を移動させるために、第1のモータ27a及び第2のモータ27bを制御する。ここで、投射方向制御部26は、投射機2をX軸及びY軸のそれぞれを中心に投射機2が初期投射位置の初期方位角及び初期仰角だけ回動するように上記各モータ27a,27bを制御する。さらに、投射方向制御部26は、位置解析部24から通知された位置のずれを解消するために、第1のモータ27a及び第2のモータ27bの少なくとも一方を制御する。即ち、投射方向制御部26は、上記各モータ27a,27bの少なくとも一方を制御することにより、X軸及びY軸を中心に投射機2を回転させて、上記位置のずれを解消する。
第1のモータ27aは、投射方向制御部26からの制御に応じて駆動し、X軸を中心に、つまり仰角方向に投射機2を回動させる。このような第1のモータ27aの駆動により、投射機2は、初期投射位置の初期仰角で一旦静止したり、位置のずれをなくすように仰角方向に所定角度だけ回転したりする。
第2のモータ27bは、投射方向制御部26からの制御に応じて駆動し、Y軸を中心に、つまり方位角方向に投射機2を回動させる。このような第2のモータ27bの駆動により、投射機2は、初期投射位置の初期方位角で一旦静止したり、位置のずれをなくすように方位角方向に所定角度だけ回転したりする。
映像投射部28は、上述の第1及び第2のモータ27a,27bの駆動により、投射方向を変える。また、映像投射部28は、レンズやミラーを含む光学系を有し、信号処理部29から出力された画像信号の示す画像が受像面11に映し出されるように投射光を投射する。
信号処理部29は、一般的には矩形形状を有する、少なくとも1フレームの画像を示す画像信号を取得する。ここで、その画像信号の画像をそのまま現すような投射光が投射されると、スクリーン部1及び投射機2の配置関係に起因して表示画像が歪むことがある。このような歪みを解消するために、信号処理部29は、位置解析部24から受け取った第1〜第3の測定距離に従って、スクリーン部1に映し出される映像(画像)に歪みが生じないように、取得した画像信号に対して信号処理を行う。即ち、信号処理部29は、第1〜第3の測定距離に応じて、画像に歪みが生じないと判別したときには、取得した画像信号に対して信号処理を行うことなくその画像信号を映像投射部28に出力する。一方、画像に歪みが生じると判別したときには、信号処理部29は、取得した画像信号の示す画像が変形するように、その画像信号を信号処理(変形処理)して映像投射部28に出力する。なお、変形処理の詳細については後述する。
次に、以上のような構成を有するスクリーン部1及び投射機2の動作について詳細に説明する。
図28は、スクリーン部1の動作手順を示すフローチャートである。
まず、映像表示システムに対して電源が投入されると、スクリーン部1は、初期表示位置への移動を行う(ステップS201)。具体的には、表示方向制御部18は、初期位置格納部17から初期表示位置を読み出して、第1及び第2のモータ19a,19bを制御する。第1のモータ19a及び第2のモータ19bはその制御に応じて駆動する。スクリーン部1は、これらの駆動により、初期表示位置に一旦静止する。このステップS201以降、ユーザは、好みに応じて、映し出される映像を見やすい方向に、自分の手でスクリーン部1を回動して受像面11の向きを変える。
このような位置合わせは、映像表示システムに対する電源の投入後、スクリーン部1側だけでなく投射機2側でも行われる。
スクリーン部1及び投射機2の位置合わせが完了すると、スクリーン部1は、映像投射部28から投射される光に応じた第1〜第3の測距信号を送出する(ステップS202〜S204)。具体的には、送信制御部16は、映像表示システムに電源が投入された後、所定時間経過後に、第1の送信器15aに送信の指示を与える。これに応答して、第1の送信器15aは、第1の光検出器14aから第1の検出信号を受け取り、受け取った第1の検出信号が重畳された第1の測距信号を送出する(ステップS202)。ここで、所定時間とは、電源投入時刻を基準として、ステップS201の処理の終了を保証することが可能な時間である。
送信制御部16は、ステップS202の処理の終了後、予め規定された時間だけ待機した後に、第2の送信器15bに送信の指示を与える。これに応答して、第2の送信器15bは、第2の光検出器14bから第2の検出信号を受け取り、受け取った第2の検出信号が重畳された第2の測距信号を送出する(ステップS203)。
送信制御部16は、ステップS203の処理の終了後、上述の規定時間だけ待機した後に、第3の送信器15cに送信の指示を与える。これに応答して、第3の送信器15cは、第3の光検出器14cから第3の検出信号を受け取り、受け取った第3の検出信号が重畳された第3の測距信号を送出する(ステップS204)。
スクリーン部1は、上述のようなステップS202〜S204の処理の後、映像表示システムに対する電源がオフされたか否かを判別する(ステップS205)。スクリーン部1は、オフされていないと判別したときには(ステップS205のNO)、ステップS202からの処理を繰り返し実行する。ただし、スクリーン部1は、初回のステップS202の処理に限り、ステップS201の処理の終了直後に行うが、2回目以降のステップS202の処理では、ステップS204の終了後、上述の規定時間だけ待機した後に、第1の測距信号を送出する。
一方、オフされたと判別したときには(ステップS205のYES)、スクリーン部1は全ての処理を終了する。
図29は、投射機2の動作手順を示すフローチャートである。
投射機2は、映像表示システムに対して電源が投入されると、初期投射位置への移動を行う(ステップS211)。具体的には、投射方向制御部26は、初期位置格納部25から初期投射位置を読み出した後、その初期投射位置に応じて第1及び第2のモータ27a,27bを制御する。第1のモータ27a及び第2のモータ27bは、その制御に応じて駆動する。投射機2は、これらの駆動により、初期投射位置に一旦静止する。この後、映像投射部28は投射を開始する。
映像表示システムに対して電源が投入されると、前述の規定時間間隔で、スクリーン部1から第1〜第3の測距信号が送出される。そこで、投射機2は、ステップS211の処理を行った後に、これら測距信号を受信する(ステップS212)。具体的には、受信器23は、第1〜第3の測距信号を順次的に受信した後、第1〜第3の測距信号を位置解析部24に出力する。
次に、投射機2の位置解析部24は、第1〜第3の測距信号を使って、第1〜第3の送信器15a〜15cのそれぞれから投射機2までの距離を算出する(ステップS213)。距離算出の前提条件として、位置解析部24は、電源投入後、第1〜第3の送信器15a〜15cがどのような順番及び時間間隔で、第1〜第3の測距信号を送出するかを予め記憶している。言い換えれば、位置解析部24は、電源投入時を起算点として、第1〜第3の測距信号がいつ送出されるのかを記憶している。位置解析部24は、このような第1〜第3の測距信号の受信時刻を、電源投入時を起算点としてカウントする。さらに、第1〜第3の測距信号の空間における伝搬速度は既知である。以上のことから、位置解析部24は、(第1の測距信号の受信時刻−第1の測距信号の送出時刻)×伝搬速度を算出して、第1の送信器15aから投射機2までの距離(以下、第1の距離と称する)を算出する。同様にして、位置解析部24は、第2の送信器15b及び第3の送信器15cから投射機2までの距離(以下、それぞれを第2及び第3の距離と称する)もそれぞれ算出する。
次に、投射機2は、位置ずれの有無を判定する(ステップS214)。具体的には、位置解析部24は、受け取った第1〜第3の測距信号に重畳された第1〜第3の検出信号から、第1〜第3の光検出器14a〜14cの全てが投射光を受光しているか否かを判断する。第1〜第3の光検出器14a〜14cの全てが投射光を受光している場合には、位置解析部24は、位置ずれが生じていないとみなす。この場合には(ステップS214のYES)、投射方向を変更する必要は無いため、投射機2は、後述するステップS216の処理を行う。
逆の場合には(ステップS214のNO)、投射機2は、投射方向の調整を行う(ステップS215)。具体的には、位置解析部24は、投射光を受光していない光検出器の部位に基づいて、位置のずれを定量的に特定し、その位置ずれを投射方向制御部26に通知する。この通知に応答して、投射方向制御部26は、第1及び第2のモータ27a,27bの少なくとも一方を制御する。即ち、第1のモータ27a及び第2のモータ27bの少なくとも一方は、その制御に応じて、位置ずれが解消するように投射機2を所定角度だけ回転させる。これによって、投射機2の投射方向が変わり、全ての光検出器14a〜14cが投射光を受光する。
なお、このようなステップS215の処理において、位置解析部24は、第1〜第3の距離を使って、方位角方向及び仰角方向の少なくとも一方に投射機2を何度回転させればよいかを算出しても良い。この場合には、投射方向制御部26は、位置解析部24によって算出した角度だけ、投射機2の投射方向を調整する。
投射機2は、ステップS215の処理の後、又はステップS204で位置ずれがないと判断したときには、画像変形の処理(画像信号に対する信号処理)を行う(ステップS216)。具体的に、信号処理部29
は、位置解析部24によって算出された第1〜第3の距離に基づいて、受像面11の3次元空間位置に応じた画像パラメータを導出する。そして信号処理部29は、その画像パラメータに基づいて、画像が変形するように画像信号に対して信号処理を行い、その画像信号を映像投射部28に出力する。
なお、第1〜第3の距離が等しいときには、投射機2の光軸がスクリーン部1の受像面11に対して直交しているため、受像面11に映し出される映像には歪みがない。したがって、このような場合には、信号処理部29は、取得した画像信号に対して信号処理を行うことなく、その画像信号を映像投射部28に出力する。
映像投射部28は、ステップS216の処理の後、信号処理部29から取得した画像信号に基づいて投射光を受像面11に向けて投射する(ステップS217)。このような投射光が受像面11に投射されると、受像面11上では矩形状の画像が映し出される。
投射機2は、ステップS217の処理の後、映像表示システムに対する電源がオフにされたか否かを判別し(ステップS218)、オフにされたと判別したときには(ステップS218のYES)、全ての処理を終了し、オフされていないと判別したときには(ステップS218のNO)、ステップS212からの処理を繰り返し実行する。
ここで、図29のステップS216に示す処理について、詳細に説明する。
図30は、投射機2から投射された投射光によって映像(画像)が歪なく表示される様子を説明するための説明図である。
投射機2の投射光の方向が、スクリーン部1の受像面11に対して垂直である場合には、例えば、寸法w×hの受像面11上に画像が歪なく略矩形状に表示される。また、このような場合、受像面11の頂点A,B,C,Dのそれぞれから投射機2の投射口までの距離は等しく、L0である。
図31は、受像面11の方位角方向の傾きによって歪む映像(画像)が補正される様子を説明するための説明図である。
例えば、受像面11が図30に示す状態からユーザにより方位角方向に傾けられた場合、第1の距離(第1の送信器15aから投射機2までの距離)はaとなり、第2の距離(第2の送信器15bから投射機2までの距離)はbとなる。即ち、第1〜第3の距離のうち2つの距離が異なる。このような場合には、信号処理部29は、第1〜第3の距離に基づいて、画像パラメータの一例として、変形後の画像(補正画像)Pic2の辺の比率を導出する。
具体的に、信号処理部29は、補正画像Pic2の辺A2−D2と辺B2−C2の比率b:aを導出する。ここで、補正画像Pic2の頂点A2、B2、C2、及びD2は、変形前の画像Pic1の頂点A1、B1、C1、及びD1にそれぞれ対応する。
信号処理部29は、その導出した画像パラメータに基づいて画像信号に対して信号処理を行い、その画像信号の示す画像Pic1の互いに対向する2辺(辺A1−D1と辺B1−C1)がb:aとなるようにその画像Pic1を台形状に変形(補正)する。信号処理部29は、このように信号処理された画像信号を映像投射部28に出力する。なお、受像面11がユーザにより仰角方向に傾けられた場合についても、上述と同様の処理が行われる。
図32は、受像面11の方位角方向及び仰角方向の傾きにより映像が歪んで表示される様子を説明するための説明図である。
例えば、受像面11が図30に示す状態からユーザにより方位角方向及び仰角方向に傾けられた場合、受像面11の頂点A,B,C,Dのそれぞれから投射機2までの各距離は、例えばa,b,c,dのように互いに異なる。即ち、第1〜第3の距離の全てが異なる。
このような場合でも、投射機2から投射される投射光の方向が受像面11に対して垂直でないため、受像面11に歪んだ画像が映し出される。
図33は、図32に示す状況において信号処理部29によって行われる処理を説明するための説明図である。
このような場合、信号処理部29は、位置解析部24から、第1の距離aと第2の距離bと第3の距離cとを取得する。そして、信号処理部29は、これらの距離a,b,cに基づいて、基準点Oから補正画像Pic2の頂点A2,B2,C2,D2までの距離(O−A2,O−B2,O−C2,O−D2)を導出する。ここで、基準点Oは、変形前後の画像Pic1,Pic2の2つの対角線の交点を示す。なお、補正画像Pic2の頂点A2,B2,C2,D2は、変形前の画像Pic1の頂点A1,B1,C1,D1にそれぞれ対応している。
具体的に、信号処理部29は、まず、画像Pic1の頂点A1〜D1は同一長方形の頂点であるから、第1〜第3の距離a,b,cを使って、投射機2から頂点D1までの距離dを算出する。また、信号処理部29は、画像Pic1の対角線を2等分した長さeを、その画像Pic1の寸法(w1×h1)から算出する。次に、信号処理部29は、e×L0/aにより距離O−A2を導出し、e×L0/bにより距離O−B2を導出し、e×L0/cにより距離O−C2を導出し、e×L0/dにより距離O−D2を導出する。
信号処理部29は、これらの距離(O−A2,O−B2,O−C2,O−D2)に基づいて、画像パラメータの他の例として、4つの頂点A2〜D2の座標位置を特定する。信号処理部29は、その特定した座標位置が頂点となるように画像Pic1を補正画像Pic2に変形する。
以上のように、本実施の形態に係る映像表示システムでは、スクリーン部1から送出される第1〜第3の測距信号を利用することで、投射機2は受像面11の三隅までの距離を求め、受像面11の向きに応じた処理を画像信号に対して行う。これによって、歪みのない映像をスクリーン部1の受像面11に映し出すことができる。さらに、この映像表示システムでは、第1〜第3の検出信号に基づいて位置ずれを正すため、ユーザは、投射機2やスクリーン部1を動かしたりしたときにも、振動が生じたときにも、より快適に映像を見ることができる。
なお、本実施形態では、スクリーン部1は、投射機2における測距処理のために、3個の送信器15a〜15cを備えていた。しかし、これに限らず、スクリーン部1は、4個以上の送信器を備え、各送信器が測距信号を送信するようにしても良い。この場合、投射機2は、受信した測距信号に基づいて、自身から各送信器までの距離を算出する。
また、本実施形態では、スクリーン部1は、前述の規定時間間隔で、第1〜第3の測距信号を送出した。しかし、これに限らず、スクリーン部1は、第1〜第3の測距信号を周波数多重して送信しても良い。
また、本実施形態では、スクリーン部1は、方位角方向及び仰角方向の2方向に受像面11の向きが変化するように構成されていた。しかし、これに限らず、スクリーン部1は、その長手方向に伸縮自在に構成される支持部材12を備えていても良い。これにより、ユーザは、X軸及びY軸の双方に垂直なZ軸方向にも、受像面11の位置を変更することができる。
また、本実施の形態では、スクリーン部1は、第1〜第3の検出信号が重畳された第1〜第3の測距信号を送出していた。しかし、これに限らず、第1〜第3の光検出器14a〜14cは位置解析部24と信号線で接続されていても良い。この場合、位置解析部24は、第1〜第3の測距信号と、第1〜第3の検出信号とを別々に受け取ることとなる。さらに、本実施の形態では、スクリーン部1は、3個の光検出器14a〜14cを備えていた。しかし、これに限らず、スクリーン部1は、4個以上の光検出器を備えていても良い。
また、本実施形態では、投射機2は、システムへの電源投入時を基準に、各測距信号の送信時刻及び受信時刻を特定していた。しかし、これに限らず、スクリーン部1及び投射機2に、車両内又は車両外から正確な時刻情報が定期的に与えられる場合には、スクリーン部1及び投射機2の間で、互いに同期した時刻情報が与えられることになる。従って、このような時刻情報が与えられる場合には、スクリーン部1は、それぞれの送出時刻を含む各測距信号を送出しても良い。これにより、投射機2は、各測距信号の送出時刻を知ることができる。
また、本実施の形態では、スクリーン部1は、支持部材12及びシャフト13を使って車両内部に取り付けられていた。しかし、これらは本質的な構成ではなく、スクリーン部1は、ユーザが携帯しながら画像を観ることができるように構成されていてもよい。他にも、スクリーン部1の本体はシャフト13から着脱自在に構成されていても良い。この場合、好ましくは、シャフト13には、スクリーン部1の本体を支持するためのホルダが取り付けられる。さらに好ましくは、本体がホルダに取り付けられた時に、映像表示システムの電源が投入される。
また、本実施の形態では、画像パラメータは、補正画像において対向する2辺の比率、又は補正画像の4頂点であった。しかし、これに限らず、画像パラメータとして、受像面11上の一点と、投射機2の光軸及び受像面11の交差角度とが導出されても良い。
また、本実施形態では、図30に示すような投射機2及びスクリーン部1の配置状態から、ユーザがスクリーン部1の位置を投射機2に近づけてしまうと、投射光が第1〜第3の光検出器14a〜14cに当たらない場合があるので、投射機2は、その投射光によって映し出される映像の周囲に、さらに無色光を投射することが好ましい。
(変形例1)
また、本実施形態では、投射機2は、各測距信号の到着時刻と送出時刻との差から、投射機2から受像面11の三隅までの距離を算出していた。しかし、これに限らず、スクリーン部は、所定の基準位置に対する受像面11の三隅の座標位置を含む位置情報を送信し、投射機は、その位置情報に基づいて、自身から受像面11の三隅までの距離を算出しても構わない。以下、図34を参照して、このような第1の変形例に係るスクリーン部1及び投射機2について説明する。
図34は、本実施の形態の第1の変形例に係る映像表示システムのスクリーン部及び投射機の構成を示す構成図である。
スクリーン部1aは、図27に示すスクリーン部1が備える第1〜第3の光検出器14a〜14c、第1〜第3の送信器15a〜15c、及び送信制御部16の代わりに、第1の角度センサ31a、第2の角度センサ31b、位置算出部32、及び送信器33とを備える。なお、スクリーン部1aの備える構成要素のうち、図27に示すスクリーン部1が備える構成要素と同一のものに対しては、スクリーン部1の構成要素の符号と同一の符号を付して示し、詳細な説明を省略する。
第1の角度センサ31aは、基準位置から方位角方向に受像面11が現在何度回転しているかを検出し、その検出した方位角を位置算出部32に出力する。また、第2の角度センサ32bは、基準位置から仰角方向に受像面11が現在何度回転しているかを検出し、その検出した仰角を位置算出部32に出力する。
位置算出部32は、前述の初期表示位置における受像面11の三隅の座標位置(以下、初期座標位置と称する)を予め記憶している。そして、位置算出部32は、第1及び第2の角度センサ31a,31bによって検出された方位角及び仰角に応じて、初期表示位置から回動された後における受像面11の三隅の座標位置(以下、現在座標位置と称する)を導出し、その現在座標位置を送信器33に出力する。送信器33は、位置算出部32から取得した現在座標位置を示す位置情報を送出する。なお、送信器33は、受像面11の隅近傍に設置される必要は無く、投射機2が位置情報を受信できる位置に取り付けられれば良い。
また、投射機2aは、図27に示す投射機2と比べ、位置解析部24の代わりに位置解析部41を備える点で相違する。なお、投射機2aの備える構成要素のうち、図27に示す投射機2が備える構成要素と同一のものに対しては、投射機2の構成要素の符号と同一の符号を付して示し、詳細な説明を省略する。
位置解析部41は、受信器23を介して受信した位置情報を使って、受像面11の三隅から投射機2までの距離をそれぞれ、第1〜第3の距離として算出する。なお、このように、位置解析部41は、信号の伝搬時間を使わなくとも第1〜第3の距離を算出できるので、送信器33及び受信器23は、無線だけでなく、有線で接続されても良い。
なお、上述の変形例1のスクリーン部1aは、第1〜第3の光検出器14a〜14cを備えなかったが、これらを備えても良い。この場合、スクリーン部1は、これらの光検出器14a〜14cから出力される第1〜第3の検出信号を含む位置情報を送出する。
また、位置算出部32は、極座標値、つまり現在の方位角及び仰角を送信器33に出力しても構わない。
また、受像面11の位置が前述のZ軸方向にも変更可能な場合には、スクリーン部1aは、基準位置に対するZ軸方向の位置を検出して、検出したZ軸方向の位置も含めて現在座標位置を導出する。
(変形例2)
また、本実施の形態では、図26に示すように、投射機2は支持部材21及びシャフト22によってX軸及びY軸の双方を中心として回転可能に構成されていた。しかし、これに限らず、投射機2は、回転しないように、車両に固定的に取り付けられても構わない。以下、図35及び図36を参照して、このような第2の変形例に係る投射機について説明する。なお、第2の変形例において、スクリーン部1の構成は、図27に示すものと同様の構成を有するため、その説明を省略する。
図35は、本実施の形態の第2の変形例に係る投射機の構成を示す構成図である。
投射機2bは、図27に示す投射機2と比べて、支持部材21、シャフト22、初期位置格納部25、投射方向制御部26、第1のモータ27a、及び第2のモータ27bの代わりに、支持部材51、映像投射部52、初期投射エリア格納部53及び投射方向制御部54を備える。なお、投射機2bの備える構成要素のうち、図27に示す投射機2が備える構成要素と同一のものに対しては、投射機2の構成要素の符号と同一の符号を付して示し、詳細な説明を省略する。
支持部材51は、投射機2の本体を車室の天井に固定する。ここで、好ましくは、支持部材51は、スクリーン部1が初期表示位置に静止した時に、投射機2の光軸が受像面11と直交するように支持する。
初期投射エリア格納部53は、典型的には、不揮発性のメモリで構成されており、スクリーン部1が初期表示位置に静止した時における受像面11の三隅の座標位置を格納する。なお、初期投射エリア格納部53は、受像面11の四隅の座標位置を格納しても良い。
投射方向制御部54は、初期投射エリア格納部53内の座標位置に対応する位置、つまり初期表示位置にある受像面11に画像を投射するために、映像投射部52に対して投射方向を指示する。さらに、投射方向制御部54は、位置解析部24から通知される位置ずれに基づいて、そのずれを解消する投射方向を映像投射部52に対して指示する。
映像投射部52は、レンズやミラーを含む光学系を有しており、投射方向制御部54からの指示に基づいて、信号処理部29から出力された画像信号の画像を示す投射光を受像面11に投射する。
図36は、投射機2bの映像投射部52の投射範囲を示す図である。
映像投射部52は、図36に示すように、スクリーン部1の可動範囲よりも広い投射範囲(斜線部分を参照)を有し、その投射範囲の一部を用いて、スクリーン部1の受像面11に映像を映し出すための投射光を投射する。つまり、映像投射部52は、スクリーン部1が移動すると、投射方向制御部54からの指示に基づいて、その移動後のスクリーン部1の受像面11に対して上述の投射光を投射する。
ここで、映像投射部52は、前述のように機械的に投射方向を変更するのではなく、電気的又は光学的に投射方向を変更する。即ち、映像投射部52は、上記投射範囲のうち受像面11にのみ映像が映るように、画像信号に示される画像の座標変換処理を行う。
(変形例3)
また、実施の形態では、図27に示すように、スクリーン部1からの各測距信号を使って、投射機2は、受像面11の位置を特定していた。しかし、これに限らず、投射機は、スクリーン部の可動範囲を少なくともカバー可能な画角を有する撮像装置により撮像された撮影画像を使って、受像面11の位置を導出しても構わない。
図37は、本実施の形態の第3の変形例における映像表示システムのスクリーン部及び投射機の構成を示す構成図である。
この映像表示システムは、スクリーン部1cと投射機2cとを備える。
スクリーン部1cは、受像面11、支持部材12、シャフト13、初期位置格納部17、表示方向制御部18、第1のモータ19a、及び第2のモータ19bを備える。なお、スクリーン部1cの備える構成要素の全ては、図27に示すスクリーン部1が備える構成要素の一部と同一であるため、詳細な説明を省略する。
投射機2cは、図27に示す投射機2と比べて、受信器23、位置解析部24、及び初期位置格納部25の代わりに、初期位置格納部61、撮像装置62、及び位置解析部63を備える。なお、投射機2cの備える構成要素のうち、図27に示す投射機2が備える構成要素と同一のものに対しては、投射機2の構成要素の符号と同一の符号を付して示し、詳細な説明を省略する。
初期位置格納部61は、典型的には、不揮発性のメモリで構成されており、前述の初期投射位置に加え、さらに、スクリーン部1の初期表示位置を格納する。本変形例において、初期表示位置は好ましくは、設置者により登録され、投射機2cの光軸がスクリーン部1cの受像面11と直交する場合における、受像面11の三隅の座標位置である。
撮像装置62は、スクリーン部1の可動範囲を少なくともカバー可能な画角を有している。
図38は、投射機2cの撮像装置62の画角を示す図である。
撮像装置62は、スクリーン部1の現在の状態を撮像して、その結果得られる撮影画像を位置解析部63に出力する。
位置解析部63は、撮像装置62から取得した撮影画像からスクリーン部1cの輪郭を抽出し、さらに、受像面11の三隅の座標位置を、特徴点として導出する。その後、位置解析部63は、導出した特徴点を使って、上述の第1〜第3の距離を測定し、さらに、映像の位置ずれを検出する。
なお、本変形例では、投射機2cは1つの撮像装置62を備えるとして説明した。しかし、これに限らず、投射機2cは、複数の撮像装置を備え、複数の撮影画像を用いて、上述の第1〜第3の距離を、ステレオ視により導出しても良い。
以上、本発明について上記実施の形態1〜6及びそれらの変形例を用いて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、実施の形態1〜6では、実施の形態7のように映像の歪みを解消するような処理を行わなかったが、実施の形態7と同様に、スクリーン部の3つの部位から投射機までの距離を測定し、その測定結果に基づいて歪みを解消しても良い。また、実施の形態5では、光検出部(1161,1162)を2つ備えたが、3つ以上備えたときには、これらの光検出部による検出結果に基づいて、スクリーン部に表示される映像の歪みを解消しても良い。この場合、実施の形態5のスクリーン情報処理部1253は、3つ以上の光検出部による検出結果に基づいて、スクリーン部に表示される映像の歪みを特定し、画像信号出力部101は、その特定された歪みを抑えるように、画像信号の示す画像を変形する。
図39は、光検出部を4つ備えた映像表示システムが映像の歪みを解消する処理を説明するための説明図である。
例えば、スクリーン部は4つの光検出部1161〜1164を備える。光検出部1161,1164のみが投射光を検出し、光検出部1162,1163が投射光を検出しなかったときには、スクリーン情報処理部1253は、映像Pに歪みが生じていることを把握するとともに、その映像Pの歪みを特定する。そしてスクリーン情報処理部1253は、送信部1254を介して、映像Pの歪みを画像信号出力部101に伝える。画像信号出力部101は、その歪みに基づいて画像信号に対して信号処理を行い、画像信号により示される画像の形状を変形する。その結果、映像Pの歪みが解消される。
また、実施の形態1〜7では、映像表示システムは車両に設置されるとして説明したが、これに限らず、人の生活空間であれば、映像表示システムはどこに設置されても構わない。
また、実施の形態1〜7のそれぞれが備える構成要素を適宜、組み合わせても良く、これにより、振動が生じたときにも、ユーザが投射機やスクリーン部の配置を変えたときにも、映像の表示位置の変動や映像の歪みを確実に抑えることができ、視聴の快適性をさらに向上することができる。
本発明に係る映像表示システムは、映像表示位置の変動を抑えて視聴の快適性を向上することができ、例えば自動車内において映画などをスクリーンに映し出すような車載機器に適している。
本発明の第1の実施の形態における映像表示システムの構成を示す構成図である。 同上の調整部の一部を示す斜視図である。 同上の投射機に振動が生じたときにおける調整部の反射ミラーが回動される様子を説明するための説明図である。 同上の投射機に振動が生じたときにおける調整部の反射ミラーが回動される様子を説明するための説明図である。 同上の第1の変形例における映像表示システムの構成を示す構成図である。 同上の第2の変形例における映像表示システムの構成を示す構成図である。 本発明の第2の実施の形態における映像表示システムの構成を示す構成図である。 同上の光出力部の内部構成の一例を示す構成図である。 同上の投射機の一連の動作を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態における映像表示システムの構成を示す構成図である。 同上の画像信号の処理の一例を説明するための説明図である。 同上の投射機の一連の動作を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態における映像表示システムの構成を示す構成図である。 同上の本体取付部材に投射機本体910が取り付けられた状態を示す正面図である。 同上の投射機に振動が生じたときにおける投射機本体が回動される様子を説明するための説明図である。 同上の投射機の一連の動作を示すフローチャートである。 本発明の第5の実施の形態における映像表示システムの外観構成を示す外観構成図である。 同上の映像表示システムの内部構成を示す内部構成図である。 同上の第1及び第2の光検出部が受ける投射光の範囲を説明するための説明図である。 同上の映像表示システムの一連の動作を示すフローチャートである。 本発明の第6の実施の形態における映像表示システムの外観構成を示す外観構成図である。 同上の投射機の内部構成を示す内部構成図である。 同上の第1及び第2の撮像部が撮像する投射映像の範囲を説明するための説明図である。 本発明の第7の実施の形態における映像表示システムの外観構成を示す外観構成図である。 同上のスクリーン部の外観を示す外観図である。 同上の投射機の外観を示す外観図である。 同上のスクリーン部及び投射機の構成を示す構成図である。 同上のスクリーン部の動作手順を示すフローチャートである。 同上の投射機の動作手順を示すフローチャートである。 同上の投射機から投射された投射光によって映像(画像)が歪なく表示される様子を説明するための説明図である。 同上の受像面の方位角方向の傾きによって歪む映像(画像)が補正される様子を説明するための説明図である。 同上の受像面の方位角方向及び仰角方向の傾きにより映像が歪んで表示される様子を説明するための説明図である。 同上の図32に示す状況において信号処理部によって行われる処理を説明するための説明図である。 同上の第1の変形例に係る映像表示システムのスクリーン部及び投射機の構成を示す構成図である。 同上の第2の変形例に係る投射機の構成を示す構成図である。 同上の投射機の映像投射部の投射範囲を示す図である。 同上の第3の変形例における映像表示システムのスクリーン部及び投射機の構成を示す構成図である。 同上の投射機の撮像装置の画角を示す図である。 光検出部を4つ備えた映像表示システムが映像の歪みを解消する処理を説明するための説明図である。 直視型の映像表示装置の設置状況を説明するための説明図である。
符号の説明
101 画像信号出力部
102 光出力部
106 調整部
1100 投射機
1150 スクリーン部
1151 受像面
1161 第1の光検出部
1162 第2の光検出部
1205 制御部
1207 受信部
1253 スクリーン情報処理部
1254 送信部

Claims (22)

  1. 映像を表示する映像表示システムであって、
    前記映像を映し出すための映像光を出力する映像光出力手段と、
    前記映像光を受けることで前記映像を映し出す受像手段と、
    前記受像手段に映し出される映像の表示位置を検出して、前記映像の表示位置の変位を特定する変位特定手段と、
    前記変位特定手段により特定された変位を抑えるように前記映像光の出力形態を制御する映像光制御手段と
    を備えることを特徴とする映像表示システム。
  2. 前記変位特定手段は、前記受像手段で受けた映像光を検出して前記検出結果に応じた光検出信号を出力する光センサを備え、
    前記光センサの光検出信号の変化から前記映像の表示位置の変位を特定する
    ことを特徴とする請求項1記載の映像表示システム。
  3. 前記変位特定手段は、前記受像手段に映し出される映像を撮像する撮像手段を備え、
    前記撮像手段による撮像結果に基づいて前記映像の表示位置の変位を特定する
    ことを特徴とする請求項1記載の映像表示システム。
  4. 前記映像光制御手段は、前記映像光の向きを変える
    ことを特徴とする請求項1記載の映像表示システム。
  5. 前記映像光制御手段は、前記映像光を受ける反射鏡を具備して、前記反射鏡を回動することで前記映像光の向きを変える
    ことを特徴とする請求項4記載の映像表示システム。
  6. 前記映像光制御手段は、前記映像光出力手段を回動させることで前記映像光の向きを変える
    ことを特徴とする請求項4記載の映像表示システム。
  7. 前記映像光制御手段は、前記映像光の前記映像光出力手段から出力される位置を変える
    ことを特徴とする請求項1記載の映像表示システム。
  8. 前記映像光出力手段は、画像を示す内容の画像信号に基づいて前記画像を現す映像光を作成し、
    前記映像光制御手段は、前記画像信号により示される画像の位置が変わるように前記画像信号に対して信号処理を行うことで、前記映像光の前記映像光出力手段から出力される位置を変える
    ことを特徴とする請求項7記載の映像表示システム。
  9. 前記映像光出力手段は、映像光を所定の方向に投射する投射機であり、
    前記受像手段は、前記映像光を受けて前記映像を映し出す映写幕を具備する
    ことを特徴とする請求項1記載の映像表示システム。
  10. 前記映像光出力手段は、画素ごとの光の透過率を可変とするフィルタリング手段を備えて、前記フィルタリング手段により透過された光から映像光を作成し、
    前記映像光制御手段は、前記フィルタリング手段を移動させることで、前記映像光の前記映像光出力手段から出力される位置を変える
    ことを特徴とする請求項9記載の映像表示システム。
  11. 前記映像光出力手段は、画素ごとの光の反射率を可変とする映像反射手段を備えて、前記映像反射手段により反射された光から映像光を作成し、
    前記映像光制御手段は、前記映像反射手段を移動させることで、前記映像光の前記映像光出力手段から出力される位置を変える
    ことを特徴とする請求項9記載の映像表示システム。
  12. 前記映像光出力手段は、映像光を直視可能なように出力し、
    前記受像手段は、前記映像光を反射して前記映像を映し出す受像用反射鏡を具備する
    ことを特徴とする請求項1記載の映像表示システム。
  13. 前記映像表示システムは、さらに、
    前記受像手段に映し出される映像の歪みを特定する歪み特定手段を備え、
    前記映像光制御手段は、さらに、前記歪み特定手段により特定された映像の歪みを抑えるように映像光の出力形態を制御する
    ことを特徴とする請求項1記載の映像表示システム。
  14. 前記映像光出力手段は、画像を示す内容の画像信号に基づいて前記画像を現す映像光を作成し、
    前記歪み特定手段は、前記受像手段が映像光を受ける受像面上の少なくとも3つの部位から前記映像光出力手段までの各距離を検出することにより、前記映像の歪みを特定し、
    前記映像光制御手段は、前記特定手段により特定された映像の歪みを抑えるように、前記画像信号の示す画像の形状を変形する
    ことを特徴とする請求項13記載の映像表示システム。
  15. 前記映像光制御手段は、前記画像信号の示す画像の形状が矩形である場合、前記歪み特定手段により検出された前記各距離に基づいて、変形後の画像の形状を表すパラメータとして、互いに略対向する2辺の比率、又は各頂点の座標位置を導出し、前記画像信号の示す画像を前記パラメータに応じて変形する
    ことを特徴とする請求項14記載の映像表示システム。
  16. 前記歪み特定手段は、
    前記受像面上の各部位から無線信号を送信する送信手段と、
    前記各部位からの無線信号を前記映像光出力手段の位置で受信する受信手段と、
    前記無線信号が前記送信機から送信されて前記受信機に受信されるまでの時間を計測して、前記各部位から前記映像光出力手段までの各距離を導出する距離導出手段とを備える
    ことを特徴とする請求項15記載の映像表示システム。
  17. 前記歪み特定手段は、
    前記受像面上の各部位の位置を検出する位置検出手段と、
    前記位置検出手段による検出結果に基づいて、前記各部位から前記映像光出力手段までの各距離を導出する距離導出手段とを備える
    ことを特徴とする請求項15記載の映像表示システム。
  18. 前記歪み特定手段は、
    前記受像手段を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段による撮像結果に基づいて、前記受像面上の各部位から前記映像光出力手段までの各距離を導出する距離導出手段とを備える
    ことを特徴とする請求項14記載の映像表示システム。
  19. 前記映像光出力手段は、画像を示す内容の画像信号に基づいて前記画像を現す映像光を作成し、
    前記映像表示システムは、さらに、
    前記受像手段に映し出される映像の表示位置を特定する位置特定手段と、
    前記位置特定手段の特定結果に基づいて、前記画像信号により示される画像の位置が変わるように前記画像信号に対して信号処理を行うことで、前記受像手段に映し出される映像の表示位置を所定の部位に保持する映像位置保持手段とを備える
    ことを特徴とする請求項13記載の映像表示システム。
  20. 前記位置特定手段は、前記受像手段で受けた映像光を検出して前記検出結果に応じた光検出信号を出力する光センサを備え、
    前記光センサの光検出信号に基づいて前記映像の表示位置を特定する
    ことを特徴とする請求項19記載の映像表示システム。
  21. 前記映像表示システムは、さらに、
    前記受像手段を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段による撮像結果に基づいて、前記映像光出力手段から出力される映像光の向きを変え、前記受像手段に映し出される映像の表示位置を所定の部位に保持する映像位置保持手段とを備える
    ことを特徴とする請求項13記載の映像表示システム。
  22. 前記映像表示システムは、さらに、
    前記受像手段を回動させることにより、前記受像手段の映像光を受ける受像面の向きを変化させる回動手段を備える
    ことを特徴とする請求項13記載の映像表示システム。
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