JP2005098787A - 表面プラズモン共鳴測定装置に用いられる測定チップ - Google Patents

表面プラズモン共鳴測定装置に用いられる測定チップ Download PDF

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Abstract

【課題】 測定時のベースラインを安定化したバイオセンサー用の測定チップを提供すること。
【解決手段】 バイオセンサーに使用される測定チップにおいて、表面修飾を施されたセンサー表面上の測定セルの幅(A)と、該表面修飾を施されたセンサー表面を基準とした測定セルの高さ(B)の比(B/A)が、0.0001 < B/A < 0.1の範囲内にある、測定チップ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、表面プラズモン共鳴測定装置に用いられる測定チップ、及びそれを用いた生体分子間の相互作用を分析する方法に関する。
現在、臨床検査等で免疫反応など分子間相互作用を利用した測定が数多く行われているが、従来法では煩雑な操作や標識物質を必要とするため、標識物質を必要とすることなく、測定物質の結合量変化を高感度に検出することのできるいくつかの技術が使用されている。例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)測定技術、水晶発振子マイクロバランス(QCM)測定技術、金のコロイド粒子から超微粒子までの機能化表面を使用した測定技術である。SPR測定技術はチップの金属膜に接する有機機能膜近傍の屈折率変化を反射光波長のピークシフト又は一定波長における反射光量の変化を測定して求めることにより、表面近傍に起こる吸着及び脱着を検知する方法である。QCM測定技術は水晶発振子の金電極(デバイス)上の物質の吸脱着による発振子の振動数変化から、ngレベルで吸脱着質量を検出できる技術である。また、金の超微粒子(nmレベル)表面を機能化させて、その上に生理活性物質を固定して、生理活性物質間の特異認識反応を行わせることによって、金微粒子の沈降、配列から生体関連物質の検出ができる。
上記した技術においては、いずれの場合も、生理活性物質を固定化する表面が重要である。以下、当技術分野で最も使われている表面プラズモン共鳴(SPR)を例として、説明する。
一般に使用される測定チップは、透明基板(例えば、ガラス)、蒸着された金属膜、及びその上に生理活性物質を固定化できる官能基を有する薄膜からなり、その官能基を介し、金属表面に生理活性物質を固定化する。該生理活性物質と検体物質間の特異的な結合反応を測定することによって、生体分子間の相互作用を分析する。
生理活性物質を固定化できる官能基を有する薄膜としては、金属と結合する官能基、鎖長の原子数が10以上のリンカー、及び生理活性物質と結合できる官能基を有する化合物を用いて、生理活性物質を固定化した測定チップが報告されている(特許文献1を参照)。
一方、生理活性物質と検体物質間の特異的な結合反応を測定する場合、検体物質は必ずしも単一成分ではなく、例えば細胞抽出液中などのような不均一系で検体物質を測定することも要求される。その場合、種々の蛋白質、脂質などの夾雑物が検出表面に非特異的な吸着を起こすと、測定検出感度が著しく低下する。上記の検出表面では、非特異吸着が極めて起こりやすく問題があった。また、測定時のベースラインが不安定になるという問題があった。
この問題を解決するためにいくつかの方法が検討されている。例えば、金属表面にリンカーを介し、親水性のハイドロゲルを固定化することで、物理吸着を抑制する方法も使用されてきた(特許文献1を参照)。しかしながら、この方法でも非特異吸着の抑制性は十分なレベルではなく、測定時のベースラインの安定性の問題も存在していた。
特許第2815120号
本発明は上記した従来技術の問題を解消することを解決すべき課題とした。即ち、本発明は、測定時のベースラインを安定化したバイオセンサー用の測定チップを提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、バイオセンサーに使用される測定チップにおいて、測定セルの幅(A)と測定セルの高さ(B)の比(B/A)を所定の範囲に設定することによって、測定時のベースラインを安定化したバイオセンサー用測定チップを提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、バイオセンサーに使用される測定チップにおいて、表面修飾を施されたセンサー表面上の測定セルの幅(A)と、該表面修飾を施されたセンサー表面を基準とした測定セルの高さ(B)の比(B/A)が、0.0001 < B/A < 0.1の範囲内にある、測定チップが提供される。
本発明の測定チップは、好ましくは非電気化学的検出に使用され、さらに好ましくは、表面プラズモン共鳴分析に使用される。
好ましくは、センサー表面はヒドロゲルで被覆されている。好ましくは、センサー基板は金属であり、該金属表面が有機分子X−R−Y(式中、Xは金属膜に対する結合性を有する基、Rは二価の連結基、Yは生理活性物質またはヒドロゲルを結合させるための基である。)で被覆されている。好ましくは、センサー基板が金属であり、該金属表面が有機分子X−R−Y(式中、Xは金属膜に対する結合性を有する基、Rは二価の連結基、Yは生理活性物質またはヒドロゲルを結合させるための基である。)で被覆されており、該有機分子X−R−Yを介してヒドロゲルが結合している。好ましくは、センサー表面は疎水性高分子化合物で被覆されている。好ましくは、疎水性高分子化合物で被覆されたセンサー表面はヒドロゲルを固定化することができる官能基を有している。好ましくは、疎水性高分子化合物で被覆されたセンサー表面にヒドロゲルが結合している。本発明の測定チップにおいて、好ましくは、生理活性物質が共有結合により表面に結合している。
本発明の別の側面によれば、上記した本発明の測定チップと生理活性物質とを接触させて、該測定チップの表面に該生理活性物質を共有結合により結合させる工程を含む、測定チップに生理活性物質を固定化する方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、生理活性物質が共有結合により表面に結合している上記した本発明の測定チップと被験物質とを接触させる工程を含む、該生理活性物質と相互作用する物質を検出または測定する方法が提供される。
本発明により、測定時のベースラインの安定性を改善したバイオセンサー用測定チップを提供することが可能になった。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の測定チップは、バイオセンサーに使用される測定チップであり、特に、表面修飾を施されたセンサー表面上の測定セルの幅(A)と、該表面修飾を施されたセンサー表面を基準とした測定セルの高さ(B)の比(B/A)が、0.0001 < B/A < 0.1の範囲内にあることを特徴とする測定チップである。
本発明で言うバイオセンサーとは最も広義に解釈され、生体分子間の相互作用を電気的信号等の信号に変換して、対象となる物質を測定・検出するセンサーを意味する。通常のバイオセンサーは、検出対象とする化学物質を認識するレセプター部位と、そこに発生する物理的変化又は化学的変化を電気信号に変換するトランスデューサー部位とから構成される。生体内には、互いに親和性のある物質として、酵素/基質、酵素/補酵素、抗原/抗体、ホルモン/レセプターなどがある。バイオセンサーでは、これら互いに親和性のある物質の一方を基板に固定化して分子認識物質として用いることによって、対応させるもう一方の物質を選択的に計測するという原理を利用している。
本発明のバイオセンサー用測定チップにおいては、表面修飾を施されたセンサー表面上の測定セルの幅(A)と、該表面修飾を施されたセンサー表面を基準とした測定セルの高さ(B)の比(B/A)が、0.0001 < B/A < 0.1の範囲内にあり、さらに好ましくは、0.0001 < B/A < 0.05の範囲内にあり、最も好ましくは、0.0001 < B/A < 0.025の範囲内にある。また、測定セルの幅は特に限定されないが、例えば10μm〜10mm、好ましくは20μm〜5mm、より好ましくは50μm〜3mmとすることができる。測定セルの高さは特に限定されないが、例えば1μm〜200μm、好ましくは3μm〜100μm、より好ましくは5μm〜100μmとすることができる。
ここで「測定セルの幅」はSPRの測定面のうちレーザーをスキャンする方向の長さを表し、「測定セルの高さ」とは幅に対して垂直方向の長さを表す。
本発明においては特に表面プラズモン共鳴分析については測定表面の面積は大きいほうが好ましく、セルの高さは低いほうが好ましいことを見出した。特に、センサー表面と測定セルにより流路を形成し、該流路に測定対象物質溶液を流しながら行う測定方法において本発明の効果は大きくなる。
センサー表面と測定セルとの関係を図1に示す。図1においては、センサー表面1の上に測定セル2が設けられている、流路型の測定チップを示す。測定セルの幅(A)は、流路の幅に相当し、測定セルの高さ(B)は、流路の深さに対応する。サンプルを流しながら測定する装置においてはAは流露に対して垂直な面を表す。
本発明の測定チップの好ましい態様としては、
(1)センサー表面がヒドロゲルで被覆されている測定チップ;
(2)センサー基板が金属であり、該金属表面が有機分子X−R−Y(式中、Xは金属膜に対する結合性を有する基、Rは二価の連結基、Yは生理活性物質、あるいはヒドロゲルを結合させるための基である)で被覆されている測定チップ;
(3)センサー基板が金属であり、該金属表面が有機分子X−R−Y(式中、Xは金属膜に対する結合性を有する基、Rは二価の連結基、Yは生理活性物質、あるいはヒドロゲルを結合させるための基である)で被覆されており、該有機分子X−R−Yを介してヒドロゲルを結合させた測定チップ:
(4)センサー表面が疎水性高分子化合物で被覆されている測定チップ;及び
(5)疎水性高分子化合物で被覆されたセンサー表面にヒドロゲルを結合させた測定チップ;
が挙げられる。
本発明で用いられる有機分子X−R−Yについて詳細に説明する。
Xは金属膜に対する結合性を有する基である。具体的には、非対称又は対称スルフィド(−SSR'Y'、−SSRY)、スルフィド(−SR'Y'、−SRY)、ジセレニド(−SeSeR'Y'、−SeSeRY)、セレニド(SeR'Y'、−SeRY)、チオール(−SH)、ニトリル(−CN)、イソニトリル、ニトロ(−NO2)、セレノール(−SeH)、3価リン化合物、イソチオシアネート、キサンテート、チオカルバメート、ホスフィン、チオ酸またはジチオ酸(−COSH、−CSSH)が好ましく用いられる。
R(とR')は場合によりヘテロ原子により中断されており、好ましくは適当に密な詰め込みのため直鎖(枝分かれしていない)であり、場合により二重及び/又は三重結合を含む炭化水素鎖である。鎖の長さは10原子を越えることが好ましい。炭素鎖は場合により過弗素化されることができる。
YとY'は生理活性物質、あるいはヒドロゲルを結合させるための基である。YとY'は好ましくは同一であり、生理活性物質あるいはヒドロゲルに直接又は活性化後結合できるような性質を持つ。好ましい官能基としては−OH、−SH、−COOH、−NR12(式中、R1及びR2は互いに独立に水素原子又は低級アルキル基を示す)、−CHO、−NR3NR12(式中、R1、R2及びR3は互いに独立に水素原子又は低級アルキル基を示す)、−NCO、−NCS、エポキシ基、またはビニル基などが挙げられる。ここで、低級アルキル基における炭素数は特に限定されないが、一般的にはC1〜C10程度であり、好ましくはC1〜C6である。
有機分子X−R−Yの具体例としては、10-カルボキシ-1-デカンチオール、4,4'-ジチオジブチリックアシッド、11-ヒドロキシ-1-ウンデカンチオール、11-アミノ-1-ウンデカンチオールなどが挙げられる。
有機分子X−R−Yを金属膜に付着させた状態で、ヒドロゲルを介さずに生理活性物質を結合させる態様も好ましく用いることができる。このときYは生理活性物質を結合させる基である。
本発明で用いられる疎水性高分子化合物について詳細に説明する。
疎水性高分子化合物は、吸水性を有しない高分子化合物であり、水への溶解度(25℃)が10%以下、より好ましくは1%以下、最も好ましくは0.1%以下である。
疎水性高分子化合物を形成する疎水性単量体としては、ビニルエステル類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、オレフィン類、スチレン類、クロトン酸エステル類、イタコン酸ジエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、アリル化合物類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類等から任意に選ぶことができる。疎水性高分子化合物としては、1種類のモノマーから成るホモポリマーでも、2種類以上のモノマーから成るコポリマーでもよい。
本発明で好ましく用いられる疎水性高分子化合物としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルクロライド、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ナイロンなどが挙げられる。
疎水性高分子化合物の基板へのコーティングは常法によって行うことができ、例えば、スピン塗布、エアナイフ塗布、バー塗布、ブレード塗布、スライド塗布、カーテン塗布、さらにはスプレー法、蒸着法、キャスト法、浸漬法等によって行うことができる。
疎水性高分子化合物のコーティング厚さは特に限定されないが、好ましくは1オングストローム以上5000オングストローム以下であり、特に好ましくは10オングストローム以上3000オングストローム以下である。
本発明の測定チップにおいては、基板の最表面に生理活性物質あるいはヒドロゲルを固定化することができる官能基を有することが好ましい。ここで言う「基板の最表面」とは、「基板から最も遠い側」という意味であり、さらに具体的には、「基板上にコーティングした疎水性高分子化合物中の基板から最も遠い側」という意味である。
好ましい官能基としては−OH、−SH、−COOH、−NR12(式中、R1及びR2は互いに独立に水素原子又は低級アルキル基を示す)、−CHO、−NR3NR12(式中、R1、R2及びR3は互いに独立に水素原子又は低級アルキル基を示す)、−NCO、−NCS、エポキシ基、またはビニル基などが挙げられる。ここで、低級アルキル基における炭素数は特に限定されないが、一般的にはC1〜C10程度であり、好ましくはC1〜C6である。
本発明で用いられるヒドロゲルはMerrill等(1986年)、Hydrogels in Medicine and Pharmacy,III巻、Peppas NA編集、1章、CRCにより定義される。ヒドロゲルは例えば多糖類、例えばアガロース、デキストラン、カラゲナン、アルギン酸、澱粉、セルロース、又はこれらの誘導体例えばカルボキシメチル誘導体、又は水膨潤性有機ポリマー例えばポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコールであることができる。特にデキストラン型の多糖類は、セルロースとは対称的に性質が非結晶性であり、好ましく用いられる。
ヒドロゲルは前記の有機分子X−R−Yを介して金属膜に付着させることができる。また、金属膜を疎水性高分子化合物でコーティングし、その表面にヒドロゲルを結合させることができる。
ヒドロゲル層の厚さは特に限定されないが、水で膨潤させた状態において、好ましくは1オングストローム以上5000オングストローム以下であり、特に好ましくは10オングストローム以上3000オングストローム以下である。
ヒドロゲルで被覆された金属膜においては、最表面に生理活性物質を固定化することができる官能基を有することが好ましい。ここで言う「最表面」とは、「金属膜から最も遠い側」という意味である。
好ましい官能基としては−OH、−SH、−COOH、−NR12(式中、R1及びR2は互いに独立に水素原子又は低級アルキル基を示す)、−CHO、−NR3NR12(式中、R1、R2及びR3は互いに独立に水素原子又は低級アルキル基を示す)、−NCO、−NCS、エポキシ基、またはビニル基などが挙げられる。ここで、低級アルキル基における炭素数は特に限定されないが、一般的にはC1〜C10程度であり、好ましくはC1〜C6である。
本発明の測定チップは、金属表面又は金属膜で構成されることが好ましい。金属表面あるいは金属膜を構成する金属としては、例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、表面プラズモン共鳴が生じ得るようなものであれば特に限定されない。好ましくは金、銀、銅、アルミニウム、白金等の自由電子金属が挙げられ、特に金が好ましい。それらの金属は単独又は組み合わせて使用することができる。また、上記基板への付着性を考慮して、基板と金属からなる層との間にクロム等からなる介在層を設けてもよい。
金属膜の膜厚は任意であるが、例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、1オングストローム以上5000オングストローム以下であるのが好ましく、特に10オングストローム以上2000オングストローム以下であるのが好ましい。5000オングストロームを超えると、媒質の表面プラズモン現象を十分検出することができない。また、クロム等からなる介在層を設ける場合、その介在層の厚さは、1オングストローム以上、100オングストローム以下であるのが好ましい。
金属膜の形成は常法によって行えばよく、例えば、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法、電気めっき法、無電解めっき法等によって行うことができる。
金属膜は好ましくは基板上に配置されている。ここで、「基板上に配置される」とは、金属膜が基板上に直接接触するように配置されている場合のほか、金属膜が基板に直接接触することなく、他の層を介して配置されている場合をも含む意味である。本発明で使用することができる基板としては例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、一般的にはBK7等の光学ガラス、あるいは合成樹脂、具体的にはポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーなどのレーザー光に対して透明な材料からなるものが使用できる。このような基板は、好ましくは、偏光に対して異方性を示さずかつ加工性の優れた材料が望ましい。
本発明の測定チップにおいては、基板の最表面に生理活性物質を固定化することができる官能基を有することが好ましい。ここで言う「基板の最表面」とは、「基板から最も遠い側」という意味であり、さらに具体的には、「基板上にコーティングした膜中の基板から最も遠い側」という意味である。
好ましい官能基としては−OH、−SH、−COOH、−NR12(式中、R1及びR2は互いに独立に水素原子又は低級アルキル基を示す)、−CHO、−NR3NR12(式中、R1、R2及びR3は互いに独立に水素原子又は低級アルキル基を示す)、−NCO、−NCS、エポキシ基、またはビニル基などが挙げられる。ここで、低級アルキル基における炭素数は特に限定されないが、一般的にはC1〜C10程度であり、好ましくはC1〜C6である。
最表面にそれらの官能基を導入する方法としては、それらの官能基の前駆体を含有する物質を金属表面あるいは金属膜上にコーティングした後、化学処理により最表面に位置する前駆体からそれらの官能基を生成させる方法が挙げられる。
上記のようにして得られたバイオセンサー用表面において、上記の官能基を介して生理活性物質を共有結合させることによって、金属表面又は金属膜に生理活性物質を固定化することができる。
本発明の測定チップ上に固定される生理活性物質としては、測定対象物と相互作用するものであれば特に限定されず、例えば免疫蛋白質、酵素、微生物、核酸、低分子有機化合物、非免疫蛋白質、免疫グロブリン結合性蛋白質、糖結合性蛋白質、糖を認識する糖鎖、脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいはリガンド結合能を有するポリペプチドもしくはオリゴペプチドなどが挙げられる。
免疫蛋白質としては、測定対象物を抗原とする抗体やハプテンなどを例示することができる。抗体としては、種々の免疫グロブリン、即ちIgG、IgM、IgA、IgE、IgDを使用することができる。具体的には、測定対象物がヒト血清アルブミンであれば、抗体として抗ヒト血清アルブミン抗体を使用することができる。また、農薬、殺虫剤、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、抗生物質、麻薬、コカイン、ヘロイン、クラック等を抗原とする場合には、例えば抗アトラジン抗体、抗カナマイシン抗体、抗メタンフェタミン抗体、あるいは病原性大腸菌の中でO抗原26、86、55、111 、157 などに対する抗体等を使用することができる。
酵素としては、測定対象物又は測定対象物から代謝される物質に対して活性を示すものであれば、特に限定されることなく、種々の酵素、例えば酸化還元酵素、加水分解酵素、異性化酵素、脱離酵素、合成酵素等を使用することができる。具体的には、測定対象物がグルコースであれば、グルコースオキシダーゼを、測定対象物がコレステロールであれば、コレステロールオキシダーゼを使用することができる。また、農薬、殺虫剤、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、抗生物質、麻薬、コカイン、ヘロイン、クラック等を測定対象物とする場合には、それらから代謝される物質と特異的反応を示す、例えばアセチルコリンエステラーゼ、カテコールアミンエステラーゼ、ノルアドレナリンエステラーゼ、ドーパミンエステラーゼ等の酵素を使用することができる。
微生物としては、特に限定されることなく、大腸菌をはじめとする種々の微生物を使用することができる。
核酸としては、測定の対象とする核酸と相補的にハイブリダイズするものを使用することができる。核酸は、DNA(cDNAを含む)、RNAのいずれも使用できる。DNAの種類は特に限定されず、天然由来のDNA、遺伝子組換え技術により調製した組換えDNA、又は化学合成DNAの何れでもよい。
低分子有機化合物としては通常の有機化学合成の方法で合成することができる任意の化合物が挙げられる。
非免疫蛋白質としては、特に限定されることなく、例えばアビジン(ストレプトアビジン)、ビオチン又はレセプターなどを使用できる。
免疫グロブリン結合性蛋白質としては、例えばプロテインAあるいはプロテインG、リウマチ因子(RF)等を使用することができる。
糖結合性蛋白質としては、レクチン等が挙げられる。
脂肪酸あるいは脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、ステアリン酸エチル、アラキジン酸エチル、ベヘン酸エチル等が挙げられる。
生理活性物質が抗体や酵素などの蛋白質又は核酸である場合、その固定化は、生理活性物質のアミノ基、チオール基等を利用し、金属表面の官能基に共有結合させることで行うことができる。
上記のようにして生理活性物質を固定化した測定チップは、当該生理活性物質と相互作用する物質の検出及び/又は測定のために使用することができる。
即ち、本発明によれば、生理活性物質が固定化された本発明の測定チップを用いて、これに被験物質を接触させることにより、該測定チップに固定化されている生理活性物質と相互作用する物質を検出及び/又は測定する方法が提供される。
被験物質としては例えば、上記した生理活性物質と相互作用する物質を含む試料などを使用することができる。
本発明では、測定チップに固定化されている生理活性物質と被験物質との相互作用を非電気化学的方法により検出及び/又は測定することが好ましい。非電気化学的方法としては、表面プラズモン共鳴(SPR)測定技術、水晶発振子マイクロバランス(QCM)測定技術、金のコロイド粒子から超微粒子までの機能化表面を使用した測定技術などが挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の測定チップは、例えば、透明基板上に配置される金属膜を備えていることを特徴とする表面プラズモン共鳴用バイオセンサーとして用いることができる。
表面プラズモン共鳴用バイオセンサーとは、表面プラズモン共鳴バイオセンサーに使用されるバイオセンサーであって、該センサーより照射された光を透過及び反射する部分、並びに生理活性物質を固定する部分とを含む部材を言い、該センサーの本体に固着されるものであってもよく、また脱着可能なものであってもよい。
表面プラズモン共鳴の現象は、ガラス等の光学的に透明な物質と金属薄膜層との境界から反射された単色光の強度が、金属の出射側にある試料の屈折率に依存することによるものであり、従って、反射された単色光の強度を測定することにより、試料を分析することができる。
表面プラズモンが光波によって励起される現象を利用して、被測定物質の特性を分析する表面プラズモン測定装置としては、Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げられる(例えば特開平6−167443号公報参照)。上記の系を用いる表面プラズモン測定装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料液などの被測定物質に接触させられる金属膜と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して表面プラズモン共鳴の状態、つまり全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
なお上述のように種々の入射角を得るためには、比較的細い光ビームを入射角を変化させて上記界面に入射させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角度で入射する成分が含まれるように、比較的太い光ビームを上記界面に収束光状態であるいは発散光状態で入射させてもよい。前者の場合は、入射した光ビームの入射角の変化に従って、反射角が変化する光ビームを、上記反射角の変化に同期して移動する小さな光検出器によって検出したり、反射角の変化方向に沿って延びるエリアセンサによって検出することができる。一方後者の場合は、種々の反射角で反射した各光ビームを全て受光できる方向に延びるエリアセンサによって検出することができる。
上記構成の表面プラズモン測定装置において、光ビームを金属膜に対して全反射角以上の特定入射角で入射させると、該金属膜に接している被測定物質中に電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエバネッセント波によって金属膜と被測定物質との界面に表面プラズモンが励起される。エバネッセント光の波数ベクトルが表面プラズモンの波数と等しくて波数整合が成立しているとき、両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面プラズモンに移行するので、誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射した光の強度が鋭く低下する。この光強度の低下は、一般に上記光検出手段により暗線として検出される。なお上記の共鳴は、入射ビームがp偏光のときにだけ生じる。したがって、光ビームがp偏光で入射するように予め設定しておく必要がある。
この全反射減衰(ATR)が生じる入射角、すなわち全反射減衰角(θSP)より表面プラズモンの波数が分かると、被測定物質の誘電率が求められる。この種の表面プラズモン測定装置においては、全反射減衰角(θSP)を精度良く、しかも大きなダイナミックレンジで測定することを目的として、特開平11−326194号公報に示されるように、アレイ状の光検出手段を用いることが考えられている。この光検出手段は、複数の受光素子が所定方向に配設されてなり、前記界面において種々の反射角で全反射した光ビームの成分をそれぞれ異なる受光素子が受光する向きにして配設されたものである。
そしてその場合は、上記アレイ状の光検出手段の各受光素子が出力する光検出信号を、該受光素子の配設方向に関して微分する微分手段が設けられ、この微分手段が出力する微分値に基づいて全反射減衰角(θSP)を特定し、被測定物質の屈折率に関連する特性を求めることが多い。
また、全反射減衰(ATR)を利用する類似の測定装置として、例えば「分光研究」第47巻 第1号(1998)の第21〜23頁および第26〜27頁に記載がある漏洩モード測定装置も知られている。この漏洩モード測定装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形成されて、試料液に接触させられる光導波層と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを上記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックとクラッド層との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して導波モードの励起状態、つまり全反射減衰状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
上記構成の漏洩モード測定装置において、光ビームを誘電体ブロックを通してクラッド層に対して全反射角以上の入射角で入射させると、このクラッド層を透過した後に光導波層においては、ある特定の波数を有する特定入射角の光のみが導波モードで伝搬するようになる。こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんどが光導波層に取り込まれるので、上記界面で全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。そして導波光の波数は光導波層の上の被測定物質の屈折率に依存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、被測定物質の屈折率や、それに関連する被測定物質の特性を分析することができる。
なおこの漏洩モード測定装置においても、全反射減衰によって反射光に生じる暗線の位置を検出するために、前述したアレイ状の光検出手段を用いることができ、またそれと併せて前述の微分手段が適用されることも多い。
また、上述した表面プラズモン測定装置や漏洩モード測定装置は、創薬研究分野等において、所望のセンシング物質に結合する特定物質を見いだすランダムスクリーニングへ使用されることがあり、この場合には前記薄膜層(表面プラズモン測定装置の場合は金属膜であり、漏洩モード測定装置の場合はクラッド層および光導波層)上に上記被測定物質としてセンシング物質を固定し、該センシング物質上に種々の被検体が溶媒に溶かされた試料液を添加し、所定時間が経過する毎に前述の全反射減衰角(θSP)の角度を測定している。
試料液中の被検体が、センシング物質と結合するものであれば、この結合によりセンシング物質の屈折率が時間経過に伴って変化する。したがって、所定時間経過毎に上記全反射減衰角(θSP)を測定し、該全反射減衰角(θSP)の角度に変化が生じているか否か測定することにより、被検体とセンシング物質の結合状態を測定し、その結果に基づいて被検体がセンシング物質と結合する特定物質であるか否かを判定することができる。このような特定物質とセンシング物質との組み合わせとしては、例えば抗原と抗体、あるいは抗体と抗体が挙げられる。具体的には、ウサギ抗ヒトIgG抗体をセンシング物質として薄膜層の表面に固定し、ヒトIgG抗体を特定物質として用いることができる。
なお、被検体とセンシング物質の結合状態を測定するためには、全反射減衰角(θSP)の角度そのものを必ずしも検出する必要はない。例えばセンシング物質に試料液を添加し、その後の全反射減衰角(θSP)の角度変化量を測定して、その角度変化量の大小に基づいて結合状態を測定することもできる。前述したアレイ状の光検出手段と微分手段を全反射減衰を利用した測定装置に適用する場合であれば、微分値の変化量は、全反射減衰角(θSP)の角度変化量を反映しているため、微分値の変化量に基づいて、センシング物質と被検体との結合状態を測定することができる(本出願人による特願2000−398309号参照)。このような全反射減衰を利用した測定方法および装置においては、底面に予め成された薄膜層上にセンシング物質が固定されたカップ状あるいはシャーレ状の測定チップに、溶媒と被検体からなる試料液を滴下供給して、上述した全反射減衰角(θSP)の角度変化量の測定を行っている。
さらに、ターンテーブル等に搭載された複数個の測定チップの測定を順次行うことにより、多数の試料についての測定を短時間で行うことができる全反射減衰を利用した測定装置が、特開2001−330560号公報に記載されている。
本発明の測定チップを表面プラズモン共鳴分析に使用する場合、上記したような各種の表面プラズモン測定装置の一部として適用することができる。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1:測定表面の作製
(1)有機低分子化合物(本文中のX−R−Yに相当)を介してヒドロゲルで被覆された測定表面の作成
金属膜として50nmの金が蒸着されたセンサーチップをModel-208UV−オゾンクリーニングシステム(TECHNOVISION INC.)で30分間処理した後、エタノール/水(80/20)で溶解した11−ヒドロキシ-1-ウンデカンチオールの5.0mM溶液を金属膜に接触するように添加し、25℃で18時間表面処理を行った。その後、エタノールで5回、エタノール/水混合溶媒で1回、水で5回洗浄を行った。
次に、11−ヒドロキシ-1-ウンデカンチオールで被覆した表面に10重量%のエピクロロヒドリン溶液(溶媒:0.4M水酸化ナトリウム及びジエチレングリコールジメチルエーテルの1:1混合溶液)を接触させ、25℃の振盪インキュベーター中で4時間反応を進行させた。その後表面をエタノールで2回、水で5回洗浄した。次に、25重量%のデキストラン(T500,Pharmacia)水溶液40.5mlに4.5mlの1M水酸化ナトリウムを添加し、その溶液をエピクロロヒドリン処理表面上に接触させた。次に振盪インキュベーター中で25℃、20時間インキュベートした。表面を50℃の水で10回洗浄した。続いて、ブロモ酢酸3.5gを27gの2M水酸化ナトリウム溶液に溶解した混合物を上記デキストラン処理表面に接触させて、28℃の振盪インキュベーターで16時間インキュベートした。表面を水で洗浄し、その後上述の手順を1回繰り返した。このサンプルを測定表面aと呼ぶ。
(2)疎水性高分子膜を介してヒドロゲルで被覆された測定表面の作成
金属膜として50nmの金が蒸着されたセンサーチップをModel-208UV−オゾンクリーニングシステム(TECHNOVISION INC.)で30分間処理した後、0.5mg/mlのポリスチレンのメチルエチルケトン溶液5μlを金属膜に接触するように添加し、5℃で15分間静置した。溶媒が蒸発することで、約100オングストロームのポリスチレン薄膜が作成できた。
さらに、ホルムアルデヒド(17.5%)と酢酸(1M)の混合液100μlをポリスチレン薄膜に接触するように添加し、25℃で8時間静置し、その後エタノールで5回、エタノール/水混合溶媒で1回、水で5回洗浄を行った。この操作により、ポリスチレン薄膜表面に存在するベンゼン環に-CH2OH基が導入される。
この表面に、10重量%のエピクロロヒドリン溶液(溶媒:0.4M水酸化ナトリウム及びジエチレングリコールジメチルエーテルの1:1混合溶液)を接触させ、25℃の振盪インキュベーター中で4時間反応を進行させ、その後表面をエタノールで2回、水で5回洗浄した。次に、25重量%のデキストラン(T500,Pharmacia)水溶液40.5mlに4.5mlの1M水酸化ナトリウムを添加し、その溶液をエピクロロヒドリン処理表面上に接触させた。次に振盪インキュベーター中で25℃、20時間インキュベートした。表面を50℃の水で10回洗浄した。続いて、ブロモ酢酸3.5gを27gの2M水酸化ナトリウム溶液に溶解した混合物を上記デキストラン処理表面に接触させて、28℃の振盪インキュベーターで16時間インキュベートした。表面を水で洗浄し、その後上述の手順を1回繰り返した。このサンプルを測定表面bと呼ぶ。
(3)測定セルの作成
上記の方法で作成した測定表面a、及び測定表面bに対して、所定の幅と深さの溝を有するプラスチック部材(ポリメチルメタクリレート)を被せることにより、表1に示す幅と高さを有する測定セルを作成した。このようにして完成した測定チップを表1に示す。
Figure 2005098787
実施例2:測定チップの性能評価:
(1)Anti-Human IL-6の固定化
表1に記載の測定チップに、1−エチル−2,3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(400mM)とN−ヒドロキシスクシンイミド(100mM)との混合液を60分間接触させ、次に50mM酢酸バッファー(pH4.5、ビアコア社製)で洗浄した。次に、Anti-Human IL-6溶液(100μg/ml、50mM酢酸バッファー、pH4.5)を30分間接触させ、その後50mM酢酸バッファー(pH4.5)で洗浄した。
さらに、エタノールアミン・HCl溶液(1M、pH8.5)を10分間接触させた後、50mM酢酸バッファー(pH4.5)で洗浄することにより、Anti-Human IL-6と反応せずに残存したCOOH基をブロックした。以上の操作により、Anti-Human IL-6を各測定チップ表面に共有結合で固定化した。Anti-Human IL-6の添加前と洗浄後のSPRシグナル(RU値)変化量をAnti-Human IL-6の固定化量(RU値)とした。
(2)ベースライン安定性
定時のベースラインが安定であるほど、微弱なSPR信号を精度よく検出することができる。ベースラインの安定性は以下の方法で評価した。上記(1)の手順で作成した、Anti-Human IL-6を固定化した測定チップを表面プラズモン共鳴測定装置(Applied Spectoroscopy、42(8)、1375-1379(1988)の図5に記載のSPR共鳴装置)にセットした。測定セルをHBS-Nバッファーで満たし、ベースラインを60分間観察した。その間SPRシグナル(RU値)の最大値と最小値の差(Δ)を算出した。このSPRシグナルの変動は20RU以下であることが好ましく、5RU以下であることがさらに好ましい。なお、上記で用いたHBS-Nバッファーの組成は、HEPES(N-2-Hydroxyethylpiperazine-N'-2-ethanesulfonicAcid)0.01mol/l(pH7.4)、NaCl0.15mol/lである。
(3)結果
表2にAnti-Human IL-6の固定化量とベースラインの安定性を示す。
Figure 2005098787
表2の結果から、本発明の測定チップは、蛋白質の固定化が可能で、かつベースラインの安定化が極めて良好であることがわかる。
図1は、本発明の測定チップの模式図を示す。
符号の説明
1 センサー表面
2 測定セル
A 測定セルの幅
B 測定セルの高さ

Claims (12)

  1. バイオセンサーに使用される測定チップにおいて、表面修飾を施されたセンサー表面上の測定セルの幅(A)と、該表面修飾を施されたセンサー表面を基準とした測定セルの高さ(B)の比(B/A)が、0.0001 < B/A < 0.1の範囲内にある、測定チップ。
  2. 非電気化学的検出に使用される、請求項1に記載の測定チップ。
  3. 表面プラズモン共鳴分析に使用される、請求項1又は2に記載の測定チップ。
  4. センサー表面がヒドロゲルで被覆されている、請求項1から3の何れかに記載の測定チップ。
  5. センサー基板が金属であり、該金属表面が有機分子X−R−Y(式中、Xは金属膜に対する結合性を有する基、Rは二価の連結基、Yは生理活性物質またはヒドロゲルを結合させるための基である。)で被覆されている請求項1から4の何れかに記載の測定チップ。
  6. センサー基板が金属であり、該金属表面が有機分子X−R−Y(式中、Xは金属膜に対する結合性を有する基、Rは二価の連結基、Yは生理活性物質またはヒドロゲルを結合させるための基である。)で被覆されており、該有機分子X−R−Yを介してヒドロゲルが結合している、請求項1から5の何れかに記載の測定チップ。
  7. センサー表面が疎水性高分子化合物で被覆されている、請求項1から4の何れかに記載の測定チップ。
  8. 疎水性高分子化合物で被覆されたセンサー表面にヒドロゲルを固定化することができる官能基を有する、請求項7に記載の測定チップ。
  9. 疎水性高分子化合物で被覆されたセンサー表面にヒドロゲルが結合している、請求項7又は8に記載の測定チップ。
  10. 生理活性物質が共有結合により表面に結合している、請求項1から9の何れかに記載の測定チップ。
  11. 請求項1から11の何れかに記載の測定チップと生理活性物質とを接触させて、該測定チップの表面に該生理活性物質を共有結合により結合させる工程を含む、測定チップに生理活性物質を固定化する方法。
  12. 生理活性物質が共有結合により表面に結合している請求項1から10の何れかに記載の測定チップと被験物質とを接触させる工程を含む、該生理活性物質と相互作用する物質を検出または測定する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105044359A (zh) * 2015-07-14 2015-11-11 天津大学 基于多巴胺辅助透明质酸修饰表面的等离子共振仪芯片及其制备方法

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