JP2005082688A - 防藻・防貝塗料及びこれを用いた防藻・防貝方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】人畜毒性ならびに魚介類に対する毒性が低く、しかも高い防藻・防貝効果を示す防藻・防貝塗料、及びこれを用いた有用な防藻・防貝方法の提供。
【解決手段】シラフルオフェンを塗料に実質的に配合してなる防藻・防貝塗料。好ましくは、シラフルオフェンを耐水性塗料に、該塗料の固形分に対して0.02〜0.5重量%配合してなる防藻・防貝塗料を、船、海水又は淡水中に設置される設備あるいは資材に塗布することにより解決する。
【選択図】なし
【解決手段】シラフルオフェンを塗料に実質的に配合してなる防藻・防貝塗料。好ましくは、シラフルオフェンを耐水性塗料に、該塗料の固形分に対して0.02〜0.5重量%配合してなる防藻・防貝塗料を、船、海水又は淡水中に設置される設備あるいは資材に塗布することにより解決する。
【選択図】なし
Description
本発明は、防藻・防貝塗料及びこれを用いた防藻・防貝方法に関するものである。
従来から、船底、海水又は淡水中に設置される漁業設備あるいは養殖資材、海洋ケーブル、各種工業プラントの配管や取水管ブイ、係留ロープなどに、藻類、フジツボ、ムラサキイ貝などの水棲生物が付着して問題を生じており、これらの弊害を取り除くために、防藻・防貝塗料を当該設備や資材に塗布することが知られている。
この藻の付着や,貝類などの付着を防止または軽減することを合わせて、防藻・防貝と称するが、防藻・防貝塗料として最も一般的に使用されてきたのは、トリブチルティンオキサイド(TBTO)をトルエンやキシレンなどの溶剤に溶解させた塗料である。しかしながら、有効成分である有機錫化合物が、環境を汚染したり、魚を媒介として人体に害を及ぼすことが社会問題となり、銅化合物など有毒な重金属を含まない低公害性の防藻・防貝塗料の開発が急がれている。これらは、産業に重大な影響を及ぼしている。
この藻の付着や,貝類などの付着を防止または軽減することを合わせて、防藻・防貝と称するが、防藻・防貝塗料として最も一般的に使用されてきたのは、トリブチルティンオキサイド(TBTO)をトルエンやキシレンなどの溶剤に溶解させた塗料である。しかしながら、有効成分である有機錫化合物が、環境を汚染したり、魚を媒介として人体に害を及ぼすことが社会問題となり、銅化合物など有毒な重金属を含まない低公害性の防藻・防貝塗料の開発が急がれている。これらは、産業に重大な影響を及ぼしている。
この目的のため、例えば、2,3−ジクロロ−N−(2,6−ジアルキルフェニル)マレイミドを含有させたもの[特開昭63−33304号公報]、2−メチルチオ−4−tert−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−S−トリアジンと安息香酸及びp−クロロ−m−キシレノールを組み合わせた塗料[特開平4−321608号公報]などが提案されているが、その防藻・防貝効果は必ずしも満足のいくものではない。
特開昭63−33304号公報
特開平4−321608号公報
本発明は、人畜毒性ならびに魚介類に対する毒性が低く、しかも水中で安定な有効成分を使用し、かつ高い防藻・防貝効果を示す防藻・防貝塗料、及びこれを用いた有用な防藻・防貝方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、塗料に有効成分としてシラフルオフェンを配合することによって、上記課題を解決しえることを知見し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次のような構成を採用する。
(1)シラフルオフェンを塗料に実質的に配合してなる防藻塗料。
(2)シラフルオフェンを塗料に実質的に配合してなる防貝塗料。
(3)シラフルオフェンを耐水性塗料に、該塗料の固形分に対して0.02〜0.5重量%配合してなる(1)又は(2)に記載の防藻・防貝塗料。
(4)シラフルオフェンを塗料に配合してなる防藻・防貝塗料を、船、海水又は淡水中に設置される設備あるいは資材に塗布する防藻・防貝方法。
(5)シラフルオフェンを塗料に実質的に配合してなる樹木用塗料
(1)シラフルオフェンを塗料に実質的に配合してなる防藻塗料。
(2)シラフルオフェンを塗料に実質的に配合してなる防貝塗料。
(3)シラフルオフェンを耐水性塗料に、該塗料の固形分に対して0.02〜0.5重量%配合してなる(1)又は(2)に記載の防藻・防貝塗料。
(4)シラフルオフェンを塗料に配合してなる防藻・防貝塗料を、船、海水又は淡水中に設置される設備あるいは資材に塗布する防藻・防貝方法。
(5)シラフルオフェンを塗料に実質的に配合してなる樹木用塗料
本発明の防藻・防貝塗料は、有効成分として、人畜ならびに魚介類に対して低毒性でしかも水中で安定なシラフルオフェンを使用しているため、環境にやさしく低公害性であり、かつ優れた防藻・防貝効果を示すのでその実用性は極めて高い。
本発明で用いるシラフルオフェンは、特開昭61−87687号公報に記載されているように、1984年に勝田らによって発明された有機ケイ素系殺虫成分で、(1)高い殺虫効力と(2)低毒性に加え、(3)低魚毒性と(4)化学的安定性[光、土壌、水中(特にアルカリ領域)、他]を具備し、農薬(主に水稲用)、防蟻剤、衣料害虫防除用途などで実用化されている。農薬の魚毒性は、例えばコイに対するLC50値から、Aランク(>10ppm)、Bランク(0.5〜10ppm)、Cランク(<0.5ppm)に区分されるが、ピレスロイド系化合物については、エトフェンプロックス及びシクロプロトリンがBランクに該当する以外は全てCランクで、魚毒性は高い。このため、水系やその付近、例えば水田や養魚地、その周辺では、ピレスロイド系化合物の使用は大きく制限される。これに対し、シラフルオフェンは、Aランクで魚毒性が低く、日本では水稲用農薬として需要が伸びている殺虫成分である。
これまで、シラフルオフェンが広い殺虫スペクトラムを有することは知られていたが、殺菌効果は認められず、防藻・防貝材への適用には全く関心が向けられていなかった。しかるに、本発明者らは、シラフルオフェンの低魚毒性と水中における化学的安定性に着目し、試験を繰り返した結果、シラフルオフェンが防藻・防貝材用途で極めて有用であることを知見したものである。
これまで、シラフルオフェンが広い殺虫スペクトラムを有することは知られていたが、殺菌効果は認められず、防藻・防貝材への適用には全く関心が向けられていなかった。しかるに、本発明者らは、シラフルオフェンの低魚毒性と水中における化学的安定性に着目し、試験を繰り返した結果、シラフルオフェンが防藻・防貝材用途で極めて有用であることを知見したものである。
本発明で、防藻・防貝成分としてのシラフルオフェンを配合する塗料としては、例えば、エポキシ樹脂塗料、メラミン樹脂塗料、アルキッド樹脂塗料、シリコン樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、フェノール樹脂塗料などがあげられる。なお、塗料の固化後、潮流や波などによって塗料が流失しないような耐水性塗料であれば、油性又は水性のいずれであっても構わない。
シラフルオフェンを塗料に配合するに際しては、通常の調製方法を採用することができ、必要ならば適宜、アルコール類、グリコールエーテル類、エステル類、エーテル類、芳香族又は脂肪族炭化水素などの溶剤を使用してもよい。シラフルオフェンの塗料中の配合量は、使用目的、使用場所等に応じて決定すればよいが、通常塗料固形分に対して0.02〜0.5重量%程度が好ましい。
また、本発明の趣旨を逸脱しない限り、防藻・防貝効果を増強させるために、トリアジン系あるいはイソチアゾリン系化合物や、銀系あるいは銅系抗菌剤を添加してもよく、更に必要に応じて種々の界面活性剤、分散剤、安定剤などの補助剤を配合しても有効である。
シラフルオフェンを塗料に配合するに際しては、通常の調製方法を採用することができ、必要ならば適宜、アルコール類、グリコールエーテル類、エステル類、エーテル類、芳香族又は脂肪族炭化水素などの溶剤を使用してもよい。シラフルオフェンの塗料中の配合量は、使用目的、使用場所等に応じて決定すればよいが、通常塗料固形分に対して0.02〜0.5重量%程度が好ましい。
また、本発明の趣旨を逸脱しない限り、防藻・防貝効果を増強させるために、トリアジン系あるいはイソチアゾリン系化合物や、銀系あるいは銅系抗菌剤を添加してもよく、更に必要に応じて種々の界面活性剤、分散剤、安定剤などの補助剤を配合しても有効である。
こうして得られた本発明の防藻・防貝塗料は、船、海水又は淡水中に設置される設備あるいは資材、例えば、船底、スクリュウ、取水管、ブイ、鎖、いかだ、アンカー、魚網、魚礁、養殖いけす用網、係留ロープ、海中建造物、護岸材、浮き岸壁、固定岸壁、海洋ケーブル、送電線、各種工業プラントの海水取水管や送水管、水族館(水槽のガラスに透明塗料を塗るなど)、ろ過砂、泡用の管などに、はけやスプレー、もしくは含浸等の手段を用いて塗布し、固化し、藻類、フジツボ、ムラサキイ貝などの水棲生物の付着を防止するものである。
次に、具体的実施例に基づいて、本発明の防藻・防貝塗料、及びこれを用いた防藻・防貝方法を更に詳細に説明するが、本発明はもちろんこれらに限定されるものではない。
船底用エポキシ樹脂塗料に、シラフルオフェンを0.1重量%を配合して、本発明の防藻・防貝塗料を得た。これを、通常の施用手順に従って漁業用小型船舶の船底に塗布した。藻や貝類が付着しやすい4月から11月までの間観察したが、藻やムラサキイ貝を含む貝類の付着はほとんど認められなかった。
なお、比較のために、シラフルオフェン未配合の塗料を同様に船底に塗布したが、同期間内で大量の藻や貝類の付着が観察された。更に、防藻・防貝塗料として、特開平4−321608号公報に開示された塗料[2−メチルチオ−4−tert−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−S−トリアジンと安息香酸及びp−クロロ−m−キシレノールを組み合わせた塗料]を用いた場合、藻や貝類がかなり付着し、その効果は十分と言えなかった。
なお、比較のために、シラフルオフェン未配合の塗料を同様に船底に塗布したが、同期間内で大量の藻や貝類の付着が観察された。更に、防藻・防貝塗料として、特開平4−321608号公報に開示された塗料[2−メチルチオ−4−tert−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−S−トリアジンと安息香酸及びp−クロロ−m−キシレノールを組み合わせた塗料]を用いた場合、藻や貝類がかなり付着し、その効果は十分と言えなかった。
ポリウレタン樹脂塗料に、シラフルオフェンを0.05重量%を配合して、本発明の防藻・防貝塗料を得た。これを、ナイロン製の養殖網に塗布し、ハマチの養殖池で使用したところ、6ケ月間、藻や貝の付着はほとんど見られず、またハマチへの影響はなかった。
なお、シラフルオフェンの替わりにフェンバレレート(水中安定性の良好なピレスロイド系化合物の一種)を用いた場合は、ある程度の防藻・防貝効果が認められたものの、魚毒性が高いためにハマチへの影響が懸念された。
なお、シラフルオフェンの替わりにフェンバレレート(水中安定性の良好なピレスロイド系化合物の一種)を用いた場合は、ある程度の防藻・防貝効果が認められたものの、魚毒性が高いためにハマチへの影響が懸念された。
本発明の効果として、本発明の防藻・防貝塗料は、船、海水又は淡水中に設置される設備あるいは資材、例えば、船底、スクリュウ、取水管、ブイ、鎖、いかだ、アンカー、魚網、魚礁、養殖いけす用網、係留ロープ、海中建造物、護岸材、浮き岸壁、固定岸壁、海洋ケーブル、送電線、各種工業プラントの海水取水管や送水管、水族館(水槽のガラスに透明塗料を塗るなど)、ろ過砂、泡用の管などに付与されることにより、藻類、フジツボ、ムラサキイ貝などの水棲生物の付着を防止する効果を有するので、世界の産業に重大な影響をもたらすものである。
他方、果実などの保護のために、害虫からの被害を軽減することができる。
他方、果実などの保護のために、害虫からの被害を軽減することができる。
大切な樹木の害虫などからの保護のため、樹木の幹の根元に近い部分に対してや、また、大切な果実の害虫からの保護のために、シラフルオフェンを表面に塗料として塗布することは極めて有効である。多くの害虫は、地面から這い上がって来るものが多いからである。また蝶・蛾のように直接産卵するものもあるが、枝から枝へと渡るものも多いからである。
他方、シラフルオフェンは太陽光に対する安定性にもすぐれるので、本発明の防藻・防貝塗料は、建築物の屋外防藻塗料などにも有効である。
他方、シラフルオフェンは太陽光に対する安定性にもすぐれるので、本発明の防藻・防貝塗料は、建築物の屋外防藻塗料などにも有効である。
Claims (4)
- シラフルオフェンを塗料に実質的に配合してなることを特徴とする防藻・防貝塗料。
- シラフルオフェンを耐水性塗料に、該塗料の固形分に対して0.02〜0.5重量%配合してなることを特徴とする請求項1に記載の防藻・防貝塗料。
- シラフルオフェンを塗料に配合してなる防藻・防貝塗料を、船、海水又は淡水中に設置される設備あるいは資材に塗布することを特徴とする防藻・防貝方法。
- シラフルオフェンを塗料に実質的に配合してなることを特徴とする樹木用塗料。
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