JP2005091052A - イオン排除分離−uv吸光度増大システムによる弱塩基性イオンの高感度計測方法 - Google Patents

イオン排除分離−uv吸光度増大システムによる弱塩基性イオンの高感度計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 検出器応答の増大を可能とする弱塩基性イオンの計測方法を提供する。
【解決手段】 溶離液として水を用い、水酸化物イオン型弱塩基性陰イオン交換樹脂カラムのイオン排除作用により、強塩基性イオンと弱塩基性イオン(アンモニウムやヒドラジンイオン等)を分離後、その試料をUV吸光検出増大カラムにより、UV吸収検出器応答を増大させ高感度検出を可能にする弱塩基性イオンの計測方法。
【効果】 従来の方法と比べ、アンモニウムイオンは約39.6倍、ヒドラジンは92.6倍の検出感度の増大と、広範囲な検量線の直線性を示すものである。これにより、雨水に含まれるアンモニウムイオンの定量及びボイラー水中のヒドラジンの定量に適応することができ、無(低)公害かつ高感度・高精度な計測を可能にする。
【選択図】図3

Description

本発明は、弱塩基性イオンの高感度計測方法に関するものであり、更に詳しくは、溶離液として水を用い、水酸化物イオン型弱塩基性陰イオン交換樹脂カラムのイオン排除作用により、強塩基性成分から弱塩基性成分を分離した後、UV吸光度を有する陰イオンを吸着させた強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムにより、各々分離された弱塩基性成分のUV吸収検出器応答を増大させる高感度定量法に関するものである。
本発明は、例えば、環境水試料等に含まれるアンモニウムイオン、ヒドラジンイオン等の弱塩基性イオンの高精度計測技術の分野において、従来の方法と比べ、弱塩基性イオンが約30〜100倍のUV検出器感度の増大と、広範囲な検量線の直線性を示すことを可能とする弱塩基性イオンの高感度・高精度計測方法を提供するものであり、更に、本発明は、分離から検出までのプロセスが水のみで達成できることから、2次汚染を生じない無公害、かつ簡便な計測方法を提供するものとして有用である。
一般に、JISやISOなどの公定法によるアンモニア(あるいはアンモニウムイオン)の計測は、主に比色法(非特許文献1)やイオン電極法などによって行われている。しかし、比色法の場合、反応試薬は有害なフェノール類を使用するのに加え、測定操作が煩雑であり、共存物の影響を受けやすいという問題がある。また、イオン電極法では、強アルカリ条件(pH12以上)においてアンモニウム透過性膜を用いているため、膜への透過率の変化などによる再現性に問題がある(非特許文献2)。従って、これらの方法は、無公害、かつ高精度なアンモニウムイオンの計測には不向きである。
また、ヒドラジンは、NH2 ・NH2 の化学式で示される無機化合物であり、例えば、ボイラー給水の溶存酸素除去剤として用いられているが、特に火力発電に使われるボイラー水については、高度な水質管理が要求されており、その処理が求められている(非特許文献3)。即ち、近年では、産業・農業排水に含まれるヒドラジンの人体への悪影響が懸念されており、各分野でのヒドラジン計測の開発が要求されている(非特許文献4)。ヒドラジンの定量は、比色法(非特許文献5)、分光光度法(非特許文献6)、あるいは電位差滴定法(非特許文献7)等で行なわれている。いずれの方法も、選択的なヒドラジンの高感度計測を可能にするものの、それらの反応試薬が有害化学物質である場合が多く、測定廃液による2次汚染の危険性が伴うという問題がある。
以上の事例を含め、いずれの化学物質を対象とした環境計測においても、可能な限り無(低)公害な分析法の開発が重要であると考えられる。既に、アンモニウムイオンやエタノールアミン類などの弱塩基性成分の計測は、塩基性陰イオン交換樹脂を充填した分離カラムを用い、溶離液を水としたイオン排除作用に基づいたイオン排除型クロマトグラフィーを駆使して行なわれており、いくつかの報告例もある(非特許文献8−10、12)、この計測法の利点は、高濃度の強塩基性成分から選択的に分離し、再現性の高い定量結果が得られること、また、溶離液が水であるため、計測後の廃液による2次汚染が最小限に抑制できることである。その際の試料の検出は、電気伝導度検出器やUV吸光検出器を用いていることが多いが、いずれの弱塩基性成分も検出感度が低く、検出限界が約0.1〜10ppmと種々な実際試料に適用する上では高く、これらが、イオン排除型クロマトグラフィーでの重要な問題点であった。
以前、田中らは、水酸化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を分離カラムとして用い、第1導電率増大カラムを塩化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂、第2導電率増大カラムを水素イオン型強酸性陽イオン交換樹脂として、生物学的硝化―脱窒素処理工程水中のアンモニウムイオンを最終的に塩酸に変換した高感度検出を行っている(非特許文献2)。しかし、水酸化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂によってアンモニウムイオンとヒドラジンの分離を行った場合、図1で示すように、イオン排除効果が弱く、分離が達成されないことが明らかであり、共存物の妨害を避けることができない。また、この手法での検出限界が約500ppbであり、この手法では、ボイラー水中の数十〜数百ppbオーダーのヒドラジンを精度よく検出することは困難である。また、分離カラムによるアンモニウムイオンのイオン排除分離の後に、陽イオン交換膜(サプレッサー)を接続することによって、イオン交換を利用しつつ最終的に塩酸に変換することによる導電率検出器応答の増大が試みられている(非特許文献11)。しかし、この手法は、検出器応答の増加に用いられる陽イオン交換膜の効果が、製品毎によって異なった結果を示す点が問題とされている。
JIS K0120、工場排水試験方法、 (1981) p.126 田中一彦、黒川利一、中島良三、J.S.Fritz、分析化学37(1988)99 山内 進、足利一彦、HORIB A TechnicalReport 12 (1996) 65 G. Choudhary, H. Hansen,Chemosphere 37 (1998) 801 L. Szebelledy, Z. Somogyi, Z.An al. Chem. 122 (1988) 391 F. Dias, A.S. Olojola, B.Joselskis, Talanta 26 (1979) 47 W.R. McBride, R.A. Heny, S.Slcolnik, An al. Chem. 23 (1951) 890 K. Tanaka, T. Ishizuka, H.Sunahara, J. Chromatogr. 177 (1979) 21 K. Tanaka, K. Ohta, J.S.Fritz, J. Chromatogr. A 739 (1996) 317 森 勝伸、田中一彦、ムラドヘラレ−、クスクン、古月文志、長谷部清、佐藤真治、水処理技術44(2003) 259 黒川利一、田中一彦、中嶋良三、松井春夫、分析化学38(1989) 109 M. Mori, K. Tanaka, M. I. H.Helaleh, Q. Xu, M. Ikedo, Y. Ogura, S. Sato, W. Hu, K. Hasebe, P. R. Haddad, J.Chromatogr. A 997 (2003) 219
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上述の諸問題を抜本的に解決することを可能とする新しい計測方法を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、はじめに分離カラムの選択により、環境水中に高濃度に共存する強塩基性イオンから、イオン排除作用による選択的・高分解能な弱塩基性イオンの分離を達成し、分離カラムの後に接続されるUV検出器応答増大カラムの検討により、各々分離された試料の高感度化を図る方法を採用することにより所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、イオン排除作用及びUV吸光度増大システムによる弱塩基性イオンの高感度計測方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明、以下の技術的手段から構成される。
(1)試料中の弱塩基性イオンを選択的、かつ高感度に分離計測する方法であって、溶離液として水を用い、水酸化物イオン型弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填した分離カラムによる選択的イオン排除分離を行った後、各々分離された弱塩基性イオンを、イオン交換作用を利用したUV検出増大カラムに導入することによりUV検出器応答を増大させて高感度に検出することを特徴とする弱塩基性イオンの計測方法。
(2)強塩基性イオンを多く含む環境水試料中のアンモニウムイオン及びヒドラジンイオンを選択的、かつ高感度に同時分離計測するUV検出イオン排除型クロマトグラフィーにおいて、分離カラムとして水酸化物型の弱塩基性陰イオン交換樹脂及び溶離液として水を用い、弱塩基性イオンを水酸化物としてイオン排除作用により共存陽イオンから分離した後、硝酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したUV検出増大カラムにより硝酸アンモニウム及び硝酸ヒドラジンに変換し、約200〜250nmにおける吸収極大波長において検出する、前記(1)に記載の計測方法。
(3)アルカリ金属、アルカリ土類金属を多く含む環境水試料中のアンモニウムイオン及びヒドラジンイオンを選択的、かつ高感度に同時分離計測するUV検出イオン排除型クロマトグラフィーにおいて、分離カラムとして水酸化物型の弱塩基性陰イオン交換樹脂及び溶離液として水を用い、弱塩基性イオンを水酸化物としてイオン排除作用により共存陽イオンから分離した後、ヨウ化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したUV検出増大カラムによりヨウ化物アンモニウム及びヨウ化物ヒドラジンに変換し、約210〜260nmにおける吸収極大波長において検出する、前記(1)に記載の計測方法。
(4)アルカリ金属、アルカリ土類金属を多く含む環境水試料中のアンモニウムイオン及びヒドラジンイオンを選択的、かつ高感度に同時分離計測するUV検出イオン排除型クロマトグラフィーにおいて、分離カラムとして水酸化物型の弱塩基性陰イオン交換樹脂及び溶離液として水を用い、弱塩基性イオンを水酸化物としてイオン排除作用により共存陽イオンから分離した後、亜硝酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したUV検出増大カラムにより亜硝酸アンモニウム及び亜硝酸ヒドラジンに変換し、約200〜240nmにおける吸収極大波長において検出する、前記(1)に記載の計測方法。
(5)アルカリ金属、アルカリ土類金属を多く含む環境水試料中のアンモニウムイオン及びヒドラジンイオンを選択的、かつ高感度に同時分離計測するUV検出イオン排除型クロマトグラフィーにおいて、分離カラムとして水酸化物型の弱塩基性陰イオン交換樹脂及び溶離液として水を用い、弱塩基性イオンを水酸化物としてイオン排除作用により共存陽イオンから分離した後、チオシアン酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したUV検出増大カラムによりチオシアン酸アンモニウム及びチオシアン酸ヒドラジンに変換し、約210〜260nmにおける吸収極大波長において検出する、前記(1)に記載の計測方法。
(6)アルカリ金属、アルカリ土類金属を多く含む環境水試料中のアンモニウムイオン及びヒドラジンイオンを選択的、かつ高感度に同時分離計測するUV検出イオン排除型クロマトグラフィーにおいて、分離カラムとして水酸化物型の弱塩基性陰イオン交換樹脂及び溶離液として水を用い、弱塩基性イオンを水酸化物としてイオン排除作用により共存陽イオンから分離した後、モリブデン酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したUV検出増大カラムによりモリブデン酸アンモニウム及びモリブデン酸ヒドラジンに変換し、約220〜260nmにおける吸収極大波長において検出する、前記(1)に記載の計測方法。
(7)アルカリ金属、アルカリ土類金属を多く含む環境水試料中のアンモニウムイオン及びヒドラジンイオンを選択的、かつ高感度に同時分離計測するUV検出イオン排除型クロマトグラフィーにおいて、分離カラムとして水酸化物型の弱塩基性陰イオン交換樹脂及び溶離液として水を用い、弱塩基性イオンを水酸化物としてイオン排除作用により共存陽イオンから分離した後、安息香酸、サリチル酸及びフタル酸イオンのような芳香族カルボン酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したUV検出増大カラムにより芳香族カルボン酸化し、約210〜300nmにおける吸収極大波長において検出する、前記(1)に記載の計測方法。
(8)ボイラー水試料中のヒドラジンイオンを選択的、かつ高感度に分離計測するUV検出イオン排除型イオンクロマトグラフィーにおいて、分離カラムとして水酸化物イオン型弱塩基性陰イオン交換樹脂及び溶離液として水を用い、ヒドラジンイオンを水酸化ヒドラジンとしてイオン排除作用により他の共存陽イオンから分離した後、この水酸化物を硝酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したUV検出増大カラムにより硝酸ヒドラジンに変換し、約200〜250nmにおける吸収極大波長において検出する、前記(1)に記載の計測方法。
(9)河川水や雨水などの環境試料中又は血清や体液中の生体試料中のアンモニウムイオンの高選択的分離並びに、UV吸光度における高感度検出を同時に達成しうるイオン排除型イオンクロマトグラフィーにおいて、分離カラムとして水酸化物型の弱塩基性陰イオン交換樹脂及び溶離液として水を用い、アンモニウムイオンを水酸化アンモニウムとしてイオン排除作用により他の共存陽イオンから分離した後、この水酸化物を硝酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したUV検出増大カラムにより分析対象試料を硝酸アンモニウムにし、約200〜250nmにおける吸収極大波長において検出する、前記(1)に記載の計測方法。
(10)医薬品又は化粧品試料中のエタノールアミン類を選択的かつ高感度に同時分離計測するUV検出イオン排除型クロマトグラフィーにおいて、水酸化物イオン型の弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填した分離カラムを用い、水溶離液においてエタノールアミンを水酸化エタノールアミンとして共存陽イオンから分離した後、硝酸イオン型の強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したUV検出増大カラムにより硝酸エタノールアミンにし、約200〜250nmにおける吸収極大波長において検出する、前記(1)に記載の計測方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明では、はじめに弱塩基性イオンの分離能改善の課題を解決するために、強塩基性イオンから選択的に弱塩基性イオンをイオン排除作用に基づいて分離し、更に、弱塩基性間の分離能向上のために、従来用いられてきた強塩基性陰イオン交換樹脂分離カラムの替わりに、溶離液の種類やpHによってイオン排除効果の増減を容易に制御しうる弱塩基性陰イオン交換樹脂分離カラムを適用することを特徴としている。
これは、水酸化物イオン型弱塩基陰イオン交換樹脂カラムにより、弱塩基性イオン試料を水酸化物に変換し、イオン排除効果を向上させる能力が、水酸化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂カラムよりも優れているからである。
次に、分離後の弱塩基性イオンのUV吸光検出器における感度増大の課題を解決するために、広域の波長領域においてUV吸光度の大きい陰イオン種を強塩基性陰イオン交換樹脂に吸着させ、それをカラムに充填したものを分離カラムとUV検出器の間に接続する。例えば、UV検出増大カラムとして硝酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂カラムを本システムに組込み、アンモニウムイオンを分離計測する場合、はじめに分離カラムに注入されたアンモニウムイオンは、水酸化物イオン強塩基性陰イオン交換樹脂分離カラムによって、水酸化アンモニウムに変換され、イオン排除作用によって強塩基性陽イオンから分離され、次に、硝酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂カラムにより硝酸アンモニウムに変換される。
このとき、アンモニウムイオンの対イオンである硝酸イオンは、約200〜250nmの極大吸収波長において高い吸光度係数を示すことから、結果として硝酸イオンと結合しているアンモニウムイオンの劇的な検出器応答の増大が可能となる。この効果は、アンモニウムイオンを含め、酸解離定数(pKb)が3よりも大きい弱塩基性イオンであれば、他の共存陽イオン成分から分離され、更に、従来よりも最低でも約30倍以上の検出器応答の増大が可能となるものである。また、UV検出増大カラムとして強塩基性陰イオン交換樹脂上に吸着させるイオンは、硝酸イオンをはじめ、ヨウ化物イオン、亜硝酸イオン、チオシアン酸イオン、モリブデン酸、安息香酸イオン、サリチル酸イオンあるいはフタル酸イオンといった200nm以上の広い波長領域においてUV吸収を有する陰イオンであれば適応可能であり、いずれの場合も良好な結果が得られる。
更に、弱塩基性陰イオン交換樹脂分離カラムは、充填されたゲルのサイズが10μm以下であり、長さが5cm以上のものを用いれば、水溶離液において良好な分離が達成される。なお、分離後のUV検出増大カラムに関しては、長さにほとんど依存しないため、実施準備が容易である利点を持ち合わせている。そして、計測終了後の2次汚染の発生を最小限に抑えることについても、計測過程において水のみで実施することから、0.1mLの注入試料以外はほとんど無公害である。これにより、本発明の方法は、弱塩基性イオンの分離改善のみならず、各々の試料の広範囲な検量線の直線性(約0.001〜100ppm)と、検出限界の拡大(約0.1ppb)が示され、雨水中のアンモニウムイオン、ボイラー中のアンモニウムイオンとヒドラジンイオンの同時計測及び化粧品中のエタノールアミン類の定量など、幅広い実際試料への適用を可能にする。
本発明では、溶離液として水を用い、水酸化物イオン型弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填した分離カラムを用いることによって、共存する強塩基性イオンから、例えば、アンモニウムイオン、ヒドラジン、トリエタノールアミン及び各種弱塩基性イオンを選択的に分離が達成される。好適には、例えば、分離カラムとUV検出器の間に、硝酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムを接続することによって、分離された各弱塩基性イオンをイオン交換作用により硝酸イオン型(例えば、硝酸アンモニウム)に変換し、200〜250nmにおける吸収極大波長において、検出応答の増大が達成される。
また、例えば、分離カラムとUV検出器の間に、ヨウ化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムを接続することによって、分離された各弱塩基性イオンをイオン交換作用によりヨウ化物イオン型(例えば、ヨウ化アンモニウム)に変換し、210〜260nmにおける吸収極大波長において、検出応答の増大が達成される。また、例えば、分離カラムとUV検出器の間に、亜硝酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムを接続することによって、分離された各弱塩基性イオンをイオン交換作用により亜硝酸イオン型(例えば、亜硝酸アンモニウム)に変換し、200〜250nmにおける吸収極大波長において、検出応答の増大が達成される。
また、例えば、分離カラムとUV検出器の間に、チオシアン酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムを接続することによって、分離された各弱塩基性イオンをイオン交換作用によりチオシアン酸イオン型(例えば、チオシアン酸アンモニウム)に変換し、210〜260nmにおける吸収極大波長において、検出応答の増大が達成される。また、例えば、分離カラムとUV検出器の間に、モリブデン酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムを接続することによって、分離された各弱塩基性イオンをイオン交換作用によりモリブデン酸イオン型(例えば、モリブデン酸アンモニウム)に変換し、220〜260nmにおける吸収極大波長において、検出応答の増大が達成される。
更に、例えば、分離カラムとUV検出器の間に、安息香酸、サリチル酸及びフタル酸イオンなどの芳香族カルボン酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムを接続することによって、分離された各弱塩基性イオンをイオン交換作用により芳香族カルボン酸イオン型(例えば、サリチル酸アンモニウム)に変換し、210〜300nmにおける吸収極大波長において、検出応答の増大が達成される。本発明のシステムにおいて計測される試料の検出限界は、弱塩基性成分全てに対し、10pbb以下であるため、本発明の方法は、環境から生体関連まで幅広い分野での実際試料に適用することが可能である。また、ナトリウム、カリウム、カルシウムあるいはマグネシウムイオンなどの強塩基性成分は、相互の分離は達成されないものの、本発明を適用することによって、30倍近くのUV検出器応答の増大が可能である。
本発明では、分離カラムによって分離された試料が、UV検出増大カラムを通過した後も、その分離状態を保つことができる。本発明の方法で用いられるカラムは全て1meq/ml以上の高交換容量を有するものであり、これらのカラムの寿命はかなり長いものと考えられる。本発明の実施例では、検量線作成において、0.001−100ppmまでの標準試料、5種類の雨水そして1種類のボイラー試料を計100回近くカラムに注入したが、UV吸光度増大カラムはいずれも再生処理することなく連続使用が可能であった。なお、UV吸光度増大カラムは、0.01〜1Mの酸(硝酸、ヨウ化物など上述した陰イオンを有する酸)を10分間流通することによって再生することができる。使用されるカラムの全体の長さを短くする(例えば20cm以下)ことによって、ポータブル型のイオンクロマトグラフにも導入することができ、オンサイトでの環境モニタリングが可能である。
本発明により、(1)分離カラムだけを用いる従来法よりも更に広範囲な検量線の直線性と、検出感度の増大が示されることから、雨水、上水道、ボイラー水などに微量に含まれるアンモニウムイオンやヒドラジンイオンの同時定量や、河川、下水道、工業排水など多量に含まれるアンモニウムイオンの定量が可能となる、(2)化粧品や薬品などのpH緩衝剤として用いられるエタノールアミン類の品質管理のための計測にも適用可能である、(3)本発明は、複雑な前処理を必要としない簡便・迅速・高選択的な高感度測定法であり、種々な環境水中のアンモニウムイオンやヒドラジンイオンの簡便、迅速で選択的な分離計測を可能にし、従来の公定法(インドフェノール法やネスラー法等)のように複雑な操作や有害な試薬を使用することのない、無(低)公害な計測法を提供できる、という効果が奏される。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
本実施例では、分離カラムとして水酸化物イオン型弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填したものを用い、UV検出増大カラムとして硝酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したものを用いた。このとき、200〜250nmにおける吸収極大波長において、弱塩基イオンの最も良好な検出応答の増大が達成される。
(1)実施条件
以下に、実施条件について述べる。
用いたイオンクロマトグラフは、UV−8020型UV検出器、DP−8020型送液ポンプ、CO−8020型カラム恒温槽及びSD−8022型オンラインデガッサー(全て東ソー製)で構成されたものである。また、得られたデータの解析・管理は、専用のLC−8020−Model IIデータプロセッサーを用いて行った。試料注入量は0.1mLとし、分離カラム温度及び溶離液流速は、本法での最適条件を検討する上で適宜変化させた。また、波長領域は、200−250nmの範囲で行った。
分離カラムは、ポリメタクリレートをマトリックスとする弱塩基性陰イオン交換樹脂TSKgel DEAE−5PW(長さ7.5cm、内径7.8mm)を水酸化物イオン型として用いた。UV検出増大カラムは、ポリジビニルベンゼンをマトリックスとする強塩基性陰イオン交換樹脂TSKgel SAX(長さ4.5cm、内径4.8mm)を硝酸イオン型として用いた。このシステムのフローシートは図2に示す。
図2のフローシートは、1は水溶離液、2は送液ポンプ(1ml/min)、3は試料導入部(100μl)、4は分離カラム(水酸化物イオン型弱塩基性陰イオン交換樹脂)、5はUV吸光度増大カラム(硝酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂)、6はUV吸光度検出器、そして7は記録計を示したものである。
標準試料として用いた試薬(全て和光純薬製)は、目的に応じて適宜希釈して調製した。標準試薬は、ナトリウム、アンモニウム、ヒドラジンの塩化物をそれぞれ0.1M水溶液に調製し、適宜希釈して使用した。なお、溶離液及び標準試料に用いた水は、いずれもイオン交換後の蒸留水である。ボイラー水試料は、ボイラー給水(東ソー株式会社(山口県周南市)において用いられる)から採取した。雨水は、屋上で採取したものを用いた。これら全ての実際試料は、直ちに孔径0.2μmのメンブランフィルターによってろ過後、分離カラム内に注入した。
(2)実施結果
以下に、実施結果について述べる。
図3は、分離カラムの後に接続されているUV検出増大カラムの効果を検討するために、試料として1ppmのナトリウム、アンモニウム、ヒドラジンイオン水溶液を分離カラムに注入し、各々のカラムの直後でUV吸光度(210nm)をモニターし、得られたクロマトグラムを比較したものである。
なお、従来法において、溶離液として水を用い、導電率検出における強塩基性及び弱塩基性陰イオン交換樹脂カラムを分離カラムとした共存する強塩基性陽イオンとアンモニウムイオンのみの分離はすでに成功している(非特許文献10、12)ものの、強塩基性陽イオン、アンモニウムイオン及びヒドラジンイオンのUV吸光度検出による同時分離は初めての試みである。図3(A)において示されるように、分離カラムのみでの試料陽イオンのUV検出は、かなり低い検出器応答であることがわかった。これは、分離カラムから溶出した水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム及び水酸化ヒドラジンが全て低いUV吸光度を示すためである。
UV検出増大カラムの直後でモニターされたクロマトグラムでは、図3(B)に示されるように、各イオンのUV検出器応答の劇的な増大が見られる。これらの増加率をピーク面積より算出したところ、ナトリウムイオンは24.2倍、アンモニウムイオンは39.6倍、そしてヒドラジンイオンは92.6倍のUV検出器の増大が認めることができた。これは、分離カラムを通過した後のイオンが強いUV吸収を有する硝酸イオンとイオン結合したために、検出器応答が増大したものである。
本発明は、2本の異なったカラムを直列に連結させ、水酸化物イオン型弱塩基性陰イオン交換樹脂カラムにより強塩基性のアルカリ金属・アルカリ土類金属からアンモニウム及びヒドラジンイオンを水酸化物として選択的に分離し、更に、各成分をイオン交換反応に基づくUV吸光度増大カラムによって高感度に計測する方法である。図4は、水溶離と分離カラムのみ用いた場合と、更に、UV吸光度増大カラムを組み合わせた場合でのナトリウムイオン、アンモニウムイオンそしてヒドラジンイオンの検量線を比較したものを示す。なお、UVの吸収波長を200nm〜250nmまで5nmずつ変化させたとき、いずれの場合も検量線の良好な直線性を示すことが可能である。ナトリウム、アンモニウム及びヒドラジンイオンは、0.01ppmから100ppmの濃度範囲において良好な直線性を示すことができ、この方法が検量線の直線性の点でも有効な手段であることを示している。
本発明の実施例として、種々な水質を有する雨水試料のアンモニウムイオンの定量に適用した。その結果、図5に示すように、アンモニウムイオンは、雨水中に共存する陽イオンから6分以内に選択的、かつ高感度に分離検出することが可能である。このとき、図5(A)での雨水試料は降り始めてから1日目のものであり、図5(B)での雨水試料は4日目のものである。いずれも同じ時間・同じ場所で採取したものであるが、大気中のアンモニアが雨水中にアンモニウムイオンとして取り込まれ、日数の経過に伴いアンモニウムイオンの濃度が減少することを示している。その他の雨水試料に関するアンモニウムイオンの定量結果は、上記の試料を含め表1にまとめた。
Figure 2005091052
次の本発明の実施例として、本法を、工場(東ソー株式会社)の火力発電として用いられているボイラー水中のヒドラジンの定量に用た例を示す。図5は、0.2μmメンブランフィルターでろ過後の実際試料のクロマトグラムを示す。このときのボイラー試料には、比較的高濃度のアンモニウムイオン(62ppb)が定量されている。これは、ボイラー水に水酸化アンモニウムがpH緩衝剤として添加されているためである。本法から得られた結果より、ボイラー水試料中に含まれるヒドラジンイオンの濃度は24ppbであった。この結果は、工場で実際に行なわれている比色法での測定結果(24ppb)と一致していることを示し、本法は、その他のボイラー試料に関するヒドラジンの定量にも適用可能である。それらをまとめた結果は、上記の試料を含め表2にまとめた。
Figure 2005091052
硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム及び硝酸ヒドラジンとしてモニターされた各成分の検出限界は、S/N=3において、各々0.9pbb、0.6ppb及び2ppbであり、この手法が高感度な方法であることを認めた。また、本法で用いられたカラムは、全て1meq/ml以上の高交換容量を有するものであり、これらのカラムの寿命はかなり長いものと考えられる。本発明の実施例では、検量線作成において、0.01−100ppmまでの標準試料、5種類の雨水そして1種類のボイラー試料を計50回カラムに注入したが、UV吸光度増大カラムはいずれも再生処理することなく連続使用が可能であった。なお、UV吸光度増大カラムは、0.1Mあるいは1Mの硝酸を10分間流通することによって再生することができる。
本発明は、環境水中のアンモニウムイオン及びヒドラジンイオンなどの弱塩基性成分の高分解能な分離とUV吸光に対する高感度な検出を同時に達成するものである。そのため、次のような特徴と展開が挙げられる。このシステムにおける大きな特徴の一つ目は、水酸化物イオンを吸着した弱塩基性陰イオン交換樹脂カラムと水溶離液の組合せによって、強塩基性陽イオン、アンモニウムイオン、エチレンジアミン、ヒドラジン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンの順で完全分離が達成されることである。仮に上述以外の弱塩基性イオンが共存している場合でも、実際試料においては、これら全てのイオンが共存することはないため、特別な薬品を用いることなく、希釈や固形物除去による前処理のみで、分離カラムに注入でき、分離が達成される。
二つ目は、UV検出増大カラムの調整が、硝酸やヨウ化水素などUV吸収を有する陰イオンを含む酸を用いることによって簡単に処理できるため、特別な反応薬品の調製、特別なコーティングなどのスキームを必要とせず、扱うイオンクロマト装置が上記と異なったとしても対応が可能である。三つ目は、カラムの長さにあまり依存することなく、目的物質の分離及び高感度検出が可能であるため、更に、カラム内に充填されるゲルの表面積が大きくなれば、カラムの全長が数cmの大変コンパクトな形態になるため、環境計測におけるオンサイト化のためのポータブル型弱塩基イオンモニターへの進展が十分に期待できる。これにより、本発明は、生活排水、河川水、雨水などの環境水中やボイラー水中のアンモニウムイオン及びヒドラジンイオンの同時計測、生鮮食品の腐敗原因物質でアルキルアミン類のモニター、あるいは食品や化粧品などに添加されているエタノールアミン類の品質管理などを簡便かつ高精度に計測情報を処理することが可能となり、種々な実際試料に対応した新規なモニタリングシステムになりうる高いポテンシャルを有するものである。
また、近年話題になっている光触媒材料によるアルキルアミン類からアンモニウムイオンまでの酸化分解過程を同時に観察することを可能とする特徴も持ち合わせている。最後に、本システムにおいての溶離液が脱イオン化した蒸留水でのみであることから、2次汚染を極力低減させた計測法として大変有力である。また、本発明の特徴を生かし、環境計測システムの分野だけでなく、無(低)公害なものつくりを目指す新しい研究分野(グリーンケミストリー)における「2次汚染防止のための安全管理システム」へ展開することによって、一層の利用拡大が期待できるものと捉えている。
水酸化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂カラムによるナトリウム、アンモニウム及びヒドラジンイオンの分離を示す(分離カラム:強塩基性陰イオン交換樹脂TSKgel SAX(水酸化物イオン型)、溶離液:水、試料注入量:100μl、流量:1ml/min、検出波長:210nm、試料濃度:100ppm、ピーク番号:1=ナトリウムイオン、2=アンモニウムイオン+ヒドラジンイオン)。 弱塩基性物質に対するUV吸光度増大システムの概略図を示す。 UV吸光度増大カラムの存在下及び非存在下におけるナトリウム、アンモニウム及びヒドラジンイオンの分離を示す(分離カラム:弱塩基性陰イオン交換樹脂TSKgel DEAE−5PW(水酸化物イオン型)、UV吸光度増大カラム:強塩基性陰イオン交換樹脂TSKgel SAX(硝酸イオン型)、カラムの組合せ:A=分離カラムのみ、B=A+UV吸光度増大カラム、試料濃度:1ppm、ピーク番号:1=ナトリウムイオン、2=アンモニウムイオン、3=ヒドラジンイオン。他の実験条件は、図1の説明と同じ)。 UV吸光度増大カラムを存在及び非存在下におけるナトリウム、アンモニウム及びヒドラジンイオンの検量線を示す(◇=分離カラムのみ;ナトリウムイオン、△=分離カラムのみ;アンモニウムイオン、○=分離カラムのみ;ヒドラジンイオン、◆=分離カラム+UV吸光度増大カラム;ナトリウムイオン、▲=分離カラム+UV吸光度増大カラム;アンモニウムイオン、●=分離カラム+UV吸光度増大カラム;ヒドラジンイオン。他の実験条件は、図1の説明と同じ)。 雨水中のアンモニウムイオンの測定を示す(雨水試料:A=pH4.9(5.8ppm)、B=pH4.2(1.7ppm)、1=共存する陽イオン、2=アンモニウムイオン。他の実験条件は、図1の説明と同じ)。 ボイラー水中のヒドラジンイオンの測定を示す(ボイラー水試料:水加ヒドラジンと水酸化アンモニウムが混合された箇所から採取したものを試料とした。ピーク番号:ピーク番号:1=アンモニウムイオン、2=ヒドラジンイオン。他の実験条件は、図1の説明と同じ)。
符号の説明
(図2の符号)
1 水溶離液
2 送液ポンプ(1ml/min)
3 試料導入部(100μl)
4 分離カラム(水酸化物イオン型弱塩基性陰イオン交換樹脂)
5 UV吸光度増大カラム(硝酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂)
6 UV吸光度検出器
7 記録計

Claims (10)

  1. 試料中の弱塩基性イオンを選択的、かつ高感度に分離計測する方法であって、溶離液として水を用い、水酸化物イオン型弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填した分離カラムによる選択的イオン排除分離を行った後、各々分離された弱塩基性イオンを、イオン交換作用を利用したUV検出増大カラムに導入することによりUV検出器応答を増大させて高感度に検出することを特徴とする弱塩基性イオンの計測方法。
  2. 強塩基性イオンを多く含む環境水試料中のアンモニウムイオン及びヒドラジンイオンを選択的、かつ高感度に同時分離計測するUV検出イオン排除型クロマトグラフィーにおいて、分離カラムとして水酸化物型の弱塩基性陰イオン交換樹脂及び溶離液として水を用い、弱塩基性イオンを水酸化物としてイオン排除作用により共存陽イオンから分離した後、硝酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したUV検出増大カラムにより硝酸アンモニウム及び硝酸ヒドラジンに変換し、約200〜250nmにおける吸収極大波長において検出する、請求項1に記載の計測方法。
  3. アルカリ金属、アルカリ土類金属を多く含む環境水試料中のアンモニウムイオン及びヒドラジンイオンを選択的、かつ高感度に同時分離計測するUV検出イオン排除型クロマトグラフィーにおいて、分離カラムとして水酸化物型の弱塩基性陰イオン交換樹脂及び溶離液として水を用い、弱塩基性イオンを水酸化物としてイオン排除作用により共存陽イオンから分離した後、ヨウ化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したUV検出増大カラムによりヨウ化物アンモニウム及びヨウ化物ヒドラジンに変換し、約210〜260nmにおける吸収極大波長において検出する、請求項1に記載の計測方法。
  4. アルカリ金属、アルカリ土類金属を多く含む環境水試料中のアンモニウムイオン及びヒドラジンイオンを選択的、かつ高感度に同時分離計測するUV検出イオン排除型クロマトグラフィーにおいて、分離カラムとして水酸化物型の弱塩基性陰イオン交換樹脂及び溶離液として水を用い、弱塩基性イオンを水酸化物としてイオン排除作用により共存陽イオンから分離した後、亜硝酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したUV検出増大カラムにより亜硝酸アンモニウム及び亜硝酸ヒドラジンに変換し、約200〜240nmにおける吸収極大波長において検出する、請求項1に記載の計測方法。
  5. アルカリ金属、アルカリ土類金属を多く含む環境水試料中のアンモニウムイオン及びヒドラジンイオンを選択的、かつ高感度に同時分離計測するUV検出イオン排除型クロマトグラフィーにおいて、分離カラムとして水酸化物型の弱塩基性陰イオン交換樹脂及び溶離液として水を用い、弱塩基性イオンを水酸化物としてイオン排除作用により共存陽イオンから分離した後、チオシアン酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したUV検出増大カラムによりチオシアン酸アンモニウム及びチオシアン酸ヒドラジンに変換し、約210〜260nmにおける吸収極大波長において検出する、請求項1に記載の計測方法。
  6. アルカリ金属、アルカリ土類金属を多く含む環境水試料中のアンモニウムイオン及びヒドラジンイオンを選択的、かつ高感度に同時分離計測するUV検出イオン排除型クロマトグラフィーにおいて、分離カラムとして水酸化物型の弱塩基性陰イオン交換樹脂及び溶離液として水を用い、弱塩基性イオンを水酸化物としてイオン排除作用により共存陽イオンから分離した後、モリブデン酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したUV検出増大カラムによりモリブデン酸アンモニウム及びモリブデン酸ヒドラジンに変換し、約220〜260nmにおける吸収極大波長において検出する、請求項1に記載の計測方法。
  7. アルカリ金属、アルカリ土類金属を多く含む環境水試料中のアンモニウムイオン及びヒドラジンイオンを選択的、かつ高感度に同時分離計測するUV検出イオン排除型クロマトグラフィーにおいて、分離カラムとして水酸化物型の弱塩基性陰イオン交換樹脂及び溶離液として水を用い、弱塩基性イオンを水酸化物としてイオン排除作用により共存陽イオンから分離した後、安息香酸、サリチル酸及びフタル酸イオンのような芳香族カルボン酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したUV検出増大カラムにより芳香族カルボン酸化し、約210〜300nmにおける吸収極大波長において検出する、請求項1に記載の計測方法。
  8. ボイラー水試料中のヒドラジンイオンを選択的、かつ高感度に分離計測するUV検出イオン排除型イオンクロマトグラフィーにおいて、分離カラムとして水酸化物イオン型弱塩基性陰イオン交換樹脂及び溶離液として水を用い、ヒドラジンイオンを水酸化ヒドラジンとしてイオン排除作用により他の共存陽イオンから分離した後、この水酸化物を硝酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したUV検出増大カラムにより硝酸ヒドラジンに変換し、約200〜250nmにおける吸収極大波長において検出する、請求項1に記載の計測方法。
  9. 河川水や雨水などの環境試料中又は血清や体液中の生体試料中のアンモニウムイオンの高選択的分離並びに、UV吸光度における高感度検出を同時に達成しうるイオン排除型イオンクロマトグラフィーにおいて、分離カラムとして水酸化物型の弱塩基性陰イオン交換樹脂及び溶離液として水を用い、アンモニウムイオンを水酸化アンモニウムとしてイオン排除作用により他の共存陽イオンから分離した後、この水酸化物を硝酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したUV検出増大カラムにより分析対象試料を硝酸アンモニウムにし、約200〜250nmにおける吸収極大波長において検出する、請求項1に記載の計測方法。
  10. 医薬品又は化粧品試料中のエタノールアミン類を選択的、かつ高感度に同時分離計測するUV検出イオン排除型クロマトグラフィーにおいて、水酸化物イオン型の弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填した分離カラムを用い、水溶離液においてエタノールアミンを水酸化エタノールアミンとして共存陽イオンから分離した後、硝酸イオン型の強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したUV検出増大カラムにより硝酸エタノールアミンにし、約200〜250nmにおける吸収極大波長において検出する、請求項1に記載の計測方法。
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