JP2005091241A - 磁性粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 体試料と混合あるいは反応させた後に、効率的に試料と分離することができる磁気ビーズ用の磁性粒子を提供する。
【解決手段】 金属酸化物を炭素で還元することによって得られる平均粒径1μm以下の金属粒子と、前記金属粒子を包含若しくは担持する炭素粒子若しくは炭素膜を有する磁気ビーズ用の磁性粒子を作製する。または、金属酸化物をホウ素で還元することによって得られる平均粒径1μm以下の金属粒子と、前記金属粒子を包含若しくは担持する窒化ホウ素粒子若しくは窒化ホウ素膜を有する磁気ビーズ用の磁性粒子を作製する。好ましくは、前記磁性粒子の表面を、金、銀もしくは白金族元素の少なくとも一つで構成される貴金属で被覆する。
【選択図】 図1

Description

生体物質を溶液中から抽出することや溶液中に分散させることに用いる磁性粒子に関する。特に、磁気ビーズとして用いる磁性粒子に係わる。
近年、医療診断や生物学的検査において微小な磁性粒子が利用されている。検体を固定する固相として超常磁性磁気ビーズが用いられ、タンパク質、細胞、DNAの分離、分析等に利用されている(例えば特許文献1)。超常磁性磁気ビーズとは、酸化鉄等の磁性体を磁区の大きさよりも小さい微粒子にしてビーズ中に分散して含ませたものであり、外部磁場が印加された時のみ強磁性を示す性質を有する。上記用途において磁性粒子は酸性またはアルカリ性溶液に曝されるため、表面が化学的に安定であることが好ましい。同時に目的物質を結合させる抗体が容易に張り付く表面であることが好ましい。そのためマグネタイト粒子にシリカ(SiO)をコートしたり(例えば、非特許文献1)、酸化鉄粒子にポリマーをコートする(例えば、非特許文献2)手法がある。また上記微粒子は比表面積が大きいため、効率良く抗体を貼り付けることができる。
特表平4−501956号公報(第3頁) Q.Liu,Z.Xu,J.A.Finch and R.Egerton, Chem.Mater., Vol.10,No.12(1998)p3936-3940 R.L.Edelstein, et al., Biosensers & Bioelectronics,14 (2000)p805-813
上記磁気ビーズ用の磁性粒子は、超常磁性を発現させるため、その粒度が主に1〜10nmと小さかった。そのため外部磁場によって磁性粒子に働く外力は極端に小さく、粒子を効率よく集めることができないという問題があった。更に溶液を排出する際に、磁場による吸引力が弱いために一旦集めた磁性粒子が流出してしまうという問題があった。
本発明の目的は、検体試料と混合あるいは反応させた後に、効率的に試料と分離することができる磁気ビーズ用の磁性粒子を提供することにある。
[1] 本発明の磁性粒子は、金属酸化物を炭素で還元することによって得られる平均粒径1μm以下の金属粒子と、前記金属粒子を包含若しくは担持する炭素粒子若しくは炭素膜を有することを特徴とする。望ましくは前記金属粒子の平均粒径を0.001〜1μmとする。
前記本発明の磁性粒子は、特に磁気ビーズ用の磁性粒子として用いることができる。ここで、“磁気ビーズ用”とは、生体物質を水溶液中から抽出したり、或いは生体物質を水溶液中に分散させるような用途に相当し、磁気ビーズとして用いることができるという意味である。従って、本願明細書において、“磁気ビーズ用”とは、本発明の磁性粒子の組成等を限定する用語ではない。
平均粒径は、例えば、金属超微粒子の試料粉末を溶媒中に分散させて、レーザー光線を照射して回折を利用して平均粒径を測定する方法(第1の方法)により求めることができる。あるいは、空気透過法(例えば、フィッシャー・サブ・シーブ・サイザー(F.S.S.S)法)により求めることができる(第2の方法)。高い測定精度を得るには、第1の方法を用いた市販の測定装置を用いる方が好ましい。なお、試料の量が微量である為、第1および第2の方法では平均粒径の測定が困難な場合には、試料を電子顕微鏡で観察して平均粒径を測定する(第3の方法)。例えば、試料の電子顕微鏡写真を取る。写真内で任意の面積内にある金属超微粒子の粒径を測定して平均値を求めたり、あるいは写真内で任意の長さの線分を引いて、線分の粒子を横断する部分の長さの和Lと線分が横断した粒子の数Nとから、平均粒径=L/Nとして求める。ただし、第3の方法では、測定対象の粒子の数が少なくとも20個以上となるようにして、平均値を得ることが望ましい。より望ましくは50個以上として平均値を求める。
[2] 本発明の他の磁性粒子は、金属酸化物をホウ素で還元することによって得られる平均粒径1μm以下の金属粒子と、前記金属粒子を包含若しくは担持する窒化ホウ素粒子若しくは窒化ホウ素膜を有することを特徴とする。望ましくは前記金属粒子の平均粒径を0.001〜1μmとする。
[3] 金、銀もしくは白金族元素の少なくとも一つで構成される貴金属で、上記[1]または[2]に記載の磁性粒子を被覆することが望ましい。
[4] 上記[1]乃至[3]の磁性粒子は、比表面積をγ(m/g)、粒度をr(μm)、密度をρ(g/cm3)としたときに、
γ>6/(r・ρ)
を満足することが望ましい。
[5] 本発明の他の磁性粒子は、窒化ホウ素若しくは炭素に包含若しくは担持された金属粒子と、被膜を備える磁性粒子であって、
前記金属粒子は平均粒径が0.001〜1μmであり、
前記被膜は、金、銀もしくは白金族元素の少なくとも一つで構成される貴金属であり、
比表面積をγ(m/g)、粒度をr(μm)、密度をρ(g/cm3)としたときに、γ>6/(r・ρ)を満たすことを特徴とする。
上記課題を解決するため、本発明では金属酸化物を炭素で還元することによって得られる平均粒径0.001〜1μmの金属粒子であって、炭素粉末が上記金属粒子を含んでいることを特徴とする磁性粒子、あるいは金属酸化物をホウ素で還元することによって得られる平均粒径0.001〜1μmの金属粒子であって、窒化ホウ素粉末が上記金属粒子を含んでいることを特徴とする磁性粒子、を提供する。磁性粒子が金属粒子であることから、従来の酸化鉄に比べて飽和磁化が向上する。このため、外部磁場と磁性粒子間の相互作用が増大し、効率良く粒子を集めることができる。無磁場中での粒子同士の磁気的凝集を抑制するために、磁性粒子に含まれる金属粒子としてはFe,Co,Niなどの軟磁性材料が好ましい。ただし上記磁性粒子はそもそも炭素粉末、あるいは窒化ホウ素粉末が磁性金属粒子を含んだ構造となっているため、自己凝集が生じ難い。
さらに、上記磁性粒子は貴金属で被覆されていることを特徴とする。貴金属としてはAu,Ag,Pt族元素(Pt,Pd)などが挙げられる。貴金属の被覆により、磁性粒子表面に抗体を付与することが容易となる。また、上記磁性粒子は、比表面積をγ(m/g)、粒度をr(μm)、密度をρ(g/cm3)とした時、
γ>6/(r・ρ)
を満足することを特徴とする。球状の一次粒子で構成された粉体において、比表面積と粒子径は一般に上式の両辺が等しい関係にある。しかし、本発明の磁性粒子は表面に多数の凹凸を有し、粒度から換算される比表面積よりも実際の比表面積が大きいことが特徴である。これにより、より多くの抗体を粒子表面に付与することができる。貴金属の被膜の厚さは粒子の平均粒径に比べて小さい方が好ましい。例えば、被覆前の磁性粒子の平均粒径が1μmとすると、貴金属被膜で被覆した後の平均粒径が1〜2μm程度となるようにする。
[6] 本発明の他の磁性粒子は、金属酸化物を炭素で還元することによって得られる平均粒径100μm以下の金属粒子と、前記金属粒子を包含若しくは担持する炭素粒子若しくは炭素膜を有し、磁気ビーズ用に用いられることを特徴とする。
[7] 本発明の他の磁性粒子は、金属酸化物をホウ素で還元することによって得られる平均粒径100μm以下の金属粒子と、前記金属粒子を包含若しくは担持する窒化ホウ素粒子若しくは窒化ホウ素膜を有し、磁気ビーズ用に用いられることを特徴とする。
本発明に係る磁性粒子を用いることにより、検体試料と混合あるいは反応させた後に、効率的に試料と磁性粒子を分離することができる。
以下に発明実施の形態を説明する。
(1)磁性粒子の作製
上記[1]および[2]の磁性粒子は以下の手法により作製されるものである。すなわち、本発明者らは、遷移金属、なかでもFe、Co、Niの少なくとも一つを含む金属酸化物粉末と炭素粉末とを、非酸化性の雰囲気中で加熱することにより炭素が金属酸化物を還元し、冷却過程で金属に固溶していた余剰の炭素が表面に析出することによって、炭素で被覆されたFe、Co、Niの少なくとも一つを含む金属粒子と炭素の混合粉末が生成することを見出した。また、遷移金属、なかでもFe、Co、Niの少なくとも一つを含む金属酸化物粉末とホウ素粉末とを、窒素を含む不活性雰囲気中で加熱することにより、ホウ素が金属酸化物を還元し、さらには余剰のホウ素が雰囲気中の窒素と反応して窒化ホウ素(以下、BNと称する)を生成し、BNで被覆されたFe、Co、Niの少なくとも一つを含む金属粒子とBNの混合粉末を合成できることを見出した。
金属酸化物を構成する金属元素としてはFe,Co,Niの少なくとも一つを含んでいればよく、Fe,Co,Niの少なくとも一つを含んだ合金の酸化物であってもよい。金属と酸素の組成比は特に限定されない。酸化物を原料とするため酸化安定性に優れており、大気中での取り扱いが容易である。金属酸化物粉末の平均粒径は還元後の金属粒子の平均粒径に影響するため、0.001〜1μmの範囲で選択できる。炭素粉末としては炭素単体の粉末が適しているが、炭素を含有する金属、半金属の粉末やポリビニルアルコールなどの高分子体の粉末も使用できる。炭素単体の粉末としては黒鉛、石墨、アモルファスカーボンやカーボンブラックなど、主要構成元素が炭素である粉末を使用できる。炭素粉末の平均粒径は0.001〜100μmの範囲内で選択できるが、より好ましくは0.1〜50μmとする。平均粒径が極端に微細であると、原料コストが高くなる。炭素粉末が50μmを越えると前記金属酸化物粒子と混合する際、分散に不均一が生じ、未反応生成物発生の原因となる。金属酸化物と炭素粉末の混合粉において、金属酸化物の含有率は5〜80mass%が好ましい。5mass%未満では金属含有率が極端に小さくなって収率が低くなる。80mass%を越えると炭素が不足して金属酸化物の還元が不十分となるとともに、金属粒子の粒成長が促進されて粗大粒発生の原因となる。金属酸化物粉末と炭素粉末との混合においては、乳鉢などで手動混合してもよいし、V字型混合機などの自動混合機を使用することもできる。
前記手法により得た混合粉を熱処理する際、アルミナ、黒鉛、BNなどの耐熱性かつ安定性に優れた材料で構成されるルツボを使用することができる。熱処理時の雰囲気は非酸化性雰囲気であれば特に限定されず、例えばAr、He、Neなどの不活性ガスや窒素ガスを使用する。熱処理温度は600℃以上の温度とすることができるが、実用的には1000〜1600℃が好ましい。1000℃未満の温度では熱処理時間が著しく長時間化する。1600℃を越える温度では加熱炉に耐熱部材を使用しなければならず製造コストが高くなる。熱処理中の反応は、以下の3工程を経る。
第一工程:炭素が金属酸化物を還元して炭酸ガスが発生し、還元された金属粒子と余剰の炭素粉が共存する工程。
第二工程:金属中に炭素が固溶する工程。
第三工程:冷却とともに金属粒子表面へ析出してきた炭素が成長して金属粒子を被覆する工程。
以上の工程より、金属酸化物を還元することによって得られた金属粒子であって、前記金属粒子の表面は炭素で被覆されており、平均粒径が0.001〜1μmであることを特徴とする磁性粒子が得られる。本発明の磁性粒子としてはFe、Co、Niの少なくとも一つを含む軟磁性金属粒子を核に有することが好ましい。
以下に、BNで被覆されたFe、Co、Niの少なくとも一つを含む金属粒子の製法を説明する。金属酸化物を構成する金属元素としてはFe,Co,Niの少なくとも一つを含んでいればよく、Fe,Co,Niの少なくとも一つを含んだ合金の酸化物であってもよい。金属と酸素の組成比は特に限定されない。酸化物を原料とするため酸化安定性に優れており、大気中での取り扱いが容易である。金属酸化物粉末の平均粒径は還元後の金属粒子の平均粒径に影響するため、0.001〜1μmの範囲で選択できる。ホウ素粉末としてはホウ素単体の粉末が適しているが、ホウ素を含有する金属あるいは半金属の粉末も使用できる。ホウ素粉末の平均粒径は0.001〜100μmの範囲内で選択できるが、より好ましくは0.1〜50μmとする。0.1μm未満のホウ素粉末は作製するのが困難であり、原料コストが高くなる。ホウ素粉末が50μmを越えると前記金属酸化物粒子と混合する際、分散に不均一が生じ、未反応生成物発生の原因となる。金属酸化物とホウ素粉末の混合粉において、金属酸化物の含有率は5〜80mass%が好ましい。5mass%未満では金属含有率が極端に小さくなって収率が低くなる。80mass%を越えるとホウ素が不足して金属酸化物の還元が不十分となるとともに、窒化ホウ素が生成しなくなる。ここで、mass%は、混合粉の単位質量当たりに含有される割合を百分率で表わすものである。
金属酸化物粉末とホウ素粉末との混合には、乳鉢などで手動混合してもよいし、V字型混合機などの自動混合機を使用することもできる。前記手法により得た混合粉を熱処理する際、アルミナ、黒鉛、BNなどの耐熱性かつ安定性に優れた材料で構成されるルツボを使用することができる。熱処理時の雰囲気は窒素を含む不活性雰囲気であって、窒素のみならず窒素とAr、窒素とHe、窒素とNe、窒素とアンモニア、あるいは窒素と水素、といった混合ガスも使用できる。安全性を考慮すれば窒素または窒素と不活性ガス(Ar,He,Neなど)との混合ガスを使用することが好ましい。熱処理温度は800℃以上の温度とすることができるが、実用的には1000〜1600℃が好ましい。1000℃未満の温度では熱処理時間が著しく長時間化する。1600℃を越える温度では加熱炉に耐熱部材を使用しなければならず製造コストが高くなる。熱処理中の反応は、以下の3工程を経る。
第一工程:ホウ素が金属酸化物を還元して、金属とホウ素とホウ素酸化物の混相状態となる工程。
第二工程:還元された金属とホウ素が反応して化合物を形成し、金属と金属ホウ化物とホウ素酸化物の混相状態となる工程。
第三工程:金属ホウ化物のホウ素が表面へ拡散して雰囲気中の窒素と反応し、BNが形成する工程。この工程で金属ホウ化物粒子がBNで被覆された金属粒子へと変化する。
以上の工程より、金属酸化物を還元することによって得られた金属粒子であって、前記金属粒子の表面は窒化ホウ素で被覆されており、平均粒径が0.001〜1μmであることを特徴とする磁性粒子が得られる。本発明の磁気ビーズ用の磁性粒子はFe、Co、Niの少なくとも一つを含む軟磁性金属粒子を核として有することが好ましい。
(2)貴金属の被覆
さらに、粒子表面に抗体を容易に貼り付けるために、上記磁性粒子の表面は貴金属で被覆されていることが好ましい。貴金属としてはAu,Ag,Pt,Pdなどが挙げられる。付与可能な抗体の選択性が広がるという点で、Auで被覆されることがより好ましい。貴金属の被覆法は電気めっき、無電解めっき、スプレーコート、晶析反応、メカノフュージョン、プラズマコート、CVD、PVD、等から選択される。
貴金属で被覆された磁性粒子は、その形状が真球ではなく凹凸のある表面を有しているため、比表面積をγ(m/g)、粒度をr(μm)、密度をρ(g/cm3)とした時、
γ>6/(r・ρ)
を満足する。ここでγは窒素ガスを用いたBET法により測定される値である。
以下、実施例について説明する。ただし、これら実施例によって本発明は必ずしも限定されるものではない。
(実施例1)
酸化鉄粉(堺化学工業(株)製、FRO−3)と炭素粉末(高純度化学社製、ca.5μm)を原料として用いた。ここで平均粒径は酸化鉄粉が0.03μm、炭素粉末が5μmである。酸化鉄粉と炭素粉末を5:5の割合で秤量し、V字型ミキサーによって10分間混合した。得られた混合粉をアルミナ製ボートに充填し、管状炉にて1100℃で2時間熱処理した。加熱時の雰囲気は窒素ガスとした。室温まで炉冷した熱処理済の混合粉は特に凝集は見られず、直接回収した。上記粉末のX線回折測定結果を図1のグラフに示す。主要ピークはグラファイトと鉄(α−Fe)である。さらに透過型電子顕微鏡により上記粉末を観察すると、図2に示すように鉄粒子をグラファイト膜が被覆していた。
図2は、TEM(透過型電子顕微鏡)で観察した実施例1に係る粒子の構造の顕微鏡写真である。TEM観察するにあたり、必要とされる試料調整以外、粒子への損傷や変異などを与える加工は一切施していない。図3は、図2の構造を模式的に説明する概略図であり、若干拡大している。磁性粒子1は、α−Feの粒子2の表面が全て所定の厚さのグラファイト薄膜10で被覆された粒子である。この被覆はα−Feの粒子2の表面を保護しており、効果的に酸化防止している。グラファイト薄膜10の外側に散在する凸部8,9は、グラファイトの異層が成長したものか、異物が付着したもののいずれかと推定される。α−Feの粒子2自体の明暗のパターン3a,3b,3cは、α−Feの粒子2の形状(略球形)に起因する干渉パターン(2点鎖線で表示)である。
α−Feの粒子の両端では、グラファイト薄膜の境界4が若干不明瞭に撮影されているため、点線で表示した。これは略球形の形状により全てに焦点を合わせることが難しいためであり、実際の形状が不明瞭になっている訳ではない。1点鎖線で輪郭を表示した領域は、磁性粒子1をTEM観察のサンプルホルダーに固定させるためのコロジオン膜5である。符号20の線と符号は、その3本線の長さが20nmに相当するスケールであり、図2を撮影した際のスケールに基づいて図3に付け加えたものである。
粒子および被覆膜の組成分析にはEDXおよびEELS分析を用いた。熱処理済の混合粉から非磁性粉を除去するため、アセトン中に上記粉末を投入して30分間超音波を印加した後、永久磁石を液面上部に近づけて磁性粒子だけを回収した。アセトンを自然乾燥させて磁性粉末とした。
(実施例2)
Niの磁性粉末1gをメッキ用下地処理液(商品名:エニパック)100ml中で88℃×5分間攪拌させてNi−P下地を設ける処理を施し、純水にて水洗した。その後、金メッキ用溶液(商品名:スーパーメックス)100ml中で75℃×10分間攪拌し、無電解金メッキを施した。純水にて水洗後、乾燥させることにより、平均粒径22μmの磁気ビーズ用の磁性粒子を得た。ここで平均粒径はレーザ回折測定装置(HORIBA製 LA−920)にて測定した。得られた磁性粒子をさらに凝集させた塊の様子を図4に示す。
ついで、窒素ガスをキャリアとしたBET法にて比表面積を測定した結果、BET比表面積は3.32m/gであった。式(1)においてr=22μm、ρ=8g/cmと仮定すると右辺は0.03となり、式(1)を満足していた。このことから、上記磁性粒子の比表面積は粒子を球状と仮定した場合の比表面積よりもはるかに大きいことがわかる。図4に磁性粒子の断面SEM像を示す。粒子は複雑な形状をしており、比表面積が大きいことを裏付けている。
図4は、磁気ビーズ用磁性粒子の断面を電子顕微鏡で観察した顕微鏡写真である。図5は、図4の様子を模写した模式図である。より詳細には、多数の磁性粒子を凝集させた塊20を基板21上に接着剤で固定し、基板ごと前記塊20を切断し、磁性粒子の断面を観察した。塊にて磁性粒子をつなぐ部分は下地膜やメッキ膜であり、粉末支持膜22と見なせる。凝集させた塊にすると、基板への固定と、明瞭な断面の露出とが容易である。断面において、1つの粒子に着目する。Ni粒子23は、Ni−Pの下地膜24に覆われており、さらに下地膜の表面は薄いAu膜25で被覆されている。
なお、Au膜の様子は図4では判り難いので、図4の一部を拡大し模写した図6の模式図に示す。Ni粒子23は下地膜24/Au膜25に被覆されていることがわかる。図5の右下に表示した点線は図5のスケールであり、その長さは7.50μmに相当する。図6の右下に表示した点線は、図6のスケールであり、その長さは600nmに相当する。なお、凝集していない単一の磁性粒子に限らず、図4及び図5に示す凝集させた磁性粒子の状態でも、粒子間の空隙が多い構造であるために、比表面積が大きく、磁気ビーズ用の磁性粒子として用いることができた。
(実施例3)
実施例1の磁性粒子についても、実施例2と同様にAuメッキ膜を被覆したところ、同様に磁気ビーズ用の磁性粒子として用いることができた。
生体物質を水溶液中から抽出することや水溶液中に分散させることに用いる磁性粒子に利用することができる。特に、磁気ビーズ用の磁性粒子として利用することができる。
熱処理後の粉末のX線回折パターンを示すグラフである。 電子顕微鏡で観察した粉末を構成する粒子の顕微鏡写真である。 図2の写真の構造を若干拡大して模写した概略図である。 磁性粒子の断面を電子顕微鏡で観察した顕微鏡写真である。 図4の写真の構造に対応する概略図である。 図4中の磁性粒子の状態を拡大して模写した概略図である。
符号の説明
1 磁性粒子、 2 α−Feの粒子、
3a,3b,3c 明暗のパターン、
4 グラファイト薄膜の境界、 5 コロジオン膜、
8,9 凸部、
10 グラファイト薄膜、
20 塊、 21 基板、 22 粉末支持膜、 23 Ni粒子、
24 下地膜、 25 Au膜

Claims (7)

  1. 金属酸化物を炭素で還元することによって得られる平均粒径1μm以下の金属粒子と、前記金属粒子を包含若しくは担持する炭素粒子若しくは炭素膜を有することを特徴とする磁性粒子。
  2. 金属酸化物をホウ素で還元することによって得られる平均粒径1μm以下の金属粒子と、前記金属粒子を包含若しくは担持する窒化ホウ素粒子若しくは窒化ホウ素膜を有することを特徴とする磁性粒子。
  3. 金、銀もしくは白金族元素の少なくとも一つで構成される貴金属で被覆されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の磁性粒子。
  4. 比表面積をγ(m/g)、粒度をr(μm)、密度をρ(g/cm3)としたときに、
    γ>6/(r・ρ)
    を満足する、請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性粒子。
  5. 窒化ホウ素若しくは炭素に包含若しくは担持された金属粒子と、被膜を備える磁性粒子であって、
    前記金属粒子は平均粒径が0.001〜1μmであり、
    前記被膜は、金、銀もしくは白金族元素の少なくとも一つで構成される貴金属であり、
    比表面積をγ(m/g)、粒度をr(μm)、密度をρ(g/cm3)としたときに、γ>6/(r・ρ)を満たすことを特徴とする磁性粒子。
  6. 金属酸化物を炭素で還元することによって得られる平均粒径100μm以下の金属粒子と、前記金属粒子を包含若しくは担持する炭素粒子若しくは炭素膜を有し、磁気ビーズ用に用いられることを特徴とする磁性粒子。
  7. 金属酸化物をホウ素で還元することによって得られる平均粒径100μm以下の金属粒子と、前記金属粒子を包含若しくは担持する窒化ホウ素粒子若しくは窒化ホウ素膜を有し、磁気ビーズ用に用いられることを特徴とする磁性粒子。













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