JP2005089827A - Al−Si共晶合金、Al合金製鋳物、鋳造用Al合金およびそれらの製造方法 - Google Patents

Al−Si共晶合金、Al合金製鋳物、鋳造用Al合金およびそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Al−Si共晶が粥状凝固したAl−Si共晶合金を提供する。
【解決手段】本発明のAl−Si共晶合金は、全体を100質量%としたときに9〜13質量%のSiと主成分であるAlとからなり、Al−Si共晶からなる粒状の共晶粒がAl−Si共晶からなる共晶マトリックス中に分散した複合共晶組織を有することを特徴とする。このAl−Si共晶合金は、成分組成的な偏在がなく、鋳造性に優れ、Si量も多いため、強度、耐摩耗性、耐熱性等に優れる。
【選択図】図3

Description

本発明は、アルミニウム(Al)−ケイ素(Si)の共晶を備えた、Al−Si共晶合金、Al合金製鋳物、鋳造用Al合金およびそれらの製造方法に関するものである。
軽量化の要請が益々強くなる昨今、従来の鉄系部材の多くがアルミニウム系部材に移行している。このようなアルミニウム系部材として、例えば、自動車のエンジン部材、シャーシ部材、ホイール等がある。この内、高い強度や靱性が要求される部材は鍛造等により製造されることも多いが、複雑形状の部材や薄肉の部材等は鋳造によって製作されることも多い。この鋳造方法にも色々あるが、いずれの場合でも、優れた鋳造性が要求されることに変わりない。特に、鋳造品を低コストで量産する場合、非常に高い鋳造性が要求される。ここで鋳造性に優れる場合とは、例えば、鋳造欠陥等がなく、鋳造品の機械的性質等が部位に拘わらず安定していることである。鋳造欠陥には、鋳巣、引け、割れ等があるが、このような鋳造欠陥は、流動性の低下した溶湯が鋳型の細部まで回らなかったり、溶湯が液相から固相に変化する際の凝固収縮等によって生じる。また、鋳造品の機械的性質(例えば、強度や靱性等)のバラツキは、前記鋳造欠陥による他、金属組成や組織等が部位によって偏在することによっても生じ得る。
このような鋳造性を改善する目的で、鋳造用Al合金の組成、鋳型の方案、溶湯加圧の有無、溶湯の状態等が種々工夫されている。その一つにAl−Si系合金を用いたセミソリッド鋳造法がある。これは、初晶Alや初晶Siからなる固相と残余の液相とが混在した固液共存状態の溶湯(スラリ)を、鋳型のキャビティへ注湯等するものである。なお、本明細書では、便宜上、適宜、完全な液相状態にある合金を「溶湯」と呼び、固液共存状態の合金を「スラリ」と呼んで、両者を区別する。ちなみに、通常、初晶Alが晶出するのはSi量が共晶組成よりも少ないAl−Si亜共晶合金の場合に多く、初晶Siが晶出するのはSi量が共晶組成よりも多いAl−Si過共晶合金の場合に多い。
セミソリッド鋳造法の場合、キャビティに注入されたスラリは、半凝固状態または半溶融状態から凝固するため、完全な溶融状態にある溶湯を一気に凝固させる通常の鋳造法の場合に比べて、凝固収縮量が少なく、それに伴う鋳巣、引け、割れ等の鋳造欠陥の発生が抑制される。また、セミソリッド鋳造法の場合、比較的低温での鋳造が可能であり、また、凝固の際に放出される顕熱も小さい。このため、型寿命の長期化等が図られると共に凝固時間も短く成形サイクルの短縮を図れ、低コスト化、生産性の向上等も可能となる。
このように多くの利点を備えたセミソリッド鋳造法は、例えば、下記の特許文献に開示されている。特許文献1はAl−Si亜共晶合金について開示したものであり、特許文献2はAl−Si過共晶合金について開示したものである。
特開2002−105611号公報 特表2002−535488号公報 特開平8−325652号公報(段落0010)
従来のセミソリッド鋳造法は、固液共存状態中の固相として初晶Al(α−Al)や初晶Siを利用したものであり、全体的な組成は、亜共晶または過共晶のAl−Si合金となっていた。これらの合金の組織をミクロ的に観れば、初晶Alまたは初晶Siからなる部分と、Al−Si共晶からなる部分とに分れ、組成的に均一とはなっていなかった。このため、例えば、複雑な薄肉形状の部材を鋳造した場合、部位によって組成や組織が偏在したものとなり易い。何故なら、キャビティの末端や薄肉部分等には流動性の高い液相が優先的に流れ、固相である初晶はそのような部分に流れずに、特定箇所に滞留し、そのような状態で全体が凝固してしまうからである。従って、従来のような亜共晶または過共晶のAl−Si合金でセミソリッド鋳造法を行っても、必ずしも良好な鋳物が得られず、前述した鋳造性が十分には改善されていなかった。
また、Si量が共晶点付近かそれ以上あるAl−Si合金の場合、従来のセミソリッド鋳造法を行うと、固液共存状態のスラリは、鋳型のキャビティ壁面から凝固を始める表皮形成型の凝固形態となり、粥状の凝固形態とはならなかった。このため、従来、セミソリッド鋳造を行っても、機械的性質等に優れた鋳物は得られなかった。
なお、上記特許文献3の段落0010には、共晶組成に近いAl−Si系合金にSrを添加すると、共晶Siを微細化し延性を向上させ得る旨が記載されている。しかし、Srの添加に依る共晶Si微細化の効果は、従来から知られているものに過ぎない。また、上記特許文献3には、Mg合金にSrを添加したものしか開示されておらず、共晶組成に近いAl−Si系合金にSrを添加したものは開示されていない。さらに、後述する本発明のような複合共晶組織に関する記載は特許文献3に全くない。ちなみに、Mg合金にSrを添加しているのは鋳造引けを改善するためであって、本発明の意図とするところと全くことなる。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものある。つまり、合金全体が主にAl−Si共晶からなり、組成の偏在等のほとんどないAl−Si共晶合金、Al合金製鋳物、鋳造用Al合金およびそれらの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、共晶組成のAl−Si合金であっても、粒状をした共晶組織が別の共晶組織中に分散した複合共晶組織を形成し得ることを新たに見出し、これに基づいて本発明を完成させるに至った。
(Al−Si共晶合金)
すなわち、本発明のAl−Si共晶合金は、全体を100質量%としたときに9〜13質量%のSiと主成分であるAlとからなり、Al−Si共晶からなる粒状の共晶粒がAl−Si共晶からなる共晶マトリックス中に分散した複合共晶組織を有することを特徴とする。
(Al合金製鋳物)
本発明は、そのような複合共晶組織をもつAl合金製鋳物としても把握できる。
すなわち、本発明は、全体を100質量%としたときに9〜13質量%のSiと主成分であるAlとからなる溶湯またはスラリを鋳型に注入し凝固させて得られ、Al−Si共晶からなる粒状の共晶粒がAl−Si共晶からなる共晶マトリックス中に分散した複合共晶組織を有することを特徴とするAl合金製鋳物としても良い。
(鋳造用Al合金)
本発明は、そのAl合金製鋳物を鋳造する際の原料(ビレット、スラグ等)となる鋳造用Al合金としても把握できる。
すなわち、本発明は、全体を100質量%としたときに9〜13質量%のSiと主成分であるAlとからなり、Al−Si共晶からなる粒状の共晶粒がAl−Si共晶からなる共晶マトリックス中に分散した複合共晶組織を有しており、加熱した際に、該共晶粒からなる固相と該共晶マトリックスの溶融した液相とが共存したスラリとなり得ることを特徴とする鋳造用Al合金としても良い。
(Al−Si共晶合金の製造方法)
上記Al−Si共晶合金は、例えば、次のようにして得られ、本発明はその製造方法として把握しても良い。
すなわち、本発明は、全体を100質量%としたときに9〜13質量%のSiと主成分であるAlとからなる溶湯を、Al−Si共晶が晶出しない第1冷却域で冷却する第1冷却工程と、該第1冷却工程後の溶湯を、Al−Si共晶からなる粒状の共晶粒が晶出する第2冷却域で冷却する第2冷却工程とを備え、該共晶粒がAl−Si共晶からなる共晶マトリックス中に分散した複合共晶組織を有するAl−Si共晶合金が得られることを特徴とするAl−Si共晶合金の製造方法としても良い。
(Al合金製鋳物の製造方法)
上記Al合金製鋳物は、例えば、次のようにして得られ、本発明はその製造方法として把握しても良い。
すなわち、本発明は、全体を100質量%としたときに9〜13質量%のSiと主成分であるAlとからなると共にAl−Si共晶からなる固相が液相と共存したスラリを調製するスラリ調製工程と、該スラリを鋳型に注入する注入工程と、該注入されたスラリを冷却して凝固させる凝固工程とを備え、Al−Si共晶からなる粒状の共晶粒がAl−Si共晶からなる共晶マトリックス中に分散した複合共晶組織を有するAl合金製鋳物が得られることを特徴とするAl合金製鋳物の製造方法としても良い。
(鋳造用Al合金の製造方法)
上記鋳造用Al合金は、例えば、次のようにして得られ、本発明はその製造方法として把握しても良い。
すなわち、本発明は、全体を100質量%としたときに9〜13質量%のSiと主成分であるAlとからなる溶湯を、Al−Si共晶が晶出しない第1冷却域で冷却する第1冷却工程と、該第1冷却工程後の溶湯を、Al−Si共晶からなる粒状の共晶粒が晶出する第2冷却域で冷却する第2冷却工程とを備え、該共晶粒がAl−Si共晶からなる共晶マトリックス中に分散した複合共晶組織を有すると共に加熱した際に該共晶粒からなる固相と該共晶マトリックスの溶融した液相とが共存したスラリとなり得る鋳造用Al合金が得られることを特徴とする鋳造用Al合金の製造方法としても良い。
なお、本明細書でいう冷却域、冷却工程または冷却速度は、「冷却」と表現しているが、必ずしも温度変化(特に、温度降下)を伴うものである必要はない。例えば、第2冷却域や第2冷却工程等のように温度が一定の場合もある。従って本明細書では、温度が低下しない場合であっても冷却と規定する。
(発明の作用効果)
上記本発明の作用および効果について説明する。なお、以下では主に、Al−Si共晶合金およびその製造方法について説明するが、それらはAl合金製鋳物、鋳造用Al合金およびそれらの製造方法にも適宜該当するものである。本発明のAl合金製鋳物および鋳造用Al合金は、上位概念である本発明のAl−Si共晶合金に包含される下位概念だからである。
本発明のAl−Si共晶合金は、Al−Si共晶からなる共晶粒と、同じくAl−Si共晶からなりその共晶粒が分散した共晶マトリックスとからなる複合共晶組織を有する。従来のAl合金と異なり、金属組織中に存在する分散組織とマトリックス組織とが共にAl−Si共晶からなるため、少なくとも、成分組成的な偏在は著しく少ない。従って、どの部位を切り出しても、また、鋳物の部位に拘わらず、組成的に安定している。その結果、製品毎のバラツキも抑制でき、安定した機械的性質が期待できる。また、本発明のAl−Si共晶合金は、従来の亜共晶合金に比べてSi量が多いため、強度、耐摩耗性、耐熱性等の点で優れた特性を発現し得る。
ここで、本発明でいう「Al−Si共晶」とは、いわゆる学術的に定義されるただ1点の共晶点で形成される組成を必ずしも意味しない。当業者が組織観察によって一般的に共晶と判断し得るものであれば足る。また、同一合金内においても、共晶粒毎に若しくは共晶マトリックスの部分によって厳密な共晶組成は異なり得る。平均的に観て、本発明の上記組成範囲内で収まれば十分である。さらに、AlやSi以外の含有合金元素によって、Al−Si共晶点は変動し、その組成を厳密に特定することは困難である。そこで本発明では、Al合金全体として、Si量を9〜13質量%と定めた。
Si量が9質量%未満では、従来の亜共晶合金と大差なく、良好な複合共晶組織は得られず、機械的性質の向上も望めない。Si量が13質量%超では、従来の過共晶合金と大差なく、初晶からなる粗大なSi相が出現すると共にその周囲にAl−Si共晶(共晶Si相)が針状に晶出するようになり、良好な複合共晶組織は得られず、むしろ鋳物の強度や靱性等の機械的性質を低下させるようになる。他の合金元素量にも依るが、Si量の下限は10質量%、10.5質量%さらに11質量%としても良く、Si量の上限は12.5質量%、12質量%としても良い。このSi量が共晶点から多少ずれている場合に、共晶マトリックス中に共晶粒以外の初晶Al(α−Al)や初晶Siがポツポツと晶出していても良い。
また、本発明のAl−Si共晶合金は、Si以外にも、合金の強度、靱性、耐摩耗性または耐熱性等の機械的性質、鋳造性や組織微細化等を図れる各種合金元素を含んでいても良い。それらの合金元素は、共晶粒や共晶マトリックス等に固溶した状態で存在しても良いし、AlやSiと金属間(化合物)を形成して晶出または析出した状態で存在していても良い。このような合金元素として、Fe、Mg、Mn、Cu等がある。また、後述するが、共晶粒の形成に有効なストロンチウム(Sr)等もある。
このようなAl−Si共晶合金からなる鋳物(本発明のAl合金製鋳物)は、前述したように、部位に依らずにほぼ均一な組成をもち、さらに、その組織が共晶粒からなるか共晶マトリックスからなるかは別にして、主に共晶からなるため、機械的性質も安定しており、かつ、優れたものである。そして、本発明のような複合共晶組織からなる鋳物は凝固収縮量が少なく、鋳造欠陥等も少ないので歩留まりや生産性の点でも優れる。
また、このような鋳物を製造する際に、本発明のAl−Si共晶合金からなる鋳造用Al合金を原料として用いると、本発明の複合共晶組織をもつ鋳物を容易に得ることができる。具体的には、その鋳造用Al合金を加熱して半溶融状態のスラリとする。このスラリは、複合共晶組織中の共晶粒が固相となり、共晶マトリックスが少なくとも部分的に溶融して液相となったものである。このように液相線と固相線との間で加熱して得られた固液共存状態のスラリを用いれば、スラリの温度も比較的低くなり型寿命を延ばせる。また、全体が凝固する際の凝固収縮量も小さくため、前述したように、鋳造欠陥等も少なく、鋳造性が改善される。ちなみに、本発明の鋳造用Al合金であっても、液相線以上に加熱すれば、全体が溶融した液相状態、つまり溶湯となるのは当然である。
ところで、本発明のAl−Si共晶合金は、例えば、前述したように、冷却工程の多段化により得られるが、現状、そのメカニズムは定かではない。この製造方法の詳細については後述する。
上記本発明の最良の実施形態について説明する。なお、ここでも主に、Al−Si共晶合金およびその製造方法について説明するが、それらはAl合金製鋳物、鋳造用Al合金およびそれらの製造方法にも適宜該当する。
(1)組成
本発明のAl−Si共晶合金は、主成分がAlでSiが上記組成範囲内であり(以下、この範囲の組成を「共晶組成」という。)、複合共晶組織が形成される限り、その他の合金元素の種類や組成は問わない。このような合金元素として、例えば、SrやCuがある。
Srは、本発明の複合共晶組織を得る上で、非常に有効な元素である。上記共晶組成をもつAl合金の溶湯にSrを含有させることで、その溶湯中から共晶粒となるAl−Si共晶の固相が粥状に晶出し易くなる。そしてその溶湯は、全体が粥状のスラリとなった後に凝固する。つまり、粥状凝固をする。一方、その溶湯中にSr等を含有させない場合、溶湯は鋳型のキャビティ壁面から共晶組織を形成するようになり、表皮形成型の凝固形態となり易い。この場合、共晶組織が形成されるとしても、本発明でいうような複合共晶組織は得難い。
このSrは、合金全体を100質量%としたときに、0.003〜0.3質量%含まれると好ましい。0.003質量%(30ppm)未満では少なすぎて十分な効果が得られない。0.3質量%(3000ppm)超では、Al−Si共晶が粒状に晶出せず、粗い針状組織となって、機械的性質を低下させ得る。その下限は0.005質量%、その上限は0.05質量%であるとより好ましい。
Cuは、本発明でいう共晶粒を微細に晶出させると共に固溶強化によってAl−Si共晶合金の機械的性質を向上させ得る。このCuは、合金全体を100質量%としたときに、5質量%以下とするのが好ましい。Cuが5質量%超になると、上記Srを含む場合に、それによるAl−Si共晶を粒状化する効果を低下若しくは無くしてしまう。その結果、前述した粥状の凝固形態とならずに表皮形成型の凝固形態となって、本発明でいう複合共晶組織が得難くなる。Cuの上限は4質量%さらには3.5質量%以下とするのが好ましい。また、その下限は特に限定されないが、0.5質量%さらには1質量%とするのが好ましい。
(2)組織
本発明のAl−Si共晶合金は、前述したように、共晶マトリックス中に共晶粒が分散した複合共晶組織をもつことを大きな特徴とする。共晶粒や共晶マトリックスの組織の形態は問わないが、その組織が微細である程、機械的性質等に優れるので好ましい。また、共晶粒の形状は、球形状に近い程、界面における共晶マトリックスとの整合性が良く、強度、靱性等の点で好ましい。共晶粒の平均粒径は、例えば、3mm以下が好ましい。共晶粒のアスペクト比は、例えば、1〜1.5が好ましい。
(3)製造方法
本発明のAl−Si共晶合金を製造する場合、所定組成の溶湯からAl−Si共晶が晶出する前の冷却速度が重要と考えられる。勿論、本発明の場合でも、鋳型内の溶湯中から共晶が晶出している段階では、その期間の長短は別にして、温度が基本的に変化せず、その部分(第2冷却域)での冷却速度はほぼ零と考えられる。
本発明者が鋭意研究したところ、この第2冷却域で、粒状の固相(共晶粒)が晶出して溶湯が粥状のスラリとなるか否かは、そこに至る前の第1冷却域における冷却方法が重要であることが解った。このAl−Si共晶が晶出する前の第1冷却域における冷却速度(これを適宜「第1冷却速度」という。)が遅すぎると、粒状のAl−Si共晶が晶出したとしても、その周囲に粗大な針状のSi相が出現して、機械的性質が低下する。一方、その第1冷却速度が速すぎると、鋳物から鋳型への単位時間当りの熱流量が多く、第2冷却域における凝固初期において表皮形成型の凝固形態を呈するため好ましくない。
その第1冷却速度を具体的にいえば、少なくとも前記第1冷却域の末期の冷却速度が2〜10℃/secであると好適である。ここで、第1冷却域の末期とは、第2冷却域へ移行していく部分である。その冷却速度の下限は3℃/secさらには4℃/secであっても良い。また、その冷却速度の上限は9℃/secさらには8℃/secであっても良い。
ところで、合金組成が厳密な共晶点から多少ずれている場合、初晶としてα−Alが晶出することがある。このとき、α−Alが晶出しながら溶湯の温度は低下し続ける。この冷却域は、共晶の晶出の開始前の前記第1冷却域と共晶の晶出の開始後の前記第2冷却域とを接続するものとなる。言い換えれば、その冷却域(移行冷却域)を介して、第1冷却域から第2冷却域へ温度変化が移行していくこととなる。なお、この移行冷却域は、第1冷却域または第2冷却域の一部と考えても良い。
このような場合でも、やはり、Al−Si共晶の晶出前の冷却速度が重要であることに変わりない。本発明者が鋭意研究したところ、第1冷却域から第2冷却域へ移行する移行冷却域での冷却速度は、第1冷却工程の冷却速度より遅く第2冷却工程の冷却速度より速いと良い。従って、本発明の製造方法は、このような冷却速度で第1冷却工程後の溶湯を冷却する移行冷却工程を備えると好適である。移行冷却域における冷却速度は、α−Alの晶出によって変化するため、一義的に特定することは困難であるが、基本的にはAl−Si共晶が晶出を開始する直前の冷却速度に着目すれば良い。これを客観的に評価するために、移行冷却行程で、移行冷却域における最大の冷却速度が0.3℃/sec以上となるようにすると好適である。その冷却速度はさらに、0.5〜2℃/secとするとより好ましい。なお、本明細書では、冷却速度の正負を、単位時間経過後に温度が降下するときを「正」の冷却速度として考えている。
ちなみに、第1冷却域、移行冷却域および第2冷却域の関係は、図1を参照すると良い。これは、実施例欄に示したように、Al−11%Si−3%Cu(JIS ADC12相当)の合金に、400ppm(0.04質量%)のSrを添加した溶湯を冷却していったときの時間(t)と温度(T)との関係を示す冷却線図である。
次に、本発明のAl合金製鋳物の製造方法について説明する。前述したように、この製造方法は、Al−Si共晶からなる固相と液相とが共存したスラリを調製するスラリ調製工程と、そのスラリを鋳型に注入する注入工程と、注入後のスラリを冷却、凝固させる凝固工程とを備えてなる。Al合金製鋳物の組織が本発明でいう複合共晶組織となる限り、各工程の詳細な内容は問わない。スラリ調製工程は、例えば、全体を100質量%としたときに9〜13質量%のSiと主成分であるAlとからなると共にAl−Si共晶からなる粒状の共晶粒がAl−Si共晶からなる共晶マトリックス中に分散した複合共晶組織を有する鋳造用Al合金を加熱して半溶融させる半溶融工程であると好適である。鋳造原料として複合共晶組織を有する鋳造用Al合金を使用することで、温度管理等だけで容易に前記スラリが得られるので、生産性や鋳造装置の簡素化等を図れる。勿論、スラリ調製工程は、例えば、完全に溶融している溶湯を鋳造機等のスリーブに通し、その中で冷却速度を調整して、上記スラリを得る工程であっても良い。このとき、注入工程は、得られた溶湯をスリーブから鋳型へ連続的に注入するものであると効率的である。
量産される多くのAl合金製鋳物は、ダイキャスト品である。この場合、上記注入工程は、前記スラリを金型のキャビティ内へ射出する射出工程となる。このセミソリッド鋳造法によれば、例えば、複雑形状の鋳物、薄肉の鋳物または大型鋳物等をダイキャスト鋳造した場合であっても、急冷に伴う凝固収縮量が少なく、鋳造欠陥等の抑止された鋳物が得られる。
(4)用途
本発明のAl合金製鋳物は、鋳造後に熱処理を施しても良いが、熱処理を施さない鋳放し状態でも、優れた強度、耐摩耗性、耐熱性等を発揮する。本発明のAl−Si共晶合金からなるダイキャスト鋳造品(Al合金製鋳物)であれば、鋳造に要するサイクルタイムも短かく、鋳造後の加工等がほとんど不要であり、強度や耐摩耗性、耐熱性等に優れた鋳物が低コストで得られる。
本発明のAl合金製鋳物の用途は種々考えられるが、例えば、次のようなものがある。自動車や二輪車の分野ではエンジンブロックやシリンダヘッド等のエンジン部材、ボディ構造用部材、シャシ部材、ホイール、スペースフレーム、ステアリングホイール(芯金)、シートフレーム、サスペンションメンバー、ミッションケース、プーリ、オイルパン、シフトレバー、インスツルメントパネル、ドアインパクトパネル、吸気用サージタンク、ペダルブラケット、フロントシュラウドパネル等である。
実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
本発明でいう複合共晶組織をもつ鋳造用Al合金(以下、「ビレット」という。)を用いて、所望形状のダイキャスト鋳造品(Al合金製鋳物)を製作することを想定し、以下のような試験を行った。
(ビレットの製造)
表1に示す成分組成をもつ溶湯を調製した。単位は質量%である。各溶湯をステンレス製の有底円筒形(φ60x38x80mm)の金型へ注湯した。注湯前の金型の温度は室温、溶湯の温度は645℃とし、注湯量は250gとした。
この金型のキャビティの全内壁面には、予め厚さ0.2mmの黒鉛シート(東レ(株)製、トレカクロス)を貼り付けておいた。この黒鉛シートは断熱シートであって、冷却速度を調整するために利用した。
表1の試料No.1について、注湯後の溶湯の温度変化を計測しグラフを図1に示した。図1に示すように、最初にある第1冷却域では、溶湯の温度はほぼ直線的に降下した。このときの冷却速度を求めたところ、3.3℃/secであった(第1冷却工程)。この第1冷却域に続いて移行冷却域が現れた。この部分は、初晶α−Alが晶出を開始したところであると考えられる。この移行冷却域では、初晶α−Alの晶出と共に温度が降下した。特に、後続の第2冷却域に連なる近傍での冷却速度(つまり、Al−Si共晶が晶出し始める直前の冷却速度)は最大で0.76℃/secであった(移行冷却工程)。本実施例の場合、溶湯全体がほぼ共晶組成にあるため、この移行冷却域は短く、約30秒間程度であった。この移行冷却域に続いて第2冷却域が出現した。このとき、温度変化は実質的になく、冷却速度もほぼ零とみなせた(第2冷却工程)。この第2冷却域は、初晶α−Alの晶出後の溶湯から、Al−Si共晶が無数にかつ粒状に晶出する部分である。この第2冷却域を60秒間継続した。その後、Al−Si共晶の凝固途中で、試料のみを氷水中(約0℃)に入れて水焼き入れをした。
こうして得られた柱状の鋳造品を縦方向(長手方向)に切断し、その表面を35%フッ化水素酸水溶液でマクロ腐食させた写真を図2に示す。これを光学顕微鏡(200倍)で観察したミクロ組織写真を図3に示す。図2から、得られた鋳造品は、共晶組織が粒状に晶出して粥状に凝固したものであることが解る。図3から、粒状の共晶組織(共晶粒)の周囲にはSi相も存在するが、非常に微細であり鋳造品の機械的性質に影響を及ぼすものではないと思われる。
ちなみに、上記黒鉛シートに替えて、厚さ2mmのガラスファイバーシート(イソライト工業(株)製、イソウール)をキャビティの全内壁面に貼り付けて、同様の試験を行った。このときの第1冷却域における冷却速度は0.85℃/secで、移行冷却域における冷却速度は0.19℃/secであり、いずれも上記実施例に比べて遅いものであった。こうして得られた鋳造品のミクロ組織を前述の場合と同様に観察した写真を図4に示した。この場合、Al−Si共晶の周囲に粗大な針状Si相が出現していた。この針状Si相が粗大になり過ぎると、鋳造品の機械的性質に影響を及ぼすと思われるので、好ましくない。
試料No.2からなる溶湯を、黒鉛シートを貼り付けた金型へ注湯し、前述の場合と同様に鋳造した鋳造品のマクロ組織を、上記実施例と同様に観察した写真を図5に示す。この図5から、溶湯中にSrを含ませずに上記の鋳造方法を行った場合、Al−Si共晶組織が金型の壁面から形成されて内部へ進行する表皮形成型の凝固をしていることが解る。
(Al合金製鋳物の製造)
表1に示した各組成のAl合金製鋳物をダイキャスト鋳造した。
ダイキャスト鋳造は、縦型ダイキャスト機を用いて次のように行った。
ダイキャスト機のスリーブ内に合金溶湯(645℃)を注湯し、これを放冷して半凝固状態のスラリとした。このスラリをプランジャ(φ40mm)で金型のキャビティへ加圧注入後(注入工程)、冷却速度を100℃/秒程度として凝固させた(凝固工程)。この他の鋳造条件は、スリーブ長さ:60mm、注湯量:200g、鋳造圧力:64MPa、射出(プランジャ)速度:0.6m/s、金型温度:室温、鋳物形状:幅60mmx高さ50mmx厚さ10mmの平板とした。得られたダイキャスト鋳造品をX線透過観察したところ、鋳造欠陥等がなく良好であった。
なお、ここでは、レオキャストによりダイキャスト鋳造品を製造したが、前述のビレット(チクソ用ビレット)を用いてチクソキャストしてダイキャスト鋳造品を製造しても良い。
Figure 2005089827
本発明の実施例(試料No.1)について、溶湯を冷却、凝固させた際の冷却曲線図である。 その実施例のマクロ組織を示す写真である。 その実施例のミクロ組織を示す写真である。 冷却速度を変更した実施例(試料No.1)のミクロ組織を示す写真である。 別の実施例(試料No.2)のマクロ組織を示す写真である。 Al−Si合金の状態図と初晶Alの固相率の一例を示すグラフである。

Claims (13)

  1. 全体を100質量%としたときに9〜13質量%のケイ素(Si)と主成分であるアルミニウム(Al)とからなり、
    Al−Si共晶からなる粒状の共晶粒がAl−Si共晶からなる共晶マトリックス中に分散した複合共晶組織を有することを特徴とするAl−Si共晶合金。
  2. さらに、0.003〜0.3質量%のストロンチウム(Sr)を含む請求項1に記載のAl−Si共晶合金。
  3. さらに、5質量%以下の銅(Cu)を含む請求項1または2に記載のAl−Si共晶合金。
  4. 全体を100質量%としたときに9〜13質量%のSiと主成分であるAlとからなる溶湯またはスラリを鋳型に注入し凝固させて得られ、
    Al−Si共晶からなる粒状の共晶粒がAl−Si共晶からなる共晶マトリックス中に分散した複合共晶組織を有することを特徴とするAl合金製鋳物。
  5. 全体を100質量%としたときに9〜13質量%のSiと主成分であるAlとからなり、
    Al−Si共晶からなる粒状の共晶粒がAl−Si共晶からなる共晶マトリックス中に分散した複合共晶組織を有しており、
    加熱した際に、該共晶粒からなる固相と該共晶マトリックスの溶融した液相とが共存したスラリとなり得ることを特徴とする鋳造用Al合金。
  6. 全体を100質量%としたときに9〜13質量%のSiと主成分であるAlとからなる溶湯を、Al−Si共晶が晶出しない第1冷却域で冷却する第1冷却工程と、
    該第1冷却工程後の溶湯を、Al−Si共晶からなる粒状の共晶粒が晶出する第2冷却域で冷却する第2冷却工程とを備え、
    該共晶粒がAl−Si共晶からなる共晶マトリックス中に分散した複合共晶組織を有するAl−Si共晶合金が得られることを特徴とするAl−Si共晶合金の製造方法。
  7. 前記第1冷却工程は、少なくとも前記第1冷却域の末期の冷却速度を2〜10℃/secとする工程である請求項6に記載のAl−Si共晶合金の製造方法。
  8. 前記第1冷却域から前記第2冷却域へ移行する移行冷却域で、前記第1冷却工程の冷却速度より遅く前記第2冷却工程の冷却速度より速い冷却速度で該第1冷却工程後の溶湯を冷却する移行冷却工程を備える請求項6または7に記載のAl−Si共晶合金の製造方法。
  9. 前記移行冷却工程は、前記移行冷却域における最大の冷却速度を0.3℃/sec以上とする工程である請求項8に記載のAl−Si共晶合金の製造方法。
  10. 全体を100質量%としたときに9〜13質量%のSiと主成分であるAlとからなると共にAl−Si共晶からなる固相が液相と共存したスラリを調製するスラリ調製工程と、
    該スラリを鋳型に注入する注入工程と、
    該注入されたスラリを冷却して凝固させる凝固工程とを備え、
    Al−Si共晶からなる粒状の共晶粒がAl−Si共晶からなる共晶マトリックス中に分散した複合共晶組織を有するAl合金製鋳物が得られることを特徴とするAl合金製鋳物の製造方法。
  11. 前記スラリ調製工程は、全体を100質量%としたときに9〜13質量%のSiと主成分であるAlとからなると共にAl−Si共晶からなる粒状の共晶粒がAl−Si共晶からなる共晶マトリックス中に分散した複合共晶組織を有する鋳造用Al合金を加熱して半溶融させる半溶融工程である請求項10に記載のAl合金製鋳物の製造方法。
  12. 前記注入工程は、前記スラリを金型のキャビティ内へ射出する射出工程である請求項10に記載のAl合金製鋳物の製造方法。
  13. 全体を100質量%としたときに9〜13質量%のSiと主成分であるAlとからなる溶湯を、Al−Si共晶が晶出しない第1冷却域で冷却する第1冷却工程と、
    該第1冷却工程後の溶湯を、Al−Si共晶からなる粒状の共晶粒が晶出する第2冷却域で冷却する第2冷却工程とを備え、
    該共晶粒がAl−Si共晶からなる共晶マトリックス中に分散した複合共晶組織を有すると共に加熱した際に該共晶粒からなる固相と該共晶マトリックスの溶融した液相とが共存したスラリとなり得る鋳造用Al合金が得られることを特徴とする鋳造用Al合金の製造方法。
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