JP2005095836A - 排ガスの脱臭処理方法および排ガスの脱臭処理装置 - Google Patents
排ガスの脱臭処理方法および排ガスの脱臭処理装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005095836A JP2005095836A JP2003335601A JP2003335601A JP2005095836A JP 2005095836 A JP2005095836 A JP 2005095836A JP 2003335601 A JP2003335601 A JP 2003335601A JP 2003335601 A JP2003335601 A JP 2003335601A JP 2005095836 A JP2005095836 A JP 2005095836A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- exhaust gas
- cyclone
- treatment
- deodorizing
- adsorbent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A50/00—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
- Y02A50/20—Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters
Landscapes
- Treating Waste Gases (AREA)
- Cyclones (AREA)
- Electrostatic Separation (AREA)
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
Abstract
【課題】気化性物質を含有する排ガスを、効率よく脱臭処理する方法および装置を提供すること。
【解決手段】気化性物質を含有する排ガスを、吸着材を内蔵したサイクロンを通過させて、排ガス中の気化性物質の少なくとも一部を除去する工程を有する排ガスの脱臭処理方法とする。また、気化性物質を含有する排ガスが通過するように設置された、吸着材を内蔵したサイクロンを有する排ガスの脱臭処理装置とする。
【選択図】図1
【解決手段】気化性物質を含有する排ガスを、吸着材を内蔵したサイクロンを通過させて、排ガス中の気化性物質の少なくとも一部を除去する工程を有する排ガスの脱臭処理方法とする。また、気化性物質を含有する排ガスが通過するように設置された、吸着材を内蔵したサイクロンを有する排ガスの脱臭処理装置とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、ゴム製品製造の加硫工程などで発生する排ガスの脱臭処理方法および脱臭処理装置に関する。
各種製品の製造工程等で発生する排ガスは、様々な気化性物質を含んでいる。例えば、ゴム製品の製造における加硫工程では、ゴム弾性及び強度を得るために、原料ゴムに、カーボン、加硫剤、加硫促進剤、オイル状物質、着色剤、補強材、及びその他充填材等を混練し成形したものを、200℃程度の高温に加熱する。そのとき、未反応分の加硫剤、カーボン、その他充填材等がオイル状物質と混合或いは溶解して気化した気化性物質を含む排ガスが排出される。
このような排ガスは一般に臭気が強く、そのまま大気中に放出すると、風向きや風速によってはかなり遠くまでその臭気が達してしまい、また大気汚染の原因になる可能性がある。また、この排ガスは高温時にはガス状であるが温度が下がるにつれて液化してタール状物質になるため、例えば、排ガス排気口付近で液化して外部に垂れ、屋根等を汚すと同時に、雨樋・U字溝を経て排水路に排出される等で、水質汚濁、土壌汚染の原因になる可能性がある。さらに、運転停止時には、排気ダクト内にタール状物質が付着し、次に運転する際の排気効果を低下させることもある。
したがって、このような排ガスは、気化性物質を除去する処理をしてから大気に放出される。その処理の方式は種々知られている。例えば、水が散水された領域を持つスクラバーに排ガスを導入して水中に気化性物質を移動させて除去する方式や、排ガスをフィルターに通す方式が知られている。しかし、スクラバーによる方式では、非水溶性物質の除去が困難であり、また、水中に混入した気化性物質が運転中の排気の力によって再度気化して大気中に放出される可能性があった。フィルターによる方式では、高温時には気体であるため気化性物質はフィルターを通過しやすく、低温になると生成したタール状物質によって、フィルターが目詰まりを起こしてしまう場合があった。
それを避けるために、排気ダクトの途中にバーナーを設けて排ガス中の気化性物質を燃焼させる方法が知られている(特許文献1)。また、加熱された電極を設置することで排ガス中の気化性物質を燃焼させる方式も知られている(特許文献2)。しかし、特許文献1の方法では、灯油、ガス等を用いて排ガスを燃焼させるため、ランニングコストが高いという問題があった。また、特許文献2の方法では、装置の運転、停止の繰り返しにより電極部に固形物が付着し、早い時期にその効力が低下してしまうという問題があった。
臭気を低減するために、活性炭やゼオライト等の多孔質物質に排ガスを通過させる方法も知られているが、短期間で多孔質物質の表面が油状物質で覆われてしまい、十分な吸着能力を発揮できなくなるため、多孔質物質の交換頻度が高くなってランニングコストが高いという問題があった。
特開平10−300054号公報
特開2000−107563号公報
本発明は、気化性物質を含有する排ガスを効率よく脱臭処理する方法および装置を提供することを目的とする。
本発明は、
気化性物質を含有する排ガスの脱臭処理方法であって、
該排ガスを、吸着材を内蔵したサイクロンを通過させて、該排ガス中の気化性物質の少なくとも一部を除去する工程(a)を有する排ガスの脱臭処理方法である。このような排ガスの脱臭処理方法によれば、気化性物質を含有する排ガスを効率よく脱臭処理できる。
気化性物質を含有する排ガスの脱臭処理方法であって、
該排ガスを、吸着材を内蔵したサイクロンを通過させて、該排ガス中の気化性物質の少なくとも一部を除去する工程(a)を有する排ガスの脱臭処理方法である。このような排ガスの脱臭処理方法によれば、気化性物質を含有する排ガスを効率よく脱臭処理できる。
前記吸着材が、合成ゴム、天然ゴム、プラスチック繊維、布および紙から選ばれる少なくとも1種からなることが好ましい。前記サイクロン内を冷却して、該サイクロン内の排ガスの温度を該サイクロン導入前の排ガスの温度以下に維持する工程(b)をさらに有することが好ましい。前記サイクロンを通過した排ガスに対して、触媒方式、静電集塵方式、生物処理方式およびプラズマ処理方式から選ばれる少なくとも1種の方式、特に生物処理方式による排ガス処理を行う工程(c)をさらに有することが好ましい。
本発明の排ガスの脱臭処理方法は、前記排ガスが、ゴム製品製造の加硫工程時に発生する排ガス、特に、硫黄、過酸化物、飽和脂肪族系炭化水素、芳香族系炭化水素、ゴム加硫用有機添加剤およびゴム加硫用無機添加剤から選ばれる化合物の少なくとも1種を含む排ガスであるときに好適である。また、前記排ガスの三点比較臭袋方式による臭気濃度が、300〜2000倍であるときに好適である。
また、本発明は、
排ガスが通過するように設置された、吸着材を内蔵したサイクロンを有する排ガスの脱臭処理装置である。このような排ガスの脱臭処理装置によれば、気化性物質を含有する排ガスを効率よく脱臭処理できる。
排ガスが通過するように設置された、吸着材を内蔵したサイクロンを有する排ガスの脱臭処理装置である。このような排ガスの脱臭処理装置によれば、気化性物質を含有する排ガスを効率よく脱臭処理できる。
前記吸着材が、合成ゴム、天然ゴム、プラスチック繊維、布および紙から選ばれる少なくとも1種からなることが好ましい。前記サイクロン内を冷却する冷却手段をさらに有することが好ましい。前記サイクロンを通過した排ガスが通過するように設置された、触媒方式、静電集塵方式、生物処理方式およびプラズマ処理方式から選ばれる少なくとも1種の方式、特に生物処理方式による処理が可能な排ガス処理手段をさらに有することが好ましい。
本発明の排ガスの脱臭処理方法及び装置によれば、気化性物質を含有する排ガスを効率よく脱臭処理することができる。
本発明は、気化性物質を含有する排ガスの脱臭処理方法及び装置に関するものであり、排ガスが通過するように設置された、吸着材を内蔵したサイクロンを有する装置、及び、そのサイクロンによって排ガス中の気化性物質の少なくとも一部を除去する工程(a)を有する方法に関するものである。このような排ガスの脱臭処理方法及び装置によって、気化性物質を含有する排ガスを効率よく脱臭処理することが可能となる。
処理する排ガスとしては特に限定されず、本発明では各種製品の製造工程等で発生する排ガスを処理することが可能である。すなわち、その排ガスに含まれる気化性物質が水系、非水系、芳香族系、脂肪族系を問わず、いずれの場合も処理することが可能である。特にゴム製品の加硫工程により発生する排ガスに好適に適用される。そのような排ガスには、硫黄、過酸化物、飽和脂肪族系炭化水素、芳香族系炭化水素、ゴム加硫用有機添加剤(例えば、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等)およびゴム加硫用無機添加剤(例えば、カーボン、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、シリカ等)から選ばれる化合物の少なくとも1種を含む。排ガスの温度としては、通常、常温(20℃)〜200℃であると、脱臭処理の効率が高いため好ましい。より好ましくは、常温〜80℃である。発生した排ガスをサイクロンへ導入する前に、排ガスを冷却する手段を用いて冷却することも好ましい実施態様である。
また、排ガスの三点比較臭袋方式による臭気濃度が300〜2000倍であるとき、本発明の排ガスの脱臭処理方法は、脱臭処理の効果が大きく好ましい。300〜1000倍であるときがより好ましい。なお、三点比較臭袋方式とは、3Lの袋の中に悪臭成分を含有するガスを入れ、空気で希釈し、予め希釈倍率を定めた袋の臭気を6人の試験官が検知し、上位・下位を除いた4人の試験官が検知した希釈倍率の平均値を臭気濃度とする方法である。
本発明において、吸着材を内蔵したサイクロンには、公知のサイクロンに吸着材を配備したものを使用できる。サイクロンとは、気体中から粉塵、粉体等を、その比重差を利用して分離する為に用いられる装置である。一般にサイクロンは、市販品よりも、現場の排気量に合わせて製作される。
上記のサイクロンに内蔵される吸着材としては、排ガス中の気化性物質に溶解することなく、気化性物質を吸着できる耐油性の材料を使用できる。例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ヒドリンゴム、EPDMゴム、BR、SBR等の合成ゴム、生ゴム等の天然ゴム、または、プラスチック繊維、布、紙等のような分子や繊維の中に気化性物質を取り込むことが可能な物質、が挙げられる。特に、ゴム加硫工程より発生する排ガスは油状物質を多量に含むため、油状物質を吸収し易く、しかもそれ自体が溶解しないことが求められる。その観点から合成ゴム又は天然ゴムが特に好ましい。また、排ガスの温度が80〜200℃のような高温の場合には、熱による変形の起きにくい耐熱性材料を選べば良い。吸着材は、例えば多孔質材料のような、排ガスとの接触面積を大きくできる材料が望ましい。
サイクロン中で吸着材は、サイクロン内壁にムラ無く配置されなければならない。具体的には、サイクロン内壁に接着剤で貼り付ける、吸着材の上からばね製物質にてサイクロン内壁に押し付け固定する、あるいは、吸着材を内壁に押し付ける為の治工具を用いて押し付ける等、いかなる方法によって行っても良い。
図2は本実施形態に係る吸着材を内蔵したサイクロンの模式図である。このようにサイクロンは、上方に設置された吸気口11より排ガスを吸気し、吸気された排ガスがサイクロ本体15の内壁に沿ってらせん状に流れる。らせん状に流れる排ガスは、サイクロン中心部から、上部のサイクロン蓋13に設置された排気口12を通過して外部へ排出される。具体的には、図2に排ガスの流れ16で示す矢印のように排ガスは流れる。本実施形態では、吸着材14をサイクロン内壁に接する状態で配置している。これはサイクロンに吸気される排ガスが内壁に沿って流れるので、このような構成にすることで効率よく排ガス中の吸着対象物質を吸着することができる。また、本図では吸着材14をサイクロン内壁のうち上部に配置している。これはすなわち吸気されてサイクロン内部に入った直後の排ガスから吸着対象物質を吸着するためである。もちろん図中円錐形の下部内壁にも吸着材を配置してもよいし、あるいは円錐形の下部内壁のみに配置してもよい。ただ、好ましくは少なくとも上部、すなわち吸気された直後の排ガスが通過するように吸着材が配置されることが好ましく、より具体的には上部に配置されている吸気口11付近の上部内壁に配置される構成が好ましい。また吸気された排ガスにはシリカ等の微粉末のような固体成分が含まれていることがある。それらはサイクロン下側へ移動し、ホッパー17を経て外部へ排出することができる。本実施形態では吸着材を吸気口11の筒内壁にも配置することで、サイクロン内に排ガスが届く前にも排ガス中の吸着対象物質を吸着させることができるので、この個所へは吸着材を必要に応じて適宜配置すればよい。このような構成にすることで、サイクロン内壁に貼り付けられた吸着材に吸引された排ガスを高速でぶつけることで、排ガスがスパイラル状に下方に移動する際に排ガス中の臭気物質、及び油状物質等を吸着材で補足することができる。
本発明においては、上記の吸着材を内蔵したサイクロン内を冷却する冷却手段を有し、サイクロン内の排ガスの温度をサイクロン導入前の排ガスの温度以下に維持する工程(b)を有することで、気化性物質の除去効率を高めることができるため好ましい。前述するように、本来サイクロンの機能は、気体中の浮遊物質(粉塵、粉体等)を、その比重差を用いて分離する役目である。この観点から、今回対象としている物質は、排ガス中に高温で加熱された油状物質がガス化して存在する状態に有るものである。その為、排ガスを冷却し排ガス中の油状物質を冷却により凝縮させて油状物質を液状化し、その比重を大きくした方がサイクロンによる分離効果を大きくできるばかりでなく、サイクロン内壁に配置された吸着材での捕捉効率も向上する。サイクロンの冷却方法は、サイクロン全体をジャケットで囲うようにして冷却水を循環する、または、サイクロン外壁に冷却管を取付け、冷却水を循環する、等の方式が用いられる。
上記のような吸着材を内蔵したサイクロンを通過した排ガスには、サイクロンで除去されずまた吸着材に吸着されずに通過してしまった気化性物質だけでなく、一旦吸着材に吸着・捕捉された気化性物質が排気力によって再度気化した物質も含まれる。
そこで、本発明においては、上記のサイクロンを通過した排ガスが通過するように設置された、触媒方式、静電集塵方式、生物処理方式およびプラズマ処理方式から選ばれる少なくとも1種の方式による処置が可能な排ガス処理手段をさらに有し、サイクロンを通過した排ガスを、その排ガス処理手段により排ガス処理を行う工程(c)をさらに有することが好ましい。このような方法および装置によれば排ガスの三点比較臭袋方式で測定した臭気濃度を例えば50倍以下に低減することが可能となる。上記の排ガス処理手段が生物処置方式による処理が可能な手段であり、工程(c)が生物処理方式による排ガスの処理を有することが特に好ましい。また、これらを組合せた方法および装置も好ましい。これらの方式にはそれぞれ以下の特徴があるので、状況に応じて使い分ければ良い。
上記の触媒方式による処理は、一般に固定触媒方式とも呼ばれ、白金或いは、卑金属を多孔質体に担持させて触媒として用い、ここを通過させる際に、酸化反応を起こさせるというものである。この方式による処理は、排ガス中に無機物を含有しないことが望ましく、有機成分が燃焼した後でも無機成分、特にゴムに良く使用されるシリカや硫黄が存在すると、触媒効果を劣化させる原因となりうる。ゴム加硫排ガスには無機成分も多量に含有されているため、吸着材を内蔵したサイクロンにより、これらを前段階で除去しておくことは有効である。
上記の静電集塵方式による処理は、電極上に於いて排ガス中の成分を静電気力により吸引除去するものである。ただし、原因不明の電圧異常が発生することや、排ガス温度が低下するとガス中の成分が析出して固形化することがあり、季節変動を考慮すると45℃以上の温度を保つ工夫が必要となる。
上記の生物処理方式による処理は、好気性微生物、通性嫌気性微生物、嫌気性微生物等が、セラミック、プラスチック等の担体に担持された充填材を用いることができる。例えば、多孔質の比表面積が500〜1500m2/m3の充填材で、微生物として好気性微生物主体のスフェロチルス、ゾーグレア等が担持されたものを用いることができる。この方式による処理は、臭気濃度を大きく下げることが可能であるため、好ましい方式である。
上記のプラズマ処理方式による処理は、具体的には、プラズマ放電している領域中を通過させてゴム加硫排ガスを分解するものである。この方式による処理は、分解効果は大きいが設備投資、ランニングコストが大きく、分解後に固形物が残るような排ガスの処理や排気風量増加の方向への対応が困難な場合もある。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
(用いた排ガス)
種類:ゴム製品製造の加硫工程により発生する、気化性物質を含む排ガス
排ガス温度/臭気濃度:20℃/900倍、50℃/950倍、80℃/980倍、200℃/1500倍
排ガス導入量:50m3/min
(排ガスの臭気濃度の測定)
三点比較臭袋方式(平成12年環境庁告示第17号)で測定した。
種類:ゴム製品製造の加硫工程により発生する、気化性物質を含む排ガス
排ガス温度/臭気濃度:20℃/900倍、50℃/950倍、80℃/980倍、200℃/1500倍
排ガス導入量:50m3/min
(排ガスの臭気濃度の測定)
三点比較臭袋方式(平成12年環境庁告示第17号)で測定した。
(悪臭物質濃度の測定)
FIDガスクロマトグラフ法により、硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチルの濃度を測定した。
FIDガスクロマトグラフ法により、硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチルの濃度を測定した。
(実施例1)
排ガスを、図1に示す構成を持つ排ガスの脱臭処理装置に導入し、排ガスの脱臭処理を行った。排ガス発生源1としてはゴム加硫炉を用い、そこから排出された排ガスはサイクロン2(50m3/min処理用サイクロンを使用)に導入される。サイクロン2には、図2に示すような形態で、三井石油化学社製のEPDM材が吸着材として内蔵されている。サイクロン2で回収された気化性物質は、必要に応じて排出弁3から排出物回収容器へと排出される。また、サイクロン2を通過した排ガスは、微生物処理室6及びスクラバー室5を通過し、排気ファン9によって大気排出10される。微生物処理室6には、ゾーグレア菌が担持された、不織布で作られた15×7mmの円筒状物質が充填されている。スクラバー室5には上部に設置された散水手段により0.5m3/hの速度で水が散水されており、散水された水はスクラバー室5及び微生物処理室6を通過した後、その下方に設置された水槽7に一旦溜められ、必要に応じて水循環ポンプ8によって再度スクラバー室への散水用に送水される。
排ガスを、図1に示す構成を持つ排ガスの脱臭処理装置に導入し、排ガスの脱臭処理を行った。排ガス発生源1としてはゴム加硫炉を用い、そこから排出された排ガスはサイクロン2(50m3/min処理用サイクロンを使用)に導入される。サイクロン2には、図2に示すような形態で、三井石油化学社製のEPDM材が吸着材として内蔵されている。サイクロン2で回収された気化性物質は、必要に応じて排出弁3から排出物回収容器へと排出される。また、サイクロン2を通過した排ガスは、微生物処理室6及びスクラバー室5を通過し、排気ファン9によって大気排出10される。微生物処理室6には、ゾーグレア菌が担持された、不織布で作られた15×7mmの円筒状物質が充填されている。スクラバー室5には上部に設置された散水手段により0.5m3/hの速度で水が散水されており、散水された水はスクラバー室5及び微生物処理室6を通過した後、その下方に設置された水槽7に一旦溜められ、必要に応じて水循環ポンプ8によって再度スクラバー室への散水用に送水される。
サイクロン通過後の排ガスの臭気濃度並びに除去率、及び、大気に放出された排ガスの温度、臭気濃度、並びに臭気の除去率を、表1に示す。また、3ヶ月連続運転した後のダクト内の汚れを観察した結果を併せて表1に示す。いずれも本発明の排ガスの処理装置により、臭気濃度が50倍以下まで下げられており、ダクト内の汚れもなかった。
表1のうち、臭気濃度が1500倍の排ガス、及び本発明の排ガスの処理装置で処理した後の臭気濃度45倍の大気に放出された排ガス(表2においては「処理ガス」と称する)について、悪臭物質濃度を測定した結果を表2に示す。
(比較例1)
図1において、排ガス発生源1から発生した排ガスを直接微生物処理室6に導入し、3ヶ月連続運転をした後のダクト内の汚れを観察した結果を表3に示す。特に臭気濃度の高い排ガスを用いたときダクト内の汚れが観察された。また、スクラバー室5、微生物処理室6及び水槽7に油状物質の濁りが見られた。そして、微生物処理室6上に油状物質が吸着したため、微生物の生育が妨げられ、これ以上の処理は不能となった。
図1において、排ガス発生源1から発生した排ガスを直接微生物処理室6に導入し、3ヶ月連続運転をした後のダクト内の汚れを観察した結果を表3に示す。特に臭気濃度の高い排ガスを用いたときダクト内の汚れが観察された。また、スクラバー室5、微生物処理室6及び水槽7に油状物質の濁りが見られた。そして、微生物処理室6上に油状物質が吸着したため、微生物の生育が妨げられ、これ以上の処理は不能となった。
*ダクト継目からの油状物流出量
(比較例2)
排ガスを、吸着材を内蔵しないサイクロン(50m3/min処理用サイクロンを使用)に導入し、サイクロンを通過した排ガスの臭気濃度、臭気除去率を表4に示す。実施例1における吸着材を内蔵したサイクロン通過後の排ガスに比べて、臭気除去率が低い値を示した。
(比較例2)
排ガスを、吸着材を内蔵しないサイクロン(50m3/min処理用サイクロンを使用)に導入し、サイクロンを通過した排ガスの臭気濃度、臭気除去率を表4に示す。実施例1における吸着材を内蔵したサイクロン通過後の排ガスに比べて、臭気除去率が低い値を示した。
(比較例3)
排ガスを、従来法のスクラバー処理(散水速度:0.5m3/h、運転条件:24Hr運転)をしたときの、排ガスの臭気濃度、臭気除去率を表5に示す。いずれも臭気除去率は低かった。更に、運転を継続すると循環水への排ガス中の気化性物質の混入が増え、臭気が強くなり、スクラバー処理の効果は約1週間で無くなった。
排ガスを、従来法のスクラバー処理(散水速度:0.5m3/h、運転条件:24Hr運転)をしたときの、排ガスの臭気濃度、臭気除去率を表5に示す。いずれも臭気除去率は低かった。更に、運転を継続すると循環水への排ガス中の気化性物質の混入が増え、臭気が強くなり、スクラバー処理の効果は約1週間で無くなった。
(実施例2)
排ガスを、実施例1と同じ吸着材を内蔵したサイクロンを通過させた後、静電集塵機(メイコー商事社製、SMOG−HOG(登録商標)SH−10PE型)に導入した。静電集塵機での処理後の排ガスの臭気濃度を表6に示した。いずれも臭気濃度を50倍未満まで下げることができた。
排ガスを、実施例1と同じ吸着材を内蔵したサイクロンを通過させた後、静電集塵機(メイコー商事社製、SMOG−HOG(登録商標)SH−10PE型)に導入した。静電集塵機での処理後の排ガスの臭気濃度を表6に示した。いずれも臭気濃度を50倍未満まで下げることができた。
(比較例4)
吸着材を内蔵しないサイクロンを用いる以外は、実施例2と同様の手法により排ガスの処理を試みた。しかし、ゴム加硫炉の停止による温度の低下により2週間使用後に静電集塵機の電極部へ油状物質が固着してしまい、電圧異常が発生して処理不能であった。
吸着材を内蔵しないサイクロンを用いる以外は、実施例2と同様の手法により排ガスの処理を試みた。しかし、ゴム加硫炉の停止による温度の低下により2週間使用後に静電集塵機の電極部へ油状物質が固着してしまい、電圧異常が発生して処理不能であった。
1 排ガス発生源
2 サイクロン
3 排出弁
4 排出物回収容器
5 スクラバー室
6 微生物処理室
7 水槽
8 水循環ポンプ
9 排気ファン
10 大気放出
11 吸気口
12 排気口
13 サイクロン蓋
14 吸着材
15 サイクロン本体
16 排ガスの流れ
17 ホッパー
2 サイクロン
3 排出弁
4 排出物回収容器
5 スクラバー室
6 微生物処理室
7 水槽
8 水循環ポンプ
9 排気ファン
10 大気放出
11 吸気口
12 排気口
13 サイクロン蓋
14 吸着材
15 サイクロン本体
16 排ガスの流れ
17 ホッパー
Claims (13)
- 気化性物質を含有する排ガスの脱臭処理方法であって、
該排ガスを、吸着材を内蔵したサイクロンを通過させて、該排ガス中の気化性物質の少なくとも一部を除去する工程(a)を有する排ガスの脱臭処理方法。 - 前記吸着材が、合成ゴム、天然ゴム、プラスチック繊維、布および紙から選ばれる少なくとも1種からなる請求項1に記載の排ガスの脱臭処理方法。
- 前記サイクロン内を冷却して、該サイクロン内の排ガスの温度を該サイクロン導入前の排ガスの温度以下に維持する工程(b)をさらに有する請求項1または2に記載の排ガスの脱臭処理方法。
- 前記サイクロンを通過した排ガスに対して、触媒方式、静電集塵方式、生物処理方式およびプラズマ処理方式から選ばれる少なくとも1種の方式による排ガス処理を行う工程(c)をさらに有する請求項1〜3のいずれかに記載の排ガスの脱臭処理方法。
- 前記工程(c)での排ガス処理が、生物処理方式による処理を有する請求項4に記載の排ガスの脱臭処理方法。
- 前記排ガスが、ゴム製品製造の加硫工程時に発生する排ガスである請求項1〜5のいずれかに記載の排ガスの脱臭処理方法。
- 前記排ガスが、硫黄、過酸化物、飽和脂肪族系炭化水素、芳香族系炭化水素、ゴム加硫用有機添加剤およびゴム加硫用無機添加剤から選ばれる化合物の少なくとも1種を含む請求項6に記載の排ガスの脱臭処理方法。
- 前記排ガスの三点比較臭袋方式による臭気濃度が、300〜2000倍である請求項1〜7のいずれかに記載の排ガスの脱臭処理方法。
- 排ガスが通過するように設置された、吸着材を内蔵したサイクロンを有する排ガスの脱臭処理装置。
- 前記吸着材が、合成ゴム、天然ゴム、プラスチック繊維、布および紙から選ばれる少なくとも1種からなる請求項9に記載の排ガスの脱臭処理装置。
- 前記サイクロン内を冷却する冷却手段をさらに有する請求項9または10に記載の排ガスの脱臭処理装置。
- 前記サイクロンを通過した排ガスが通過するように設置された、触媒方式、静電集塵方式、生物処理方式およびプラズマ処理方式から選ばれる少なくとも1種の方式による処理が可能な排ガス処理手段をさらに有する請求項9〜11のいずれかに記載の排ガスの脱臭処理装置。
- 前記排ガス処理手段が、生物処理方式による処理が可能である請求項12に記載の排ガスの脱臭処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003335601A JP2005095836A (ja) | 2003-09-26 | 2003-09-26 | 排ガスの脱臭処理方法および排ガスの脱臭処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003335601A JP2005095836A (ja) | 2003-09-26 | 2003-09-26 | 排ガスの脱臭処理方法および排ガスの脱臭処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005095836A true JP2005095836A (ja) | 2005-04-14 |
Family
ID=34462944
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003335601A Pending JP2005095836A (ja) | 2003-09-26 | 2003-09-26 | 排ガスの脱臭処理方法および排ガスの脱臭処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005095836A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009539014A (ja) * | 2006-05-29 | 2009-11-12 | マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 気液混合物を分離するための装置 |
WO2016059864A1 (ja) * | 2014-10-16 | 2016-04-21 | シャープ株式会社 | 除湿装置 |
-
2003
- 2003-09-26 JP JP2003335601A patent/JP2005095836A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009539014A (ja) * | 2006-05-29 | 2009-11-12 | マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 気液混合物を分離するための装置 |
WO2016059864A1 (ja) * | 2014-10-16 | 2016-04-21 | シャープ株式会社 | 除湿装置 |
JP2016077968A (ja) * | 2014-10-16 | 2016-05-16 | シャープ株式会社 | 除湿装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7192553B2 (en) | In situ sterilization and decontamination system using a non-thermal plasma discharge | |
KR101312414B1 (ko) | 코로나 방전 및 저온복합산화촉매를 이용한 유해가스 정화 장치 및 이를 이용한 유해가스 정화 방법 | |
CN101366966A (zh) | 一种恶臭气体净化处理的方法及装置 | |
WO2003063914A2 (en) | Sterilization and decontamination system using a plasma discharge and a filter | |
KR101984795B1 (ko) | 마이크로플라즈마 에어 오존을 이용한 악취물질 분해 시스템 | |
CN1604812A (zh) | 从气流中吸附污染物以及吸附剂的就地再生 | |
CN104492254A (zh) | 垃圾中转站恶臭气体治理工艺及其装置 | |
CN207071281U (zh) | 一种工业废气净化器 | |
KR102269669B1 (ko) | 미세먼지와 악취 제거를 위한 장치 및 이를 위한 방법 | |
JP2009011889A (ja) | 塗装乾燥炉の排気ガス脱臭処理システム | |
KR101379360B1 (ko) | 악취 제거 장치 | |
KR20080057808A (ko) | 생화학 악취가스처리부를 갖는 악취가스처리장치 | |
CN105457436A (zh) | 一种湿式静电加生物法烟气除酸除尘除雾脱硫脱硝除臭方法 | |
JP5108492B2 (ja) | 空気浄化方法及び空気浄化装置 | |
JP3802161B2 (ja) | 悪臭ガスの生物的処理方法 | |
JP2005095836A (ja) | 排ガスの脱臭処理方法および排ガスの脱臭処理装置 | |
JP2012035232A (ja) | 排水処理システム | |
KR20130035435A (ko) | 악취제거장치 | |
JP2005205094A (ja) | 空気浄化システム | |
CN105983334A (zh) | 一种恶臭气体净化处理系统及其处理方法 | |
KR20010068436A (ko) | 코로나 플라즈마를 이용한 휘발성 유기화합물 제거 및탈취장치 | |
JP2005013885A (ja) | 排ガスの脱臭処理方法および装置 | |
KR101229985B1 (ko) | 오염공기 전처리 장치 및 이를 이용한 탈취 시스템 | |
KR101574675B1 (ko) | 저온촉매를 이용한 VOCs 처리장치 | |
CN110523242A (zh) | 一种非接触式恶臭异味气体处理方法及装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051118 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070425 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070509 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070912 |