JP5558902B2 - 運動機能解析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気センサを用いて生体の運動機能を評価する運動機能解析装置に関する。
近年、高齢化社会の進行に伴い、運動障害を有する患者数が増大している。運動障害とは、パーキンソン病、脳卒中、頚髄症、認知症、精神疾患など、運動機能に障害が発生する疾患を指す。例えば、運動障害を伴う代表的な疾患であるパーキンソン病は、手の震えや筋肉のこわばり等によって日常生活に大きな障害をもたらす難病である。そして、日本国内のパーキンソン病患者の数は、厚生労働省の調査によれば平成17年度で約14万5千人にのぼり、その後、さらに増加していると考えられる。
従来から、運動障害の診断は、医師が患者の動作を見て診察を行い、重症度を表すスコアに基づいて評価する方法が一般的である。例えば、パーキンソン病の診断では、UPDRS(Unified Parkinson’s Disease Rating Scale)が、パーキンソン病の重症度の評価指標として広く用いられている。UPDRSでは、歩行や指タッピング運動(手の親指と人差し指を繰り返し開閉させる動作)など複数の動作から運動機能を評価する。
しかし、UPDRSでは、医師の主観的な診断によって評価が行われ、医師間で個人差が生じるため、客観性に欠ける問題がある。この問題を解決するため、磁気センサを用いて患者の指タッピング運動を測定し、運動機能の定量的な評価を行う装置が開発されてきた(特許文献1、特許文献2、非特許文献1参照)。
このような装置では、親指と人差し指(以下、「2指」とも称する。)の爪部にそれぞれ磁気センサを装着し、磁気センサから得られる電圧値を2指間の距離値(親指の腹と人差し指の腹の間の距離)に変換する。例えば、非特許文献2の技術では、電圧値と距離値の対応を取るために、指タッピング運動の測定前に、磁気センサを装着した2指について3つのキャリブレーション点(例えば、2cm、3cm、6cmの3つの距離に関するデータ)を計測し、それらのキャリブレーション点を予め与えられた数式に代入して、電圧値から距離値を算出する変換式を導出する。
特開2005−152053号公報 特開2008−246126号公報
Kandori et al., "Quantitative magnetic detection of finger movements in patients with Parkinson’s disease.", Neuroscience Research. Vol. 49, No. 2, 2004, pp 253-260 島圭介, 閑絵里子, 辻敏夫, 辻徳生, 神鳥明彦, 宮下豪, 横江勝, 佐古田三郎, 「人間の指タップ計測を目的とした磁気センサの較正法」, 計測自動制御学会, Vol.43, No.9, 2007, pp 821-828.
しかし、前記のような従来法では、キャリブレーション計測に誤差があると、算出された距離値に大きな誤差が生じる場合があった。例えば、2指を大きく開いたときに、実際の2指間の距離値は15cmであるのに、30cmを超えた値を出力することもあった。さらに、従来法では、毎回の指タッピング運動の測定前にキャリブレーション計測を3種類も行う必要があったため、道具の管理やキャリブレーション計測の負担が大きいという問題もあった。
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、指タッピング運動の測定前に必要なキャリブレーション計測を簡便にし、かつ、高精度で運動機能を評価する運動機能解析装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、生体の運動により相互間の距離が変化する生体の2箇所の所定部位に装着された、磁場を発生させる磁場発生手段と、磁場を検知する磁場検知手段と、のうち、磁場検知手段が検知した磁場データに基づいて運動波形を生成する運動波形生成手段を有する運動機能解析装置である。
運動波形生成手段は、生体の2箇所の所定部位間の距離データ、及び、磁場検知手段が検知した磁場データ、から構成されるキャリブレーション点を計測するキャリブレーション点計測手段と、キャリブレーション点計測手段によって計測されたキャリブレーション点を用いて、磁場検知手段が検知した磁場データを運動波形に変換するための変換式を生成する変換式生成手段と、変換式生成手段が生成した変換式を用いて、磁場検知手段が検知した磁場データを変換して運動波形を生成する運動波形生成手段と、を有する。
キャリブレーション点計測手段は、磁場発生手段と磁場検知手段とが、前記生体の2箇所の所定部位が互いに最大に離れる距離よりも大きな距離に保たれた状態で、装置に固有の電圧を計測する装置固有電圧計測手段と、磁場発生手段と磁場検知手段とが装着された生体の2箇所の所定部位間が所定の距離に保たれた状態で被験者に固有の電圧を計測する被験者固有電圧計測手段と、を有する。
なお、他の発明については、本明細書中で明らかにする。
本発明によれば、指タッピング運動の測定前に必要なキャリブレーション計測を簡便にし、かつ、高精度で運動機能を評価する運動機能解析装置を提供することができる。
第1実施形態に係る運動機能測定システムの概略斜視図である。 第1実施形態に係る運動機能測定システムの全体構成を示すブロック図である。 右手用及び左手用の運動センサの斜視図である。 粘着シートを介して被験者の爪部にホルダを装着した状態の斜視図である。 ケーシング内に各種測定器具が収容された状態の斜視図である。 キャリブレーションブロックの一構成例を示す斜視図である。 キャリブレーションブロックの他の構成例を示す斜視図である。 親指と人差し指とによってキャリブレーションブロックを把持した状態の斜視図である。 運動センサ制御部の構成を示すブロック図である。 被験者固有のキャリブレーション点計測の様子を示す図である。 被験者固有のキャリブレーション点計測の様子を示す図である。 装置固有のキャリブレーション点計測の様子を示す図である。 電圧と距離の関係を示すグラフである。 従来法の説明図であり、電圧と距離の関係を示すグラフである。 2指間距離の時間的変化の様子を示す模式図である。 測定データ一覧画面の一例を示す図である。 被験者データ一覧画面の一例を示す図である。 被験者情報設定画面の一例を示す図である。 測定の設定の画面の一例を示す図である。 キャリブレーションの設定のボタンが操作されたときに起動する画面の一例を示す図である。 キャリブレーションの設定のボタンが操作されたときに起動する画面の一例を示す図である。 測定の実施の画面の一例を示す図である。 オプション設定の画面の一例を示す図である。 オプション設定の画面の他の例を示す図である。 個別変換式を作成するための計測方法を示す図である。 個別変換式の算出に用いる電圧と距離の関係を示すグラフである。 マスター曲線を説明するための図である。 図27のマスター曲線を補正する方法を説明するための図である。 図27のマスター曲線を補間する方法を説明するための図である。 個別変換式を算出するために、3次元骨格モデルを用いて指タッピング運動をシミュレーションする様子を示す図である。 指タッピング運動中の2指の状態の変化を示す図である。 磁場の発信や検知に関する説明のための図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」と称する。)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る運動機能解析装置を含む運動機能測定システムの概略斜視図であり、図2は、その運動機能測定システムの全体構成を示すブロック図である。以下、それらの図を参照して説明する。
図1に示すように、運動機能測定システム10は、被験者(被検者)の指の運動を測定する運動機能測定装置12と、その運動機能測定装置12によって測定されたデータの記録及び解析を行う運動機能解析装置14と、被験者の情報等を入力する操作入力部16と、運動機能解析装置14から受信した測定結果や解析結果を表示する表示部18と、後記する各種測定機器を収容する収容部20とを含んで構成される。なお、図1では運動機能解析装置14と比較して運動機能測定装置12を大きく表しており、それらの実際の大きさの比は図1とは異なる。
ここで、被験者は、運動機能測定装置12による測定対象である。本実施形態において、被験者は、例えば、動物、人間等の生体である。また、運動機能測定システム10は、被験者に迅速なタッピングを行なわせたときに、運動機能を測定するものであり、具体的には、被験者に対して、手の親指と人差し指を繰り返し開閉させる動作である指タッピング運動を行なうように指令し、このときの指の運動を測定するものである。
[運動機能測定装置]
運動機能測定装置12は、被験者の運動情報を時系列に検出するものであって、少なくとも、距離、速度、加速度、躍度のいずれか1つに関する被験者の運動情報を、波形データとして取得するものである。
運動機能測定装置12は、磁場を発信する発信コイル(磁場発生手段)と、この磁場を検知する検知コイル(磁場検知手段)とを含む運動センサ22と、運動センサインタフェース24と、運動センサ制御部26とを備えて構成される。なお、運動センサ22は、運動機能測定用のセンサとして機能するものである。
この場合、運動センサ制御部26は、ボックス状に形成され本体部として機能するハウジング28内の図示しない基板に配設される。運動センサ22は、ハウジング28の前面に配置された第1コネクタ30a及び第2コネクタ30bを介して、ハウジング28に対して着脱自在に設けられる。また、後記するように、発信コイルは被験者の親指の爪部の下部側に装着され、検知コイルは被験者の人差し指の爪部の上部側に装着される。
図1に示すように、ハウジング28の前面のパネル部には、右手用及び左手用の各運動センサ22が装着される接続部として機能する第1コネクタ30a及び第2コネクタ30bと、運動センサ制御部26からの出力信号を運動機能解析装置14に対して送給するためのリード線が接続される第3コネクタ30cと、運動センサ制御部26を付勢・滅勢する電源32が接続される第4コネクタ30dと、運動センサ制御部26をオン・オフ制御するスイッチ手段34とが、それぞれ水平方向に沿って並設される。なお、第1〜第4コネクタ30a〜30dを、ハウジング28の前面ではなく、該ハウジング28の背面又は側面等に設けるようにしてもよい。
この場合、第1〜第4コネクタ30a〜30dは、それぞれ、雌コネクタによって構成されるとよい。また、ハウジング28の上面には、収容部20を構成するケーシング36が載置される。なお、図1においては、運動センサ制御部26が配設されたハウジング28と収容部20のケーシング36とがそれぞれ別体で構成されている。
図3は、右手用及び左手用の各運動センサ22の斜視図である。図3に示すように、この運動センサ22は、同一構成からなる右手用及び左手用の一対の運動センサ22からなる。以下、一方の左手用の運動センサ22に基づいて説明し、他方の右手用の運動センサ22の説明を省略する。
なお、本実施形態では、一対のホルダ40が装着される部位を、親指と人差し指の爪部として説明しているが、これに限定されるものではなく、例えば、爪部以外の指部分であってもよい。また、親指と人差し指に限定されることなく、小指等のどの指に装着してもよい。さらに、被装着部位は、被験者の爪部又は指に限定されることなく、例えば、指に近接する手のひら等の周辺部位であってもよい。従って、ホルダ40の被装着部位としては、被験者の爪部、指、及び指の周辺部位に設定される。
図4は、粘着シート38を介して被験者の爪部にホルダ40を装着した状態の斜視図である。図5は、ケーシング36内に運動センサ22等を含む各種測定器具が収容された状態の斜視図である。ケーシング36内の内壁100の内側には、収容空間部104が設けられ、収容空間部104内には、積層された複数の粘着部材78と、一対のキャリブレーションブロック106とがそれぞれ収容される。
図6は、分離構成された一対のキャリブレーションブロック106の一構成例を示す斜視図であり、図7は、一体的に構成された単一のキャリブレーションブロック106aの他の構成例を示す斜視図であり、図8は、被験者が親指と人差し指とによってキャリブレーションブロック106を把持した状態の斜視図である。
図8に示すように、このキャリブレーションブロック106(106a)は、被験者毎に指の大きさ等に個人差があるため、被験者が親指と人差し指とによってキャリブレーションブロック106(106a)を把持したときの所定距離における電圧値を求め、電圧値に基づいて被験者毎に校正する(電圧値と2指間の距離の関係を正確に把握する)ために使用される器具である。
図6に示すように、キャリブレーションブロック106は、右手用及び左手用の2つのタイプからなり、幅及び厚さが同一で軸線方向に沿った全長がそれぞれ異なる略直方体状の3種類のブロック(第1〜第3ブロック108)が軸線と直交する方向に並設固定して構成される。例えば、軸線方向に沿った全長が、第1ブロック108aは約60mm、第2ブロック108bは約30mm、第3ブロック108cは約20mmに、それぞれ設定される。
なお、図6では、それぞれ線対称の形状からなり、分離して構成された右手用のキャリブレーションブロック106と左手用のキャリブレーションブロック106との2つのキャリブレーションブロックを示しているが、それ以外に、単一のキャリブレーションブロック106を準備し、その表裏両面をそれぞれ逆転させて(裏返して)右手用と左手用に併用してもよい。
また、図7に示すように、一側面に複数段(ここでは3段)の階段形状部110が形成され、反対側の他側面が平面112に形成された単一のキャリブレーションブロック106aを用いて校正データを得るようにしてもよい。その際、右手及び左手の親指が階段形状部110側に位置し、右手及び左手の人差し指が平面112側に位置するようにして、階段形状部110の各段についてキャリブレーションブロック106aを両手の親指と人差し指で把持すればよい。なお、キャリブレーションブロック106、106aは複数段の構造となっているが、キャリブレーションのためにすべての段を使用なくてもよい。
分離構成された一対のキャリブレーションブロック106を設けた場合、及び、階段形状部110を有する単一のキャリブレーションブロック106aを設けた場合には、被験者の右手及び左手の校正データを同時に得ることができる利点がある。なお、被験者の両手の校正データを同時に得る場合、右手及び左手の各指同士を所定距離だけ離間させることにより、右手側の運動センサ22と左手側の運動センサ22との混信を防止することができる。
なお、キャリブレーションブロック106(106a)を用いるほかに、例えば、可変抵抗素子を用いた校正データ検出装置等の他の装置によって被験者の校正データを得ることも可能である。
図9は、運動センサ制御部26(図2参照)の構成を示すブロック図である。ここで、運動センサ制御部26が波形データを取得する手順について説明する。
図9に示すように、交流発生回路(交流電流供給部)200によって特定の周波数(例えば、20kHz等)を持つ交流電圧が生成される。交流発生回路200によって作成された特定の周波数を持つ交流電圧は、電流発生用アンプ回路202によって増幅され、電流発生用アンプ回路202によって増幅された交流電流をコイル基板42(I)内の発信コイルに流す。一方のコイル基板42(I)の発信コイルによって発生した磁場は、他方のコイル基板42(II)内の検知コイルに誘起起電力を発生させる。
発生した誘起起電力(交流発生回路200によって作成された特定の周波数を持つ交流電圧と同じ周波数を有している。)は、プリアンプ回路204によって増幅され、増幅後の信号は検波回路206に入力される。検波回路206では、交流発生回路200によって作成された特定の周波数又は2倍周波数によって検波を行なう。そのために、交流発生回路200の出力が位相調整回路208によって位相を調整され、その参照信号210が検波回路206の参照信号入力端子に入力される。
また、特定周波数の2倍周波数で検波する場合は、位相調整回路208は必ずしも必要ではない。2倍周波数で検波する簡単な回路構成としては、交流発生回路200の特定周波数を2倍の周波数としておき、分周期によって半分の周波数に変換した後に、電流発生用アンプ回路202に入力する構成とし、参照信号210としては交流発生回路200の特定周波数の2倍の周波数の信号を検波回路206の参照信号入力端子に入力するとよい。
検波回路206の出力信号は、LPF(Low-Pass Filter)回路212を通過した後、所望の電圧を得るためにアンプ回路214によって増幅されて運動機能解析装置14に導入される。アンプ回路214の出力信号216は、親指と人差し指にそれぞれ装着された発信コイルと検知コイルとの相対距離Dに対応する電圧である。なお、検波回路206、LPF回路212及びアンプ回路214は、それぞれ、検知信号処理部として機能するものである。
以上、運動センサ22として磁気センサタイプを用いた場合について説明したが、磁場の発生を利用して運動を測定するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、従来から公知のストレインゲージや加速度計を用いてもよい。
[運動機能解析装置]
図2に示すように、運動機能解析装置14は、運動機能測定装置12によって測定されたデータの記録や解析を行なうものである。ここで、運動機能解析装置14は、運動センサ制御部26から出力信号が送給されるデータ入力部320と、制御部330と、運動波形生成手段302と、信号制御手段303と、被験者情報処理手段304と、出力処理手段306と、記憶部310とを含んで構成される。
なお、本実施形態において、運動波形とは、2指間の距離値の時系列データのことを指し、特に限定しない限り、距離波形、速度波形、加速度波形及び躍度波形のうち、少なくとも1つを含むものとする。
制御部330は、データ入力部320から送給された出力信号を運動波形生成手段302に出力し、運動波形生成手段302から得られた運動波形や被験者情報処理手段304で得られた被験者情報等を表示部18に出力する等、各手段のデータの入力及び出力を実行する部位である。なお、運動機能解析装置14は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)やハードディスク等によって構成される。そして、CPUが記憶部310からプログラムを読み出して演算処理を実行することにより、制御部330などの処理が実現される。
[運動波形生成手段]
図2に示すように、運動機能測定装置12から送給された電圧データは、制御部330を経て、運動波形生成手段302に送られる。運動波形生成手段302は、キャリブレーション点計測手段3021、変換式生成手段3022、運動波形変換手段3023、運動波形微分手段3024から構成される。以下、上記の4つの手段について説明する。
キャリブレーション点計測手段3021では、3つのキャリブレーション点を計測する。ここで、キャリブレーション点とは、親指の腹と人差し指の腹の間の距離値Dと、2指間の距離をDに保ったときに運動機能測定装置12から出力される電圧値Vとの組み合わせ(D,V)を示す。キャリブレーション点計測手段3021で得られた3つのキャリブレーション点は、変換式生成手段3022において、電圧値を距離値に変換する変換式を生成するために用いられる。以下、3つのキャリブレーション点(図13のキャリブレーション点(0)(D0,V0)、キャリブレーション点(1)(D1,V1)、キャリブレーション点(2)(D2,V2)参照)の計測方法を説明する。
キャリブレーション点(0)(D0,V0)の電圧値V0は、図10に示すように、被験者が親指と人差し指を軽く付けたときに得られる電圧値である。このとき2指の腹は接触しているので、距離値D0=0mmである。このようにD0=0mmとすると、後述する運動波形変換手段3023で算出される変換式において、2指が接触したときの距離値の精度が高くなる。このように、2指の接触時の距離値の精度が高いと接触判定が行いやすくなり、指タッピング運動中の2指の接触時間等を容易に算出できる。なお、本実施形態ではD0=0mmとしたが、D0=0mmの近傍であれば他の値でもよい。
次に、キャリブレーション点(1)(D1,V1)の電圧値V1は、図11に示すように、被験者が親指と人差し指でキャリブレーションブロック106の第1ブロック108a(60mm)を持ったときに計測される。2指の腹の間の距離はブロック長と等しいため、距離値D1=60mmとなる。なお、D1(ブロック長)の値は、D0よりも大きく、かつ、被験者が2指を最大に開いたときの2指腹間距離よりも小さければ、60mmでなくてもよい。つまり、第2ブロック108bや第3ブロック108cを用いてもよいし、他の適当な長さのブロックを用いてもよい。また、キャリブレーションブロック106を使用せずに、定規や所定の長さの棒を用いてキャリブレーションを行ってもよい。
さらに、以下のように、D1の値に制限を付けて、精度を向上させることもできる。図31(a1)に示したように、指タッピング運動中で2指の先端側部分同士が最も平行に近いときの2指腹間距離を計測し(このときの距離値をD1aとする)、D1にその距離値を設定するのが望ましい。このようにD1を設定すると精度が向上する理由として、以下の二つが挙げられる。
一つ目の理由は、発信コイルと検知コイルが平行な位置関係にあるときに、検知コイルから得られる電圧がコイルの角度方向の変動に対して最も頑健となるためである。図32を用いて、詳細を説明する。図32(a)のように、発信コイル3202を固定して、その中心から中心軸方向にD1離れたところに検知コイル3201を置く。そして、発信コイル3202の中心軸と検知コイル3201の中心軸との傾きをθとして、θを0〜360°の範囲で変動させる。このときに、検知コイル3201が検知した磁場強度とθの関係をプロットしたグラフが、図32(b)上段のグラフである。
このグラフに示したように、θ=0°のときに磁場強度が最大になり、θ=60°では磁場強度がθ=0°のときの6割程度まで減少し、θ=90°で磁場強度が0になる。それぞれの場合の2コイル(2つのコイル)の配置は、図32(c)(d)(e)に示した。また、このとき、図32(b)上段のグラフを微分して、磁場強度の変化率のグラフを算出し、図32(b)下段のグラフに示した。このグラフから分かるように、コイルの角度変化に対して磁場強度の変化量が0となるのは、θ=0°のときである。なお、θ=180°でも磁場強度の変化量が0となるが、指タッピング運動中で検知コイルが裏返しになることは起こりにくいので、ここでは考えない。このことから分かるように、2コイルを平行な関係(θ=0°)におくと、キャリブレーション計測で2指の角度に変化があっても、磁場強度に誤差が生じにくいことが分かる。
次に、D1=D1aにする二つ目の理由を述べる。D1=D1aにすると、キャリブレーションブロック106を把持したときの2指の姿勢が、指タッピング運動時と同様の自然な姿勢になることから、キャリブレーション計測の誤差が生じにくくなる。以下、詳細を説明する。
図31(a1)のように、指タッピング運動中に2指が最も平行に近い姿勢になったときに2指腹間距離を計測して、D1aを得る。そして、キャリブレーションブロックのD1aの長さの部分を用いてキャリブレーション計測を行うと、図31(a2)のように指タッピング運動中と同様の自然な姿勢でキャリブレーションブロックを把持できる。このように、指タッピング運動中と同様の姿勢でキャリブレーションブロックを把持すると、指タップ運動中の電圧値とキャリブレーション計測中の電圧値とが乖離しにくく、運動波形変換手段3023で算出される変換式の精度が高くなる。
しかし、図31(b)のようにD1<D1aとなる場合や、図31(c)のようにD1>D1aとなる場合は、指タッピング中の2指は平行ではない。そのため、キャリブレーション計測でキャリブレーションブロックの平行面を把持すると、親指と人差し指の指先がキャリブレーションブロックの平行面に沿うように曲がってしまい、指タッピング運動中の自然な指の姿勢とは異なる姿勢となってしまっている。それに伴って、2コイルの位置関係や角度関係も指タッピング運動中とは異なるため、指タッピング運動中の電圧値とキャリブレーション計測での電圧値とが乖離する。その結果、運動波形変換手段3023で算出される変換式の精度が低下する。この問題点を回避するためには、指タッピング運動中で2指が最も平行に近いときの距離値D1aを計測し、ブロック長D1をD1aに設定するのがよい。なお、本実施形態では、D1aを指タッピング運動中で2指が最も平行に近いときの距離値と定義しているが、D1にD1a近傍の値を設定してもよい。
なお、キャリブレーション点(0)の電圧値V0、及び、キャリブレーション点(1)の電圧値V1は、被験者の指の形状や運動センサ22の装着方法等に依存するため、被験者に固有の電圧値と考えられる。そのため、被験者が変わった場合や運動センサ22を装着し直した場合には、電圧値V0及び電圧値V1を毎回計測し直すことが望ましい。電圧値V0及び電圧値V1を毎回計測し直すと、変換式生成手段3022で得られる変換式の精度が向上する。
最後に、キャリブレーション点(2)(D2,V2)の電圧値V2は、次の式(1)に示すように、運動センサ22の検知コイルと発信コイルを、リード線46(図12参照)の制約上、最大限に離したときに得られる電圧である。式(1)の詳細な説明は後記する。
D’=α(V−γ)-1/3+β ・・・式(1)
このように検知コイルと発信コイルを最大限に離すことで、検知コイルによって全く磁場が検知されていない状態を近似的に作り、各装置に固有のオフセット電圧値を得ることができる。
このように、V2は装置固有の電圧値であるため、装置を使用する前に1回計測しておけば、その後に計測する必要はない。このキャリブレーション点(2)の情報は、予め制御部330内の記憶部310もしくは外部メモリ等に記憶される。
なお、V2の計測方法は、全く磁場が検知されていない状態を近似的に作成可能な方法であれば、上記の計測方法でなくてもよい。例えば、図32(e)のように発信コイルの中心軸と検知コイルの中心軸が垂直になるように2コイルを配置する等、磁力線が検知コイルに入らないように2コイルの角度関係を調整して電圧値を計測する方法が考えられる。また、回路のオフセット電圧値を直接計測する方法も考えられる。
また、V2は、後述するように図23に示すオプション画面で予め計測しておくとよい。距離値D2の値には、運動センサ22の2コイルを最大限に離したときの2コイル間距離の実測値Dm(図12参照)を設定する。もしくは、D2に予め適当な値を設定しておいてもよい(本実施形態では300mm)。ここで、D2の値は、被験者が2指を最大限に広げたときの指腹間距離と比較して十分に大きければ,300mmでなくてもよい。また、D2の値は、上記のV2の計測方法とは無関係でもよい。
次に、変換式生成手段3022(図2参照)では、キャリブレーション点計測手段3021で得られた3つのキャリブレーション点(図13のキャリブレーション点(0)(D0,V0)、キャリブレーション点(1)(D1,V1)、キャリブレーション点(2)(D2,V2))を用いて、運動機能測定装置12から送給された電圧値を距離値に変換する変換式を算出する。
ここで得られた変換式は、図13では変換曲線131として図示している。変換曲線131を得るには、前記した式(1)に3つのキャリブレーション点を代入して3つの方程式からなる連立方程式を解くことで、定数α・β・γを算出する。ここで、式(1)中のDは2指間の距離を示し、Vは装置から出力される電圧値を示す。得られたα・β・γの値を式(1)に代入すると、電圧値を距離値に変換する変換式が得られる。前記したように、図13では、算出された変換式の曲線(変換曲線131)と、キャリブレーション点(0)(1)(2)を図示している。この変換式を用いることで、キャリブレーション点のあるD0、D1、D2以外でも高精度で電圧値から距離値を算出できる。
以上、3つのキャリブレーション点を用いて変換式を算出する方法を説明した。つまり、キャリブレーション点計測手段3021は、磁場発生手段と磁場検知手段とが所定の距離に保たれた状態で、装置に固有の電圧を計測する装置固有電圧計測手段と、磁場発生手段と磁場検知手段とが装着された生体の2箇所の所定部位間が所定の距離に保たれた状態で被験者に固有の電圧を計測する被験者固有電圧計測手段と、を有する。
なお、本実施形態では、キャリブレーション点計測手段3021において、被験者固有のキャリブレーション点2つ(キャリブレーション点(0)(1))と装置固有のキャリブレーション点1つ(キャリブレーション点(2))を計測しているが、装置固有のキャリブレーション点と被験者固有のキャリブレーション点を併用するのであれば、キャリブレーション点の個数は3つ以外であってもよい。
次に、運動波形変換手段3023(図2参照)では、運動機能測定装置12から送給される電圧値の時系列データを、変換式生成手段3022で得られた変換式に代入して、運動波形に変換する。
このように変換式生成手段3022において、上記の3つのキャリブレーション点を用いて変換式を算出する方法を適用すると、二つの効果がある。一つ目の効果は、キャリブレーションの回数が少なく簡便に計測を行うことができるという点である。以下、図14を参照しながら、理由を説明する。
従来法では、電圧値Vと2指間距離Dの関係を表す近似的な曲線として前記した式(1)を用い、被験者毎にキャリブレーション点を計測することでパラメタを調整していた。この式のパラメタα・β・γを求めるためには少なくとも3つのキャリブレーション点が必要であるため、毎回の計測前に図14(a)の3つのキャリブレーション点(キャリブレーション点(3)1402(D3,V5)、キャリブレーション点(4)1403(D4,V4)、キャリブレーション点(5)1404(D5,V3))を計測していた。従来法では、それぞれD3=20mm、D4=30mm、D5=60mmと設定している。
上記のように、従来法では毎回の計測前に3種類のキャリブレーション計測を行わなければならないため、計測に入るまでの準備に時間がかかっていた。また、ブロックも3つ必要とするため、キャリブレーションブロックの作製や管理や収納に手間がかかっていた。本実施形態では、毎回の計測前に計測しなければならないキャリブレーション点は2点(図13のキャリブレーション点(0)132及びキャリブレーション点(1)133)であるため、キャリブレーション計測にかかる時間を軽減できる。
このように、装置の使用前にキャリブレーション点(2)134を予め計測しておくことで、計測前のキャリブレーション点の数を減らすことが可能となった。さらに、キャリブレーションブロックが必要となるキャリブレーション点は1つのみ(キャリブレーション点(1)133)なので、キャリブレーションブロックは1種類用意すれば足りる。そのため、キャリブレーションブロックの作製や管理や収納も簡便になる。このように、本実施形態によって、従来法に見られた問題点を改善できることが分かる。
次に、本実施形態の二つ目の効果は、従来法よりも、高精度で電圧値を距離値に変換できるという点である。従来法では、電圧値から算出される距離値の精度は、キャリブレーション点の精度に大きく依存していた。図14(b)を参照しながら、この従来法の問題点を説明し、その後に本実施形態においてその問題点を解決できる理由を説明する。
図14(b)に示すように、キャリブレーション点に誤差が生じていない場合には、変換曲線A1401が得られるものとする。変換曲線A1401は、キャリブレーション点(3)1402、キャリブレーション点(4)1403、キャリブレーション点(5)1404を通る。
ところが、実際のキャリブレーション点の計測では、キャリブレーションブロック106を、2指を立てて持ったり、強く握ったりすることで、キャリブレーション点に誤差が生じる場合が多いため、常に変換曲線Aが算出されるとは限らない。例えば、キャリブレーション点(3)1402に負の誤差が生じ、キャリブレーション点(5)1404に正の誤差が生じた場合は、変換曲線B1405が得られる。なお、図14(b)において、キャリブレーション点(3)1402、キャリブレーション点(4)1403、キャリブレーション点(5)1404の上下に延びる線は、それらの点で生じうる電圧値の誤差の大よその範囲を表している。
この変換曲線B1405を用いて電圧値を距離値に変換すると、距離値に大きな誤差が生じる。例えば、図14(b)中の電圧値V3を距離値に変換する場合は、変換曲線A1401を用いると真の距離値D5が算出されるのに対して、変換曲線B1405を用いるとD5’が算出され、真の距離値D5より著しく大きくなることが分かる。また、図14(b)中の電圧値V6を距離値に変換する場合は、変換曲線A1401を用いると真の距離値0が算出されるのに対して、変換曲線B1405を用いるとD6’が算出され、真の距離値0より小さくなることが分かる。このように、従来法では、キャリブレーション点から離れた部分(距離がD3以下またはD5以上)でキャリブレーション点の誤差が増幅されるために、距離値に大きな誤差が生じることが分かる。
一方、図13に示した本実施形態の方法では、変換曲線の精度が、キャリブレーション点の誤差に依存しにくい。これは、変換曲線の左端・中央付近・右端の3点にキャリブレーション点を設けているので、変換曲線の端が大きく変動しないためである。従来法では、キャリブレーション点(3)(4)(5)が変換曲線の中央に集まっていたため、これらのキャリブレーション点に誤差が生じると、変換曲線の右端や左端付近で誤差が増幅されていた。
図15では、従来法で算出された指タッピング運動の2指間距離と、本実施形態で算出された指タッピング運動の2指間距離を比較した模式図である。実線は、高速度カメラで計測した画像から得られた真の距離値を示す。点線は本実施形態によって算出された距離値を示し、鎖線は従来法で算出された距離値を示す。このように、従来法で算出された距離値は真値と大きな差異を生じるが、本実施形態によって算出された距離値は真値と近い値になる。
次に、運動波形微分手段3024(図2参照)は、変換された運動波形を時間微分又は時間積分することによって、距離波形と、速度波形と、加速度波形と、躍度波形とを補完的に生成する。
[被験者情報処理手段]
被験者情報処理手段304(図2参照)は、被験者情報や解析結果等の情報を記録する記憶部310内の被験者DB(Data Base)を備え、被験者DBに記録される情報の管理を行なうものである。
より詳細には、被験者情報処理手段304は、1)被験者情報の登録、修正、削除、検索、ソート、2)被験者情報と測定データとの関連付け、3)測定データの解析結果の登録、修正、削除(項目の追加、修正、削除)、4)統計処理を行なった場合には、その統計処理結果の登録、修正、削除の主に4項目の処理、を被験者DBとの連携によって行なう。
また、被験者DBに登録される被験者情報としては、被験者ID(identifier)、氏名、生年月日、年齢、身長、体重、疾患名、被験者に関するコメント等が挙げられる。なお、被験者情報処理手段304による、これらの情報管理は、従来公知のプログラムとデータ構成によって容易に実現することができるものである。
[出力処理手段]
出力処理手段306は、表示部18に、被験者DBに登録された被験者情報や解析結果等の情報を、グラフやテーブルの形式を適宜用いて視覚的に理解しやすい表示形式で表示させるものである。なお、出力処理手段306は、前記した全ての解析結果に関し、同時に表示させる必要はなく、操作者が適宜選択する項目に関して表示させる構成とすることもできる。
[表示部]
表示部18は、被験者情報処理手段304から得られた被験者情報や、運動波形生成手段302から得られた運動波形を表示するものであって、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイやプリンタ等によって実現することができる。
[操作入力部]
操作入力部16は、運動機能測定装置12の操作者が、被験者情報を入力するためのものであって、キーボードやマウス等によって実現することができる。また、被験者情報を入力する場合には、操作者による入力を補助するユーザインタフェースとして、ディスプレイに入力画面を表示させるようにしてもよい。
[画面例]
次に、図16〜図24を参照しながら、本実施形態の運動機能測定システム10において表示される画面の例について説明する。これらの画面は、例えば、運動機能解析装置14の出力処理手段306が表示部18に指示を出すことにより、表示部18に表示される。
図16は、メイン画面における測定データの一覧画面(測定データ一覧画面2700(コントロール画面))の例である。図16に示すように、測定データ一覧画面2700は、計測データ一覧部2702、検索条件入力部2704、業務(機能)ボタン部2706及び画面切換ボタン部2708とから構成される。図16では、画面切換ボタン部2708において「測定データ」が選択され、測定データ一覧画面2700が表示されている。なお、例えば、この画面表示のアプリケーションの起動時は、この測定データ一覧画面2700を表示するようにしておけばよい。
計測データ一覧部2702には、「被験者ID」、「氏名」、「測定日」、「測定時刻」、「測定時間」、「測定方法」、「年齢」、「性別」、「コメント1」及び「コメント2」が表示される。検索条件入力部2704には、検索のための項目として、「被験者ID」、「氏名」、「性別」、「年齢」、「測定日」、「測定方法」、「コメント1」及び「コメント2」が表示され、それらが入力又は選択可能となっている。運動機能解析装置14の操作者(以下、単に「操作者」と称する。)は、それらの項目のいずれか又は組み合わせに対して入力又は選択を行うことにより、検索を行うことができる。検索結果は、計測データ一覧部2702に表示される。
業務ボタン部2706には、業務として、新規測定2720(第1の操作子)(被験者情報を新規作成して指タッピングを測定)、測定2722(第1の操作子)(すでに選択されている被験者に関する指タッピングの測定)、データ解析2724(第2の操作子)(計測データ一覧部2702で選択されたデータの解析情報を表示)、経年表示2726(第3の操作子)(計測データ一覧部2702で選択されたデータの経年グラフを表示)、「測定情報削除」(計測データ一覧部2702で選択されたデータの削除)、「エクスポート」(計測データ一覧部2702で選択されたデータの解析結果をCSV(Comma Separated Values)形式で出力)の各ボタン(操作子)が備えられ、それらが選択されると該当する機能が起動する。
なお、データ解析2724、経年表示2726、「測定情報削除」及び「エクスポート」は、計測データ一覧部2702にて選択されたデータを対象として処理されるが、その選択がない場合や、選択情報が削除されている場合は、エラーメッセージを表示するようにしてもよい。また、検索結果が1000件より多い場合は、表示確認メッセージを表示するようにしてもよい。
業務ボタン部2706には、ツールとして、「データ管理」(計測データ一覧部2702で選択したデータの編集)と「オプション」(各画面のデフォルト値の設定)のボタンが備えられ、最下部に「終了」(本アプリケーションの終了)のボタンが備えられている。
図17は、メイン画面における被験者データの一覧画面(被験者データ一覧画面)の例である。図17に示すように、被験者データ一覧画面は、被験者データ一覧部2802、検索条件入力部2804、業務(機能)ボタン部2806及び画面切換ボタン部2708とから構成される。図17では、画面切換ボタン部2708において「被験者データ」が選択され、被験者データ一覧画面が表示されている。
被験者データ一覧部2802には、「被験者ID」、「氏名」、「生年月日」、「性別」、「利き手」及び「メモ」が表示される。検索条件入力部2804には、検索のための項目として、「被験者ID」、「氏名」及び「性別」が表示され、入力又は選択可能となっている。操作者は、それらの項目のいずれか又は組み合わせに対して入力又は選択を行うことにより、検索を行うことができる。そして、「検索開始」のボタンが操作されれば検索が開始され、「条件クリア」のボタンが操作されれば設定されている検索条件が一括クリアされる。
業務ボタン部2806には、業務として、新規測定2720(第1の操作子)及び測定2722(第1の操作子)のボタンが備えられており、それらの機能は測定データ一覧画面(図16参照)の場合と同様であるので説明を省略する。
図18は、被験者情報設定の画面の例である。この被験者情報設定の画面は、メイン画面の新規測定2720(図16参照)のボタンが操作されると起動する。図18に示すように、被験者情報設定の画面には、「被験者ID」、「氏名」、「生年月日」、「性別」、「利き手」及び「メモ」が表示され、入力又は選択可能となっている。なお、「被験者ID」、「氏名」等のいくつかの項目は必須項目(入力しないとエラー表示)とするのが望ましい。
下部には、「被験者IDより情報の取得」(「被験者ID」欄に入力されているIDに基づき、被験者DBに登録されているその被験者情報を取得)、「保存」(設定した内容を保存し、測定の設定の画面(図19参照)を表示)及び「閉じる」(被験者情報設定画面を終了してメイン画面(図16、図17参照)に戻る。)のボタンが備えられている。
図19は、測定の設定の画面の例である。この測定の設定の画面3000(測定条件設定画面)は、メイン画面の測定2722(図16参照)のボタンが操作されると起動する。図19に示すように、測定の設定の画面3000では、被験者情報3002、測定方法3004、測定時間3006(計測時間を設定。「自由」を選択すると、テキストボックスが入力可能となり、1〜999の数値を指定可能)、キャリブレーション情報3008(0mm、60mm、最大の各実施状態を表示。未実施の場合は背景色が灰色。実施済みの場合は背景色が白色)、測定コメント3010の各情報、及び、被験者情報の設定3012、キャリブレーションの設定3014、測定の実施3016、解析結果3018及び終了3020(測定の設定の画面3000を終了してメイン画面(図16,図17参照)に戻る)の各ボタンが備えられている。
被験者情報の設定3012を操作すると、被験者情報設定画面(図18参照。「保存」のボタンを「更新」のボタンに表示変更可)が表示され、被験者情報3002における各情報を設定(更新)することができる。キャリブレーションの設定3014を操作した場合について、図20及び図21を参照しながら説明する。
図20及び図21は、キャリブレーション点計測手段3021(図2参照)を実行するときに起動する画面である。キャリブレーションの設定3014(図19参照)のボタンが操作されたときに起動する画面であり、図20(a)、図20(b)、図21の順で画面が遷移する。キャリブレーションの設定3014のボタンを押すと、最初に図20(a)に示す画面が表示され、被験者が人差し指と親指を軽く閉じる。次に、被験者がキャリブレーションブロック106(図6等参照)の60mmの部分を2指で把持した後、操作者が「設定する」のボタンを操作すると、キャリブレーションが実行され、図20(b)に示す画面に遷移する。そして、被験者が2指を大きく広げると、キャリブレーションが実行される。図21に示す画面で「設定する」が押された後は、図19に示す画面に戻る。なお、図21の画面で得られた電圧値を用いて、被験者が2指を最大に開いたときの2指間の距離値を算出できる。この距離値を用いて、運動波形を被験者の手の大きさで正規化することも可能である。
図22は、測定の実施の画面の例である。この測定の実施の画面は、測定の設定の画面3000の「測定の実施3016」(図19参照)のボタンが操作されると起動する。
図22に示すように、測定の実施の画面には、右手と左手のグラフ(横軸が秒、縦軸が2指腹間の距離)が表示される。また、「測定開始」のボタンの操作により測定が開始され(解析するデータの取得が開始され)、「測定中止」のボタンの操作により測定が中止される(解析するデータの取得が中止される)。また、測定する被験者の情報(被験者IDなど)は、画面の右上に表示されている。なお、ここでグラフに表示されるのは、運動機能測定装置12から取得した電圧値の時系列データを、図2の運動波形生成手段302で変換して得られた運動波形である。
測定の実施の画面には、このほかに、「メトロノーム表示」、「閉じる」(本画面を閉じる)の各ボタンと、最下段の計測時間表示バー(測定時間をプログレスバー表示)が備えられている。また、測定を行った場合は、測定情報の保存確認メッセージを表示するようにしてもよい。
図23は、オプション画面(オプション設定をする画面)の例である。このオプション画面は、測定データ一覧画面2700の「オプション」(図16参照)のボタンが操作されると起動する。
図23に示すように、オプション画面で測定設定3802のタブが選択されている場合、キャリブレーションに関する初期値を設定することができる。各値とも、例えば、数値のみ入力可能とし、NULLの場合はエラーとする。
なお、図23のオプション画面では、図2のキャリブレーション点計測手段3021で計測された電圧値V2を記録してもよい。V2は、運動センサ22の発信コイルと検知コイルを十分な距離を保ってときに計測される電圧値である。V2は装置のオフセット電圧として記録され、変換式生成手段3022で用いられる。この記録は右手用、左手用のセンサそれぞれについて行われ、装置の使用前に一度計測されればその後は同じ値を使うことが可能である。
図24は、オプション画面(オプション設定をする画面)の他の例である。図24に示すように、オプション画面で測定実施3902のタブが選択されている場合、測定の実施の画面(図22参照)に関して、各項目の値を設定することができる。なお、背景色は、例えば、右手左手ともに、設定のない場合は白色とする。また、線色は、例えば、設定のない場合は左手を青色として右手を赤色とする。さらに、X軸最小値、X軸最大値、Y軸最小値及びY軸最大値は、数値のみ入力可能とする。
このようにして、図16〜図24に示した画面などを使用することによって、本実施形態の運動機能測定システム10を実現することができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。また、図1〜12に示す各構成や、図16〜24に示す各画面については、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。以下、図2の変換式生成手段3022、運動波形変換手段3023について、第1実施形態とは異なる方法を説明する。
前記したように、変換式生成手段3022は、運動機能測定装置12から送給された電圧データを運動波形に変換するための変換式を生成する。本実施形態では、複数の被験者の指タッピング運動を実測して、それぞれの被験者に対して個別に変換式(以下、個別変換式と称する。)を作成する。次に、それらの個別変換式を平均して1つの変換式(以下、マスター曲線と称する。)を算出する。以下、上記の二つのプロセスを説明する。
個別変換式を作成するために、被験者の指タッピング運動を実測する。図25に示すように、被験者の指に運動センサ22を装着して数周期分の指タッピング運動を行ってもらい、運動機能測定装置12から得られる電圧データを記録する。電圧値の計測と同時に、高速度カメラ251で手指を撮影し、画像から2指腹間の距離値を抽出する。このとき、高速度カメラのレンズ面は、人差し指と親指の作る平面と平行になるように設置する。本実施形態では、距離値を測定する機器として高速度カメラを用いたが、モーションキャプチャシステム等他の計測機器を用いてもよい。
このようにして得られた電圧データと距離データを、図26に示すように散布図にプロットする。グラフの横軸は2指腹間の距値離、縦軸は電圧値である。そして、散布図のデータを6次多項式で近似して、個別変換式fk261を得る(kは被験者番号でk=1〜n)。図26に示すように、個別変換式fk261は電圧と距離の範囲が限定されているため、後述するように距離が小さい部分と大きい部分では補間する必要がある。なお、本実施形態では散布図のデータを6次多項式で近似したが、散布図のデータを十分に表現できれば、他の高次多項式や変換テーブルを用いてもよい。
次に、マスター曲線を作成するために、複数の被験者(人数をnとする。)を対象にして、個別変換式fkをn個作成する(k=1〜n)。これらn個の個別変換式を、変換式群F271とする。そして、図27(a)に示すように、変換式群F271の全ての変換式が重複する電圧値の範囲を抽出してVcとする。
次に、図27(b)のように、その範囲をN等分(Nは十分に大きい数)して得られる電圧値を、電圧値Vci(i=0〜N)とする。最後に、個々の変換式fkを用いて、電圧値Vciを変換して得られる距離値Dik(kは被験者番号でk=1〜n)を求め、Di1〜Dinの平均値をDi’とする。このようにして得られた[Di’,Vci](i=0〜N)を、マスター曲線272と称する。
なお、本実施形態では、上記のように距離方向に平均してマスター曲線を算出したが、電圧方向に平均してマスター曲線を算出してもよい。また、ここで得られたマスター曲線をそのまま使わずに、キャリブレーションブロック106を用いて計測されるキャリブレーション点(8)282(Dx,Vx)(図28参照)を用いて補正してもよい。具体的には、図28に示すように、マスター曲線272を、キャリブレーション点(8)282を通るように距離方向(または電圧方向)に平行移動して、補正後マスター曲線281とする。
前記したように、マスター曲線はVcの範囲に限定されているため、Vc以外の範囲では別の方法で変換曲線を生成する必要がある。図29に示すように、電圧がVc0以上の部分については、マスター曲線の左端点291とキャリブレーション点(6)293(Dmin,Vmin)を1次多項式で補間する。キャリブレーション点(6)293とは、2指を軽く付けたときに得られる距離と電圧で、Dmin=0である。
同様に、電圧がVcN以下の部分は、マスター曲線の右端点292とキャリブレーション点(7)294(Dmax,Vmax)を2次多項式で補間する。キャリブレーション点(7)のVmaxは、運動センサ22の検知コイルと発信コイルを最大限に離したときに得られる電圧であり、予め装置に記録される値である。距離値Dmaxは、予め決めた値であり、本実施形態では300mmとする。なお、Dmaxは、被験者が2指を最大限に広げたときの指腹間距離と比較して十分に大きければ,300mmでなくてもよい。また、Dmax値として、運動センサ22の2コイルを最大限に離したときの2コイル間距離の実測値Dm(図12参照)を用いてもよい。電圧値Vmaxは、第1実施形態で説明した図23のオプション画面を用いて計測される。なお、本実施形態では、補間するために1次多項式や2次多項式を用いたが、他の数式や変換テーブルを用いてもよい。このようにして補間されたマスター曲線を補間済みマスター曲線295と称する。
運動波形変換手段3023(図2参照)では、変換式生成手段3022で得られた補間済みマスター曲線295を用いて、電圧値の時系列データを距離値の時系列データに変換する。上記のようにして運動波形を生成すると、毎回の計測前にキャリブレーション点(6)293を1回計測すれば足りるため、3回必要であった従来法と比較して、計測時の負担が少ないという利点がある(キャリブレーション点(8)282(図28参照)を用いて補正を行う場合は2回)。また、第1実施形態のように予め決められた数式で近似的に電圧と距離の関係を表すのと異なり、実測された指タッピング運動の電圧値と距離値の関係から変換式を得るので変換式の精度が高いと考えられる。
なお、本実施形態では個別変換式を得るために被験者の指タッピング運動を実測しているが、コンピュータ上で親指と人差し指の骨格や動作を模擬したモデルを構築することで、個別変換式を算出してもよい。具体的には、図30(a)のように被験者の手指の画像から各関節の長さや関節間の角度等のパラメタを抽出し、そのパラメタを用いて図30(b)のような三次元骨格モデルを構築して、指タッピング運動をシミュレーションする。三次元骨格モデルは、2指の爪部に検知コイルと発信コイルを装着していると仮定して構築している。このシミュレーションにおいて、2指腹間の距離値は、三次元骨格モデルの2指の腹の間の直線距離として算出される。磁気センサの電圧値は、三次元骨格モデル上の発信コイルと検知コイルの位置関係から検知コイル内に入る磁束を算出し、その磁束を装置のインダクタンスを用いて変換して得られる。
このようにして得られた電圧値と距離値から個別変換式fkを得る。同様にして、複数の被験者を対象として各関節の長さや関節間の角度等のパラメタを抽出して、指タッピング運動をシミュレーションすることで、変換式群Fを得ることができる。その後の計算は、前記した方法と同様である。なお、骨格モデルのパラメタは、実際の被験者の手指の画像から抽出したパラメタを用いずに、そのパラメタの平均値や分散等を用いてもよいし、文献等から仮定した値を用いてもよい。
このように、前記した実施形態1、2における運動機能測定装置12によれば、パーキンソン病の重症度診断の支援に適用できるだけでなく、その他の運動障害、リウマチ等の神経疾患の診断支援にも本装置による測定結果を応用できることは云うまでもない。
そして、前記した実施形態1、2において説明してきたキャリブレーション手法を用いることにより、従来よりも簡便で、かつ高精度な運動機能検査を実行できることになる。
つまり、本実施形態では、装置の使用前に予め測定しておいた装置固有のキャリブレーション点と、被験者が変わる度に毎回計測する被験者固有のキャリブレーション点を併用する。本実施形態により、被験者固有のキャリブレーション点を用いることで電圧値を距離値に高精度に変換でき、装置固有のキャリブレーション点を併用することでキャリブレーションの計測回数が減って計測が簡便になるという利点が生まれる。このように、必要性に応じて、装置固有のキャリブレーション点と被験者固有のキャリブレーション点を使い分けることで、従来法よりも簡便でかつ高精度な運動機能検査を実行することができる。
なお、前記したように、変換式生成手段3022は、個別変換式生成手段と、平均変換式生成手段と、変換式補間手段と、を有する。
個別変換式生成手段は、磁場発生手段と磁場検知手段とを装着した生体の2箇所の所定部位間の距離を所定の測定装置で計測して得られる距離データと、磁場検知手段が検知した磁場データとに基づいて、変換式を生成する。
平均変換式生成手段は、個別変換式生成手段が複数の生体について得た複数の変換式の平均的な変換式を生成する。
変換式補間手段は、平均変換式生成手段が生成した平均的な変換式において磁場データに対応する距離データが存在しない範囲について、キャリブレーション点計測手段が得たキャリブレーション点を用いて、平均的な変換式を補間する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を変えない範囲で実施することができる。
例えば、被験者の指にホルダ40(図4参照)を装着する場合、粘着シート38を用いるほか、シリコーン製のバンドを用いて指に巻きつけるようにしてもよい。
その他、具体的な構成等について、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
10 運動機能測定システム
12 運動機能測定装置
14 運動機能解析装置
16 操作入力部
18 表示部
20 収容部
22 運動センサ
24 運動センサインタフェース
26 運動センサ制御部
28 ハウジング
30a 第1コネクタ
30b 第2コネクタ
30c 第3コネクタ
30d 第4コネクタ
32 電源
34 スイッチ手段
36 ケーシング
38 粘着シート
40 ホルダ
42 コイル基板
46 リード線
78 粘着部材
100 内壁
102 第1収容空間部
104 収容空間部
106、106a キャリブレーションブロック
108a 第1ブロック
108b 第2ブロック
108c 第3ブロック
110 階段形状部
112 平面
131 変換曲線
132 キャリブレーション点(0)
133 キャリブレーション点(1)
134 キャリブレーション点(2)
200 交流発生回路(交流電流供給部)
202 電流発生用アンプ回路
204 プリアンプ回路
206 検波回路
208 位相調整回路
210 参照信号
212 LPF(Low−Pass Filter)回路
214 アンプ回路
216 出力信号
251 高速度カメラ
261 個別変換式fk
271 変換式群F
272 マスター曲線
281 補正後マスター曲線
282 キャリブレーション点(8)
291 マスター曲線の左端点
292 マスター曲線の右端点
293 キャリブレーション点(6)
294 キャリブレーション点(7)
295 補間済みマスター曲線
302 運動波形生成手段
303 信号制御手段
304 被験者情報処理手段
306 出力処理手段
310 記憶部
320 データ入力部
1401 変換曲線A
1402 キャリブレーション点(3)
1403 キャリブレーション点(4)
1404 キャリブレーション点(5)
1405 変換曲線B
2700 測定データ一覧画面
2702 計測データ一覧部
2704 検索条件入力部
2706 業務(機能)ボタン部
2708 画面切換ボタン部
2720 新規測定
2722 測定
2724 データ解析
2726 経年表示
2802 被験者データ一覧部
2804 検索条件入力部
2806 業務(機能)ボタン部
3000 測定の設定の画面
3002 被験者情報
3004 測定方法
3006 測定時間
3008 キャリブレーション情報
3010 測定コメント
3012 被験者情報の設定
3014 キャリブレーションの設定
3016 測定の実施
3018 解析結果
3020 終了
3021 キャリブレーション点計測手段
3022 変換式生成手段
3023 運動波形変換手段
3024 運動波形微分手段
3802 測定設定
3902 測定実施

Claims (6)

  1. 生体の運動により相互間の距離が変化する生体の2箇所の所定部位に装着された、磁場を発生させる磁場発生手段と、磁場を検知する磁場検知手段と、のうち、前記磁場検知手段が検知した磁場データに基づいて運動波形を生成する運動波形生成手段を有する運動機能解析装置であって、
    前記運動波形生成手段は、
    前記生体の2箇所の所定部位間の距離データ、及び、前記磁場検知手段が検知した磁場データ、から構成されるキャリブレーション点を計測するキャリブレーション点計測手段と、
    前記キャリブレーション点計測手段によって計測されたキャリブレーション点を用いて、前記磁場検知手段が検知した磁場データを運動波形に変換するための変換式を生成する変換式生成手段と、
    前記変換式生成手段が生成した変換式を用いて、前記磁場検知手段が検知した磁場データを変換して運動波形を生成する運動波形生成手段と、を有し、
    前記キャリブレーション点計測手段は、
    前記磁場発生手段と前記磁場検知手段とが、前記生体の2箇所の所定部位が互いに最大に離れる距離よりも大きな距離に保たれた状態で、装置に固有の電圧を計測する装置固有電圧計測手段と、
    前記磁場発生手段と前記磁場検知手段とが装着された前記生体の2箇所の所定部位間が所定の距離に保たれた状態で被験者に固有の電圧を計測する被験者固有電圧計測手段と、
    を有することを特徴とする運動機能解析装置。
  2. 前記変換式生成手段は、
    磁場データと距離データとの関係を表す関係式として、前記キャリブレーション点計測手段によって計測されたキャリブレーション点を代入して求められる関係式を用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の運動機能解析装置。
  3. 生体の運動により相互間の距離が変化する生体の2箇所の所定部位に装着された、磁場を発生させる磁場発生手段と、磁場を検知する磁場検知手段と、のうち、前記磁場検知手段が検知した磁場データに基づいて運動波形を生成する運動波形生成手段を有する運動機能解析装置であって、
    前記運動波形生成手段は、
    前記生体の2箇所の所定部位間の距離データ、及び、前記磁場検知手段が検知した磁場データ、から構成されるキャリブレーション点を計測するキャリブレーション点計測手段と、
    前記キャリブレーション点計測手段によって計測されたキャリブレーション点を用いて、前記磁場検知手段が検知した磁場データを運動波形に変換するための変換式を生成する変換式生成手段と、
    前記変換式生成手段が生成した変換式を用いて、前記磁場検知手段が検知した磁場データを変換して運動波形を生成する運動波形生成手段と、を有し、
    前記変換式生成手段は、
    前記磁場発生手段と前記磁場検知手段とを装着した前記生体の2箇所の所定部位間の距離を所定の測定装置で計測して得られる距離データと、前記磁場検知手段が検知した磁場データとに基づいて、前記変換式を生成する個別変換式生成手段と、
    前記個別変換式生成手段が前記複数の生体について得た複数の変換式に基いて、電圧値ごとの距離の平均値を算出することで、平均的な変換式を生成する平均変換式生成手段と、
    を含むことを特徴とする運動機能解析装置。
  4. 前記変換式生成手段は、
    前記平均変換式生成手段が生成した前記平均的な変換式において磁場データに対応する距離データが存在しない範囲について、前記キャリブレーション点計測手段が得たキャリブレーション点を用いて、前記平均的な変換式を補間する変換式補間手段と、をさらに有する
    ことを特徴とする請求項3に記載の運動機能解析装置。
  5. 前記個別式生成手段は、
    前記磁場発生手段と前記磁場検知手段とを装着した前記生体の2箇所の所定部位の距離データ及び磁場データを計測する
    ことを特徴とする請求項3に記載の運動機能解析装置。
  6. 前記個別式生成手段は、
    前記生体の2箇所の所定部位の運動をコンピュータ上でモデル化することによって、前記距離データ及び磁場データを算出する
    ことを特徴とする請求項3に記載の運動機能解析装置。
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