JP2005097760A - 手袋用補修・補強フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】防塵手袋の破損部分を補修したり手袋の任意の部分を補強することができ、手袋の長期使用を可能にするとともに、手袋の操作性が低下することがない補修・補強フィルムを提供する。
【解決手段】手袋用補修・補強フィルム1Aは、通気伸縮性の熱可塑性合成樹脂フィルム2から形成され、その片面に有機合成系接着剤3(ホットメルト型感圧接着剤)が断続的に塗布された接着層4を有する。補修・補強フィルム1Aは、熱可塑性合成樹脂フィルムから作られた防塵手袋の破損部分や任意の部分に貼付する。
【選択図】図1
【解決手段】手袋用補修・補強フィルム1Aは、通気伸縮性の熱可塑性合成樹脂フィルム2から形成され、その片面に有機合成系接着剤3(ホットメルト型感圧接着剤)が断続的に塗布された接着層4を有する。補修・補強フィルム1Aは、熱可塑性合成樹脂フィルムから作られた防塵手袋の破損部分や任意の部分に貼付する。
【選択図】図1
Description
本発明は、熱可塑性合成樹脂フィルムから作られた防塵手袋に貼付する手袋用補修・補強フィルムに関する。
熱溶融性合成樹脂製の薄シート状手袋生地から作られ、互いに重なり合う2枚の前記手袋生地の手挿入部分を除く外周縁部どうしが熱接着された手袋がある(特許文献1参照)。この手袋では、熱溶融性の薄手の樹脂シートが指と指との間の指股部分(指と指との間の付け根部分)の外面に熱接着されている。
特許文献1に開示の手袋は、医薬品や化粧品、食品を製造する工場、半導体を製造するクリーンルーム等で作業する作業者や検査者等の装着者が両手に装着する。この手袋は、それが合成樹脂シートから作られているので、装着者の手に付着した塵埃や垢等の異物が手袋内部から外側に出ることはなく、異物の製品への付着や混入を防ぐことができる。この手袋は、指股部分に薄手の樹脂シートが熱接着されているので、動きが激しく破損し易い手袋の指股部分を補強することができる。ただし、樹脂シートは、手袋の破損箇所を補修する用途に用いられることはない。
特開平11−247010号公報
特許文献1に開示の手袋は、樹脂シートによって指股部分を補強することができたとしても、指股部分以外の部分が破れたり綻びたりして破損した場合、塵埃や垢等の異物が破損した部分をとおって手袋の外側へ出てしまうので、一部が破損した状態の手袋をそのまま使用することができず、手袋を廃棄しなくてはならない。また、この手袋は、それが伸縮性の合成樹脂シートから作られていると、指股部分に接着された樹脂シートに伸縮性がなければ、樹脂シートによって指股部分の伸縮性が抑制され、手袋の操作性が低下してしまう。さらに、手袋の動きによって指股部分が伸縮を繰り返すと、樹脂シートに剥離力や剪断力が作用し、指股部分から樹脂シートが不用意に剥がれてしまう場合がある。
本発明の目的は、防塵手袋の破損した部分を補修したり手袋の任意の部分を補強することができ、手袋の長期使用を可能にするとともに、手袋の操作性が低下することがない補修・補強フィルムを提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の前提は、熱可塑性合成樹脂フィルムから作られた防塵手袋に貼付する手袋用補修・補強フィルムである。
前記前提における本発明の特徴は、補修・補強フィルムが、通気伸縮性の熱可塑性合成樹脂フィルムから形成され、その片面に有機合成系接着剤が断続的または連続的に塗布された接着層を有することにある。
本発明は、以下の実施態様を有する。
(1)接着層を含む補修・補強フィルムの厚みは、25〜60μmの範囲にあり、接着層を含む補修・補強フィルムの定荷重時伸び率は、10〜100%の範囲にある。なお、補修・補強フィルムでは、それを形成する熱可塑性合成樹脂フィルムの厚みが15〜30μmの範囲、接着層の厚みが10〜30μmの範囲にある。補修・補強フィルムの定荷重時伸び率は、JIS L 1018(クラブ法)に準拠して測定した値である。
(2)補修・補強フィルムの透湿度は、1000〜3000g/m2・24hrの範囲にある。補修・補強フィルムの透湿度は、JIS L 1099 A−I法に準拠して測定した値である。
(3)補修・補強フィルムは、それを形成する熱可塑性合成樹脂フィルムの融点が150〜170℃の範囲にあり、それに塗布された有機合成系接着剤の軟化点が100〜140℃の範囲にある。軟化点とは、温度を上昇させていったとき、接着剤が熱流動し始めて凝集力を失う温度をいう。
(4)補修・補強フィルムでは、それを形成する熱可塑性合成樹脂フィルムがポリエステルフィルムとポリウレタンフィルムとのうちのいずれかである。
(5)補修・補強フィルムでは、それに塗布された有機合成系接着剤がホットメルト型感圧接着剤である。
(6)補修・補強フィルムでは、接着層を被覆・保護する剥離紙が接着層の外面に仮着されている。
(7)手袋と補修・補強フィルムとは、同一種類の熱可塑性合成樹脂フィルムから作られている。
(1)接着層を含む補修・補強フィルムの厚みは、25〜60μmの範囲にあり、接着層を含む補修・補強フィルムの定荷重時伸び率は、10〜100%の範囲にある。なお、補修・補強フィルムでは、それを形成する熱可塑性合成樹脂フィルムの厚みが15〜30μmの範囲、接着層の厚みが10〜30μmの範囲にある。補修・補強フィルムの定荷重時伸び率は、JIS L 1018(クラブ法)に準拠して測定した値である。
(2)補修・補強フィルムの透湿度は、1000〜3000g/m2・24hrの範囲にある。補修・補強フィルムの透湿度は、JIS L 1099 A−I法に準拠して測定した値である。
(3)補修・補強フィルムは、それを形成する熱可塑性合成樹脂フィルムの融点が150〜170℃の範囲にあり、それに塗布された有機合成系接着剤の軟化点が100〜140℃の範囲にある。軟化点とは、温度を上昇させていったとき、接着剤が熱流動し始めて凝集力を失う温度をいう。
(4)補修・補強フィルムでは、それを形成する熱可塑性合成樹脂フィルムがポリエステルフィルムとポリウレタンフィルムとのうちのいずれかである。
(5)補修・補強フィルムでは、それに塗布された有機合成系接着剤がホットメルト型感圧接着剤である。
(6)補修・補強フィルムでは、接着層を被覆・保護する剥離紙が接着層の外面に仮着されている。
(7)手袋と補修・補強フィルムとは、同一種類の熱可塑性合成樹脂フィルムから作られている。
本発明にかかる手袋用補修・補強フィルムによれば、熱可塑性合成樹脂フィルムから作られた防塵手袋の破損した部分に補修・補強フィルムを貼付することによって、手袋の破損部分を補修することができ、手袋の一部が破損したとしても、手袋を廃棄する必要はなく、手袋の長期使用を可能にすることができる。補修・補強フィルムは、それを防塵手袋の任意の部分に貼付することで、手袋を補強することができ、手袋の破損をあらかじめ防ぐことができる。
補修・補強フィルムは、それが伸縮性を有するとともに、110〜200%の範囲の定荷重時伸び率を有するので、防塵手袋が伸縮性の熱可塑性合成樹脂フィルムから作られていたとしても、フィルムが手袋の伸縮に追従することができ、手袋の伸縮がフィルムによって抑制されることがなく、手袋の操作性が低下することはない。また、手袋が伸縮を繰り返したとしても、補修・補強フィルムに剥離力や剪断力が作用することはなく、フィルムが手袋から不用意に剥がれてしまうことはない。
透湿度が1000〜3000g/m2・hrの範囲にある補修・補強フィルムでは、塵埃や垢等の異物が破損した部分から手袋の外側へ出てしまうことを防ぎつつ、手袋内部の湿気をフィルムから手袋の外側へ逃がすことができる。
補修・補強フィルムを形成する熱可塑性合成樹脂フィルムの融点が150〜170℃の範囲にあり、有機合成系接着剤の軟化点が100〜140℃の範囲にある補修・補強フィルムでは、フィルムの融点が接着剤の軟化点よりも高いので、熱プレスによって接着剤を軟化させたとしても、フィルムが溶融したり熱収縮してしまうことはない。
接着層の外面に剥離紙が仮着された補修・補強フィルムでは、接着層が露出することはなく、剥離紙によって接着剤の汚れを防ぐことができ、接着剤の接着力の低下を防ぐことができる。
手袋と補修・補強フィルムとが同一種類の熱可塑性合成樹脂フィルムから作られている場合は、手袋と補修・補強フィルムとの融点がほぼ一致するので、熱プレスによってフィルムと手袋とを接着したとしても、手袋と補修・補強フィルムとの一方または両者が熱で痛むことを防ぐことができる。
添付の図面を参照し、本発明にかかる手袋用補修・補強フィルムの詳細を説明すると、以下のとおりである。
図1,2は、一例として示す補修・補強フィルム1Aの斜視図と、図1のII−II線端面図とである。図1,2では、フィルム1Aの一部を剥離紙5から剥がした状態で示す。フィルム1Aは、通気不透液性の熱可塑性合成樹脂フィルム2から形成されている。フィルム1Aは、その片面に有機合成系接着剤3が塗布された接着層4を有する。接着層4の外面には、接着層4を被覆・保護する剥離紙5が剥離可能に仮着されている。熱可塑性合成樹脂フィルム2は、熱可塑性合成樹脂を製膜することによって製造することができる。熱可塑性合成樹脂フィルム2には、ポリエステルフィルムとポリウレタンフィルムとのうちのいずれか一方が使用されている。
ポリエステルフィルムは、テンター法によって製造することができる。テンター法によるポリエステルフィルムの製膜法は、以下のとおりである。ポリエチレンテレフタレートチップを押出機に投入し、押出機内部で加熱溶融してダイから厚めの板状に押し出し、キャスティングドラム上で冷却固化して板状の原反を作る。次に、原反を縦横同時二軸延伸や二段階逐次延伸によって縦横方向へ引き伸ばしてフィルム化する。
ポリウレタンフィルムは、キャスティング法(溶液流延法)やエキストルージョン法(溶融押出法)、カレンダー法によって製造することができる。キャスティング法によるポリウレタンフィルムの製膜法は、以下のとおりである。ポリウレタンチップを各種有機溶剤または水に溶解し、さらに可塑剤等を加えた水飴状の粘稠なドープからゴミや気泡を除去した後、回転する平坦な金属支持体上に流延してフィルム化する。エキストルージョン法によるポリウレタンフィルムの製膜法は、以下のとおりである。ポリウレタンチップを押出機に投入し、押出機内部で加熱溶融してダイ(Tダイまたはインフレーションダイ)からフィルム状に押し出した後、冷却する。カレンダー法によるポリウレタンフィルムの製膜法は、以下のとおりである。ポリウレタン粉末をミキシングロールやバンバリーミキサー、エクストルーダーで混練し、混練した原反をカレンダーロールで縦横方向へ圧延してフィルム化した後、フィルムをエンボスサーで型押しする。
有機合成系接着剤3には、ホットメルト型感圧接着剤が使用されている。ホットメルト型感圧接着剤には、オレフィン系ホットメルト接着剤、ゴム系ホットメルト接着剤、ポリエステル系ホットメルト接着剤、ポリアミド系ホットメルト接着剤、反応形ホットメルト接着剤のいずれかを使用することができる。
接着剤3は、フィルム1Aの片面にドット状(点状)に塗布されている。接着剤3は、フィルム1Aの片面全体に塗布されていてもよく、フィルム1Aの片面にスパイラル状、波状、ジグザグ状、縞状のうちのいずれかの態様で塗布されていてもよい。フィルム1Aに接着剤3を塗布するには、ビートコーティング、コーターコーティング、スパイラルコーティング、カーテンコーターコーティング、ロールコーターコーティングの各方式を利用することができる。
剥離紙5は、クラフト紙、グラシン紙、ケント紙、上質紙、中質紙、白板紙等の紙、または、熱可塑性合成樹脂製のプラスチックシートを使用することができる。剥離紙5の接着層4と対向する面全体には、離型剤6が塗布されている。離型剤6には、シリコーン系やフッ素系を使用することができる。
図3は、図1のフィルム1Aを貼付した防塵手袋7の斜視図であり、図4,5は、図3のIV−IV線端面図と、図3のV−V線端面図とである。防塵手袋7は、互いに重なり合う2枚の通気伸縮性の熱可塑性合成樹脂フィルム8から作られている。熱可塑性合成樹脂フィルム8には、フィルム2と同様に、ポリエステルフィルムとポリウレタンフィルムとのうちのいずれか一方が使用されている。手袋7の内側(フィルム8の内面)には、熱可塑性合成樹脂繊維から作られたトリコット生地(図示せず)が接合されている。手袋7は、あらかじめ手の形に成形された2枚のフィルム8から作られている。手袋7では、トリコット生地を内側にして互いに重なり合うフィルム8どうしがそれらの外周縁近傍において熱融着されることで、手袋形態に成形されている。
防塵手袋7は、医薬品や化粧品、食品を製造する工場、半導体を製造するクリーンルーム等で作業する作業者や検査者等の装着者が両手に装着する。手袋7は、それを装着すると、図3に示すように、装着者の手の甲と手の平と五指とを包被する。手袋7は、それが熱可塑性合成樹脂フィルム8から作られているので、装着者の手に付着した塵埃や垢等の異物が手袋7内部から外側へ出ることはなく、異物の製品への付着や混入を防ぐことができる。
手袋7の一部が破損した場合は、破損した部分に補修・補強フィルム1Aを貼付することで、破損部分を補修することができる。図3では、手袋7のうちの手の甲を包被する部分9に破れが生じ、親指と人差し指との間の指股部分10に綻びが生じており、それら破損部分11にフィルム1Aが貼付されている。
破損部分11にフィルム1Aを貼付する手順の一例は、以下のとおりである。フィルム1Aを剥離紙5から剥がして接着層4を露出させ、手袋7の破損部分11全体を被覆するように、接着層4を手袋7に対向させた状態でフィルム1Aを破損部分11の上に載せる。次に、手袋7とともにフィルム1Aを熱プレスし、ホットメルト型感圧接着剤を軟化点以上に加熱した後、熱プレスを解除する。熱プレスを解除すると、接着剤3が硬化し、接着剤3を介してフィルム1Aが手袋7(フィルム8)の外面に接着される。
なお、このフィルム1Aは、手袋7の破損部分11の補修の他に、手袋7の任意の部分の補強用としても使用することができる。また、手袋7がフィルム8のみから作られている場合は、フィルム1Aを手袋7の外面のみならず、手袋7(フィルム8)の内面にも貼付することができる。この場合は、手袋7を捲って内面を露出させた後、上記手順に基づき接着剤3を介してフィルム1Aを手袋7の内面に接着すればよい。
手袋7の一部が破れたり綻んだりして破損したとしても、フィルム1aによって破損部分11を補修することができるので、装着者の手に付着した塵埃や垢等の異物が破損部分11から手袋7の外側へ出ることはなく、一部が破損した手袋7をそのまま廃棄する必要はない。このフィルム1Aは、それを使用することによって、防塵手袋7の長期使用が可能となる。
フィルム1Aは、それが伸縮性を有するので、手袋7が伸縮性の熱可塑性合成樹脂フィルム8から作られていたとしても、フィルム1Aが手袋7(熱可塑性合成樹脂フィルム8)の伸縮に追従することができ、手袋7の伸縮がフィルム1Aによって抑制されることがなく、手袋7の操作性が低下することはない。また、手袋7が伸縮を繰り返したとしても、フィルム1Aに剥離力や剪断力が作用することはなく、フィルム1Aが手袋7から不用意に剥がれてしまうことはない。
手袋7と補修・補強フィルム1Aとは、それらが同一種類の熱可塑性合成樹脂フィルムから作られていることが好ましい。たとえば、手袋7がポリエステルフィルムから作られている場合はフィルム1Aがポリエステルフィルムから作られ、手袋7がポリウレタンフィルムから作られている場合はフィルム1Aがポリウレタンフィルムから作られていることが好ましい。手袋7とフィルム1Aとが同一種類の熱可塑性合成樹脂フィルムから作られていると、手袋7とフィルム1Aとの融点がほぼ一致するので、熱プレスによってフィルム1Aを手袋7に接着するときに、手袋7とフィルム1Aとの一方または両者が熱で痛むことを防ぐことができる。
フィルム1Aは、それを形成する熱可塑性合成樹脂フィルム2の厚みが15〜30μmの範囲、接着層4の厚みが10〜30μmの範囲にあり、接着層4を含む合計の厚みLが25〜60μmの範囲にある(図2参照)。熱可塑性合成樹脂フィルム2の厚みが15μm未満では、フィルム1Aの引張強さや引裂強さが低下し、フィルム1Aが破損し易くなる。熱可塑性合成樹脂フィルム2の厚みが30μmを超過すると、フィルム1Aの剛性が増加し、フィルム1Aの柔軟性を維持することができない。接着層4の厚みが10μm未満では、接着層4の接着力が低下し、手袋7の破損部分11に貼付したフィルム1Aが手袋7から不用意に剥がれてしまう場合がある。接着層4の厚みが30μmを超過すると、接着剤3によってフィルム1Aの剛性が増加し、フィルム1Aの柔軟性が低下するとともに、接着剤3によってフィルム1Aの伸縮性が抑制されてしまう。
フィルム1Aは、接着層4を含む定荷重時伸び率が10〜100%の範囲にある。伸び率が10%未満では、フィルム1Aを手袋7に貼付したときに、フィルム1Aが手袋7の伸縮に追従することができず、手袋7の伸長によってフィルム1Aが破損してしまったり、手袋7の伸縮によってフィルム1Aに剥離力や剪断力が作用し、フィルム1Aが手袋7から不用意に剥がれてしまう場合がある。また、フィルム1Aによって手袋7の伸縮が抑制され、手袋7の操作性が低下してしまう。なお、フィルム1Aの定荷重時伸び率は、JIS L 1018(クラブ法)に準拠して測定した。以下、定荷重時伸び率の測定方法を説明する。
(1)接着剤3を塗布した状態にある幅10cm、長さ15cmのフィルム1Aを、定荷重時伸び率測定用のサンプルとして5枚用意する。定荷重時伸び率の測定には、引張試験機を使用する。
(2)サンプルの長さ方向一端部を引張試験機の上部クランプに固定し、サンプルに長さ7.6cm間隔の印を付ける。サンプルの長さ方向他端部に初荷重(51mN(500gf)、引張速度5±1,10±1または30±2cm/min)を加え、静かに一定荷重を加えたまま1分間放置する。1分間放置した後の印間の長さを測り、次式によって伸び率を求める。式:定荷重時伸び率(%)=(L1−L)/L×100、ここで、Lはもとの印間の長さ(cm)であり、L1は一定荷重を加え1分間放置した後の印間の長さ(cm)である。なお、定荷重時伸び率は、それらサンプルについて求めた伸び率の平均値である。
(1)接着剤3を塗布した状態にある幅10cm、長さ15cmのフィルム1Aを、定荷重時伸び率測定用のサンプルとして5枚用意する。定荷重時伸び率の測定には、引張試験機を使用する。
(2)サンプルの長さ方向一端部を引張試験機の上部クランプに固定し、サンプルに長さ7.6cm間隔の印を付ける。サンプルの長さ方向他端部に初荷重(51mN(500gf)、引張速度5±1,10±1または30±2cm/min)を加え、静かに一定荷重を加えたまま1分間放置する。1分間放置した後の印間の長さを測り、次式によって伸び率を求める。式:定荷重時伸び率(%)=(L1−L)/L×100、ここで、Lはもとの印間の長さ(cm)であり、L1は一定荷重を加え1分間放置した後の印間の長さ(cm)である。なお、定荷重時伸び率は、それらサンプルについて求めた伸び率の平均値である。
補修・補強フィルム1Aは、その透湿度が1000〜3000g/m2・24hrの範囲にある。透湿度が1000g/m2・24hr未満では、手袋7に対するフィルム1Aの接着面積にもよるが、手袋7の通気性がフィルム1Aによって阻害され、手袋7内部の湿気を手袋7の外側へ逃がすことができず、手袋7内部が蒸れ易くなってしまう。なお、フィルム1Aの透湿度は、JIS L 1099 A−I法に準拠して測定した。以下、透湿度の測定方法を説明する。
(1)接着剤3を塗布した状態にある直径約7cmのフィルム1Aを、透湿度測定用のサンプルとして用意する。透湿度の測定には、JIS L 1099 A−I法に規定の恒温・恒湿装置、風速計、化学はかり、円形板、透湿カップ、吸湿剤を使用する。
(2)約40℃に温めた透湿カップに吸湿剤を約33g入れ、カップに振動を与えて均一にした後、薬さじで表面を平らにならし、円形板を用いて吸湿剤とサンプルの下面との間の離間寸法が3mmになるように調節する。次に、サンプルの表面(フィルムの接着剤塗布面)を吸湿剤側に向け、サンプルが透湿カップに対して同心円になるようにサンプルを透湿カップの開口部に載せる。次に、パッキンおよびリングを装着し、ちょうナットを介してサンプルを透湿カップに固定した後、粘着テープを介してサンプルの外周縁部と透湿カップの周縁部とを固着して試験体を作成する。
(3)試験体を、温度40±2℃、湿度(90±5)%RH(2)の恒温・恒湿装置内(サンプルの約1cm上部の風速が0.8m/sを超えない位置)に置く。24時間経過後に試験体を恒温・恒湿装置内から取り出し、直ちに試験体の第1質量を1mgまで測定する。第1質量を測定後、再び試験体を恒温・恒湿装置内の同位置に置き、さらに24時間経過後に試験体を恒温・恒湿装置内から取り出し、直ちに試験体の第2質量を1mgまで測定する。
(4)試験体の第1および第2質量を測定した後、次式によって透湿度を求める。式:透湿度(g/m2・hr)={10×(α1−α2)}/S、ここで、α1は第1質量であり、α2は第2質量である。α1−α2は試験体の24時間当たりの質量の変化量(mg/hr)であり、Sは透湿面積(cm2)である。
(1)接着剤3を塗布した状態にある直径約7cmのフィルム1Aを、透湿度測定用のサンプルとして用意する。透湿度の測定には、JIS L 1099 A−I法に規定の恒温・恒湿装置、風速計、化学はかり、円形板、透湿カップ、吸湿剤を使用する。
(2)約40℃に温めた透湿カップに吸湿剤を約33g入れ、カップに振動を与えて均一にした後、薬さじで表面を平らにならし、円形板を用いて吸湿剤とサンプルの下面との間の離間寸法が3mmになるように調節する。次に、サンプルの表面(フィルムの接着剤塗布面)を吸湿剤側に向け、サンプルが透湿カップに対して同心円になるようにサンプルを透湿カップの開口部に載せる。次に、パッキンおよびリングを装着し、ちょうナットを介してサンプルを透湿カップに固定した後、粘着テープを介してサンプルの外周縁部と透湿カップの周縁部とを固着して試験体を作成する。
(3)試験体を、温度40±2℃、湿度(90±5)%RH(2)の恒温・恒湿装置内(サンプルの約1cm上部の風速が0.8m/sを超えない位置)に置く。24時間経過後に試験体を恒温・恒湿装置内から取り出し、直ちに試験体の第1質量を1mgまで測定する。第1質量を測定後、再び試験体を恒温・恒湿装置内の同位置に置き、さらに24時間経過後に試験体を恒温・恒湿装置内から取り出し、直ちに試験体の第2質量を1mgまで測定する。
(4)試験体の第1および第2質量を測定した後、次式によって透湿度を求める。式:透湿度(g/m2・hr)={10×(α1−α2)}/S、ここで、α1は第1質量であり、α2は第2質量である。α1−α2は試験体の24時間当たりの質量の変化量(mg/hr)であり、Sは透湿面積(cm2)である。
フィルム1Aは、その融点が150〜170℃の範囲にある。接着剤3は、その軟化点が100〜140℃の範囲にある。フィルム1Aの融点が150℃未満であって接着剤3の軟化点が140℃を超過すると、フィルム1Aを熱プレスしたときに、接着剤3が軟化する以前にフィルム1Aが溶融してしまったり、フィルム1Aが熱収縮してしまう場合がある。なお、防塵手袋7は一定期間使用された後に約90℃の雰囲気で洗浄されるが、洗浄温度よりも接着剤3の軟化点が高いので、手袋7の洗浄中に、接着剤3が軟化することはなく、フィルム1Aが手袋7から剥がれてしまうこともない。
フィルム1Aは、その大きさ(平面面積)について特に限定はない。フィルム1Aが手袋7の破損部分11を被覆する大きさよりも大きい場合は、フィルム1Aを剥離紙5とともに破損部分11全体を被覆する程度の大きさに裁断して使用する。フィルム1Aは、その平面形状について特に限定はなく、平面形状が図示の矩形のみならず、円形、楕円形、三角形、多角形であってもよい。
図6,7は、他の一例として示す補修・補強フィルム1Bの斜視図と、図6のVII−VII線端面図とであり、図8,9は、図6のフィルム1Bを貼付した防塵手袋7の斜視図と、図8のIX−IX線端面図とである。図6では、フィルム1Aの一片12をミシン目13で切り取った状態で示す。この補修・補強フィルム1Bが図1のそれと異なる点は、フィルム1Bに複数条のミシン目13が形成されていることにある。フィルム1Bの他の構成は、図1のそれと同様であり、図1と同一の符号を付すことで他の構成の詳細な説明は省略する。
フィルム1Bは、通気不透液性の熱可塑性合成樹脂フィルム2から形成され、その片面に有機合成系接着剤3(ホットメルト型感圧接着剤)が塗布された接着層4を有する。接着層4の外面には、接着層4を被覆・保護する剥離紙5が剥離可能に仮着されている。熱可塑性合成樹脂フィルム2には、ポリエステルフィルムとポリウレタンフィルムとのうちのいずれか一方が使用されている。接着剤3は、フィルム1Bの片面全体に塗布されている。剥離紙5には、離型剤6が塗布されている。
フィルム1Bは、その大きさ(平面面積)が図1のそれよりも大きく、ミシン目13で画された一片12が図1のフィルム1Aの大きさにほぼ匹敵する。ミシン目13は、フィルム1Bと剥離紙5(離型剤6を含む)とをそれらの厚み方向へ貫通している。それらミシン目13は、互いに直交して延びている。このフィルム1Bを使用するには、フィルム1Bの一片12をミシン目13に沿って切り取った後、フィルム1Bから剥離紙5を剥がして接着層4を露出させ、フィルム1Bを手袋7の破損部分や指股部分、その他の補強したい任意の部分に貼付する。
このフィルム1Bの厚みL、定荷重時伸び率(%)、透湿度(g/m2・24hr)は図1のフィルム1Aのそれらと同一であり、定荷重時伸び率の測定方法と透湿度の測定方法とは図1のそれらと同一である。フィルム1Bを形成する熱可塑性合成樹脂フィルム2の融点(℃)と接着剤3の軟化点(℃)とは、図1のそれらと同一である。接着剤3や剥離紙5、離型剤6は、図1のそれらと同一である。
フィルム1Bは、防塵手袋7の任意の部分の補強用として使用することができる。フィルム1Bは、手袋7の補強用の他に、手袋7の破損部分の補修用としても使用することができる。図8では、フィルム1Bが手袋7の親指と人差し指との間の指股部分10(親指と人差し指との間の付け根部分)に貼付されている。手袋7は、指股部分10にフィルム1Bを貼付することで、動きが激しく破損し易い手袋7の指股部分10を補強することができる。
手袋7の構成は、破損部分がない点を除いて図3の手袋7の構成と同一である。手袋7にフィルム1Bを貼付する手順は図1のそれと同一である。なお、フィルム1Bは、手袋7の親指と人差し指との間の指股部分10のみならず、手袋7の人差し指と中指との間の指股部分や手袋7の中指と薬指との指股部分に貼付することができることはいうまでもない。また、指股部分以外の任意の部分にフィルム1Bを貼付し、指股部分以外の部分を補強することもできる。フィルム1Bは、手袋7の外面のみならず、手袋7の内面に貼付することができる。
このフィルム1Bは、それを使用することによって、手袋7の破損し易い指股部分10をあらかじめ補強しておくことができる。フィルム1Bは、それが伸縮性を有するので、動きの激しい手袋7の指股部分10の伸縮に追従することができ、指股部分10の伸縮がフィルム1Bによって抑制されることがなく、手袋7の操作性が低下することはない。また、指股部分10が伸縮を繰り返したとしても、フィルム1Bに剥離力や剪断力が作用することはなく、フィルム1Bが指股部分10から不用意に剥がれてしまうことはない。
補修・補強フィルム1A,1Bを作る熱可塑性合成樹脂フィルム2と手袋7を作る熱可塑性合成樹脂フィルム8とには、ポリエステルフィルムやポリウレタンフィルムの他に、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニルデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム、アセテートフィルム、ポリアミドフィルム、塩酸ゴムフィルムを使用することもできる。それらフィルムは、キャスティング法、エキストルージョン法(Tダイ法やインフレーション法)、カレンダー法、膨張延伸法、切削法、エマルジョン法の公知の製膜法によって製造することができる。手袋7がポリエステルフィルムやポリウレタンフィルム以外の熱可塑性合成樹脂フィルムから作られている場合は、フィルム1A,1Bが手袋7を作る熱可塑性合成樹脂フィルムと同一の熱可塑性合成樹脂フィルムから作られていることが好ましい。
有機合成系接着剤3には、熱可塑性樹脂系接着剤やエラストマー系接着剤を使用することもできる。熱可塑性樹脂系接着剤には、酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルアセタール系、塩化ビニル系、アクリル系、ポリエチレン系、セルロース系を使用することができる。エラストマー系接着剤には、クロロプレングム系、ニトリロゴム系、ブチルゴム系、シリコーンゴム系を使用することができる。接着剤3にホットメルト型感圧接着剤以外のそれを使用する場合は、フィルム1A,1Bから剥離紙5を剥がして接着剤3を露出させた後、手袋7とフィルム1A,1Bとを熱プレスしまたは熱プレスすることなく、接着剤3を介して手袋7の破損部分や任意の部分にフィルム1A,1Bを貼付する。接着剤3に熱可塑性樹脂系接着剤やエラストマー系接着剤を使用する場合は、それら接着剤の軟化点が100〜140℃の範囲にあることが必要である。
1A 手袋用補修・補強フィルム
1B 手袋用補修・補強フィルム
2 熱可塑性合成樹脂フィルム
3 接着剤
4 接着層
5 剥離紙
6 離型剤
7 手袋
8 熱可塑性合成樹脂フィルム
L 厚み
1B 手袋用補修・補強フィルム
2 熱可塑性合成樹脂フィルム
3 接着剤
4 接着層
5 剥離紙
6 離型剤
7 手袋
8 熱可塑性合成樹脂フィルム
L 厚み
Claims (8)
- 熱可塑性合成樹脂フィルムから作られた防塵手袋に貼付する手袋用補修・補強フィルムにおいて、
前記補修・補強フィルムが、通気伸縮性の熱可塑性合成樹脂フィルムから形成され、その片面に有機合成系接着剤が断続的または連続的に塗布された接着層を有することを特徴とする前記補修・補強フィルム。 - 前記接着層を含む前記補修・補強フィルムの厚みが、25〜60μmの範囲にあり、前記接着層を含む前記補修・補強フィルムの定荷重時伸び率が、10〜100%の範囲にある請求項1記載の補修・補強フィルム。
- 前記補修・補強フィルムの透湿度が、1000〜3000g/m2・24hrの範囲にある請求項1または請求項2に記載の補修・補強フィルム。
- 前記補修・補強フィルムを形成する熱可塑性合成樹脂フィルムの融点が、150〜170℃の範囲にあり、前記有機合成系接着剤の軟化点が、100〜140℃の範囲にある請求項1ないし請求項3いずれかに記載の補修・補強フィルム。
- 前記補修・補強フィルムを形成する熱可塑性合成樹脂フィルムが、ポリエステルフィルムとポリウレタンフィルムとのうちのいずれかである請求項1ないし請求項4いずれかに記載の補修・補強フィルム。
- 前記有機合成系接着剤が、ホットメルト型感圧接着剤である請求項1ないし請求項5いずれかに記載の補修・補強フィルム。
- 前記接着層を被覆・保護する剥離紙が、前記接着層の外面に仮着されている請求項1ないし請求項6いずれかに記載の補修・補強フィルム。
- 前記防塵手袋と前記補修・補強フィルムとが、同一種類の熱可塑性合成樹脂フィルムから作られている請求項1ないし請求項6いずれかに記載の補修・補強フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003330536A JP2005097760A (ja) | 2003-09-22 | 2003-09-22 | 手袋用補修・補強フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2003330536A Pending JP2005097760A (ja) | 2003-09-22 | 2003-09-22 | 手袋用補修・補強フィルム |
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JP (1) | JP2005097760A (ja) |
-
2003
- 2003-09-22 JP JP2003330536A patent/JP2005097760A/ja active Pending
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