JP2005096316A - インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット記録ヘッドに用いられるセラミックス中のSiやCaなどがインク中へ溶出して、インクの凝集が起こり、インク吐出孔が詰まるなどの問題があった。
【解決手段】前記インクジェット記録ヘッドのインクと接触する、セラミックスからなる基材で構成した部分の表面に、厚み0.1〜20μmのYを主成分とする耐食膜を形成し、該耐食膜の表面のX線回折による、基材とY元素との反応生成物の最高結晶ピークの強度値を、Yの最高結晶ピークの強度値で除した値を0.1以下とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細なインク吐出孔からインク滴を噴射して文字や画像等を形成する各種プリンタや記録計、あるいは捺染分野や窯業分野で文様等を形成する印刷機等の記録装置等に搭載されるインクジェット記録ヘッド及びその製造方法に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの普及やマルチメディアの発達に伴って、情報を記録媒体に出力する記録装置として、インクジェット方式の記録装置の利用が急速に拡大している。
インクジェット方式の記録装置に搭載されるインクジェット記録ヘッド(以下、ヘッドと称す)としては、インクが充填される加圧室内にヒータを設け、このヒータによりインクを加熱、沸騰させ、加圧室内に生ずる気泡によってインクを加圧し、インク吐出孔よりインク滴を吐出するサーマルジェット方式と、インクが充填される加圧室を形成する壁を圧電素子によって屈曲変位させ、機械的に加圧室内のインクを加圧し、インク吐出孔よりインク滴を吐出する圧電方式が一般的に知られている。
たとえば、圧電方式のヘッドの一例を、図3に示すように、インク滴を吐出するためのインク吐出孔26を有した絶縁性セラミック基板21上に、平行に整列した圧電セラミックスからなる二つの壁部材23、24にて構成される複数の隔壁22を有し、これら隔壁22間をインクの加圧室25として成し、上記各隔壁22の頂部に接合され、各加圧室25を塞ぐ、インク供給孔29を備えた天板28と、上記加圧室25の一方端側に、各加圧室25を塞ぐべく、接着にて接合された封止板30とからなり、上記隔壁22の両側面には、その長手方向に沿って駆動用電極27をそれぞれ形成したものがあった。なお、絶縁性セラミック基板21上には、上記駆動用電極27と、パルス電圧を印加するための駆動回路(不図示)とを接続する配線31が形成され、上記隔壁22は図中矢印の方向に分極処理された壁部材23、24をエポキシ接着剤等で接着してなり、また、加圧室25の他方端側は閉じられた構造となっていた。
そして、この様なヘッド40に用いられる圧電セラミックスとしては、チタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックスが好適に用いられるが、該圧電セラミックスは剛性が低いため、アルミナセラミックスのような絶縁性セラミック基板21に接合して使用されていた。
そして、このヘッド40を用いて記録媒体に印刷するには、隔壁22の両側面に形成された駆動用電極27間に通電することで、圧電セラミックスの剪断モード変形を利用して各隔壁22を加圧室25側へ屈曲変位させ、各加圧室25内のインクを加圧することによりインク吐出孔26よりインク滴を吐出するようになっていた。
また、このヘッド40を製造するには、互いに相対する方向に分極処理し、エポキシ系接着剤で接着した2枚の圧電セラミック基板を、予め配線31をスパッタリング法や蒸着法、メッキ法等で形成した絶縁性セラミック基板21上にエポキシ系接着剤で接着して、例えば、ダイシングソーと呼ばれる装置に取り付けられるダイヤモンドブレードの回転刃によって複数の溝を等間隔に、上記絶縁性セラミック基板21面まで研削加工して、各溝をインクの加圧室25とするとともに、加圧室25を構成する壁部材23、24からなる隔壁22を形成する。
次に、隔壁22の両側面に蒸着法やスパッタリング法などの膜形成手段により駆動用電極27を被覆形成し、エキシマレーザー等によって加圧室25の底部の絶縁性セラミック基板21にインク滴を吐出する為のインク吐出孔26を穿孔したあと、加圧室25を塞ぐべく隔壁22の頂部にエポキシ系接着剤でもって天板28を接着するとともに、加圧室25の開放端部に、封止板30をエポキシ系接着剤にて接着することによって製作されていた。
しかしながら、近年、問題視されている環境問題等に配慮するため、インクジェット記録ヘッド用のインクとして、非溶剤系の需要が高まっているが、非溶剤系のインクは顔料の分散性が悪いため、たとえば、インクをアルカリ性にしてPH値を微妙に調整し、顔料の分散性を改善したものが用いられている。
ところが、図3に示すヘッド40のように、加圧室25の一部にアルミナセラミックスを用いたものでは、アルカリ性を示すインクに長時間曝されると、アルミナセラミックス中の不純物等がガラス成分となって溶出し、インクの成分と反応して水酸化物を形成し、インク中に析出するためにインクの濃度が高くなるとともに、インク中の顔料が凝集して粗な部分と蜜な部分ができるため、インク滴の大きさが安定せず、ドットのばらつきが発生することから、印刷画像に悪影響を及ぼすといった課題があった。このため、アルミナセラミックス中のアルミナ以外のSiO、CaO、及びMgOを含有し、その含有量を所望の範囲とすることによって、耐食性の劣る結晶が析出することを防止し、前記アルミナセラミックス中のガラス成分がインク中へ溶出することを防ぐ方法が示されている(特許文献1参照)。
また、アルミナ又はアルミナ化合物を含有するセラミック焼結体中のNaの量がNa2O換算で0.5重量%以下とすることによってインクの凝集を防止する方法が記載されている(特許文献2参照)。
さらに分野は違うが、半導体・液晶製造装置を形成する真空チャンバーの内壁材、マイクロ波導入窓、フォーカスリング、サセプタ等の如きフッ素系や塩素系などのハロゲン系腐食性ガス雰囲気下でプラズマに曝される半導体・液晶製造装置用部材には、石英や酸化アルミニウム焼結体が多く使用されてきたのであるが、近年では石英や酸化アルミニウム等にかわり、フッ素系や塩素系などのハロゲン系腐食性ガス雰囲気下でプラズマに曝される表面を耐食性に優れた部材として周期律表第3a族元素の酸化物又はフッ化物により形成することが提案されている。
一方では、従来から用いていた部材を基材としてそれに耐食膜や耐食層を形成することにより、従来の部材の特性を生かし、その耐食性を改善しようという提案がなされている。
このような提案として、基材をアルミナとし、その表面にイットリウム・アルミニウム・ガーネット層を形成させたセラミックス部材が提案されている(特許文献3参照)。
また、セラミック基材表面に周期律表第2族あるいは第3族元素の少なくとも一種を主成分とする焼結体からなる耐食膜を、基材と耐食膜との反応層を介して接合した耐食性部材が提案されている(特許文献4参照)。
このような耐食性部材を作製する方法として、先ず基材成分となる原料を例えば、金型プレス成形により一定の圧力で押圧して、基材成形体を形成し、次に前記基材成形体上に耐食材用原料を充填すると共にこれを一定の圧力で押圧して基材成形体上に耐食材成形体を形成し、複合成形体を得る。しかる後、大気雰囲気中で約1500〜1750℃で焼成する。アルミナからなる基材表面にイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAlO1、以下YAGと称す)又はイットリア(以下Yと称す)層を形成する際は耐食膜と基材との間に基材成分と耐食膜成分が反応することにより生成されるYAlO、Y4Al2O9等からなる相互拡散層が存在し、この相互拡散層によって耐食膜は基材に強固に固着されるようになっている。
特開2001―179968号公報 特開2003―1822号公報 特開2002―87894号公報 特開2002―192655号公報
しかしながら、近年では、前記インクジェット記録ヘッドはますます高精細のものが求められるようになり、それに伴ってインク滴を吐出するインク吐出孔の孔径についてもさらに小さいものが要求されるようになり、前記特許文献1に示すような、アルミナセラミックス中のアルミナ以外のSiO2、CaO、及びMgOの含有量を制御することによって、耐食性の劣る結晶が析出することを防止して、前記アルミナセラミックス中のガラス成分がインク中へ溶出することを防ぐ方法を用いたとしても、なおかつSiやCaなどがインク中へ溶出して、インクの凝集が起こり、インク吐出孔が詰まるなどの問題があった。
さらに、特許文献2に示すように、アルミナ又はアルミナ化合物を含有するセラミック焼結体中のNaの量がNa2O換算で0.5重量%以下とすることによってインクの凝集を防止する方法が記載されている。
そして、このような特許文献2に示す方法を用いたとしても、特許文献1に示すようなインク吐出孔の孔径が小さいものが要求されるようになると、わずかのNaの量でできるインクの凝集がインク吐出孔を詰まらせるという同様の問題が発生していた。
また、特許文献3や特許文献4に示す方法においては、前述のような基材成分と耐食膜成分の化合物からなる相互拡散層を有する耐食性部材では、相互拡散層の厚みが20μmより厚くなり、この相互拡散層の断面を観察すると、気孔が多数存在しており充分に緻密化されていないことが分かっている。これは、相互拡散層が化合物としては不安定な傾斜層となっているためである。耐食膜の厚みが20μmより厚い場合には十分に耐食性を有する部材を得ることできるが、厚み20μm以下のような薄い耐食膜を形成する場合には、耐食膜のほとんどが基材成分と耐食膜成分との反応により生成される相互拡散層で構成され、緻密化させることが困難となり、緻密化されていない組織形態が耐食膜に現れ、耐食膜表面に多数の気孔が存在し、フッ素系や塩素系ガス及びプラズマと接する表面の総面積が増加して耐食性が低下してしまうという問題を有している。
このような厚み20μm以下の薄い耐食膜を形成し、高温で熱処理したものは、相互拡散層が厚くなり、耐食性部材の表面のX線回折における基材成分と耐食膜成分であるY元素との反応生成物の最高結晶ピークの強度値を、Yの最高結晶ピークの強度値で除した値が0.1を越え、上述したとおり耐食膜の表面には多数の気孔が存在して耐食性が低下する。
また、Si元素を含むセラミックスからなる基材に、周期律表第2族あるいは第3族元素の少なくとも一種を主成分とするYAG又はYからなり、厚みが20μm以下の薄い耐食膜を形成した場合、基材成分であるSiと耐食膜成分であるY元素の酸化物であるYSi(ダイシリケート)等の反応生成物が生成されるが、高温熱処理による拡散が大きいために、化合物としては不安定な傾斜層となり緻密な膜が得られず、耐食性が低下するという問題があった。
上記問題点に鑑みて、本発明のインクジェット記録ヘッドは、少なくとも一つのインク加圧室と、該インク加圧室に連通するインク供給孔とインク吐出孔を有し、前記インク加圧室内に前記インク供給孔からインクを供給するとともに、インクを加圧し、前記インク吐出孔よりインク滴として吐出させる加圧手段を備え、上記少なくともインク加圧室の少なくとも一部をセラミックスからなる基材で構成したインクジェット記録ヘッドにおいて、前記基材の表面に、厚み0.1〜20μmのYを主成分とする耐食膜を形成し、該耐食膜の表面のX線回折による、基材とY元素との反応生成物の最高結晶ピークの強度値を、Yの最高結晶ピークの強度値で除した値を0.1以下としたことを特徴とする
そして、前記X線回折によるYの最高結晶ピークの半価幅を1.3°以下としたことを特徴とする。
さらに、前記耐食膜の算術表面粗さ(Ra)を1μm以下としたことを特徴とする。
また、前述のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記基材の表面に、Yを主成分とするゾル液の膜を前記基材表面に形成後、500〜1200℃で熱処理することによって、Yを主成分とする厚み0.1〜20μmの耐食膜を形成することを特徴とする。
加えて、前記基材表面に上記ゾル液を浸漬または噴霧、ハケ塗りにより、厚み0.1〜2.5μmのゾル液の膜を形成後、500℃〜1200℃で熱処理する工程を繰り返すことにより、厚み0.1〜20μmのYを主成分とする耐食膜を形成することを特徴とする。
本発明のインクジェット記録ヘッドは、少なくとも一つのインク加圧室と、該インク加圧室に連通するインク供給孔とインク吐出孔であり、前記インク加圧室内に前記インク供給孔からインクを供給するとともに、インクを加圧し、前記インク吐出孔よりインク滴として吐出させる加圧手段を備え、上記少なくともインク加圧室の少なくとも一部をセラミックスからなる基材で構成したインクジェット記録ヘッドにおいて、前記基材の表面に、厚み0.1〜20μmのYを主成分とする耐食膜を形成し、該耐食膜の表面のX線回折による、基材とY元素との反応生成物の最高結晶ピークの強度値を、Yの最高結晶ピークの強度値で除した値を0.1以下としたことから、基材成分と耐食膜成分であるY元素との反応生成物が極めて少なく、耐食膜表面のほとんどがY結晶で覆われることとなり高い耐食性を有する。
また、前記X線回折によるYの最高結晶ピークの半価幅を1.3°以下としたことから、Y耐食膜がより結晶化しており高い耐食性を示す。
さらに、前記耐食膜の算術表面粗さ(Ra)を1μm以下としたことから、前記基材とY耐食膜のY元素との反応生成物が耐食膜表面に存在せずより表面が滑らかであることから耐食性を向上させることができる。
また、本発明のインクジェット記録ヘッドは、前記基材の表面に、Yを主成分とするゾル液の膜を前記基材表面に形成後、500〜1200℃で熱処理することによって、Yを主成分とする厚み0.1〜20μmの耐食膜を形成することにより、前記Y膜をより高密度に結晶化させて反応層を少なくし、耐食性を高めることができる。
また、前記基材表面に上記ゾル液を浸漬または噴霧、ハケ塗りにより、厚み0.1〜2.5μmのゾル液の膜を形成後、500℃〜1200℃で熱処理する工程を繰り返すことにより、厚み0.1〜20μmのYを主成分とする耐食膜を形成することを特徴とする製造方法を用いることにより、熱処理の際に耐食膜が収縮し、耐食膜表面の割れ発生を防止することができる。
そして、前記のようなインクジェット記録ヘッドは、インク吐出速度が優れ、高速度で、高信頼性のインクジェット記録ヘッドとすることが可能である。
次に本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1に本発明の一例であるインクジェット記録ヘッドの斜視図を示す。
このインクジェット記録ヘッド(以下、単にヘッドと称す)20はインク滴を吐出するためのインク吐出孔6を有した絶縁性のセラミック基板1上に、平行に整列した圧電セラミックスからなる二つの壁部材3、4にて構成される複数の隔壁2を有し、これら隔壁2間をインクの加圧室5として成し、上記各隔壁2の頂部に接合され、各加圧室5を塞ぐ、インク供給孔9を備えた天板8と、上記加圧室5の開放端側に、各加圧室5を塞ぐべく、接着にて接合された封止板10とからなり、上記隔壁2の両側面には、その長手方向に沿って駆動用電極7をそれぞれ形成したものである。なお、絶縁性セラミック基板1上には、上記駆動用電極7と、パルス電圧を印加するための駆動回路(不図示)とを接続する配線11が形成され、上記隔壁2は図中矢印の方向に分極処理された壁部材3,4をエポキシ接着剤等で接着してなり、また、加圧室5の他方端側は閉じられた構造となっている。
そして、このヘッド20を用いて記録媒体に印刷するには、隔壁2の両側面に形成された駆動用電極7間に通電することで、圧電セラミックスの剪断モード変形を利用して、各隔壁2を加圧室5側へ屈曲変位させ、各加圧室5内のインクを加圧することにより、インク吐出孔6よりインク滴を吐出するようになっている。
本発明は前記絶縁性セラミック基板1上に、厚み0.1〜20μmのYを主成分とする耐食膜を形成し、該耐食膜の表面のX線回折における、基材成分と耐食膜成分であるY元素との反応生成物(以下、単に反応生成物)の最高結晶ピークにおける強度値と、Yの最高結晶ピークにおける強度値の比が0.1以下としたことを特徴とするものである。
すなわち、本発明は加圧室内部の特にヘッド20における絶縁性セラミック基板1の表面12に耐食性を有したYを主成分とする耐食膜を形成することによって、前記絶縁性セラミック基板1を保護するとともに、前記絶縁性セラミック基板1がインクと反応してインクの凝集を引き起こすことを防止できるのである。
また、その耐食膜の厚さを0.1〜20μmと薄い膜厚としたことから、穴の内面や複雑な形状のものについてもコーティングが可能となり、さらに0.1〜10μmであればより微細な形状にもコーティング可能となり好適である。
ここで、前記耐食膜の厚さを0.1〜20μmとしたのは、0.1μmより薄い厚さの耐食膜とすると、十分な耐食性が得られないからであり、20μmより厚い耐食膜とすると穴の内面や複雑形状のものへの均一なコーティングが困難となるためである。
さらに、前記セラミック基板1としては、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、ジルコニア等様々なセラミックスを用いることができる。特に、アルミナは製作が容易であり、比較的安価であることから、インクジェット記録ヘッド用部材として広範囲に適用することができる。
本発明では、前記各基材の機械的特性等を生かすことにより、インクジェット記録ヘッド20として必要な機械的特性を得ることができる。
ここで、本発明の耐食膜は表面をX線回折した際に、反応生成物の最高結晶ピークの強度値をYの最高結晶ピークの強度値で除した値(以下、単に強度比という)が0.1以下であることが必要である。
強度比が0.1以下であると、反応生成物が極めて少なく、耐食膜表面のほとんどがY結晶で覆われることとなり高い耐食性を有するからである。
なお、上記耐食膜表面に反応生成物は耐食膜の一部として生成するため、耐食性を向上させるためには生成されないことがより好ましい。
この場合、耐食膜の表面はY結晶のみで構成されるため、X線回折における反応生成物のピークは検出されず、Yの最高結晶ピーク強度値との強度比は0となることがより好適である。
一方、強度比が0.1以上となると、反応生成物は、不安定な傾斜層の領域が大きくなり緻密な膜が得られず、耐食膜の表面に多数の気孔が存在することとなり、フッ素系や塩素系ガスやそのプラズマに接する表面積が増加し耐食性が低下するからである。
図2に本発明の一例として、基材を窒化珪素セラミックスによって形成し、その表面に形成した厚さ約10μmのYの耐食膜の表面をX線回折した際の結晶ピークのスペクトル図を示す。
なお、図2はY等の結晶により回折されたX線強度を回折図形の形で記録したスペクトル図であり、縦軸はピーク強度、横軸は耐食膜表面へのX線入射角度をθとしたときの2θの角度を示している。
なお、前記X線回折は、入射角度を2θ=10°〜80°として測定し、測定装置としては理学社製のRINT1400V型を用いている。
図2中、□がY、○がSi、△が基材の窒化珪素のSi元素と耐食膜のY元素との反応生成物であるYSiの結晶ピークを表している。
図2において2θ=29°付近にYの最高結晶ピークがあり、またYSiの最高結晶ピークが2θ=32〜33°間に存在している。そしてそれらYSiの強度比は0.1以下となる。
この強度比の制御は、通常焼結温度、時間にてなされる。
さらに本発明では、上記2θ=32〜33°間に存在するYSiの強度比が0となるのがより好適である。
このようにY耐食膜表面のX線回折における反応生成物の強度比を0.1以下とできるのはその製法に特徴を有しているからである。
なお、上記反応生成物とは、基材成分が上述の窒化珪素又は炭化珪素である場合には主にYSiがあげられ、アルミナである場合にはYAG(YAl12)、YAP(YAlO)、YAM(YAl)があげられ、Y元素と基材成分の両者を有する化学式で表わされるものである。
なお、前記アルミナについては、その反応生成物を列記したが、実際には、前記の反応生成物を生じることは少なく、発生したとしてもわずかである。
そして、基材がジルコニアである場合には、反応生成物は生成することがないため、強度比は0となる。
また、本発明の耐食性部材は、Yをゾル液として基材表面に塗布・乾燥させた状態では、Yは非晶質の形で存在しており、それを500〜1200℃の温度で熱処理することにより結晶化させ、耐食性を高める点において、そのYの最高結晶ピークにおける半価幅を1.3以下とすることが好ましい。
一方、上記半価幅が1.3より大きくなると、耐食膜が充分に結晶化せず不安定で、緻密な膜が得られにくくなるために、耐食性が低下する。
なお、上記半価幅とは、2θ=29°付近のYの最高結晶ピーク強度から、X線回折における回折角度読み取り方法のうち半価幅中点法を用いて求めた中点位置のピーク幅(2θ)を示しており、図2では半価幅は0.6°である。
さらに、上記耐食膜の表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)で1μm以下であることが好ましく、反応生成物が耐食膜表面に存在せずより表面を滑らかとでき、耐食性を向上できることからより好適である。なお、耐食膜の表面を算術平均粗さ(Ra)で1μm以下とするには、耐食膜表面に上記反応生成物をなるべく生成させないように、詳細を後述するように基材の表面に耐食膜を形成する際に行なう熱処理の温度を1000℃以下とすることによって得ることができる。
このように、反応生成物の強度比が0.1以下とするには、基材表面に耐食膜を形成する際に、Yからなるゾル液を用いて形成することにより得ることができる。
ここで、本発明の耐食性部材の製造方法を説明する。
まず、基材となるセラミックス焼結体を準備し、基材の表面に主成分がYからなるゾル液を塗布する。
塗布方法としては、基材をYからなるゾル液に浸漬し、引き上げることにより塗布するディップコーティング法が好ましく、あらゆる形状の基材においても対応可能でありコスト等の面からもより好適であるが、他にYからなるゾル液をスプレーガン等の噴霧機により基材表面に噴霧塗布させる方法やハケ塗り等も適用することができる。
また使用するゾル液については、Y換算濃度3〜10重量%水溶液を用いることがより好適であり、ゾル液中のY純度については95重量%以上、ゾル液中の不純物にはFe、CaO、SiO、NaO等が合計で1重量%以下含有していても良い。またpH(水素イオン濃度指数)については、7より大きくアルカリ性を有している。
次いで、ゾル液を表面に塗布させた基材に熱処理を施す。
熱処理温度はYが結晶化しはじめる500℃から基材成分とY成分の反応が少ない1200℃までの温度で実施することが好ましいが、Yをより高密度に結晶化させて反応層を少なくし耐食性を高めるとともに、耐食膜の表面粗さ(Ra)を1μm以下にするには500〜1000℃で熱処理するのがより好適である。
上述のように500〜1200℃という低温度域で熱処理を行うという点において従来技術と異なり、低温で熱処理することで基材成分と耐食膜であるY成分、特にY元素との反応を抑えることができ、0.1〜20μmの膜厚とした場合にも緻密であり、かつ反応生成物が耐食膜表面に現れることを防止できるため、高い耐食性を有するYのみで耐食膜を構成することで高い耐食性を付与することができる。
また、上記基材表面にゾル液を塗布する前に予め700〜1000℃の温度域で熱処理して酸化膜を形成しておくことが好ましい。前記熱処理温度を700〜1000℃としたのは、700℃より低温で熱処理した場合には、基材表面が十分に酸化せず、1000℃より高温で熱処理した場合には、基材の材質によっては高温クリープ変形を起こす場合があり、好ましくない。
この熱処理によって基材の表面に付着している有機物の除去を行い、また酸化膜を形成することで、ゾル液との濡れ性が向上し、均一塗布させることが可能となる。
さらに、より好適な耐食膜の形成方法として、基材表面に上記ゾル液を用いて0.1〜2.5μmの薄い膜を形成した後、500〜1200℃、より好適には500〜1000℃の温度で熱処理する工程を繰り返し0.1〜20μmの厚みの耐食膜を形成することにより、熱処理の際に耐食膜が収縮し耐食膜の表面に発生する割れを防止する方法を適用することも可能である。
また、上記ゾル液を用いて耐食膜を形成する場合には基材のエッジ部をR面としておくこと、さらにはR面の表面粗さが他の平面部と比較して小さくしておくことで、ゾル液を塗布した直後にゾル液がエッジ部に溜まることを防止することができる。
このようにして得られた耐食性部材は、反応生成物が極めて少なく、耐食膜表面のほとんどがY結晶で覆われることとなり高い耐食性を有するものとなる。
また、本発明の耐食性部材は、上述の実施形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲内であれば種々変更をしてもよいことは言うまでもない。
さらに、本発明では、インクジェット記録ヘッドの形態として、圧電方式のインクジェット記録ヘッドを用いて説明したが、その他の圧電方式に適用してもよく、さらには、サーマルジェット方式や静電アクチュエータを用いた方式などにも適用可能であり、本発明の範囲に含まれることは言うまでも無いことである。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
先ず、基材として、縦20mm×横20mm、厚さ2mm、エッジ部に0.5mmのR面を有した正方形の窒化珪素セラミックス、及びアルミナセラミックスからなるテストピースを製作した。
また、Yからなるゾル液として、Y(OH)のゾル液を準備した。それらテストピースをY(OH)ゾル液に浸漬し引き上げるディップコーティング法を用いて、Y(OH)ゾル液(Y換算濃度5.5重量%水溶液)を1μmの厚さとなるよう基材表面に塗布した。
その後、約100℃の温度で基材に塗布したY(OH)ゾル液の溶媒を蒸発・乾燥させ、300℃、500℃、700℃、1000、1200、1500℃の温度で熱処理し、耐食性部材を各々複数個づつ作製した。
比較例として、上記と同様の基材に従来法としてYスラリーを窒化珪素焼結体表面に塗布し1500℃、1700℃でそれぞれ熱処理した試料、また同形状のY焼結体、並びにSi焼結体の各試料を準備した。
そして各試料の表面の算術平均粗さ(JIS B 0601)Raを測定し、XRD分析を実施して、それぞれの基材成分とY耐食膜のY元素との反応生成物であるYSi等強度比(表1ではピーク強度比と記載)、Yの最高結晶ピークにおける半価幅を測定した。
また、各試料の耐食性を測定するため、前記試料をアルカリ性のインク中に浸漬し、30日間の後、重量変化を生じないものを○、やや変化したが問題ないもの△、重量変化をして使えないものを×として評価した。
さらに、前述の複数個作製した試料の残りを用いて、前記ヘッド20を作製し、これらヘッド20のインクの加圧室5内にアルカリ性のインク(粘度2〜5mPa・S)を供給して、インク吐出孔6よりインク滴を吐出させ、10億回吐出させた後の吐出速度を調べた。そして、インク滴の吐出速度が5m/秒以上であったものを良好とした。
また、10億回吐出させた後のインク滴の吐出の有無をCCDカメラで測定し、インク吐出孔6の目詰まりの有無を顕微鏡観察によって確認し、全インク吐出孔6に対し、目詰まりを起こしたインク吐出孔6の割合(百分率)を求めた。そして、この割合が4%以上であったものを不適として×で表し、3%〜4%未満であったものを使用可として△で表し、3%未満であったものを良好として○で表した。
そして、総合評価として、使用不可を×、使用可のものを○、として表した。
表1にその結果を示す。
Figure 2005096316
表1の結果から明らかなように、基材にゾル液を塗布した後、300〜1000℃の熱処理を施した試料(No.1〜4)は、表面粗さが0.3μm以下と非常に小さいことがわかる。熱処理温度が1200℃よりも高い試料(No.5)は、部材表面に基材のSiとYのY元素との反応生成物が析出し始めており、また試料No.6は部材表面全体がほぼSiとYのY元素との反応生成物に覆われているためにその影響により1μmより大きな表面粗さとなった。
また、ピーク強度比については試料(No.1〜5)は基材のSiとYの反応生成物が少なく0.1以下となり、半価幅については試料No.2〜5はYが充分に結晶化し緻密化しており良好である。
熱処理温度の低いNo.1はYの結晶化が不十分であったが、試料No.3、4はSi焼結体を上回る耐食性を有しており、Y焼結体と比較しても、ほぼ同等の体積減少率を示し、良好な耐食性を示すことが確認された。
更に、試料No.5はSi焼結体の耐食性は上回るものの、耐食膜の表面粗さが良好でないため、Y焼結体並びに試料No.3、4と比較すると体積減少率がわずかに大きい。また、試料No1、2はSi焼結体の耐食性は上回るものの、耐食膜の半価幅が良好でないため、Y焼結体並びに試料No.3、4と比較すると体積減少率がわずかに大きい。
これに対し、熱処理温度の高いNo.6はY耐食膜のほとんどが基材のSiとY元素の反応生成物となっており、Y単独のピークが存在しておらず、ピーク強度比が算出できなかった。そのため、耐食性もY焼結体並びに本発明範囲内の試料No.1〜5と比較して体積減少率が大きく耐食性に劣ることが確認された。
また、アルゴンによる逆スパッタによるエッチングを実施した結果、Si焼結体は、Y焼結体の耐食性と比較して10倍以上のエッチングレート、また、従来法で膜厚を1μmとしたものでも7倍のエッチングレートとなり、耐食性の低いものであった。
更に、試料No.8〜12において、上述の試験を基材をアルミナ(Al)として実施した。その結果、YのY元素と基材であるアルミナ(Al)との反応生成物は検出が認められたもののわずかであり、しかもSiを基材として実施した上述の試験結果と同じ傾向を示すことが確認された。
そして、このような試料No.1〜14を用いてヘッド20を作製し、インク吐出速度と目詰まりの状態を確認したところ試料No.1は若干の耐食性は劣るものの、インク吐出速度に問題はなく、目詰まりの状態も許容される範囲であり、総合評価は○とした。
しかしながら、No.14のY焼結体は焼結温度が高く基板としては反りが大きくなることから、インクジェットのヘッドとして使用するには微細な追加工が必要となり実用的ではない。
試料No.6、7、8は前述のとうり、耐食性が劣ることからインク吐出が不良で、目詰まりの状態の多いために総合評価として×とし、本発明の範囲外とした。
試料No.13はインク吐出速度ならびに目詰まり状態については良好であるが、Yのコーティングに比べ、高価なYを多く用いるとともに、焼結体を作製するには高温を要する。
その他試料については、いずれも、インク吐出速度、目詰まりにおいて良好であり、総合評価も○であった。
更に表1ではランダムな実施例を示したが、本発明の範囲を明確にするために、基材をアルミナとして、これにYゾル液にて耐食膜を形成し、そのピーク強度比、半価幅、表面粗さ、熱処理温度を表2に示すように、範囲内外に振ったものを準備した後、これをインクジェット記録ヘッドとして用いて、実施例1と同様に耐食性、インク吐出速度、目詰まりの状態について確認した。
結果を表2に示す。
Figure 2005096316
表2から、まず、耐食膜の厚さについては、0.1〜20μmの膜厚とした試料No.17、18については、良好な耐食性を示したが、0.05μmと膜厚が極めて薄い試料No.16については、耐食膜は問題なく形成されているものの、耐食膜が薄すぎるために吐出回数が多くなると徐々に腐食が進行し、10億回では、良好な吐出が実施できなかった。
また、耐食膜の厚さが25μmと厚い試料No.19については、アルミナ基板上に均一に耐食膜を形成することができず、インクジェット記録ヘッドとして用いることができなかった。
また、ピーク強度比が0.1の試料No.20については、良好な耐食性を示し、良好なインク吐出が実施できたが、ピーク強度比が0.15の試料No.21については、反応生成物の影響により耐食性が低下し、良好なインク吐出も行えなくなった。
さらに、半価幅が1.3の試料No.23については、耐食膜が十分に結晶化されており良好な耐食性を示したが、半価幅が1.5の試料No.24については、耐食膜が十分に結晶化されておらず、耐食性が低下しこれをインクジェット記録ヘッドとして用いた場合にも、吐出回数を重ねると、初期の良好なインク吐出を維持することが難しかった。
また、表面粗さが1.0μmであった試料No.24については、良好な耐食性を示したが、1.5μmの試料No.25はインクに曝される表面が多くなり、耐食性が低下し、初期の良好なインク吐出状態の維持が難しかった。
また、熱処理温度が500〜1200℃の試料No.27、28については、耐食膜が十分に結晶化する温度領域内で熱処理しており、良好な耐食性を示したが、試料No.26は400℃と熱処理温度が低く、耐食膜が十分に結晶化されていないために、耐食性が低下し、また熱処理温度が1300℃と高い試料は、表に記載はしていないが、耐食膜成分と基材成分の反応生成物の影響により、耐食性が低下し、良好なインク吐出を維持することが困難であった。
また、ゾル液膜厚0.1〜2.5μmを繰り返し形成して、膜厚10μmとした、試料No.31、32については、良好な耐食性を示した。
しかし、ゾル液膜厚3μmと厚くしたものは、乾燥収縮もしくは熱処理の際に起こる収縮の影響により、耐食膜にクラックが発生してしまったため、インクジェット記録ヘッドとして用いることができなかった。
またゾル液膜厚を0.05μmとしたものは、生産性が悪いという不具合があった。
この実験により、本発明の範囲のインクジェット記録ヘッドであれば、良好な耐食性を示し、良好なインク吐出を維持することが可能であることが確認された。
本発明のインクジェット記録ヘッドの一例を示す一部を破断した斜視図である。 本発明の耐食性部材のX線回折における結晶ピークを示すスペクトル図である。 従来のインクジェット記録ヘッドの一例を示す一部を破断した斜視図である。
符号の説明
1、21:セラミック基板
2、22:隔壁
3、4、23、24:壁部材
5、25:インク加圧室
6、26:インク吐出孔
7、27:駆動用電極
8、28:天板
9、29:インク供給孔
10、30:封止板
11、31:配線
12:セラミック基板表面
20、40:インクジェット記録ヘッド

Claims (5)

  1. 少なくとも一つのインク加圧室と、該インク加圧室に連通するインク供給孔とインク吐出孔を有し、前記インク加圧室内に前記インク供給孔からインクを供給するとともに、インクを加圧し、前記インク吐出孔よりインク滴として吐出させる加圧手段を備え、上記少なくともインク加圧室の少なくとも一部をセラミックスからなる基材で構成したインクジェット記録ヘッドにおいて、前記基材の表面に、厚み0.1〜20μmのYを主成分とする耐食膜を形成し、該耐食膜の表面のX線回折による、基材とY元素との反応生成物の最高結晶ピークの強度値を、Yの最高結晶ピークの強度値で除した値を0.1以下としたことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記X線回折によるYの最高結晶ピークの半価幅を1.3°以下としたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記耐食膜の算術表面粗さ(Ra)を1μm以下としたことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記基材の表面に、Yを主成分とするゾル液の膜を前記基材表面に形成後、500〜1200℃で熱処理することによって、Yを主成分とする厚み0.1〜20μmの耐食膜を形成することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  5. 前記基材表面に上記ゾル液を浸漬または噴霧、ハケ塗りにより、厚み0.1〜2.5μmのゾル液の膜を形成後、500℃〜1200℃で熱処理する工程を繰り返すことにより、厚み0.1〜20μmのYを主成分とする耐食膜を形成することを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005177693A (ja) * 2003-12-22 2005-07-07 Kyocera Corp フィルタ及びその製造方法

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