JP2005081475A - 研磨用ラバースリーブ - Google Patents
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Abstract
【課題】 湾曲面を有する被研磨体への適合性を改善して各部を均一に研磨できる研磨用ラバースリーブを提供すること。
【解決手段】 ゴム製中空円筒体17は、その内部に空気を供給して一定の内圧を保持させたとき、その軸方向の中央部17bの両側に、外周面が凸状に膨らんだ2つの膨出部17c、17cが形成される。
【選択図】図1
【解決手段】 ゴム製中空円筒体17は、その内部に空気を供給して一定の内圧を保持させたとき、その軸方向の中央部17bの両側に、外周面が凸状に膨らんだ2つの膨出部17c、17cが形成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、ブラウン管パネルのような湾曲面を有する被研磨体の表面を研磨するのに用いられる研磨用ラバースリーブに関するものである。
ブラウン管パネルは、溶融ガラス塊を金型でプレス成型した後、研磨工程で研磨され、その外表面が平滑となるように仕上げられる。この研磨工程では、ブラウン管パネルの形状が横長四角形で、しかも外表面が湾曲面であるため、これを均一に研磨することは実際上、非常に難しい。
そこで従来は、図3に示すような回転軸10上に対向配置した一対の側輪11に両端を気密に緊締固着し、外周面に適宜の凹溝を形成したゴム製中空円筒体12内に空気を供給して一定の内圧を保持させて回転駆動し、これを回転するブラウン管パネル13に押圧して研磨材の供給下で研磨する方法が採られている。
このようなゴム製中空円筒体12は、一般に研磨用ラバースリーブ(以下、単にラバースリーブとも言う)と呼ばれており、例えば特許文献1乃至3のような種々の研磨用ラバースリーブが提案されている。
特許文献1に開示されている研磨用ラバースリーブは、従来の研磨用ラバースリーブの内部に空気を供給して内圧を一定に保持させた状態における外周面の形状は、回転軸方向にストレートであった。
また、特許文献2に開示されている研磨用ラバースリーブは、ゴム製中空円筒体の構成によりその中央部が膨出し易い構造にすることで、ラバースリーブの内部に空気を供給して内圧を一定に保持させた状態で、回転軸方向の中央部が膨らんだ形状を呈している。
さらに、特許文献3に開示されている研磨用ラバースリーブは、ゴム製中空円筒体の外径が回転軸方向の一端から他端へ向けて単調に増大した形状を呈している。
実公昭45−27518号公報
特開平8−141898号公報
特開平8−257925号公報
上記の特許文献1に開示の研磨用ラバースリーブは、内部に空気を供給して内圧を一定に保持させた状態における外周面が、回転軸方向にストレートな形状を保持するように考慮されているため、ブラウン管用パネルの表面のような湾曲面には密着適合し難く、ブラウン管パネルの表面中央部が最もよく研磨され、周辺部に至るほど研磨量が減少し、表面各部を均一に研磨することができないという不具合があった。そのため、均一研磨を施すにあたっては、研磨用ラバースリーブの交換を頻繁に行わなければならず、設備コストの面での問題も誘起していた。
また、上記の特許文献2に開示の研磨用ラバースリーブは、内部に空気を供給して内圧を一定に保持させた状態における外周面の軸方向の中央部が膨出する様に考慮されており、ブラウン管パネル表面のような湾曲面に密着適合し易くしてあるため、特許文献1に記載のストレートな研磨用ラバースリーブに比べて、より均一な研磨が可能となったものの、ブラウン管パネル表面の湾曲面の最頂部と研磨用ラバースリーブの最大外径部との接触領域における摩耗量は周辺領域に比べて若干多くなる傾向にあり、均一研磨に対する更なる改善が求められている。
さらに上記の特許文献3に開示の研磨用ラバースリーブは、ゴム製中空円筒体の外径が回転軸方向の一端から他端へ向けて単調に増大した形状を呈しており、これにより複合曲面を有したブラウン管用パネルの表面中央部から周辺部にいたって均一に研磨することができるようにしてある。しかしながら、該研磨用ラバースリーブでは、ゴム製中空円筒体の外径が回転軸方向の一端から他端に向けて単調増大していることから、ゴム製中空円筒体の研磨面は略直線状のテーパー面を呈しており、そのテーパー角は研磨される湾曲面の曲率に応じて決定されている。そのため、研磨されるブラウン管用パネルの品種が変わると、湾曲面の曲率も変化することから、各品種に応じて研磨用ラバースリーブを準備する必要があり、設備コストの面において問題があった。
本発明の課題は、従来技術の上記問題点を解消し、湾曲面を有する被研磨体への密着適合性を一層改善して、湾曲面の各部を均一に研磨でき、且つ、研磨用ラバースリーブをパネルサイズに応じて変更する必要がなく、種々のパネルサイズに適応できる研磨用ラバースリーブを提供することにある。
本発明の研磨用ラバースリーブは、回転軸上に対向配置して一対の側輪に両端を気密に緊締固着し、外周面に適宜の凹溝を形成したゴム製中空円筒体内に空気を供給して一定の内圧を保持させて回転駆動し、これを被研磨体に押圧して研磨材の供給下で研磨する研磨用ラバースリーブにおいて、ゴム製中空円筒体の内部に空気を供給して一定の内圧を保持させたとき、その回転軸方向の中央部の両側に、外周面が凸状に膨らんだ膨出部が形成されることを特徴とする。
本発明の研磨用ラバースリーブは、ゴム製中空円筒体の内部に空気を供給して一定の内圧を保持させたとき、その回転軸方向の中央部の両側に、外周面が凸状に膨らんだ膨出部が形成され、湾曲面を有する被研磨体の表面に密着適合しやすい形状としたことによって、中央部から2つの膨出部にかけて、ブラウン管パネルのような被研磨体の研磨面全体に適合して弾性変形しやすくなる。
すなわち本発明のゴム製中空円筒体は、湾曲面を有する被研磨体の表面中央部から周辺部にかけて密着適合させやすく、その結果、被研磨体の表面全体を均一に研磨することができる。
本発明の研磨用ラバースリーブは、ゴム製中空円筒体の内部に空気を供給して一定の内圧を保持させたとき、その回転軸方向の中央部の両側に、外周面が凸状に膨らんだ膨出部が形成され、湾曲面を有する被研磨体の表面に密着適合しやすい形状を有するため、ブラウン管パネルのような湾曲面を有する被研磨体への密着適合性が向上し、被研磨体の研磨表面を均一に研磨することができる。
以下、本発明の実施形態に係る研磨用ラバースリーブを添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の研磨用ラバースリーブの使用状態を示す一部破断正面図であり、14は回転軸、16は側輪、17はゴム製中空円筒体、17bはゴム製中空円筒体の中央部、17cは膨出部、21は被研磨体を各々示している。
回転軸14は、軸受15、15によって両端を回転可能に支持され、駆動モータ(図示省略)によって回転駆動される。この回転軸14の両端付近には、側輪16、16が取り付けられており、これらの側輪16、16にゴム製中空円筒体17の両端が締付バンド18、18を介して気密に緊締固着されている。回転軸14の一端には、回転継手19を介して空気供給管20が接続してあり、この空気供給管20から回転継手19、回転軸14の空気供給通路14aを経由してゴム製中空円筒体17内に空気を供給し、内圧を一定に保持させるようにしている。
ゴム製中空円筒体17の外周面には、研磨効果を高めるための適宜の凹溝17aが形成してあり、図1では、波形の凹溝17aを回転軸方向の全長に亙って回転軸14に対して傾斜させて形成した場合を例示している。
ゴム製中空円筒体17は、その内部に空気を供給して一定の内圧を保持させたとき、その回転軸方向の中央部17bの両側に、外周面が凸状に膨らんだ2つの膨出部17c、17cが形成され、湾曲面を有する被研磨体21の表面に密着適合しやすい形状を有している。
つまりゴム製中空円筒体17内部に空気を供給する前の状態では、図1に一点鎖線で示すように、ゴム製中空円筒体17の回転軸方向全長に亙って一様な外径を備えているが、内部に空気を供給して一定の内圧を保持させると、図1の実線で示すように、その回転軸方向の中央部17bの両側に2つの膨出部17c、17cが形成され、中央部17bが被研磨体21の中央部と密着し、且つ、2つの膨出部17c、17cの一部が、湾曲面を有する被研磨体21の周辺部と密着する如く弾性変形して膨張するようになっており、ゴム製中空円筒体17がこのような形態となるように、その内部に補強用繊維22を埋設している。
前記補強用繊維22は一方向に配列され、板状(シート状)のゴム内に埋設されており、これを複数枚積層し、貼り合わせることでゴム製中空円筒体17を構成している。このとき積層された補強用繊維22の繊維方向は回転軸14に対して垂直な方向から見ると、図2に示すように、ちょうど織布のように交差するように積層されている。このときこれらの繊維は一方向は回転軸14から時計回りに所定角度θ1(ただし0°≦θ1≦90°)を有し、他の方向は回転軸14から反時計回りに所定角度θ2(ただし0°≦θ2≦90°)を有した状態となっていることが好ましい。
すなわちゴム製中空円筒体17の膨張度合いは、その内部に埋設される補強用繊維22の材質、太さ、単位面積当たりの糸本数、互いの層の貼り合わせ角度等によって大きく変化する。前述したように補強用繊維22は一方向に引き揃えられた状態で板状ゴムに埋設されているから、補強用繊維22の材質、太さ、単位面積当たりの糸本数を変更してゴム製中空円筒体17の膨張度合いを変更する場合は、変更するに相当するだけの補強用繊維22を埋設した板状ゴムを準備する必要がある。しかし互いの層の貼り合わせ角度を変更することによりゴム製中空円筒体の膨張度合いを変更する場合は、単に製造条件(貼り合わせ角度)を変更するだけで良いために不必要な材料を準備する必要がなく、非常に有用な手段である。このとき回転軸14と補強用繊維22との角度θ(θ1またはθ2)は大きくなると繊維による規制が強くなるために膨張しにくくなり、逆にθが小さくなると繊維による規制が弱くなるために膨張し易くなる。本発明では回転軸方向に二カ所の膨出部17c、17cを設けるために、膨出部17c、17c付近はθ1およびθ2共に20°〜45°になるようにし、それ以外の部分はθ1が90°、θ2が0°もしくは、θ1が0°、θ2が90°になるようにすると良い。
また上記構成に加えて、ゴム製中空円筒体17の肉厚を、膨出部17c、17cが最も薄く、それ以外の部分が厚くなるようにすると、膨張度合いをより変化させやすくなる。
本発明の研磨用ラバースリーブは、上記構成からなり、次にその動作を説明する。
ゴム製中空円筒体17内には、空気供給管20から空気が供給され、一定の内圧に保持せしめられる。これによりゴム製中空円筒体17は、図1に示すようにその回転軸方向の中央部17bの両側に、外周面が凸状に膨らんだ膨出部17c、17cが形成され、湾曲面をなす被研磨体21の表面中央部から周辺部にかけて密着適合しやすい形状を保持する。
ゴム製中空円筒体17は、研磨加工中、これを回転駆動して図1に示す被研磨体21の湾曲面をなす研磨表面の中央部から周辺部にかけて押圧密着させ得る位置に支持せしめられる。これと共に被研磨体21は、回転テーブル23に治具(図示せず)を介して位置決め保持され、研磨加工中、回転テーブル23により回転せしめられる。そして被研磨体21とゴム製中空円筒体17との接触部には、研磨材が供給される。
上記研磨材の供給下でのゴム製中空円筒体17の回転と被研磨体21の回転とにより、ブラウン管パネルのような湾曲面を有する被研磨体21の研磨表面は、その中央部から周辺部に至るまで均一に研磨される。すなわちゴム製中空円筒体17の中央部17bから2つの膨出部17c、17cの一部にかけて、被研磨体21の表面に密着適合する如く圧接されることによって被研磨体21の湾曲面全体に均一な研磨圧が作用する。これにより被研磨体21の表面各部を均一に研磨することができる。
またゴム製中空円筒体17が被研磨体21の表面各部に均一な研磨圧で圧接できることから、ゴム製中空円筒体17の摩耗は被研磨体21に接している部分に均一に発生するため、ゴム製中空円筒体の使用時間は長くなる。さらにゴム製中空円筒体17の膨出部はパネルの表面形状に合わせて変形するために、様々な品種、サイズのパネルであっても1種類のゴム製中空円筒体で研磨することが可能である。
14 回転軸
16 側輪
17 ゴム製中空円筒体
17b 中央部
17c 膨出部
21 被研磨体
16 側輪
17 ゴム製中空円筒体
17b 中央部
17c 膨出部
21 被研磨体
Claims (1)
- 回転軸上に対向配置して一対の側輪に両端を気密に緊締固着し、外周面に適宜の凹溝を形成したゴム製中空円筒体内に空気を供給して一定の内圧を保持させて回転駆動し、これを被研磨体に押圧して研磨材の供給下で研磨する研磨用ラバースリーブにおいて、ゴム製中空円筒体の内部に空気を供給して一定の内圧を保持させたとき、その回転軸方向の中央部の両側に、外周面が凸状に膨らんだ膨出部が形成されることを特徴とする研磨用ラバースリーブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003314883A JP2005081475A (ja) | 2003-09-08 | 2003-09-08 | 研磨用ラバースリーブ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005081475A true JP2005081475A (ja) | 2005-03-31 |
Family
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105291282A (zh) * | 2015-11-05 | 2016-02-03 | 泉州市佳能机械制造有限公司 | 一种数控自动化多面仿形石材高效加工设备及加工方法 |
CN109318067A (zh) * | 2018-10-30 | 2019-02-12 | 赵虎 | 一种硬质橡胶环表面处理设备及橡胶环表面处理工艺 |
-
2003
- 2003-09-08 JP JP2003314883A patent/JP2005081475A/ja active Pending
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