JP2005099359A - 画像記録材料、平版印刷版の製版方法及び重合性組成物 - Google Patents

画像記録材料、平版印刷版の製版方法及び重合性組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 保存安定性に優れ、解像力、耐刷性に優れた、CTPシステムに適合した走査露光用、または安価な短波半導体レーザの発振波長に対し高感度な画像記録材料、平版印刷版の製版方法及び重合性組成物を提供する。
【解決手段】 支持体上に、少なくとも(1)光重合開始剤としてチタノセン化合物、(2)バインダーポリマー、(3)エチレン性不飽和二重結合を1つ以上有するモノマーを含有する感光層を備え、該感光層に少なくともチオール基を保護基によって潜在化した化合物を含むことを特徴とする画像記録材料、該画像記録材料を、330〜450nm又は480〜700nmのレーザ光を照射して画像形成を行うことを特徴とする平版印刷版の製版方法、並びに、光重合開始剤とエチレン性不飽和二重結合を1つ以上有するモノマーとチオール基を保護基によって潜在化した化合物とを含有することを特徴とする重合性組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は画像記録材料、平版印刷版の製版方法及び重合性組成物に関し、特に、感光性平版印刷版とした場合、保存安定性、解像力、耐刷性に優れた、CTPシステムに適合したまたは安価な短波半導体レーザの発振波長に対し高感度な画像記録材料、平版印刷版の製版方法及び重合性組成物に関する。
従来、平版印刷版用原版としては親水性支持体上に親油性の感光性樹脂層を設けた構成を有するPS版(Pre-Sensitized Plate)が広く用いられ、その製版方法として、通常は、リスフイルムを介してマスク露光(面露光)後、非画像部を溶解除去することにより所望の印刷版を得ていた。
近年、画像情報をコンピュータを用いて電子的に処理、蓄積、出力する、ディジタル化技術が広く普及し、それに対応した新しい画像出力方式が種々実用される様になってきた。その結果レーザ光のような指向性の高い光をディジタル化された画像情報に従って走査し、リスフイルムを介す事無く、直接印刷版を製造するコンピュータ トゥ プレート(CTP)技術が望まれ、これに適応した印刷版用原版を得ることが重要な技術課題となっている。
このような走査露光可能な平版印刷版を得る方式の一つとして、従来より、親水性支持体上にもうけるインク受容性の感光性樹脂層(以下、感光層という)として、感光スピードに優れた光重合系組成物を用いた構成が提案され、既に上市されている。該構成の原版は、現像処理が簡便であり、さらに解像度、着肉性、耐刷性、汚れ性に優れるといった望ましい刷版、印刷性能を有する。
上記、光重合性組成物は基本的にはエチレン性不飽和化合物、光重合開始系、バインダー樹脂からなり、画像形成は、光開始系が光吸収し、活性ラジカルを生成、エチレン性不飽和化合物の付加重合を引き起こし、感光層の不溶化を生じるものである。従来の、走査露光可能な光重合性組成物に関する提案の大部分は、感光性に優れた光開始系の使用を開示したものであり、例えば、非特許文献1(Bruce M. Monroeら著、Chemical Revue,93,435(1993))や非特許文献2(R.S. Davidson著、Journal of Photochemistry and Biology
A: Chemistry, 73, 81 (1993))に多く記載されている。
これらの光開始系からなる光重合性組成物と光源としてArレーザー(488nm)やFD−YAGレーザー(532nm)の様な長波長の可視光源を用いた、従来のCTPシステムに関しては、製版行程の生産性をあげるために、さらに高速で書き込む事が望まれているが、光源の出力が十分高くないことや平版印刷版用原版(感材)の感度が十分高く無い為に到達されていない。
一方、近年、例えば、InGaN系の材料を用い、350nmから450nm域で連続発振可能な半導体レーザが実用段階となっている。これらの短波光源を用いた走査露光システムは、半導体レーザが構造上、安価に製造出来るため、十分な出力を有しながら、経済的なシステムを構築できるといった長所を有する。さらに、従来のFD−YAGやArレーザを使用するシステムに比較して、より明るいセーフライト下での作業が可能な感光域が短波な感材が使用できる。
さらに、例えば、非特許文献3(J.P.Faussier "Photoinitiated Polymerization-Theo
ry and Applications" :Rapra Review vol.9, Report, Rapra Technology (1998))や非特許文献4(M.Tsunooka et al., Prog. Polym. Sci., 21, 1 (1996))に記載されるように、感度の高い光開始系を得る事は、広く、イメージング分野において尚、切望される技術である。
特許文献1(特開2001−100412号)および特許文献2(特開2002−268204号)に開示されているように350nmから450nmの波長に対してオキサゾリジノン酸性核を有する色素とチタノセンの組み合わせが著しく感度が向上する事が見出されている。効率のよい増感作用の理由としては、発光強度強く光吸収後の励起寿命が長い事が要因として挙げられる。これらの組み合わせからなる感材は、ほとんどの保管条件に適合でき、1年以上の長期保管しても感度−網再現の変動の小さい優れた経時安定性を有している。しかし、湿度が80%を超す高湿条件や50℃を超す高温条件における長期保管において感度が低下するという現象が発生した。感度が低下すると小点再現性が困難となり、又印刷中の網点面積の変動が大きくなるという平版印刷版としては致命的な欠陥となる。
光重合系感材の経時での挙動は、経時中の熱や湿気による予期せぬ素材の分解から発生するラジカルにより極軽度の暗重合が発生する事で、感光層の反応場としての動きやすさ、モノマー同士の接触頻度が大きく低下し、結果として露光時−露光後に発生するラジカル重合の生長反応が抑制される事で発生すると推測されている。これら暗重合を抑制する技術として、チオール基を有する化合物を添加する技術が特許文献3(特開平9−5996号)で開示されている。チオール基は、電子軌道の大きい電子供与性の高い置換基であり連鎖移動効果もしくは重合禁止効果を有しており、経時中に発生するラジカルを補足−失活させるものと考えられる。しかし、チオール基を有する化合物の添加は、前述のような劣悪な条件下での効果は限定されたものであり、添加量を増やすとカブリが酷くなり、非画像部に残膜を発生させ逆に経時安定性を損なう事が判明した。
特開2001−100412号公報 特開2002−268204号公報 特開平9−5996号公報 ブルース・エム・モンロー(Bruce M. Monroe)ら著、ケミカル レヴュー (Chemical Revue)、1993年、第93巻、第435頁 アール・エス・ダヴィッドソン (R.S.Davidson) 著、ジャーナル・オブ・フォトケミストリー・アンド・バイオロジィー・エー:ケミストリー (Journal of Photochemistry and Biology A: Chemistry)、1993年、第73巻、第81頁 ジェー・ピー・ファウサー (J.P.Faussier)、フォトイニシエイティッド・ポリマリゼーション・セオリー・アンド・アプリケーションズ(Photoinitiated Polymerization-Theory and Applications) : ラプラ・レヴューリポート (Rapra Review)、1998年、第9巻、ラプラ・テクノロジィー (Rapra Technology) エム・ツノカら (M.Tsunooka et al.), プログレス・ポリマー・サイエンス (Prog.Polym.Sci.)、1996年、第21巻、第1頁
本発明の目的は、感光性平版印刷版とした場合、保存安定性に優れ、解像力、耐刷性に優れた、CTPシステムに適合した走査露光用、または安価な短波半導体レーザの発振波長に対し高感度な画像記録材料、平版印刷版の製版方法及び重合性組成物を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究を行ったところ、重合開始剤としてチタノセン化合物を用いた光重合開始系に、チオール基を保護基によって潜在化した化合物を添加することで、小点再現性、耐刷性を損なうことなく、経時安定性に目覚ましい改善効果が得られる事を見出した。
即ち、本発明は、以下の通りである。
(1)支持体上に、少なくとも(1)光重合開始剤としてチタノセン化合物、(2)バインダーポリマー、(3)エチレン性不飽和二重結合を1つ以上有するモノマーを含有する感光層を備えた画像記録材料において、
該感光層に少なくともチオール基を保護基によって潜在化した化合物を含むことを特徴とする画像記録材料。
(2)前記光重合開始剤としてさらにトリアジン化合物を含有することを特徴とする前記(1)記載の画像記録材料。
(3)前記バインダーポリマーが、側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有することを特徴とする前記(1)又は(2)記載の画像記録材料。
(4)前記バインダーポリマーが、主鎖にウレタン結合を有することを特徴とする前記(1)又は(2)記載の画像記録材料。
(5)前記感光層上に、オーバーコート層を備えたことを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか記載の画像記録材料。
(6)前記(1)〜(5)のいずれか記載の画像記録材料を、330〜450nmのレーザ光を照射して画像形成を行うことを特徴とする平版印刷版の製版方法。
(7)前記(1)〜(5)のいずれか記載の画像記録材料を、480〜700nmのレーザ光を照射して画像形成を行うことを特徴とする平版印刷版の製版方法。
(8)少なくとも、光重合開始剤とエチレン性不飽和二重結合を1つ以上有するモノマーとチオール基を保護基によって潜在化した化合物とを含有することを特徴とする重合性組成物。
本発明の画像記録材料の作用機構は必ずしも明確ではないが、感光層中で、チオール基を保護基によって潜在化した化合物が、自然経時中に発生するラジカルを適切に補足−失活させることにより、暗重合抑制機能があり、経時安定性を目覚ましく改善させることが推定される。更に、チオール基を保護基によって潜在化した化合物は、重合禁止作用が極めて弱い為、露光部でのラジカル重合の生長反応を抑制することがほとんど見られない為、高感度を維持したまま経時安定性を向上することが可能となったと推定される。
本発明の画像記録材料は、感光性平版印刷版として好適に使用できる。
本発明の画像記録材料は、チオール基を保護基によって潜在化した化合物を含む光重合性感光層を有することにより、保存安定性に優れ、解像力、耐刷性に優れた、CTPシステムに適合した走査露光用、または安価な短波半導体レーザの発振波長に対し高感度なものとすることができ、330〜450nmまたは480〜700nmのレーザ光を照射して画像形成を行うことにより、解像力、耐刷性に優れた平版印刷版を容易に製版することができる。
本発明の画像記録材料が有する感光層は、少なくとも(1)光重合開始剤としてチタノセン化合物、(2)バインダーポリマー、(3)エチレン性不飽和二重結合を1つ以上有するモノマー、(4)チオール基を保護基によって潜在化した化合物を含有する。
このような感光層は、通常、少なくとも上記各成分を溶剤に溶解した感光性組成物(以下、重合性組成物とも称する)を支持体に塗設することにより形成される。
以下、感光層を構成する各成分について説明する。
〔チオール基を保護基によって潜在化した化合物〕
本発明の画像記録材料が有する感光層に含まれるチオール基を保護基によって潜在化した化合物(以下、チオール放出化合物とも称する)としては、特に限定されないが、以下に挙げる(a)〜(b)化合物が好ましい。
(a)下記一般式(I)で表される化合物。
Figure 2005099359
(式(I)において、R1およびR2は、それぞれアルキル基またはアラルキル基である;Aは硫黄原子を介してウラシル環に結合している有機複素環化合物である;Bは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のいずれかの原子、カルボキシ基、スルホニル基、アミド基、スルホンアミド基、ニトロ基、シアノ基である。)
式(I)において、R1およびR2は、アルキル基が特に好ましい。
上記アルキル基は、直鎖、分岐あるいは環状のいずれの構造を有していてもよい。アルキル基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至12であることがさらに好ましく、1乃至6であることが最も好ましい。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびシクロヘキシルを挙げることができる。上記アラルキル基の炭素原子数は、7乃至30であることが好ましく、7乃至20であることがさらに好ましく、7乃至12であることが最も好ましい。アラルキル基の例としては、ベンジルおよびフェネチルを挙げることができる。
以上の各基は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アミノ、置換アミノ基、アミド基、カルバモイル、N−置換カルバモイル基、ウレイド、N−置換ウレイド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、スルファモイル、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ハロゲン原子、ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシルおよびスルホを挙げることができる。各基はさらに置換されていてもよい。カルボキシルおよびスルホは、塩を形成していてもよい。
式(I)において、Aは硫黄原子を介してウラシル環に結合している有機複素環化合物である。Aについては、銀塩写真におけるDIR(現像抑制剤放出)カプラー又はDIR
化合物として良く知られている添加剤が、本発明の効果を得る上で好ましい。Aについては、DIRカプラー又はDIR化合物に関する通常の銀塩写真の文献により公知のものを採用することができる。特に好ましい例としては、特開平6−313967号公報に記載のものである。
式(I)で表される化合物の例を以下に示す。
Figure 2005099359
Figure 2005099359
Figure 2005099359
(b)下記一般式(II)で表される化合物。
Figure 2005099359
式(II)中、R5、R6、R7、R8は、それぞれ、水素、ハロゲン基、アルキル基、アリール基、カルボキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシアルキル基、カルボキシアリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、フルオロアルキル基、フルオロスルホニル基である。更にR5、とR6、6とR7、7とR8は、おのおの互いに結合して脂肪族または芳香族環を形成しているものも好適に使用できる。このような脂肪族環の例としては、5員環、6員環、7員環および8員環の脂肪族環を挙げることができ、より好ましくは、5員環、6員環の脂肪族環を挙げることができる。これらは更に、これらを構成する炭素原子上に置換基を有していても良く、環構成炭素の一部が、ヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子、窒素原子等)で置換されていても良い。また、芳香族環を形成する例としては、これらが結合する炭素原子を含むベンゼン環と協同して、ナフタレン、アントラセン環をなすものを挙げることができ、より好ましくはナフタレン環をなすものが挙げられる。
上記一般式(II)で表される化合物の代表例を以下に示す。
Figure 2005099359
Figure 2005099359
Figure 2005099359
Figure 2005099359
Figure 2005099359
Figure 2005099359
Figure 2005099359
前記(a)〜(b)化合物の中でも、特に好ましいものは、以下の2種である。
Figure 2005099359
上記のチオール放出化合物の感光層中の添加量は、特に限定されないが、好ましくは、感光層固形分全体を100%とした場合、0.005〜10wt%であり、より好ましくは0.05〜5wt%、もっとも好ましくは、0.1〜3wt%である。添加量が0.005wt%以上であれば経時安定性への効果がより良くなり、10wt%以下であれば未露光部に現像不良が生じ難くなるため好ましい。また、上記チオール放出化合物は、単独、または2種類以上の混合で用いられても構わない。
〔チタノセン化合物〕
本発明の画像記録材料が有する感光層に含まれるチタノセン化合物は、光照射した場合、活性ラジカルを発生し得るチタノセン化合物であればいずれであってもよく、例えば、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41483号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−291号、特開平3−27393号、特開平3−12403号、特開平6−41170号公報に記載されている公知の化合物を適宜に選択して用いることができる。
さらに具体的には、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル(以下「T−1」ともいう。)、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフエニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフエニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフエニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフエニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフエニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)フェニル)チタニウム(以下「T−2」ともいう。)等を挙げることができる。
本発明のチタノセン化合物に関しても、さらに、その感光層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素や、付加重合性不飽和化合物その他のラジカル発生パートとの結合、親水性部位の導入、相溶性向上、結晶析出抑制のための置換基導入、密着性を向上させる置換基導入、ポリマー化等の方法が利用できる。
これらのチタノセン化合物の使用法に関しても、後述のエチレン性不飽和二重結合を1つ以上有するモノマー等と同様、感材の性能設計により適宜、任意に設定できる。例えば、2種以上併用することで、感光層用組成物への相溶性を高める事ができる。チタノセン化合物の使用量は通常多い方が感光性の点で有利であり、感光層を構成する全固形分100質量部に対し、0. 5〜80質量部、好ましくは1〜50質量部、範囲で用いることで十分な感光性が得られる。一方、黄色等、白色灯化での使用に際しては、500nm付近の光によるカブリ性の点からチタノセンの使用量は少ない事が好ましいが、増感色素との組み合わせによりチタノセンの使用量は、感光層を構成する全固形分100質量部に対し、6質量部以下、さらに5質量部以下、さらには3質量部以下にまで下げても十分な感光性を得ることができる。
〔エチレン性不飽和二重結合を1つ以上有するモノマー〕
本発明に使用されるエチレン性不飽和二重結合を1つ以上有するモノマー(以下、付加重合性化合物とも称する)は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。この様な化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いる事ができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類があげられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。
また、イソシアナト基や、エポキシ基、等の親電子性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、ハロゲン基や、トシルオキシ基、等の脱離性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用する事も可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
さらに、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものをあげる事ができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(2)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
Figure 2005099359
一般式(2)中、RおよびR'はHあるいはCH3を示す。
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
さらに、特開昭63−277653,特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた感光層を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートをあげることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等もあげることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌 vol. 20、No. 7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの、付加重合性化合物について、どの様な構造を用いるか、単独で使用するか併用するか、添加量はどうかといった、使用方法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせて、任意に設定できる。例えば次のような観点から選択される。感光スピードの点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものが良く、さらに、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感光性と、強度を両方を調節する方法も有効である。大きな分子量の化合物や、疎水性の高い化合物は感光スピードや、膜強度に優れる反面、現像スピードや現像液中での析出といった点で好ましく無い場合がある。
また、感光層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうる事がある。また、後述の支持体、オーバーコート層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。感光層用組成物中の付加重合性化合物の配合比に関しては、多い方が感度的に有利であるが、多すぎる場合には、好ましく無い相分離が生じたり、感光性組成物の粘着性による製造工程上の問題(例えば、感材成分の転写、粘着に由来する製造不良)や、現像液からの析出が生じる等の問題を生じうる。これらの観点から、好ましい配合比は、
多くの場合、組成物全成分に対して5〜80質量%、好ましくは25〜75質量%である。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施しうる。
〔バインダーポリマー〕
本発明に使用されるバインダーポリマーとしては、特に限定されないが、線状有機高分子重合体を使用することが好ましい。このような「線状有機高分子重合体」としては、どれを使用しても構わない。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とする水あるいは弱アルカリ水可溶性または膨潤性である線状有機高分子重合体が選択される。線状有機高分子重合体は、感光層の皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機高分子重合体を用いると水現像が可能になる。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体および〔アリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体は、膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。
また、特公平7−12004号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特願平10−116232号明細書等に記載される、酸基を含有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度に優れるので、耐刷性・低露光適性の点で有利である。
また、特開平11−171907号記載のアミド基を有するバインダーは優れた現像性と膜強度をあわせもち、好適である。
さらにこの他に水溶性線状有機高分子として、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。これらの線状有機高分子重合体は全組成物中に任意な量を混和させることができる。しかし90質量%以下であれば形成される画像強度等の点で好ましい結果を与える。好ましくは30〜85質量%である。また光重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物と線状有機高分子重合体は、質量比で1/9〜7/3の範囲とするのが好ましい。
好ましい実施様態においてバインダーポリマーは実質的に水不要でアルカリに可溶なものが用いられる。そうすることで、現像液として、環境上好ましくない有機溶剤を用いないかもしくは非常に少ない使用量に制限できる。この様な使用法においてはバインダーポリマーの酸価(ポリマー1gあたりの酸含率を化学等量数で表したもの)と分子量は画像強度と現像性の観点から適宜選択される。好ましい酸価は、0.4〜3.0meq/gで
あり好ましい分子量は3000から50万の範囲で、より好ましくは、酸価が0.6〜2.0、分子量が1万から30万の範囲である。
(F)その他の成分
本発明の画像記録材料の感光層には、さらにその用途、製造方法等に適したその他の成分を適宜添加することができる。以下、好ましい添加剤に関し例示する。
(F1)増感色素
本発明の画像記録材料の感光層には、必要により増感色素を含んでいても良い。本発明の画像記録材料の感光層に含ませることができる増感色素としては、光重合開始剤であるチタノセン化合物と組み合わせて使用できるものであれば、特に限定されず、公知公用のものを用いることができる。
また、黄色灯、オレンジ灯などのより明るいセーフライト下での作業が可能な画像記録材料とするためには、350〜450nmにλmaxを有する増感色素を用いることが好ましい。
このような350〜450nmにλmaxを有する増感色素の中でも、オキサゾリジノン酸性核を有する色素が好ましく、更に下記一般式(1)で表される色素が好ましい。
Figure 2005099359
(一般式(1)中、Aは置換基を有しても良い芳香族環またはヘテロ環をあらわし、Xは酸素原子又は硫黄原子ないし−N(R3)−をあらわす。R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子または、一価の非金属原子団であり、AとR1及びR2と R3はそれぞれ互いに、脂肪族性または芳香族性の環を形成するため結合することができる。)
一般式(1)について詳しく説明する。R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子または、一価の非金属原子団であり、好ましくは、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換の芳香族複素環残基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアルキルチオ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子を表す。
1、R2およびR3の好ましい例について具体的に述べる。好ましいアルキル基の例としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、および環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
置換アルキル基の置換基としては、水素を除く一価の非金属原子団が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジ
チオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウレイド基、
N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、
アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基(−PO32)及びその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、
ジアルキルホスフォノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO32)及びその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることができる。
ヘテロアリール基としては、窒素、酸素、硫黄原子の少なくとも一つを含有する単環、もしくは多環芳香族環が用いられ、特に好ましいヘテロアリール基の例としては、例えば、チオフェン、チアスレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサジン、ピロール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドリジン、インドイール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリン、アクリジン、ペリミジン、フェナンスロリン、フタラジン、フェナルザジン、フェノキサジン、フラザン、フェノキサジンや等があげられ、これらは、さらにベンゾ縮環しても良く、また置換基を有していても良い。
また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等が挙げられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。アシル基(G1CO−)におけるG1としては、水素、ならびに上記のアルキル基、アリール基を挙げることができる。これら置換基の内、更により好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスフォナト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスフォナト基、ホスフォノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、アリール基、アルケニル基が挙げられる。
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基を挙げることができる。
該置換基とアルキレン基を組み合わせる事により得られるR1、R2およびR3として好ましい置換アルキル基の、具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチル
ベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、
スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスフォノブチル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチルホスフォノブチル基、ジフェニルホスフォノプロピル基、メチルホスフォノブチル基、メチルホスフォナトブチル基、トリルホスフォノヘキシル基、トリルホスフォナトヘキシル基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフォナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、等を挙げることができる。
1、R2およびR3として好ましいアリール基の具体例としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
1、R2およびR3として好ましい置換アリール基の具体例としては、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、水素を除く一価の非金属原子団を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。この様な、置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、
アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基、ジエチルホスフォノフェニル基、ジフェニルホスフォノフェニル基、メチルホスフォノフェニル基、メチルホスフォナトフェニル基、トリルホスフォノフェニル基、トリルホスフォナトフェニル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェ
ニル基、等を挙げることができる。
次に、一般式(1)におけるAについて説明する。Aは置換基を有しても良い芳香族環またはヘテロ環をあらわし、置換基を有しても良い芳香族環またはヘテロ環の具体例としては、一般式(1)中のR1、R2およびR3で記載したものと同様のものが挙げられる。
前記一般式(1)であらわされる増感色素は、上に示したような酸性核や、活性メチレン基を有する酸性核と、置換、もしくは非置換の、芳香族環またはヘテロ環との縮合反応によって得られるが、これらは特公昭59−28329を参照して合成することができる。
以下に一般式(1)で表される化合物の好ましい具体例(D1)から(D28)を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。また、酸性核と塩基性核を結ぶ2重結合による異性体については明らかでなく、本発明はどちらかの異性体に限定されるものでもない。
Figure 2005099359
Figure 2005099359
Figure 2005099359
Figure 2005099359
Figure 2005099359
上記増感色素に関しては、さらに、感光層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素と、付加重合性化合物構造(例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基)とを、共有結合、イオン結合、水素結合等の方法により結合させる事で、露光膜の高強度化や、露光後の膜からの色素の不要な析出抑制を行う事ができる。また、増感色素と前述のチタノセン化合物やその他のラジカル発生パート(例えば、ハロゲン化アルキル、オニウム、過酸化物、ビイミダゾール、オニウム、ビイミダゾール等の還元分解性部位や、ボレート、アミン、トリメチルシリルメチル、カルボキシメチル、カルボニル、イミン等の酸化解裂性部位)との結合により、特に開始系の濃度の低い状態での感光性を著しく高める事ができる。
さらに、本発明の画像記録材料の感光層の好ましい使用様態である、(アルカリ)水系現像液への処理適性を高める目的に対しては、親水性部位(カルボキシル基並びにそのエステル、スルホン酸基並びにそのエステル、エチレンオキサイド基等の酸基もしくは極性基)の導入が有効である。特にエステル型の親水性基は、該感光層中では比較的疎水的構造を有するため相溶性に優れ、かつ、現像液中では、加水分解により酸基を生成し、親水性が増大するという特徴を有する。その他、例えば、該感光層中での相溶性向上、結晶析出抑制のために適宜置換基を導入する事ができる。例えば、ある種の感光系では、アリール基やアリル基等の不飽和結合が相溶性向上に非常に有効である場合があり、また、分岐アルキル構造導入等の方法により、色素π平面間の立体障害を導入する事で、結晶析出が著しく抑制できる。また、ホスホン酸基やエポキシ基、トリアルコキシシリル基等の導入により、金属や金属酸化物等の無機物への密着性を向上させる事ができる。そのほか、目的に応じ、増感色素のポリマー化等の方法も利用できる。
これらの増感色素のどの構造を用いるか、単独で使用するか2種以上併用するか、添加量はどうか、といった使用法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせて適宜設定できる。例えば、増感色素を2種以上併用することで、感光層への相溶性を高める事ができる。増感色素の選択は、感光性の他、使用する光源の発光波長でのモル吸光係数が重要な因子である。モル吸光係数の大きな色素を使用する事により、色素の添加量は比較的少なくできるので、経済的であり、感光層の膜物性の点からも有利である。該感光層の感光性、解像度や、露光膜の物性は光源波長での吸光度に大きな影響を受けるので、これらを考慮して増感色素の添加量を適宜選択する。例えば、吸光度が0.1以下の低い領域では感度が低下する。また、ハレーションの影響により低解像度となる。
但し、例えば5μm以上の厚い膜を硬化せしめる目的に対しては、この様な低い吸光度の方がかえって硬化度をあげられる場合もある。また、吸光度が3以上の様な高い領域では、上記感光層表面で大部分の光が吸収され、より内部での硬化が阻害され、感光層の膜強度、基板密着性の不十分なものとなる。比較的薄い膜厚で使用する平版印刷版としての使用に際しては、増感色素の添加量は、感光層の吸光度が0.1から1.5の範囲、好ましくは0.25から1の範囲となるように設定するのが好ましい。平版印刷版として利用する場合には、これは、通常、感光層を構成する全固形分100質量部に対し、通常0.05〜30質量部、好ましくは0.1〜20質量部、さらに好ましくは0.2〜10質量部の範囲である。
(F2)共増感剤
ある種の添加剤(以後、共増感剤という)を用いることで、感度をさらに向上させる事ができる。これらの作用機構は、明確ではないが、多くは次のような化学プロセスに基づくものと考えられる。即ち、先述の開始系の光吸収により開始される光反応、と、それに引き続く付加重合反応の過程で生じる様々な中間活性種(ラジカル、過酸化物、酸化剤、還元剤等)と、共増感剤が反応し、新たな活性ラジカルを生成するものと推定される。これらは、大きくは、(a)還元されて活性ラジカルを生成しうるもの、(b)酸化されて活性ラジカルを生成しうるもの、(c)活性の低いラジカルと反応し、より活性の高いラジカルに変換するか、もしくは連鎖移動剤として作用するもの、に分類できるが、個々の化合物がこれらのどれに属するかに関しては、通説がない場合も多い。
(a)還元されて活性ラジカルを生成する化合物
炭素−ハロゲン結合を有する化合物:還元的に炭素−ハロゲン結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、トリハロメチル−s−トリアジン類や、トリハロメチルオキサジアゾール類等が好適に使用できる。
窒素−窒素結合を有する化合物:還元的に窒素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的にはヘキサアリールビイミダゾール類等が好適に使用される

酸素−酸素結合を有する化合物:還元的に酸素−酸素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、有機過酸化物類等が好適に使用される。
オニウム化合物:還元的に炭素−ヘテロ結合や、酸素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には例えば、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、N−アルコキシピリジニウム(アジニウム)塩類等が好適に使用される。
フェロセン、鉄アレーン錯体類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。
(b)酸化されて活性ラジカルを生成する化合物
アルキルアート錯体:酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂し、活性ラジカルを生成すると考えられる。具体的には例えば、トリアリールアルキルボレート類が好適に使用される。
アルキルアミン化合物:酸化により窒素に隣接した炭素上のC−X結合が解裂し、活性ラジカルを生成するものと考えられる。Xとしては、水素原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、ベンジル基等が好適である。具体的には、例えば、エタノールアミン類、N−フェニルグリシン類、N−トリメチルシリルメチルアニリン類等があげられる。
含硫黄、含錫化合物:上述のアミン類の窒素原子を硫黄原子、錫原子に置き換えたものが、同様の作用により活性ラジカルを生成しうる。また、S−S結合を有する化合物もS−S解裂による増感が知られる。
α−置換メチルカルボニル化合物:酸化により、カルボニル−α炭素間の結合解裂により、活性ラジカルを生成しうる。また、カルボニルをオキシムエーテルに変換したものも同様の作用を示す。具体的には、2−アルキル−1−[4−(アルキルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロノン−1類、並びに、これらと、ヒドロキシアミン類とを反応したのち、N−OHをエーテル化したオキシムエーテル類をあげる事ができる。
スルフィン酸塩類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。具体的は、アリールスルフィン酸ナトリウム等をあげる事ができる。
(c)ラジカルと反応し高活性ラジカルに変換、もしくは連鎖移動剤として作用する化合物:例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、もしくは、酸化された後、脱プロトンする事によりラジカルを生成しうる。具体的には、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類等があげられる。
これらの共増感剤のより具体的な例は、例えば、特開平9−236913号中に、感度向上を目的とした添加剤として、多く記載されている。以下に、その一部を例示するが、本発明はこれらに限定されるものはない。
Figure 2005099359
これらの共増感剤に関しても、先の増感色素と同様、さらに、感光層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素や活性剤、付加重合性不飽和化合物その他のパートとの結合、親水性部位の導入、相溶性向上、結晶析出抑制のための置換基導入、密着性を向上させる置換基導入、ポリマー化等の方法が利用できる。
これらの共増感剤は、単独でまたは2種以上併用して用いることができる。使用量はエチレン性不飽和二重結合を有する化合物100質量部に対し0.05〜100質量部、好ましくは1〜80質量部、さらに好ましくは3〜50質量部の範囲が適当である。
(F3)重合禁止剤
また、本発明においては以上の基本成分の他に感光層用組成物(感光性組成物とも称する)の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量は、感光性組成物の全固形分に対して約0.01質
量%〜約5質量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、支持体等への塗布後の乾燥の過程でその感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、感光性組成物の全固形分の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
(F4)着色剤等
さらに、その感光層の着色を目的として染料もしくは顔料を添加してもよい。これにより、印刷版としての、製版後の視認性や、画像濃度測定機適性といったいわゆる検版性を向上させる事ができる。着色剤としては、多くの染料は光重合系感光層の感度の低下を生じるので、着色剤としては、特に顔料の使用が好ましい。具体例としては例えばフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などの染料がある。染料および顔料の添加量は感光層の全固形分の約0.5質量%〜約5質量%が好ましい。
(F5)その他の添加剤
さらに、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、その他可塑剤、感光層表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物と結合剤との合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
また、後述する膜強度(耐刷性)向上を目的とした、現像後の加熱・露光の効果を強化するための、UV開始剤や、熱架橋剤等の添加もできる。
その他、感光層と支持体との密着性向上や、未露光感光層の現像除去性を高めるための添加剤、中間層を設ける事を可能である。例えば、ジアゾニウム構造を有する化合物や、ホスホン化合物、等、基板と比較的強い相互作用を有する化合物の添加や下塗りにより、密着性が向上し、耐刷性を高める事が可能であり、一方ポリアクリル酸や、ポリスルホン酸のような親水性ポリマーの添加や下塗りにより、非画像部の現像性が向上し、汚れ性の向上が可能となる。
画像記録材料の作製において支持体上に塗布する点から、本発明の感光性組成物は、上記各成分を溶剤、特に有機溶剤に溶解してなる。例えば、有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、
3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブ
チロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。そして、塗布溶液中の固形分の濃度は、2〜50質量%が適当である。
前記感光層の支持体被覆量は、主に、感光層の感度、現像性、露光膜の強度・耐刷性に影響しうるもので、用途に応じ適宜選択することが望ましい。被覆量が少なすぎる場合には、耐刷性が十分でなくなる。一方多すぎる場合には、感度が下がり、露光に時間がかかる上、現像処理にもより長い時間を要するため好ましくない。本発明の主要な目的である走査露光用平版印刷版用原版としては、その被覆量は乾燥後の質量で約0.1g/m2〜約10g/m2の範囲が適当である。より好ましくは0.5〜5g/m2である。
〔支持体〕
本発明の画像記録材料を得るには上記感光層を、表面が親水性の支持体上に設ける事が望ましい。親水性の支持体としては、従来公知の、平版印刷版用原版に使用される親水性支持体を限定無く使用することができる。使用される支持体は寸度的に安定な板状物であることが好ましく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記の如き金属がラミネート若しくは蒸着された紙若しくはプラスチックフィルム等が含まれ、これらの表面にたいし、必要に応じ親水性の付与や、強度向上、等の目的で適切な公知の物理的、化学的処理を施しても良い。
特に、好ましい支持体としては、紙、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板があげられ、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であり、必要に応じた表面処理により親水性や強度にすぐれた表面を提供できるアルミニウム板は特に好ましい。また、特公昭48−18327号に記載されているようなポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシートが結合された複合体シートも好ましい。
好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネート又は蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は高々10質量%以下である。本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
また金属、特にアルミニウムの表面を有する支持体の場合には、粗面化(砂目立て)処理、珪酸ソーダ、弗化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液への浸漬処理、あるいは陽極酸化処理などの表面処理がなされていることが好ましい。
アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸、硝酸等の電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭
54−63902号に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。また、アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するために、例えば、界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
さらに、粗面化したのちに珪酸ナトリウム水溶液に浸漬処理されたアルミニウム板が好ましく使用できる。特公昭47−5125号に記載されているようにアルミニウム板を陽極酸化処理したのちに、アルカリ金属珪酸塩の水溶液に浸漬処理したものが好適に使用される。陽極酸化処理は、例えば、燐酸、クロム酸、硫酸、硼酸等の無機酸、もしくは蓚酸、スルファミン酸等の有機酸またはそれらの塩の水溶液または非水溶液の単独または二種以上を組み合わせた電解液中でアルミニウム板を陽極として電流を流すことにより実施される。
また、米国特許第3658662号に記載されているようなシリケート電着も有効である。
さらに、特公昭46−27481号、特開昭52−58602号、特開昭52−30503号に開示されているような電解グレインを施した支持体と、上記陽極酸化処理および珪酸ソーダ処理を組合せた表面処理も有用である。
また、特開昭56−28893号、特開2003−298791号に開示されているような機械的粗面化、化学的エッチング、電解グレイン、陽極酸化処理さらに珪酸ソーダ処理を順に行ったものも好適である。
さらに、これらの処理を行った後に、水溶性の樹脂、例えばポリビニルホスホン酸、スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体、ポリアクリル酸、水溶性金属塩(例えば硼酸亜鉛)もしくは、黄色染料、アミン塩等を下塗りしたものも好適である。
さらに特開平7−159983号に開示されているようなラジカルによって付加反応を起こし得る官能基を共有結合させたゾル−ゲル処理基板も好適に用いられる。
その他好ましい例として、任意の支持体上に表面層として耐水性の親水性層を設けたものも挙げることができる。この様な表面層としては例えばUS3055295や、特開昭56−13168号記載の無機顔料と結着剤とからなる層、特開平9−80744記載の親水性膨潤層、特表平8−507727記載の酸化チタン、ポリビニルアルコール、珪酸類からなるゾルゲル膜等を挙げることができる。
これらの親水化処理は、支持体の表面を親水性とするために施される以外に、その上に設けられる光重合性組成物の有害な反応を防ぐため、かつ感光層の密着性の向上等のために施されるものである。
〔保護層〕
本発明の走査露光用の画像記録材料においては、通常、露光を大気中で行うため、光重合性組成物の層の上に、さらに、酸素遮断性保護層を設ける事が好ましい。酸素遮断性保護層は、感光層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する酸素や塩基性物質等の低分子化合物の感光層への混入を防止し、大気中での露光を可能とする。従って、この様な保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性が低いことであり、さらに、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、感光層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できる事が望ましい。
この様な、保護層に関する工夫が従来よりなされており、米国特許第3、458、311号、特開昭55−49729号に詳しく記載されている。保護層に使用できる材料とし
ては例えば、比較的、結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いる事がよく、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸などのような水溶性ポリマーが知られていが、これらの内、ポリビニルアルコールを主成分として用いる事が、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的にもっとも良好な結果を与える。保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル、およびアセタールで置換されていても良い。また、同様に一部が他の共重合成分を有していても良い。
ポリビニルアルコールの具体例としては71〜100%加水分解され、分子量が300から2400の範囲のものをあげる事ができる。具体的には、株式会社クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等があげられる。
保護層の成分(PVAの選択、添加剤の使用)、塗布量等は、酸素遮断性・現像除去性の他、カブリ性や密着性・耐傷性を考慮して選択される。一般には使用するPVAの加水分解率が高い程(保護層中の未置換ビニルアルコール単位含率が高い程)、膜厚が厚い程酸素遮断性が高くなり、感度の点で有利である。しかしながら、極端に酸素遮断性を高めると、製造時・生保存時に不要な重合反応が生じたり、また画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生じたりという問題を生じる。また、画像部との密着性や、耐傷性も版の取り扱い上極めて重要である。即ち、水溶性ポリマーからなる親水性の層を親油性の重合層に積層すると、接着力不足による膜剥離が発生しやすく、剥離部分が酸素の重合阻害により膜硬化不良などの欠陥を引き起こす。
これに対し、これら2層間の接着性を改すべく種々の提案がなされている。たとえば米国特許第292、501号、米国特許第44、563号には、主にポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルジョンまたは水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体などを20〜60質量%混合し、重合層の上に積層することにより、十分な接着性が得られることが記載されている。本発明における保護層に対しては、これらの公知の技術をいずれも適用する事ができる。このような保護層の塗布方法については、例えば米国特許第3,458,311号、特開昭55−49729号に詳しく記載されている。
さらに、保護層に他の機能を付与する事もできる。例えば、露光に使う、350nmから450nmの光の透過性に優れ、かつ500nm以上の光を効率良く吸収しうる、着色剤(水溶性染料等)の添加により、感度低下を起こすことなく、セーフライト適性をさらに高める事ができる。
本発明の画像記録材料は、通常、画像露光したのち、現像液で感光層の未露光部を除去し、画像を得る。これらの画像記録材料の作成に使用する際の好ましい現像液としては、特公昭57−7427号に記載されているような現像液が挙げられ、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタケイ酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニア水などのような無機アルカリ剤やモノエタノールアミンまたはジエタノールアミンなどのような有機アルカリ剤の水溶液が適当である。このようなアルカリ溶液の濃度が通常0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%になるように添加される。
また、このようなアルカリ性水溶液には、必要に応じて界面活性剤やベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、2−ブトキシエタノールのような有機溶媒を少量含むことができる。例えば、米国特許第3375171号および同第3615480号に記載されているものを挙げることができる。
さらに、特開昭50−26601号、同58−54341号、特公昭56−39464号、同56−42860号の各公報に記載されている現像液も優れている。
その他、本発明の画像記録材料の製版プロセスとしては、必要に応じ、露光前、露光中、露光から現像までの間に、全面を加熱しても良い。この様な加熱により、感光層中の画像形成反応が促進され、感度や耐刷性の向上や感度の安定化といった利点が生じ得る。さらに、画像強度・耐刷性の向上を目的として、現像後の画像に対し、全面後加熱もしくは、全面露光を行う事も有効である。通常現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行う事が好ましい。温度が高すぎると、非画像部迄がかぶってしまう等の問題を生じる。現像後の加熱には非常に強い条件を利用する。通常は200〜500℃の範囲である。200℃以上であると十分な画像強化作用が得られ、500℃以下であると支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題が生じ難くなり好ましい。
本発明の画像記録材料の露光方法は、公知の方法を制限なく用いる事ができる。望ましい、光源の波長は350nmから450nmであり、具体的にはInGaN系半導体レーザが好適である。露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでも良い。また、本発明の感光層は、高い水溶性のものを使用する事で、中性の水や弱アルカリ水に可溶とすることもできるが、この様な構成の画像記録材料は印刷機上に装填後、機上で露光−現像といった方式を行う事もできる。
350nm〜450nmの入手可能なレーザー光源としては以下のものを利用することができる。
ガスレーザーとして、Arイオンレーザー(364nm、351nm、10mW〜1W)、Krイオンレーザー(356nm、351nm、10mW〜1W)、He−Cdレーザー(441nm、325nm、1mW〜100mW)、
固体レーザーとして、Nd:YAG(YVO4)とSHG結晶×2回の組み合わせ(355nm、5mW〜1W)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組み合わせ(430nm、10mW)、
半導体レーザー系として、KNbO3リング共振器(430nm、30mW)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜450nm、5mW〜100mW)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350nm、5mW〜100mW)、AlGaInN(350nm〜450nm、5mW〜30mW)
その他、パルスレーザーとしてN2レーザー(337nm、パルス0.1〜10mJ)、XeF(351nm、パルス10〜250mJ)
特にこの中でAlGaInN半導体レーザー(市販InGaN系半導体レーザー400〜410nm、5〜30mW)が波長特性、コストの面で好適である。
また走査露光方式の平版印刷版用原版露光装置としては、露光機構として内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式があり、光源としては上記光源の中で連続発振可能なものが好ましく利用することができる。現実的には感材感度と製版時間の関係で、
以下の露光装置が特に好ましい。
・内面ドラム方式で総出力20mW以上の半導体レーザーとなる様に、ガスレーザーあるいは固体レーザー光源を1個以上使用するシングルビーム〜トリプルビームの露光装置
・フラットベッド方式で総出力20mW以上となる様に、半導体レーザー、ガスレーザーあるいは固体レーザーを1個以上使用したマルチビーム(1〜10本)の露光装置
・外面ドラム方式で総出力20mW以上となる様に、半導体レーザー、ガスレーザーあるいは固体レーザーを1個以上使用したマルチビーム(1〜9本)の露光装置
・外面ドラム方式で総出力20mW以上となる様に、半導体レーザーあるいは固体レーザーを1個以上使用したマルチビーム(10本以上)の露光装置
以上のようなレーザー直描型の平版印刷版用原版においては、一般に感材感度X(J/cm2)、感材の露光面積S(cm2)、レーザー光源1個のパワーq(W)、レーザー本数n、全露光時間t(s)との間に式(eq 1)が成立する。
X・S=n・q・t −−(eq 1)
i)内面ドラム(シングルビーム)方式の場合
レーザー回転数f(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(s)の間には一般的に式(eq 2)が成立する。
f・Z・t=Lx −−(eq 2)
ii)外面ドラム(マルチビーム)方式の場合
ドラム回転数F(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(s)、ビーム数(n)の間には一般的に式(eq 3)が成立する。
F・Z・n・t=Lx −−(eq 3)
iii)フラットヘッド(マルチビーム)方式の場合
ポリゴンミラーの回転数H(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(s)、ビーム数(n)の間には一般的に式(eq 4) が成立する。
F・Z・n・t=Lx −−(eq 4)
実際の印刷版用原版に要求される解像度(2560dpi)、版サイズ(A1/B1、副走査長42inch)、20枚/1時間程度の露光条件と本発明の感光性組成物の感光特性(感光波長、感度:約0.1mJ/cm2)を上記式に代入することで、本発明の画像記録材料においては総出力20mW以上のレーザーを用いたマルチビーム露光方式との組み合わせが特に好ましいことが理解できる。さらに操作性、コスト等を掛け合わせることにより外面ドラム方式の半導体レーザーマルチビーム(10本以上)露光装置との組み合わせが最も好ましいことになる。
また、本発明の画像記録材料に対するその他の露光光線としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、可視および紫外の各種レーザーランプ、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等も使用できる。また、本発明の感光性組成物の用途としては走査露光用平版印刷版用原版の他、広く、光硬化樹脂の用途として知られるものに制限なく適用できる。例えば、必要に応じカチオン重合性化合物と併用した液状の感光性組成物に適用することで、高感度な光造形用材料が得られる。また、光重合にともなう、屈折率の変化を利用し、ホログラム材料とすることもできる。光重合に伴う、表面の粘着性の変化を利用して様々な転写材料(剥離感材、トナー現像感材等)にも応用できる。マイクロカプセルの光硬化にも適用できる。フォトレジスト等の電子材料製造、インクや塗料、接着剤等の光硬化樹脂材料にも応用できる。
(現像液)
上記の平版印刷版の製版方法に使用される現像液は、特に限定されないが、例えば、無機アルカリ塩とノニオン系界面活性剤とを含有し、pHが11.0〜12.5であるものが好適に使用される。
無機アルカリ塩としては適宜使用可能であるが、例えば、水酸化ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、同リチウム、珪酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、同リチウム、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、硼酸ナトリウム、同カリウム、及び同アンモニウム等の無機アルカリ剤が挙げられる。これらは単独でも、二種以上を組み合わせて用いても良い。
珪酸塩を使用する場合には、珪酸塩の成分である酸化珪素SiO2とアルカリ酸化物M2O(Mはアルカリ金属またはアンモニウム基を表す。)との混合比率及び濃度の調製により、現像性を容易に調節することが出来る。前記アルカリ水溶液の中でも前記酸化珪素SiO2とアルカリ酸化物M2Oとの混合比率(SiO2/M2O:モル比)が0.5〜3.0のものが好ましく、1.0〜2.0のものが好ましい。前記SiO2/M2Oが0.5未満であると、アルカリ水溶液の質量に対して1〜10質量%が好ましく、3〜8質量%がより好ましく、4〜7質量%が最も好ましい。この濃度が1質量%以上であると現像性、処理能力が低下せず、10質量%以下であると沈殿や結晶を生成し難くなり、さらに廃液時の中和の際にゲル化し難くなり、廃液処理に支障をきたさない。
また、アルカリ濃度の微少な調整、光重合性感光層の溶解性の補助の目的で、補足的に有機アルカリ剤を併用してもよい。有機アルカリ剤としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。これらのアルカリ剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
界面活性剤としては適宜使用可能であるが、例えば、ポリオキシアルキレンエーテル基を有するノニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンステアレート等のポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート等のソルビタンアルキルエステル類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレート等のモノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン界面活性剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ペンチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ヘキシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩類、ドデシルスルホン酸ソーダ等のアルキルスルホン酸塩類、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のアルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤等を挙げることが
できるが、特に好ましいのはポリオキシアルキレンエーテル基を有するノニオン界面活性剤である。
ポリオキシアルキレンエーテル基を含有する界面活性剤としては、下記一般式(A)の構造を有するものが好適に使用される。
40−O−(R41-O)qH (A)
式中、R40は、置換基を有しても良い炭素数3〜15のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数6〜15の芳香族炭化水素基、又は置換基を有しても良い炭素数4〜15の複素芳香族環基(尚、置換基としては炭素数1〜20のアルキル基、Br、Cl、I等のハロゲン原子、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基、炭素数7〜17のアラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜15のアシル基が挙げられる。)を示し、R41は、置換基を有しても良い炭素数1〜100のアルキレン基(尚、置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基が挙げられる。)を示し、qは1〜100の整数を表す。
上記式(A)の定義において、「芳香族炭化水素基」の具体例としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アンスリル基、ビフェニル基、フェナンスリル基等が挙げられ、また「複素芳香族環基」の具体例としては、フリル基、チオニル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、ピラニル基、ピリジニル基、アクリジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオニル基、ベンゾピラニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイミダゾリル基等が挙げられる。
また式(A)の(R41−O)qの部分は、上記範囲であれば、2種又は3種の基であっても良い。具体的にはエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基、エチレンオキシ基とイソプロピルオキシ基、エチレンオキシ基とブチレンオキシ基、エチレンオキシ基とイソブチレン基等の組み合わせのランダム又はブロック状に連なったもの等が挙げられる。本発明において、ポリオキシアルキレンエーテル基を有する界面活性剤は単独又は複合系で使用され、現像液中1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%添加することが効果的である。添加量が1質量%以上であると現像性の向上がみられ、30質量%以下であると現像のダメージが小さくなり、印刷版の耐刷性が向上するので好ましい。
また上記式(A)で表されるポリオキシアルキレンエーテル基を有するノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル類、ポリオキシエチレンメチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類が挙げられる。
これら界面活性剤は単独、もしくは組み合わせて使用することができる。また、これら界面活性剤の現像液中における含有量は有効成分換算で0.1〜20質量%の範囲が好適に使用される。
本発明の画像記録材料に使用される現像液のpHは、特に限定されないが、好ましくは11.0〜12.7、更に好ましくは11.5〜12.5である。11.0以上であると画像形成が確実にでき、12.7以下であると過現像になるおそれがなく、露光部の現像でのダメージを受けない。
また、該現像液の導電率は、3〜30mS/cmであることが好ましい。即ち、アルミニウム支持体表面の光重合性感光層の溶出、印刷汚れの点から3mS/cm以上が好ましく、高い塩濃度による光重合性感光層の溶出速度低下防止、未露光部の残膜抑制の点から
30mS/cm以下が好ましい。特に好ましい導電率は、5〜20mS/cmの範囲である。
以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(支持体Aの調製)
厚さ0.3mmのアルミニウム板を10重量%水酸化ナトリウムに60℃で25秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後20重量%硝酸で中和洗浄し、次いで水洗した。その後、温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。これを正弦波の交番波形電流を用いて1重量%硝酸水溶液中で250クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
引き続いて1重量%水酸化ナトリウム水溶液中に35℃で5秒間浸漬後、30重量%の硫酸水溶液中に浸漬し、60℃で40秒間デスマット処理した後、20重量%硫酸水溶液中、電流密度2A/dm2において、陽極酸化皮膜の厚さが2.7g/m2になるように、2分間陽極酸化処理した。その表面粗さを測定したところ、0.3μm(JIS B0601によるRa表示)であった。
(支持体Bの調製)
厚さ0.3mmのアルミニウム板を10重量%水酸化ナトリウムに60℃で25秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後20重量%硝酸で中和洗浄し、次いで水洗した。その後、温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。これを正弦波の交番波形電流を用いて0.8重量%塩酸水溶液中で500クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
引き続いて1重量%水酸化ナトリウム水溶液中に40℃で5秒間浸漬後、30重量%の硫酸水溶液中に浸漬し、60℃で40秒間デスマット処理した後、20重量%硫酸水溶液中、電流密度2A/dm2において、陽極酸化皮膜の厚さが2.7g/m2になるように、2分間陽極酸化処理した。その表面粗さを測定したところ、0.4μm(JIS B0601によるRa表示)であった。
(支持体Cの調製)
厚さ0.3mmのアルミニウム板を10重量%水酸化ナトリウムに60℃で25秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後20重量%硝酸で中和洗浄し、次いで水洗した。その後、温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。これを正弦波の交番波形電流を用いて硝酸0.1重量%水溶液(アンモニウムイオンを0.007質量%含む。)で220クーロン/dm2で電解粗面化処理を行った。その後、スプレーによる水洗を行った。
引き続き、水酸化ナトリウム水溶液26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、スプレーによる水洗を行った。そして温度30℃の硫酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。
その後、これを正弦波の交番波形電流を用いて温度35℃の塩酸0.8質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%)中温度35℃で電気密度50クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行い。その後、スプレーによる水洗を行った。更にカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによる
エッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2溶解し、スプレーによる水洗を行った。温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。そして20重量%硫酸水溶液中、電流密度2A/dm2において、陽極酸化皮膜の厚さが2.7g/m2になるように、2分間陽極酸化処理した。その表面粗さを測定したところ、0.4μm(JIS B0601によるRa表示)であった。
このように処理された基板の裏面に下記のゾル−ゲル反応液に下記添加液を加えたバックコート層塗布液をバーコーターで塗布し、100℃で1分間乾燥し、乾燥後の塗布量が70mg/m2のバックコート層を設けた支持体を作成した。
(ゾル−ゲル反応液)
テトラエチルシリケート 50重量部
水 20重量部
メタノール 15重量部
リン酸 0.05重量部
上記成分を混合、撹拌すると約5分で発熱が開始した。60分間反応させた後以下に示す液を加えることによりバックコート塗布液を調製した。
(添加液)
ピロガロールホルムアルデヒド縮合樹脂(分子量2000) 4 重量部
ジメチルフタレート 5 重量部
フッ素系界面活性剤(N−ブチルペルフルオロオクタン
スルホンアミドエチルアクリレート/ポリオキシエチレン
アクリレート共重合体:分子量2万) 0.7重量部
メタノールシリカゾル
(日産化学工業(株)製、メタノール30重量%) 50 重量部
メタノール 800 重量部
[下塗り層の塗設]
上記支持体A〜Cのバックコート層を設けた支持体表面に下記のポリマー(G1)を含む溶液を、乾燥塗布量2mg/m2となるよう下塗し、100℃で40秒間乾燥した。
(ポリマー下塗り層用塗布液)
ポリマー(G1、下記構造) 0.3g
純水 60.0g
メタノール 939.7g
Figure 2005099359
実施例1〜10、比較例1〜4
[光重合性感光層の塗設]
上記のように下塗り層を設けた支持体A〜C上に、下記組成の光重合性感光層塗布液を
乾燥後の塗布量が1.35g/m2になる様に、ホイラーで塗布し、95℃で90秒乾燥させた。
(光重合性感光層塗布液)
光重合開始剤(下記化合物X) 1.5g
増感色素(表1記載の下記化合物Y1又はY2) 2.0g
エチレン性不飽和結合含有化合物(下記化合物A1) 18.0g
高分子バインダー(下記化合物B1) 20.0g
ε−フタロシアニン(下記化合物F1)分散物 18.4g
増感助剤(下記化合物H1) 6.0g
フッ素系ノニオン界面活性剤メガファックF780
(大日本インキ化学工業(株)製30%MEK溶液) 0.4g
熱重合禁止剤(下記化合物T1) 0.08g
メチルエチルケトン 200g
プロピレングリコールモノメチルエーテル 200g
表1の化合物C 表1に記載の添加量
顔料分散物組成
ε−フタロシアニン(Pigment Blue) 15質量%
アリルメタクリレート/メタクリル酸(83/17)共重合体 10質量%
シクロヘキサノン 15質量%
メトキシプロピルアセテート 20質量%
プロピレングリコールモノメチルエーテル 40質量%
Figure 2005099359
Figure 2005099359
[酸素遮断性保護層の塗設]
この光重合性感光層上に、酸素遮断性保護層塗布液を乾燥後の塗布量が2.45g/m2になる様に、ホイラーで塗布し、120℃で90秒乾燥させた。
ポリビニルアルコール
(ケン化度98モル%、重合度500 クラレ株製) 90 質量部
ポリビニルピロリドン(K−30) 5 質量部
ルビスコールVA64W
(ポリビニルピロリドン/ビニル酢酸共重合体 BASF製) 3 質量部
界面活性剤(エマレックス710 花王製) 2 質量部
純水
このようにして、感光層にC1〜C2が添加されたものを実施例1〜10、C化合物が無添加のものを比較例1〜4の光重合性平版印刷版を得た。
実施例11〜14、比較例5〜8
[下塗り層の塗設]
下記の手順によりゾルゲル法の液状組成物(ゾル液原液)を調製した。ビーカーに下記組成物を秤量し、25℃で20分間攪拌した。
(下塗り層ゾル液原液)
Si(OC25)4 38g
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 13g
85%リン酸水溶液 12g
イオン交換水 15g
メタノール 100g
上記組成の溶液を三口フラスコに移し、還流冷却器を取り付けた三口フラスコを室温のオイルバスに浸した。三口フラスコの内容物をマグネティックスターラーで攪拌しながら、30分間で50℃まで上昇させた。浴温を50℃に保ったまま、更に1時間反応させ液組成物(ゾル液原液)を得た。得られたゾル液原液から下記のゾルゲル下塗り塗布液を調製した。
(下塗り層ゾル液塗布液)
ゾル液原液 1.0g
エチレングリコール 9.5g
メタノール 189.5g
得られたゾルゲル下塗り層塗布液を、前記のバックコート層を設けた支持体A〜Cの表面にホイラー塗布し、100℃で1分乾燥させた。シラン化合物から形成されたポリシロキサン化合物の塗布量はケイ光X線分析法によりSi元素量を求めたところ、4mg/m2であった。
[光重合性感光層の塗設]
上記のように下塗り層を設けた支持体上に、下記組成の光重合性感光層塗布液P−2を調製し、乾燥後の塗布量が1.4g/m2になる様に、ホイラーで塗布し、100℃で1分乾燥させた。
(光重合性感光層塗布液、P−2)
光重合性感光層塗布液、P−1中のエチレン性不飽和結合含有化合物を、A1から下記に示すA2へ変更、及び高分子バインダーを、B1からB2に変更した以外は、光重合性感光層塗布液P−1と同様に調製した。
(光重合性感光層塗布液、P−2)
光重合開始剤(化合物X) 3.0g
増感色素(化合物Y1又はY2) 2.0g
エチレン性不飽和結合含有化合物(化合物A2) 15.0g
高分子バインダー(化合物B2) 20.0g
ε−フタロシアニン(化合物F1)分散物 2.0g
増感助剤(化合物H1) 6.0g
フッ素系ノニオン界面活性剤メガファックF176PF
(大日本インキ化学工業(株)製 30%MEK溶液) 0.3g
熱重合禁止剤(化合物T1) 0.08g
メチルエチルケトン 200g
プロピレングリコールモノメチルエーテル 200g
表1の化合物C 表1に記載の添加量
Figure 2005099359
[酸素遮断性保護層の塗設]
この光重合性感光層上に、酸素遮断性保護層塗布液を乾燥後の塗布量が2.45g/m2になる様に、ホイラーで塗布し、120℃で90秒乾燥させた。
ポリビニルアルコール
(ケン化度98モル%、重合度500) 85 質量部
ポリビニルピロリドン(K−30) 13 質量部
界面活性剤(エマレックス710) 2 質量部
純水
このようにして、感光層に化合物C−1を添加した実施例11〜14、化合物Cを添加していない比較例5〜8の感光性平版印刷版を得た。
上記に記載した実施例1〜14、比較例1〜8の感光性平版印刷版を下記の方法により製版し、感度及び小点再現性、経時安定性の評価を行った。
(感度及び小点再現性の評価)
このように得られた感光性平版印刷版は、増感色素Y−1を用いたものは富士写真フィルム株式会社製グリーンボクサー(532nmのFD−YAGレーザー)、増感色素Y−2を用いたものは富士写真フィルム株式会社製バイオレットボクサー(405nmの半導体レーザー)をそれぞれ用い大気中で露光した。露光した各感光性平版印刷版を、富士写真フィルム株式会社製自動現像機LP850PIIに、富士写真フィルム株式会社製現像液DV−2を純水で5倍希釈した現像液を仕込み、28℃で現像処理を行い、画像ができるその最小露光量からそれぞれの露光条件での感度をmJ/cm2単位で算出した。この数値が
小さい方が高感度である。小点再現性についてはグリーンボクサーにおいて0.20mJ/cm2、バイオレットボクサーにおいて0.09mJ/cm2の出力で2540dpi,175線の1〜99%の網点を露光−現像した後、Centurfax社製CC-dot4で版上の網点を測定した。
(経時安定性の評価)
塗設済みの感光性平版印刷版を、室温で10日放置したものと25℃85%12時間放置後アルミクラフト紙で遮光−梱包した後60℃下4日放置したものとを作成した。これらの感光性平版印刷版を上記方法で画像作成し、50%の網変動(Δ50%)を評価した。この数値が小さい方が安定性に優れるとの意である。
(耐刷性の評価)
印刷機として、ハイデルベルグ社製KOR-D印刷機を用い、インキとして、ジオスG(S)墨色を用い、湿し水として、富士写真フイルム(株)製のEU−3(1:100)に、イソプロパノールを全体の7質量%となるように添加した液を用いて、印刷を行った。5000枚印刷毎に富士写真フイルム(株)製クリーナー液(プレートクリーナーCL−2)で版面を拭きながら印刷した。
ベタ画像部が薄くかすれ始めたことが目視で認められるまでの印刷枚数により評価した。なお、耐刷性は、平版印刷版の画像部が膜べりを起こし、部分的にインキが着かなくなる、いわゆる版飛びを起こすまでの枚数である。
得られた結果を表1に示す。
Figure 2005099359
比較例9〜12
上記に記載した実施例5の感光性平版印刷版の感光層に添加した化合物C−1に代え、下記構造の化合物C−3を下記表2に示す添加量を加えた感光性平版印刷版を作成し前述の方法により製版し、感度及び小点再現性、経時安定性の評価を行った。
Figure 2005099359
得られた結果を下記表2に比較例2とともに示す。
Figure 2005099359
実施例15〜17、比較例13〜15
上記に記載した実施例12の感光層処方に下記J1〜J3の化合物を下記表3に示すように添加したものを実施例15〜17とし、比較例6に添加したものを比較例13〜15とした。処理方法は実施例12と同様に行い、結果を表3に示す。
Figure 2005099359
Figure 2005099359
上記表1〜3の結果より、処理条件の異なる親水性支持体、露光装置においても、感光層に本発明のチオール放出化合物を含むことにより耐刷性及び感度を悪化させずに経時安定性を良化させ得ることが証明された。

Claims (8)

  1. 支持体上に、少なくとも(1)光重合開始剤としてチタノセン化合物、(2)バインダーポリマー、(3)エチレン性不飽和二重結合を1つ以上有するモノマーを含有する感光層を備えた画像記録材料において、
    該感光層に少なくともチオール基を保護基によって潜在化した化合物を含むことを特徴とする画像記録材料。
  2. 前記光重合開始剤としてさらにトリアジン化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の画像記録材料。
  3. 前記バインダーポリマーが、側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像記録材料。
  4. 前記バインダーポリマーが、主鎖にウレタン結合を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像記録材料。
  5. 前記感光層上に、オーバーコート層を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像記録材料。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の画像記録材料を、330〜450nmのレーザ光を照射して画像形成を行うことを特徴とする平版印刷版の製版方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の画像記録材料を、480〜700nmのレーザ光を照射して画像形成を行うことを特徴とする平版印刷版の製版方法。
  8. 少なくとも、光重合開始剤とエチレン性不飽和二重結合を1つ以上有するモノマーとチオール基を保護基によって潜在化した化合物とを含有することを特徴とする重合性組成物。
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