JP2005084803A - センサ装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来に比べ効率よく消費電力を低減することができるセンサ装置を提供する。
【解決手段】電源40と、休止時間タイマーと、センサ部10内のセンサ手段の計測動作に応じて無線送信を行う状態に遷移するか否かを判定する無線送信判定手段と、センサ手段と無線送信部20内の無線送信手段を休止する休止状態とセンサ手段によって情報を計測するセンサ稼動状態と無線送信手段によって無線通信を行う無線送信状態との各状態に応じて電源40からの電力供給を低減制御するパワーマネージメント手段とを有する制御部30とを備えたセンサ装置であって、休止状態で休止時間Tdの経過後にセンサ稼動状態に遷移し、センサ稼動状態でセンサ手段によってセンサ値を得て、無線送信判定手段によって状態遷移の条件判断を行い、無線送信状態又は休止状態に遷移し、無線送信状態で無線送信手段によってセンサ値を外部に通知する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば人間、動物などの生体に関する情報を収集するセンサシステムに利用されるものであって、人間、動物などの生体に取り付けられ、情報を計測するセンサ手段を有し、その計測情報を無線によって情報を通知するものとして用いて好適なセンサ装置及びその制御方法に関する。
本発明の背景となる技術として、特許文献1に記載されたものがある。この文献に記載のセンサ装置では、生体情報計測部が生体情報を計測して送信部から外部へ無線送信するまでの間は電池からの電力供給によってセンサが稼動し、それ以外の間は電池からの電力供給を停止してセンサが稼動しないようにしている。これによって、センサ内部において、不必要に電池が消耗されることを防止する。
特開平11−126293号公報
特許文献1に記載されているような従来の技術では、情報の計測が行われた後、必ず無線による通信が行われる処理となっている。このため、処理は単純ではあるが、情報の計測と無線による通信を分離したほうが消費電力を削減できる場合に対応することができなかった。例えば、体温のように正常値から外れた場合のみ至急の通信が必要な生体情報の計測であっても、従来の技術では、頻繁な情報の計測とともに頻繁な無線による通信が行われる。
このように、従来の技術では、情報の計測と無線による通信が一体となった処理であったため、無線による通信によって消費される電力によって、センサに内蔵された電池などの電力を無駄に消費するという問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、従来に比べ効率よく消費電力を低減することができるセンサ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、情報を計測するセンサ手段と、前記センサ手段によって得たセンサ値を無線によって外部に通知する無線送信手段とを有するセンサ装置において、センサ装置の各部に電力を供給する電源と、時間を計時する休止時間タイマーと、センサ手段の計測動作に応じて無線送信を行う状態に遷移するか否かを判定する無線送信判定手段と、センサ手段と無線送信手段を休止する休止状態と、センサ手段によって情報を計測するセンサ稼動状態と、無線送信手段によって無線通信を行う無線送信状態との各状態に応じて電源からの電力供給を低減制御するパワーマネージメント手段とを備えてなり、休止状態のセンサ装置が、休止時間タイマーが指定する休止時間Tdの経過後に、センサ稼動状態に遷移し、センサ稼動状態のセンサ装置が、センサ手段によってセンサ値を得て、無線送信判定手段によって状態遷移の条件判断を行い、状態遷移の条件判断結果に応じて、無線送信状態又は休止状態に遷移し、無線送信状態のセンサ装置が、無線送信手段によってセンサ値を外部に通知することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、前記パワーマネージメント手段が、センサ装置が休止状態のとき、前記電源から前記センサ手段と前記無線送信手段に供給する電力を低減するパワーダウン制御を行い、前記パワーマネージメント手段が、センサ装置がセンサ稼動状態のとき、前記電源から前記無線送信手段に供給する電力を低減するパワーダウン制御を行い、前記パワーマネージメント手段が、センサ装置が無線送信状態のとき、前記電源から前記センサ手段に供給する電力を低減するパワーダウン制御を行うことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、さらに、センサ稼動状態に遷移する度毎に前記センサ手段によって得たNm(Nmは2以上の自然数)個のセンサ値を記録するセンサ値記録手段を備え、前記無線送信判定手段が、センサ稼動状態への遷移がNm回毎にセンサ稼動状態から無線送信状態への遷移と判断し、それ以外の条件でセンサ稼動状態から休止状態への遷移と判断し、無線送信状態のセンサ装置が、センサ値記録手段によって記録されたNm個のセンサ値を、前記無線送信手段によって外部に通知することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記無線送信判定手段が、前記センサ手段によって得たセンサ値に応じて、そのセンサ値が所定の値の場合にセンサ稼動状態から無線送信状態への遷移と判断し、それ以外の場合にセンサ稼動状態から休止状態への遷移と判断することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、前記無線送信判定手段が、前記センサ手段によって得た2以上のセンサ値の演算結果に応じて、そのセンサ値の演算結果が所定の値の場合にセンサ稼動状態から無線送信状態への遷移と判断し、それ以外の場合にセンサ稼動状態から休止状態への遷移と判断することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、無線送信状態のセンサ装置が、外部に通知するセンサ値を含むセンサ信号を、前記無線送信手段によってNs(Nsは2以上の自然数)回繰り返し送信することを特徴とする。請求項7記載の発明は、前記Ns回の繰り返し送信の際の間隔がランダムに変化するものであることを特徴とする。請求項8記載の発明は、前記休止時間Tdがランダムに変化するものであることを特徴とする。請求項9記載の発明は、前記センサ値が前記センサ手段の出力に所定の変換処理を行うことで得られるものであり、センサ手段と、その変換処理を行う手段とに、異なる時期で、電力の供給が制御されることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、情報を計測するセンサ手段と、前記センサ手段によって得たセンサ値を無線によって外部に通知する無線送信手段とを有するセンサ装置の制御方法において、センサ装置の各部に電力を供給する電源と、時間を計時する休止時間タイマーと、センサ手段の計測動作に応じて無線送信を行う状態に遷移するか否かを判定する無線送信判定手段と、センサ手段と無線送信手段を休止する休止状態と、センサ手段によって情報を計測するセンサ稼動状態と、無線送信手段によって無線通信を行う無線送信状態との各状態に応じて電源からの電力供給を低減制御するパワーマネージメント手段とを備えるセンサ装置の各部を制御し、休止状態のセンサ装置を、休止時間タイマーが指定する休止時間Tdの経過後に、センサ稼動状態に遷移させ、センサ稼動状態のセンサ装置を、センサ手段によってセンサ値を得て、無線送信判定手段によって状態遷移の条件判断を行い、状態遷移の条件判断結果に応じて、無線送信状態又は休止状態に遷移させ、無線送信状態のセンサ装置で、無線送信手段によってセンサ値を外部に通知することを特徴とする。
本発明によれば、センサ手段によって情報の計測を行うセンサ稼動状態の後、無線送信判定手段によって無線による通信を行う無線送信状態に遷移するか、あるいは、通信を行わない休止状態に遷移するかが判定される。これにより、情報の計測と無線による通信を分離して消費電力を削減でき、効率的なパワーマネージメントが可能となる。パワーマネージメント手段が、休止状態のみならずセンサ稼動状態と無線送信状態においても、各状態に適したパワーダウンを行うため、センサ稼動状態と無線送信状態における消費電力を削減できる。
また、無線送信判定手段が、センサ手段によって断続的にNm回の計測を行った後、無線送信手段によってこれらの計測結果をまとめて外部に通知する制御を行うことによって、例えば外部に通知するまでの遅れが許容されるセンサシステムで、無線による通信の頻度を低減することができる。これにより、無線送信手段で消費される電力の削減が可能である。さらに、多数のセンサ装置が周囲に存在する場合に、信号の混信の確率を低減し、通信の信頼性を向上できる。
また、無線送信判定手段が、センサ手段によって得たセンサ値に応じて、センサ稼動状態から無線送信状態に遷移するか、休止状態に遷移するかを、判定する。これにより、例えば、計測されたセンサ値が正常な範囲から外れた場合のみ至急の通知が必要なシステムでは、計測の頻度と同じ頻度で無線通信を行う必要がなくなり、無線送信手段で消費される電力の削減が可能である。さらに、多数のセンサ装置が周囲に存在する場合に、信号の混信の確率を低減し、通信の信頼性を向上できる。
また、外部に通知するセンサ値を含むセンサ信号を、無線送信手段によって繰り返し送信することによって、ノイズ等によって正常にセンサ値が通知されない確率がある場合に、再送によって正しいセンサ値を通知することができるため、センサシステムの信頼性を向上できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態としてのセンサ装置の構成例を示すブロック図である。センサ装置1は、センサ部10、無線送信部20、制御部30、および電源部40から構成される。
センサ部10は、音、光、温度、電流、加速度、質量等、種々の物理量の1つまたは複数を検知し、デジタル信号等の所定の信号(センサ値)に変換して出力するセンサ手段を有して構成されている。このセンサ部10が有するセンサ手段を用いて、例えば人間、動物などの生体に関する情報を計測し、計測結果をセンサ値として出力する。このセンサ部10は、制御部30から送られてくるセンサ部パワーダウン信号に応じて消費電力を低減する機能を有している。
無線送信部20は、センサ手段によって計測したセンサ値を含むセンサ信号を、無線送信部20が有する無線送信手段を用いて、無線によって送信する。無線送信部20は、制御部30から送られてくる無線送信部パワーダウン信号に応じて消費電力を低減する。
制御部30は、センサ部10から出力されたセンサ値を入力し、センサ値を含むセンサ信号として出力する。この制御部30は、CPU(中央処理装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)等の記憶回路、クロック発振回路等を備えた信号処理装置からなり、ROM等に記録されたプログラムを実行することでセンサ部10や無線送信部20の制御等の信号処理を行う。
この制御部30は、センサ装置1の各部の状態(センサ稼動状態、無線送信状態、休止状態を含む各状態)の管理(現状態の記憶、状態遷移の条件判断、状態遷移の実施)を行う。制御部30は、内部に休止時間タイマーを有し、休止状態の開始から休止時間タイマーが指定する休止時間Tdの経過後に、センサ稼動状態に遷移する。制御部30は、内部に例えばプログラムモジュールからなる無線送信判定手段を有し、無線送信判定手段によって、センサ部10の計測動作に応じてその計測回数やセンサ値に基づいて無線送信状態に遷移するか否かの判定を行い、判定に応じて、無線送信状態もしくは休止状態に遷移する。制御部30において、状態に応じてセンサ部パワーダウン信号や無線送信部パワーダウン信号を生成・出力するものがパワーマネージメント手段である。このパワーマネージメント手段は、例えば内部のプログラムモジュールからなる。
電源部40は、蓄電池等からなり、センサ部10、無線送信部20、制御部30に電力を供給する。
なお、センサ部パワーダウン信号は、センサ部10をパワーダウンする(センサ部の少なくも一部の機能を停止することによって消費電力を低減する)か否かを指示する信号であり、制御部30がセンサ部10に対して出力する。無線送信部パワーダウン信号は、無線送信部20をパワーダウンする(無線送信部の少なくも一部の機能を停止することにより消費電力を低減する)か否かを指示する信号であり、制御部30が無線送信部20に対して出力する。
また、センサ値は、センサ部10が有するセンサ手段を用いて例えば人間、動物などの生体に関する情報を計測したときの計測結果であり、センサ部10が制御部30に対して出力する。センサ信号は、センサ値を含みセンサ装置1からその外部に通知される信号であり、制御部30が無線送信部20に対して出力する。
次に図2および図3を参照して、図1に示すセンサ位置1の動作について説明する。図2は、図1の制御部30の動作を示すフローチャートであり、図1はセンサ装置1の動作状態を示すタイミングチャートである。制御部30は、まずセンサ部パワーダウン信号を“1”に設定するとともに、無線送信部パワーダウン信号を“1”に設定して、センサ部10と無線送信部20を非稼動状態に制御する(ステップS101、図2の時刻t1以前)。
次に制御部30は、センサ部パワーダウン信号を“0”にしてセンサ部10を稼動状態にする(ステップS102、時刻t1)。次に、センサ部10から出力されたセンサ値を入力し、保持する(ステップS103、時刻t1〜t2)。次に制御部30は、センサ部パワーダウン信号を“1”にしてセンサ部10を非稼動状態にする(ステップS104、時刻t2)。ここで制御部30は、無線送信判定手段によって、無線送信状態に遷移するか否か(すなわち無線送信するか否か)の判定を行い、判定に応じて、無線送信状態もしくは休止状態に遷移する(ステップS105、S106)。
無線送信状態に遷移すると判定した場合(ステップS106で「Y」)、無線送信部パワーダウン信号を“0”にして、無線送信部20を無線送信状態にする(ステップS107、時刻t2)。ここで制御部30は、無線送信部20で送信するセンサ信号を生成し、無線送信部20に対して出力する(ステップS108、時刻t2〜t3)。ここでセンサ信号が送信される。次に制御部30は、無線部パワーダウン信号を“1”にして無線送信部20を非稼動状態にする(ステップS109、時刻t3)。ここで、センサ部10と無線送信部20は、ともに非動作状態となり、センサ装置1の状態は休止状態となる。
制御部30は、次に休止時間タイマーを始動し(ステップS110)、休止時間タイマーによる計時によって休止時間Tdが経過するのを待つ(ステップS111で「N」の繰り返し)。そして、休止時間Tdが経過すると、再びステップS102に戻ってセンサ部パワーダウン信号を“0”に設定する(時刻t4)。そして、センサ値を入力し、値を保持した後(ステップS103、時刻t4〜t5)、センサ部パワーダウン信号を“1”に設定し、センサ部20を非稼動状態とする(ステップS104、時刻t5)。次に、無線送信判定を行い(ステップS105)、無線送信なしと判定されたとすると(ステップS106で「N」)、センサ装置1を休止状態に遷移させる(ステップS110、時刻t5)。
そして、休止時間Tdが経過したら、再びステップS102以降の処理が行われる(ステップS102〜、時刻t6、t7、t8、…)。図2では、ステップS102〜S104がセンサ稼動状態に対応し、ステップS107〜S109が無線送信状態に対応し、そしてステップS110〜S111が休止状態に対応する処理である。
なお、休止時間Tdは、一定時間とせず、最小休止時間Tdminから最大休止時間Tdmaxの範囲でランダムな値をとるTdとすることも可能である。これにより、多数のセンサ装置が周囲に存在する状況でセンサ信号の送信を行ったとき、他のセンサ装置からのセンサ信号の送信と混信する可能性がある場合にも、次回以後の送信において他のセンサ装置からの送信と一致する確率を低減できるため、センサシステムの信頼性を向上できる。
センサ装置1のパワーマネージメントについては図3に示すように、各パワーダウン信号が“1”のとき、パワーダウンが実施される。従って、図3に示すように、休止状態においてセンサ部10と無線送信部20のパワーダウンが、センサ稼動状態において無線送信部20のパワーダウンが、そして、無線送信状態においてセンサ部10のパワーダウンが行われる。
次に図4を参照して、本発明のセンサ装置の他の構成例(第2の実施の形態とする)について説明する。図4に示す構成例では、センサ装置1bがセンサ部10b、無線送信部20b、制御部30b、および電源部40bから構成されている。図4に示す構成では、センサ部10bが図1の構成と異なる主要な構成である。無線送信部20b、制御部30b、および電源部40bは、図1の無線送信部20、制御部30、および電源部40とほぼ同一または同一の構成である。すなわち、無線送信部20bは図1の無線送信部20と同一である。制御部30bでは、図1のセンサ部パワーダウン信号が、A/D変換部パワーダウン信号とアナログ計測部パワーダウン信号とから構成されている点が異なっている。電源部40bでは、アナログ計測部11と、A/D変換部(アナログ/デジタル変換部)12へそれぞれ電源を供給する点が異なっている。
センサ部10bは、アナログ計測部11とA/D変換部12から構成される。アナログ計測部11は、人間、動物などの生態に関する情報を計測し、計測結果をアナログ計測値として出力する。そして、アナログ計測部パワーダウン信号に応じて消費電力を低減する。
A/D変換部12は、アナログ計測値(例えば電圧値)をデジタル値(Kビット長のデータ、Kは自然数)に変換し、センサ値として出力する。A/D変換部12は、A/D変換部パワーダウン信号に応じて消費電力を低減する。
図4に示す構成では、センサ部パワーダウン信号が、アナログ計測部パワーダウン信号とA/D変換部パワーダウン信号から構成されている。このようにして、さらに、センサ部10bや無線送信部20b内の複数の部分に各々異なるパワーダウンを実施するために、複数のパワーダウン信号を制御部30bが生成することも可能である。
なお、アナログ計測部パワーダウン信号は、アナログ計測部11をパワーダウンする(アナログ計測部の少なくとも一部の機能を停止することにより電源からの電力供給を低減する)か否かを指示する信号であり、制御部30bがアナログ計測部11に対して出力する。
A/D変換部パワーダウン信号は、A/D変換部12をパワーダウンする(A/D変換部パワーダウン信号の少なくとも一部の機能を停止することにより電源からの電力供給を低減する)か否かを指示する信号であり、制御部30bがA/D変換部12に対して出力する。
次に図5を参照して、センサ装置1bの動作について説明する。制御部30bは、まず、アナログ計測部パワーダウン信号、A/D変換部パワーダウン信号、および無線送信部パワーダウン信号をすべて“1”にしてセンサ装置1bを休止状態とする(ステップS201)。次にアナログ計測部パワーダウン信号を“0”にしてアナログ計測部11を稼動状態とする(ステップS202)。次に制御部30b内の計測時間タイマーを始動し(ステップS203)、所定の計測時間Tsが経過するまで待機する(ステップS204で「N」の繰り返し)。所定時間Tsが経過したら、A/D変換部パワーダウン信号を“0”にして、A/D変換部12を稼動状態にする(ステップS205)。次に、制御部30bは、A/D変換部12から出力されたセンサ値を入力し、値を保持する(ステップS206)。そして、アナログ計測部パワーダウン信号とA/D変換部パワーダウン信号を“1”にしてセンサ部10bを非動作状態に制御する(ステップS207)。以後、制御部30bは、ステップS208以降の処理を行って、センサ信号を無線送信部20bから送信する。
なお、図4のステップS208〜S214の各処理は、図1のステップS105〜S111の各処理に対応するものである。すなわち、制御部30bは、無線送信判定手段によって、無線送信状態に遷移するか否かの判定を行い、判定に応じて、無線送信状態もしくは休止状態に遷移する(ステップS208、S209)。無線送信状態に遷移すると判定した場合(ステップS209で「Y」)、無線送信部パワーダウン信号を“0”にして、無線送信部20bを無線送信状態にする(ステップS210)。ここで制御部30bは、無線送信部20bで送信するセンサ信号を生成し、無線送信部20bに対して出力する(ステップS211)。次に制御部30bは、無線部パワーダウン信号を“1”にして無線送信部20bを非稼動状態にする(ステップS212)。ここで、センサ部10bと無線送信部20bは、ともに非動作状態となり、センサ装置1bの状態は休止状態となる。
制御部30bは、次に休止時間タイマーを始動し(ステップS213)、休止時間タイマーによる計時によって休止時間Tdが経過するのを待つ(ステップS214で「N」の繰り返し)。そして、休止時間Tdが経過すると、再びステップS202に戻ってアナログ計測部パワーダウン信号を“0”に設定する(ステップS202)。
センサ部10bでは、計測値としてアナログ値を出力するアナログ計測部11と、アナログ値をA/D変換するA/D変換部12から構成される場合に、これらのパワーダウンやパワーダウンの解除を同時ではなく、別々に行うようにしてもよい。特に、アナログ計測部11のパワーダウン解除から計測が完了するまでの時間Tsが長いような場合は、アナログ計測部11と同時にA/D変換部12のパワーダウン解除を行うのではなく、A/D変換部12のパワーダウン解除を遅らせることによって、より消費電力を低減できる。なお、本例では、時間Tsの経過を計測時間タイマーによって確認している。
次に、図6を参照して、センサ装置の他の構成例(第3の実施の形態とする)について説明する。図6に示す構成例では、センサ装置1cがセンサ部10c、無線送信部20c、制御部30c、および電源部40cから構成されている。図6に示す構成では、センサ部10cが、センサ手段を用いて、人間、動物などの生態に関する情報を計測し、計測結果をセンサ値として出力する。無線送信部20が、センサ値を含むセンサ信号を、無線送信手段を用いて、無線によって送信する。電源部40cが、センサ部10c、無線送信部20c、制御部30cに、電力を供給する。
電源部40cは、制御部30cが出力するセンサ部パワーダウン信号に応じてセンサ部10cに出力する電源電圧を制御し、センサ部10cの消費電力を低減する。また同様に、無線送信部パワーダウン信号に応じて無線送信部20cに出力する電源電圧を制御し、無線送信部20cの消費電力を低減する。このように、各パワーダウン信号をセンサ部10cや無線送信部20cに入力するのではなく、制御部30cから電源部40cに入力し、電源部40cが供給する電源電圧を制御することによって、パワーマネージメントを実現することも可能である。
図6において、センサ部パワーダウン信号は、センサ部10cに供給される電源電圧を制御する信号であり、制御部30cが電源部40cに対して出力する。無線送信部パワーダウン信号は、無線送信部20cに供給される電源電圧を制御する信号であり、制御部30cが電源部40cに対して出力する。
次に、図7を参照して、図1に示すセンサ装置1の他の動作例について説明する。図7は、図1の制御部1の他の動作例を示すフローチャートである。図7に示す例では、無線送信判定条件としてセンサ稼動状態への遷移がNm回となった場合に、Nm個のセンサ値を含むセンサ信号を無線送信するようにしている。なお、図7では、制御部1が、カウンタ値をNcとするカウンタを用いて、センサ稼動状態への遷移を計数するものとしている。すなわち、Ncは、センサ稼動状態への遷移がNm回となることを確認するためのカウンタ値である。NcがNmとなったとき、Ncが1からNmとなるまで保持してきたセンサ値[1]...[Nm]を含む、センサ信号を無線送信部20から送信するようにしている。
図7に示す例では、制御部30が、まずセンサ部パワーダウン信号を“1”に設定するとともに、無線送信部パワーダウン信号を“1”に設定して、センサ部10と無線送信部20を非稼動状態に制御する(ステップS301)。次に制御部30は、カウント値Ncを“0”に初期化する(ステップS302)。次に、Ncを“1”カウントアップした後(ステップS303)、センサ部パワーダウン信号を“0”にしてセンサ部10を稼動状態にする(ステップS304)。次に、センサ部10から出力されたセンサ値[Nc]を入力し、所定の記憶領域に保持する(ステップS305)。ここで、センサ値[Nc]は、Nc番目のセンサ値を表し、制御部30内のNm個の異なる記憶領域の1つに記憶される。
次に制御部30は、センサ部パワーダウン信号を“1”にしてセンサ部10を非稼動状態にする(ステップS306)。ここで制御部30は、無線送信判定手段として、無線送信状態に遷移するか否か(すなわち無線送信するか否か)の判定を、カウンタ値Ncの値に応じて行う。つまり、カウンタ値Ncが計測回数Nm回に一致したか否かで、無線送信状態に遷移するか否かが決定される(ステップS307)。
カウンタ値Ncが計測回数Nm回に一致しないと判定した場合(ステップS307で「N」)、制御部30は、次に休止時間タイマーを始動し(ステップS312)、休止時間タイマーによる計時によって休止時間Tdが経過するのを待つ(ステップS313で「N」の繰り返し)。そして、休止時間Tdが経過すると、再びステップS303に戻って、カウント値Ncをカウントアップして、次の計測を行う。
一方、ステップS307でカウンタ値Ncが計測回数Nm回に一致すると判定した場合(ステップS307で「Y」)、カウンタ値Ncを“0”に初期化した後、無線送信部パワーダウン信号を“0”にして、無線送信部20を無線送信状態にする(ステップS309)。ここで制御部30は、Nm個のセンサ値[1]〜センサ値[Nm]を含むセンサ信号を生成し、無線送信部20に対して出力する(ステップS310)。ここでセンサ信号が送信される。次に制御部30は、無線部パワーダウン信号を“1”にして無線送信部20を非稼動状態にする(ステップS311)。ここで、センサ部10と無線送信部20は、ともに非動作状態となり、センサ装置1の状態は休止状態となる(ステップS312〜S313)。その後、ステップS303以降の処理が繰り返し行われる。
次に、図8を参照して、図1に示すセンサ装置1のさらに他の動作例について説明する。図8に示す例では、センサ部10が出力したセンサ値が、予め定められた範囲(最小センサ値から最大センサ値までの範囲)に入っているか否かを判定し、この範囲から外れている場合のみ、センサ信号を送信する。ただし、本例では、1つの範囲に含まれるか否かで判定を行ったが、複数の範囲が存在する場合も同様に判定することが可能である。
図8において、ステップS401〜S404は図1のステップS101〜S104とそれそれ同一の処理であり、ステップS406〜S410は図1のステップS107〜S111とそれそれ同一の処理である。また、図8のステップS405が、図1のステップS105〜S106に対応している。この場合、ステップS405においてセンサ部10が出力したセンサ値が、予め定められた範囲(最小センサ値から最大センサ値までの範囲)に入っているか否かを判定している。
なお、判定の精度を上げるため、以下の判定を採用することも可能である。センサ部10が出力したセンサ値が、最小センサ値から最大センサ値までの範囲から外れている場合の回数をカウントする。このカウントは、最小センサ値から最大センサ値までの範囲から外れ、かつ、カウント値がNa以下の場合に、+1する。また、最小センサ値から最大センサ値までの範囲に入っているときは、“0”にリセットする。このようにカウントしたとき、Na回連続した場合、Na回分のセンサ値を含むセンサ信号を送信する。
また、センサ値から直接判定するのではなく、前回計測したセンサ値と今回計測したセンサ値との差など、これまでに得たセンサ値に対して一定の処理を施した結果に対して、判定を行うことも可能である。これにより、センサ値の絶対値よりも、値の変化が問題となるような情報の計測において、有効となる。
次に図9をを参照して、図1に示すセンサ装置1のさらに他の動作例について説明する。図9に示す例は、Nm回のセンサ部10からの入力毎に、今回のセンサ値を含んだ最近Nm回分のセンサ値を含むセンサ信号を送信する。また、センサ部10が出力したセンサ値が、最小センサ値から最大センサ値までの範囲から外れている場合に、そのセンサ値を含むセンサ信号を送信する。図9の動作例は、図7を参照して説明した動作に、図8を参照して説明した動作を組み合わせた形としてとらえることができる。すなわち、図9において、ステップS501〜S513は、図7のステップS301〜S313とそれそれ同一の処理である。また、図9のステップS514〜S516が、図8のステップS405〜S407に対応する処理である。この場合、ステップS514では、センサ値[Nc](Nc=1〜Nm)のそれぞれについて1回に1個のセンサ値が、予め定められた範囲(最小センサ値から最大センサ値までの範囲)に入っているか否かが判定される。また、ステップS516では、最小センサ値から最大センサ値までの範囲に入っていなかった1個のセンサ値[Nc]を含むセンサ信号が生成されて、送信されるようになっている。
これにより、定期的な計測結果のまとめ通知(計測から通知までの遅延大)と、緊急に通知すべき事象(センサ値が指定範囲を外れること)を検出したときの即時通知(計測から通知までの遅延小)を、同時に行うことが可能となる。さらに、定期的な通知によって、センサ装置1と、そのセンサ装置1が送信したセンサ信号を受信する装置との間の無線通信に障害が発生していないことを確認できる。
次に、図10を参照して、図1のセンサ装置1による図2のステップS108等の上述した各「センサ信号の生成・出力」動作について説明する。ここで、Npは、センサ信号の送信回数を確認するためのカウンタ値である。ここでは、同一のセンサ信号を繰り返し送信し、Ns回の送信を行ったとき、休止状態に遷移することとしている。図10の例では、送信から次の送信まで時間をあけるため、送信間隔タイマーを設けている。
すなわち、制御部30は、センサ信号を生成し(ステップS601)、次にカウンタ値Npを“0”に初期化する(ステップS602)。次にカウンタ値Npを+1増分し(ステップS603)、送信間隔タイマーを始動する(ステップS604)。ここで送信間隔タイマーで時間Tsの経過を計時し(ステップS606で「N」の繰り返し)、時間Tsが経過したら(ステップS606で「Y」)、センサ信号を出力する(ステップS606)。そして、カウンタ値Npが送信回数設定値Nsに一致するまで、すなわちNs回送信を繰り返すまで(ステップS607が「Y」となるまで)、ステップS603〜S607の処理が繰り返し行われる。
ここで、送信間隔タイマーによって指定される送信間隔Tsを、最小送信間隔Tsminから最大送信間隔Tsmaxの範囲でランダムな値とすることことも可能である。これにより、多数のセンサ装置が周囲に存在する状況で、他のセンサ装置からの送信タイミングと偶然一致して混信が発生した場合にも、次回以後の再送において他のセンサ装置からの送信タイミングとの一致する確率を低減できるため、通信の信頼性を向上できる。
なお、本発明の実施の形態は、上記の形態に限定されず、例えば各構成を統合したり、分割したり、各構成や動作で説明したタイマーを他の構成や動作に用いたりすることが可能である。
本発明のセンサ装置の第1の実施の形態の構成を示すブロック図。 図1のセンサ装置の動作例を説明するためのフローチャート。 図1のセンサ装置の動作例を説明するためのタイミングチャート。 本発明のセンサ装置の第2の実施の形態の構成を示すブロック図。 図4のセンサ装置の動作例を説明するためのフローチャート。 本発明のセンサ装置の第3の実施の形態の構成を示すブロック図。 図1のセンサ装置の他の動作例を説明するためのフローチャート。 図1のセンサ装置のさらに他の動作例を説明するためのフローチャート。 図1のセンサ装置のさらに他の動作例を説明するためのフローチャート。 図2のステップS108等の動作例を説明するためのフローチャート。
符号の説明
10、10b、10c センサ部
20、20b、20c 無線送信部
30、30b、30c 制御部
40、40b、40c 電源部

Claims (10)

  1. 情報を計測するセンサ手段と、前記センサ手段によって得たセンサ値を無線によって外部に通知する無線送信手段とを有するセンサ装置において、
    センサ装置の各部に電力を供給する電源と、
    時間を計時する休止時間タイマーと、
    センサ手段の計測動作に応じて無線送信を行う状態に遷移するか否かを判定する無線送信判定手段と、
    センサ手段と無線送信手段を休止する休止状態と、センサ手段によって情報を計測するセンサ稼動状態と、無線送信手段によって無線通信を行う無線送信状態との各状態に応じて電源からの電力供給を低減制御するパワーマネージメント手段と
    を備えてなり、
    休止状態のセンサ装置が、休止時間タイマーが指定する休止時間Tdの経過後に、センサ稼動状態に遷移し、
    センサ稼動状態のセンサ装置が、センサ手段によってセンサ値を得て、無線送信判定手段によって状態遷移の条件判断を行い、状態遷移の条件判断結果に応じて、無線送信状態又は休止状態に遷移し、
    無線送信状態のセンサ装置が、無線送信手段によってセンサ値を外部に通知する
    ことを特徴とするセンサ装置。
  2. 前記パワーマネージメント手段が、センサ装置が休止状態のとき、前記電源から前記センサ手段と前記無線送信手段に供給する電力を低減するパワーダウン制御を行い、
    前記パワーマネージメント手段が、センサ装置がセンサ稼動状態のとき、前記電源から前記無線送信手段に供給する電力を低減するパワーダウン制御を行い、
    前記パワーマネージメント手段が、センサ装置が無線送信状態のとき、前記電源から前記センサ手段に供給する電力を低減するパワーダウン制御を行う
    ことを特徴とする請求項1記載のセンサ装置。
  3. さらに、センサ稼動状態に遷移する度毎に前記センサ手段によって得たNm(Nmは2以上の自然数)個のセンサ値を記録するセンサ値記録手段を備え、
    前記無線送信判定手段が、センサ稼動状態への遷移がNm回毎にセンサ稼動状態から無線送信状態への遷移と判断し、それ以外の条件でセンサ稼動状態から休止状態への遷移と判断し、
    無線送信状態のセンサ装置が、センサ値記録手段によって記録されたNm個のセンサ値を、前記無線送信手段によって外部に通知する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のセンサ装置。
  4. 前記無線送信判定手段が、前記センサ手段によって得たセンサ値に応じて、そのセンサ値が所定の値の場合にセンサ稼動状態から無線送信状態への遷移と判断し、それ以外の場合にセンサ稼動状態から休止状態への遷移と判断する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のセンサ装置。
  5. 前記無線送信判定手段が、前記センサ手段によって得た2以上のセンサ値の演算結果に応じて、そのセンサ値の演算結果が所定の値の場合にセンサ稼動状態から無線送信状態への遷移と判断し、それ以外の場合にセンサ稼動状態から休止状態への遷移と判断する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のセンサ装置。
  6. 無線送信状態のセンサ装置が、外部に通知するセンサ値を含むセンサ信号を、前記無線送信手段によってNs(Nsは2以上の自然数)回繰り返し送信する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のセンサ装置。
  7. 前記Ns回の繰り返し送信の際の間隔がランダムに変化するものであることを特徴とする請求項6項記載のセンサ装置。
  8. 前記休止時間Tdがランダムに変化するものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のセンサ装置。
  9. 前記センサ値が前記センサ手段の出力に所定の変換処理を行うことで得られるものであり、
    センサ手段と、その変換処理を行う手段とに、異なる時期で、電力の供給が制御される
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のセンサ装置。
  10. 情報を計測するセンサ手段と、前記センサ手段によって得たセンサ値を無線によって外部に通知する無線送信手段とを有するセンサ装置の制御方法において、
    センサ装置の各部に電力を供給する電源と、
    時間を計時する休止時間タイマーと、
    センサ手段の計測動作に応じて無線送信を行う状態に遷移するか否かを判定する無線送信判定手段と、
    センサ手段と無線送信手段を休止する休止状態と、センサ手段によって情報を計測するセンサ稼動状態と、無線送信手段によって無線通信を行う無線送信状態との各状態に応じて電源からの電力供給を低減制御するパワーマネージメント手段と
    を備えるセンサ装置の各部を制御し、
    休止状態のセンサ装置を、休止時間タイマーが指定する休止時間Tdの経過後に、センサ稼動状態に遷移させ、
    センサ稼動状態のセンサ装置を、センサ手段によってセンサ値を得て、無線送信判定手段によって状態遷移の条件判断を行い、状態遷移の条件判断結果に応じて、無線送信状態又は休止状態に遷移させ、
    無線送信状態のセンサ装置で、無線送信手段によってセンサ値を外部に通知する
    ことを特徴とするセンサ装置の制御方法。
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