JP2005080991A - 心臓補助装置用カニューレチップ - Google Patents
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Abstract
【課題】血液ポンプの流入部用カニューレチップに関し、心室壁の吸引を防止する形状の流入用カニューレチップを提供する。
【解決手段】カニューレチップ10の入口部16がカニューレチップの円筒形本体から伸び、その間に間隙18を有する突起部2つを含む。突起部は傾斜縁部を有してもよい。カニューレの入口部16は、側面にある間隙18又はチップの底部の何れかから血流を受け入れることが出来る。カニューレチップの縁が心室壁に近いか又は接触しているときであっても、血液は突起部の間の間隙を通じて流れることが出来るので、吸引状態を生じない。
【選択図】図2
【解決手段】カニューレチップ10の入口部16がカニューレチップの円筒形本体から伸び、その間に間隙18を有する突起部2つを含む。突起部は傾斜縁部を有してもよい。カニューレの入口部16は、側面にある間隙18又はチップの底部の何れかから血流を受け入れることが出来る。カニューレチップの縁が心室壁に近いか又は接触しているときであっても、血液は突起部の間の間隙を通じて流れることが出来るので、吸引状態を生じない。
【選択図】図2
Description
本発明は、参照によりここに組込まれその一部とする2002年9月10日申請の米国仮特許出願60/409,885号の利益を請求するものである。
本発明は、血液ポンプなど心臓補助装置の分野に関する。さらに詳細には、本発明は吸引状態の惹起を回避するよう設計された血液ポンプの流入部に用いるためのカニューレチップに関する。
心不全が進行した段階においてはバイパス型心臓補助装置が人体の心臓を補助するため頻繁に使用される。この装置は左心補助人工心臓(LVAS)又は右心補助人工心臓(RVAS)として使用するのが一般的である。
LVASを使用する患者の死因の約30%は、過大な静脈圧、肝門脈圧の増加、及び多臓器不全による。心臓補助装置を必要とする心不全の患者は年間60,000名を超える。
埋込み型心臓補助装置に伴う問題の1つは、流入用カニューレチップが心室壁に付着したときに起こるポンプ流量の低下であり、結果として「吸引状態」を生じる。ポンプ流量の低下に加え、この吸引状態は自然心臓の拍出量をも制限し、突然の血圧降下、血液循環不全を起こし、時には死に至ることもある。
右心補助人工心臓のポンプの方が吸引状態が起こり易い。右心補助人工心臓のポンプの流入管は右心室壁を通して直接、肺動脈弁近傍に挿入される。人体の構造上この位置には右心室壁と隔膜との間に十分な空間がないため、適切な流入チップが提供されないと吸引状態が起こる。
この吸引状態は、カニューレチップの不適切な配置、過大なポンプ流量、心臓の外部圧力などによって生じる。このような吸引状態が起こるのを防止することは絶対に必要である。
吸引状態の惹起を避ける形状をしたポンプ流入用カニューレチップを提供することは有益である。
本発明の流入用カニューレチップは、前述及びその他の利点を提供する。
本発明は、吸引状態の惹起を防止する設計の血液ポンプの流入部用カニューレチップに関する。本発明の流入用カニューレチップは、右心補助人工心臓のポンプ用に特に有用である。本発明の流入用カニューレチップはまた、左心補助人工心臓とともにも用いられる。
本発明の第1実施例によると、心臓補助装置に用いるための流入用カニューレチップが提供される。このカニューレチップは、カニューレへの接続に適応する第1端を有する中空円筒形本体を有する。このカニューレチップはまた、前記本体から伸びた入口部の側方の突起間に間隙を形成する突起部少なくとも2つを含む前記本体の第2端の中空入口部をも含む。
第1実施例においては、突起部は半円形突起部を含む。突起間の間隙は、概ねU型の間隙とする。突起部は傾斜縁部を有してもよい。
このカニューレチップは、前記カニューレと一体で形成してもよい。あるいは、このカニューレチップはカニューレに接続する別個の部品として形成してもよい。
このカニューレチップは、ポリビニール又はポリウレタンなど生体適合性を有する硬質プラスチックで作られる。あるいは、このカニューレはチタン合金で作られることもある。
左心補助人工心臓又は右心補助人工心臓への使用にこのカニューレチップを用いてもよい。さらに、このカニューレチップは、拍動補助装置又は無拍動補助装置の何れか1つに用いるため適応させることができる。
詳細な説明は実施例を示すのみであって、本発明の範囲、適用、又は構成の限定を意味するものではない。むしろ、実施例の詳細な説明は、当業者に本発明の具体化を実現することの出来る解説を提供するであろう。添付請求項に規定する本発明の精神と範囲を逸脱することなく、要素に関する機能及び配置に各種の変更を行うことができることが理解されるであろう。
本発明は、吸引状態の惹起を防止するよう設計された血液ポンプの流入部用カニューレチップに関する。流入用カニューレチップのこのような特殊設計は、右心補助人工心臓のポンプ用に特に有用である。本発明の流入用カニューレチップはまた、左心補助人工心臓に用いてもよい。
図1Aと1Bは、動作中の従来技術のカニューレチップ2を示す。この従来技術のカニューレチップ2は、円筒管の形である。図1Aでは、矢印Aの方向に血流のある正常動作中の従来技術のカニューレチップ2が示されているが、その円筒管設計により、図1Bに示されるような心室壁4との吸引状態が引き起こされる。当該吸引状態は血流を妨害する。この吸引状態は、カニューレチップの不適切な配置、過大なポンプ流量、心臓の外圧、又はそれらの組合せにより起こる。
従来技術のカニューレチップ2のこのような円筒構造では、吸引状態からの回復は困難である。この問題を解決するため様々な試みが従来技術では試され、例えば、円筒形構造を有する従来技術のカニューレの側面に多数の孔が設けられた。このような設計は、吸引状態防止の作用をする。しかし、従来技術におけるカニューレ設計で設けられた孔は、長時間にわたる埋込みの間に凝血により塞がれてしまう傾向がある。本発明のカニューレチップは、吸引状態を阻止するだけでなく、凝血の形成を予防する。
本発明のカニューレチップの口(入口)は、心室壁と接触したとき吸引を阻止する形状になっている。本発明の実施例の透視図を図2及び3に示す。本発明のカニューレチップ10は、カニューレ(図示せず)への接続に適応する第1端12を持つ中空円筒形本体11を有する。カニューレチップ11の中空入口部16は、カニューレチップ10の円筒形本体11から伸びた2つの突起部16を含み、この突起部16は、入口部14の側方に間隙18を供するよう配置されている。
突起部16は、半円形突起部の形でよい。間隙18は、カニューレチップ10の入口部14にある概ねU型の間隙である。突起部16は傾斜縁部20を有してもよい。
チップ1の入口部14は、図4A及び4Bに示すように、血流をカニューレチップの側面又は底面の何れかから受入れることが出来る。図4Aは、正常動作状態にある(即ち心室壁4に接触していない)本発明のカニューレチップ10の動作を示す。図4Aにおいて、矢印Cで示すようにカニューレチップ10の底部から血流が流入する。図4Bに示すように、本発明のカニューレチップ10の突起部16が心室壁4と接触すれば、血流は、矢印Dで示すように、突起部16の間の間隙18を通って尚もカニューレチップ10の中に流入するので、吸引状態は生じない。
図にはカニューレチップ本体10から伸びる突起部16が2つしか示されていないが、カニューレチップ本体10から伸びる突起部2つ以上を、その間に持たせて、設けてもよいことが当業者によって理解されるであろう。また、カニューレチップ10は、チップが心室壁に近いか又は接触しているときであっても、血液が流れることが出来て同様に吸引状態を防止する各種の別の形をも含むことも理解されるであろう。
短期の使用には生体適合性を有する硬質プラスチック(ポリビニール又はポリウレタンなど)から、又、長期の使用にはチタン合金から流入用カニューレチップ10を作ることができる。このチップ10は、カニューレに接続できる別個の部品として作ってもよい。あるいは、チップ10を単体としてカニューレと一緒に形成してもよい。
本発明のカニューレチップ10は、複雑な構造や設計を必要としない。さらに、本発明のチップ10は、カニューレを心室へ挿入する際邪魔にならない。
本発明のカニューレチップ10は、右心補助人工心臓とともに使用することが出来るだけでなく、左心補助人工心臓としても用いることが出来る。さらに、本発明のカニューレチップ10は、拍動補助装置及び無拍動補助装置双方のため用いることが出来る。このカニューレチップ10はまた、カニューレ挿入を必要とする別の用途にも用いることが出来る。本発明が、吸引状態の形成を防止する有利な流入用カニューレチップを提供することが理解されたであろう。
各種図解実施例を用いて本発明を説明したが、請求項に規定する本発明の精神と範囲を逸脱することなく各種変更及び翻案をおこなうことができる。
添付図面と関連して以下に本発明を記述する。同一参照番号は類似要素を意味する。
図1A及び1Bは、従来技術のカニューレチップの動作を示す。
本発明のカニューレチップの第1実施例を示す透視図である。
本発明のカニューレチップの第1実施例を更に示す透視図である。
図4A及び4Bは、本発明のカニューレチップの第1実施例の動作を示す。
Claims (10)
- カニューレへの接続に適応する第1端を有する中空円筒形本体と、
前記本体から伸びて入口部の側方の突起間に間隙を形成する突起部少なくとも2つを含む前記本体の第2端の中空入口部と、
を含む、心臓補助装置と共に用いるための流入用カニューレチップ。 - 前記突起部が半円形突起部を含む、請求項1に記載の流入用カニューレチップ。
- 前記間隙が概ねU型の間隙である、請求項1に記載の流入用カニューレチップ。
- 前記突起部が傾斜縁部を有する、請求項1に記載の流入用カニューレチップ。
- 前記カニューレチップが、前記カニューレと一体で形成される、請求項1に記載の流入用カニューレチップ。
- 前記カニューレチップが、生体適合性を有する硬質プラスチックを含む、請求項1に記載の流入用カニューレチップ。
- 前記カニューレチップが、ポリビニール又はポリウレタンの何れか1つを含む、請求項6に記載の流入用カニューレチップ。
- 前記カニューレチップが、チタン合金を含む、請求項1に記載の流入用カニューレチップ。
- 前記カニューレチップが、左心補助人工心臓又は右心補助人工心臓の何れか1つとともに用いるため適応する、請求項1に記載の流入用カニューレチップ。
- 前記カニューレチップが、拍動補助装置又は無拍動補助装置の何れか1つとともに用いるため適応する、請求項1に記載の流入カニューレチップ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003318600A JP2005080991A (ja) | 2003-09-10 | 2003-09-10 | 心臓補助装置用カニューレチップ |
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JP2005080991A true JP2005080991A (ja) | 2005-03-31 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11471661B2 (en) | 2016-05-06 | 2022-10-18 | University Of Virginia Patent Foundation | Ventricular assist device stent, ventricular assist device, and related methods thereof |
-
2003
- 2003-09-10 JP JP2003318600A patent/JP2005080991A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11471661B2 (en) | 2016-05-06 | 2022-10-18 | University Of Virginia Patent Foundation | Ventricular assist device stent, ventricular assist device, and related methods thereof |
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