JP2005084077A - 熱伝導部材および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 弾性層の弾性を損なわずに熱伝導率が高められた熱伝導部材、およびその熱伝導部材を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 感光ドラム11上に形成された潜像を現像装置15で各色トナーにより可視化して中間転写体16にトナー像を転写し、そのトナー像を転写ローラ22で記録媒体100に転写して、加圧定着ローラ31および電磁誘導発熱定着ベルト32からなる定着装置30で加熱および加圧することにより記録媒体100上に定着する画像形成装置1において、電磁誘導発熱定着ベルト32に、熱伝導フィラーが配合されるとともに弾性領域に空気が入り込んだ多孔性材料からなる弾性層と、その弾性層よりも下層に外部から付与された交番磁場により渦電流を生じて誘導発熱する金属層を備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】 感光ドラム11上に形成された潜像を現像装置15で各色トナーにより可視化して中間転写体16にトナー像を転写し、そのトナー像を転写ローラ22で記録媒体100に転写して、加圧定着ローラ31および電磁誘導発熱定着ベルト32からなる定着装置30で加熱および加圧することにより記録媒体100上に定着する画像形成装置1において、電磁誘導発熱定着ベルト32に、熱伝導フィラーが配合されるとともに弾性領域に空気が入り込んだ多孔性材料からなる弾性層と、その弾性層よりも下層に外部から付与された交番磁場により渦電流を生じて誘導発熱する金属層を備えた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、弾性層を有しその弾性層を通過させて伝熱する回転体からなる熱伝導部材、およびその熱伝導部材を備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式の複写機やプリンタあるいはファクシミリなどに用いられる画像形成装置には、用紙等の記録媒体上に転写された未定着のトナー像を加熱および加圧することによりそのトナー像を記録媒体に定着させる定着装置が備えられている。このような定着装置において、耐熱性樹脂からなる薄板もしくは芯材に弾性層を有するベルトが、トナー像を定着するベルトとして、あるいはトナー像を一旦担持する中間転写体として用いられることがある。
例えば、静電潜像が形成される感光体と、トナーを収容し感光体上に形成された静電潜像をトナーで現像して感光体上にトナー像を形成する現像器と、感光体からトナー像の転写を受ける中間転写体とを備え、その中間転写体上のトナー像を、電磁誘導加熱を含むプロセスにより、記録媒体上に転写するとともにその転写の際に記録媒体に定着することにより、記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上述した中間転写体は、例えば、厚さが10μm〜200μmの熱硬化性ポリイミド、芳香族ポリアミド(アラミド)、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂層と、厚さが5μm〜20μm程度の銅を積層し、さらにその上に少なくとも弾性層とふっ素系離型層を形成し、無端状ベルトとしたものが用いられる。このような中間転写体を製造するには、耐熱性樹脂層からなる無端状ベルト上に、無電解めっき、電解めっき法、蒸着法等により金属薄膜を形成し、プライマーを塗布後、シリコンゴムを塗布加硫後、ふっ素樹脂を塗布したりあるいはふっ素樹脂チューブを形成する等により製造する。
特開2001−341144号公報
上述した特許公報1における、弾性層を有しその弾性層を通過させて伝熱する回転体からなる熱伝導部材としての中間転写体には、耐熱性樹脂上に、弾性層としてシリコンゴムが形成されている。ここで、シリコンゴムの熱伝導率は比較的低く、このため中間転写体の内部からシリコンゴムを介してその中間転写体上のトナー像を加熱するにあたり、そのシリコンゴムで内部からの熱伝達が妨げられる結果となり、従ってウォームアップタイム(定着温度に達するまでの待機時間)が長くなるという問題がある。この問題を解決するために、シリコンゴムに熱伝導フィラーを充填することが考えられる。しかし、シリコンゴムに熱伝導フィラーを充填すると、熱伝導率は高まるものの、シリコンゴムの弾性が損なわれたりもろくなったりするという問題が発生する。
本発明は、上記事情に鑑み、弾性層の弾性を損なわずに熱伝導率が高められた熱伝導部材、およびその熱伝導部材を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の熱伝導部材は、弾性層を有しその弾性層を通過させて伝熱する回転体からなる熱伝導部材において、
上記弾性層は、相対的に熱伝導率が高く、かつ相対的に硬質の熱伝導物質中に、相対的に熱伝導率が低く、かつ相対的に軟質の弾性領域が散在したものであることを特徴とする。
上記弾性層は、相対的に熱伝導率が高く、かつ相対的に硬質の熱伝導物質中に、相対的に熱伝導率が低く、かつ相対的に軟質の弾性領域が散在したものであることを特徴とする。
本発明の熱伝導部材は、弾性層が、相対的に熱伝導率が高くかつ相対的に硬質の熱伝導物質からなるものであるため、この熱伝導部材の内部で発生した熱は、上記熱伝導物質を介して弾性層表面に迅速に伝達される。また、上記弾性層は、上記熱伝導物質中に軟質の弾性領域が散在するものであるため、弾性層の弾性が損なわれることが防止される。
ここで、上記弾性層は熱伝導フィラーが配合されるとともに、上記弾性領域に気体が入り込んだ多孔性材料からなるものであることが好ましい。
このようにすると、例えば発泡材料に熱伝導フィラーを配合するだけで済み、コストを低減することができる。
また、上記弾性層よりも下層に、外部から付与された交番磁場により渦電流を生じて誘導発熱する金属層を有することも好ましい態様である。
このように金属層で誘導発熱すると、その熱を弾性層表面に効率良く伝達することができる。
さらに、上記弾性層よりも上層に、ふっ素系離型層を有することも好ましい。
弾性層よりも上層にふっ素系離型層を有すると、トナー像に対する離型性が高まるため、トナー像のオフセットを防止することができる。
また、上記金属層よりも上層かつ上記弾性層よりも下層に耐熱性樹脂層を有し、かつ上記弾性層よりも上層にふっ素系離型層を有することが好ましい。
このようにすると、金属層が耐熱性樹脂層で機械的な歪みから保護されるため、耐久性が高まるとともに、トナー像のオフセットを防止することができる。
さらに、上記弾性層が、1.25W/mK以上50.0W/mK以下の熱伝導率を有するものであってもよい。
本発明における弾性層は、上述したように、相対的に熱伝導率が高くかつ相対的に硬質の熱伝導物質中に、相対的に熱伝導率が低くかつ相対的に軟質の弾性領域が散在したものであるため、従来の熱伝導性シリコンゴムが有する0.2W/mK以上1.05W/mK以下の熱伝導率を大幅に超えた1.25W/mK以上50.0W/mK以下の熱伝導率を有することができ、従って熱伝導率を飛躍的に向上させることができる。
また、上記金属層は、無電解めっき層の上に電解めっき層が形成されたものであることが好ましい。
このようにすると、熱伝導部材内部における誘導発熱を効率よく行なうことができる。
さらに、上記無電解めっき層は、無電解ニッケルめっき層あるいは無電解銅めっき層であり、上記電解めっき層は、厚さ5μm以上20μm以下の電解銅めっき層であることが好ましい。
このようにすると、熱伝導部材内部における誘導発熱を一層効率よく行なうことができる。
また、上記耐熱樹脂層は、ポリアミド酸溶液を層状にして加熱することによってイミド化して形成されたポリイミドの層であることも好ましい。
上記耐熱樹脂層がポリイミド層であると、耐熱性、耐久性、コストの面からして有利である。
さらに、上記耐熱性樹脂層は、熱可塑性ポリイミドを塗布焼成して形成されたものであることも好ましい。
耐熱性樹脂層が、熱可塑性ポリイミドを塗布焼成して形成されたものであると、熱硬化過程に発生するガスによる、層形成に与える悪影響(接着阻害、発熱層の劣化促進)を小さく抑えることができる。
また、上記弾性層が、0.1g/cm3以上1.0g/cm3以下の見かけ密度を有するものであってもよい。さらに、上記弾性層が、50μm以上3mm以下の厚みを有するものであってもよい。
尚、見かけ密度とは、上記弾性層において軟質の弾性領域における空隙部分も上記弾性層の構成要素としたときの単位容積あたりの質量をいう。
また、上記目的を達成する本発明の画像形成装置のうちの第1の画像形成装置は、トナー像を形成しそのトナー像を記録媒体に転写してその記録媒体上に定着することによりその記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
トナー像が転写された記録媒体を挟んで加熱および加圧することによりそのトナー像を記録媒体上に定着する一対の部材を有する定着装置を備え、
上記一対の部材のうちの少なくとも一方の部材が、弾性層を有しその弾性層を通過させて上記トナー像に伝熱する回転体からなる熱伝導部材であって、
上記弾性層は、相対的に熱伝導率が高く、かつ相対的に硬質の熱伝導物質中に、相対的に熱伝導率が低く、かつ相対的に軟質の弾性領域が散在したものであることを特徴とする。
トナー像が転写された記録媒体を挟んで加熱および加圧することによりそのトナー像を記録媒体上に定着する一対の部材を有する定着装置を備え、
上記一対の部材のうちの少なくとも一方の部材が、弾性層を有しその弾性層を通過させて上記トナー像に伝熱する回転体からなる熱伝導部材であって、
上記弾性層は、相対的に熱伝導率が高く、かつ相対的に硬質の熱伝導物質中に、相対的に熱伝導率が低く、かつ相対的に軟質の弾性領域が散在したものであることを特徴とする。
本発明の第1の画像形成装置は、定着装置を構成する一対の部材のうちの少なくとも一方の部材が有する弾性層が、相対的に熱伝導率が高くかつ相対的に硬質の熱伝導物質であるため、上記一方の部材の内部で発生した熱は、上記熱伝導物質を介して弾性層表面に迅速に伝達される。従って、ウォームアップタイム(定着温度に達するまでの待機時間)の短縮化が図られる。また、上記弾性層は、上記熱伝導物質中に軟質の弾性領域が散在するものであるため、その弾性層の弾性が損なわれることが防止される。従って、定着装置を構成する一対の部材で形成される、未定着のトナー像を担持した記録媒体を通過させるためのニップ幅を確実に確保することができる。
ここで、上記熱伝導部材は、上記弾性層よりも下層に、外部から付与された交番磁場により渦電流を生じて誘導発熱する金属層を有するものであって、
上記定着装置は、さらに、上記熱伝導部材に対向して配置された電磁誘導コイルを備えたものであることが好ましい。
上記定着装置は、さらに、上記熱伝導部材に対向して配置された電磁誘導コイルを備えたものであることが好ましい。
このようにすると、電磁誘導コイルからの交番磁場により金属層に渦電流が生じてその金属層が誘電発熱するため、未定着のトナー像が効率よく加熱されて溶融し、従って記録媒体上に良好な画像を得ることができる。
さらに、上記目的を達成する本発明の画像形成装置のうちの第2の画像形成装置は、トナー像を形成しそのトナー像を最終的に記録媒体に転写してその記録媒体上に定着することによりその記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
上記トナー像の転写を受け転写されたトナー像を上記記録媒体に転写する中間転写体を備え、
その中間転写体は、弾性層を有しその弾性層を通過させて伝熱する回転体からなる熱伝導部材からなり、
上記弾性層は、相対的に熱伝導率が高く、かつ相対的に硬質の熱伝導物質中に、相対的に熱伝導率が低く、かつ相対的に軟質の弾性領域が散在したものであることを特徴とする。
上記トナー像の転写を受け転写されたトナー像を上記記録媒体に転写する中間転写体を備え、
その中間転写体は、弾性層を有しその弾性層を通過させて伝熱する回転体からなる熱伝導部材からなり、
上記弾性層は、相対的に熱伝導率が高く、かつ相対的に硬質の熱伝導物質中に、相対的に熱伝導率が低く、かつ相対的に軟質の弾性領域が散在したものであることを特徴とする。
本発明の第2の画像形成装置は、トナー像の転写を受け転写されたトナー像を記録媒体に転写する中間転写体を構成する熱伝導部材が有する弾性層が、相対的に熱伝導率が高くかつ相対的に硬質の熱伝導物質であるため、上記熱伝導部材の内部で発生した熱は、上記熱伝導物質を介して弾性層表面に迅速に伝達される。従って、ウォームアップタイム(定着温度に達するまでの待機時間)の短縮化が図られる。また、上記弾性層は、上記熱伝導物質中に軟質の弾性領域が散在するものであるため、その弾性層の弾性が損なわれることが防止される。従って、中間転写体により定まる、未定着のトナー像を担持した記録媒体を通過させるためのニップ幅を確実に確保することができる。
ここで、上記中間転写体を構成する熱伝導部材は、上記弾性層よりも下層に、外部から付与された交番磁場により渦電流を生じて誘導発熱する金属層を有するものであって、
この画像形成装置は、さらに、上記熱伝導部材に対向して配置された電磁誘導コイルを備えたものであることが好ましい。
この画像形成装置は、さらに、上記熱伝導部材に対向して配置された電磁誘導コイルを備えたものであることが好ましい。
このようにすると、電磁誘導コイルからの交番磁場により金属層に渦電流が生じてその金属層が誘電発熱するため、中間転写体に転写されたトナー像が効率よく加熱されて溶融し、記録媒体上に良好な画像を得ることができる。
本発明によれば、弾性層の弾性を損なわずに熱伝導率が高められた熱伝導部材、およびその熱伝導部材を備えた画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の画像形成装置の一実施形態の概略構成図である。
尚、本実施形態の画像形成装置には、本発明の熱伝導部材の一実施形態も備えられている。
図1に示す画像形成装置1は、トナー像を形成しそのトナー像を記録媒体に転写してその記録媒体上に定着することによりその記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する電子写真方式のフルカラーレーザープリンタである。
この画像記録装置1には、表面に静電電位の差による潜像が形成されて矢印A方向に回転する感光ドラム11が備えられている。この感光ドラム11の周囲には、感光ドラム11の表面をほぼ一様に帯電する帯電装置12と、感光ドラム11に各色信号に応じたレーザー光を照射して潜像を形成するレーザースキャナ13およびミラー14等を備えた露光部と、矢印B方向に回転してシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの4色のトナーをそれぞれ収容し感光ドラム11上の潜像を各色トナーにより可視化する現像装置15とが備えられている。さらに、この感光ドラム11の周囲には、矢印C方向に回転して感光ドラム11上に形成されたトナー像が静電転写される中間転写体16と、転写後の感光ドラム11の表面を清掃するクリーニング装置17と、感光ドラム11の表面を除電する露光ランプ18とが備えられている。
また、画像記録装置1には、給紙ユニット19と、その給紙ユニット19内に収容される記録媒体(用紙)100を1枚ずつ搬送する給紙ローラ20およびレジストローラ21と、中間転写体16上に転写されたトナー像を記録用紙100に転写するための転写ローラ22と、中間転写体16と転写ローラ22との間に記録媒体100を供給するための記録媒体ガイド23とが備えられている。
さらに、画像記録装置1には、トナー像が転写された記録媒体100を挟んで加熱および加圧することによりそのトナー像を記録媒体100上に定着する定着装置30が備えられている。この定着装置30には、一対の部材である加圧定着ローラ31および電磁誘導発熱定着ベルト32(本発明にいう熱伝導部材の一例に相当)と、電磁誘導発熱定着ベルト32を押圧するための押圧パッド33と、電磁誘導発熱定着ベルト32を誘導発熱させるための電磁誘導加熱装置34とが備えられている。電磁誘導発熱定着ベルト32および電磁誘導加熱装置34の構成については後述する。
このように構成された画像形成装置1では、感光ドラム11上に形成された各色のトナー像は、順次に中間転写体16上に重ねて転写され、フルカラーのトナー像となる。このトナー像は、転写ローラ22により記録媒体100に転写される。転写されたトナー像を担持した記録媒体100は、加圧定着ローラ31と電磁誘導発熱定着ベルト32との間に形成されたニップ部を通過する。ここで、電磁誘導発熱定着ベルト32は電磁誘導加熱装置34により誘導発熱されており、記録媒体100に転写されたトナー像は電磁誘導加熱されて溶融し、加圧定着ローラ31と電磁誘導発熱定着ベルト32との間で圧着される。これにより、トナー像が記録媒体100に転写されると同時に定着される。このようにして、記録媒体100上に定着トナー像からなる画像が形成される。
図2は、図1に示す電磁誘導発熱定着ベルトの構造を示す図である。
図2に示す電磁誘導発熱定着ベルト32は、弾性層を有しその弾性層を通過させて伝熱する回転体からなる熱伝導部材である。この電磁誘導発熱定着ベルト32には、弾性層32_1と、その弾性層32_1よりも下層に形成されて外部から付与された交番磁場により渦電流を生じて誘導発熱する発熱層32_2(本発明にいう金属層の一例に相当)と、基体32_3とが備えられている。先ず、弾性層32_1について図3を参照して説明する。
図3は、図2に示す弾性層の内部構造を示す図である。
図3に示す弾性層32_1は、相対的に熱伝導率が高くかつ相対的に硬質の熱伝導物質32_11中に、相対的に熱伝導率が低くかつ相対的に軟質の弾性領域32_12が散在したものである。このように、本実施形態の電磁誘導発熱定着ベルト32は、弾性層32_1が、相対的に熱伝導率が高くかつ相対的に硬質の熱伝導物質32_11からなるものであるため、この電磁誘導発熱定着ベルト32の内部で発生した熱は、熱伝導物質32_11を介して弾性層32_1の表面に迅速に伝達される。従って、ウォームアップタイム(定着温度に達するまでの待機時間)の短縮化が図られる。また、弾性層32_1は、熱伝導物質32_11中に軟質の弾性領域32_12が散在するものであるため、弾性層32_1の弾性が損なわれることが防止される。従って、定着装置30における、未定着のトナー像を担持した記録媒体100を通過させるためのニップ幅を確実に確保することができる。
また、弾性層32_1は、熱伝導物質32_11中に熱伝導フィラーが配合されるとともに、弾性領域32_12に気体(空気)が入り込んだ多孔性材料からなるものである。従って、弾性層32_1の製造にあたり、発泡材料に熱伝導フィラーを配合するだけで済み、コストを低減することができる。
さらに、弾性層32_1は、1.25W/mK以上50.0W/mK以下の熱伝導率を有するものである。電子写真装置用の定着部材は、耐熱性を持っていることが必要であり、一般的には電子写真の定着温度は、140℃から200℃の範囲で任意に設定されているため、シリコンゴムが最も多く使用されている。しかし、シリコンゴムは、一般的に熱伝導率が約0.2W/mK〜1.05W/mKの範囲であり、このようなシリコンゴムを電子写真装置の定着部材に使用した場合、熱伝導率は低く、従ってウォームアップ時間を長くしたり定着温度を高く設定する必要がある。本実施形態における弾性層32_1は、前述したように、相対的に熱伝導率が高くかつ相対的に硬質の熱伝導物質32_11中に、相対的に熱伝導率が低くかつ相対的に軟質の弾性領域32_12が散在したものであるため、従来の熱伝導性シリコンゴムが有する0.2W/mK以上1.05W/mK以下の熱伝導率を大幅に超えた1.25W/mK以上50.0W/mK以下の熱伝導率を有することができ、従って熱伝導率を飛躍的に向上させることができる。例えば、熱伝導率が約0.42W/mKで硬度30°(JIS typeA)のシリコンゴムに、熱伝導性フィラー50P.H.R.(ゴム100重量部に対してのフィラー量の割合をいう)を含有し、このシリコンゴムを発泡化することで、同一硬度でフィラーが多量に投入されて熱伝導率が3倍(1.25W/mK)の弾性層32_1を得ることができる。ここで、熱伝導の効果を高めようとすると、フィラー量としては、30P.H.R.以上が良く、好ましくは100P.H.R.以上が良い。但し、200P.H.R.以上のものは熱伝導の向上は著しくなるが、フィラーの種類によっては、ゴムとの相溶性が悪く、かえって強度の低下やもろくなる恐れがある。熱伝導性フィラーの例としては、アルミナ、石英、酸化マグネシウム、シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミ、窒化珪素、カーボンブラック、炭素繊維等がある。
また、弾性層32_1は、0.1g/cm3以上1.0g/cm3以下の見かけ密度を有する。ここで、見かけ密度とは、弾性層32_1において軟質の弾性領域32_12における空隙部分も弾性層32_1の構成要素としたときの単位容積あたりの質量をいう。さらに、この弾性層32_1は、50μm以上3mm以下の厚みを有する。
図4は、図2に示す電磁誘導発熱定着ベルトとは異なる電磁誘導発熱定着ベルトの構造を示す図である。
尚、図2に示す電磁誘導発熱定着ベルト32の構成要素と同じ構成要素には同一の符号を付し重複説明は省く。
図4に示す電磁誘導発熱定着ベルト320は、弾性層32_1よりも上層に、ふっ素系離型層32_4を有する。弾性層32_1よりも上層にふっ素系離型層32_4を有すると、トナー像に対する離型性が高まるため、トナー像のオフセットを防止することができる。また、発熱層32_2よりも上層かつ弾性層32_1よりも下層に耐熱性樹脂層を有することも好ましい。このようにすると、誘導発熱する発熱層32_2が耐熱性樹脂層で機械的な歪みから保護されて耐久性が高まる。さらに、上記耐熱性樹脂層は、熱可塑性ポリイミドを塗布焼成して形成されたものであることも好ましい。耐熱性樹脂層が、熱可塑性ポリイミドを塗布焼成して形成されたものであると、熱硬化過程に発生するガスによる、層形成に与える悪影響(接着阻害、発熱層の劣化促進)を小さく抑えることができる。
図5は、図2に示す電磁誘導発熱定着ベルトを電磁誘導発熱させる電磁誘導加熱装置の原理を示す図である。
図5には、電磁誘導加熱装置34および電磁誘導発熱定着ベルト32双方の断面図が示されている。電磁誘導加熱装置34には、励磁回路34_1と、コア34_2と、励磁コイル34_3とが備えられている。また、電磁誘導発熱定着ベルト32には、前述したように、弾性層32_1と、金属層である発熱層32_2と、基材層32_3とが備えられている。電磁誘導加熱装置34は、コア34_2に巻回された励磁コイル34_3に励磁回路34_1から信号を送ることにより、電磁誘導発熱定着ベルト32を貫通する交番磁界Hを生成する。この交番磁界Hによって発熱層32_2に渦電流Bが生じる。この渦電流Bによって発熱層32_2が発熱し、その電磁誘導発熱定着ベルト32の表面に担持されたトナー像(図示せず)が加熱されて溶融する。
本実施形態の耐熱性樹脂としては、一般的な耐熱性樹脂であるポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアミド等のなかでも、ポリイミドとして分類されるものを使用するのが望ましい。ポリイミド層を形成する方法として、ポリアミド酸溶液を、基体上で層状にし、加熱することによってイミド化してポリイミドのベルト状部材とする。基材の耐久性、コストを鑑みて、効果的な組み合わせであり、目的に応じて、熱伝導性フィラー、滑剤、可塑剤、導電性粒子、酸化防止剤その他の添加物を添加してもよい。特に、この耐熱性樹脂層に熱伝導フィラーを添加すると優れた効果が期待できる。
上記ポリイミドは、熱硬化性のものが望ましい。熱硬化性ポリイミドは、分子主鎖中にイミド基が有機基と直結し、これが繰り返し単位となって、高分子化しているものである。有機基は、脂肪族基、芳香族基を意味するが、芳香族基、例えば、フェニル基、ナフチル基、ジフェニル基(2つのフェニル基がメチレン基やカルボニル基を介して結合されたものを含む)であるものが、高い温度まで使用することができ機械的特性が良好なものとなる。
上記ポリアミド酸は、有機酸二無水物と有機ジアミンとの当量を、常温の有機極性溶媒中で縮重合反応させることによって生成することができる。
金属層である発熱層32_2上のポリイミドは、熱可塑性のものが望ましい。熱可塑性ポリイミドは、すでにイミド化しているため、加工時の焼成温度を低く抑えることができ、すでに形成した、発熱層32_2と耐熱性樹脂層、および発熱層32_2と耐熱樹脂層との層間接着力の劣化を小さく抑えることが可能となる。
また、発熱層32_2は、無電解めっき層の上に電解めっき層が形成されたものである。さらに、この無電解めっき層は、無電解ニッケルめっき層(あるいは無電解銅めっき層)であり、上記電解めっき層は、厚さ5μm以上20μm以下の電解銅めっき層である。このため、電磁誘導発熱定着ベルト32の内部における誘導発熱の効率が高められる。
さらに、上記耐熱樹脂層は、ポリアミド酸溶液を層状にして加熱することによってイミド化して形成されたポリイミド層である。このため、耐熱性、耐久性、コストの面で優れている。
図6は、電磁誘導発熱定着ベルトを構成する発熱層の製造工程を示す図である。
電磁誘導発熱定着ベルト32を構成する発熱層32_2を製造するには、先ず工程(A)において、金属基材32_21を用意する。次に、工程(B)において、金属基材32_21をパラジウム触媒等で下処理した後、無電解ニッケル液におよそ5分間浸漬して、厚さ0.5μmの無電解ニッケルめっき層32_22を得る。
さらに、工程(C)において、電解銅めっき液に浸漬して電流密度0.6×102A/m2でおよそ75分間めっきを行なって、厚さ15μmの電解銅めっき層32_23を得る。このようにして、発熱層32_2を製造する。
次に、基体,発熱層,耐熱樹脂層,弾性層,ふっ素系離型層を積層した無端状の定着ベルトである電磁誘導発熱ベルトの製造方法について説明する。
このベルトを製造するには、先ず、金属基材(型)上にポリイミド前駆体なる溶液を浸漬加工にて塗布し、乾燥後、100℃にて半焼成し、その後、380℃で焼成する。次に、無電解ニッケルめっきを0.5μm付けた後、電解銅めっきを10μm付ける。さらに、熱可塑性ポリイミドを塗布し乾燥して硬化させ、その後、シランカップリング剤系プライマーを塗布後、熱伝導フィラーを添加する。さらに、発泡シリコンゴムを塗布焼成することで発泡させる。その後、接着層塗布乾燥に加え、ふっ素樹脂ディスパージョンを塗布焼成し、もしくはふっ素樹脂チューブ形成し、無端状の定着ベルトを得る。
図7は、本発明の第2の画像形成装置の一実施形態の概略構成図である。
尚、前述した図1に示す画像形成装置1の構成要素と同じ構成要素には同一の符号を付し、重複説明は省く。
図2に示す画像形成装置2には、トナー像の転写を受け転写されたトナー像を記録媒体100に転写する中間転写ベルト330(本発明にいう中間転写体の一例に相当)が備えられている。また、張力付与部材35、駆動ローラ36、および加圧ローラ37も備えられている。中間転写ベルト330は、張力付与部材35と駆動ローラ36とで張架されており、加圧ローラ37は、駆動ローラ36と対向して中間転写ベルト330を挟むようにして設けられている。また、中間転写ベルト330の移動方向における、駆動ローラ36と加圧ローラ37とが対向する位置の上流側に、中間転写ベルト330を誘導発熱させるための電磁誘導加熱装置34が備えられている。
このように構成された画像形成装置2では、感光ドラム11上に形成された各色のトナー像は、順次に中間転写ベルト330上に重ねて転写され、フルカラーのトナー像となる。さらに、電磁誘導加熱装置34で電磁誘導加熱されて溶融し、転写ローラ36と加圧ローラ37との間で圧着される。これにより、記録媒体100上にトナー像が転写されると同時に定着される。このようにして、記録媒体100上に定着トナー像からなる画像が形成される。
図8は、図7に示す中間転写ベルトを電磁誘導発熱させる電磁誘導加熱装置の原理、およびその中間転写ベルトの構造を示す図である。
図8に示す中間転写ベルト330には、弾性層330_1と、その弾性層330_1よりも下層に形成されて外部から付与された交番磁場により渦電流を生じて誘導発熱する発熱層330_2(本発明にいう金属層の他の一例に相当)と、基体330_3とが備えられている。
弾性層330_1は、前述した図3に示す弾性層32_1の構造と同様であり、相対的に熱伝導率が高くかつ相対的に硬質の熱伝導物質中に、相対的に熱伝導率が低くかつ相対的に軟質の弾性領域が散在したものである。このため、中間転写ベルト330の内部で発生した熱は、熱伝導物質を介して弾性層330_1の表面に迅速に伝達される。従って、ウォームアップタイム(定着温度に達するまでの待機時間)の短縮化が図られる。また、弾性層330_1は、熱伝導物質中に軟質の弾性領域が散在するものであるため、弾性層330_1の弾性が損なわれることが防止される。従って、未定着のトナー像を担持した記録媒体100を通過させるためのニップ幅を確実に確保することができる。
この図8に示す電磁誘導加熱装置34からの交番磁界Hによって、上述した中間転写ベルト330を構成する発熱層330_2に渦電流Bが生じ、この渦電流Bによって発熱層330_2が発熱し、中間転写ベルト330の表面に担持されたトナー像が加熱されて溶融し、転写ローラ36と加圧ローラ37との間で圧着され、最終的に記録媒体100上に定着トナー像からなる画像が形成される。
以上説明したように、本実施形態の画像形成装置1,2における電磁誘導発熱ベルト32,中間転写ベルト330によれば、内部で発熱された熱をより早く伝えることが可能なため、ウォームアップタイムを短くすることが可能である。さらに、ウォームアップタイムが短いことで、電子写真方式における装置の待機電力の中で定着部品に係る電力を低減することが可能である。電子写真方式における装置の待機電力のほとんどは、定着部の予備過熱であるため、本実施形態により、待機電力を小さく抑えることが可能であり、省エネルギーの実現化が図られる。
次に、本発明の実施例について説明する。
ここでは、図1に示す電磁誘導発熱ベルト32の製造例について説明する。
最初にポリイミド形成を行なった。ここでは、金属基材(型)をポリイミド前駆体(U−ワニスS:宇部興産株式会社製)なる溶液に浸漬し、速度40mm/minにて引き上げて塗布し、100℃にて半焼成した。その後、380℃で焼成してベルトを得た。
次に、金属接着前処理を行なった。ここでは、上記ベルトを#100の酸化アルミニウムでブラスト加工し、表面粗さRzをおよそ15.0μmにした。
さらに、無電解ニッケル処理を行なった。ここでは、上記ベルトをパラジウム触媒処理後、無電解ニッケルめっきを0.5μm付けた。
次に、電解銅めっき処理を行なった。ここでは、上記ベルトを電解銅めっき液に浸漬し、金属銅をおよそ15μm付けた。
さらに、熱可塑性ポリイミド形成を行なった。ここでは、上記ベルト上に熱可塑性ポリイミドを浸漬し、速度40mm/minで引き上げて塗布し、100℃にて乾燥し、その後、250℃で焼成した。
次に、弾性層形成処理を行なった。ここでは、上記ベルトにシランカップリング剤系プライマー(DY39−067:東レダウコーニングシリコーン株式会社製)処理後、導電性カーボンが100部配合された発泡シリコンゴムを、押し出し加工にて形成および型中にて170℃で加熱成形を行なった。その後、200℃で2時間2次加硫し、約200μmの発泡シリコンゴムの膜を得た。
さらに、ふっ素樹脂層形成処理を行なった。ここでは、上記ベルトに接着層としてプライマー(信越化学製)をブレードコーターにより塗布し、150℃で焼成後、さらに離型層として、ふっ素樹脂チューブを被せ、200℃で4時間接着焼成し、無端状ベルト定着ベルトを得た。
次に、発熱性評価を行なった。図1に示す中間転写体16から転写ローラ22により未定着トナー像が転写された記録媒体100を、電磁誘導加熱装置34をもつ定着装置30により加熱定着を行なうように、上記ベルトを装着し、誘導発熱評価を行なったところ、以下の表1に示すように、50部(シリコンゴム100gに対し熱伝導性フィラー50gの割合)以上では、170℃の設定温度に到達するまで5秒未満であることが確認できた。
従って、従来のソリッド状のシリコンゴムでベルトを形成した場合、どんなに早くても10秒程度の時間がかかっていたが、本実施例では半分以下の時間で済むようになった。
1,2 画像形成装置
11 感光ドラム
12 帯電装置
13 レーザースキャナ
14 ミラー
15 現像装置
16 中間転写体
17 クリーニング装置
18 露光ランプ
19 給紙ユニット
20 給紙ローラ
21 レジストローラ
22 転写ローラ
23 記録媒体ガイド
30 定着装置
31 加圧定着ローラ
32,320 電磁誘導発熱定着ベルト
32_1,330_1 弾性層
32_2,330_2 発熱層
32_3,330_3 基体
32_4 ふっ素系離型層
32_11 熱伝導物質
32_12 弾性領域
32_21 金属基材
32_22 無電解ニッケルめっき層
32_23 電解銅めっき層
33 押圧パッド
34 電磁誘導加熱装置
34_1 励磁回路
34_2 コア
34_3 励磁コイル
35 張力付与部材
36 駆動ローラ
37 加圧ローラ37
100 記録媒体
330 中間転写ベルト
11 感光ドラム
12 帯電装置
13 レーザースキャナ
14 ミラー
15 現像装置
16 中間転写体
17 クリーニング装置
18 露光ランプ
19 給紙ユニット
20 給紙ローラ
21 レジストローラ
22 転写ローラ
23 記録媒体ガイド
30 定着装置
31 加圧定着ローラ
32,320 電磁誘導発熱定着ベルト
32_1,330_1 弾性層
32_2,330_2 発熱層
32_3,330_3 基体
32_4 ふっ素系離型層
32_11 熱伝導物質
32_12 弾性領域
32_21 金属基材
32_22 無電解ニッケルめっき層
32_23 電解銅めっき層
33 押圧パッド
34 電磁誘導加熱装置
34_1 励磁回路
34_2 コア
34_3 励磁コイル
35 張力付与部材
36 駆動ローラ
37 加圧ローラ37
100 記録媒体
330 中間転写ベルト
Claims (16)
- 弾性層を有し該弾性層を通過させて伝熱する回転体からなる熱伝導部材において、
前記弾性層は、相対的に熱伝導率が高く、かつ相対的に硬質の熱伝導物質中に、相対的に熱伝導率が低く、かつ相対的に軟質の弾性領域が散在したものであることを特徴とする熱伝導部材。 - 前記弾性層は熱伝導フィラーが配合されるとともに、前記弾性領域に気体が入り込んだ多孔性材料からなるものであることを特徴とする請求項1記載の熱伝導部材。
- 前記弾性層よりも下層に、外部から付与された交番磁場により渦電流を生じて誘導発熱する金属層を有することを特徴とする請求項1記載の熱伝導部材。
- 前記弾性層よりも上層に、ふっ素系離型層を有することを特徴とする請求項1記載の熱伝導部材。
- 前記金属層よりも上層かつ前記弾性層よりも下層に耐熱性樹脂層を有し、かつ前記弾性層よりも上層にふっ素系離型層を有することを特徴とする請求項3記載の熱伝導部材。
- 前記弾性層が、1.25W/mK以上50.0W/mK以下の熱伝導率を有することを特徴とする請求項1記載の熱伝導部材。
- 前記金属層は、無電解めっき層の上に電解めっき層が形成されたものであることを特徴とする請求項3記載の熱伝導部材。
- 前記無電解めっき層は、無電解ニッケルめっき層あるいは無電解銅めっき層であり、前記電解めっき層は、厚さ5μm以上20μm以下の電解銅めっき層であることを特徴とする請求項7記載の熱伝導部材。
- 前記耐熱樹脂層は、ポリアミド酸溶液を層状にして加熱することによってイミド化して形成されたポリイミドの層であることを特徴とする請求項5記載の熱伝導部材。
- 前記耐熱性樹脂層は、熱可塑性ポリイミドを塗布焼成して形成されたものであることを特徴とする請求項5記載の熱伝導部材。
- 前記弾性層が、0.1g/cm3以上1.0g/cm3以下の見かけ密度を有するものであることを特徴とする請求項1記載の熱伝導部材。
- 前記弾性層が、50μm以上3mm以下の厚みを有するものであることを特徴とする請求項1記載の熱伝導部材。
- トナー像を形成し該トナー像を記録媒体に転写して該記録媒体上に定着することにより該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
トナー像が転写された記録媒体を挟んで加熱および加圧することにより該トナー像を記録媒体上に定着する一対の部材を有する定着装置を備え、
前記一対の部材のうちの少なくとも一方の部材が、弾性層を有し該弾性層を通過させて前記トナー像に伝熱する回転体からなる熱伝導部材であって、
前記弾性層は、相対的に熱伝導率が高く、かつ相対的に硬質の熱伝導物質中に、相対的に熱伝導率が低く、かつ相対的に軟質の弾性領域が散在したものであることを特徴とする画像形成装置。 - 前記熱伝導部材は、前記弾性層よりも下層に、外部から付与された交番磁場により渦電流を生じて誘導発熱する金属層を有するものであって、
前記定着装置は、さらに、前記熱伝導部材に対向して配置された電磁誘導コイルを備えたものであることを特徴とする請求項13記載の画像形成装置。 - トナー像を形成し該トナー像を最終的に記録媒体に転写して該記録媒体上に定着することにより該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
前記トナー像の転写を受け転写されたトナー像を前記記録媒体に転写する中間転写体を備え、
該中間転写体は、弾性層を有し該弾性層を通過させて伝熱する回転体からなる熱伝導部材からなり、
前記弾性層は、相対的に熱伝導率が高く、かつ相対的に硬質の熱伝導物質中に、相対的に熱伝導率が低く、かつ相対的に軟質の弾性領域が散在したものであることを特徴とする画像形成装置。 - 前記中間転写体を構成する熱伝導部材は、前記弾性層よりも下層に、外部から付与された交番磁場により渦電流を生じて誘導発熱する金属層を有するものであって、
この画像形成装置は、さらに、前記熱伝導部材に対向して配置された電磁誘導コイルを備えたものであることを特徴とする請求項15記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003312429A JP2005084077A (ja) | 2003-09-04 | 2003-09-04 | 熱伝導部材および画像形成装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN111918519A (zh) * | 2019-05-07 | 2020-11-10 | 河南烯力新材料科技有限公司 | 弹性导热结构及其制造方法和电子装置 |
-
2003
- 2003-09-04 JP JP2003312429A patent/JP2005084077A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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