JP2005088891A - 弱安定境界を用いる衛星の軌道面向きの変更 - Google Patents

弱安定境界を用いる衛星の軌道面向きの変更 Download PDF

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Abstract

【課題】本システムは、軌道を有する衛星の軌道面向きを変更する燃料効率のよい方法を提供する。
【解決手段】この方法は直接的に行うのではなく、最初に衛星を月へBCT(弾道捕捉移転)で導くよう軌道制御する。月で衛星はファジー境界すなわち弱安定境界に存在する。ここで無視し得るほどの軌道制御が逆向きのBCTをたどり衛星を地球に所望の軌道面向きで戻させる。もう一度軌道制御することで衛星を地球の新しい楕円軌道に乗せる。高度700km、軌道面向き34°の円軌道にLEOに向けて打ち上げられている衛星では軌道面向きを90°に変更するのに約6km/sを要するとなる。本方法は、ΔVで測定されたときエネルギの意味ある節約と予期しない利益を達成する。飛行時間は、先の方法の170日から88日あるいは6日まで実質的に短縮される。
【選択図】図16A

Description

(発明の分野)
本発明は、一般的には、宇宙空間を移動する、旅行する方法に関し、詳しくは、地球、月および他の惑星、または地球、月、もしくは他の惑星を巡る軌道に位置するために衛星、宇宙船等の物体の軌道面向きを変更する、例えば弱安定境界(WSB)を用いる方法に関する。
(関連出願)
本特許出願は、1997年4月24日にファイルされた米国暫定特許出願順次番号60/044,318、1997年6月2日にファイルされた米国暫定特許出願順次番号60/048,244、1998年2月4日にファイルされたPCT特許出願PCT/US98/01924、1998年3月25日にファイルされたPCT特許出願PCT/US98/05784により発明者エドワード・A・ベルブルノの優先権を主張する。これらはすべて、それらの中で引用されている文献を含み引用文献としてここに組み込まれる。
本特許出願は、1997年3月25日にファイルされた発明者エドワード・A・ベルブルノへの米国暫定特許出願順次番号60/041,465に関する。これは、それらの中で引用されている文献を含み引用文献としてここに組み込まれる。
(関連技術の背景)
天体を含む物体の動きに関する研究は、一面において、ニュートン力学に起源がある。18世紀から19世紀にかけてニュートン力学は、加速度によって記述される運動法則を用い、当時の関心事であった天体運動の問題の多くを解決する整備されかつ有用な枠組みを提供した。ニュートン系での初期状態を確定するには質点それぞれの速度と位置とが確定されなければならない。
しかし、19世紀半ばハミルトンは、いわゆるハミルトニアン関数Hを導入して運動系の方程式を書き直した。これは、位置と運動量の項により表現される系のエネルギ全体を表すもので一階微分方程式で記述される。ハミルトニアンは物理学上の運動系をモデリングするための普遍的な数学的形式を表すのであるが、この一階であるという形式は、量子力学への関連を有すると同時に古典力学の確定性理論を包含している。
1900年代始めまでに、ポアンカレは、古典的ニュートン3体問題は初期状態に非常に鋭敏に依存する複雑な一組の運動を引き起こすと理解していた。今日ではこれを「カオス理論」と呼んでいる。カオス運動の起源は、(現代)古典力学の基礎となった古典(ハミルトニアン)力学に遡ることができる。つまり、これは、二律背反ではあったが最終的には明らかにかつ完全に決定論的な系における不規則性と予測不可能性生起への洞察とを起こさせた積分不可能なハミルトニアン力学であり、付随する非線型問題であった。
コンピュータの出現はポアンカレのような初期の研究者にそれまで不足していた道具を提供した。このことはその積分不可能なハミルトニアン力学を物理学研究の本流からは追放した。深い直感的洞察と結びついたコンピュータ的手法の発展により、1960年代初期には、A.N.コルモゴロフ、V.l.アーノルド、J.モーザにちなみ名づけられたKAM理論の定式化がなされた。これは、ほぼ積分不可能なハミルトニアン系についての不規則性と予測不可能性の条件を提供するものである。
今日的な考え方の枠組みの中では、いわゆるカオス的動きというのはほとんど非線型問題のある種の分類と同義である。カオスはただ単に秩序がないというのではなくむしろ周期性のない秩序である。カオス的動きの関心を引き意味深い面は、それがいわゆるロジスティック方程式で記述されるように発生アルゴリズムが有限であるときに不規則性を生じ得るということである。
カオス的動きは、非常にしばしば一般的にカオスである変域の中で、秩序ある動きパターンがカオス的活性で、より小さな尺度で散りばめられるという単純な理由で、特に宇宙物理学の(軌道の)問題にとって重要である。その尺度特性の理由から鍵となる要素は、カオス的活性のある種の型であると示せる正確で定量的な動きを記述するため、数値計算においての十分な分解能を達成することである。このような正確性は、はるかによく知られた空間的あるいは時間的周期性のあるものでなく尺度には依存しない一つの型で出現するので必須である。この尺度依存性のなさは一次元写像に対してファイゲンバウムにより発見されたのであるが、カオス的遷移の中で再正規化グループを考察解析できる可能性を提供するものである。
非線型力学と現代エルゴード理論との関係のような非線型解析に関しての進展により統計力学に対する洞察も引き出された。例えば、あるエネルギ表面上の時間的軌跡の平均がそのエネルギ表面の全体の平均と等しい場合、その系はそのエネルギ表面上でエルゴード性を有するという。古典的系の場合では不規則性はエルゴード性と密接に関連する。エネルギ散逸系に関心をもってその特性を記述する時エルゴード的動作との類似性に出くわすことになる。
系固有の不規則性の例に、E.N.ローレンツの熱伝達に関する業績があり、それは、3つの普通の微分方程式からなる完全に確定論的系が規則性のない変動を生ずることを示した。このような有界で周期性のない不安定である解は乱れというものを導入可能ならしめ、それゆえ「カオス」という命名がされたが、それは、写像のうちの明白な不規則な動きを有するものも内包する。真の不規則性とカオスとを識別するのに用いることのできる方法は、アルゴリズム的な合成を実施することによる。すなわち、ゼロの不規則順序列の一つまたは複数は、その不規則順序列全体を複写することによってのみ再現することができ、周期性の助けを借りることができない。
ハミルトニアン公式は動きを一階の方程式の複数項によって記述しようとする。このハミルトニアンの観点の有用性は、天体の運動をはじめ多くの物理モデルに対して理論的に広がりのある枠組みを提供したことにある。ハミルトニアン方程式は特殊相対性と一般相対性の両方を有する。さらに、それは古典力学の中で、よく知られたハミルトン―ヤコブ法のような更なる進展の基礎となり、さらに大きな進展である摂動法の基礎となった。ハミルトニアン理論のこの最終局面が次にここで概要を述べようとする解析的議論に対する出発点になる。
すでに述べたようにハミルトニアン公式は基本的に動きを一階の方程式の複数項で記述しようとする。一般的に、N自由度を有する積分可能なハミルトン系の動きは周期的であり、図1に示すようにN円環体の外にははみ出さない。図1は、円環体上に2自由度を有する積分可能な系と閉じた軌跡とを描いたものである。KAM円環体は単一の円環体を多数同心的に作り変えたものである。N=1のときすべて積分可能であるハミルトニアン系は、2以上のNを有する系の大部分は積分不可能になる。
方程式の組の階数を縮減するのを可能とするような動きの積算は第1の積分と呼ばれる。2N階の微分方程式の組を積分するにはその同じ数だけの積分を必要とするのであるが、ハミルトニアン方程式の場合においてはNだけの積分で足りる。このことは、リオビル理論の用語によっても表現することができ、それは、相空間のどの領域もすべての(積分可能な)ハミルトニアン形式の下では一定を保たなければならないことを示す。その相空間領域はその形を変形することはできるがその相空間体積を変えることはできない。したがって、いかなる伝統的な動システム、例えば惑星の動きとか普通の振り子のようなものでも、相空間は一定を保たなければならない。
ハミルトニアン公式のもう一つの成果は、規則的動きの定式化として出発したのであるが、不規則でカオス的な軌跡の存在との密接な関連である。ポアンカレは積分不可能な古典的3体の系はカオス的軌跡に至ると理解していた。カオス的ふるまいは、自由度の多さのためではなくまた何かの初期的な数値的不正確性のためでもない。カオス的ふるまいは、初期的には同じような軌跡を有するが指数関数的に素早く相空間の有界な領域に分離する軌跡を有するハミルトニアン方程式における非線形性で生ずる。初期条件は有限の正確性でしか測定され得ずまたその誤差は指数関数的割合で増殖するので、これらの系の長い目で見たふるまいは予測することができない。
積分不可能な領域を確立する摂動の効果は、KAM理論を用いる弱摂動で記述され得る。最初にコルモゴロフによって唱えられ厳密にはアーノルドとモーザによって証明されたKAM理論は、古典的多体問題への摂動的解を解析した。KAM理論は、もし摂動が小さいならその摂動はごくわずかな初期状態の組を例外としてN円環体の外には出ず、その例外においてはエネルギ表面上での大きな動きに至る可能性があることを示す。この大きな動きがカオスであり、初期状態により大きな感度を有する。
これらのN円環体はこの場合KAM表面として知られている。面領域として観察される場合は、それらはしばしばKAM曲線と呼ばれ、図2に図示される。これらの表面および曲線はかすかにゆがみ(摂動され)得る。すなわち、十分に小さい保存性のハミルトニアン摂動に対して、非共振で一定不変の円環体の大部分は消失しないであろうが、わずかに変形は受ける。これは、摂動を受けた系の相空間においても、相曲線で満たされ条件によっては周期的である一定不変の円環体が存在するのと同様である。
図2は、その表面に楕円の積分可能となる解が存在するKAMで一定不変の円環体の集合を図示する。積分不可能な解、変則的な経路は、双曲線的になり、いわゆる共振ゾーンでそれら一定不変の円環体の間に存在する。共振ゾーンは統計的ゾーンとも呼ばれる。
KAMの結果はJ.マザーの業績によりさらに推し進められた。KAM理論は、ふるまいがよくほとんど安定というのに近い動きと関連する軌道とを取り扱う。KAM理論は基本的に摂動解析なので、まさにその性質から摂動定数は非常に小さくなければならない。摂動定数による最初の作用素からの強い背反は、摂動を受けた固有関数の組を発生するのに用いられる最初の固有関数の使用を無効とするであろう。マザーの業績は、ふるまいがよいのとはかけ離ている不安定な動きを解析する。摂動は相対的に強くすることが可能であり、全く新しい固有関数(解)が発生され得る。
惑星軌道とその脱出と捕捉に対するマザーの業績の実際的な重要性は、その力学が、相空間の領域(すなわちマザー領域)に3体および4体問題を伴なって適用可能であるということである。マザーは、既存のいかなる保存性ハミルトニアン系に対する低い次元(2次元)のカオス領域においても不安定の楕円軌道が存在し残存することを証明した。NEO(近地球物体)の論点の用語においては、KAMおよびマザーの領域は、燃料を節約する彗星や他のNEOへの弾道軌道(接近飛行、ランデブー、迎撃)を計画するのに重要であると同様に彗星の軌道を記述するのに重要である。以上の議論はジョン.L.レモによる“NEO Orbits and Nonlinear dynamics: A Breaf Overview and Interpretations”(「NEO軌道と非線形力学:あらましと説明」)(822アニュアルズ・オブ・ザ・ニューヨーク・アカデミー・オブ・サイエンシズ176−194(1997年))と題された記事の要約である。これは、ここにその中で引用されている文献を含め引用文献として組み込まれる。
1960年代の最初の月への飛行任務以来、月は、科学的研究と潜在的な商業的開発の両方で関心の対象であった。1980年代の間、いくつかの月への飛行任務が国立宇宙開発事業団により進められた。月への関心は、低い地球軌道からの月への飛行任務を実現できる多数国の宇宙基地の出現に伴ない増加している。しかし、継続的な月への関心と月面基地の実現性は、一面では、頻繁に経済的な月への飛行任務を予定できるかにかかっているであろう。
典型的な月への飛行任務は次のような段階を有する。最初に、宇宙船が地球あるいは低い地球軌道から単位質量あたり十分な推進力すなわち速度変化をもって、その宇宙船が地球月間の軌道に位置するように発進される。一般的に、この軌道は、実質的楕円となる地球からみた相対軌道であり、遠地点は月の地球からみた相対軌道の半径とほぼそろうように選ばれる。
宇宙船が月に近づくにつれて、速度変化がなされ、その宇宙船は地球月間軌道より月からみた相対軌道に移行する。それからさらに速度変化がなされ、その宇宙船は、もし月面着陸が計画されているなら月からみた相対軌道より月面に降りるようにしてもよい。地球への帰還を望む時には、宇宙船が月地球間軌道、例えばそれは地球月間軌道と類似するが、これに入るに十分な別の速度変化を行う。最後に、宇宙船が地球に近づくにつれ、宇宙船が月地球間軌道から低い地球軌道あるいは地球上へ帰還する軌道に移行するため速度変化が必要となる。
図3は、月への従来の飛行任務による軌道系を非回転座標系で図示するものである。同図において、X軸10とY軸12とは、月の地球からみた相対軌道36によって定義される平面上にある。Z軸18はそれらに直行する。典型的な月への飛行任務では、宇宙船は地球16あるいは低い地球軌道20から発進される。これは円軌道である必要はなく、宇宙船が地球月間軌道22に位置するように十分な速度が供給される。
月14の近くで速度変化がなされ、宇宙船の月からみた相対エネルギを減少し、宇宙船が、月からみた相対軌道24に位置するようにする。これは円軌道である必要はない。それからさらに速度変化がなされ、宇宙船は月からみた相対軌道24より月14に月面着陸軌道25に従い移動する。地球への帰還を望む時には、月表面から直接にまたは徐々に減少する多段階の推進力を使って、宇宙船を月地球間軌道26に位置させるに十分な速度変化をなす。最後に、地球16の近くで、速度変化がなされ、宇宙船の地球からみた相対的エネルギを減少させこれを低い地球軌道20または地球帰還軌道27経由で地球16に帰還させる。
図4は、アプホフへの米国特許5,158,249に記述された、上記とは別の従来の軌道系を図示する。これは、ここにその中で引用されている文献を含み引用文献として組み込まれる。この軌道系28は、多数の地球からみた相対軌道を有する。ここで、それら間の移動は月の重力場を用いてなされる。月の重力場は、軌道中の相対的に小さな速度変化によって、所望の軌道を生む月スイングバイ状態を達成することに利用される。
軌道系28における地球からみた相対軌道は、それらがすべて同一のヤコビアン定数を有するように選択されることが可能であり、これは、それら軌道間の移動が、名目上、いかなる推薬供給による速度変化もなしに達成され得ることを示すが、相対的に小さな推薬供給による速度変化であれば必要とされてよい。推薬供給による速度変化により、それまでの月スイングバイでの達成誤差を正すことができ、与えられたスイングバイに対して達成可能な他の軌道を選ぶことができ、月の地球からみた相対的軌道36の離心率のためヤコビアン定数が変化することの理由を説明することにもなっている。
図4において、宇宙船は、地球16か低い地球軌道より地球月間軌道22に向けて発進される。この地球月間軌道22は、例えば、地球月間のほぼエネルギ最小となる軌道を含んでもよく、また例えば、月の地球からみた相対軌道36の半径にほぼそろう遠地点までの距離を有する軌道を含んでもよい。宇宙船は、月の重力圏球体30にぶつかり、月の重力場を、地球からみた第1の相対軌道32に移転するために利用する。
この地球からみた第1の相対軌道32は、例えば、実質的に太陰ひと月分のほぼ円軌道であって月の地球からみた相対軌道36と実質的に同一の軌道長径と離心率を有するものの約半回転分を有する。そして、月の地球からみた軌道36で定義される平面に対し約46.3度傾いている。また、月の重力圏球体30に始まり、またそこで終わる。この地球からみた第1の相対軌跡32と典型的なほぼ最小エネルギとなる地球からみた相対軌道22とは、同一のヤコビアン定数を有し、月の重力場を使って軌道乗り換えが可能である。
図5は、また別の軌道系を図示するものである。ここでは、例えば、人工衛星が地球を旋回する。中央基地SCは、球面上の三角形でカバーされる領域Zの中央に位置される。二つの同期衛星S−AとS−Bとは、一致するパラメータを有する楕円軌道にある。これらのパラメータは、例えば、次のようにすることができる。
− 遠地点が約50,543.4km、
− 近地点が約21,028.6km、
− 通径が42,164km、
− 軌道面向きが63度、
− 近地点角が270、
− 軌道の離心率が0.35
衛星それぞれは、アンテナすなわちアンテナ11、アンテナ12を有する。それぞれのアンテナは、それら衛星が中央基地のカバー領域上を動く間はずっと中央基地に向けられる。中央基地は、一つの接続基地と一つのコントロール基地とを有する。図5には、可動単位体Mも示してある。(これは、領域Z内に位置するが、説明の都合上、その上に図示してある。)この可動単位体は、軸が連続的に実質的な天頂に向くアンテナ14を備えている。
このように衛星を配置するのには、非常に数多くの方法が可能である。例示的な方法は図6を参照して記述される。この方法は、ARIANE IV ロケットを用い、3回の瞬間的推力を必要とする。発進のときには、衛星は通常の静止衛星に伴なわれている。この二つの衛星は、ARIANE IV ロケットの通常の移転軌道に乗せられる。この軌道は、準赤道面(傾き7度)内に位置し、200kmの近地点、35,975kmの遠地点、178度の近地点角を有する。この軌道を図6のOSTで示す。
近地点の近くで、遠地点が98,000kmに増加するように1回目の衛星ロケット点火がなされる。軌道は同じ平面内にあり、軌道01のようになる。この点火は2回あるいは3回に分けてなされてもよい。軌道01の遠地点近くで、新たな瞬間的推力を衛星に与え、その軌道面を変える。この軌道面の傾きは、最終的な軌道が有する傾きつまり63度に近いものである。このときの推力は最大であり2回あるいは3回に分けて行われてもよい。軌道はこれで02に示すようになる。
最後に、この軌道の適当な位置で3回目の瞬間的推力を衛星に加えそれが最終的な軌道に乗るようにする。もしもこの方法が一定の面では満足であるとしてもやはり不満は残る。実際、この方法は軌道01から軌道02に移行するときに軌道面を傾けることが必要となる。このことは、推薬のかなりの消費をもたらす結果となる。
図7は、また別の月の重力を利用する移転原理を図示するものである。図7において、衛星は、最初に準赤道面内に位置する通常の軌道01に乗せられる。これは、実際的には図6に示したOSTであり、静止移動軌道(GTO)として知られている。T1において、衛星は、準赤道面内に保たれたまま月周回の軌道02に乗せられる。
実際上は、地球月間距離の2倍、すなわち768,800kmの長径を有する非常に離心した楕円軌道が選ばれる。衛星は、月の影響圏SIの球体に突入し、そしてこの球体を、赤道面とは大きく異なる傾きの面上の軌道03上に沿って抜け出る。T2において、衛星は軌道03と同じ平面にある最終的な軌道04に乗せられる。上記で述べられた軌道系は詳しくはダルクへの米国特許5,507,454に記述され、これは、ここにその中で引用されている文献を含め引用文献として組み込まれる。
ダルクは、月の重力を利用する通常の技術を用い必要とするスラスタ(反動推進エンジン)を最小とすることを試みる。衛星は最初にホフマン移転により月の近傍に運ばれる。そしてただ正確な軌道面向きと速度で月の周りを回る。ここで、衛星は2あるいはそれ以上に分けられて軌道制御がなされる。この方法はうまくいくのであるが、この軌道制御の大きさがこの方法の適用を離心率の非常に大きな楕円軌道に制限することになる。これは、この大きな軌道制御をするためこの後の最後の軌道制御は十分に小規模であることを要するからである。
私は、上記で述べてきたすべての軌道系あるいは軌道方法は、軌道制御に対し実質的燃料消費の必要があるという欠点を有し、したがって、十分には効率的ではないとの結論を持った。私は、また、上述の方法は地球と月との関係に集中した軌道系に焦点をあてており、また、この2体問題を超えてあり得る効果と利用の両方あるいは一方を考慮していないとの結論を持った。
したがって、燃料や推薬の効率的な利用をもたらす軌道系と軌道方法の両方あるいは一方を提供することが望まれる。また、無視できないほどの推力や推薬力には実質的に依存しない軌道系と軌道方法の両方または一方を提供することが望まれる。
また、単なる2体問題以上のものとして月捕捉と地球捕捉との一方または両方の効果を考慮する軌道系と軌道方法の両方または一方を提供することが望まれる。また、宇宙船もしくは衛星上または中央コントロール基地に設置されるコンピュータシステムで実行処理され得る軌道系と軌道方法の両方または一方を提供することが望まれる。
また、宇宙船が地球と月の両方に繰り返し接近するのを可能とする軌道系と軌道方法の両方または一方を提供することが望まれる。また、相対的に小さな必要推薬を維持し、それによって月より近い側の移転の効率的方法を与える軌道系と軌道方法の両方または一方を提供することが望まれる。
また、推薬が供給されることによる大きな速度変化を必要としない軌道系と軌道方法の両方または一方を提供することが望まれる。また、実用的で内容のある宇宙船用構成部品を与えるような軌道系と軌道方法の両方または一方を提供することが望まれる。また、有人または無人の飛行任務で利用され得る軌道系と軌道方法の両方または一方を提供することが望まれる。
また、さまざまな軌道面向きをもって宇宙船または衛星が地球と月の両方に繰り返し接近するのを可能とする軌道系と軌道方法の両方または一方を提供することが望まれる。
また、宇宙船または衛星がその例えば地球または月の両方または一方に対する軌道面向きを変更し得る軌道系と軌道方法の両方または一方を提供することが望まれる。
(発明の概要)
燃料あるいは推薬の効率的使用をもたらす軌道系と軌道方法の両方または一方を提供することは本発明の特徴であり利点である。無視できないほどの推力や推薬力には実質的に依存しない軌道系と軌道方法の両方または一方を提供することは本発明の他の特徴であり利点である。
単なる2体問題以上のものとして月捕捉と地球捕捉の両方または一方を考慮する軌道系と軌道方法の両方または一方を提供することは本発明のまた他の特徴であり利点である。
宇宙船もしくは衛星上または中央コントロール基地に設置されるコンピュータシステム上で実行処理され得る軌道系と軌道方法の両方または一方を提供することは本発明のまた他の特徴であり利点である。宇宙船が繰り返し地球と月の両方に接近し得る軌道系と軌道方法の両方または一方を提供することは本発明のまた他の特徴であり利点である。
相対的に小さな必要推薬を維持し、それによって月より近い側を移転する効率的な方法を与える軌道系と軌道方法の両方または一方を提供することは本発明のまた他の特徴であり利点である。
推薬が供給されることによる大きな速度変化を必要としない軌道系と軌道方法の両方または一方を提供することは本発明のまた他の特徴であり利点である。
実用的で内容のある宇宙船用構成部品を与えるような軌道系と軌道方法の両方または一方を提供することは本発明のまた他の特徴であり利点である。
有人または無人の飛行任務に利用し得る軌道系と軌道方法の両方または一方を提供することは本発明のまた他の特徴であり利点である。
宇宙船または衛星がさまざまな軌道面向きをもって繰り返し地球と月の両方に接近するのを可能とする軌道系と軌道方法の両方または一方を提供することは本発明のまた他の特徴であり利点である。
宇宙船または衛星がその例えば地球と月の両方または一方に対する軌道面向きを変更し得る軌道系と軌道方法の両方または一方を提供することは本発明のまた他の特徴であり利点である。
本発明は、月への飛行任務に対し必要な推薬を実質的に減少させる月より近い側の移転に関するシステムと方法とを含む。本発明は、また、地球月間移転および月地球間移転に有用であり、月の重力場を軌道上での移転を達成するのに直接的には利用せず、相対的に低い必要推薬を維持する軌道系を提供する。本発明は、さらに、月面上または月からみた相対軌道上に設備と人員を送り込むため頻繁に地球に帰還できる能力、可能性を提供する。本発明は、また、地球月間、地球地球間軌道、月地球間、地球軌道、惑星間移動の少なくとも一つに有用な軌道系を提供する。これは、軌道の移転を達成するため軌道への導入と軌道面向き変更との両方または一方のため弱安定境界を利用し、相対的に小さな必要推薬を維持するものである。
本発明は、一面では、従来の方法と軌道系の両方または一方は、地球と月との関係に集中して解決するもので、この2体問題を超えてあり得る効果や利用の両方または一方を考慮していないという自身の発見に基づいている。さらに、詳しくいうと、私は、軌道捕捉と月移動と捕捉の少なくとも一つを少なくとも3体である問題として捉える新規な方法とシステムを決定した。この少なくとも3体である問題は、地球、月、太陽の相互関係を含み、これらに関連する重力の相互関係を含む。
本発明の第1の実施例に従い、一つの方法により、実質的に地球あるいは地球軌道を発する物体がコンピュータに装備された処理過程を用いて月あるいは月軌道に到達するための操作的な弾道捕捉移転が生成される。この方法は、速度値Vと飛行経路角γを含むパラメータを入力するステップと、目標である月との変数に収束させるために速度値Vと飛行経路角γを変えることによって目標探索過程を実行するステップとを含む。目標変数は、放射方向距離rと軌道面向きiとを含む。この方法は、また、地球または地球軌道から月または月軌道への操作的な弾道捕捉移転を達するに十分な収束があるまでその目標探索過程を反復するステップを含む。
本発明の他の実施例に従い、宇宙移動機器、衛星、ロケットの少なくともひとつを含む物体の軌道面向きと高さのうち少なくともひとつを変える方法が提供される。この方法は、地球または地球軌道からWSBまたはWSB軌道上の弱い月捕捉に移動するステップと、ごくわずかな軌道制御を実行するステップと、WSBまたはWSB軌道上でこれらから脱出するために軌道面向きを変更する任意的なステップとを連続的にまたは連続的ではなく含む。この方法は、また、WSBまたはWSB軌道からあらかじめ定められた任意の高さで軌道面向きを変更してまたは変更せずに地球または地球軌道に移動するステップを含む。
本発明のまた他の実施例により、宇宙移動機器、衛星、ロケットの少なくともひとつを含む物体の軌道面向きと高さのうち少なくともひとつを変える方法が提供される。この方法は、地球または地球軌道からWSBまたはWSB軌道上の弱い月捕捉に移動するステップと、ごくわずかな第1の軌道制御をWBSまたはWBS軌道上で実行することにより月のまわりで軌道制御を行うステップとを連続的にまたは連続的ではなく含む。この方法は、また、WSBまたはWSB軌道上で軌道面向きの変更を実行する任意的なステップと、第2の軌道制御を実行することによりWSBまたはWSB軌道から脱出するステップと、WSBまたはWSB軌道からあらかじめ決められた任意の高さで軌道面向きを変更してまたは変更せずに地球または地球軌道に移動するステップとを含む。
ここまでで、以下に述べる本発明の詳細な記述がより理解され、本発明の技術的貢献がより評価できるように、いくぶん広めに本発明のより重要な特徴の概要を述べた。もちろん、以下に述べる本発明にはここに添付されるクレームの主題を構成する付加的な特徴も存在する。
この点において、少なくとも一つはある本発明の実施例を詳述する前に、本発明は、その適用において以下の記述や図に示される構成要素配列や詳細構造に限定されないと理解されるべきである。本発明は、他の実施例にも適用可能、実施可能であり、種々の方法で実行される。また、ここで用いられる語句や用語は発明記述の目的からのものであり限定としてとらえられるべきでないと理解されるべきである。
このように、本技術に習熟した者は、この開示が基礎としている概念はいくつかの本発明目的を達する他の構造、方法、システムを設計する基礎としてすぐに利用され得ると評価するであろう。したがって、クレームは、本発明の意図と範囲から離れない限りにおいて等価な構造を含むものとして当然見られることが大切である。
さらに、先にある要約の目的は、米国特許商標庁および特許や法的用語・用法になじみがない一般大衆とりわけ本技術の科学者、技術者、実務者が手早い閲覧で素早く出願の技術開示の素性と本質を得心するのを可能とすることにある。要約は、クレームによって図られる本出願発明の定義を意図するものではなく、またいかなる上でも本発明の範囲に関する限定であると意図されるものでもない。
これらは、本発明を特徴づける新規性の種々の特徴に加えて本発明の他の目的とともに、添付され本開示の一部をなすクレームに詳しく示される。本発明、その動作上の利点、利用することにより達成される特有の目的のよりよい理解のため、本発明の好ましい実施例が図示で存する添付図面とその記述事項への参照がなされる。
(注釈と術語)
下記する詳細な記述は、コンピュータまたはコンピュータ網上で実行されるプログラム手順に置き換えて表現され得る。これらの手順による記述と表現は、本技術の習熟者が他の習熟者にそれらのはたらきの本質を最も効率的に伝えるため用いられる手段である。
手順は、ここであるいは一般的に、所望の結果を導くステップの連続であり自己矛盾のないものとして考えられる。これらのステップは、物理量の物理的操作を要するものである。必要的ではないが、普通はこれらの量は、蓄え得、伝送され得、接続され得、比較され得、さもなくば操作され得る電気的または磁気的信号の形をとる。これらの信号をビットや値、要素、記号、文字、言葉、数字等として言及することは、原理的には共通使用の理由から、通常、便宜性があると証明される。しかし、これらのすべておよび同等の用語は適切な物理量に裏打ちされているべきものであり、これらの量に適用される単なる便宜的に貼られた札ではないということに注意すべきである。
さらに、実行される操作は、しばしば、加えるとか比較するとか、通常、人によって頭でなされる操作用語で言及される。人である操作者のこのような能力は全く必要なく多くの場合望まれるものでもないが、ここで記述される本発明部分を構成する操作のいかなる場合においても望まれるものではない。ここでの操作というのは機械の操作である。本発明の操作を達成する有用な機械は汎用のディジタルコンピュータあるいは同等の装置を含む。
また、本発明は、これらの操作を達成する装置にも関する。この装置は、必要とされる目的のため特別に製造され得、あるいはコンピュータに蓄えられるプログラムにより選択的に作動しまたは形成し直された汎用のコンピュータを有するとすることもできる。ここで述べられる手順は生来的には特別なコンピュータや他の装置には関連しない。種々の汎用機が、ここでの教示に従って書かれたプログラムを伴なって使用され得る。あるいは、必要な方法のステップを実行するさらに特化された装置を製造することがより便宜的であると証明されるかもしれない。これら種々の機器に対する必要とされる構造は下記される記述から明らかになるであろう。
(本発明の好ましい実施例の記述)
ホフマン移転と呼ばれる古典的な直接的経路で3日かけてロケットが地球から月に移動するとき、月軌道に入る減速のためにエンジンをふかさなければならない。さもなくばロケットは1km/sの速度で月から離れてしまうであろう。
典型的な月への飛行任務は次のステップを有する。最初に、宇宙船が地球あるいは低い地球軌道から単位質量あたり十分な推進力すなわち速度変化をもって、その宇宙船が地球月間の軌道に位置するように発進される。一般的に、この軌道は、実質的楕円となる地球からみた相対軌道であり、遠地点は月の地球からみた相対軌道の半径とほぼそろうように選ばれる。
宇宙船が月に近づくにつれて、速度変化がなされ、その宇宙船は地球月間軌道より月からみた相対軌道に移行する。それからさらに速度変化がなされ、その宇宙船は、もし月面着陸が計画されているなら月からみた相対軌道より月面に降りるようにしてもよい。地球への帰還を望む時には、宇宙船が月地球間軌道、例えばそれは地球月間軌道と類似するが、これに入るに十分な別の速度変化を行う。最後に、宇宙船が地球に近づくにつれ、宇宙船が月地球間軌道から低い地球軌道あるいは地球上へ帰還する軌道に移行するため速度変化が必要となる。
上記のステップそれぞれで必要とされる推薬は、宇宙船の質量と軌道移転を起こすのに必要な速度変化とに依存する。ステップそれぞれでの速度変化は一般的に推薬を燃焼することにより与えられる。それによって推薬の質量分は宇宙船からみた大きな相対速度で宇宙船から放出され、残り部分の宇宙船は相対的に速度を変化する。実際的問題として月への飛行任務での従来技術の軌道移転は推薬を燃焼することにより得られるので、月への飛行任務でなされる軌道移転の数と大きさは宇宙船の質量に大きく依存する。
エンジンを使って減速を要求することなく月に捕捉されることは現実的には可能でないといつにおいても想定されてきた。本発明は、月への飛行任務に必要な推薬を減少させる月より近い側の移転のシステムと方法の両方または一方を有する。また、本発明は、地球月間および月地球間移転に有用な軌道系を提供する。これは、軌道移転を起こすために月の重力場を直接的には利用せず相対的に小さな必要推薬を維持することができる。
本発明は、さらに、月面上または月からみた相対軌道に設備や人員を配するための頻繁な地球への帰還能力を提供する。本発明は、さらに、地球月間、地球地球間軌道、月地球間、地球軌道、惑星間移動の少なくとも一つに有用な軌道系を提供する。これは、軌道の移転を達成するため軌道への導入と軌道面向き変更との両方または一方のため弱安定境界を利用し、相対的に小さな必要推薬を維持するものである。
ホフマン移転から宇宙船が月に到着するとき、それは約1km/sの双曲線的な超過速度を有している。そこで、楕円の月軌道に捕捉されるために宇宙船S/Cは、推進力系を使って減速されなければならない。これをするための推薬の量は無視できぬほどのものとなる可能性を有し、さらに月捕捉を達成するためのこの制動的軌道制御は相対的に短時間でなされる。捕捉を達成する能力は、それはS/Cが月との近点で月に対する楕円軌道状態を獲得することであるが、ロケットを制動することなくなされる場合は弾道捕捉と呼ばれる。
ベルブルノは、電気推力宇宙船任務研究で1986年最初にこの方法を発見した。この研究は、LGAS(月離脱特別)(ベルブルノ・E、Lunar Capture Orbit, Method of Constructing Earth−Moon Trajectories and the Lunar GAS Mission(月捕捉軌道、地球月軌跡の構築方法、月GAS任務)、エーアイエーエーペーパーナンバー97−1054、プロシーディングズ オブ エーアイエーエー/ディージーエルアール/ジェイエスエーエスエス インターエレックプロプルコンフ 1987年5月、より)と呼ばれている。これは、ここにその中で引用されている文献を含み引用文献として組み込まれる。これは、弾道軌道が生じるためには宇宙船は月に弱く捕捉される状態で到着しなければならないということを十分に理解して達成されたものである。すなわち、宇宙船は捕捉と脱出が均衡するような速度を所望の捕捉半径において持たなければならない。月についてこれが生ずるような領域は見積もることができ、それは弱安定境界(WSB)、あるいはファジー境界(ベルブルノ・E、Lunar Capture Orbit, Method of Constructing Earth−Moon Trajectories and the Lunar GAS Mission(月捕捉軌道、地球月軌跡の構築方法、月GAS任務)、エーアイエーエーペーパーナンバー97−1054、プロシーディングズ オブ エーアイエーエー/ディージーエルアール/ジェイエスエーエスエス インターエレックプロプルコンフ 1987年5月 より、ベルブルノ・E、Example of the Nonlinear Dynamics of Ballistic Capture and Escape in the Earth−Moon System(地球月系における弾道捕捉・脱出の非線形力学の例)、エーアイエーエーペーパーナンバー90−2896 プロシーディングズ オブ ジ アニュアル エーアイエーエー アストロダイナミクス コンファレンス 1990年8月 より、ベルブルノ・E、ミラー・J、Sun−Perturbed Earth−to−Moon Transfers with Ballistic Capture(弾道捕捉を伴なう太陽摂動のある地球月移転)、ジャーナル オブ ガイダンス コントロール アンド ダイナミクス V.16 ナンバー4 1993年7−8月 pp770−775 より、ベルブルノ・E、Ballistic Lunar Caputure Transfers using the Fuzzy Boundary and Solar Perturbations: A Survey(ファジー境界と太陽摂動を用いる弾道月捕捉軌移転:概観)、ジャーナル オブ ザ ブリティッシュ インタープラネタリ ソサイアティ v.47 1994年1月 pp73−80 より、ベルブルノ・E、The Dynamical Mechanism of Ballistic Lunar Capture Transfers in The Four−Body Problem From The Perspective of Invariant Manifolds and Hill‘s Regions(4体問題におけるインバリアントな多様体とヒル領域から見た弾道月捕捉移転の力学的仕組み)、セントゥレ デ レクレカ マテマティカ(CMR) プレプリント n.270 1994年12月 より)と呼ばれる。これらはすべて、ここにその中で引用されている文献を含み引用文献として組み込まれる。
いったんWSBが見積もられると、弾道捕捉の問題はこの領域に達するという問題(すなわち、正確な速度をもって望まれる高さで月に到着すること)に縮減する。
WSBは捕捉と脱出の中間たる存在なので、S/Cは明確に定義された中心体、地球かあるいは月か、をもたない。それで、その動きはきわめて高い敏感性を有する。このため、この領域に対する地球近くからの前向きニュートン目標探索はうまくいかないであろうとそのときは考えられた。このことは、実際、真実のように見えた。
これは、1986年のD.ビルネスの示唆によって後ろ向き法により解決された。この解決は、LGAS開始以来、実際の飛行任務と飛行任務研究に対し正確なBCTを見出すため利用されてきた。1990年のヒテン、1990年のルナオブザーバ、計画されたルナA、1996年遅くのブルームーンまでである。例えば、ヤマカワ・H、カワグチ・J、イシイ・N、マツオ・Hの On Earth―Moon Transfer Trajectory with Gravitational Capture(重力的捕捉を伴なう地球月移転軌跡について)(プロシーディングズ エーエーエス/エーアイエーエー アストロダイナミクス エスピーコンフ ペーパーナンバー エーエーエス93−633 1993年8月)、カワグチ・J、ヤマカワ・H、ウエスギ・H、マツオ・Hの On Making Use of Lunar and Solar Gravity Assists in Lunar−A,Planet−B Missions(ルナA・プラネットB任務における月・太陽重力補助の利用について)(アクタアストル V.35 pp633−642 1995年)、クック・R・A、セルゲエフスキー・A・B、ベルブルノ・E、スウィーツァ・T・Hの Return to the Moon; The Luner Obserber Mission(月への帰還;ルナオブザーバ任務)(プロシーディングズ エーアイエーエー/エーエーエス アストロダイナミクス コンフ ペーパーナンバー90−288 1990年8月)、スウィーツァ・Tの Estimate of the Grobal Minimum DV Needed For Earth−Moon Transfers(地球月移転で要する全体の最小DVの見積り)(プロシーディングズ エーエーエス/エーアイエーエー スペースフライツ メカニクス ミーティング ペーパーナンバー91−101 1991年2月)、ハンブル・R・Wの Blue Moon; A Small Satellite Mission to the Moon(ブルームーン;月への小さな衛星飛行任務)(プロシーディングズ イントゥ シンプ オン スモール サテライト システムズ アンド サービセズ アネシー フランス 1996年6月)を参照のこと。これらは、すべてここに、それらに引用されている文献を含めて、また、先に組み込まれた引用文献を含めて引用文献として組み込まれる。
後ろ向き法は、月のWSBに関する所望の捕捉位置yに始まる。そこでは、接触の離心率e<1である。ここを初期位置として用い、ひとつの積分が後ろ向きになされる。その領域の敏感さのため、yにおける無視し得るほどの速度増加がS/Cを後ろ向きに月を脱出する原因となるであろう。それは、積分の終了する地球に関する近点xを持つであろう。一般的には、この地点はS/Cの出発点x0とは異なるかもしれない。
BCTは、そこで、x0からxまで前向きに積分することにより見出される。xから捕捉点yまでの経路はすでに決定されている。弾道捕捉により生ずるΔV省力分は、軌道修正ΔVを要するx地点での速度不一致により相殺される。これは、概略として図8に示される。ΔVを小さくするよう試みるには異なる別のパラメータ変化を利用する。
LGASの場合には、x0は地球上200kmの高さであり、xは100,000kmの高さである。y地点は月の北極軸上30,000kmである。S/Cは、低推力イオンエンジンを用いて約1年をかけらせんを描いてx地点に抜け出す。ここではΔVはゼロである。x地点から、e=0であるWSB上のy地点への移動部分は14日を要する。
この方法は、J・ミラーの助けを借りてベルブルノにより再び日本のヒテン飛行任務として用いられた。先に述べた引用文献を参照のこと。ヒテンはホフマン移転によって月に捕捉されるに十分といえる推薬を持たなかった。したがって、BCTは唯一の選択であった。それは、x0で近点放射方向距離8,900kmの楕円地球軌道にあった。WSBの捕捉地点yは、月の北極軸上100kmであった。そこでは、接触の離心率の値e=.94である。
太陽による摂動の影響の下で、yからの後ろ向き積分はS/Cを地球から120万kmの地球近点xに引き戻した。x0における14m/sという小さなΔVで、ヒテンを、ΔV=30m/sであるxに動かすに十分であった。飛行時間は150日であった。このBCTは1991年に用いられヒテンはその年の10月2日に月に到着した。
ヒテンに用いられたこの型のBCTは、地球からの脱出条件と月での捕捉条件を任意に選ぶことで一般的な月への飛行任務に用いることができる。一般的な飛行任務へさらに適用性を増すには、この後ろ向きによる取り組み方法は一般化され、より融通性を有するようにされる必要があろう。1992年から1993年の共同研究では、発進時機を見出すことを含めてこの後ろ向きによる取り組み方法を一般的な飛行任務に適用する方法を発見した。タンドン・Sの Lunar Orbit Transfers using Weak Stability Boundary Theory(弱安定境界理論を用いる月軌道移転)(マクドネル ダグラス インターナル レポート(ハンティングトン ビーチ) 1993年3月)を参照のこと。しかしながら、この方法は自動化するには扱いにくく見かけ上も難しい。これは、一般的に地球に対する6つの軌道要素を満足する必要があるからである。
xでの軌道制御が不要なBCTについて共同研究がされた。y地点での月捕捉のWSB条件を注意深く多少変えることにより、x0での所望の高さrで地球に戻る軌跡となるよう後ろ向き積分を調整することは難しくない。実際、WSBでのeの3桁目以下の変化でこれには十分である。飛行時間は80日で済む。しかしながらこれを行うと軌道面向きiに対する制御はきかない。x0を出発しそれから所望の値まで軌道面向きをゆっくり動かそうとするときそれが可能だとは思えないということはすぐにわかった。iの3桁目の変化でさえWSB状態を目指すときのその前向き計算法の結果がうまくいかない原因になる。
これは、より複雑な後ろ向き積分により解決され得る。そこでは、r、i両方の正確性を達成するために複数の月に対する変数Ω、ω、eを変える必要がある。しかし、依然、変数Ω、ωは満足な状態ではある。これを行うための手順は複雑であり、地球に対する変数要素の等高線表示の数多くを比較することとまた後ろ向き積分とを含む。結果的にそれらは満足な状態たり得る。しかしながらこの方法は時間集中性を要する。
しかし、私は、地球に対する変数2つを変化させることで月の弾道捕捉状態への非常に融通性がありふるまいのよい目標探索をもたらす地球に対する変数の組を見出した。そこでは、その変数はその処理中一定である。これらの変数は、
1.速度の大きさ
2.飛行経路角
である。
私は、また、全くロバストで相対的に単純なx0からyに至る前向き目標探索法においてBCTを効率的に見出す方法を発見した。この前向き方法は、2x2であることが判明する。すなわち、地球に対する2変数は、ふたつの月に対する変数要素により月におけるWSB状態を達成するように、ニュートンの目標探索計算法において変化させられる。これを実行する場合に、地球に対する重要な変数の多くはこの処理手順と切り離される。このことは、r、i、Ωの管理制御という結果をもたらす。いくつかの例を以下に示す。
地球の与えられたx0地点から月のy地点でのWSB状態に至るロバストなものの探索のため、その計算方法は、月に関する所望の状態を達成するにおいて、大きな初期誤差を伴なうが収束によりBCTに至り得る必要がある。これらの月に関する状態を達成するためx0地点において変えられていく独立変数は、i、Ω、ωを含みできるだけ多くの地球に対する角変数要素と切り離されているべきである。探索は近点Tからの時間がほぼゼロに等しい時間でなされると仮定される。これら3つの角変数のすべては発進ロケット本体に依存する全くの強制的なものとできる。たとえば、アリアネIVに対してはi=7°、Ω≒8°(西)、ω=178°である。
満足すべきで特に重要な月に対する目標変数は、放射方向距離rと軌道面向きiである。ブルームーンの飛行任務では、高さ500kmを表わすr=2238kmで、またi=90°と仮定される。もしもS/Cが地球のほぼ楕円軌道の遠点近くであって地球からほぼ100万ないし150万kmの地点から月に向かって落下するなら、そのときS/Cは、地球月太陽の配置幾何学が正しいという条件下で月に対するWSBに落下すると判明する。
x0での目標探索計算法に必要な座標系は球座標系である。それらは、rと、経度αと、緯度δと、速度の大きさVと、飛行経路角γと、飛行経路方位角σで与えられる。飛行経路方位角とは、その局所的デカルト座標系のz軸正方向から速度ベクトルV=(x,y,z)までの角度である。もっと正確に言うと、
σ=arccos(z/V
である。
我々はブルームーンに対して高さ186kmに相当するようr=6563.94kmに固定した。目標探索計算法は、r、iを達成するようV、γを変化することによって与えられる。標準的な2次元のニュートン法が使われる。記号的に表示すると、
、γ→r、i
である。
、ΩはV、γと独立であると確認される。このように、この2x2による探索、これを(1)で表わすことにするが、これはi、Ωを変えない。結果としては、与えられたi、Ωに対して一旦(1)があるBCTに収束すると、これらは変えられることが可能となりそして(1)は再び実行され得る。これは、その収束したV、γと他の4つの球座標系変数要素を用い、それらを古典的変数要素に変換することによりなされる。古典的変数要素ではi、Ωは望むように変えられる。
その古典的変数要素はそれから球座標系変数に戻される。この新たな球座標系変数は、依然同じ収束値V、γをもつであろう(V、γはi、Ωと独立なので)。しかし、α、δ、σは変化しているであろう。この変化が大き過ぎないなら上記(1)は収束する。この方法においては、i、Ωは系統だって上記(1)を有限回行うことにより望む値までゆっくり動かされ得る。
何らの管理制御も加えられていない残る変数はωである。この変数を調節するため用いることができるであろう取り組み方法はいくつかある。これらは、地球を離れる日付(I/D)を変化させることから、等高線の使用あるいは軌道制御を含めることまでにわたる。一般的には、Ω、ωの変化に対して飛行時間(Tf)、i、Ω、ωの等高線を作ってみることはいい考えである。これらの等高線のためのデータは、系統だってΩ、ωを変化させ、そのそれぞれに対して後ろ向きの場合の軌跡が同じ放射方向距離で地球に戻るようにeを調節することにより発生される。すなわち、1x1のニュートン目標探索e→rである。
(Ω、ω)のそれぞれの値に対して(Tf、i、Ω、ω)の値が記録される。これらの数値配列はかなり多くの等高線プログラムに適用可である。これらの変数の等高線はI/Dを含むパラメータ空間の領域決定に役立ち得る。そこでは、i、Ω、ωの望まれる値を見出し得る。
注意すべきことは、この手順を開始するときに上記(1)が収束するようにV、γと他の球座標系変数のうまい推量が見出される必要があるということである。
これをするには多くの方法がある。一つの方法は、古典的変数要素においてS/Cが100万ないし150万kmの遠点を有する楕円軌道上にあり近点距離が望む高さになるようにa、eを選ぶことである。例えば、現実的な値はa=657,666km、e=.9900である。ほかの変数は、上記(1)の収束があるか否か見極めるため手作業的に試され得る。
上記(1)のロバスト性は表1に示され、そこではiの変化は前に収束したi=21.56°(EME日付)の場合から2°変えて19.56°を表わす。探索中を通してΩ=36.51°である。反復の最初で252,243kmという大きな誤りの距離があるが、なお収束は達成する。収束した反復による結果的飛行時間は93日5時間13分である。

表1.目標探索反復
反復回数 V γ
1 10.992708088 1.310755264 252243.45 157.23 1.79
2 10.992996382 1.310755164 59489.90 54.70 .21
3 10.992972418 1.310755175 36675.56 56.85 .32
4 10.992950388 1.310755214 11753.77 54.34 .62
5 10.992928540 1.310604110 6286.67 67.74 .80
10 10.992752082 0.906403936 2237.74 89.93 .93
11 10.992751828 0.905723383 2241.06 90.03 .93
12 10.992751819 0.905724637 2238.00 90.00 .93
この議論は、アリアネIVのため設計されたブルームーンBCTに関する文書明示で締めくくる。
1.地球発進
T: 1997年7月16日06時16分55秒(ET)
=6563.94km
=10.99km/s
=7°
2.遠点
T: 1997年8月22日11時48分08秒
=1,370,923km
=.215km/s
3.月捕捉
T: 1997年10月19日06時52分47秒
=2238.00km
V(月)=2.08km/s
=84,217.12km
=.97
=90°
このBCTは図9に図示される。
図10は、前向き積分により決定される操作的BCTの本発明による他の図を示す。図10には月への弾道捕捉軌跡が図示される。この軌跡の行程1は、地球か実質的地球近傍かあるいは地球を回る軌道に始まり、地球太陽の弱安定境界まで延びる。行程1に軌道制御1が伴ない、例えば、地球太陽の弱安定境界において11メートル毎秒(m/s)とできる。あるいはまた、推力を用いて地球太陽のWSBにおいての軌跡上の物体が11m/sより早く進むようにも、地球太陽のWSBに0m/sで到着するようにも設計され得る。
物体は、行程1に沿って約3日後に月軌道領域を通過する。加えて、その物体は、約1箇月半後に行程1の最終点に到達する。地球太陽のWSBでは、その軌跡における行程2のため2番目の軌道制御が行われ、それによりその物体を地球太陽のWSBから月のまわりでの月捕捉に導く。このための時間の長さは行程2においてさらに約3箇月を要する。
後ろ向き積分の方法では操作的にBCTを見つけ出すのに毎日専従で1箇月を要したが、前向き目標探索のこの新たな手順はコンピュータ上で数分で済む。i、Ω、ωをゆっくりとそれらの望まれる値まで動かすことは容易に自動化することができる。しかしながら手動的に容易にできる。注目すべきことは、目標探索手順が2x2のみであることである。すなわち、2つの制御変数と2つの目標変数である。BCTの本来の姿が得られるのでこれは科学的精密さと簡潔さを備えた手順である。
これを行うのに要するソフトウェアは、
1.目標探索能力を有する数値積分器
2.初期状態発生器
である。本発明によるものである、数値積分器102と初期状態発生器IGUESS100との相互作用の流れを示す図11を参照のこと。
積分器は極めて正確であり、標準的な10次の積分器かその他の標準的な積分器である。目標探索は標準的な2次のニュートン法である。この積分器は十分に役立つ程度に正確に太陽系をモデル化し、また惑星の天体暦を用いる。この正確性は、本手順が操作的に現実の任務や飛行に適する移転軌道を生成するということから必要である。
積分器により生成される軌跡は、宇宙船の実際の経路に対して無視し得る程度の誤差を有することが見出される。この積分器、目標探索器はネットワークに接続されずソースコードで与えられ、またフォートランで書かれている。この積分器、目標探索器のソフトウェアは米国暫定出願順次番号60/036,864に含まれており、これは、ここに引用文献として組み込まれる。初期状態発生器は、所望の目標変数の適切な初期推測値を極座標系で生成し、またi、Ω、ωの増加変化を与える。これは、目標探索器が収束可能とするように必要とされる。
積分器、目標探索器は、惑星の動きを表わす精密な惑星天体暦を必要とする。惑星の標準データファイルがJPLで作られており、DE403と呼ばれている。これは、ここに引用文献として組み込まれる。これは、世界中の天文学者、航空宇宙分野で使われている。
上記の記述すなわち方法は、地球あるいは地球軌道から発射された物体の月捕捉に焦点を当ててきたが、上記の方法は、2つの惑星間を移動する場合にも適用可能である。そこでは、選択的にまたは好ましくは太陽の重力の効果が存在すると仮定できる。例えば、先に述べたように地球から月まで移動する代わりに、木星を回る軌道を離れて衛星、ヨーロッパの弱安定境界に移動するというように2つの物体を選ぶこともできる。この方法において、ヨーロッパに弾道捕捉されることもできる。
注意すべきことは、木星からヨーロッパへの移転の物理的様相は本質的に地球から月への移動と同じということである。この例において上記の方法を適用するためには、「地球」という言葉を木星に置き換え、「月」という言葉をヨーロッパに置き換える。例えば、スウィーツァ他の Trajectory Design for a Europa Obital Mission(ヨーロッパの軌道に対する軌跡設計)(エーエーエス97−174 1997年2月10―12日)を参照のこと。これは、ここに引用文献として組み込まれる。
図11Aは、数値積分器と初期状態発生器との相互作用の流れを詳しく図示する。図11Aに示されるように、本発明の手順は目標探索において2つの異なる記号の変数を用いる。ここでは,目標探索のため2次のニュートン法(NM)104と地球から月までの軌道(または軌跡)を数値的に伝達する10次の積分器(I)106とを用いる。2x2の方法が目標探索に用いられる(もっともこれ以外の次数探索をすることがあってもよい。)。すなわち、(6つのうち)2つの変数が地球に対し変化し、月に対しての(6つのうち)2つの変数に対して探索される。
月に対しては2つのパラメータで十分である。それらはi、rである。目標探索器に対しては特別の組の6変数が好ましくは用いられ、それらは極座標系で表わされ、それらのうち2つが選ばれてi、rに到達するため変られる(もちろん、本発明は、本発明から引き出される異なる変数を用いることも含む。)。その6つの変数は、r、α、s、v、γ、σである。実際に変えられるのはv、γである。v、σの適切な仮定により目標探索器は収束する。IGESS100はv、γの適切な初期仮定を決定する。
目標探索器は、それが動作するように積分器を組み込む。目標探索器はそれが動作中においては積分器Iを多数回用いる必要がある。その目的とするところは反復的に精密に値v、γ = v*、γ*を、BCTが月に所望の値r、iで到達するように決定することである。たった一つのIGESSからの仮定が目標探索過程のまさしくその始まりにおいて必要というわけである。
図11Bは、数値積分器と初期状態発生器との相互作用の流れを詳しく別に図示する。まさに生成されたBCTは、与えられた軌道状態の地球から、r、iがそれらの所望の値に達成されている月に進む。図11Bに記述された処理において、v、γだけが変化しr、α、s、σは固定される。我々の決定された6つの変数は、したがってr、α、s、v*、γ*、σである。
操作的にBCTを生成するため、いわゆる軌道状態を構成している6つの軌道パラメータが地球において必要とされる。それらは、意外なほど早く飛行任務において与えられ、またすべてが満足されているに違いない。その変数は、上記のものに関連するが異なるものである別の変数の組を通常は満足する必要がある。それらは古典的変数要素と呼ばれるα、e、i、Ω、W、Tである。上記の収束状態S=r、α、s、v*、γ*、σからは、古典的変数C=α、e、i、Ω、W、Tの特定の集合を生ずるであろう。
一般的には、この古典的変数の値は、飛行任務が必要とし得るものではないであろう。飛行任務というものは特定のi=i*、Ω、W*を欲するであろう。これらは通常、解決の道となる。他のα、e、Tは決定するのは容易であり、実際には課題ではない。もし、v、γがNMにおいて変化するにつれてi、Ωが変わるなら、複雑な事態になるであろう。しかし、i、Ωはv、γと独立でありしたがってそれらはNMが収束する間固定されている。そこで、NMが収束した後、i、Ωは少しばかり異なる値に更新され再びNMは収束する。反復的にこれを行うことでi、Ωは徐々にゆっくりと、図11Aを多数回適用した後において望まれる値まで動かされることができる。i、Ωを変える最善の方法は、Cの等高線空間、これは標準的な等高線プログラム(例えばCONT市販プログラム)によって決定されるのであるが、これを知ることによって導かれ得る。残る最後の変数はWでありこれはNM作動中変化する。しかしながらわずかであり、また望む値にゆっくりと動かし得る。
概略的にいうと、図11Bに記述された処理はi、Ωが望む値にゆっくりと動かされるまで反復的にすなわち何回も適用される。標準的な等高線プログラムはここにおいて助力するため用いられる。最後に、図11Bに記述された処理を十分な回数適用することによってWをゆっくりとその望む値まで動かす。
本発明の他の実施例に従い、有用な地球月間、地球地球間軌道、月地球間、地球軌道、惑星相互間の移動の少なくとも一つが提供される。これらは、軌道への導入と軌道面向き変更の両方または一方のため弱安定境界を利用する。私は、この手順により計算されたBCTのための地球からの出発位置は、いかなる高さでのいかなる宇宙発射移動機器にも適するものとできると確定した。宇宙発射移動機器には開発中の国際宇宙ステーション、アルファや、ロッキードにより開発中の新型ロケットエンジンを用いるベンチャースターと呼ばれる革命的な一段で軌道に乗る移動機器等が含まれる。
私は、また、地球軌道上衛星の軌道面向き変更において本当のΔVの節約をもたらす権能をBCTに与える鍵となる特徴をこのBCTは有すると確定した。これは、以下に詳述される。
衛星が月の弾道捕捉y地点に到着するとき、無視し得るほどのΔVが逆向きにBCTをたどってそれを月から離れさせる原因となり得る。その逆向きのBCT、いわゆるBET(弾道脱出移転)は望む高さと軌道面向きでWSBから地球に戻る(図13参照)。
この特性は、WSBでの弱捕捉にある宇宙船にとって月に対する離心率eの無視できるほどの変化が離れる月からの脱出を引き起こすという数値的事実により裏付けられる。私は、それはBCTと対称と考察され得ると確定した。BCTがゼロΔVで月に捕捉されるのと同じ方法で、BETはゼロΔVで月を脱出する。このことは、Eの近点で地球に達するとき望まれる特性を持つようなBETへの脱出を引き起こすべく、WSBにある間に軌道の離心率をわずかに増すことによって促進される。
もっと簡潔には、WSBにあるということは時間t=t0においてe<1を意味する。その後の時間t=t>t0において月から脱出するということはe(t)>1を意味する。t0におけるeのわずかな変化は、eが新たな離心率e(t0)→e(t0)+δに変化することを意味する。ここで、δはわずかな値である。(図9においてまた上記で表として示した例の場合では、月の北極上100kmの高さでの月のWSBへの弾道捕捉は、e=.94を含意する。eの4桁目の増加は、上記後の時間t=tであるt0から数時間後における月よりの脱出の原因となる。eの4桁目の変化は、脱出を引き起こすほどのわずかなΔVと等価である。この例の場合では、δ=.000aであり、a>0は整数1、2、…、9である。)
所望の値のh、iに向かうBETを得るために、衛星は、正確な方向と時間でWSBから脱出しなければならない。私は、3体問題における対称性は、位置と速度の空間においてBCTと対称であるような地球に戻るBETの存在があることの裏付けとなることを発見した。我々が使っているモデルは、このような対称性が存在するに違いない地球、太陽、衛星間の理想化され限定化された3体問題に近い。衛星がいったん脱出でWSBを抜けるとあるいは捕捉前でWSBに至らないと月の重力的影響は無視し得るほどである。地球太陽間をx軸とし地球を中心とする太陽に固定された座標系において、BETはこの軸を対称としてBCTからほぼ導かれ得る。前向き法がそれらを簡単に見出す。この性質とその含意は次の節においてさらに議論される。
上記の性質は重要な意味を有する。それは、地球軌道上の衛星の軌道面向きを変えるのに必要なΔVの量をできる限り小さくするという問題を解決する。
この事実は今から説明される。地球を回る任意の楕円軌道Eにあり軌道面向きがiE1である衛星から始める。その軌道面向きを他の値iE2に変えることが望まれる場合、ΔVを要するこれを行うために通常の軌道制御がなされる。この軌道制御は近点で行われる。軌道面向きの変更、すなわちΔi=|ΔiE2−ΔiE1|が大きいほど、ΔVと表わすことにするΔVは大きくなる。例えば、楕円とした地球軌道が、たまたま高さhでの相対的円運動速度Vを有する円軌道であるとすると、計算式は、
ΔV=2Vsin(Δi/2)
という結果になる。
この軌道制御は軌道平面に対して垂直に向かってなされる(図14参照)。
ΔVの大きさを縮減することが目的とするところである。
これを行う方法は、楕円軌道の近点でΔVの軌道制御をすることにより、軌道面向きiE1の最初の楕円軌道Eにある衛星をここから去らせることである。衛星はそれにより地球から遠ざかっていくであろう。衛星が十分に地球から離れ適当な位置となる時間経過の後、軌道制御ΔVがなされ衛星は、軌道面向きがiE2に移行していることを除きEと同一の地球楕円軌道Eの近点に戻される。衛星が最終的な軌道Eに乗って進むように最後の軌道制御ΔVが近点で適用される(図15)。
ΔVはΣ=ΔV+ΔV+ΔVと比較される。Σ<ΔVとなるΣを有することが望まれる。
これは、Δiが十分に大きい場合でまたΔVが十分に小さい場合に生じ得る。節約されるΔVは、ΔV−Σである。
ΔVを最小化する方法は月を利用することである。上記で詳しく記述されたようなこれを行うための試みは、J・ダルクの米国特許第5,507,454番の中にある。これは、ここに引用文献として組み込まれる。その中では、月の重力の助けを用いる通常の技術が利用されている。衛星は、最初に、ホフマン移転により月の近傍に移動される。そしてただ正確な軌道面向きと速度で月の周りを回る。ここで、衛星は2あるいはそれ以上に分けられてΔVがなされ得る。それから、衛星は最初の値iE1から軌道面向きが
E2に変えられるよう帰還のホフマン移転で地球に戻される。
この方法はうまくいくのであるが、ΔVは約600m/sである。この軌道制御の大きさが、この方法の適用を離心率が十分大きな楕円軌道に制限する。これは、この大きな軌道制御に備えを有するためには、ΔVと最後の軌道制御であるΔVは十分に小である必要があるからである。これを生じさせるためにはE、Eの離心率はできるだけ大きくさせるべきである。すなわち、できるだけ1に近くする。これらの軌道制御の規模はその離心率が0である円地球軌道にあるとき最大となるであろう。これは、より大きな離心率はその楕円の近点速度が大きいことを意味するからである。
したがって、衛星に楕円軌道を離れさせホフマン移転により月に向かわせるため、またあるいは帰りのホフマン移転から地球に捕捉されるには、より小さな速度が必要とされる。ダルクの方法は、大きな離心率を有する地球移転型(ジオトランスファータイプ)の軌道に適用されまた制限される。ダルクの方法は、離心率が小さな円軌道では相対的にほとんど利点、節約にたどりつかずこれらを提供しない。
私は、実質的なΔVの節約を生む新たな方法はWSBで月に弾道捕捉されることを利用して得られると確定した。これが、上記で議論された性質はこの場合、
ΔV=0
であることを含意すると私が確定した理由となる事情である。月による弾道捕捉は、通常の重力補助とは全く異なるものである。重力補助では、衛星の月との重力的相互作用は地球を含まない単純な2体法でモデル化される。月への弾道捕捉では2体での定式化は不可能である。例えば衛星、宇宙船あるいは他の物体と月との2体での定式化においてはWSBは存在しない。弾道捕捉は、衛星または宇宙船、月、地球の間の3体モデル化において存在する。WSBはこの定式化において存在する。BCTそれ自身は、もっと複雑な、衛星、月、地球、太陽の間の4体定式化において存在する。それは、太陽がモデル化されないなら存在しない。
ΔV=0とすることの意味は考慮に値し、また、BCTとBETを用いてこれまでのやり方を超えて実質的によりよい節約がされ得る。また、この新たな方法は、電気通信事業への実質の適用を有する低い円軌道にとっても意味がある。上記したように、現在使われている他の方法に関する実情はこの通りでない。
もっと簡潔にいうと、この新たな方法は、最初に軌道制御ΔVを衛星に適用して、例えば近点でEから月へのBCTに乗るようにする。これを行うための正確な算法と方法は、1997年2月4日にファイルされた米国暫定特許出願番号60/036,864に記述され、これはここに引用文献として組み込まれる。これは以下に簡単に述べられる。もっとも、同種の結果を与える同種の算法を用いてもよい。ΔVはホフマン移転で必要とされるであろう値とほぼ同一になると判明する。したがって、この場合BCTに進むことによって何らの意味ある損失も生じない。
BCTは、衛星を、80−100日後、所望の高さhにおいてWSBで月への弱捕捉に導く。これにより離心率eと半長径aが決まる。軌道面向きiと他の月に対する変数要素である近点角ω、交点角Ωとは、衛星がEで必要とされる軌道面向きiE2、近点高さhで地球を目標に戻れるように選ばれる。衛星は、わずかばかりの操作で月に対する変数要素を変えることによりBET上を地球に向かって戻る。正確に算法が下記に示される。もっとも、同種の結果を与える他の同種の算法を用いてもよい。
衛星は、WSBを離れた後80―100日で地球の近点に到着する。衛星はWSBにはできるだけ短時間のみ存するべきである。というのはそこはカオス的領域だからである。しかしながら、安定のため無視し得るほどの大きさのわずかな軌道制御を弾道捕捉の後に直接的に適用することができ、その結果もし時機選択が課題なら1箇月あるいはそれ以上月軌道に留まることもできる。それから、時機が来たときわずかな無視できるほどの軌道制御が衛星になされてBETで地球に向かわせる。このことはΔV≒0であることを含意する。衛星が地球近点に帰着するときΔVが適用され衛星は所望の楕円軌道Eに導かれる。
この軌道制御は、ホフマン移転から帰るとき必要とされるのとほぼ同じであり、したがって、Eの近点で地球にBETから戻るとき何らの意味あるほどの損失もない。記号的に記すると、我々は、
→ΔV→BCT→月捕捉→ΔV≒0→BET→ΔV→E
を得る。
(FIGs.16A−16B参照)
これらすべてについて2つの注意がある。1つは、飛行時間は160−200日となる場合があるということである。これは、節約されるΔV合計に対する交換条件として検討する際考慮すべき事柄である。もう一つはこの方法の一般性に関連する。我々は、Eの形と大きさは同一を保つとずっと仮定してきた。すなわち、e、a、hは不変である。事実としてはその必要はない。変化するiE1の過程においてはこれら最後の3つの変数要素はまた変化することを許され得る。都合よくも、我々は最も一般的な方法においてEはEが有していたh、e、aとは異なる値を有してもよいと仮定している。hは最初の楕円Eかあるいは最後の楕円Eにおける地球での高さであり、またこの変数hは何らの所望の値に動かし得る。したがって、任意の軌道面向き変更を与えるこの手順に加えるものとしてそれは任意の高さ変更をも提供する。
主たるコンピュータ処理過程あるいは算法は、1997年2月4日にファイルされた米国暫定出願順次番号60/036,864に詳細に記述されている前向き法である。これは、ここに引用文献として組み込まれる。もっとも、上記にも記述されたように他の機能的に等価な算法も用いることができる。それは、簡単に概略記述される。Eの近点でのhにおいて、V、γは、所望のi、h値の月WSBを目指すよう変えられる。これは、標準惑星天体暦DE403を用いる精密数値積分器を伴なった2次のニュートン目標探索法である。目標探索が収束するには、V、γは、十分にうまい推量が求められる。これは、1997年2月4日にファイルされた米国暫定出願順次番号60/036,864に記述される。記号的にいうと、
、γ→i、h
である。
この算法は、Ω、iが一定を維持するという特徴を有し、その結果、それらはこの目標探索の反復適用を繰り返すことによってEに対するそれらの望む値まで系統的にゆっくりと動かされることができる。変数ωは、地球パラメータの等高線表示を用いることにより、さらにそれを目標探索算法の反復適用によりゆっくりと動かすことによって確定され得る。これは、1997年2月4日にファイルされた米国暫定出願順次番号60/036,864に記述される。また、この算法において弾道捕捉で月に到着する時間は自由に変わるパラメータである。このパラメータは到着日を意味するA/Dと表示される。BCTでEの近点を離れる瞬間は発進日を意味するI/Dと呼ばれる。
この方法において、精密なBCTは、所望のI/DでのEに対する軌道変数要素の全ての要求に応ずるコンピュータ上で生成され得る。これは、図9に記載されたBCTに対して実行された。Vの収束値は、Eの近点での速度値を減ずることによりΔVを導く。
ΔV=V−√(Gm(1+eE1)/r
ここで、e=eE1はEの離心率、mは地球の質量、Gは重力定数である。
ΔVはEでの近点速度を増しその結果衛星はBCT上に動くことができる。
衛星が、A/Dに、WSBでの弾道捕捉において月近点で月に到着するとき、変数要素i、h、eが決定されまた捕捉のΔVはしたがって0である。残る変数要素は、ω、Ω、φである。ここでφは離心近点角である。本発明は、例えば月近点に接触することを目標とするので、そのときはφ=0であり、またしたがって確定もされる。ω、Ωは自由に変わる。これらの変数要素は、BETを用いる地球への次の目標探索を可能にするようにそれらのパラメータ空間の正しい位置にあると考えられる。
そういう状況でないなら、そのときには、安定のための約10m/sというわずかな軌道制御、その値は私が確定したのであるが、これにより衛星が約1箇月の間、月のWSBから脱出しないことを保証するであろう(例えば、1997年2月4日にファイルされた米国暫定出願順次番号60/036,864に引用文献として組み込まれた参照6を参照のこと。これは、ここに明確にその中で引用されたすべての文献を引用文献として組み込む。)。そこでこれにより、これらの変数要素からなるパラメータ空間の適切な領域にそれを動かすに十分な時間が与えられる。私は、衛星は、その動きというのが力学的に平衡状態にありしたがってわずかな軌道制御がそれを月のまわりを動くようにするに十分とするほどに感度の高いものであるので、無視し得るほどのΔVによりWSBで月のまわりを動かされ得ると結論づけた。これらの軌道制御は合計で、例えば約1m/sであろう。この方法は、また、何かのあらかじめ決められた時間内において月のWSBに設備を保管するためにも用いることができる。
でのh、iE2の要求される値で地球近点に月から目標探索するには、再び地球の代わりに月を出発点とする例えば前向き法が使われる。V、γの変化がh、iE2を目指すためhにおいて用いられる。ここで、Vは月に対する速度の大きさである。記号的に記すと、
、γ→h、iE2
である。この算法の収束がBETを生む。BCTで用いられたものと同一性を有する目標探索算法とソフトウェアがしたがってこのBETのために用いられ得る。そのソフトウェアは実際の軌跡の生成もする。飛行時間は80―100日であろう。Eの地球近点へのA/Dは、目標探索算法が収束してから後に確定される。というのはA/Dは目標探索において自由に変わるパラメータだからである。
月からのBETの脱出日I/Dは、前向き算法の下では固定されているi、Ωとともに、手作業的に変えることが可能であり、これによりEの地球近点で要求のΩ、ω値を達成する。目標探索算法により必要とされるΔVは、例えば約1m/sより小さい。それで、衛星が月に捕捉されてから使われる合計の量は、例えば11m/sである。したがってこれをΔVに加えても、
ΔV≒0
である。
地球近点において、私は、軌道制御ΔVはBETの速度VをEの速度として次の式を満たすように減少させると結論づけた。
ΔV=V−√(Gm(1+eE2)/r
ここでe=eE2はEの離心率である。都合よくも、最も一般的な方法で我々は、EはEが有するのとは異なるh、e、a値を有してもよいと仮定している。hは、最初の楕円Eか最終的な楕円Eのいずれかの地球での高さであり、この変数hはいかなる望む値にも変更され得る。したがって、任意の軌道面向き変更を与えるこの処理手順に加えることとしてそれは任意の高さ変更も提供する。
処理手順の概要
I.E1からの弾道月捕捉に至るBCT
E1の近点であり、h、iE1において、I/D=I/Dに、BCTを決定するため、式(1)により前向き法を適用する。式(1)を反復的に適用することによりΩ、ωをそれらの所望の値まで少しずつ動かす。収束したV値は式(2)を用いてΔVを導く。前向き法により確定される月へのA/Dは自由に変わるパラメータである。
II.月への到着とBETの確定
A/Dに、BCTは、段階Iにより満足させられる、h、iで月の近点に到着する。ここでは、ΔV=0である。例えば約10m/sを加えることにより安定化する。例えば、約1m/sにより、衛星を適切なΩ、ω値に動かし、BETが確実に地球を目指すようにする。A/Dより時間Tの後、式(3)により与えられる前向き法を適用する。Eで必要なΩ、ω値を満足するため手作業的にΩ、ωを動かし式(3)を再適用する。BETは、I/D=A/D+Tに最終的に確定される。BETは、A/Dに、地球近点に到着する。
III.月からEへのBET
BETは、E2の近点に、h、iE2において、A/Dに、段階IIから確定されるように、到着する。変数要素iE2、Ω、ωはE2において満足されている。E2の残る変数要素a、eは、式(4)から確定されるようなΔVを適用した後で満足される。
段階I−IIIが特定のコンピュータ処理手順を詳述するところ、次に示す主たる機能を発揮する機能的に等価な他の計算(もし存在するなら)を用いることもできる。
I.E1から弾道月捕捉へのBCT
II.月への到着とBETの確定
III.月からE2へのBET
さらに、上記の方法は、WSB特性を何らかの弾道捕捉の形で示す空間領域のいずれに関連しても利用することができる。加えて、BCTとBET両方の再帰的性質は実行性と計算効率の助けになる。
ΔV節約の比較
ここに示される本発明の方法、これを我々はWSB軌道面向き変更法、あるいは簡単にWSB−ICMと呼ぶが、これによるΔV節約の合計は、E1の近点で単に一度の軌道面向き変更軌道制御を行うことによる通常の方法と簡潔に比較される。この通常の方法を我々は古典的方法あるいは簡単にCMと呼ぶ。WSB−ICMは、また、参照8に記述された方法とも比較される。この方法を我々はホフマン軌道面向き変更方法あるいは簡単にH−ICMと呼ぶ。
この比較は、700kmの高さにある円軌道地球衛星の軌道面向きを変更する場合に対しなされる。この例での軌道面向き変更は、iE1=34°からiE2=90°にする場合であり、これはΔi=56°である。34°という軌道面向きはほぼカルフォルニアにあるバンデンバーグAFBに対するものである。この種の軌道面向き変更は、テレデシック網の衛星に例えば適用可能である。イリジウム網も衛星を低い円極軌道に乗せることを計画する。WSB−ICMとH−ICMの両方について、ΔV=ΔV≒3.080km/sであることが計算される。参照8よりH−ICMではΔV≒670m/sである。WSB−ICMはΔV≒0である。CMは、軌道面向き変更に対しΔVとして7.050km/sを示す。軌道面向き変更に対し使われる合計のΔVをΔVとすると、我々は、WSB−ICM、H−ICM、CMそれぞれについてΔV=6.160、6.830、7.050 km/sを得る。
これは、CMに対しそれぞれ節約百分率、13、3、0 %を導く。したがって、WSB−ICMの節約は他の2つの方法より実質的に大きく、すなわち13%減である。これは、明細書の最後にある表1、表2に要約される。WSB−ICMは、一般的に、700kmの高さで円軌道の場合にはΔi≧49%でCMより改善が生じる。もっとも、他のΔiでの節約はあり得る。この典型的臨界的なΔiの値は、E1、E2の近点高さと離心率とに依存する。
他の興味深い場合は、高さ700kmぐらいで円軌道の軌道面向きを7°から90°に変更する場合である。これは、アリアネIVかVの発射移動機器に適用可能であろう。この場合ではCMは9.945km/sを導く。WSB−ICMは、これに対して38%減少させ、前段落に示した値と同じ6.160km/sを導く。このことは、アリアネIV、Vは、軌道面向きを7°から90°に変更するためにWSB−ICMを用いることによって上記CMと比較されたのと同じ13%の性能改善をもって用いられることが可能であろうということを意味する。
ΔVの改善の程度は、近点高さ、離心率とE1、E2の軌道面向きとに依存するということが強調される。地球移転型(ジオトランスファータイプ)の軌道に対して参照8に与えられた例と比較すると、WSB−ICMは、H−ICMに対して約33%性能を改善したということに注目すべきである。
これらのΔVの節約は、それがロケット方程式を用いて宇宙船の質量の節約に換算されたとき、推薬の減少により、与えられた発射移動機器がさらに衛星を積み得るかもしれないということを意味する。また、より小さな有効搭載量のより小さな分類に入る発射移動機器が利用され得るであろうとも言える。これらの可能性の両方は、電気通信業界により打ち上げられている衛星網に財務的意味を持つかもしれない。
図17は、本発明の上記記述された方法の一実施例に従ったコンピュータ処理を実行する主機たる中央演算装置218を図示する。図17において、コンピュータシステム218は、ディスク駆動装置236、238を具備する中央演算装置234を有する。ディスク駆動装置236、238の示すものは、専ら表象的なものであり、ディスク駆動装置の数はこのコンピュータシステムによって適応的であってよい。典型的には、これらは236に示されるようなフロッピー(登録商標)ディスク駆動装置、ハードディスク駆動装置(内蔵か外付けであるが図示せず。)、あるいは挿入溝238で示されたCD−ROMを含むであろう。これら駆動装置の数と種類は、典型的には、コンピュータによって異なる装備により変わる。コンピュータは、情報が表示される表示装置240を有する。キーボード242、マウス244も、標準的インタフェースを用い入力装置として利用可能である。
図18は、図17に図示されたコンピュータ218の内部ハードウェアのブロック構成図である。図18に図示されるように、データバス248は、このコンピュータシステムの他の構成部分を相互接続する主たる情報経路として機能する。中央演算装置(CPU)250は、プログラムを実行するのに必要とされる計算や論理演算をするこのシステムの中央演算の構成部分である。読み出し専用メモリ252、読み書き用メモリ254は、このコンピュータの中央記憶領域を構成し、またシミュレーションデータを格納するために用いられ得る。
ディスクコントローラ256は、システムバス248に対し一つ以上のディスク駆動装置をインタフェースさせる。これらのディスク駆動装置は、262のようなフロッピー(登録商標)ディスク駆動装置、260のような内蔵または外付けのハードディスク駆動装置、258のようなCD−ROMやDVD(ディジタルビデオディスク)駆動装置とすることができる。表示装置インタフェース264は、表示装置240とインタフェースして、バス248からの情報を表示装置240上に表示させる。外部機器との通信は、通信ポート266によりなされる。
図19は、図18における262のようなディスク駆動装置や図17における236のようなディスク駆動装置で使用可能な例示的なメモリ媒体を図示する。典型的には、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、ディジタルビデオディスクのようなメモリ媒体は、特に、コンピュータがここに記載されたようなそのシステムにより検査開発機能を発揮するのを可能とするよう制御するプログラム情報を格納するであろう。
単一の演算処理装置、単一のハードディスク駆動装置、単一の局在的メモリを有する処理システムが図示されているが、この処理システムは、何らかの多数のまたは結合した演算処理装置や情報記憶装置を有していてもよい。この処理システムは、実際上は、本発明の原理に従い動作する何らかの適切な処理システムによって置きかえられてもまたは結合されてもよい。それらには、洗練された計算器、携帯型またはラップトップ型やノートブック型のコンピュータ、小型計算機またはメインフレームやスーパーコンピュータが、それらの結合された処理システム網とともに含まれる。
現在存在する処理システムの構造については、ウイリアム・ストーリングスの Computer organization and Architecture(コンピュータの組織構造)(マクミランパブリシングカンパニー(第3版1993年))にさらに十分に議論されている。現在存在する処理システム網の設計については、ダレン・L・スポンの Data Network Design(データネットワーク設計)(マグローヒル(1993年))にさらに十分に議論されている。現在存在するデータの通信については、R・D・ギトリン、J・F・ヘイエス、S・B・ワインシュタインの Data Communications Principles(データ通信原理)(ペレナムプレス(1992年))、ジェームス・ハリー・グリーンの The Irwin Handbook of Telecommunications(遠距離通信のアーウィンハンドブック)(アーウィンプロフェッショナルパブリシング(第2版))にさらに十分に議論されている。上記の出版物のそれぞれはここに引用文献として組み込まれる。
他の好ましい実施例において、上記と同じ演算処理装置、特にマイクロプロセシング回路は、何らかの他の適切な演算処理回路により置きかえられてもまたは結合されてもよい。それらには、PAL(プログラマブルアレイロジック)やPLA(プログラマブルロジックアレイ)、DSP(ディジタルシグナルプロセサ)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、ASIC(アプリケーションスペシフィック集積回路)、VLSI(超高集積回路)等がある。
この処理手順により計算されるBCTのための地球からの出発地点は、いかなる高さでのいかなる発射移動機器にも適用可能であるということに注目すべきである。発射移動機器には開発中の国際宇宙ステーション、アルファや、ロッキードにより開発中の新型ロケットエンジンを用いるベンチャースターと呼ばれる革命的な一段で軌道に乗る移動機器等が含まれる。FB領域の利用は、いわゆる共振ホッピングを用いて、小惑星や火星への、あるいはこれらの地点からのまた別の低エネルギによる移転を導く。
概略的に述べると、操作的なBCTを供給するこの前向き目標探索手順は、後ろ向き法より実質的に使用がより簡単でかつより速い。それは、2x2の処理手順であり、BCTの計算を直接的な前向き過程にし、またロバストである。BCTは、地球に対するいかなる出発点においても、月に対するいかなる到着状態に対しても計算され得る。
前に述べたように、楕円軌道にある地球軌道衛星の軌道面向きを変更するためのΔV合計を実質的に縮減する方法は、上記に記述され、また、1997年3月25日にファイルされた米国暫定特許出願順次番号60/041,465と、対応するPCT出願番号PCT/US98/05784とに記述された。これらはすべてここに引用文献として組み込まれる。これは、WSB法と呼ばれ、ここでWSBとは弱安定境界の頭文字である。この縮減分は、軌道面向きを変更する古典的な方法と比較された。ここで古典的方法は、軌道面向きがiE1である最初の楕円軌道の近点で、km/sを単位とする単一の確定的軌道制御ΔVを、軌道面に対し垂直に行うものである。これにより、E1から、これと同一の離心率と近点高さを有するが新たな傾きiE2を有する別の楕円軌道E2に押しやられる。これは、米国暫定特許出願順次番号60/041,465の図3と本出願の図14に示される。
比べると、WSB法は、例えば3回の軌道制御ΔVi、i=1,2,3、を適用する。最初は、離心率eE1のE1の近点、高さhE1、で動きの方向に適用される。この軌道制御ΔVは、衛星を、BCTをたどり月に導く。ここで、BCTは弾道捕捉移転を表わす。衛星は、約85日後、所望の月からの高さh、軌道面向きiでWSBに到達する。この後、衛星は、無視し得るほどの軌道制御ΔV≒0で月から脱出し、もう約85日後、BET上を地球に帰着する(BETは、弾道脱出移転を表わす。)。最後の軌道制御ΔVが所望の近点高さhE2でなされ、衛星を所望の軌道面向きiE2、離心率eE2の楕円E2上の地球を回る軌道に戻す。ここで、一般性のため、hE2、eE2は、hE1、eE1とそれぞれ等しい必要はない。飛行時間の合計は約170日である。
この手順は、例えば米国暫定特許出願順次番号60/041,465の図5と本出願の図15−16bに示される。これらの図においては、E1、E2の離心率と近点高さは、簡単のため同じとした。前に論証されたように、ある条件の下で、
Σ=ΔV+ΔV+ΔV<ΔV
である。このことは、多くの状況でΔVの合計値の実質的な節約を導く。例えば、円軌道で固定された高さ700kmのバンデンバーグAFB上である34°の軌道面向きを90°に変更するというような電気通信産業に適用できる重要な例では、節約分は、古典的方法と比較し13%であった。
13%という値は大きく、また、推薬あるいは等価的な質量の意味ある節約に換算され得る。逆に言えば、このことは衛星を軽量にすることを可能とする。より軽量の衛星は新しい設計を呼び起こし得、その設計により、より軽量で小さな衛星が製造され得る。一度により多くの衛星が発射可能とも言える。
一方、衛星を設計し直すことなしにも、軽量の衛星はより小さな発射移動機器の使用を可能とする。米国暫定特許出願順次番号60/041,465の表2は、軌道面向きを7°から90°に変更するときに、通常のやり方に比べΔV合計値が36%改善されることを示す。このことは、アリアネ型発射移動機器をバンデンバーグから打ち上げられるものと比較し得る程度の大きさにする。
WSB法における改善の領域は、約170日という飛行時間にある。WSB法は、月のWSBは衛星が月捕捉と脱出の境界にあるような感度の高い領域であるという私の理解に基づいている。そこに到達する衛星は、不安定なふるまいで捕捉されるであろう。このことは、その軌道状態は楕円であるが私はWSB上の軌道状態は双曲線状に近いと結論づけたということを意味する。すなわち、軌道状態は、ほぼ脱出であり捕捉でもある。このことは、私は結論づけたのであるが、月に対するケプラーの通常の2体エネルギが負でありゼロに近いことを意味する。この領域での衛星の動きは、カオス的ふるまいと同じようになる。無視し得るほどのΔVで、したがって、衛星が発進する原因になる。一方、私は、また、無視し得るほどのΔVが衛星の捕捉を安定化し得ると結論づけた。
WSBは、地球と月との重力的相互作用により存在する。それは、動く衛星上において重力的相互作用を平衡させる境界領域を表わす。(これについては、1997年2月4日にファイルされた米国暫定特許出願順次番号60/036,864、米国PCT特許出願順次番号PCT/US98/01924、およびそこに引用された文献に詳しく記述される。これらは、ここに引用文献として組み込まれる。)
WSBは動くには感度の高い場所なので、この感度の高さは、衛星を無視し得るほどのΔVで地球に対し所望の高さで戻るようBETに抜け出させるのに活かされ得る。これは、私の設計したBETによる。そのBETは、地球から十分遠く、例えば、約100万kmの距離(あるいは同等の結果をもたらす他の距離)まで移動し、その結果、太陽の重力摂動が十分長く衛星にはたらくことができるので、衛星が地球に向かい落下して戻るときには所望の軌道面向き(iE2)が達成され得る。無視し得るほどのあるいは小さな
ΔVによる、すなわちこれを用いる脱出は、ΔV≒0、すなわち非常に小さいことを保証する。
私は、物理的3次元空間における月のWSBは、臨界的なあるいはあらかじめ決められる速度値を条件として指定することにより、月からの与えられた高さ、位置で実現され得ると結論づけた。このことは逆に言うと、臨界的なまたはあらかじめ決められる捕捉の離心率値を導く。簡単のためh=100kmと仮定される。もっとも、高さはどうでも可能である。この例では、e=.94を意味する。
また、私は、WSB法は、そこに達するのにBCTが使われるゆえΔV合計値を縮減すると結論づけた。このことは、捕捉のΔVはほぼゼロすなわち相対的に小さいということを意味する。WSBの他の利点は、月への到着に際し無視し得るほどのΔVが捕捉を安定化し、また、衛星は、脱出に先立ち時機選択と位置調整目的のため無視し得るほどのΔVによりWSBで月のまわりを動かされ得るということである。これらの特徴は、前に記述された古典的な方法より13%のΔVの節約分を生む。
さらに、私は、上記の技術を改善するためなされ得る修正は、85日の飛行時間のBCT上ではなく、約3日の飛行時間の標準的なホフマン移転でE1の近点で地球から月のWSBに移動することであるということを発見した。(3日というこの値は、ここでは名目的な値として用いられる。月への標準的移動の飛行時間は、3日からおそらく8日あるいはそれ以上まで変わり得る。また、ホフマン移転は進路中間での軌道制御を要するであろう。これについてはここでは我々は含めてない。)
WSBで月面上の高さ100kmの近点で、衛星は、約1km/sという双曲線的な超過速度を有しているということは確認されている。WSB状態に捕捉されるためには、離心率の.94への減少をもたらすようΔVが適用されなければならない。これは、約.200km/sを要すると私は結論づけた。この捕捉のΔVをΔVと表わす。したがって、BCTの場合ではΔV=0、ホフマン移転ではΔV=.200km/sである。BETを用いてE2に至るための脱出は、前述されたようにΔV≒0である。ΔVの値は、ほとんどBCTが使われた場合のままである。ΔVはそのままであるから、月への移動にホフマン移転を用いる応報ではあるが.200km/sが、WSB法に対してΔVとして算入されなければならないと私は結論づけた。WSB法のΔV合計に.200km/sを加えることは、700kmの高さにある地球軌道衛星の軌道面向きを34°から90°に変更するのに6.360km/sが必要とされるということを導く。
したがって、Cで表わした古典的方法に対するΔVの13%という削減は10%になるが、まだ実質的に節約を維持する。飛行時間については、170日から88日になる大きな減少が得られる。この修正されたWSB法は、第1の修正WSB法あるいはM1−WSB法と呼ばれる(図20参照)。このパラメータについては本出願の表1に概略が表わされる。
私は、さらに、上の段落で述べた修正に対しさらに1段階、修正がなされ得ると発見した。M1−WSB法において、衛星は、依然BET上を地球のE2近点に向けて戻ってくる。BETは、無視し得るほどのΔVでWSBから脱出されるものである。もっと素早く地球に戻るためには、その脱出速度を増すような発進のためのより大きなΔVが必要である。接触の離心率が.94であり月からの高さ100km地点から標準的なホフマン移転で地球に戻ることは、.200km/sのΔVを要する。これにより、M1−WSBで地球から月に到達したときと対称的な移転が生み出される。ここで、ΔV=.200km/sである。これを、表1のWSB法のΔV合計に加えることにより、ΔVは6.560km/sになる。これは、古典的方法に対して7%の改善であるがまだ意味がある。飛行時間の合計は、M1−WSB法の88日に対してたった6日まで削減される。この方法は、第2の修正WSB法あるいM2−WSB法と呼ばれる(図21と表1を参照のこと)。
WSB、M1−WSB、M2−WSB、Cの各方法は表1において比較される。記号的にこれらは以下のように表わすことができる。
WSB: E1→BCT→WSB→BET→E2
M1 WSB: E1→H→WSB→BET→E2
M2 WSB: E1→H→WSB→H→E2
ここで、Hはホフマン移転を表わす。
M1−WSB法は可能性的に最も融通性のある方法である。これは、帰路においてBETを用いるからである。BETは感度の高い軌跡であるから、太陽の重力的摂動に影響されることで、地球のE2で任意の軌道面向きを達成する能力がより容易に達成される。ホフマン移転で地球に帰るときに任意の軌道面向きを達成するためには、ホフマン移動が太陽の重力摂動に影響されないゆえ、時機の限定という課題を残すかもしれない。
M2−WSBの下で、月から地球へのホフマン移転は、地球月間距離内すなわちその重力影響内で主に移動し、太陽からは遠すぎて地球に帰着するときの軌道面向き変更に太陽を利用し得ない。したがって、時機が理想的でないなら、所望の地球との軌道面向きを達成するためには経路途中で大きな軌道制御が必要とされるであろう。よって、M2−WSB法はある種の状況においては全く限定的となるであろう。BETは、また時機に対する課題を有する。しかしながら、このような移転はホフマン移転より融通性があり、また望まない時機への対抗上向けられる経路途中での軌道制御は、一般的に、全く小さいということは経験が示すところである。ここで、たいがいそれは実情と言えるのであるがゼロであると我々は仮定している。
BCTとBETの両方または一方を計算するため必要なソフトウェアと算法は、引用文献として組み込まれた前の出願と同じである。これらは、ネットワークに接続されずソースコードで書かれ、またこの形で十分に記述される。前出願に記述されたソフトウェアは、全く同じ算法を用いて標準的なホフマン移転についても計算する。
上記のすべての方法、WSB、M1−WSB、M2−WSB、これらを簡単のため単にWSB法と呼ぶことにするが、これらはWSBを深く利用する。上述のように、WSBの非線形性および捕捉と脱出の境界にあるということが、捕捉と脱出とを実質的にゼロか相対的に小さなΔVで生じさせる。このことが、太陽の重力的摂動を伴なってBETとBCTとを存在させる。WSBは、地球と月との間の重力的相互作用のため存在する。よって、この領域での衛星の動きをモデル化する場合には、地球と月の両方がともに重力的にモデル化されなければならない。これは、衛星が動くときWSBはこれら2つの重力場の相互作用境界として見られ得るからである。
衛星がWSB内を動くときの月に対するエネルギ(いわゆるケプラーの2体エネルギ)を計算したなら、それは、わずかに負でありゼロに近いであろう。私は、それがわずかに負であるという事実は衛星が弱く捕捉されることを意味すると結論づけた。それがゼロに近いという事実は、衛星が脱出する状態に近い状態にあるということを意味する。このケプラーの2体エネルギに反映されないもう一つのWSBの特徴は、無視し得るほどの軌道制御が実際的にその動きを安定化し得て、その結果、そのエネルギはゼロに近いもののその負のエネルギのわずかな減少で衛星の容易なる月脱出を回避させるであろうということである。よって、WSBは、位置速度空間において幅方向に「薄い」のである。薄いということは、わずかな速度変化がその動きを安定化し、またそれによりWSBから衛星を離脱させるであろうということを意味する。
WSBは、ゼロに近い負の月に対するケプラーのエネルギを伴なって、地球月衛星の3体の動的なモデル化においてのみ存在する、と私は結論づけたが、この事実は、WSBでの衛星の動きが、それが月により重力補助されているときの衛星の動きとは全く異なるということを意味する。衛星が重力補助を得るために月のまわりを飛行するとき、このモデル化は月と衛星との間のみについてである。このことが、重力補助の軌道制御を計算するのに必要なすべてである。よって、標準的重力補助に対しては、衛星は位置速度空間においてWSBに近いということはない。WSBは地球のモデル化をも要する。
本開示のWSB法と標準的な重力補助とのもう一つの違いは、衛星が重力補助を用いながら月のまわりを飛行するときそれは月に対し実質的に正のケプラーのエネルギを有するという事実が原因とも見られる。すなわち、その動きは双曲線的でなければならない。これは、負でありゼロに近いというWSBにおける動きに対して正反対である。すなわち、WSBにおける動きは楕円か放物線である。WSBでの動きは、地球の重力影響を省略してモデル化することができない。省略すればWSBは存在しなくなるからである。よって、WSBでの動きは、衛星と月との2体法においてモデル化することはできず、したがい、衛星が月に重力補助されるときにそれが有する動きとは別個のものである。
上記のことは、WSB法が重力補助を用いるいかなる方法とも別個のものであることを示す。これは、ホフマン移転を用いるM2−WSBの場合さえも含んでいる。というのは、衛星はWSBに向かうからである。このことは、M2−WSB法は、月において重力補助を用いるのみという標準的な方法と別個のものであるということを意味する。
最後に強調すべきは、BCTは月へのエネルギ最小の経路であり、ホフマン移転は最大であるということである。BCTが最小なのは、捕捉のための軌道制御が不要であることを意味する弾道捕捉で到達するからである。上述されたように、BCT、BETの他にも、ホフマンとBCT、BETとの間には仲間となる移転の系統があり得る。これらの移転は、ホフマン移転より大きくBCT、BETより小さな飛行時間を有するであろう。それらは、また、ゼロとホフマン移転で使われる値との間の値であるΔVを要するであろう。同じように、BETに対してΔVはゼロとホフマン値との間にあるであろう。
本発明の多くの特徴と利点は、この詳述した明細書により明らかであり、したがって、本発明のすべてのこのような特徴と利点を包括することが、本発明の本質と範囲内にある添付のクレームにより意図される。
例えば、私は、衛星をあらかじめ決められた軌道面向きで地球のまわりの軌道に位置させるため上記でコンピュータに装備された処理過程を記述してきたが、この上記の技術は、地球や他の惑星、宇宙空間物体まわりの軌道に位置させるために、軌道面向き変更と軌道制御の両方または一方を必要とするか、あるいは、宇宙空間シミュレーションや類似する軌道の提供における効果を必要とするいずれの物体にも適用でき適切なものである。すなわち、ここで述べられた技術、方法は、物体の形式と軌道面向き変更の両方または一方にかかわらず利用され得る。ここで記述された技術は、宇宙空間の2点間を移動するためのコンピュータが発生する新たな経路として用いられ得る。加えて、上記の技術は、月または月軌道から物体が発進されるとき月軌道にその物体を位置させるという逆の状況に適用される。例えば、ある物体が月から発進され、WSBに移動し、軌道制御と軌道面向き変更の両方または一方を行い、それから月のまわりの適当な軌道に戻されるということがされ得る。
さらに、数多くの修正例と変形例がこの技術における習熟者にはたやすく思い浮かぶであろうゆえ、本発明をここで図示され、記述された構造、動作そのままのものに限定することは望むところでなく、したがい、適切な修正例や等価物が本発明の範囲に含まれて実現され得る。
この10年の残りに向けての新しい飛行計画は、BCTが選択できる経路になっていることを示す。日本は、いわゆるルナA飛行任務において1998年に再びこれを使おうと計画し、また、米国エアフォースアカデミーは、いわゆるブルームーン飛行任務で1998−1999年にこれを使おうと計画している。実際、ブルームーン飛行任務に用いる構成部品は、ケープカナベラルから1997年10月21日に打ち上げられるアトラスロケットという発射移動機器上で宇宙空間において試験されるであろう。1991年から1999年までの5回のルナ飛行任務のうち3回においてBCTが使われる。
月関係の開発に対する未来は非常に有望に見える。次の10年において月への飛行任務に10億ドルの何倍かが費やされるものと計画されている。BCTを使用することはこの出費を半分に削減し得、あるいは等価的に言うと、BCTは、選択できる移動方法であり得てかつ飛行任務において10億ドル単位で責任を持ち得るものである。
3つの非常に重要な開発がなされた。それは、1999年以降における、月への規則的かつ頻繁な飛行任務と、約10年かけての小規模な月面基地と、その後の大規模な商業的計画の存在があるべきものとの示唆につながるものである。
1.1996年6月、ロッキードは、エアロスパイクエンジンを用いる1段で軌道に達するロケットで1/3規模版のものを開発するため10億ドルの契約を認められた。いわゆるX−33ロケットである。これは、宇宙移動に革命をもたらし、宇宙への飛行をジェット機並に日常的にするであろう。小規模版が1998年に準備予定であり、本格的規模版が2002年に準備予定である。それはビーナススターと呼ばれ、NASAはそのシャトル艦をそれらで置きかえることを計画していると発表した。小規模版は、疑いなく商業的に利用可能であり、大衆に対して宇宙を利用できるようにするであろう。
2.1996年11月、大量で容易な利用の可能性がある量の水が月の南極地域で発見された。このことは、月の開発が非常に見込みあるものであることを意味する。水は自己のみでの維持の可能性を与えるからである。
3.国際宇宙ステーション、アルファが1997年秋に建設され始め、2001年に完成予定である。これにより、大規模永続的な宇宙滞在が与えられるであろう。また、このステーションは発射台として使用できる。
さらに月の水について調査するための2000年、2001年計画の飛行任務がすでに存在し、また小規模月面基地について多くの会談が持たれている。ビーナススターが運行を始めた後で、商業的月開発においてはきっと宿泊設備その他を加えられるであろう。実際、三菱や他の大手日本企業は大規模な宿泊団地について論議した。

(表1)
軌道面向きを34°から90°に変更するためのΔV(E1→E2)。
E1、E2は700kmの高さの円軌道。ΔVは、km/s。
WSBは、捕捉近点高さ100km。ここでe=.94。

方法 ΔV1 ΔVC ΔV2 ΔV3 合計 Cに対 飛行時
ΔV する節 間(日)
約(%)
WSB 3.080 0 0 3.080 6.160 13 170
M1-WSB 3.080 .200 0 3.080 6.360 10 88
M2-WSB 3.080 .200 .200 3.080 6.560 7 6
C -- -- -- -- 7.050 0 3
図1は、円環体上の2自由度の積分可能な系と軌跡の閉じた軌道とを描写する。 図2は、その表面に楕円の積分可能となる解が存在するKAMで一定不変の円環体の集合を図示する。 図3は、月への従来の飛行任務による軌道系を非回転座標系で図示する。 図4は、他の従来の軌道系を図示する。 図5は、例えば衛星が地球の周囲で軌道を描く場合の他の軌道系を図示する。 図6は、例えば、3回の瞬間的推力を必要とするARIANE IV ロケットを用いて地球まわりの軌道に衛星を位置させるような他の軌道系を図示する。 図7は、月の重力を利用する他の従来の移転原理を図示する。 図8は、前向き積分の終わりでの状態が後ろ向き積分によって決定される始まりでの状態にそろうような前向き積分法を図示する。 図9は、本発明における、前向き積分によって決定される操作的BCTを図示する。 図10は、本発明における、前向き積分によって決定される他の操作的BCTを図示する。 図11は、数値積分器と初期状態発生器との相互作用の流れを概念的に図示する。 図11Aは、数値積分器と初期状態発生器との相互作用の流れを詳しく図示する。 図11Bは、数値積分器と初期状態発生器との相互作用の流れを詳しく別に図示する。 図12は、種々の月への飛行任務の概要を示す。 図13は、WSB(弱安定境界)から何らかの所望の高さと軌道面向きで地球に向かって帰還するBET(弾道脱出移転)を図示する。 図14は、通常の軌道面向き変更軌道制御を図示する。 図15は、地球軌道から宇宙船をはずし地球と離れた所で軌道面向きの変更を実行することによる軌道面向き変更軌道制御を図示する。 図16Aは、宇宙船か衛星を弾道捕捉移転(BCT)で月に対する弾道捕捉に持っていき、中間軌道内のWSBで月のまわりでの軌道制御を行ない、それからBETで地球に戻ることによる軌道面向き変更軌道制御を図示する。 図16Bは、宇宙船か衛星を弾道捕捉移転(BCT)で月に対する弾道捕捉に持っていき、中間軌道内のWSBで月のまわりでの軌道制御を行ない、それからBETで地球に戻ることによる軌道面向き変更軌道制御を図示する。 図17は、本発明の一実施例に従いコンピュータ処理を実行する主機たる中央処理ユニットを図示する。 図18は、図17に図示されたコンピュータの内部ハードウェアのブロック構成図を示す。 図19は、図17−18に図示されたディスク駆動装置とともに用いられる例示的な記憶メディアを図示する。 図20は、宇宙船か衛星をホフマン移転で月に対する弾道捕捉に持っていき、中間軌道内のWSBで月のまわりでの軌道制御を行ない、それからBETで地球に戻ることによる軌道面向き変更軌道制御がされる本発明による他の実施例を図示する。 図21は、宇宙船か衛星をホフマン移転で月に対する弾道捕捉に持っていき、中間軌道内のWSBで月のまわりでの軌道制御を行ない、それから再びホフマンで地球に戻ることによる軌道面向き変更軌道制御がされる本発明による他の実施例を図示する。

Claims (30)

  1. コンピュータに装備される処理過程を用い、実質的に地球または地球軌道を発する物体が月または月軌道でまたはそれらの近くで弱安定境界(WSB)またはWSB軌道に到達するための次への結合のホフマン移転を発生することおよび前記WSBまたは前記WSB軌道を発する前記物体が前記地球または前記地球軌道に帰還するための操作的な弾道脱出移転(BET)を発生することにより宇宙移動機器、衛星、ロケットの少なくとも一つを含む前記物体の向きと高さとの少なくとも一方を変更する方法であって、
    (a)前記WSBまたは前記WSB軌道での第1の目標変数に収束する前記ホフマン移転を発生するステップと、
    (b)前記ホフマン移転を用いて前記地球または前記地球軌道から前記WSBまたは前記WSB軌道で弱い月捕捉に移動するステップと、
    (c)前記WSBまたは前記WSB軌道で向きを変更する取捨いずれも可能なステップと、
    (d)前記地球または前記地球軌道での第2の目標変数に収束する前記WSBまたは前記WSB軌道からの前記BETを、前記ステップ(c)で選択的になされた前記向き変更を含んで発生するステップと、
    (e)前記操作的なBETを用いて前記WSBまたは前記WSB軌道から前記地球または前記地球軌道のあらかじめ決められた任意の高さに移動するステップと、
    を連続してまたは連続してではなく有する変更方法。
  2. 前記発生ステップ(d)は、さらに、前記地球または前記地球軌道での第2の目標変数に収束する前記WSBまたは前記WSB軌道からの前記BETを、前向き目標探索過程を用いて、前記ステップ(c)で選択的になされた前記向き変更を含んで発生するステップを含む請求項1に従う方法。
  3. 前記第2の目標変数は、前記BETを発生する前記ステップ(d)において前記地球または前記地球軌道から切り離されている請求項1に従う方法。
  4. 前記第2の変数は、前記BETを発生する前記ステップ(d)において角度に関する月との変数要素と切り離されている請求項1に従う方法。
  5. 前記ホフマン移転と前記操作的な弾道脱出移転の少なくとも一方は、前記宇宙移動機器、前記衛星、前記ロケットの前記少なくとも一つにおいて動的に発生されるものである請求項1に従う方法。
  6. 前記ホフマン移転と前記操作的な弾道脱出移転の少なくとも一方は、前記宇宙移動機器または前記ロケットから隔離した中央制御機器において動的に発生されるものである請求項1に従う方法。
  7. コンピュータに装備される処理過程を用い、実質的に地球または地球軌道を発する物体が月または月軌道でまたはそれらの近くで弱安定境界(WSB)またはWSB軌道に到達するための次への結合の操作的な弾道捕捉移転(BCT)を発生することおよび前記WSBまたは前記WSB軌道を発する前記物体が前記地球または前記地球軌道に帰還するためのホフマン移転を発生することにより宇宙移動機器、衛星、ロケットの少なくとも一つを含む前記物体の向きと高さとの少なくとも一方を変更する方法であって、
    (a)前記WSBまたは前記WSB軌道での第1の目標変数に収束する前記BCTを発生するステップと、
    (b)前記BCTを用いて前記地球または前記地球軌道から前記WSBまたは前記WSB軌道で弱い月捕捉に移動するステップと、
    (c)前記WSBまたは前記WSB軌道で向きを変更する取捨いずれも可能なステップと、
    (d)前記地球または前記地球軌道での第2の目標変数に収束する前記WSBまたは前記WSB軌道からの前記ホフマン移転を、前記ステップ(c)で選択的になされた前記向き変更を含んで発生するステップと、
    (e)前記ホフマン移転を用いて前記WSBまたは前記WSB軌道から前記地球または前記地球軌道のあらかじめ決められた任意の高さに移動するステップと、
    を連続してまたは連続してではなく有する変更方法。
  8. 前記発生ステップ(a)は、さらに、前記WSBまたは前記WSB軌道での第1の目標変数に収束する前記地球または前記地球軌道からの前記BCTを、前向き目標探索過程を用いて、前記ステップ(c)で選択的になされた前記向き変更を含んで発生するステップを含む請求項7に従う方法。
  9. 前記第1の目標変数は、前記BCTを発生する前記ステップ(a)において月または月軌道と切り離されている請求項7に従う方法。
  10. 前記第1の目標変数は、前記BCTを発生する前記ステップ(a)において角度に関する地球との変数要素と切り離されている請求項7に従う方法。
  11. 前記ホフマン移転と前記操作的な弾道捕捉移転の少なくとも一方は、前記宇宙移動機器、前記衛星、前記ロケットの前記少なくとも一つにおいて動的に発生されるものである請求項7に従う方法。
  12. 前記ホフマン移転と前記操作的な弾道捕捉移転の少なくとも一方は、前記宇宙移動機器または前記ロケットから隔離した中央制御機器において動的に発生されるものである請求項7に従う方法。
  13. コンピュータに装備される処理過程を用い、実質的に地球または地球軌道を発する物体が月または月軌道でまたはそれらの近くで弱安定境界(WSB)またはWSB軌道に到達するための次への結合の第1のホフマン移転を発生することおよび前記WSBまたは前記WSB軌道を発する前記物体が前記地球または前記地球軌道に帰還するための第2のホフマン移転を発生することにより宇宙移動機器、衛星、ロケットの少なくとも一つを含む前記物体の向きと高さとの少なくとも一方を変更する方法であって、
    (a)前記WSBまたは前記WSB軌道での第1の目標変数に収束する前記第1のホフマン移転を発生するステップと、
    (b)前記第1のホフマン移転を用いて前記地球または前記地球軌道から前記WSBまたは前記WSB軌道で弱い月捕捉に移動するステップと、
    (c)前記WSBまたは前記WSB軌道で向きを変更する取捨いずれも可能なステップと、
    (d)前記地球または前記地球軌道での第2の目標変数に収束する前記WSBまたは前記WSB軌道からの前記第2のホフマン移転を、前記ステップ(c)で選択的になされた前記向き変更を含んで発生するステップと、
    (e)前記第2のホフマン移転を用いて前記WSBまたは前記WSB軌道から前記地球または前記地球軌道のあらかじめ決められた任意の高さに移動するステップと、
    を連続してまたは連続してではなく有する変更方法。
  14. コンピュータを用い、実質的に地球または地球軌道を発する物体が月または月軌道でまたはそれらの近くで弱安定境界(WSB)またはWSB軌道に到達するため操作的な弾道捕捉移転(BCT)と第1のホフマン移転の少なくとも一方を発生することおよび前記WSBまたは前記WSB軌道を発する前記物体が前記地球または前記地球軌道に帰還するため操作的な弾道脱出移転(BET)と第2のホフマン移転の少なくとも一方を発生することにより宇宙移動機器、衛星、ロケットの少なくとも一つを含む前記物体の向きと高さとの少なくとも一方を変更する航法システムであって、前記コンピュータは、
    (a)前記WSBまたは前記WSB軌道での第1の目標変数に収束する前記BCTと前記ホフマン移転の前記少なくとも一方を発生する機能と、
    (b)前記地球または前記地球軌道での第2の目標変数に収束する前記WSBまたは前記WSB軌道からの前記BETと前記第2のホフマン移転の前記少なくとも一方を発生する機能と、
    (c)前記BCTと前記第1のホフマン移転の前記少なくとも一方を用いて前記物体を前記地球または前記地球軌道から前記WSBまたは前記WSB軌道における弱い月捕捉に航行し、前記BETと前記第2のホフマン移転の前記少なくとも一方を用いて前記物体を前記WSBまたは前記WSB軌道から前記地球または前記地球軌道のあらかじめ決められた任意の高さに航行する機能と、
    を連続するものとしてまたは連続するものとしてではなく履行する航法システム。
  15. コンピュータを用い、実質的に地球または地球軌道を発する物体が月または月軌道でまたはそれらの近くで弱安定境界(WSB)またはWSB軌道に到達するため操作的な弾道捕捉移転(BCT)と第1のホフマン移転の少なくとも一方を発生することおよび前記WSBまたは前記WSB軌道を発する前記物体が前記地球または前記地球軌道に帰還するため操作的な弾道脱出移転(BET)と第2のホフマン移転の少なくとも一方を発生することにより宇宙移動機器、衛星、ロケットの少なくとも一つを含む前記物体の向きと高さとの少なくとも一方を変更するコンピュータ命令を格納するコンピュータプログラム記憶媒体であって、前記コンピュータ命令は、
    (a)前記WSBまたは前記WSB軌道での第1の目標変数に収束する前記BCTと前記ホフマン移転の前記少なくとも一方を発生し、
    (b)前記地球または前記地球軌道から前記WSBまたは前記WSB軌道での弱い月捕捉への前記BCTと前記第1のホフマン移転の前記少なくとも一方を得る十分な収束まで前記ステップ(a)を繰り返し、
    (c)前記地球または前記地球軌道での第2の目標変数に収束する前記WSBまたは前記WSB軌道からの前記BETまたは前記第2のホフマン移転の前記少なくとも一方を発生し、
    (d)前記WSBまたは前記WSB軌道から前記地球または前記地球軌道への、前記向きと前記高さの前記少なくとも一方を変更する前記BETと前記ホフマン移転の前記少なくとも一方を得る十分な収束があるまで前記ステップ(c)を繰り返す、
    ステップを含むコンピュータプログラム記憶媒体。
  16. コンピュータに装備される処理過程を用い、宇宙移動機器、衛星、ロケットの少なくとも一つを含む物体の向きと高さの少なくとも一方を変更する方法であって、
    (a)操作的な弾道捕捉移転(BCT)と第1のホフマン移転の少なくとも一方を用いて地球または地球軌道から弱安定境界(WSB)またはWSB軌道で弱い月捕捉に移動するステップと、
    (b)軌道制御とわずかな軌道制御の少なくとも一方を行ない、取捨選択的に前記WSBまたは前記WSB軌道で向きを変更するステップと、
    (c)操作的な弾道脱出移転(BET)と第2のホフマン移転の少なくとも一方を用いて前記WSBまたは前記WSB軌道からあらかじめ決められた任意の高さでかつ取捨選択的に前記向き変更で前記地球または前記地球軌道に移動するステップと、
    を連続してまたは連続してではなく有する変更方法。
  17. 前記ステップ(b)は、さらに、前記WSBまたは前記WSB軌道でそこからの脱出のため2ないし20メートル毎秒のわずかな軌道制御を行うステップを有する請求項16に従う方法。
  18. 前記移動ステップ(a)は、さらに、前記WSBまたは前記WSB軌道でそこからの脱出に先行して時機と前記物体の位置との少なくとも一方のため2ないし20メートル毎秒のわずかな軌道制御を行うことにより月のまわりで軌道を調整するステップを有する請求項16に従う方法。
  19. 前記WSBまたは前記WSB軌道の前記少なくとも一方は、前記物体のあらかじめ決められた速度値を条件として指定しそれによってあらかじめ決められた捕捉の離心率を明確にすることにより前記あらかじめ決められた任意の高さで実現可能なものである請求項16に従う方法。
  20. 前記方法は、いずれの程度にせよほぼ6日からほぼ88日の間で前記ステップ(a)ないしステップ(c)を履行するものである請求項16に従う方法。
  21. 前記WSBと前記WSB軌道の前記少なくとも一方は、非線形性を有しかつ実質的に捕捉と脱出の境界にありこれによって前記捕捉と前記脱出が実質的にゼロか相対的に小さな軌道制御で生じしめられるものである請求項16に従う方法。
  22. 前記WSBと前記WSB軌道の前記少なくとも一方は実質的に捕捉と脱出の境界にあり、かつ太陽の重力摂動が前記BETとBCTに影響している請求項16に従う方法。
  23. 前記WSBと前記WSB軌道の前記少なくとも一方は、前記物体が動く際に月と地球との重力場間の相互作用の実質的な境界である請求項16に従う方法。
  24. 前記WSBと前記WSB軌道の前記少なくとも一方における動きは、双曲線状と楕円状の少なくとも一方である請求項16に従う方法。
  25. 前記WSBと前記WSB軌道の前記少なくとも一方において前記物体が動く際、前記物体のケプラーのエネルギはわずかに負で実質的にゼロに近いものである請求項16に従う方法。
  26. コンピュータに装備される処理過程を用い、宇宙移動機器、衛星、ロケットの少なくとも一つを含む物体の向きと高さの少なくとも一方を変更する方法であって、
    (a)操作的な弾道捕捉移転(BCT)と第1のホフマン移転の少なくとも一方を用いて地球または地球軌道から弱安定境界(WSB)またはWSB軌道における弱い月捕捉で第1の近点に移動するステップと、
    (b)前記WSBまたは前記WSB軌道で第1のわずかな軌道制御を行うことにより月のまわりで軌道を調整するステップと、
    (c)前記WSBまたは前記WSB軌道で向きを変更する取捨選択的できるステップと、
    (d)第2のわずかな軌道制御を行うことにより前記WSBまたは前記WSB軌道から脱出するステップと、
    (e)操作的な弾道脱出移転(BET)と第2のホフマン移転の少なくとも一方を用いて前記WSBまたは前記WSB軌道からあらかじめ決められた任意の高さでかつ取捨選択的に前記向き変更で前記地球または前記地球軌道の第2の近点に移動するステップと、
    を連続してまたは連続してではなく有する変更方法。
  27. コンピュータに装備される処理過程を用い、宇宙移動機器、衛星、ロケットの少なくとも一つを含む物体の向きと高さの少なくとも一方を変更する方法であって、
    (a)操作的な弾道捕捉移転(BCT)と第1のホフマン移転の少なくとも一方を用いて月または月軌道から弱安定境界(WSB)またはWSB軌道における弱い月捕捉に移動するステップと、
    (b)軌道制御とわずかな軌道制御の少なくとも一方を行ない、取捨選択的に前記WSBまたは前記WSB軌道で向きを変更するステップと、
    (c)操作的な弾道脱出移転(BET)と第2のホフマン移転の少なくとも一方を用いて前記WSBまたは前記WSB軌道からあらかじめ決められた任意の高さでかつ取捨選択的に前記向き変更で前記月または前記月軌道に移動するステップと、
    を連続してまたは連続してではなく有する変更方法。
  28. コンピュータに装備される処理過程を用い、宇宙移動機器、衛星、ロケットの少なくとも一つを含む物体の向きと高さの少なくとも一方を変更する方法であって、
    (a)操作的な弾道捕捉移転(BCT)と第1のホフマン移転の少なくとも一方を用いて第1の惑星または第1の惑星軌道から弱安定境界(WSB)またはWSB軌道における弱い月捕捉に移動するステップと、
    (b)軌道制御とわずかな軌道制御の少なくとも一方を行ない、取捨選択的に前記WSBまたは前記WSB軌道で向きを変更するステップと、
    (c)操作的な弾道脱出移転(BET)と第2のホフマン移転の少なくとも一方を用いて前記WSBまたは前記WSB軌道からあらかじめ決められた任意の高さでかつ取捨選択的に前記向き変更で前記第1の惑星、前記第1の惑星軌道、第2の惑星、第2の惑星軌道の少なくとも一つに移動するステップと、
    を連続してまたは連続してではなく有する変更方法。
  29. コンピュータに装備される処理過程を用い、宇宙移動機器、衛星、ロケットの少なくとも一つを含む物体の向きと高さの少なくとも一方を変更する方法であって、
    (a)第1の惑星または第1の惑星軌道から弱安定境界(WSB)またはWSB軌道における弱い月捕捉に移動するステップと、
    (b)軌道制御とわずかな軌道制御の少なくとも一方を行ない、取捨選択的に前記WSBまたは前記WSB軌道で向きを変更するステップと、
    (c)前記WSBまたは前記WSB軌道からあらかじめ決められた任意の高さでかつ取捨選択的に前記向き変更で前記第1の惑星、前記第1の惑星軌道、第2の惑星、第2の惑星軌道の少なくとも一つに移動するステップと、
    を連続してまたは連続してではなく有する変更方法。
  30. コンピュータに装備される処理過程を用い、実質的に第1の惑星または第1の惑星軌道を発する物体が第2の惑星または第2の惑星軌道に到達するための操作的な弾道捕捉移転を発生する方法であって、
    (a)操作的な弾道捕捉移転を発生する前記方法に対しパラメータを入力するステップと、
    (b)前記第2の惑星での目標変数の収束のため前記パラメータを前記第1の惑星から変化させることによって前向き目標探索処理を履行するステップと、
    (c)前記第1の惑星または前記第1の惑星軌道から前記第2の惑星または前記第2の惑星軌道への前記操作的な弾道捕捉移転を得る十分な収束まで上記ステップ(b)を反復するステップと、
    とを有する発生方法。
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