JP2005095819A - 湿式塗装ブース循環水の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 湿式塗装ブースの循環水中に混合している余剰塗料を凝集して分離除去し、循環水として良好に再使用することができる方法を提供する。
【解決手段】 湿式塗装ブース3の循環水Wを、Alを陽極とする電極4により循環水ピット1内で電気分解し、Al電極から溶出する電解Alと、ライン54等から添加するカチオンポリマーとで処理し、循環水W中の塗料を凝集してフロックFとし、フロックFを分離装置5で分離し、浄化水をライン53から循環水ピット1内に戻す。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水性塗料の塗装作業に際して使用される湿式塗装ブースの循環水を処理する方法に関し、特に、該循環水中に混合している余剰塗料を凝集して分離除去する方法に関する。
塗装ブースは、塗装作業を、作業員の健康と安全を確保し、かつ地球環境の保全を考慮しつつ行うために、使用されるものであって、塗装作業時に発生する塗料粒子の処理態様により、乾式塗装ブースと湿式塗装ブースとに大別される。
乾式塗装ブースは、フィルターで塗料粒子を除去する方式を言い、湿式塗装ブースは、塗料粒子を水で除去する方式を言う。
湿式塗装ブースは、例えば、ブースの上部に、排気ダクトを備えた排気洗浄装置が設けられており、排気ファンを稼動させることにより、塗料ミストを含んだ空気を、水洗水と共に排気ダクト側に吸い上げるような構成となっている。
この湿式塗装ブースで塗装作業を行うと、スプレーガンから噴射され塗装対象に塗装(塗着)されなかった余剰塗料(粒子)が、水洗水と共に、排気ダクトに吸引される、
この水洗水で洗浄された塗料ミストは、排気ダクトから系外に排気されるまでの間に設けられている邪魔板等に衝突して、塗料粒子が水側に除かれ、空気のみが系外に排出される。
一方、水洗水で水洗された塗料粒子は、ピット内に移送されて、例えば、本願出願人等による先願に係る特開2003−10746公報、同2002−370087公報、同2001−170528公報等に記載のように、水中の塗料を薬剤により不粘着化あるいは凝集した後、固液分離する等の方法により除去し、液(すなわち)水は取り出して、上記のブース内で循環使用する。
あるいは、上記のピット内の余剰塗料含有水は、次のような手法により処理される。
(1)アルミニウムを電極(陽極)とする電解式水質浄化手法(株式会社理工出版発行「塗装技術」1998年12月号《81〜84頁》掲載の浦野著『電解式水質浄化装置による水処理技術の現状と課題』):
この手法では、水の電気分解の際に、アルミニウム電極(陽極)から溶出するAl3+が、水の電解で生成する(OH)1−と反応して、Al(OH)を生成し、このAl(OH)が凝集剤として作用し、塗料粒子を凝集してフロックを形成するため、このフロックを浮上により分離する。
(2)アルミニウムを電極(陽極)とする電解とバグフィルターでのろ別による手法(株式会社理工出版発行「塗装技術」2000年10月号《63〜67頁》掲載の佐藤著『電解処理技術によるスラッジ処理とリサイクル技術』):
この手法では、上記(1)と同様に電解金属による凝集作用で塗料ミストを凝集してスラッジとし、このスラッジをバグフィルターでろ別する。
(3)アルミニウムを電極(陽極)とする電解と不織布での脱水による手法(株式会社理工出版発行「塗装技術」2001年12月号《82〜86頁》掲載の大平著『電気分解によるスラッジ回収と悪臭緩和システム』):
この手法では、上記(1)と同様のAl(OH)による凝集作用で塗料ミストを凝集してスラッジとし、このスラッジを不織布で重力脱水する。
特開2003−10746公報 特開2002−370087公報 特開2001−170528公報 株式会社理工出版発行「塗装技術」1998年12月号《81〜84頁》掲載の『電解式水質浄化装置による水処理技術の現状と課題』 株式会社理工出版発行「塗装技術」2000年10月号《63〜67頁》掲載の佐藤著『電解処理技術によるスラッジ処理とリサイクル技術』 株式会社理工出版発行「塗装技術」2001年12月号《82〜86頁》掲載の大平著『電気分解によるスラッジ回収と悪臭緩和システム』
しかし、上記(1)〜(3)のアルミニウム電極による電解浄化法の場合、次の(I)〜(III)に記載するような問題がある。
(I)Al(OH)による塗料粒子のフロック化が十分に行われないという問題がある。
このフロック化を十分に行うには、電解アルミニウム(Al3+)の量を多くする必要があり、これを実現するためには、
(イ)電極面積を大きくするか、電極の数を多くする必要があり、装置が大掛かりになる、
(ロ)大電流が必要となり、電気代が高くなる、
(ハ)装置が大掛かりであるため、設備費が高くなるのみならず、電極の交換、清掃等のメンテナンスが煩雑となり、メンテナンス費用も膨大となる、
等の問題がある。
(II)アニオン性の強い物質に対して凝集力が劣るため、アニオン性物質の分離除去が困難となり、
(イ)アニオン物質が残留し、アニオン性物質により水洗水が発泡し、この発泡した水洗水を湿式塗装ブースの循環水として再使用すると、循環水の循環不良が生じるため、塗料粒子の吸着を行うことができないだけでなく、水が塗装作業環境や塗装設備の外に溢れる事態が生じ、最悪の場合は、ブースの運転が停止する、
(ロ)塗料によっては電解で生成する電解アルミニウムのみでは凝集分離できないものもあり、浄化効果が一定にならない、
等の問題がある。
(III)塗料の種類や濃度に応じて電解アルミニウムの量をコントロールし、安定な水処理を行う手法がない。
本発明は、上記(1)〜(3)の従来の浄化手法における上記(I)〜(III)の問題を解消することができ、しかも上記した本出願人等による先願とは異なる手法にて、湿式塗装ブース内の循環水中の塗料ミストを除去し、循環水として良好に再使用することができる方法を提供することを課題とする。
本発明の方法は、上記の課題を解決するために、湿式塗装ブースの循環水を、アルミニウムを陽極とする電気分解で溶出する電解アルミニウム(以下、電解Alと記すこともある)と、別途供給するカチオンポリマーとで、処理し、上記循環水中の塗料を凝集分離することを特徴とする。
このとき、
〔1〕循環水をアルミニウムを陽極として電気分解し、別途カチオンポリマーを添加する方法、具体的には、
(a)既設装置(塗装ブースに付属する装置として既に設置されている循環水系の装置−以下、同じ−)内の循環水中に電極(陽極としてAl電極、陰極として適宜材からなる電極)を浸漬して循環水を電気分解し、生成したフロックを既設の分離装置で分離するか、
(b)(a)の方法において、既設装置内の循環水中に電極を浸漬することが物理的に困難な場合等に、既設装置とは別に電解装置(Al電極を陽極、適宜材からなる電極を陰極とする)を設け、既設装置内の循環水を一部抜出して該電解装置内に導いて電気分解し、電解Alを含む電解液を既設装置内に戻すか、
(c)既設装置とは別に電解装置(Al電極を陽極、適宜材からなる電極を陰極とする)と分離装置を一体化した装置(以下、電解/分離一体化装置)を設け、既設装置内の循環水を一部抜出して該電解/分離一体化装置内に導き、該一体化装置内で清浄化した水を既設装置に戻し、分離したスラッジは系外に排出する方法があり、
これらの方法において、カチオンポリマーは、どこで添加してもよく、具体的には、(a)と(b)の方法では、既設装置の適宜箇所で添加してよいが、分離装置の直前に添加すると、さらに好結果が得られることがある。また、カチオンポリマーと共にノニオン性やアニオン性の高分子凝集剤を併用する場合は、ノニオン性やアニオン性の高分子凝集剤は分離装置の直前に添加することが好ましい。
(c)の方法では、既設装置の適宜箇所あるいは電解/分離一体化装置で添加してよく、カチオンポリマーと共にノニオン性やアニオン性の高分子凝集剤を併用する場合は、上記と同様に、ノニオン性やアニオン性の高分子凝集剤は一体化装置内の分離機能部直前に添加することが好ましい。
あるいは、〔2〕循環水中に、別途生成した電解Alを添加し、別途カチオンポリマーを添加する方法、具体的には、(d)既設装置とは別に電解装置(Al電極を陽極、適宜材からなる電極を陰極とする)を設け、該電解装置内において電解液(例えば、工業用水に食塩と酸を加えた液)を電気分解して電解Alを含む電解液を得、これを既設装置の循環水中に注入して生成するフロックを既設の分離装置で分離し、系外に排出し、清浄水は既設装置に戻す方法があり、
この(d)の方法においても、カチオンポリマーは、上記と同様に、どこで添加してもよく、カチオンポリマーと共にノニオン性やアニオン性の高分子凝集剤を併用する場合は、ノニオン性やアニオン性の高分子凝集剤は分離装置の直前に添加することが好ましい。
上記のカチオンポリマーは、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、アルキルアミン−エピクロルヒドリン縮合物、エチレンイミン重合物、アルキレンジクロライド−ポリアルキレンポリアミン縮合物、ジメチルアミノエチルアクリレート系重合物、ジメチルアミノエチルメタクリレート系重合物、下式で表されるポリビニルアミジンからなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
Figure 2005095819
また、本発明の方法は、循環水中に含まれる塗料1gに対し、0.5mg〜60mgの電解Alと、0.5〜100mgのカチオンポリマーが存在することが好ましい。
本発明の方法は、湿式塗装ブースにおける循環水に適用するものであり、この循環水中に混入している余剰塗料は、その塗料の種類(樹脂種や分子量、あるいは界面活性剤等の添加成分)は問わず、種々のものであってよいが、水性塗料が混入しているものに好ましく適用できる。
また、塗料の種類(以下、塗料種)は、中塗り用、上塗り用等種々のものであってよい。
本発明では、アルミニウムを陽極として電気分解すると、前記した従来技術(1)〜(3)のようにAl3+イオンが溶出する。このイオンは、水酸基(OH1−)と反応して水酸化アルミニウム(Al(OH))の沈殿が生成する前に、プラス荷電を持つアルミニウム重合体となる。
この重合体で、循環水を処理すると、該循環水中に混在するマイナス荷電の塗料粒子と結合して凝集フロックを生成し、塗料粒子を不粘着性化する。
この処理の際に、カチオンポリマーが共存すると、アルミニウムの重合や、アルミニウム重合体と塗料粒子との反応を促進するため、電解Alの量が少なくて済み、この結果としてアルミニウム電極の消耗を少なくすることができる。
また、カチオンポリマーは、塗料中のアニオン性の強い成分と効率良く反応し、該成分の凝集分離効率を高める。
さらに、カチオンポリマーの架橋作用により、上記のフロックを大きく成長させ、凝集分離効果が向上する。
なお、本発明において、カチオンポリマーと共に、ノニオン性やアニオン性の高分子凝集剤を併用すると、フロックの成長が一層促進され、凝集分離効果がより向上する。
本発明における電解Alの生成は、Al電極を陽極とする電解装置内で循環水や電解液を電気分解することで行われる(なお、陰極は、Al電極を使用してもよいし、他の適宜の材料からなる電極を使用してもよい)。
すなわち、上記〔1〕の方法では、既設装置内の循環水中に直接Al電極を浸漬し、該循環水を電気分解することで電解Alを生成する((a)の方法)か、既設装置とは別に設けたAl電極を陽極とする電解装置あるいは電解/分離一体化装置内に循環水の一部を抜き出して導入し、該循環水を電気分解することで電解Alを生成し((b),(c)の方法)、上記〔2〕の方法では、既設装置とは別に設けたAl電極を陽極とする電解装置内に電解液(例えば、食塩と酸を加えた工業用水)を導入し、該電解液を電気分解することで電解Alを生成する((d)の方法)。
これらの電気分解時に供給する電気量は、電解Alの生成量によって決められるが、循環水中の塗料1gに対し、0.5〜60mgの電解Alを生成させる場合には、5〜600クーロン程度とすることが好ましい。
なお、本発明において、電解Alの最適な量は、塗料種によって異なるが、一般には、上記の塗料1gに対し0.5〜60mgの範囲から最適な量を選定すればよい。
電解Alの量がこれより少ないと、フロック生成能が低下し、所望の塗料除去効果を得ることができず、これより多くても、フロック生成能が飽和して、せっかく生成させた電解Alが無駄になることがある。
上記の電解Alと共に使用することができるカチオンポリマーは、上記のように、(α)アルミニウムの重合や、アルミニウム重合体と塗料粒子との反応を促進し、(β)塗料中のアニオン性の強い成分と効率良く反応し、(γ)架橋作用によりアルミニウム重合体と塗料とのフロックを大きく成長させる特性を有すると共に、(δ)ノニオン性やアニオン性の高分子凝集剤を併用する場合にこれらの凝集剤の作用を阻害しないものであれば、どのようなカチオンポリマーであってもよいが、本発明では、特に、ポリアミンと称される強カチオンポリマーが好ましく使用できる。
カチオンポリマーは、具体的には、これら(α)〜(δ)の特性に優れ、入手が容易で、取り扱い性にも優れるジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、アルキルアミン−エピクロルヒドリン縮合物、エチレンイミン重合物、アルキレンジクロライド−ポリアルキレンポリアミン縮合物、ジメチルアミノエチルアクリレート系重合物、ジメチルアミノエチルメタクリレート系重合物、上式で表されるポリビニルアミジン等が好ましい。
これらのカチオンポリマーは、それぞれ単独で用いてもよいし、適宜の2種以上を組み合わせて用いることもできる。
カチオンポリマーの量は、塗料種によってその最適量は異なるが、一般には、上記の塗料1gに対し0.5〜100mgの範囲から選定すればよい。
カチオンポリマーの量がこれより少ないと、循環水中で、上記(α)〜(γ)の特性が十分に発現せず、フロック生成能や強アニオン成分の除去能が低下し、所望の塗料除去効果を得ることができず、これより多くても、これらの生成能や除去能が飽和して、せっかく添加したカチオンポリマーが無駄になるだけでなく、過剰のカチオンによる電気的な反撥により凝集の妨げになることがある。
本発明では、上記のようにして生成した上記量の電解Alと、別途供給した上記量の上記のようなカチオンポリマーとで、湿式塗装ブースの循環水を処理するが、カチオンポリマーの添加箇所は、上記したように、上記〔1〕の(a)〜(c)、〔2〕の(d)のいずれの方法においても、どこであってもよい。
上記〔1〕の方法においては、例えば、(a)の方法の場合は、既設装置内で循環水を直接電気分解すると、電解Alが溶出し、この電解Alで循環水中の塗料粒子が凝集してフロックを生成する。このフロックが、既設装置の適宜箇所で別途添加したカチオンポリマーの作用(あるいはノニオン性やアニオン性の高分子凝集剤との併用作用)で成長し、既設の分離装置で分離される。
(b)の方法の場合は、循環水の一部を別途設けた電解装置に導入して電気分解すると、電解Alが溶出する。この電解Alを含む電解液を既設装置に戻すと、循環水中の塗料粒子が凝集してフロックを生成する。このフロックが、既設装置の適宜箇所で別途添加したカチオンポリマーの作用(あるいはノニオン性やアニオン性の高分子凝集剤との併用作用)で成長し、既設の分離装置で分離される。
(c)の方法の場合は、循環水の一部を別途設けた電解/分離一体化装置に導入して電気分解すると、電解Alが溶出し、この電解Alで該一体化装置に導入した循環水中の塗料粒子が凝集してフロックを生成する。このフロックが、既設装置の適宜箇所もしくは該一体化装置に添加したカチオンポリマーの作用(あるいはノニオン性やアニオン性の高分子凝集剤との併用作用)で成長し、該一体化装置で分離され、清浄化された水が既設装置内に返送される。
上記〔2〕の方法においては、例えば、(d)の方法の場合は、既設装置とは全く別個に設けた電解装置内で電解液(例えば、工業用水に食塩と酸を配合したもの)を電気分解して、陽極のAl電極から電解Alを溶出させ、この電解Alを既設装置内に供給して、循環水中の塗料粒子を凝集させてフロックを生成する。このフロックが、既設装置の適宜箇所で別途添加したカチオンポリマーの作用(あるいはノニオン性やアニオン性の高分子凝集剤との併用作用)で成長し、既設の分離装置で分離される。
上記〔1〕、〔2〕のいずれの方法においても、分離装置、電解/分離一体化装置における分離方式は、例えば、浮上する凝集フロックを分離する浮上分離方式、濾過方式、遠心分離方式、掻き取り方式等である。
上記のようにして処理し、凝集フロックの生成分離を行った後の浄化水は、コロイドの当量値が+0.005meq/L〜+1meq/Lとなっていることが好ましい。
この程度の当量値であれば、循環水の使用中(湿式塗装ブースの稼動中)において、塗料粒子の凝集分離が良好に行われ、かつ発泡が良好に抑制され、発泡に起因する諸問題が生じることはない。
なお、このコロイド当量値の測定は、例えば、次のようにして行われる。
先ず、上記の浄化水(試験水)0.1〜1Lをビーカーに採取し、0.1%トルイジンブルー溶液を数滴〜適量加える。
次いで、これをマグネチックスターラーで攪拌しつつ、N/400−PVSK(ポリビニル硫酸カリウム)溶液で滴定する。
トルイジンブルー指示薬によるブルーが薄いピンク色に変化した時点におけるN/400−PVSK滴定量から、次の式を用いて、コロイド当量値を算出する。
コロイド当量値=1/400×N/400−PVSK滴定量(mL)÷試験水量(L)
本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)少量の電解Al量で、循環水中の塗料粒子を効果的に凝集フロック化することができる。
(2)この結果、電解装置が小型化でき。
(3)しかも、電極の交換頻度が少なくなり、メンテナンスの負担が軽減する。
(4)塗料からもたらされるアニオン性の成分をも効果的に分離除去することができるため、循環水の発泡等による種々の障害を少なくすることができる。
(5)循環水中の塗料種や塗料濃度が変化しても、安定して処理を行うことができる。
図1は、上記〔1〕の(a)の方法を実施するための一態様例を概略的に示す図であって、ピット1内の循環水Wが、循環ポンプ2aで塗装ブース3に送られ、塗装操作で発生する余剰の塗料粒子を循環水中に移行させて、再びピット1内に戻る。
この循環系において、ピット1内にAl電極を陽極とする電極4を浸漬し、循環水Wを電気分解する。この電気分解でAl電極から溶出した電解Alにより循環水W中の塗料粒子が凝集してフロックを生成し、図示省略の適宜箇所から添加されるカチオンポリマーによりこの凝集フロックを成長させ、ポンプ2bで既設の分離装置5に送られる。
この分離装置5は、本例では、浮上している凝集フロックFを掻き取る方式のもので、掻き取られたフロックFはスラッジ貯留槽51から、ライン52を介して系外に取り出され、浄化水がライン53からピット1内に戻され、塗装ブース3の循環水として再使用される。
なお、図1において、分離装置5の入口近傍部に、カチオンポリマーを、必要に応じてノニオン性やアニオン性の高分子凝集剤と共に、ライン54から供給するようにしてもよい。
図2は、上記〔1〕の(b)の方法を実施するための一態様例を概略的に示す図であって、図1と同一符号は図1と同義であり、本例では、ピット1に物理的制約があってピット1内に電極が浸漬できない場合に、ピット1とは別に電解装置11を設け、ピット1内の循環水Wの一部を抜き出してライン112により電解装置11内に導入する。
該電解装置11内で、該循環水を電極4により電気分解し、Al電極から溶出した電解Alを含む電解液(すなわち循環水)をポンプ2dによりピット1に戻し、ピット1内の循環水中の塗料粒子を凝集フロック化させる。もちろん、電解装置11内でも、循環水の電気分解と同時に該循環水中の塗料粒子を凝集しフロックを生成しており、このフロックも上記の電解液と共にピット1内に導入される。
ピット1内の凝集フロックは、図1の場合と同様に、図示省略の適宜箇所から添加されるカチオンポリマーにより成長され、ポンプ2bで既設の分離装置5に送られ、掻き取られ、スラッジ貯留槽51からライン52を介して系外に取り出される。
図3は、上記〔1〕の(c)の方法を実施するための一態様例を概略的に示す図であって、図1と同一符号は図1と同義である。
図3の例は、ピット1とは別に電解/分離一体化装置12を設けたものであって、この一体化装置12は、電解機能部121と分離機能部122を備えており、電解機能部121の電極4は、図1や図2の場合と同様に、Al電極を陽極とするものである。
図3において、ピット1内の循環水Wの一部が、ポンプ2bで抜き出され、一体化装置12の電解機能部121に送られ、該機能部121内で電気分解される。
この電解でAl電極から溶出した電解Alにより、電解機能部121内の循環水中の塗料粒子が凝集してフロックを生成する。このフロックは、図示省略の適宜箇所から添加されるカチオンポリマーにより、一体化装置12内で成長し、分離機能部122に送られる。
この分離機能部122は、本例では、遠心分離方式によるものであって、遠心分離された脱水ケーキCはケーキ回収箱51′から、ライン52を介して系外に取り出され、浄化水がライン53からピット1内に戻され、塗装ブース3の循環水として再使用される。
なお、図3においても、分離機能部122の入口近傍部に、カチオンポリマーを、必要に応じてノニオン性やアニオン性の高分子凝集剤と共に、ライン54から供給するようにしてもよい。
図4は、上記〔2〕の(d)の方法を実施するための一態様例を概略的に示す図であって、図1と同一符号は図1と同義である。
図4においては、循環水系の既設装置とは全く別個に電解装置6を設け、該装置6にAl電極を陽極とする電極4を設置し、ライン61から工業用水に電解質物質(例えば、食塩と酸)を配合した電解液を導入し、該電解液を電気分解する。
この電気分解でAl電極から溶出した電解Alを含む電解液が、ライン62からピット1内に送られ、ピット1内の循環水中の塗料粒子を凝集してフロックを生成する。
このフロックは、図1の場合と同様に、図示省略の適宜箇所から添加されるカチオンポリマーにより成長され、ポンプ2bで既設の分離装置5に送られる。
分離装置5では、浮上しているフロックFが掻き取られ、スラッジ貯留槽51からライン52を介して系外に取り出され、清浄水がライン53からピット1内に戻される。
もちろん、図4においても、分離装置5の入口近傍部に、カチオンポリマーを、必要に応じてノニオン性やアニオン性の高分子凝集剤と共に、ライン54から供給するようにしてもよい。
60mm×80mm×0.5mmのアルミニウム板の1対を厚木市水を入れたビーカーに浸漬した。
なお、電極は、ホルダーを使用して表1に示す各電極間距離を保持し、定電流電源装置を使用して表1に示す各電流で、表1に示す各時間で、電解処理した。
陽極のアルミニウム板につき、この電解処理の前後の重量差を測定し、この差をアルミニウム電解量とした。結果を表1に併せて示す。
Figure 2005095819
表1から明らかように、上記の電解処理で溶解したアルミニウムの量は、理論値(=0.093166×電流値×電解時間《秒》)に略一致している。
なお、理論量は、次のようにして求められる。
先ず、電解質中を電流が通過するとき、電極で遊離または析出する物質の量は電気量に比例し、同じ電気量で遊離または析出する物質の量はその化学当量に比例する。
ファラディの法則によれば、1グラム当量の溶解、析出に要する電気量が1ファラディで、96,494クーロンに相当する。電気量と電流値、電解時間との関係は、1A=1クーロン/秒である。
1クーロンの電気量で溶解または析出する物質の量を、その物質の電気化学当量といい、同一元素でも、イオン価、原子価に反比例する。
次に、1ファラディ(96,494クーロン)の電気量で溶解するアルミニウムは、アルミニウムのイオン価数が3であるから、1モルの1/3であり、アルミニウム1モル(26.97g)の溶解に要する電気量は、3ファラディ(96,494×3=289,482クーロン)である。
従って、1クーロンで溶解するアルミニウム(電気化学当量)は、26.97÷289,482≒0.093166mgで、1gのアルミニウムを溶解するには、289,482÷26.97≒10,733クーロンの電気量が必要であり、1Aの電流で電解すると、10,733秒で1gのアルミニウムが溶解することになる。
ビーカーに厚木市水500mLをとり、ここに塗料(水性中塗り用塗料、日本ペイント(株)製商品名“GWP−600”)1gを添加した後、実施例1で使用した電解装置を用い、以下の条件で電解した。
<電解条件>
電極間距離;5mmに保持
攪拌:マグネチックスターラーによる攪拌(200rpm)
電流:0.28Aの定電流
電解時間:表2に示す時間
上記の電解終了後、酸またはアルカリで試験水をpH6.7〜6.9に調整し、カチオンポリマー(アルキルアミン−エピクロルヒドリン縮合物)を表2に示す量で加えた。
このカチオンポリマー添加後、以下の条件で処理した。
<処理条件>
マグネチックスターラーを用い500rpmで3分間攪拌した。
上記条件での処理の後、5分間静置し、濁度とコロイド当量値を測定した。この結果を表2に併せて示す。
Figure 2005095819
表2から明らかなように、本発明の方法によれば、少量の電解Al量で水中の塗料粒子を効果的に凝集フロック化することができ、この結果、電解設備が小型化できることが判る。
本発明は、湿式塗装ブースに使用される余剰塗料の除去用循環水中の塗料粒子を効果的に除去することができ、該循環水の処理技術として有効に適用することができる。
本発明の一実施態様例を示す説明図である。 図1の変形例を示す説明図である。 本発明の他の実施態様例を示す説明図である。 本発明の更に他の実施態様例を示す説明図である。
符号の説明
1 既設の循環水ピット
11 電解装置
12 電解/分離一体化装置
2a,2b,2c ポンプ
3 塗装ブース
4 電極
5 分離装置
6 電解装置

Claims (5)

  1. 湿式塗装ブースの循環水を処理する方法において、
    前記循環水を、アルミニウムを陽極とする電気分解で溶出する電解アルミニウムと、別途供給するカチオンポリマーとで、処理し、前記循環水中の塗料を凝集分離することを特徴とする湿式塗装ブース循環水の処理方法。
  2. 循環水をアルミニウムを陽極として電気分解し、別途カチオンポリマーを添加することを特徴とする請求項1に記載の湿式塗装ブース循環水の処理方法。
  3. 循環水中に、別途生成した電解アルミニウムを添加し、別途カチオンポリマーを添加することを特徴とする請求項1に記載の湿式塗装ブース循環水の処理方法。
  4. カチオンポリマーが、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、アルキルアミン−エピクロルヒドリン縮合物、エチレンイミン重合物、アルキレンジクロライド−ポリアルキレンポリアミン縮合物、ジメチルアミノエチルアクリレート系重合物、ジメチルアミノエチルメタクリレート系重合物、ポリビニルアミジンからなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の湿式塗装ブース循環水の処理方法。
  5. 循環水中に含まれる塗料1gに対し、0.5〜60mgの電解アルミニウムと、0.5〜100mgのがカチオンポリマーが存在することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の湿式塗装ブース循環水の処理方法。
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