JP2005095978A - 中空体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ベースへの蓋の接合作業を簡単に行いうる中空体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 凹所3を有するベース2と、ベース2における凹所3の開口を閉鎖する蓋4とよりなる中空体1である。凹所3の内周面の開口側部分を円筒面5とし、この円筒面5にめねじ6を形成する。蓋4を円板状とし、その外周面におねじ7を形成する。めねじ6およびおねじ7を利用して蓋4を凹所3の開口内にねじ嵌め、この状態でベース2における凹所3の開口周縁部と蓋4の周縁部とを摩擦攪拌接合する。ベース2の凹所3の内周面における円筒面5よりも底側の部分に段部3aを形成し、段部3aにより蓋4の周縁部を支持する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、たとえば自動車産業、船舶産業、軍需産業、航空宇宙産業、半導体製造業、液晶表示装置製造業などにおいて用いられる中空体およびその製造方法に関する。
たとえば、軍需物資であるソナー部品として、密閉された空間を有する中空体が用いられることがある。また、液晶表示装置製造業において、製膜工程を実施するスパッタリング装置のスパッタリングターゲットを冷却する冷却装置として、密閉された冷却流体通路を有する中空体が用いられることがある。
従来、このような中空体として、凹所を有するベースと、ベースの凹所内に嵌め込まれてその開口を閉鎖する蓋とよりなり、ベースにおける凹所の開口周縁部と蓋の周縁部とが、MIG溶接法、TIG溶接法、電子ビーム溶接法などの溶融溶接法により溶接されたものが用いられていた。
しかしながら、このような溶接法により蓋をベースに溶接した場合、溶接時に大きな熱ひずみが発生してベースおよび蓋の表面の平滑性が損なわれるので、溶接後にこれらを修正する作業を行わなければならず、生産性および生産コストの面で問題があった。
そこで、熱ひずみの発生を防止しうる接合法として公知の摩擦攪拌接合法により、ベースと蓋とを接合することが考えられている。
ところで、摩擦攪拌接合法の場合、プローブをベースにおける凹所の開口周縁部と蓋の周縁部との間に埋入する際、およびプローブとベースおよび蓋とを相対的に移動させる際に、ベースおよび蓋に大きな力が加わるので、これらを大きな力でクランプ部材によりクランプしておく必要がある。
しかしながら、上記中空体において、ベースにおける凹所の開口周縁部と蓋の周縁部との接合部は無端状であるので、蓋をクランプ部材によりクランプすることはきわめて困難であり、その結果ベースへの蓋の接合作業が困難であるという問題がある。
そこで、中空体を構成するベースへの蓋の摩擦攪拌接合の際に、一般的な溶融溶接法や摩擦攪拌接合法により、予め蓋をベースに部分的に仮止めする方法が考えられている(たとえば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1記載の方法では、仮止めのための工程が増えるので、ベースへの蓋の接合作業が面倒であるという問題がある。
特開2002−248584号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、上述したような中空体において、ベースへの蓋の接合作業を簡単に行いうる中空体およびその製造方法を提供することにある。
上記課題を達成するために、本発明は以下の態様からなる。
1)凹所を有するベースと、ベースにおける凹所の開口を閉鎖する蓋とよりなる中空体であって、凹所の内周面の開口側部分が円筒面となされるとともにこの円筒面にめねじが形成され、蓋が円板からなるとともにその外周面におねじが形成され、上記めねじおよびおねじを利用して蓋が凹所の開口内にねじ嵌められ、この状態でベースにおける凹所の開口周縁部と蓋の周縁部とが摩擦攪拌接合されている中空体。
2)ベースの凹所の内周面における円筒面よりも底側の部分に、蓋の周縁部を支持する段部が形成されている上記1)記載の中空体。
3)蓋の外面に、角棒スパナを嵌め入れる角穴が形成されている上記1)または2)記載の中空体。
4)蓋の外面に、スパナの口に嵌め入れられる突出部が形成されている上記1)または2)記載の中空体。
5)上記1)〜4)のうちのいずれかに記載されている中空体からなるソナー部品。
6)凹所を有するベースと、ベースの凹所内に嵌め入れられる蓋とよりなり、凹所の底面に流体通路が形成され、凹所の内周面が円筒面となされるとともにこの円筒面にめねじが形成され、蓋が円板からなるとともにその外周面におねじが形成され、上記めねじおよびおねじを利用して蓋が凹所内にねじ嵌められ、この状態でベースにおける凹所の開口周縁部と蓋の周縁部とが摩擦攪拌接合されている中空体。
7)蓋の外面に、角棒スパナを嵌め入れる角穴が形成されている上記6)記載の中空体。
8)蓋の外面に、スパナの口に嵌め入れられる突出部が形成されている上記6)記載の中空体。
9)上記6)〜8)のうちのいずれかに記載されている中空体からなり、流体通路に冷却流体が流されるようになっている冷却装置。
10)上記6)〜8)のうちのいずれかに記載されている中空体からなり、流体通路に加熱流体が流されるようになっている加熱装置。
11)上記6)〜8)のうちのいずれかに記載されている中空体からなり、流体通路にヒータが配置されている加熱装置。
12)上記1)記載の中空体を製造する方法であって、円形の凹所を有するベースと、ベースにおける凹所の開口を閉鎖する円板状の蓋とを用意し、凹所の内周面の開口側部分を円筒面とするとともにこの円筒面にめねじを形成し、蓋の外周面におねじを形成し、上記めねじおよびおねじを利用して蓋を凹所の開口内にねじ嵌めた後、ベースにおける凹所の開口周縁部と蓋の周縁部とに跨るように外側から摩擦攪拌接合用工具のプローブを埋入し、ついでベースおよび蓋とプローブとを相対的に移動させることによって、プローブを凹所の開口周縁部と蓋の周縁部の全周にわたって移動させ、ベースにおける凹所の開口周縁部と蓋の周縁部とを摩擦攪拌接合する中空体の製造方法。
13)ベースの凹所の内周面における円筒面よりも底側の部分に、蓋の周縁部を支持する段部を形成しておく上記12)記載の中空体の製造方法。
14)上記6)記載の中空体を製造する方法であって、円形の凹所を有するベースと、ベースの凹所内に嵌め入れられる円板状の蓋とを用意し、凹所の底面に流体通路を形成し、さらに凹所の内周面を円筒面とするとともにこの円筒面にめねじを形成し、蓋の外周面におねじを形成し、上記めねじおよびおねじを利用して蓋を凹所内にねじ嵌めた後、ベースにおける凹所の開口周縁部と蓋の周縁部とに跨るように外側から摩擦攪拌接合用工具のプローブを埋入し、ついでベースおよび蓋とプローブとを相対的に移動させることによって、プローブを凹所の開口周縁部と蓋の周縁部の全周にわたって移動させ、ベースにおける凹所の開口周縁部と蓋の周縁部とを摩擦攪拌接合する冷却装置の製造方法。
15)プローブを凹所の開口周縁部と蓋の周縁部の全周にわたって移動させる際の移動方向を、蓋をねじ嵌めうる方向とする上記12)〜14)のうちのいずれかに記載の中空体の製造方法。
16)蓋の外面に角棒スパナを嵌め入れる角穴を形成しておき、角穴内に角棒スパナを嵌め入れ、角棒スパナにより蓋をねじ嵌める上記12)〜15)のうちのいずれかに記載の中空体の製造方法。
17)蓋の外面にスパナの口に嵌め入れられる突出部を形成しておき、突出部をスパナの口に嵌め入れ、スパナにより蓋をねじ嵌める上記12)〜15)のうちのいずれかに記載の中空体の製造方法。
上記1)の中空体によれば、ベースの凹所内周面における開口側部分の円筒面に形成されためねじと、蓋の外周面に形成されたおねじとを利用して蓋を凹所の開口内にねじ嵌めることにより、蓋がベースに仮止めされる。したがって、摩擦攪拌接合の前に蓋をベースにクランプ部材によりクランプする必要がなく、しかも溶融溶接法や摩擦攪拌接合法により仮止めする必要もない。その結果、ベースへの蓋の接合作業を簡単に行うことができる。
上記2)の中空体によれば、蓋の周縁部が、ベースの凹所の内周面における円筒面よりも底側の部分に形成された段部により支持されるので、ベースと蓋の摩擦攪拌接合の際に、蓋の内方への変形が防止される。
上記3)および4)の中空体によれば、ベースの凹所の開口内への蓋のねじ嵌めを簡単に行うことができる。
上記6)の中空体によれば、ベースの凹所内周面の円筒面に形成されためねじと、蓋の外周面に形成されたおねじとを利用して蓋を凹所内にねじ嵌めることにより、蓋がベースに仮止めされる。したがって、摩擦攪拌接合の前に蓋をベースにクランプ部材によりクランプする必要がなく、しかも溶融溶接法や摩擦攪拌接合法により仮止めする必要もない。その結果、ベースへの蓋の接合作業を簡単に行うことができる。また、蓋が、ベースの凹所底面における流体通路が形成されていない部分によって支持されるので、ベースと蓋の摩擦攪拌接合の際に、蓋の内方への変形が防止される。
上記7)および8)の中空体によれば、ベースの凹所内への蓋のねじ嵌めを簡単に行うことができる。
上記12)の中空体の製造方法によれば、ベースの凹所内周面における開口側部分の円筒面に形成されためねじと、蓋の外周面に形成されたおねじとを利用して蓋を凹所の開口内にねじ嵌めることにより、蓋をベースに仮止めすることができる。したがって、摩擦攪拌接合の前に蓋をベースにクランプ部材によりクランプする必要がなく、しかも溶融溶接法や摩擦攪拌接合法により仮止めする必要もない。その結果、ベースへの蓋の接合作業を簡単に行うことができる。
上記13)の中空体の製造方法によれば、凹所の開口内にねじ嵌めた蓋の周縁部が、ベースの凹所の内周面における円筒面よりも底側の部分に形成された段部により支持されるので、ベースと蓋の摩擦攪拌接合の際に、蓋の内方への変形が防止される。
上記14)の中空体の製造方法によれば、ベースの凹所内周面の円筒面に形成されためねじと、蓋の外周面に形成されたおねじとを利用して蓋を凹所内にねじ嵌めることにより、蓋をベースに仮止めすることができる。したがって、摩擦攪拌接合の前に蓋をベースにクランプ部材によりクランプする必要がなく、しかも溶融溶接法や摩擦攪拌接合法により仮止めする必要もない。その結果、ベースへの蓋の接合作業を簡単に行うことができる。また、蓋が、ベースの凹所底面における流体通路が形成されていない部分によって支持されるので、ベースと蓋の摩擦攪拌接合の際に、蓋の内方への変形が防止される。
上記15)の中空体の製造方法によれば、摩擦攪拌接合の開始時に蓋がゆるむことが防止される。
上記16)および17)の中空体の製造方法によれば、蓋のねじ嵌めを簡単に行うことができる。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
実施形態1
この実施形態は図1〜図5に示すものである。
図1および図2はこの実施形態の中空体を示し、図3〜図5は中空体の製造方法を示す。
図1および図2において、中空体(1)は、凹所(3)を有する厚板状のアルミニウム製ベース(2)と、ベース(2)の凹所(3)の開口を閉鎖する円板状のアルミニウム製蓋(4)とよりなる。
ベース(2)の凹所(3)は円形であり、その内周面の上側部分(開口側部分)に段部(3a)を介して大径部(3b)が形成されている。大径部(3b)の内周面は円筒面(5)であり、この円筒面(5)にめねじ(6)が形成されている。蓋(4)の外径は凹所(3)の大径部(3b)の内径と等しく、蓋(4)の外周面にめねじ(6)にねじ嵌められるおねじ(7)が形成されている。なお、蓋(4)の厚みは凹所(3)の深さよりも小さく、かつ円筒面(5)の高さと等しくなっている。蓋(4)は、めねじ(6)およびおねじ(7)を利用して凹所(3)の大径部(3b)内にねじ嵌められており、その周縁部が段部(3a)に支持されている。そして、蓋(4)の周縁部とベース(2)における凹所(3)の開口周縁部とが全周にわたって摩擦攪拌接合されている。接合部のビードを(8)で示す。ここでは、めねじ(6)およびおねじ(7)はそれぞれ右ねじである。
ベース(2)および蓋(4)は、それぞれ、たとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成されている。ベース(2)および蓋(4)は同じ材料で形成されていてもよいし、あるいは異なる材料で形成されていてもよい。
以下、図3〜図5を参照して、中空体(1)の製造方法について説明する。
まず、厚板状のベース(2)および円板状の蓋(4)を形成する。ついで、ベース(2)に段部(3a)および大径部(3b)を有する凹所(3)を形成するとともに、大径部(3b)の円筒面(5)にめねじ(6)を形成する。また、蓋(4)の外周面に、めねじ(6)にねじ嵌められるおねじ(7)を形成するとともに、蓋(4)の外面(上面)に、スパナの口に嵌め入れられる多角形状の突出部(9)を一体に形成する(図3参照)。
ついで、ベース(2)を固定盤(11)上にクランプ部材(12)によりクランプした後(図5参照)、めねじ(6)およびおねじ(7)を利用して蓋(4)を凹所(3)の大径部(3b)内にねじ嵌め、蓋(4)の周縁部をベース(2)の段部(3a)により支持させる。このとき、スパナ(図示略)の口に突出部(9)を嵌め入れ、スパナにより蓋(4)を回す。
ついで、ベース(2)における凹所(3)の開口周縁部と蓋(4)の周縁部とを全周にわたって摩擦攪拌接合する。
まず、先端部にテーパ部を介して小径部(21a)が同軸上に一体に形成された円柱状回転子(21)と、回転子(21)の小径部(21a)の端面に小径部(21a)と同軸上に一体に形成されかつ小径部(21a)よりも小径であるピン状プローブ(22)とを備えている摩擦攪拌接合用工具(20)を用意する。回転子(21)およびプローブ(22)は、ベース(2)および蓋(4)よりも硬質でかつ接合時に発生する摩擦熱に耐えうる耐熱性を有する材料で形成されている。ここで、プローブ(22)の直径をDmm、ベース(2)における凹所(3)の段部(3a)の幅をWmmとした場合、D/2≦Wであることが好ましい(図4参照)。
ついで、摩擦攪拌接合用工具(20)を回転させながら、ベース(2)における凹所(3)の開口周縁部と蓋(4)の周縁部とのねじ合わせ部における周方向の1箇所に、蓋(4)とベース(2)に跨るように外側からプローブ(22)を埋入するとともに、工具(20)における小径部(21a)とプローブ(22)との間の肩部を、ベース(2)および蓋(4)に押し付ける(図4参照)。このとき、プローブ(22)の先端が段部(3a)に至るようにすることが好ましい。また、上記肩部の押し付けにより、接合開始時および接合途中に生じることのある軟化部の肉の飛散を防止して良好な接合状態を得ることができるとともに、ベース(2)および蓋(4)と上記肩部との摺動によって摩擦熱をさらに発生させてプローブ(22)とベース(2)および蓋(4)との接触部およびその近傍の軟化を促進することができ、しかも接合部の表面へのバリ等の凹凸の発生を防止することができる。
ついで、ベース(2)および蓋(4)と摩擦攪拌接合用工具(20)とを相対的に移動させることによって、プローブ(22)を上記ねじ合わせ部の周方向でかつ蓋(4)をねじ嵌めうる方向、ここでは時計方向に移動させる。すると、プローブ(22)の回転により発生する摩擦熱と、ベース(2)および蓋(4)と上記肩部との摺動により発生する摩擦熱とによって、上記ねじ合わせ部の近傍においてベース(2)および蓋(4)の母材となる金属は軟化するとともに、この軟化部がプローブ(22)の回転力を受けて攪拌混合され、さらにこの軟化部がプローブ(22)通過溝を埋めるように塑性流動した後、摩擦熱を急速に失って冷却固化するという現象が、プローブ(22)の移動に伴って繰り返されることにより、ベース(2)および蓋(4)が接合されていく(図5参照)。そして、プローブ(22)が上記ねじ合わせ部の全周にわたって移動して埋入位置に戻ったときにベース(2)における凹所(3)の開口周縁部と蓋(4)の周縁部とが全周にわたって接合される。このとき、ビード(8)が形成される。
ついで、プローブ(22)が埋入位置に戻った後、あるいは埋入位置を通過した後に、ベース(2)の外周縁部に配置した当て部材(図示略)までプローブ(22)を移動させ、ここでプローブ(22)を引き抜く。その後、蓋(4)の突出部(9)を切除する。こうして、中空体(1)が製造される。
上記実施形態1の中空体(1)は、たとえば船舶のソナー部品として使用される。
実施形態2
この実施形態は図6および図7に示すものである。
図6はこの実施形態の中空体を示し、図7は中空体の製造方法を示す。
図6において、中空体(30)は、凹所(32)を有する厚板状のアルミニウム製ベース(31)と、ベース(31)の凹所(32)内に嵌め入れられる円板状のアルミニウム製蓋(33)とよりなる。ベース(31)の凹所(32)は円形であり、その底面に蛇行状の流体通路(34)が形成されている。流体通路(34)の開口は蓋(33)により閉鎖されている。
図7に示すように、ベース(31)の凹所(32)の内周面は円筒面(35)であり、この円筒面(35)にめねじ(36)が形成されている。蓋(33)の外径は凹所(32)の内径と等しく、蓋(33)の外周面にめねじ(36)にねじ嵌められるおねじ(37)が形成されている。なお、蓋(33)の厚みは凹所(32)の深さと等しい。蓋(33)は、めねじ(36)およびおねじ(37)を利用して凹所(32)内にねじ嵌められており、凹所(32)の底面における流体通路(34)が形成されていない部分に支持されている。そして、ベース(31)における凹所(32)の開口周縁部と蓋(33)の周縁部とが全周にわたって摩擦攪拌接合されている。接合部のビードを(38)で示す。なお、図示は省略したが、ベース(31)および/または蓋(33)に、流体通路(34)と通じる流体入口および流体出口が形成される。
ベース(31)および蓋(33)は、それぞれ、たとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成されている。ベース(31)および蓋(33)は同じ材料で形成されていてもよいし、あるいは異なる材料で形成されていてもよい。
以下、図7を参照して、中空体(30)の製造方法について説明する。
まず、厚板状のベース(31)および円板状の蓋(33)を形成する。ついで、ベース(31)に凹所(32)を形成するとともに、凹所(32)の底面に流体通路(34)を形成し、さらに凹所(32)の円筒面(35)にめねじ(36)を形成する。また、蓋(33)の外周面に、めねじ(36)にねじ嵌められるおねじ(37)を形成するとともに、蓋(33)の外面(上面)に、スパナの口に嵌め入れられる多角形状の突出部(39)を一体に形成する。
ついで、ベース(31)を図示しない固定盤上にクランプ部材によりクランプした後、めねじ(36)およびおねじ(37)を利用して蓋(33)を凹所(32)内にねじ嵌め、蓋(33)を、凹所(32)の底面における流体通路(34)が形成されていない部分により支持させる。このとき、スパナ(図示略)の口に突出部(39)を嵌め入れ、スパナにより蓋(33)を回す。
ついで、上記実施形態1の場合と同様にして、ベース(31)における凹所(32)の開口周縁部と蓋(33)の周縁部とを全周にわたって摩擦攪拌接合する。その後、蓋(33)の突出部(39)を切除する。こうして、中空体(30)が製造される。
実施形態2の中空体(30)は、流体通路(34)内に冷却流体が流され、たとえば液晶表示パネル、プラズマディスプレイパネル、半導体、太陽電池パネルなどを製造する過程において、製膜工程を実施するスパッタリング装置に用いられるスパッタリングターゲットを冷却するための冷却装置として使用される。また、中空体(30)は、流体通路(34)内に加熱流体が流され、たとえば液晶表示パネルのガラス板や半導体基板を加熱するための加熱装置として使用される。さらに、中空体(30)は、流体通路(34)内にヒータが配置され、たとえば液晶表示パネルのガラス板や半導体基板を加熱するための加熱装置として使用される。
上記2つの実施形態において、蓋に突出部が形成されており、この突出部をスパナの口に嵌め入れ、スパナにより蓋をねじ嵌めるようになっているが、これに代えて、蓋の外面に角棒スパナを嵌め入れる角穴を形成しておき、角穴内に角棒スパナを嵌め入れ、角棒スパナにより蓋をねじ嵌めるようにしてもよい。
この発明の実施形態1の中空体を示す一部切り欠き斜視図である。 図1の部分拡大断面図である。 図1の中空体を製造するのに用いられるベースと蓋とを示す一部切り欠き斜視図である。 図1の中空体を製造するにあたり、摩擦攪拌接合用工具のプローブをベースと蓋とに跨って埋入した状態を示す部分拡大断面図である。 図1の中空体を製造するにあたり、ベースと蓋とを摩擦攪拌している状態を示す斜視図である。 この発明の実施形態2の中空体を示す一部切り欠き斜視図である。 図6の中空体を製造するのに用いられるベースと蓋とを示す一部切り欠き斜視図である。
符号の説明
(1)(30):中空体
(2)(31):ベース
(3)(32):凹所
(3a):段部
(4)(33):蓋
(5)(35):円筒面
(6)(36):めねじ
(7)(37):おねじ
(9)(39):突出部
(20):摩擦攪拌接合用工具
(22):プローブ
(34):流体通路

Claims (17)

  1. 凹所を有するベースと、ベースにおける凹所の開口を閉鎖する蓋とよりなる中空体であって、凹所の内周面の開口側部分が円筒面となされるとともにこの円筒面にめねじが形成され、蓋が円板からなるとともにその外周面におねじが形成され、上記めねじおよびおねじを利用して蓋が凹所の開口内にねじ嵌められ、この状態でベースにおける凹所の開口周縁部と蓋の周縁部とが摩擦攪拌接合されている中空体。
  2. ベースの凹所の内周面における円筒面よりも底側の部分に、蓋の周縁部を支持する段部が形成されている請求項1記載の中空体。
  3. 蓋の外面に、角棒スパナを嵌め入れる角穴が形成されている請求項1または2記載の中空体。
  4. 蓋の外面に、スパナの口に嵌め入れられる突出部が形成されている請求項1または2記載の中空体。
  5. 請求項1〜4のうちのいずれかに記載されている中空体からなるソナー部品。
  6. 凹所を有するベースと、ベースの凹所内に嵌め入れられる蓋とよりなり、凹所の底面に流体通路が形成され、凹所の内周面が円筒面となされるとともにこの円筒面にめねじが形成され、蓋が円板からなるとともにその外周面におねじが形成され、上記めねじおよびおねじを利用して蓋が凹所内にねじ嵌められ、この状態でベースにおける凹所の開口周縁部と蓋の周縁部とが摩擦攪拌接合されている中空体。
  7. 蓋の外面に、角棒スパナを嵌め入れる角穴が形成されている請求項6記載の中空体。
  8. 蓋の外面に、スパナの口に嵌め入れられる突出部が形成されている請求項6記載の中空体。
  9. 請求項6〜8のうちのいずれかに記載されている中空体からなり、流体通路に冷却流体が流されるようになっている冷却装置。
  10. 請求項6〜8のうちのいずれかに記載されている中空体からなり、流体通路に加熱流体が流されるようになっている加熱装置。
  11. 請求項6〜8のうちのいずれかに記載されている中空体からなり、流体通路にヒータが配置されている加熱装置。
  12. 請求項1記載の中空体を製造する方法であって、円形の凹所を有するベースと、ベースにおける凹所の開口を閉鎖する円板状の蓋とを用意し、凹所の内周面の開口側部分を円筒面とするとともにこの円筒面にめねじを形成し、蓋の外周面におねじを形成し、上記めねじおよびおねじを利用して蓋を凹所の開口内にねじ嵌めた後、ベースにおける凹所の開口周縁部と蓋の周縁部とに跨るように外側から摩擦攪拌接合用工具のプローブを埋入し、ついでベースおよび蓋とプローブとを相対的に移動させることによって、プローブを凹所の開口周縁部と蓋の周縁部の全周にわたって移動させ、ベースにおける凹所の開口周縁部と蓋の周縁部とを摩擦攪拌接合する中空体の製造方法。
  13. ベースの凹所の内周面における円筒面よりも底側の部分に、蓋の周縁部を支持する段部を形成しておく請求項12記載の中空体の製造方法。
  14. 請求項6記載の中空体を製造する方法であって、円形の凹所を有するベースと、ベースの凹所内に嵌め入れられる円板状の蓋とを用意し、凹所の底面に流体通路を形成し、さらに凹所の内周面を円筒面とするとともにこの円筒面にめねじを形成し、蓋の外周面におねじを形成し、上記めねじおよびおねじを利用して蓋を凹所内にねじ嵌めた後、ベースにおける凹所の開口周縁部と蓋の周縁部とに跨るように外側から摩擦攪拌接合用工具のプローブを埋入し、ついでベースおよび蓋とプローブとを相対的に移動させることによって、プローブを凹所の開口周縁部と蓋の周縁部の全周にわたって移動させ、ベースにおける凹所の開口周縁部と蓋の周縁部とを摩擦攪拌接合する冷却装置の製造方法。
  15. プローブを凹所の開口周縁部と蓋の周縁部の全周にわたって移動させる際の移動方向を、蓋をねじ嵌めうる方向とする請求項12〜14のうちのいずれかに記載の中空体の製造方法。
  16. 蓋の外面に角棒スパナを嵌め入れる角穴を形成しておき、角穴内に角棒スパナを嵌め入れ、角棒スパナにより蓋をねじ嵌める請求項12〜15のうちのいずれかに記載の中空体の製造方法。
  17. 蓋の外面にスパナの口に嵌め入れられる突出部を形成しておき、突出部をスパナの口に嵌め入れ、スパナにより蓋をねじ嵌める請求項12〜15のうちのいずれかに記載の中空体の製造方法。
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