JP2005096058A - パイプ電極補助治具および放電穴加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】中空のワークにパイプ電極による放電加工で穿孔する際、生成する加工屑がパイプ電極に接触もしくは接近して短絡や異常放電等のトラブル発生しないパイプ電極補助治具および放電穴加工方法を得ること。
【解決手段】加工液を流す空隙を有し、3−8等分に分割してパイプ電極に内接する弾性材料からなる逆止めフィン部2と、3−8等分に分割して加工液を流す空隙およびパイプ電極への外接部を有し、逆止めフィン部を係止するプラスチックからなる胴部3と、加工屑となるワーク部分と接触しながら補助治具1をパイプ電極内の上方に摺動移動させるキッカー部4を有する補助治具1をパイプ電極の下から挿入する。放電穴加工の進行と共に加工屑を平行にパイプ電極内に取り込み補助治具も上方に移動する。加工が終了すれば加工屑が落下して、次の穴加工が連続的にできる。
【選択図】 図1
【解決手段】加工液を流す空隙を有し、3−8等分に分割してパイプ電極に内接する弾性材料からなる逆止めフィン部2と、3−8等分に分割して加工液を流す空隙およびパイプ電極への外接部を有し、逆止めフィン部を係止するプラスチックからなる胴部3と、加工屑となるワーク部分と接触しながら補助治具1をパイプ電極内の上方に摺動移動させるキッカー部4を有する補助治具1をパイプ電極の下から挿入する。放電穴加工の進行と共に加工屑を平行にパイプ電極内に取り込み補助治具も上方に移動する。加工が終了すれば加工屑が落下して、次の穴加工が連続的にできる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、パイプ電極を用いる放電による穴加工に関し、特に、中空形状を有するワークにパイプ電極により「抜き加工」する分野に関する。
丸穴の貫通加工を放電で行う場合、その所望の内径に見合うパイプ電極で、いわゆる「抜き加工」することが一般的である。特に被加工物(ワーク)が平面で、しかも薄肉であればその加工方法が望ましい。もちろん、放電加工よりドリルやエンドミルによる機械加工の方が簡単であるが、例えばワークが中空部を有する場合、機械加工で発生するバリを除去することが難しく、仕上げ精度とバリ除去が必要な場合は放電で「抜き加工」するほうが効率的である。
しかしながら、対象ワークが例えばパイプ形状のように曲面の場合、放電穴加工は円周に沿って均一に進行せず、先に加工された部分の加工屑はパイプ電極の内部に入り込むことになる。パイプ電極内には通常加工液が流れており、加工の最終段階で、加工液の圧力により加工屑が傾いて、ついにはパイプ電極内面と接近もしくは接触してその部位で短絡もしくは放電が発生して、異常放電ないしはパイプ電極に加工屑が付着するトラブルを起こすことがある。
この発明の目的は、上述のトラブルの発生を防止するパイプ電極補助治具およびその治具を用いた中空形状のワークに対する放電穴加工方法の提供にある。
本発明者は、加工液が流れる隙間を有し、3−8等分に分割してパイプ電極に斜めに内接するパイプ電極内径より大きい弾性体からなる逆止めフィン部と;加工液が流れる隙間および、3−8等分に分割したパイプ電極への外接部を有し、逆止めフィン部を係止する胴部と;胴部と一体化もしくは胴部内側に結合し、放電穴加工の進行と共に加工屑となるワーク部分と接触しながらパイプ電極内の上方に補助治具を摺動移動させる絶縁材料のキッカー部とからなる放電穴加工用パイプ電極補助治具により、上述の課題が解決することを見出した。
さらに本発明者は、上述のパイプ電極補助治具を用い、所望する内径に適応するパイプ電極の下からその記補助治具を挿入し、中空形状のワークを放電加工により穿孔し、生成するパイプ電極内径状の加工屑をパイプ電極内に取り込み、放電穴加工が終了すれば、加工屑がパイプ電極に接することなくワークから分離し、かつ補助治具がパイプ電極から飛び出さないため連続して穴加工ができることを見出した。
パイプ電極補助治具1は、パイプ電極10に内接し、パイプ電極の回転および振動に耐えて自身の位置保持およびワーク11の加工屑12となる部分と適当な力で接触し、しかも放電加工の進行と共にワークの加工屑と共にパイプ電極の上方部に移動する機能を有しなければならない。さらにパイプ電極の内部を加工液が通過するので、これを妨げない隙間を十分に有し、かつ加工液の圧力に耐えてパイプ電極内に留まることも必要である。これらの条件にかなう形状として図1に示すような形状の補助治具が好ましい。
逆止めフィン部2は、パイプ電極10に常に内接してバネ性が発揮できる図2A−Dのような形状が望ましい。材料としてはスプリング鋼、SUS鋼が好ましいが、強度および耐クリープ性のあるプラスチックのような弾性体でも良い。フィンの数は3−8が好ましく、加工のし易さの点から3、4、6、8枚のいずれかが望ましい。パイプ電極10に挿入された時に、逆止めフィン部2が電極軸となす角度は30度から60度の範囲が好ましく、逆止めフィン部2の最外径はパイプ電極10の内径より5−15%大きくして、図3A−Bに示したようにパイプ電極10に差し込んだ時に補助治具1をパイプ電極10に平行にバネ的に保持するようにする。
胴部3は、断面が図4A−Eのような形状が望ましく、パイプ電極10に内接する側面の数は、逆止めフィン部2と同じ枚数の組み合わせが望ましいが異なる枚数のものでも良い。また、逆止めフィン部2をネジで取り付けるために、上部にネジ穴6を有すること、およびボルト部5を別に作成することが望ましい。これらの材料はポリアセタールなどのエンジニヤリング樹脂が好ましく、旋盤、フライス加工や射出成形などで作成する。胴部3の外径はパイプ電極10の内径より0.02−0.10mm小さいことが好ましい。加工液が通過する隙間の断面積はパイプ電極内面積の15−40%が好ましい。
胴部3には逆止めフィン部2を取り付けるため、図6に示すようなネジ穴6を設け、図5Aに示すようなボルト部5を別に作成して逆止めフィン部2をネジ止めすることが好ましいが、ボルト部5が胴部3にスナップインする構造や、逆止めフィン部2を胴部3の成形時にインサート成形する方法で取り付けても良い。
キッカー部4は、胴部3の内側にあり、胴部の突き出し側面のない円柱形状が好ましく、胴部3と一体で成形するか、図5Cに示すように胴部3にネジ込みで取り付ける形状が望ましい。この材料もポリアセタールなどの電気絶縁性のエンジニヤリング樹脂が好ましい。
対象の被加工物11(ワーク)を外径11mm、内径9mmの鋼製パイプとした。この側面に、外径8.0mm、内径7.6mmの真鍮製パイプ電極10を使用して内径8.1mmの穴を開ける放電加工を行う。この加工に適した補助治具1として、図5Bに示した逆止めフィン部2を0.25mm厚みのSUS板を打ち抜き、焼き入れ加工して作成した。ポリアセタール樹脂(商標名ジュラコン)の丸棒から旋盤やフライス盤による切削加工で図5Aに示したM3ネジを有するボルト部5および、図6に示した胴部3ならびにキッカー部4を一体で作成した。
組み立てた状態での補助治具1は、逆止めフィン部2の最大径が7.5mm、胴部3の最大径が6.95mm、キッカー部4の径が5.8mm、全長が20mmであり、内径7mmのパイプ電極10に挿入して、押し込みによる治具の移動には約3Kg重以上の力が必要であった。
この補助治具1をパイプ電極10の下から挿入し、補助治具を取り付けたパイプ電極10を放電加工機の主軸に取り付け、ワークであるパイプ11をセットした状態を図7Aに示す。放電加工条件としては、加工液として水を用い、加工液流量2リットル/分、放電開始電圧60V、定常放電電圧40−50Vの範囲で加工した。
放電加工を開始して加工屑12がパイプ電極10の中に補助治具1と共に押し込まれていく状態を図7Bに示す。穴加工の進行と共にパイプ電極10が消耗し、それにつれてキッカー部4に接触するワーク11が補助治具を上方に移動させる。穴加工が終了して加工屑12がワーク11と分離してワーク11の中に落下する状態を図7Cに示す。この加工には平均16秒を要した。
この補助治具を使用することで、従来の異常放電や短絡に伴う電極の取り替え、ワークの再調整などの時間を含めると、同様の穴加工に平均80秒要していたものが、平均約20秒で連続的に加工でき、加工効率が飛躍的に向上した。
1‥‥補助治具
2‥‥逆止めフィン部
3‥‥胴部
4‥‥キッカー部
5‥‥ボルト部
6‥‥ネジ穴
10‥‥パイプ電極
11‥‥ワーク
12‥‥加工屑
2‥‥逆止めフィン部
3‥‥胴部
4‥‥キッカー部
5‥‥ボルト部
6‥‥ネジ穴
10‥‥パイプ電極
11‥‥ワーク
12‥‥加工屑
Claims (2)
- 加工液が流れる隙間を有し、3−8等分に分割してパイプ電極に斜めに内接するパイプ電極内径より大きい弾性体からなる逆止めフィン部と;加工液が流れる隙間および、3−8等分に分割したパイプ電極への外接部を有し、逆止めフィン部を係止する胴部と;胴部と一体化もしくは胴部内側に結合し、放電穴加工の進行と共に加工屑となるワーク部分と接触しながらパイプ電極内の上方に補助治具を摺動移動させる絶縁材料のキッカー部とからなる放電穴加工用パイプ電極補助治具。
- 請求項1のパイプ電極補助治具を用い、所望する内径に適応するパイプ電極の下から前記補助治具を挿入し、中空形状のワークを放電加工により穿孔し、生成するパイプ電極内径状の加工屑をパイプ電極内に取り込み、放電穴加工が終了すれば、前記加工屑がパイプ電極に接することなくワークから分離し、かつ前記補助治具がパイプ電極から飛び出さないため連続して穴加工ができることを特徴とする放電穴加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003369653A JP2005096058A (ja) | 2003-09-24 | 2003-09-24 | パイプ電極補助治具および放電穴加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003369653A JP2005096058A (ja) | 2003-09-24 | 2003-09-24 | パイプ電極補助治具および放電穴加工方法 |
Publications (1)
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JP2005096058A true JP2005096058A (ja) | 2005-04-14 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003369653A Pending JP2005096058A (ja) | 2003-09-24 | 2003-09-24 | パイプ電極補助治具および放電穴加工方法 |
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JP (1) | JP2005096058A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107175377A (zh) * | 2017-07-21 | 2017-09-19 | 大连交通大学 | 一种非均匀扰动电火花微小孔加工装置 |
CN107186294A (zh) * | 2017-07-12 | 2017-09-22 | 天津市中环三峰电子有限公司 | 一种用于圆柱形工件浇口的放电装置及使用方法 |
CN113305378A (zh) * | 2021-05-07 | 2021-08-27 | 广东工业大学 | 一种电解加工装置及其加工方法 |
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2003
- 2003-09-24 JP JP2003369653A patent/JP2005096058A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113305378B (zh) * | 2021-05-07 | 2023-04-11 | 广东工业大学 | 一种电解加工装置及其加工方法 |
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