JP2005089450A - Rsウィルスによる感染症の予防または治療剤 - Google Patents

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Shuichi Mori
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Abstract

【課題】 人体に対して安全性が高いRSウィルスによる感染症の治療または予防剤の提供を目的とする。
【解決手段】 本発明によれば、クロモグリク酸またはその塩を有効成分として含有することを特徴とするRSウィルスによる感染症、特に下気道における感染症(例えば、細気管支炎、肺炎など)の予防または治療剤、RSウィルス感染によって引き起こされる喘息の予防剤、ならびに、これらをヒトまたは動物に投与することからなるRSウィルスによる感染症の予防または治療方法が提供される。
【選択図】 なし


Description

本発明は、呼吸器合胞体ウイルスに対する抗ウィルス剤に関する。より詳しくは、本発明は、クロモグリク酸またはその非毒性塩を有効成分として含有することを特徴とする呼吸器合胞体ウイルスによる感染症の予防または治療剤、ならびに、これらをヒトまたは動物に投与することからなる呼吸器合胞体ウイルスによる感染症の予防または治療方法に関する。
呼吸器合胞体ウイルス(respiratory syncytial virus、以下「RSウィルス」と称する。)は、RNAウィルスの一種であり、鼻炎や咳を伴う呼吸器感染症を引き起こす。呼吸器感染症の分野では、特に乳児期および幼児期の初期に、RSウィルスは最も重要な呼吸器病原体と位置付けされている。特に、先天的心臓疾患または気管支肺形成不全を伴う子供、未熟乳児、および免疫不全疾患を患う乳児は、RSウィルス感染の危険性が高く、重大な疾患にいたる可能性が高い。幼い子供に加え、骨髄移植または各種臓器移植により免疫抑制状態にある成人や子供も、RSウィルスに感染した場合に重篤な肺炎を発現する可能性が高い。RSウィルスは、重篤な下気道疾患を生じる点で問題視されている。(非特許文献1参照)。また、喘息の家族歴のある患者では、RSウィルスによる重度の細気管支炎に罹患した場合に、喘息の発症する危険性が高いと報告されている(非特許文献2参照)。
最近まで、RSウィルス感染症のための治療は、水分補給、酸素補充、および補助呼吸などの間接的な治療に限られていた。近年、多くの国で、核酸誘導体であるリバンビリン(Ribanvirin)がこの感染症に承認されているが、この薬剤は毒性が強く、より有効で安全性の高いRSウィルス感染症治療薬が臨床現場において強く要望されている。
一方、クロモグリク酸ナトリウムは、臨床では気管支喘息やアレルギー性鼻炎に抗アレルギー薬として用いられており、副作用は粉末製剤を吸入するときに時々みられる咳など、ごくわずかに認められる程度であり、臨床的に非常に安全性の高い薬剤であると認められている。クロモグリク酸ナトリウムは、臨床での投与が長年続けられているにもかかわらず、重篤な副作用の報告はなく、特筆すべきは小児に対する作用および安全性が確立している点である。
これまで、クロモグリク酸ナトリウムがRSウィルスに有効であるという知見はなく、Lovedayらがin vitroにおいて、クロモグリク酸ナトリウムのRSウイルスに対する抗ウイルス作用は見られなかったと報告している。この文献では、RSウイルス以外にも5タイプのウイルス(Vaccinia、Herpes simplex、Poliovirus 2、Influenza A/PR/8、Influenza A/Hongkong、Parainfluenza 1)で試験をしているが、いずれのウイルスに対してもクロモグリク酸ナトリウムの影響は見られなかったと記載されている(非特許文献3参照)。
また、クロモグリク酸およびサルブタモールを含む溶液が、喘息の他にも気管支炎、通常の風邪に伴う鼻腔および気管支障害等の気道の疾患にも有効であると記載してある特許文献もある(特許文献1参照)。
更に、クロモグリク酸ナトリウムによる治療が上気道感染症の症状の緩和に有効であったと記載されている先行技術文献もある。しかし、クロモグリク酸ナトリウムが上気道感染症における上気道局所の臨床症状に限った対症療法としては有効であることが記載されているのみである。その作用機序として感染ウイルスに直接作用するか否かについては何も記載されていない(特許文献2および非特許文献4参照)。
David M. Knipe, Peter M. Howley、Fields Virology, fourth edition (2001) p1443-1485 下条 直樹他 55: p1407, 2002 D. Loveday他、Brit. Med. J., II, 6086, p557-558 (1977). N. Aberg他、Clin. Exp. Allergy, 26, p1045-1050 (1996). EP0370632 WO95/05816
本発明はこのような従来技術における現状に鑑みてなされたものであり、その目的は人体に対して安全性が高いRSウィルスに対する抗ウイルス剤を提供することにあり、特に小児に対する安全性が確立している既存の薬剤をRSウィルスによる感染症の予防または治療剤として提供することである。
本願発明者等は、クロモグリク酸またはその塩の抗ウイルス作用を詳細に検討する過程でクロモグリク酸またはその塩がRSウィルスに直接作用し抗ウィルス作用を有することを見出し本発明を完成した。
したがって本発明によれば、以下の[1]〜[9]に示す、クロモグリク酸またはその塩を有効成分として含有することを特徴とするRSウィルスによる感染症、特に下気道における感染症(例えば、細気管支炎、肺炎など)の予防または治療剤、ならびに、これらをヒトまたは動物に投与することからなるRSウィルスによる感染症、特に下気道における感染症(例えば、細気管支炎、肺炎など)の予防または治療方法が提供される。
[1] クロモグリク酸またはその塩を有効成分として含有することを特徴とするRSウイルスに対する抗ウィルス剤。
[2] クロモグリク酸またはその塩を有効成分として含有することを特徴とするRSウィルスによる感染症の予防または治療剤。
[3] RSウィルスによる感染症が下気道における感染症であるところの[2]記載の予防または治療剤。
[4] RSウィルスによる感染症が細気管支炎または肺炎であるところの[2]記載の予防または治療剤。
[5] クロモグリク酸またはその塩を有効成分として含有することを特徴とするRSウィルス感染に起因する喘息の予防剤。
[6] クロモグリク酸またはその塩を有効成分として含有することを特徴とするRSウィルスによる感染症の臨床症状の発症予防または症状緩和剤。
[7] クロモグリク酸またはその塩の有効量をヒトまたは動物に投与することからなるRSウィルスによる鼻炎や咳を伴う呼吸器感染症の予防または治療方法。
[8] クロモグリク酸またはその塩の有効量をヒトまたは動物に投与することからなるRSウィルスによる感染症の臨床症状の発症予防または症状緩和方法。
[9] クロモグリク酸またはその塩の有効量をヒトまたは動物に投与することからなるRSウィルスによる感染症の予防または治療方法。
本発明によれば、人体に対して安全性が高いRSウィルスに対する抗ウイルス剤、さらに詳しくは、クロモグリク酸またはその塩を有効成分として含有することを特徴とするRSウィルスによる感染症、特に下気道における感染症(例えば、細気管支炎、肺炎など)の予防または治療剤、ならびに、これらをヒトまたは動物に投与することからなるRSウィルスによる感染症、特に下気道における感染症(例えば、細気管支炎、肺炎など)の予防または治療方法が提供される。
本発明におけるRSウイルスは、Paramyxoviridae科に属し、エンベロープを有し、分節化されていないマイナス鎖のRNAウィルスである。RSウィルスは1956年にチンパンジーから分離され、まもなく呼吸器疾患に罹患した乳幼児からも分離された。
RSウィルスによる感染症は、感染部位が呼吸器であることからその症状も、呼吸器感染症の様相を呈する。症状としては、咳、くしゃみ、鼻漏、頻呼吸、発熱、呼吸困難などがあげられる。特に、新生児において、60%〜75%は上気道部位での症状を呈する。これは、下気道部位においては母親由来の抗体が機能するため上気道部位での症状に限定されている。しかしながら、重篤化するのは、下気道で感染が生じる場合であり、特に細気管支炎や肺炎を発症し呼吸困難等の症状を呈する場合である。RSウイルス感染が臨床的に呼吸器において特に問題視されるのは、このような下気道において感染し、重篤な症状を引き起こす性質をもつからである(上記、非特許文献1参照)。
本発明で使用するクロモグリク酸は、公知化合物5,5'−(2−ヒドロキシトリメチレンジオキシ)ビス(4−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−2−カルボン酸)のことである。
クロモグリク酸の塩としては、例えばナトリウムまたはカリウムのようなアルカリ金属との塩、カルシウムまたはマグネシウムのようなアルカリ土類金属との塩、アンモニウム塩、第4級アンモニウム塩などの非毒性塩が挙げられるが、これらのうちでもクロモグリク酸ナトリウムが特に好ましい。
本発明のRSウィルスによる感染症の予防または治療剤は、有効成分であるクロモグリク酸またはその非毒性塩それ自体あるいは薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤を配合して錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、軟膏剤、液剤、懸濁剤、エアゾール剤、トローチ剤等の剤形として提供することができる。
賦形剤としては、例えば、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、ソルビトール、マンニトール、澱粉、デキストリン、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ゼラチン、珪酸アルミニウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。
本発明のRSウィルスによる感染症の予防または治療剤は、所望により、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤(甘味料、酸味料、香料等)、抗酸化剤、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム)、色素、懸濁化剤、希釈剤、製剤用溶剤(例えば、水、エタノール、グリセリン、脂肪油等)等の通常の添加剤を含んでいてもよい。
本発明のRSウィルスによる感染症の予防または治療剤は、経口的または非経口的に投与することができるが、クロモグリク酸またはその塩がRSウイルスの主たる感染経路である受容者の呼吸器組織(口腔、鼻腔、上気道、肺や細気管支などの下気道の組織)へ送達され得る投与方法、例えば点鼻、経鼻、経肺、口腔内投与等によって投与することが好ましい。また、鼻腔内投与と口からの吸入による投与を組み合わせることもできる。
クロモグリク酸またはその塩は溶液または懸濁液の形あるいは乾燥粉末として投与しうる。溶液および懸濁液は水性であり、例えば、水のみ(例えば、無菌または発熱物質非含有水)、あるいは水および生理学的に許容される補助溶媒(例えば、エタノール、プロピレングリコール、PEG 400のようなポリエチレングリコール)から一般に製造される。そのような溶液または懸濁液は他の賦形剤、例えば防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロロブタノールなど)、ポリソルベートのような可溶化剤/表面活性剤(例えば、トゥイーン80、スパン80、レシチンなど)、緩衝剤(例えば、ホウ酸、ホウ砂、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなど)、等張性調節剤(例えば、塩化ナトリウムなど)、安定化剤(例えば、エデト酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、マクロゴール600、マクロゴール4000など)、清涼化剤(例えば、l−メントール、dl−カンフル、d−ボルネオール、ウイキョウ油、ハッカ油、ハッカ水など)吸収促進剤および増粘剤等をさらに含有していてもよい。懸濁液は懸濁化剤(例えば、微結晶質セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム)をさらに含有していてもよい。
クロモグリク酸またはその塩の液剤または懸濁剤は一般的な手段、例えばスポイト、ピペットまたは噴霧器で鼻腔または口腔に直接施す。配合物は一回のみの投与量または多数回投与量の形で提供しうる。噴霧器の場合、例えば計量噴霧スプレーポンプの手段によってなしうる。
気道または肺への投与は、液剤または懸濁剤をクロロフルオロカーボン類(CFC、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、ヘプタフルオロプロパン)、二酸化炭素または他の適当なガスのような適当な噴射剤と共に加圧パックの形にされたエアゾール配合物によってなしうる。薬剤の投与量は、計量バルブを備えることによって制御しうる。
クロモグリク酸またはその塩を乾燥粉末の形態とする場合には、単独で、もしくは例えば、乳糖、マンニトール、澱粉、ヒドロキシプロピルメチルセルロースやポリビニルピロリドンのような適当な粉末基剤と混合した粉末混合物の形で提供してもよい。
この粉末組成物は、例えばゼラチンのカプセルやカートリッジ、または吸入器に用いて粉末を投与することのできるプラスチックやブリスターの容器に入れたものとする単位投与量の形態で、または例えば粉末用の容器に入れたものとする多回投与量の形態で提供しうる。投与方法としては、乾燥粉末吸入器により、口から吸入することも鼻腔内に投与することもできる。吸入器は、単回投与量用であっても、多回投与量用であってもよい。
クロモグリク酸またはその塩は超微粉砕してもよいし、しなくてもよい。鼻内配合物を含めた気道または肺へ投与するための配合物では、化合物の粒子サイズは一般に小さく、例えば5ミクロン以下である。そのような粒子サイズは、超微粉化によるような当業界で公知の方法によって得られる。望ましいときには、有効成分を持続放出するようにしてある配合物を用いてもよい。
クロモグリク酸またはその塩は、他の治療薬、例えばリバビリンのようなRSウィルス薬と組み合わせて使用することもできる。そのような組み合わせの個々の成分は、別々のまたは一緒にした医薬配合物の形で、順次または同時に投与しうる。
本発明の方法が適用される動物は通常の家畜や愛玩動物であり、牛、豚、馬、羊、山羊、犬、猫のような哺乳動物および家禽のような鳥類、などが挙げられる。
RSウィルスによる感染症の予防または治療のために有効なクロモグリク酸またはその塩の使用量は、対象とするヒトまたは動物の種類、投与される者の体重・年齢等の状態、投与方法により異なるが、一般に0.1〜100mg/kg/日、好ましくは0.1〜10mg/kg/日の割合で用いることができ、例えば、鼻腔または口腔に直接施す場合、1回当たり0.1〜100mg、好ましくは1〜20mgを、1日当たり1〜10回、好ましくは2〜5回投与することが望ましい。
本発明をRSウィルスによる感染症の予防剤として投与する場合は、その流行シーズンに開始し、必要に応じて増減しながら行うことができる。即ち、RSウィルスによる感染症の流行が身近に迫った場合や、感染の可能性のある行動の前あるいは行動の後、RSウィルスによる感染症の発症の前に投与する。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
吸入カプセルの製造
クロモグリク酸ナトリウムの超微粉20mgを入れた硬カプセル剤を製造する。これはインタール(R)(藤沢薬品工業株式会社製)の商品名で市販されている。
吸入液の調製
クロモグリク酸ナトリウム 20mg
精製水 2ml
上記の成分を混合し、プラスチックアンプルに注入して製剤化する。これはインタール(R)吸入液(藤沢薬品工業株式会社製)の商品名で市販されている。
エアゾールの調製
クロモグリク酸ナトリウム 200mg
精製水 10ml
上記の成分を混合し、アルミニウム製の容器に充填してエアゾール剤とする(添加物として、ヘプタフルオロプロパン(HFA-227)、ポリビニルピロリドンK30、マクロゴール600を含む)。これはインタール(R)エアロゾルA(藤沢薬品工業株式会社製)の商品名で市販されている。
点鼻液の調製
クロモグリク酸ナトリウム 190mg
精製水 9.5ml
上記の成分を混合し、常法によりプラスチック容器に入った点鼻液(鼻用定量噴霧式吸入剤)とする(添加物として、エデト酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウムを含む)。これはインタール(R)点鼻液(藤沢薬品工業株式会社製)の商品名で市販されている。
クロモグリク酸ナトリウムによるRSウイルス感染への影響(in vitro試験)
I.試験材料
RSウイルスは、A2株を使用した。
RSウイルスは、ウイルス量がそれぞれ100TCID50なるよう希釈して使用した。
ウイルス感染量を示すID (Infectious dose)はホスト細胞への感染に必要なウイルスの量の単位で、以下のように測定し決定した。
保存ウイルス液を、MEM培地で2倍まで希釈後、マイクロプレート(96 平底プレート、コーニング社製)で培養しておいたHeLa細胞にウイルス希釈溶液50μlを加え、4日間COインキュベーター内で培養した後、検鏡観察を行い、ウイルス感染で生じる細胞変性が50%となるウイルス量(TCID50)を決定した。この100倍量のウイルス濃度を以下の試験に使用した。
クロモグリク酸ナトリウム溶液は、20mg/mlとなるようMEM培地で溶解し、0.2μmフィルターで濾過滅菌した。この溶液を200μlのMEMの培地を分注した96ウエルプレートで、50μlずつトランスファーしてクロモグリク酸ナトリウムの5倍希釈の被験用希釈液を作製した。
II.試験方法
96ウェル培養マイクロプレート(コーニング社製)を使用し、1ウェル当たりに10%牛胎児血清含有MEM培地100μl中にHeLa細胞を2×104個となるよう調製した細胞懸濁液を播種した。37℃、5%CO存在下で16〜24時間培養した後、顕微鏡下でウエル一面に単層になっているのを確認した。
次に、培養上清を吸引しこれに予め別のプレートに最高濃度20mg/mlから、5倍階段希釈したクロモグリク酸ナトリウム溶液を、各100μlずつ加えた。ウイルスの溶液を100TCID50に希釈し、ウイルスを含む培地および非感染コントロールとしてウイルスを含まない培地100μlを別々の細胞に加えて37℃、5%濃度CO存在下で4日間培養した。
培養終了の感染4日目に検鏡観察を行い、細胞変成の程度を判定した。
III.試験結果
非感染細胞のウエルを100%生存とし、薬剤無添加のウエルを0%の阻害として判定したクロモグリク酸ナトリウムのRSウイルスの増殖による細胞死に対する抑制作用のEC50と非感染細胞に対する細胞毒性の指標であるCC50を表に示した。クロモグリク酸ナトリウムは、RSウイルスの増殖による細胞障害を2.3mg/mlで抑制した。しかしながら、ホスト細胞であるHeLa細胞に対するCC50は、10mg/mlでも観察されなかった。
Figure 2005089450

Claims (9)

  1. クロモグリク酸またはその塩を有効成分として含有することを特徴とするRSウィルスに対する抗ウィルス剤。
  2. クロモグリク酸またはその塩を有効成分として含有することを特徴とするRSウィルスによる感染症の予防または治療剤。
  3. RSウィルスによる感染症が下気道における感染症であるところの請求項2記載の予防または治療剤。
  4. RSウィルスによる感染症が細気管支炎または肺炎であるところの請求項2記載の予防または治療剤。
  5. クロモグリク酸またはその塩を有効成分として含有することを特徴とするRSウィルス感染に起因する喘息の予防剤。
  6. クロモグリク酸またはその塩を有効成分として含有することを特徴とするRSウィルスによる感染症の臨床症状の発症予防または症状緩和剤。
  7. クロモグリク酸またはその塩の有効量をヒトまたは動物に投与することからなるRSウィルスによる感染症の予防または治療方法。
  8. クロモグリク酸またはその塩の有効量をヒトまたは動物に投与することからなるRSウィルスによる鼻炎や咳を伴う呼吸器感染症の予防または治療方法。
  9. クロモグリク酸またはその塩の有効量をヒトまたは動物に投与することからなるRSウィルスによる感染症の臨床症状の発症予防または症状緩和方法。


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