JP2005080951A - 生体磁場計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 心臓形態に合わせ心筋内電流分布の視覚化を可能とする生体磁場計測装置を提供する。
【解決手段】 胸面に垂直なz方向の磁場成分を胸部正面17と背面18の2方向から計測し,2方向の電流分布及び電流分布の大きさの分布を計算する。健常者の心臓形態に関する平均データから3次元標準モデルを作成し,洞結節の座標及び左心室領域の座標を用いて位置合わせを行なう。設定した境界20で,胸部正面と背面の電流分布及び電流分布の大きさの分布が最も一致するような重み係数を計算し,電流値レベルを合わせた後に,2方向の電流分布及び電流分布の大きさの分布を3次元標準モデルに投影して,心筋内電流分布画像の3次元表示を得る。位置合わせ後の標準モデル29に,電流ベクトルの大きさが,小である白の領域31,中程度である灰色の領域32,大である黒の領域33として表示され,電流ベクトル30が表示される。
【選択図】 図13

Description

本発明は,人体の心臓が発する微弱な磁場を計測するSQUID(Superconducting Quantum Interference Device:超伝導量子干渉素子)磁束計を用いた生体磁場計測装置に関する。
不整脈や虚血性心疾患などの心疾患の診断において,心筋内の電気生理学的現象を可視化できることは非常に重要である。心筋内の電気生理学的現象を可視化する装置の一つに,生体磁場計測装置がある。生体磁場計測装置は,心臓から生じる微弱な磁場(以下,心臓磁場と略記する)を非侵襲かつ非接触で多点計測でき,この心臓磁場データを用いて心筋内部に流れる電流分布を可視化できる。
生体磁場計測装置を用いた心筋内電流分布の可視化方法として,電流アローマップ(Current―arrow map,以下,CAMと略記する)が開発されている(例えば,非特許文献1,2を参照)。CAMとは,各計測点で測定される心臓磁場データの法線成分の微分から得られる2次元平面上のベクトルを,生体内電流分布とする方法である。被験者の正面と背面で計測された心臓磁場データからCAMを計算することで,心臓全体の心筋興奮伝播の様子を視覚化できる(例えば,非特許文献3を参照)。このCAMに基づく心臓疾患の解析法には,CAMの時系列画像からの異常興奮伝播の視覚化,心室の脱分極過程のCAMを用いた虚血部位の同定などがあり,臨床上の有効性が報告されている(例えば,非特許文献4,5を参照)。
近年では,各被験者の核磁気共鳴イメージング画像(以下,MRI画像と略記する)から作成した3次元心臓モデル上に,CAMを投影する方法が開発されおり,視覚的に分かりやすい心筋内電流分布の表示方法が報告されている(例えば,特願2002−147051号,非特許文献6を参照)。
H.Hosaka,et.al.," Visual determination of generators of the magnetocardiogram ",J.Electrocardiol.,vol.9,pp.426-432,1976
T.Miyashita,et.al.," Construction of tangential vectors from normal cardiac magnetic field components ",Proc.20th Int.Conf.IEEE/EMBS(Hong Kong),pp.520-523,1998 K.Tsukada,et.al.," Noninvasive visualization of multiple simultaneously activated regions on torso magnetocardiographic maps during ventricular depolarization ",J.Electrocardiol.,vol.32,no.4,pp.305-313,1999 Y.Yamada,et.al.," Noninvasive diagnosis of arrhythmic foci by using magnetocardiogram-method and accuracy of magneto-anatomical mapping system- ",J.Arrhythmia,vol.16,no.5,pp.580-586,2000 A.Kandori,et.al.," A method for detecting myocardial abnormality by using a current-ratio map calculated from an exercise-induced magnetocardiogram ",Med.Biol.Eng.Comput.,vol.39,pp.29-34,2001 K.Ogata,et.al.," Visualization method of current distribution in cardiac muscle using a heart model",Transactions of the japanese society for medical and biological engineering,vol.41,no.1,pp.25-33(2003)
被験者毎の3次元心臓モデル上に,CAMに基づく2次元平面の電流分布図を投影することで,視覚的に分かり易い心筋内電流分布画像を得ることができる。この画像を用いることで,解析結果に対する医師や検査技師の理解度の向上が期待でき,患者に対しても検査結果を分かりやすく提供できる。しかし,この電流分布表示方法の実際の適用には,2つの課題が存在する。第1の課題は,解析対象の被験者毎にMRI画像やX線CT画像を取得する必要があり,表示結果を得るために多くの時間がかかることである。第2の課題は,心臓と計測面間(正面,背面)の距離によって正面と背面のCAMの電流値の基準レベルが異なるため,3次元心臓モデルへ投影される電流分布は正面と背面の接合部で不連続になることである。
本発明の目的は,正面と背面の電流分布及び電流分布の大きさの分布が3次元心臓標準モデル上に連続的に投影でき,心臓形態に合わせた心筋内電流分布の視覚化を可能とする生体磁場計測装置を提供する。
本発明の生体磁場計測装置では,生体から発生する生体磁場のxy面に垂直なz方向の磁場成分の時間変化を対向する2方向から計測し,生体の胸面に平行な(x,y)座標の座標位置に2次元に配置される複数の磁束計と,複数の磁束計の出力信号の演算を行なう演算装置と,演算の結果を表示する表示装置とを有する。
演算装置は,(1)出力信号から2方向の電流分布及び/又は電流分布の大きさの分布を求める演算,(2)所定の期間(例えば,T波の出現する期間)に於ける出力信号から等積分図を求め,等積分図が所定の閾値を越える領域を求める演算,(3)所定の時点(例えば,P波の初期時点)に於ける出力信号から1つの電流源の大きさ,方向及び位置を推定する演算,(4)1つの電流源の大きさ,方向及び位置を仮定して,所定の時点(P波の初期時点)での電流分布及び/又は電流分布の大きさの分布を求める演算,のうちの少なくとも1つの演算を行なう。
なお,演算装置は,生体磁場の計測領域の外部に,計測領域での複数の磁束計の配列と同じ配列条件で複数の磁束計が存在すると仮定した仮想的な拡張領域を設定して,拡張領域での複数の磁束計の出力信号を計測領域での複数の磁束計の出力信号の補間により求める処理を行ない,上記(1),(2),(3),(4)のうちの少なくとも1つの演算を行なう。
また,演算装置は,以下の演算を行なう。
(5)心臓の形状を模擬する3次元心臓モデル上に,上述の(1),(2),(3),(4)の少なくとも1つの演算により得られる結果を用いて,3次元の心臓モデルを表すデータと,(1)の演算で求められる2方向の電流分布及び2方向の電流分布の大きさの分布との位置合わせを行なうための変換演算を,3次元心臓モデルを表わすデータに関して行なう。
(6)上述の位置合わせを行なった,2方向の電流分布及び2方向の電流分布の大きさの分布間での電流値の基準レベルを合わせるための演算を行なう。
(7)上述の基準レベルを合わせた2方向の電流分布及び2方向の電流分布の絶対値の分布を,3次元の心臓モデルを表わすデータの(x,y)座標に,z方向から投影した合成画像データを求める演算を行なう。
なお,上記(5)の演算では以下の何れかを実行する。
(5a)3次元の心臓モデルを表わすデータに於ける洞結節の位置と電流源の推定位置とのずれ(第1のずれ)が最小となるように,洞結節の位置と電流源の推定位置との位置合わせを行なう。
(5b)3次元の心臓モデルを表わすデータに於ける左心室の領域と等積分図の所定の閾値を越える領域とのずれ(第2のずれ)が最小となるように,左心室の領域と所定の閾値を越える領域との位置合わせを行なう。
(5c)(5a)の第1のずれ,及び,(5b)の第2のずれが最小となるように,洞結節の位置と電流源の推定位置との位置合わせ,及び,左心室の領域と所定の閾値を越える領域との位置合わせを行なう。
(5d)上記(1)で求められる2方向の電流分布及び/又は2方向の電流分布の絶対値の分布とのずれが最小となるように,上記(4)に於ける1つの電流源の大きさ,方向及び位置の仮定を変更して,位置合わせを行なう。
なお,上記(6)の演算では以下の何れかを実行する。
(6a)z方向から見た3次元の心臓モデルを表わすデータの最外郭の境界データの(x,y)座標の座標位置で,上記(1)で求められる2方向の電流分布及び/又は2方向の電流分布の大きさの分布が最も一致するような重み係数を求める。
(6b)上記(1)で求められる2方向の電流分布及び/又は2方向の電流分布の大きさの分布の境界上の分布が最も一致するような重み係数を求める。
合成画像データは,表示装置に2次元又は3次元表示される。表示装置には,上記(1),(2),(3),(4)の演算の実行を選択する演算選択ボタンが表示され,操作者により選択された演算選択ボタンに対応する演算が実行される。表示装置には,合成画像データと複数の磁束計の出力信号とが同時に表示される。表示装置には,合成画像データが3次元表示され,合成画像データの3次元表示の画像上に心臓の各組織に対応する名称が表示される。
更に,演算装置は,3次元の心臓モデルを表わすデータの(x,y)座標に,上述(1)で求められる2方向の電流分布及び/又は電流分布の大きさの分布が連続的になるようにz方向から投影した合成画像データを求める演算を行なう。
また,表示装置は,以下の表示を行なう。
(8)任意の視点方向および視点位置から見た合成画像データの2次元又は3次元表示を行なう。
(9)z方向の正および負方向から見た合成画像データの2次元又は3次元表示を行なう。
(10)x方向の正および負方向から見た合成画像データの2次元又は3次元表示を行なう。
本発明によれば,心疾患を有する被験者及び健常者に対して,心臓磁場データのみから標準モデルの位置を適切に求めることができ,MRI計測,X線CT計測などを行なわずに,心臓の形態情報を含んだ3次元心筋内電流分布画像を得ることができる。また,正面と背面のCAMが連続的に接合できる電流値の基準レベルの調整処理を行ない,正面の電流分布及び電流分布の大きさの分布と,重み付けが行なわれた背面の電流分布及び電流分布の大きさの分布を標準モデル又は被験者毎の心臓モデル上に投影することで,心臓全体に渡って連続的な3次元心筋内電流分布画像を得ることができる。
以下,本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施例の生体磁場計測装置の構成例を示す図である。
図1に示すように,磁気シールドルーム1の内部には,SQUID磁束計を極低温に保持するクライオスタット2を保持するガントリー3と,被験者(図示せず)が横になるベッド4が配置されている。ベッド4は,ベッドの短軸(A方向,y方向)での移動とベッドの長軸(C方向,x方向)での移動と,ベッドの上下方向(B方向,z方向)での移動が可能である。磁気シールドルーム1の外部には,クライオスタット2内に配置されるSQUID磁束計を駆動させる駆動回路5と,駆動回路5からの出力に増幅及びフィルターをかけるアンプフィルタユニット6と,アンプフィルタユニット6からの出力信号をデータ収集し,収集されたデータの演算処理を行なうと共に装置の各部の制御を行なうコンピューター7とが配置されている。
図2は,本発明の実施例の生体磁場計測装置において,胸面(正面)から心臓磁場を計測する場合の,SQUID磁束計の配列と被験者との位置関係を説明する図である。SQUID磁束計はクライオスタット2内に8×8の格子状に配置され,各SQUID磁束計間の距離は25mmである。被験者の正面で計測を行なう場合,64個のSQUID磁束計で構成される心臓磁場の測定領域9は,被験者の胸壁(正面)8に対して平行に配置され,7行3列目のSQUID磁束計10が胸部の剣状突起11の真上に位置するように測定領域9の位置合わせが行われる。測定領域9の座標系は,1行8列目のセンサ位置を原点とする。また,各SQUID磁束計で計測される心臓磁場データは,測定領域9に対して垂直な成分Bzである。
なお,生体磁場のxy(胸面)面に平行なx方向の磁場成分Bx及びy方向の磁場成分Byの時間変化を検出するSQUID磁束計を,上記各SQUID磁束計の代わりに使用しても良い。この場合,検出された磁場成分Bx及び磁場成分Byから,周知の方法により得られるCurrent arrow を,以下で説明するCurrent arrowの代わりに使用する。
図3は,本発明の実施例の生体磁場計測装置において,背面(後面)から心臓磁場を計測する場合の,SQUID磁束計の配列と被験者との位置関係を説明する図である。64個のSQUID磁束計で構成される心臓磁場計測装置の測定領域9は,被験者の胸壁(背面)8に対して平行に配置され,7行6列目のSQUID磁束計12が胸部の剣状突起11の真裏の点13の垂直方向上に位置するように測定領域9の位置合わせが行われる。
以下,正面と背面の電流分布及び電流分布の大きさの分布が3次元心臓標準モデル上に連続的に投影でき,心臓の形態に合わせて心筋内電流分布の視覚化を可能とする生体磁場計測装置の実施例について説明する。
実施例1では,3名の健常者の心臓の大きさの平均値を用いて,複数の被験者に適用可能な3次元標準モデルを作成する。実施例1では,3名の健常者の画像データから標準心臓モデルを作成するが,1名の健常者の画像データ,又は,2名以上の画像データを使用しても良い。
図4は,本発明の実施例1において,核磁気共鳴イメージング装置(以下,MRI装置と略記する)による測定領域を説明する図である。MRI装置による測定領域14は,被験者の胸壁(正面)8の前額面における300mm×300mmとする。心臓の3次元的な構造を画像化するため,z軸に沿って5mmの間隔で計測領域14を移動させ,スライス厚1mmのMRI画像を取得した。標準モデルの作成は,以下の(1)〜(3)処理に従って実行する。
(1)3名の各被験者のMRI画像から心臓の輪郭座標を抽出し,3次元心臓モデルを作成する。
(2)各被験者の3次元心臓モデルの重心座標を計算し,重心から各輪郭点までの距離を計算する。
(3)3名の被験者の3次元心臓モデルについて,重心から各輪郭点までの平均距離を計算し,その平均距離に基づいて3次元標準モデルを作成する。3名の被験者の心臓の大きさを平均化して3次元標準モデルを作成する。
図5は,本発明の実施例1において,3名の被験者の心臓の大きさを平均化して求めた3次元標準モデル15の例を示す図である。
次に,標準モデルの位置決め方法について説明する。標準モデルの位置決めに使用する心臓の位置情報として洞結節の座標を用いる。洞結節とは,心臓のリズムを支配する組織(右房と上大静脈の移行部に存在)であり,その座標位置は,洞結節の興奮に始まる心房興奮時相であるP波の初期時相のダイポール(磁場源)推定より特定できる。ここで,ダイポール推定法とは,生体内の電気生理学的活動を1つのダイポールで代表させ,そのダイポールの位置(x’,y’,z’),向きθおよびモーメントQを推定する方法であり,(数1)を最小とする最適化問題に帰着する。
(x’,y’,z’,θ,Q)=
Σ(Bt,i−QL(x’,y’,z’,θ))
Σ(Bt,i) …(数1)
ここで,Bt,i(i=1,2,・・・,64)は生体磁場計測装置の各センサで計測されるある時刻tでの磁場の法線成分,Lはビオ・サバールの式より導かれる係数を表している。また,分子および分母のΣは,i=1〜64の加算を表す。このダイポール推定法を用いることで,洞結節近辺の局所的な心筋興奮部位を比較的に精度よく推定できる。
標準モデルの位置決め方法は,以下の(1)〜(3)処理に従って実行される。
(1)図5に示すように,標準モデル15上に洞結節の座標(x,y,z)16を設定する。
(2)図6に示すように,正面での計測面17又は/及び背面での計測面18で計測されたP波の初期時相の心臓磁場データを用いてダイポール推定を行ない,ダイポール座標19(x’,y’,z’)を導出する。
図6は,本発明の実施例1において,正面及び背面での心臓磁場の計測面17,18と,推定されたダイポール座標19の位置関係を説明する図である。
(3)ダイポール座標19と標準モデル15上の洞結節の座標16が重なる位置に標準モデル15を移動する。
次に,標準モデルへの正面と背面の電流分布及び電流分布の大きさ分布の投影方法を説明する。ここで,電流分布及び電流分布の大きさの分布の計算方法として,CAMを使用する。CAMとは,生体磁場計測装置の各計測点での磁場の法線成分Bzの空間微分から得られる電流アロー(Current arrow,以下,CAと略記する)I(x,y)を,生体内電流分布とする方法である。CAMは,2次元平面上への投影図として得られる。ここで,各計測点でのI(x,y)のx成分,y成分は,(数2)で近似され,電流分布の大きさは(数3)から導かれる。
(x,y)=dB(x,y)/dy
(x,y)=−dB(x,y)/dx …(数2)
|I(x,y)|=√{(I(x,y))2+(I(x,y))2} …(数3)
CAMを標準モデルに投影する際,正面のCAMを標準モデルの正面側に,背面のCAMを標準モデルの背面側にそれぞれ投影する。投影方法は,標準モデルの各座標の真上に位置するCAを標準モデルの座標の電流ベクトルとする方法を用いる。しかし単に,標準モデルの正面側と背面側にCAMを投影すると,正面と背面のCAMの電流値の基準レベルが異なるため,接合部分にCAMの不連続分布が生じてしまう。これは,正面,背面での計測面から心臓までの距離が異なることに起因する。そこで,以下の処理に従って,正面と背面のCAMの電流値の基準レベルを調節する。
図7は,本発明の実施例1において,重み係数Wの計算方式を説明するための図である。
(1)図7に示すように,前額面から標準モデルの見た最外郭の座標20((x,y),n=1,2,…,N)を抽出する。
(2)図7に示すように,座標20(x,y)に投影される,正面での計測面17のCAの大きさI(x,y)(正面での電流分布の大きさ)21,背面での計測面18のCAの大きさI(x,y)(背面での電流分布の大きさ)22を(数3)により計算する。
(3)I(x,y)21及びI(x,y)22を用いて,(数4)を最小とする重み係数Wを計算する。(数4)で,Σはn=1〜Nの加算を表わす。
F(W)=Σ(I(x,y)−W×I(x,y)) …(数4)
(4)心臓磁場データの一心拍または全時間に渡って(数4)を計算し,F(W)が最小となる心臓の時相の重み係数Wを,好適なWとして用いる。これは,一心拍または全時間のうちで(数4)を最小にする心筋興奮の時相で,正面と背面の心臓磁場データのS/Nが最も良いことに基づいている。
(5)正面のCAM,係数Wで重み付けされた背面のCAMを,標準モデル上に投影する。但し,より連続的な電流分布を得るため,正面と背面のCAMが投影される接合領域でのCAMの補間計算をする。
図8は,本発明の実施例1において,ダイポール推定結果に基づく標準モデルの位置を示す図であり,健常者Aに対して標準モデルの位置合わせを行った結果例を示す図である。図8において,実線に囲まれた白の領域はMRI画像による被験者Aの心臓の領域23を表している。また,実線に囲まれた黒の領域は,位置合わせ後の標準モデル24に対応する。図8に示すように,本手法は実際の心臓とほぼ同じ位置に標準モデルを置くことができた。
図9は,本発明の実施例1において,健常者Aの一心拍でのF(W)の例を示す図である。図9に示すようにF(W)25は,3つの心臓の時相(QRS前半の時相26,QRS後半の時相27,T波前半の時相28)において,安定的に小さくなることが分かる。その中で,F(W)が最小となったのは,QRS前半26の236msecであった。そこで,236msecでの重み係数Wを用いて,正面のCAM,係数Wで重み付けされた背面のCAMを標準モデルに投影する。
図10は,本発明の実施例1において,重み付けした電流分布の投影結果例であり,位置合わせ後の標準モデル29上へ,P波後半での正面のCAM,係数Wで重み付けされた背面のCAMを投影した結果例を示す図である。図10(A)は標準モデルの背面から見た投影図,図10(B)は正面から見た投影図,図10(C)は心臓に向かって右側面から見た投影図,図10(D)は心臓に向かって左側面から見た投影図である。図10(A)〜図10(D)に示す,方向と長さをもつ矢印は電流ベクトル30を,白の領域31は電流ベクトルの大きさが小である領域を,灰色の領域32は電流ベクトルの大きさが中程度である領域を,黒の領域33は電流ベクトルの大きさが大である領域を,それぞれ表している。なお,図10(A)〜図10(D)では,表示を容易にするために電流ベクトルの大きさを3段階としているが,実際にはカラー表示を用いて,128又は512段階で電流ベクトルの大きさを区分けして,表示する(以下に説明する,図11,図13,図20,図21,図23についても同様である)。
P波後半での心筋興奮は心房興奮の時相であり,右心房に比べ左心房の興奮が比較的強くなる。図10(A),図10(B)から,電流強度の大きな領域が右心房と左心房領域にあり,特に左心房の興奮領域が右心房に比べて大きいことがわかる。また,図10(C),図10(D)から明らかなように,標準モデルへ投影した,正面のCAM,係数Wで重み付けされた背面のCAMは連続的な分布であることが分かる。
本発明の実施例1において,正面のCAM,係数Wで重み付けされた背面のCAMの投影結果は,z方向の負および正方向から見た投影結果である図10(A)及び図10(B),又は,x方向の正及び負方向から見た投影結果である図10(C)及び図10(D)を同一画面に表示する。
図11は,本発明の実施例1において,重み付けしない電流分布の投影結果例であり,位置合わせ後の標準モデル29上へ,P波後半での正面のCAM,背面のCAMを投影した結果例を示す図である。即ち,図11は,本発明の実施例1において,電流値の基準レベルの調整を行なわなかったときの投影結果例を示す図である。被験者,解析時刻は図10と同じである。図11(A)は標準モデルの背面から見た投影図,図11(B)は正面から見た投影図,図11(C)は心臓に向かって右側面から見た投影図,図11(D)は心臓に向かって左側面から見た投影図ある。図11(A)〜図11(D)に示す,方向と長さをもつ矢印は電流ベクトル34を,白の領域35は電流ベクトルの大きさが小である領域を,灰色の領域36は電流ベクトルの大きさが中程度である領域を,黒の領域37は電流ベクトルの大きさが大である領域を,それぞれ表している。
図11(A),図11(B)から,電流強度の大きな領域が右心房に集中しており,左心房の興奮は確認できない。また,図11(C),図11(D)から明らかなように,正面と背面の接合領域において,CAMが不連続な分布となることが分かる。以上の結果から,図10に示す結果のように,電流値の基準レベルの調整を行なうことで,心臓の電気生理学的現象に一致した心筋内電流分布画像を得ることができた。
図12を用いて,本発明の実施例1における処理の流れを説明する。まず,処理101で一連の処理を開始し,処理102で,心臓磁場(正面,背面)を計測し,処理103で,測定磁場から電流分布(正面,背面)を計算する。処理104−1で,図5の説明に従い,標準モデル上に洞結節16の座標を設定する。処理105−1で,P波の初期時相でのダイポール推定から得られるダイポール座標19を計算する(図6)。処理106で,処理104−1で設定した洞結節16の座標と処理105−1で計算したダイポール座標19を用いて,標準モデルの位置合わせを行なう。処理107で,図7で説明したように電流分布(正面,背面)の電流値の基準レベルを調整し,処理108で,標準モデル上へ電流分布(正面,背面)及び電流分布の大きさ(正面,背面)を投影し,コンピューター7の画面上に投影結果を表示する。最後に,処理109は,一連の処理を終了する。
図13は,本発明の実施例1を要約して説明する図である。図13の左図は図7と同じである。実施例1では,胸面に垂直なz方向の磁場成分を胸部正面17と背面18の2方向から計測し,2方向の電流分布及び電流分布の大きさの分布21,22を計算した。3名の健常者の心臓形態に関する平均データから3次元標準モデルを作成し,洞結節の座標及び左心室領域の座標を用いて被験者毎の位置合わせを行なった。
さらに,設定した心臓の境界20上での胸部正面と背面の電流分布の大きさの分布が最も一致するような重み係数を計算し,2方向の電流分布及び電流分布の大きさの分布21,22の電流値の基準レベルを合わせた。この重み付けされた2方向の電流分布及び電流分布の大きさの分布を位置合わせ後の標準モデル29に投影することで,図13の右図に示す心筋内電流分布画像の3次元表示を得た。図13において,方向と長さをもつ矢印は電流ベクトル30を,白の領域31は電流ベクトルの大きさが小である領域を,灰色の領域32は電流ベクトルの大きさが中程度である領域を,黒の領域33は電流ベクトルの大きさが大である領域を,それぞれ表している。
実施例1による心筋内電流分布画像の3次元表示では,上記のように電流値の基準レベルの調整を行なうので,心臓の電気生理学的現象に一致した心筋内電流分布画像を得ることができるという効果を得ることができる。
実施例2では,心臓の位置情報として左心室領域の座標を用いて標準モデルの位置を決定する。左心室は大動脈に血液を送り出す部分であり,他の部位と比較して心筋が最も厚い。この左心室領域の座標は,心室の再分極過程の時相であるT波の等積分図から求めることができる。ここで,等積分図とは,電流分布の大きさを任意の区間で時間積分し,時間積分値が等しい点を結ぶ2次元図であり,電流分布としてCAMを用いると(数5)から計算される。
sum(x,y)=∫|I(x,y)|dt …(数5)
(数5)の積分区間はTからTであり,I(x,y)はある時刻tでのCAMを示しており,(数3)から計算できる。ここで,(数5)より,等積分図はある時間内に流れる心筋電流量の総和に対応することが分かる。そのため,T波の等積分図の強度の大きな領域は,心筋が最も厚く,心筋電流量も大きい左心室領域に対応すると仮定できる。標準モデルの位置決め方法は,以下の(1)〜(4)の処理によって実行される。
図14は,本発明の実施例2において,3次元標準モデルの左心室領域を抽出する方法を説明する図である。
図15は,本発明の実施例2において,T波の等積分図を計算し,積分値がある閾値(予め定められるしきい値)以上の領域を抽出する方法を説明する図である。
(1)図14に示すように,3次元標準モデル15からZ=Zの2次元領域38を抽出し,更に,DEF点で構成される左心室領域の座標39((x0,k,y0,k),k=1,2,…,K)を抽出する。
(2)図15に示すように,(数5)より生体磁場計測装置の測定領域17でのT波区間の等積分図40を計算し,ある閾値以上の積分値をもつ領域の座標41((x’,y’),m=1,2,…,M)を抽出する。ここで,M=Kとする。
(3)左心室領域の座標(x0,k,y0,k)39と等積分図40から得られる座標41(x’,y’)との差で表される2乗平均誤差Fを(数6)のように定義し,Fを最小とする標準モデルの移動量(Δx,Δy)を求める。(数6)で,分子及び分母のΣはk=1〜Kの加算を表わす。
(Δx,Δy)=√{Σ[(x0,k+Δx―x’)2+
(y0,k+Δy−y’ )2]}/
√{Σ[(x’)2+(y’)2]} …(数6)
(4)(数6)より得られる標準モデルの移動量(Δx,Δy)を用いて,標準モデルの位置決めを行なう。
以上説明した標準モデルの位置決め方法による位置決め結果は,実施例1の位置合わせ結果(図8)とほぼ同じであった。標準モデル上への,正面と背面のCAMの投影は,実施例1と同じ方法を使用する。3次元標準モデルと,正面のCAM,重み付けされた背面のCAMとを合成した,実施例2によって得られる画像表示結果は,実施例1の画像表示結果(図10)と同じであった。実施例2においても,実施例1と同じ効果を得ることができる。
図12を用いて,本発明の実施例2における処理の流れを説明する。実施例1における処理の流れと同様に,処理101から処理103を実行する。処理104−2で,図14の説明に従い,3次元標準モデルから左心室領域の座標39を抽出する。処理105−2で,図15の説明に従い,T波の等積分図を計算し,等積分図40からある閾値以上の積分値をもつ領域の座標41を抽出する。処理106で,処理104−2で抽出した左心室領域の座標39と処理105−2で抽出した等積分図の座標41を用いて,標準モデルの位置合わせを行なう。処理106から処理109は,実施例1の処理の流れと同様なので説明を省略する。
実施例3は,心臓の位置情報として洞結節の座標と左心室領域の座標を用いて標準モデルの位置を決定する。標準モデルの位置決め方法は,以下の(1)〜(4)の処理によって実行される。
図16は,本発明の実施例3において,3次元標準モデルの左心室領域の抽出と,標準モデル上への洞結節の座標設定を説明する図である。
図17は,本発明の実施例3において,等積分図から抽出された領域,推定されたダイポール座標を示す図である。
(1)図16示すように,3次元標準モデル(図14)15からZ=Zの2次元領域38を抽出し,更に,DEF点で構成される左心室領域の座標39((x0,k,y0,k),k=1,2,…,K)を抽出する。更に,標準モデル上に洞結節16の座標(x,y,z)を設定する。
(2)図17に示すように,(数5)よりT波の等積分図を計算し,積分値がある閾値以上の座標41((x’,y’),m=1,2,…,M:M=K)を抽出する。更に,図17に示すように,P波の初期時相の心臓磁場データを用いてダイポール推定を行ない,ダイポール座標19(x’,y’,z’)を導出する。
(3)左心室領域の座標39(x0,k,y0,k)と等積分図40から得られる座標41(x’,y’)との差,及び,洞結節16の座標(x,y,z)とダイポール座標19(x’,y’,z’)との差の和で表される二乗平均誤差Fを(数7)のように定義し,Fを最小とする標準モデルの移動量(Δx,Δy)を求める。また,(数8)を用いて,Δzを計算する。(数7)の分子及び分母のΣは,k=1〜Kの加算を表わす。
3(Δx,Δy)=√{Σ[(x0,k+Δx―x’)2+
(y0,k+Δy―y’)2]}/
√{Σ[(x’)2+(y’)2]}+
√{[(x+Δx―x’)2+
(y+Δy―y’)2]}/
√{[(x’)2+(y’)2]} …(数7)
Δz=z’―z …(数8)
(4)(数7),(数8)より得られる標準モデルの移動量(Δx,Δy,Δz)を用いて,標準モデルの位置を決定する。
以上説明した標準モデルの位置決め方法による位置決め結果は,実施例1の位置合わせ結果(図8)とほぼ同じであった。標準モデル上への正面と背面のCAMの投影は,実施例1と同じ方法を使用する。3次元標準モデルと,正面のCAM,重み付けされた背面のCAMとを合成した,実施例3によって得られる画像表示結果は,実施例1の画像表示結果(図10)と同じであった。実施例3においても,実施例1と同じ効果を得ることができる。
図12を用いて,本発明の実施例3における処理の流れを説明する。実施例1,実施例2における処理の流れと同様に,処理101から処理103を実行する。(a)実施例1における処理の流れと同様に,処理104−1で,図16の説明に従い,標準モデル上に洞結節16の座標を設定する。処理105−1で,図17の説明に従いP波の初期時相でのダイポール推定から得られるダイポール座標19を計算する。一方,実施例2における処理の流れと同様に,(b)処理104−2で,図16の説明に従い,3次元標準モデルから左心室領域の座標39を抽出する。処理105−2で,図17の説明に従い,T波の等積分図40からある閾値以上の積分値を持つ領域の座標41を抽出する。次に,上記の(a),(b)による2つの情報を用いて標準モデルの位置合わせを行なう。
処理107から処理109は,実施例1,実施例2の処理の流れと同様であるので説明を省略する。
実施例4では,生体磁場計測装置の計測面(正面,背面)の最外郭のCAMが等しくなるような重み係数Wを用いて,正面と背面の電流値の基準レベルを調整する。次の5つの処理に従って,正面と背面のCAMの電流値の基準レベルを調節する。
図18は,本発明の実施例4において,重み係数Wの計算方式を説明するための図である。
(1)図18に示すように,正面での計測面17の境界の計測点42上のCAの大きさI(x,y)(n=1,2,…,N)を抽出する。
(2)図18に示すように,背面での計測面18の境界の計測点42’上のCAの大きさI(x,y)を計算する。
(3)I(x,y)及びI(x,y)を用いて,(数9)を最小とする重み係数Wを計算する。(数9)で,Σはn=1〜Nの加算を表わす。
F(W)=Σ(I(x,y)−W×I(x,y)) …(数9)
(4)心臓磁場データの一心拍または全時間に渡って(数9)を計算し,F(W)が最も小さくなる時相での重み係数Wを,好適なWとして用いる。これは,一心拍または全時間のうちで(数9)を最小にする時相が,正面と背面の心臓磁場データのS/Nが最も良いことに基づいている。
(5)正面のCAM,重み付けされた背面のCAMを,標準モデル上に投影する。但し,より連続的な電流分布を得るため,正面のCAM,背面のCAMが投影される接合領域では補間領域を設定する。
標準モデルの位置決め方法としては,実施例1,実施例2及び実施例3で使用した3つの位置決め方法の何れかを使用する。3次元標準モデルと,正面のCAM,重み付けされた背面のCAMとを合成した,実施例4において得られる画像表示結果は,実施例1の画像表示結果(図10)と同じであった。実施例4においても,実施例1と同じ効果を得ることができる。
実施例5では,心磁計測領域の拡張を行ない,拡張された領域に対応する正面と背面の電流分布及び電流分布の大きさの分布をスプライン補間より導し,拡張された領域を含む正面と背面の電流分布及び電流分布の大きさの分布を標準モデルに投影する。
図19は,本発明の実施例5において,心磁計測領域及び拡張される領域を示す図である。実施例1,実施例2,実施例3及び実施例4を用いて標準モデルの位置を求めた際,標準モデルは必ずしも心磁計測領域(心臓磁場データが計測された領域)43内に含まれない場合がある。その場合,心磁計測路領域43から外れた標準モデル部位に対応する電流分布及び電流分布の大きさの分布を求めることは困難である。
そこで,計測領域43での複数の磁束計の配列と同じ配列条件で複数の磁束計が存在すると仮定した仮想的な拡張領域44,45を設定して,心磁計測領域43の拡張を行なう。拡張領域44,45に対応する電流分布及び電流分布の大きさの分布を,心磁計測領域43で計測された心臓磁場データを用いて,スプライン補間より導く。このようにして,拡張領域の最外郭46をもつ拡張された電流分布及び電流分布の大きさの分布を求めることができる。
実施例5では,標準モデルの位置決め方法として,実施例1,実施例2及び実施例3による位置決め方法の何れかを適用する。標準モデル上への,正面と背面の拡張された電流分布及び電流分布の大きさの分布の投影は,実施例1及び実施例4の何れかの方法を適用する。3次元標準モデルと,正面,重み付けられた背面の電流分布及び電流分布の大きさの分布とを合成した,実施例5において得られる画像表示結果は,実施例1の画像表示結果(図10)と同じであった。実施例5においても,実施例1と同じ効果を得ることができる。
図20は,本発明の実施例6において,電流分布及び電流分布の大きさの標準モデル上への投影結果例を示す図であり,生体磁場計測装置のコンピューター7に表示される画面例47を表す図である。
コンピューター7の表示画面47には,複数の磁束計により測定される心臓から発する1つ,又は,複数の磁場波形の表示画面48と,標準モデル上に投影された心筋内電流分布の表示画面49が表示される。
表示画面47は,表示画面48に表示される磁場波形の表示設定を行なう設定画面50と,標準モデルの位置決め方法を選択する選択画面51と,標準モデルと,電流ベクトル及び電流ベクトルの大きさを合成した心筋内電流分布の画像表示を実行する表示画面52と,心筋内電流分布のアニメーションを実行する実行画面53とを有する。
設定画面50は,表示波形の時間幅を設定する入力フィールド56と,時間幅のオフセットを設定する入力フィールド57と,表示波形の振幅の幅を設定する入力フィールド58,振幅の幅のオフセットを設定する入力フィールド59と,入力フィールド56,57,58,59の設定を表示画面48に反映させる実行ボタン60を有している。
選択画面51は,3つの標準モデルの位置決め方法を選択するラジオボタン61,62,63と,ラジオボタン61,62,63で選択された何れかの位置決め方法を実行する実行ボタン64を有する。ラジオボタン61は,等積分図に基づく位置決め方法を選択し,ラジオボタン62は,等積分図及び洞結節に基づく位置決め方法を選択し,ラジオボタン63は,洞結節に基づく位置決め方法を選択する。
表示設定画面52は,心筋内電流分布の表示時刻を設定する入力フィールド65と,入力フィールド65に入力した時刻を表示画面48にバー54として表示するとともに,入力フィールド65の設定を表示画面49に反映させる実行ボタン67を有する。
実行画面53は,アニメーションを実行する実行ボタン68を有する。
表示画面49は,心筋内電流分布の表示画面49の視点方向の角度の調整を行なう入力フィールド69と,電流分布の大きさ31,32,33の表示範囲を選択する入力フィールド70を有する。
表示画面48には,心臓磁場波形の表示時間幅に対応するスクロールバー55,表示画面52のボタン66を押すことで表示されるバー54が配置されている。
表示画面49には,標準モデルの視点を容易に理解できるように,標準モデルの右心房,左心房,右心室,左心室部位に,RA,LA,RV,LVを表示するボックス71と,視点方向のガイドを表示する画面72が配置される。ボックス71,画面72のガイドは,標準モデルの表示角度が変わるとそれに従って自動的に変更される。また,表示画面49には,先に説明済みの図10に示されるようなx軸に対する正,負方向の心筋内電流分布画像(図10(C),図10(D))又はz軸に対する正,負方向の心筋内電流分布画像(図10(B),図10(A))が表示される画面73が配置される。次に,標準モデルを任意の視点方向から見たときの標準モデル上に投影された心筋内電流分布の表示について説明する。
図21は,本発明の実施例6において,任意の視点方向の角度θ及びφを示す図である。
座標系74は視点の座標系を示し,座標系75は標準モデル29の座標系を表している。ここで,標準モデル29の座標系74の原点O’を標準モデルの中心点76に配置する。また,視点の位置O(任意)と標準モデル29の中心点76を結ぶ直線に沿って視点の位置Oまでx’軸を平行移動したものをx''軸77とし,z’軸を平行移動したものをz''軸78とする。このとき,x軸とx''軸が成す角度をθとする。また,z軸とz''軸が成す角度をφとする。次に,標準モデル29の座標系75を標準モデル29の最上端に配置し,標準モデルを任意の視点方向から見たときの標準モデル上に投影された心筋内電流分布の表示について説明する。
図22は,本発明の実施例6において,任意の視点方向の角度θ’及びφ’を示す図である。
座標系79は視点の座標系を示し,座標系74は標準モデル29の座標系を表している。ここで,標準モデル29の座標系74の原点O’を標準モデルの最上端80に配置する。また,視点の位置O(任意)と標準モデル29の最上端80を結ぶ直線に沿って視点の位置Oまでx’軸を平行移動したものをx''軸76とし,z’軸を平行移動したものをz''軸77とする。このとき,x軸とx''軸が成す角度をθ’とする。また,z軸とz''軸が成す角度をφ’とする。
尚,実施例1の画像表示結果である図10の視点および実施例6の心筋内電流分布の表示画面49に表示される標準モデルの視点は,標準モデル29の座標系73の原点O’を標準モデルの中心点76に配置したときの表示である。ここで,図10(A),図10(B),図10(C),図10(D)の視点(θ,φ)は,(0°,0°),(―180°,0°),(0°,―90°),(0°,90°)である。また,実施例6の標準モデルの視点(θ,φ)は,(―100°,−160°)である。
以上のようにして,簡便な操作で,2方向から計測された心臓磁場データの解析を進めることができる。
実施例7では,X線CT装置及びX線透視撮像装置から得られる胸部画像データから標準モデルを作成する。標準モデルの位置合わせ方法は,実施例1,実施例2及び実施例3の何れかの方法を適用する。標準モデル上への,正面と背面のCAMの投影方法は,実施例1,実施例4及び実施例5の何れかの方法を使用する。3次元標準モデルと,正面,重み付けられた背面の電流分布及び電流分布の大きさの分布とを合成した,実施例7において得られる画像表示結果は,実施例1の画像表示結果(図10)と同じであった。実施例7においても,実施例1と同じ効果を得ることができる。
実施例8では,核磁気共鳴イメージング装置,X線CT装置及びX線透視撮像装置により撮影された各種世代の健常者の胸部画像データから,世代毎の平均的な心臓の大きさや形状を模擬した標準モデルを作成する。更に,標準モデル上へ電流分布を投影する際,解析の対象とする被験者の年齢に最も近い世代の標準モデルを使用する。標準モデルの位置合わせ方法は,実施例1,実施例2及び実施例3の何れかの方法を適用する。
標準モデル上への正面と背面のCAMの投影方法は,実施例1,実施例4及び実施例5の何れかの方法を使用する。3次元標準モデルと,正面,重み付けられた背面の電流分布及び電流分布の大きさの分布とを合成した,実施例8において得られる画像表示結果は,実施例1の画像表示結果(図10)と同じであった。実施例8においても,実施例1と同じ効果を得ることができる。
以下,正面と背面の電流分布及び電流分布の大きさの分布が被験者毎の3次元心臓モデル上に連続的に投影でき,心臓の形態に合わせて心筋内電流分布の視覚化を可能とする生体磁場計測装置の実施例について説明する。
実施例9では,解析対象とする被験者毎のMRI画像から心臓モデルを作成し,標準心臓モデルの代わりに使用する。このとき,作成される心臓モデルの各輪郭点はMRI画像の座標系に対応している。そこで,図4に示されるMRI座標系での剣状突起の座標11と,図2に示される心磁計の座標系での剣状突起の座標11を基準点として,各輪郭点の座標を心磁計の座標系への変換する。この結果,心磁計の座標位置に対応した心臓モデルの位置を決定できる。
被験者毎の心臓モデル上への正面と背面のCAMの投影方法は,実施例1,実施例4及び実施例5の何れかの方法を使用する。
図23は本発明の実施例9において,重み付けした電流分布の投影結果例であり,被験者毎の心臓モデル81上へ,P波後半での正面のCAM,係数Wで重み付けされた背面のCAMを投影した結果を示す図である。被験者は,実施例1の図10と同じである。図23(A)は被験者毎の心臓モデルの背面からみた投影図,図23(B)は正面からみた投影図,図23(C)は心臓に向かって右側面から見た投影図,図23(D)は心臓に向かって左側面から見た投影図である。図23(A)〜図23(D)に示す,方向と長さを持つ矢印は電流ベクトル82を,白の領域83は電流ベクトルの大きさが小である領域を,灰色の領域84は電流ベクトルの大きさが中程度である領域を,黒の領域85は電流ベクトルの大きさが大である領域を,それぞれ表している。
実施例1でも説明したように,P波後半での心筋興奮は心房興奮の時相であり,右心房に比べて左心房の興奮が比較的強くなる。図23(A),図23(B)から,電流強度の大きな領域が右心房と左心房領域にあり,特に左心房の興奮が右心房に比べて大きいことが分かる。また,図23(C),図23(D)から明らかなように,被験者毎の心臓モデルへ投影した,正面のCAM,係数Wで重み付けされたCAMは連続的な分布であることが分かる。以上の結果から,図23に示すように結果のように,電流値の基準レベルの調整を行なうことで,心臓の電気生理学的現象に一致した心筋内電流分布画像を得ることができた。
本発明の生体磁場計測装置では,正面と背面の電流分布及び電流分布の大きさの分布を3次元心臓標準モデル上に連続的に投影でき,心臓形態に合わせた心筋内電流分布の視覚化を可能とする。
本発明の実施例の生体磁場計測装置の構成例を示す図。 本発明の実施例の生体磁場計測装置において,胸面(正面)から心臓磁場を計測する場合の,SQUID磁束計の配列と被験者との位置関係を説明する図。 本発明の実施例の生体磁場計測装置において,背面(後面)から心臓磁場を計測する場合の,SQUID磁束計の配列と被験者との位置関係を説明する図。 本発明の実施例1において,核磁気共鳴イメージング装置による測定領域を説明する図。 本発明の実施例1において,3名の被験者の心臓の大きさを平均化して求めた3次元標準モデルの例を示す図。 本発明の実施例1において,正面及び背面での心臓磁場の計測面と,推定されたダイポール座標の位置関係を説明する図。 本発明の実施例1において,重み係数Wの計算方式を説明するための図。 本発明の実施例1において,ダイポール推定結果に基づく標準モデルの位置を示す図であり,健常者Aに対して標準モデルの位置合わせを行った結果例を示す図。 本発明の実施例1において,健常者Aの一心拍でのF(W)の例を示す図。 本発明の実施例1において,重み付けした電流分布図の投影結果例であり,位置合わせ後の標準モデル上へ,正面のCAM,重み付けされた背面のCAMを投影した結果例を示す図。 本発明の実施例1において,重み付けしない電流分布の投影結果例を示す図。 本発明の実施例1,実施例2,実施例3における処理の流れを示す図。 本発明の実施例1を要約して説明する図。 本発明の実施例2において,3次元標準モデルの左心室領域を抽出する方法を説明する図。 本発明の実施例2において,T波の等積分図を計算し,積分値がある閾値以上の領域を抽出する方法を説明する図。 本発明の実施例3において,3次元標準モデルの左心室領域の抽出と,標準モデル上への洞結節の座標設定を説明する図。 本発明の実施例3において,等積分図から抽出された領域,推定されたダイポール座標を示す図。 本発明の実施例4において,重み係数Wの計算方式を説明するための図。 本発明の実施例5において,心磁計測領域及び拡張される領域を示す図。 本発明の実施例6において,電流分布及び電流分布の大きさの標準モデル上への投影結果例を示す図であり,コンピューターに表示される表示画面例を表す図。 本発明の実施例6において,視点方向の角度θ及びφを示す図。 本発明の実施例6において,視点方向の角度θ’及びφ’を示す図。 本発明の実施例9において,重み付けした電流分布図の投影結果例であり,被験者毎の心臓モデル上へ,正面のCAM,重み付けされた背面のCAMを投影した結果例を示す図。
符号の説明
1…磁気シールドルーム,2…クライオスタット,3…ガントリー,4…ベッド,5…駆動回路,6…アンプフィルタユニット,7…コンピューター,8…胸壁,9…計測領域,10…7行3列目のSQUID磁束計,11…剣状突起,12…7行6列目のSQUID磁束計,13…剣状突起の真裏の点,14…MRI装置の計測領域,15…3次元標準モデル,16…3次元標準モデルの洞結節,17…正面での計測面,18…背面での計測面,19…ダイポール座標,20…前額面から見た標準モデルの最外郭座標,21…正面での電流分布の大きさ,22…背面での電流分布の大きさ,23…被験者Aの心臓の領域,24…位置合わせ後の標準モデル,25…一心拍でのF(W),26…QRS波前半の時相,27…QRS波後半の時相,28…T波前半の時相,29…位置合わせ後の標準モデル,30,34…電流ベクトル,31,35…電流ベクトルの大きさが小である領域,32,36…電流ベクトルの大きさが中程度である領域,33,37…電流ベクトルの大きさが大である領域,38…3次元標準モデルのz=z0の面,39…左心室領域の座標,40…T波の等積分図,41…閾値以上の積分値を持つ領域の座標,42…正面の計測点(境界),42’…背面の計測点(境界),43…心磁計測領域,44,45…拡張領域,46…拡張領域の最外郭,47…コンピューターに表示される表示画面例,48…心臓磁場波形の表示画面,49…心筋内電流分布の表示画面,50…心臓磁場波形の設定画面,51…位置決め方法の選択画面,52…心筋内電流分布の表示を実行する表示画面,53…アニメーションを実行する実行画面,54…バー,55…磁場波形の表示時間幅のスクロールバー,56…表示波形の時間幅を設定する入力フィールド,57…時間幅のオフセットを設定する入力フィールド,58…表示波形の振幅の幅を設定する入力フィールド,59…振幅のオフセットを設定する入力フィールド,60…波形表示の設定を実行するボタン,61…等積分図に基づく位置決め方法を選択するラジオボタン,62…等積分図と洞結節に基づく位置決め方法を選択するラジオボタン,63…洞結節に基づく位置決め方法を選択するラジオボタン,64…標準モデルの位置決めを実行するボタン,65…心筋内電流分布の表示時間を設定する入力フィールド,66…入力フィールドに入力した時刻を画面48にバーとして表示するボタン,67…心筋内電流分布の画像表示を実行するボタン,68…アニメーションを実行するボタン,69…標準モデルの視点角度を設定する入力フィールド,70…電流分布の大きさの表示範囲を設定する入力フィールド,71…ガイドを表示するボックス,72…ガイドを表示する画面,73…2方向からの心筋内電流分布の画像の表示画面,74…視点の座標系,75…標準モデルの座標系,76…標準モデルの中心点,77…x''軸,78…z''軸,79…視点の座標系,80…標準モデルの最上端,81…被験者毎の心臓モデル,82…電流ベクトル,83…電流ベクトルの大きさが小である領域,84…電流ベクトルの大きさが中程度である領域,85…電流ベクトルの大きさが大である領域,101…スタート,102…心臓磁場の計測(正面,背面),103…電流分布の導出(正面,背面),104−1…洞結節の座標の設定,104−2…左心室領域の抽出,105−1…ダイポール座標の推定,105−2…等積分図の導出,106…標準モデルの位置合わせ,107…電流値レベルの調整,108…標準モデルへの電流分布の投影及び表示,109…エンド。

Claims (17)

  1. 生体から発生する生体磁場のxy面に垂直なz方向の磁場成分の時間変化,又は,前記生体磁場のxy面に平行なx方向の磁場成分及びy方向の磁場成分の時間変化を対向する2方向から計測し,前記生体の胸面に平行な(x,y)座標の座標位置に2次元に配置される複数の磁束計と,前記2方向の複数の磁束計の出力信号の演算を行なう演算装置と,前記演算の結果を表示する表示装置とを有し,前記演算装置は,
    (1)前記出力信号から前記2方向の電流分布及び/又は前記2方向の電流分布の大きさの分布を求める演算,
    (2)所定の期間に於ける前記出力信号に基づいて等積分図を求め,該等積分図が所定の閾値を越える領域を求める演算,
    (3)所定の時点での前記出力信号から1つの電流源の大きさ方向及び位置を推定する演算,
    (4)前記1つの電流源の大きさ,方向及び位置を仮定して,前記所定の時点での前記2方向の電流分布及び/又は前記2方向の電流分布の大きさの分布を求める演算,
    のうちの少なくとも1つの演算と,
    (5)前記少なくとも1つの演算により得られた結果を用いて,心臓の形状を模擬する3次元の心臓モデルを表わすデータと,前記(1)で得られる前記2方向の電流分布及び/又は前記2方向の電流分布の大きさの分布との位置合わせを行なうための変換演算と,
    (6)位置合わせされた前記2方向の電流分布及び/又は前記2方向の電流分布の大きさの分布間での電流値の基準レベルを合わせるための演算と,
    (7)前記基準レベルを合わせた前記2方向の電流分布及び/又は前記2方向の電流分布の大きさの分布を,前記z方向から前記3次元の心臓モデルを表わすデータの(x,y)座標にそれぞれ投影した合成画像データを求める演算と,を行ない,
    前記表示装置に前記合成画像データが2次元又は3次元表示されることを特徴とする生体磁場計測装置。
  2. 請求項1に記載の生体磁場計測装置に於いて,前記演算装置は,前記z方向から見た前記3次元の心臓モデルを表わすデータの最外郭の境界データの(x,y)座標の座標位置で,前記(1)で求められる前記2方向の電流分布及び/又は前記2方向の電流分布の大きさの分布が最も一致するような重み係数を計算し,前記(6)の演算を行なうことを特徴とする生体磁場計測装置。
  3. 請求項1に記載の生体磁場計測装置に於いて,前記演算装置は,前記(1)で求められる前記2方向の電流分布及び/又は前記2方向の電流分布の大きさの分布の境界上の分布が最も一致するような重み係数を計算し,前記(6)の演算を行なうことを特徴とする生体磁場計測装置。
  4. 請求項1に記載の生体磁場計測装置に於いて,前記所定の期間がT波の出現する期間であることを特徴とする生体磁場計測装置。
  5. 請求項1に記載の生体磁場計測装置に於いて,前記所定の時点がP波の開始時点であることを特徴とする生体磁場計測装置。
  6. 請求項1に記載の生体磁場計測装置に於いて,前記演算装置は,前記生体磁場の計測領域の外部に,前記計測領域での前記複数の磁束計の配列と同じ配列条件で複数の磁束計が存在すると仮定した仮想的な拡張領域を設定して,前記拡張領域での前記複数の磁束計の出力信号を前記計測領域での複数の磁束計の出力信号の補間により求める処理を行ない,前記(1),(2),(3),(4)のうちの少なくとも1つの演算を行なうことを特徴とする生体磁場計測装置。
  7. 請求項1に記載の生体磁場計測装置に於いて,前記演算装置は,前記(5)の演算で,前記3次元の心臓モデルを表わすデータに於ける洞結節の位置と前記電流源の推定位置とのずれが最小となるように,前記洞結節の位置と前記電流源の推定位置との位置合わせを行なうことを特徴とする生体磁場計測装置。
  8. 請求項1に記載の生体磁場計測装置に於いて,前記演算装置は,前記(5)の演算で,前記3次元の心臓モデルを表わすデータに於ける左心室の領域と前記等積分図の前記所定の閾値を越える領域とのずれが最小となるように,前記左心室の領域と前記所定の閾値を越える領域との位置合わせを行なうことを特徴とする生体磁場計測装置。
  9. 請求項1に記載の生体磁場計測装置に於いて,前記演算装置は,前記(5)の演算で,前記3次元の心臓モデルを表わすデータに於ける洞結節の位置と前記電流源の推定位置とのずれ,及び,前記3次元の心臓モデルを表わすデータに於ける左心室の領域と前記等積分図の前記所定の閾値を越える領域とのずれが最小となるように,前記洞結節の位置と前記電流源の推定位置との位置合わせ,及び,前記左心室の領域と前記所定の閾値を越える領域との位置合わせを行なうことを特徴とする生体磁場計測装置。
  10. 請求項1に記載の生体磁場計測装置に於いて,前記演算装置は,前記(5)の演算で,前記(1)で求められる前記2方向の電流分布及び/又は前記2方向の電流分布の絶対値の分布とのずれが最小となるように,前記(4)に於ける前記1つの電流源の大きさ,方向及び位置の前記仮定を変更して,位置合わせを行なうことを特徴とする生体磁場計測装置。
  11. 請求項1に記載の生体磁場計測装置に於いて,前記表示装置に,前記(1),(2),(3),(4)の演算の実行を選択する演算選択ボタンが表示され,選択された前記演算選択ボタンに対応する演算が実行されることを特徴とする生体磁場計測装置。
  12. 請求項1に記載の生体磁場計測装置に於いて,前記表示装置に,前記合成画像データと前記複数の磁束計の出力信号とが同時に表示されることを特徴とする生体磁場計測装置。
  13. 請求項1に記載の生体磁場計測装置に於いて,前記表示装置に,前記合成画像データが3次元表示され,前記合成画像データの3次元表示の画像上に心臓の各組織に対応する名称が表示されることを特徴とする生体磁場計測装置。
  14. 請求項1に記載の生体磁場計測装置に於いて,前記3次元心臓モデルを表すデータに,核磁気共鳴イメージング装置又はX線CT装置により撮影される心臓の3次元画像データを用いることを特徴とする生体磁場計測装置。
  15. 生体から発生する生体磁場のxy面に垂直なz方向の磁場成分の時間変化,又は,前記生体磁場のxy面に平行なx方向の磁場成分及びy方向の磁場成分の時間変化を対向する2方向から計測し,前記生体の胸面に平行な(x,y)座標の座標位置に2次元に配置される複数の磁束計と,前記2方向の複数の磁束計の出力信号の演算を行なう演算装置と,前記演算の結果を表示する表示装置とを有し,前記演算装置は,
    前記出力信号から前記2方向の電流分布及び/又は前記2方向の電流分布の大きさの分布を求める演算と,
    心臓の形状を模擬する3次元の心臓モデルを表わすデータの(x,y)座標に,前記2方向の電流分布及び/又は前記2方向の電流分布の大きさの分布が連続になるように前記z方向から投影した合成画像データを求める演算と,を行ない,
    前記表示装置に,任意の視点方向から見た前記合成画像データが2次元又は3次元表示されることを特徴とする生体磁場計測装置。
  16. 請求項15に記載の生体磁場計測装置に於いて,前記表示装置に前記z方向の正および負方向から見た前記合成画像データが個別に2次元又は3次元表示されることを特徴とする生体磁場計測装置。
  17. 請求項15に記載の生体磁場計測装置に於いて,前記表示装置に前記x方向の正および負方向から見た前記合成画像データが個別に2次元又は3次元表示されることを特徴とする生体磁場計測装置。
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